JP3906428B2 - 電動圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は電動圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電動圧縮機としては、例えば、実開昭61−116192号公報等に開示されている。
このような電動圧縮機では、電動駆動部(モータ部)と圧縮機構部(ポンプ部)とが別々に構成され直列に配置されているため、電動圧縮機の全長が長くなるという不具合があった。
このため、電動圧縮機の小型化を図るため、モータのロータにシリンダボアを形成し、そのシリンダボアにピストンを組み付けた、例えば、特開平2−305380号公報に開示された構造のものが知られている。
これにおいては、図3に示すように、ハウジング201内には、円筒状のステータ211と、そのステータ211内に嵌挿されたロータ212とを備えたモータ210が内設されている。ロータ212の中心部には主軸213が嵌合され、その主軸213の両端部は軸受214、215によってハウジング201の両端板部に回転可能に支持されている。
ロータ212にはシリンダボア220が形成され、そのシリンダボア220内には圧縮室を区画形成するピストン230が往復動可能に嵌挿されると共に、バネ235によって後退に弾発されている。
前記ハウジング201の一端部内壁面には、ロータ212の回転運動を往復直線運動に変換してピストン230に伝達するための斜板240が固定されている。この斜板240にはピストン230の一端が当接する傾斜状の案内面241が形成されている。
また、吸入孔と吐出孔とを有する弁板250は、ロータ212の端面に密接した状態で、ハウジング201の他端部内壁面に取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような図3に示す圧縮機においては、ロータ212内にシリンダボア220が形成される。このため、シリンダボア220は、ロータ212の回転に伴い回転しながら、冷媒の吸排気を行わなければならず、シリンダボア220の気密性を保つことは困難であった。
このように、図3に示すような電動駆動部と圧縮機構部を一体として構成した圧縮機では、ロータ212に形成したシリンダボア220の気密性を保つことが困難であるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明に係る電動圧縮機は、回転子を有する電動モータと、その電動モータを収納するハウジングを有し、
前記回転子の両端面に形成されたカムフォロワと、そのカムフォロワが当接する前記ハウジングの両端部内壁面に形成された傾斜面とにより構成され、前記回転子の回転運動を前記回転子の軸方向への往復直線運動に変換する運動変換機構が前記ハウジングと前記回転子の間に形成され、
前記ハウジングに形成されたシリンダボアには、前記回転子と作動連結されたピストンが往復動可能に嵌挿され、
前記回転子は回転運動を行うとともに、前記運動変換機構により往復直線運動を同時に行い、
前記回転子の往復直線運動により前記ピストンが往復動される。
上記圧縮機では、ピストンと回転子とを作動連結し、このピストンが嵌挿され往復動するシリンダボアを、ハウジングの内壁面に形成した。したがって、圧縮機構部と電動駆動部を一体として構成でき、同時に、シリンダボアがハウジング(固定部材)内に形成されるので、圧縮機の作動時においても、シリンダボアは回転せず、シリンダボアの気密性を保つことが容易となる。
【0005】
また、ハウジングの両端部内壁面に傾斜面を形成し、回転子の両端面にカムフォロワを形成することで、回転子の回転をピストン(回転子)の往復運動に変換している。したがって、傾斜面を一つとした場合に必要となるカムフォロワ(回転子)を傾斜面(カム面)に弾発するためのバネが不要となる。
【0006】
請求項2の発明に係る電動圧縮機は、請求項1に記載の電動圧縮機において、前記回転子は、その回転軸の両端にピストンが形成され、この両ピストンが前記ハウジングの両端部内壁面に形成されたシリンダボア内に往復動自在に嵌挿されている。
上記圧縮機では、回転子の両端にピストンが形成されているため、いわゆる2気筒に相当する機能を果たすことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1にしたがって説明する。
図1は、本発明に係わる電動圧縮機の縦断面図を示す。図1において、ハウジング1は、胴部ハウジング2と蓋体4と弁板9を介して取り付けられた蓋体3とから構成されている。
【0008】
ハウジング1内には、円筒状のステータ(固定子)7と、ステータ(固定子)7内に嵌挿されたロータ8とを備えた電動モータ6が内設されている。
ロータ8は、その中心部に主軸21が焼ばめや圧入嵌合により嵌合され、主軸21とロータ8が一体となって運動するようになしている。主軸21の端部24は、蓋体4の内壁面に形成された凹部34に挿入され、軸受け26により回転可能で、かつ、軸方向に相対移動可能に支持されている。
一方、主軸21の他端には、主軸21に対して径の大きいピストン22がロータ8の端面29から外側に突出するように形成されている。このピストン22は、胴部ハウジング2に形成されたシリンダボア20内に往復動可能に嵌挿されている。したがって、胴部ハウジング2に形成したシリンダボア20と、弁板9及び主軸21の一端に形成したピストン22により囲まれた空間が、圧縮室10を区画形成する。
また、ロータ8の両端面28、29には、それぞれ半球状のカムフォロワ30、31が形成されている。
なお、本実施の形態では、請求項でいう回転子には、ロータ8と主軸21とで構成されたものが相当する。
【0009】
蓋体4の内壁面には、主軸21に斜交する傾斜面32が形成され、ロータ8の端面29と対向する胴部ハウジング2の内壁面には、傾斜面32と平行な傾斜面33が形成されている。この両傾斜面32,33には、それぞれロータ8の両端面28,29に形成されたカムフォロワ30、31が当接している。
ここで、両端面28,29に形成される両カムフォロワ30,31は、ロータ8の回転中、常に傾斜面32,33に当接しなければならない。このため、カムフォロワ30が傾斜面32のロータ8 の端面28から最も遠い位置で当接している場合(図1の場合(ロータ8が最も蓋体4 に近い場合))には、カムフォロワ31は、傾斜面33のロータ8の端面29から最も近い位置で当接している。本実施形態の場合、傾斜面32,33が平行であるので、カムフォロワ30,31の位置は、主軸21の中心線の延長上からロータ8を見た場合、同一位置に配置されたように見える。
【0010】
また、蓋体3には、吸入室12及び吐出室14が形成されており、それぞれ弁板9に設けられた吸入弁機構16及び吐出弁機構15を介して圧縮室10に連通している。また、吸入室12および吐出室14は、それぞれ図外の冷媒通路に接続されている。
【0011】
次に、上述した圧縮機の動作について説明する。
モータ6に、通電すると、ロータ8が回転する。このとき、ロータ8の端面28,29に形成したカムフォロワ30,31は、ロータ8の回転中、ハウジング1の内壁面に形成した傾斜面32,33と接触を保つ。このため、ロータ8は軸方向に往復直線運動し、また、ロータ8と主軸21は嵌合固定されているため、主軸21も回転しながら軸方向に往復直線運動する。したがって、主軸21に形成したピストン22も、回転しながらシリンダボア20内を往復直線運動する。このように、本実施形態では、ロータ8に形成されたカムフォロワ30,31とハウジング1の内壁面に形成された傾斜面32,33が、ロータ8の回転をロータ8 (ピストン22)の往復直線運動に変換する運動変換機構となる。
【0012】
ピストン22が、上死点から下死点迄動くと、圧縮室10内の圧力が吸入室12内の圧力より低くなるため、吸入室12内の冷媒が、吸入弁機構16を通って圧縮室10内に吸入される。
次に、ピストン22が下死点から上死点迄動くと、圧縮室10内に吸引された冷媒は圧縮され、圧縮室10内の冷媒の圧力が所定の圧力値を超えると、吐出弁機構15を通って吐出室14に吐出される。
吐出室14に吐き出された冷媒は、図外の凝縮機、膨張弁、蒸発器の順に流れて、圧縮機の吸入室32に還流される。
【0013】
上述したように、この電動圧縮機では、ロータ8に嵌合固定した主軸21の一端にピストン22を形成し、このピストン22を胴部ハウジング2に形成したシリンダボア20内で往復動させている。このため、電動駆動部と圧縮機構部を一体として構成できるため、圧縮機を小型化することができる。また、ハウジング1 (固定部材)内にシリンダボア20を形成したので、圧縮機の作動時においても、シリンダボア20は回転せず、シリンダボア20の気密性を保つことが容易となり、電動圧縮機の耐久性、信頼性を向上することができる。
また、この電動圧縮機では、ロータ8の両端面にカムフォロワ30,31とハウジング1の両端部内壁面に形成された傾斜面32,33により、ロータ8の回転をピストン22の往復直線運動に変換している。したがって、ロータ8に確実に往復直線運動を行わせることが可能となるとともに、図3に示す圧縮機と異なりバネを使用しないので、圧縮機を高速運転できる。バネを使用した圧縮機を高速回転させると、バネに共振(サージング)が発生し耐久性が問題となるからである。
【0014】
次に、上述した図1の電動圧縮機の変更例について説明する。
図1の電動圧縮機では、ハウジング1の両端部内壁面に傾斜面を形成したが、これに限られるものではなく、例えば、ハウジング1の内壁面に斜板を取り付けるような構成としてもよい。このようにすれば、ハウジング1と斜板を別々に形成すればよく、ハウジングの形成が容易となる。
【0015】
また、図1に示す電動圧縮機では、ロータ8の回転運動をロータ8の軸方向の往復直線運動とするために、傾斜面32,33と、ロータの両端面に形成したカムフォロワ30,31により運動変換を行ったが、これに限られるものではない。
例えば、図2は、この運動変換機構を他の機構で置き換えた電動圧縮機の縦断面図である。この電動圧縮機では、主軸21の端部24の周面に溝25を形成し、蓋体4にはこの溝25と係合する係合部5を設ける。
このように構成された電動圧縮機で、ロータ8の回転により主軸21が回転すると、主軸21の周面に形成した溝25の形状にしたがってピストン22(ロータ8)は軸方向に往復動することになる。このような運動変換機構を使用すれば、ロータ8の一端面側のみを使って運動変換を行うことができ、設計の自由度が増える。
また、図2の圧縮機では、主軸21に溝25を形成したがこれに限られるものではなく、例えば、ロータ8をステータ(固定子)7よりも外側に張り出させ、この周面に溝を形成してもよい。このようにすれば径の大きいところに溝を形成することができ、主軸21が細くて強度的に溝が形成できない場合に有効である。
なお、図2に示す電動圧縮機の他の構成は、図1 の電動圧縮機と略同様にして構成されるため同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
【0016】
また、図1及び図2の電動圧縮機では、ロータ8の片側の端面にのみピストン22を形成したが、両端にピストンを形成してもよい。この場合は、ハウジングの両端部の内壁面にシリンダボアを形成する。このように、ロータの両端面にピストンを形成することにより、2気筒に相当する機能を持たせることができる。なお、図1及び図2の電動圧縮機では、ロータと主軸を別々に作成し、嵌合固定したが、機械加工により一体として作成してもよい。また、逆に、ロータ及び主軸を、さらに適宜分割して組み立てるようにしてもよい。
さらに、図1 及び図2 の電動圧縮機では、主軸21に単一のピストン22を形成したが、これに限られるものではない。例えば、ハウジングの端部内壁面に複数のシリンダボアを形成し、各シリンダボアにピストンを嵌挿する。そして、各ピストンの一端が回転子の端面に常に接するように、シリンダボア内に配設したバネによりピストンを回転子端面に弾発するようにする。したがって、前述同様に往復動する回転子によって、各ピストンがシリンダボア内を往復動することとなる。このような構成により、シリンダボアの気密性を保ちつつ、多気筒の機能を持たせることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、電動駆動部と圧縮機構部が一体として構成されるため、圧縮機を小型化することができると同時に、シリンダボアがハウジング内に形成されるため、シリンダボアの気密性を保つことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係わる電動圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】この発明の実施の形態に係わる電動圧縮機の変形例を示す縦断面図である。
【図3】従来の電動圧縮機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
6 モータ
7 ステータ(固定子)
8 ロータ
10 圧縮室
20 シリンダボア
21 主軸
22 ピストン
30,31 カムフォロワ
32,33 傾斜面
Claims (2)
- 回転子を有する電動モータと、その電動モータを収納するハウジングを有し、
前記回転子の両端面に形成されたカムフォロワと、そのカムフォロワが当接する前記ハウジングの両端部内壁面に形成された傾斜面とにより構成され、前記回転子の回転運動を前記回転子の軸方向への往復直線運動に変換する運動変換機構が前記ハウジングと前記回転子の間に形成され、
前記ハウジングに形成されたシリンダボアには、前記回転子と作動連結されたピストンが往復動可能に嵌挿され、
前記回転子は回転運動を行うとともに、前記運動変換機構により、往復直線運動を同時に行い、
前記回転子の往復直線運動により、前記ピストンが往復動される電動圧縮機。 - 請求項1に記載の電動圧縮機において、
前記回転子は、その回転軸の両端にピストンが形成され、この両ピストンが前記ハウジングの両端部内壁面に形成されたシリンダボア内に往復動自在に嵌挿されている電動圧縮機。
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-
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