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JP3903740B2 - 耐食性に優れた有機被覆鋼板 - Google Patents

耐食性に優れた有機被覆鋼板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、家電、建材用途などに最適な有機被覆鋼板に関し、製品を取扱う作業者やユーザーへの影響、製造時の排水処理対策、さらには使用環境下における製品からの有害物質の揮発・溶出などの環境問題に適応するために、製造時および製品中にクロム、鉛、カドミウム、水銀などの重金属を全く含まない環境適応型表面処理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸又はその塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメート処理は耐食性に優れ、且つ比較的簡単に行うことができる経済的な処理方法である。
【0003】
クロメート処理は公害規制物質である6価クロムを使用するものであるが、この6価クロムは処理工程においてクローズドシステムで処理され、完全に還元・回収されて自然界には放出されていないこと、また、有機皮膜によるシーリング作用によってクロメート皮膜中からのクロム溶出もほぼゼロにできることから、実質的には6価クロムによって環境や人体が汚染されることはない。しかしながら、最近の地球環境問題から、6価クロムを含めた重金属の使用を自主的に削減しようとする動きが高まりつつある。また、廃棄製品のシュレッダーダストを投棄した場合に環境を汚染しないようにするため、製品中にできるだけ重金属を含ませない若しくはこれを削減しようとする動きも始まっている。
【0004】
このようなことから、亜鉛系めっき鋼板の白錆の発生を防止するために、クロメート処理によらない無公害な処理技術、所謂クロムフリー技術が数多く提案されている。このうち有機系化合物や有機樹脂を利用した方法もいくつか提案されており、例えば、以下のような方法を挙げることができる。
【0005】
(1)タンニン酸を用いる方法(例えば、特開昭51−71233号)
(2)エポキシ樹脂とアミノ樹脂とタンニン酸を混合した熱硬化性塗料を用いる方法(例えば、特開昭63−90581号)
(3)水系樹脂と多価フェノールカルボン酸の混合組成物を用いる方法(例えば、特開平8−325760号)などのようなタンニン酸のキレート力を利用する方法
(4)ヒドラジン誘導体水溶液をブリキ又は亜鉛鉄板の表面に塗布する表面処理方法(例えば、特公昭53−27694号、特公昭56−10386号)
(5)アシルザルコシンとベンゾトリアソールとの混合物にアミンを付加させて得られたアミン付加塩を含む防錆剤を用いる方法(例えば、特開昭58−130284号)
(6)ベンゾチアゾール化合物などの複素環化合物とタンニン酸を混合した処理剤を用いる方法(例えば、特開昭57−198267号)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術には以下に述べるような問題点がある。
まず、上記(1)〜(4)の方法はいずれも耐食性の面で問題がある。これは、いずれの方法によっても、得られる皮膜が自己補修効果を有していないことに一因がある。すなわち、クロメート皮膜では、
(a) バリア効果:3価Cr主体の難溶性化合物(水和酸化物)による腐食因子(水、酸素、塩素など)に対する障壁効果
(b) 自己補修効果:6価Crによる腐食起点での保護皮膜形成効果
の両者の相乗効果によって高度の耐食性を発現する。ところが、従来のクロムフリー技術では、バリア効果についてはクロムに頼らなくとも有機樹脂などによってある程度付与できるが、自己補修効果については、6価Crの代替となる自己補修性発現物質が提供されていなかったため、高度の耐食性は実現できなかった。
【0007】
また、上記(1)の方法では耐食性が不十分であるだけでなく、処理後の均一な外観が得られない。また、上記(2)の方法は、特に亜鉛系又はアルミニウム系めっき表面に直接、薄膜状(0.1〜5μm)の防錆皮膜を形成することを狙いとしたものではなく、このため亜鉛系又はアルミニウム系めっき表面に薄膜状に適用したとしても十分な防食効果は得られない。また、上記(3)の方法についても同様に耐食性が不十分である。
【0008】
さらに上記(4)の方法は亜鉛系又はアルミニウム系めっき鋼板について適用したものではなく、また、仮に亜鉛系又はアルミニウム系めっき鋼板に適用したとしても、得られる皮膜はネットワーク構造を有していないため十分なバリヤー性がなく、このため耐食性が不十分である。また、特公昭53−23772号、特公昭56−10386号には皮膜の均一性向上を狙いとしてヒドラジン誘導体水溶液に水溶性高分子化合物(ポリビニルアルコール類、マレイン酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体など)を混合することが開示されているが、ヒドラジン誘導体水溶液と水溶性高分子化合物との単なる混合物では十分な耐食性は得られない。
【0009】
さらに、上記(5)、(6)の方法も亜鉛系又はアルミニウム系めっき鋼板表面に短時間で防錆皮膜を形成することを狙いとしたものではなく、また、仮に処理剤をめっき鋼板表面に塗布したとしても、酸素や水などの腐食因子へのバリヤー性がないため優れた耐食性は得られない。また、(6)の方法については、添加剤として樹脂(エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩化ビニル樹脂など)との混合についても述べられているが、ベンゾチアゾール化合物などの複素環化合物と樹脂との単なる混合物では十分な耐食性は得られない。
【0010】
また、上記(1)〜(6)の方法はいずれも、プレス加工などで表面に塗布した油を除去するために、スプレーなどによるpH9〜11程度のアルカリ脱脂を行うような実用条件においては、アルカリ脱脂によって皮膜が剥離又は損傷し、耐食性を保持できないという問題がある。したがって、これらの方法は、防錆皮膜を形成する方法としては実用に適したものではない。
また、最近のOA機器やAV機器はデジタル化が進み、ノイズ対策から表面処理鋼板に対して厳しい導電性が要求されるようになってきた。また、OA機器ではシャーシの組み立て工程でスポット溶接を行う場合が多く、高い生産性を確保するためはスポット溶接での高度な連続打点性が要求される。クロメート皮膜を有する有機被覆鋼板の場合は極めて薄い皮膜で優れた耐食性を示すため、そのような厳しい導電性やスポット溶接での高度な連続打点性の要求にも対応することができるが、従来のクロムフリーの有機被覆鋼板では、薄膜になるほど皮膜の欠陥部からの腐食が発生しやすくなり、これにより耐食性が著しく低下するという問題がある。
【0011】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、皮膜中に6価クロムなどの重金属を含まず、製造工程や使用する際にも安全、無害であって、しかも優れた耐食性が得られる有機被覆鋼板を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記のような優れた耐食性とともに高度の導電性及びスポット溶接性を兼ね備えた有機被覆鋼板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として特定の複合酸化物皮膜を形成し、その上部に第2層皮膜として、特定の有機高分子樹脂を基体樹脂とし、この基本樹脂中に6価クロムに代わる特定の自己補修性発現物質(防錆添加成分)を適量配合した有機皮膜を形成することにより、環境や人体に悪影響を及ぼすおそれのあるクロメート処理を行うことなく、無公害で且つ耐食性に極めて優れた有機被覆鋼板が得られることを見い出した。さらに、このような有機被覆鋼板の第1層皮膜と第2層皮膜の付着量を特定の範囲に規制することにより、優れた耐食性とともに高度の導電性及びスポット溶接性を兼ね備えた有機被覆鋼板が得られることを見い出した。
【0013】
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴とする構成は以下の通りである。
【0014】
[1]亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)、(g)及び(h)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)、(g)及び(h)の配合比が固形分の重量比で(e)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(g)/(h)=20/80〜80/20である、
(e)モリブデン酸塩
(g)カルシウム化合物
(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素
膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0016】
[2]亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記下記(f)、(g)及び(h)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(f)、(g)及び(h)の配合比が固形分の重量比で(f)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(g)/(h)=20/80〜80/20である、
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
(g)カルシウム化合物
(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素
膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0017】
3 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(f)及び(i)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(f)及び(i)の配合比が固形分の重量比で(f)/(i)=20/80〜80/20である、
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
(i)Caイオン交換シリカ
膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0018】
4 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)及び(f)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)及び(f)の配合比が固形分の重量比で(e)/(f)=20/80〜80/20である、
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0019】
[5]亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)、(f)、(g)及び(h)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)、(f)、(g)及び(h)の配合比が固形分の重量比で(e)/(f)=20/80〜80/20、(e)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(f)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(g)/(h)=20/80〜80/20である、
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
(g)カルシウム化合物
(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素
膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0020】
6 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)、(f)及び(i)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)、(f)及び(i)の配合比が固形分の重量比で(e)/(f)=20/80〜80/20、(e)/(i)=20/80〜80/20、(f)/(i)=20/80〜80/20である、
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
(i)Caイオン交換シリカ
膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0021】
7 上記[1]〜 6 のいずれかの有機被覆鋼板において、有機皮膜が、さらに固形潤滑剤(C)を含有し、該固形潤滑剤(C)の含有量が前記基体樹脂100重量部(固形分)に対して1〜80重量部(固形分)であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
8 上記[1]〜 7 のいずれかの有機被覆鋼板において、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
9 上記[1]〜 8 のいずれかの有機被覆鋼板において、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)が、エポキシ樹脂及び/又は変性エポキシ樹脂であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0022】
10 上記[1]〜 9 のいずれかの有機被覆鋼板において、複合酸化物皮膜中に含まれる成分(α)が酸化ケイ素であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
11 上記 10 の有機被覆鋼板において、酸化ケイ素の一次粒子径が8nm以下であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
12 上記[1]〜 11 のいずれかの有機被覆鋼板において、複合酸化物皮膜がさらに有機樹脂を含有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
13 上記[1]〜 12 のいずれかの有機被覆鋼板において、複合酸化物皮膜は成分(α)とP換算量での成分(β)とMg、Mn及びAlの金属換算量での成分(γ)の合計付着量が6〜1000mg/mであり、有機皮膜は付着量が0.1g/m以上、0.5g/m未満であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
【0025】
本発明の有機被覆鋼板の基本的な特徴は、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、(α)酸化物微粒子と、(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)とを含有する(好ましくは、主成分として含有する)複合酸化物皮膜を形成し、さらにその上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)(好ましくは熱硬化性樹脂、さらに好ましくはエポキシ樹脂及び/又は変性エポキシ樹脂)を基体樹脂とし、これに自己補修性発現物質(防錆添加成分)として、(e)モリブデン酸塩、(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、(g)カルシウム化合物、(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、(i)Caイオン交換シリカ、のなかから選ばれる成分を特定の組み合わせで複合添加した防錆添加成分(B)を配合した有機皮膜を形成した点にある。
【0026】
このような特定の複合酸化物皮膜と有機皮膜とからなる二層皮膜構造による防食機構は必ずしも明らかでないが、第1層皮膜の複合酸化物皮膜による以下に述べるような腐食抑制効果と第2層皮膜の皮膜形成樹脂によるバリヤー作用とが複合化することにより、薄膜でありながらクロメート皮膜に匹敵する耐食性が得られるものと考えられる。
【0027】
上記第1層皮膜である複合酸化物皮膜の防食機構については必ずしも明確でないが、▲1▼緻密で難溶性の複合酸化物皮膜がバリヤー性皮膜として腐食因子を遮断すること、▲2▼酸化ケイ素などの酸化物微粒子が、リン酸及び/又はリン酸化合物とMg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属と共に安定で緻密なバリヤー皮膜を形成すること、▲3▼酸化物微粒子が酸化ケイ素である場合にケイ酸イオンが腐食環境下で塩基性塩化亜鉛の形成を促し、バリヤー性を向上させること、などにより優れた防食性能が得られるものと考えられる。
【0028】
さらに皮膜に欠陥が生じた場合でも、カソード反応によってOHイオンが生成して界面がアルカリ性になることにより上記成分(γ)がMe(OH)として沈殿し、緻密で難溶性の生成物として欠陥を封鎖し、腐食反応を抑制するものと考えられる。また、上述したようにリン酸および/またはリン酸化合物は複合酸化物皮膜の緻密性の向上に寄与するとともに、皮膜欠陥部で腐食反応であるアノード反応によって溶解した亜鉛イオンをリン酸成分が捕捉し、難溶性のリン酸亜鉛化合物としてそこに沈殿生成物を形成するものと考えられる。以上のように、成分(γ)とリン酸および/またはリン酸化合物は皮膜欠陥部での自己補修作用を示すものと考えられる。
【0029】
また、上記成分(γ)の中でも、マグネシウム成分を含有する場合に特に優れた耐食性が得られる。これは、Mgは他の金属に較べて水酸化物の溶解度が低く、難溶塩を形成しやすいためであると考えられる。
また、上記のような作用効果は、上述したように複合酸化物皮膜の成分(α)としてSiO微粒子を特定の付着量で、成分(β)としてリン酸および/またはリン酸化合物を特定の付着量で、成分(γ)としてマグネシウム成分を特定の付着量で、それぞれ含有させた場合に特に顕著に得られる。
【0030】
上記第2層皮膜である有機皮膜の防食機構についても必ずしも明確でないが、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)(好ましくは熱硬化性樹脂、さらに好ましくはエポキシ樹脂及び/又は変性エポキシ樹脂)が架橋剤との反応により緻密なバリヤー皮膜を形成し、このバリヤー皮膜は、酸素などの腐食因子の透過抑制能に優れ、また分子中のOH基やCOOH基により素地との強固な結合力が得られるため、特に優れた耐食性(バリヤー性)が得られるものと考えられる。
【0031】
また、上記のような特定の有機高分子樹脂からなる有機皮膜中に、
(a)Caイオン交換シリカ及びリン酸塩
(b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩及び酸化ケイ素
(c)カルシウム化合物及び酸化ケイ素
(d)カルシウム化合物、リン酸塩及び酸化ケイ素
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
のうちのいずれかの、若しくは上記(e)及び/又は(f)に他の成分を複合添加した防錆添加成分(B)(自己補修性発現物質)を適量配合することにより、特に優れた防食性能(自己修復効果)を得ることができる。この特定の有機皮膜中に上記(a)〜(f)の成分を配合したことにより得られる防食機構は以下のように考えられる。
【0032】
まず、上記(a)〜(d)の成分は沈殿作用によって自己補修性を発現するもので、その反応機構は以下のステップで進むと考えられる。
[第1ステップ]:腐食環境下において、めっき金属である亜鉛やアルミニウムよりも卑なカルシウムが優先溶解する。
[第2ステップ]:リン酸塩の場合、加水分解反応により解離したリン酸イオンと上記第1ステップで優先溶解したカルシウムイオンが錯形成反応を起こし、また酸化ケイ素の場合、表面に上記第1ステップで優先溶解したカルシウムイオンが吸着し、表面電荷を電気的中和して凝集する。その結果、いずれの場合も緻密且つ難溶性の保護皮膜が生成し、これが腐食起点を封鎖することによって腐食反応を抑制する。
【0033】
また、上記(e)の成分は不動態化効果によって自己補修性を発現する。すなわち、腐食環境下で溶存酸素と共にめっき皮膜表面に緻密な酸化物を形成し、これが腐食起点を封鎖することによって腐食反応を抑制する。
また、上記(f)の成分は吸着効果によって自己補修性を発現する。すなわち、腐食によって溶出した亜鉛やアルミニウムが、上記(f)の成分が有する窒素や硫黄を含む極性基に吸着して不活性皮膜を形成し、これが腐食起点を封鎖することによって腐食反応を抑制する。
【0034】
一般の有機皮膜中に上記(a)〜(f)の成分を配合した場合でも、ある程度の防食効果は得られるが、上記のように特定の有機高分子樹脂からなるバリア性に優れた有機皮膜中に上記(a)〜(f)の自己補修性発現物質を配合することにより、両者の効果(バリア性と自己補修性)が複合化し、これにより極めて優れた防食効果が発揮されるものと考えられる。
また、上記(a)〜(d)、(e)、(f)の各成分によって得られる自己補修効果からして、より高度な自己補修性を得るには上記(e)及び/又は(f)を必須成分とし、これに他の成分を複合させた以下のような組み合せの防錆添加成分(B)を調整(配合)するのが好ましく、特に、下記(5) 及び (6)の場合に最も高度な自己補修性(すなわち、耐白錆性)が得られる。
【0035】
(1) (e)モリブデン酸塩、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分
(2)
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分
(3)
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、及び(i)Caイオン交換シリカ、を配合した防錆添加成分
【0036】
(4)
(e)モリブデン酸塩、及び(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、を配合した防錆添加成分
(5)
(e)モリブデン酸塩、(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分
(6)
(e)モリブデン酸塩、(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、及び(i)Caイオン交換シリカ、を配合した防錆添加成分
【0037】
また、本発明の有機被覆鋼板は以上述べたような機構によって高度な耐食性を有するため、これら皮膜の付着量を十分に低減させること、具体的には第1層皮膜の成分(α)とP換算量での成分(β)とMg、Mn及びAlの金属換算量での成分(γ)の合計付着量を6〜1000mg/m 、第2層皮膜の付着量を0.1g/m以上、0.5g/m未満とすることができ、これによって優れた耐食性とともに高度の導電性及びスポット溶接性を兼ね備えた有機被覆鋼板とすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細とその限定理由を説明する。
本発明の有機被覆鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Co合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板)、Zn−Mg合金めっき鋼板、Zn−Al−Mgめっき鋼板、さらにはこれらのめっき鋼板のめっき皮膜中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合めっき鋼板(例えば、Zn−SiO 分散めっき鋼板)などを用いることができる。
【0039】
また、上記のようなめっきのうち、同種又は異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を用いることもできる。
また、本発明の有機被覆鋼板のベースとなるアルミニウム系めっき鋼板としては、アルミニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板などを用いることができる。
また、めっき鋼板としては、鋼板面に予めNiなどの薄目付めっきを施し、その上に上記のような各種めっきを施したものであってもよい。
めっき方法としては、電解法(水溶液中での電解又は非水溶媒中での電解)、溶融法及び気相法のうち、実施可能ないずれの方法を採用することもできる。
【0040】
また、後述するような二層皮膜をめっき皮膜表面に形成した際に皮膜欠陥やムラが生じないようにするため、必要に応じて、予めめっき皮膜表面にアルカリ脱脂、溶剤脱脂、表面調整処理(アルカリ性の表面調整処理、酸性の表面調整処理)などの処理を施しておくことができる。また、有機被覆鋼板の使用環境下での黒変(めっき表面の酸化現象の一種)を防止する目的で、必要に応じて予めめっき皮膜表面に鉄族金属イオン(Niイオン、Coイオン、Feイオン)を含む酸性又はアルカリ性水溶液による表面調整処理を施しておくこともできる。また、電気亜鉛めっき鋼板を下地鋼板として用いる場合には、黒変を防止する目的で電気めっき浴に鉄族金属イオン(Niイオン、Coイオン、Feイオン)を添加し、めっき皮膜中にこれらの金属を1ppm以上含有させておくことができる。この場合、めっき皮膜中の鉄族金属濃度の上限については特に制限はない。
【0041】
次に、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される第1層皮膜である複合酸化物皮膜について説明する。
この複合酸化物皮膜は、従来の酸化リチウムと酸化ケイ素からなる皮膜組成物に代表されるアルカリシリケート処理皮膜とは全く異なり、
(α)酸化物微粒子(好ましくは、酸化ケイ素)と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する(好ましくは、主成分として含有する)複合酸化物皮膜である。
【0042】
前記成分(α)である酸化物微粒子としては、耐食性の観点から特に酸化ケイ素(SiO微粒子)が好ましい。また、酸化ケイ素の中でもコロイダルシリカが最も好ましい。
コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製のスノーテックスO、スノーテックスOS、スノーテックスOXS、スノーテックスOUP、スノーテックスAK、スノーテックスO40、スノーテックスOL、スノーテックスOL40、スノーテックスOZL、スノーテックスXS、スノーテックスS、スノーテックスNXS、スノーテックスNS、スノーテックスN、スノーテックスQAS−25、触媒化成工業(株)製のカタロイドS、カタロイドSI−350、カタロイドSI−40、カタロイドSA、カタロイドSN、旭電化工業(株)製アデライトAT−20〜50、アデライトAT−20N、アデライトAT−300、アデライトAT−300S、アデライトAT20Qなどを用いることができる。
【0043】
これらの酸化ケイ素の中でも、特に粒子径が14nm以下のもの、さらには好ましくは8nm以下のものが耐食性の観点から望ましい。
また、酸化ケイ素としては、乾式シリカ微粒子を皮膜組成物溶液に分散させたものを用いることもできる。この乾式シリカとしては、例えば、日本アエロジル(株)製アエロジル200、アエロジル3000、アエロジル300CF、アエロジル380などを用いることができ、なかでも粒子径12nm以下、さらに好ましくは7nm以下のものが望ましい。
【0044】
酸化物微粒子としては、上記の酸化ケイ素のほかに、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモンなどのコロイド溶液、微粉末などを用いることもできる。
耐食性および溶接性の観点から上記成分(α)の好ましい付着量は0.01〜3000mg/m、より好ましくは0.1〜1000mg/m、さらに好ましくは1〜500mg/mである。
また、耐食性と高度の導電性及びスポット溶接性を同時に得るという観点からは、上記成分(α)の好ましい付着量は1〜600mg/mである。
【0045】
前記成分(β)であるリン酸及び/又はリン酸化合物は、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸などこれらの金属塩や化合物などの1種又は2種以上を皮膜組成物中に添加することにより皮膜成分として配合することができる。また、皮膜組成物に有機リン酸やそれらの塩(例えば、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩及びこれらの金属塩)の1種以上を添加してもよい。また、そのなかでも第一リン酸塩が皮膜組成物溶液の安定性の面から好適である。
また、リン酸塩として第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第三リン酸アンモニウムの1種以上を皮膜組成物溶液に添加すると、耐食性がより改善される傾向が認められた。その理由は明らかでないが、これらのアンモニウム塩を使用した場合には、皮膜組成物溶液のpHを高くしても液がゲル化しない。一般に、アルカリ域では金属塩が不溶性となるため、pHの高い皮膜組成物溶液から皮膜が形成される場合に、より難溶性の化合物が乾燥過程で生じるものと考えられる。
【0046】
皮膜中でのリン酸、リン酸化合物の存在形態も特別な限定はなく、また、結晶若しくは非結晶であるか否かも問わない。また、皮膜中でのリン酸、リン酸化合物のイオン性、溶解度についても特別な制約はない。
耐食性および溶接性などの観点から上記成分(β)の好ましい付着量はP量換算で0.01〜3000mg/m、より好ましくは0.1〜1000mg/m、さらに好ましくは1〜500mg/mである。
また、耐食性と高度の導電性及びスポット溶接性を同時に得るという観点からは、上記成分(β)の好ましい付着量は1〜600mg/mである。
【0047】
前記成分(γ)である Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属が皮膜中に存在する形態は特に限定されず、金属として、或いは酸化物、水酸化物、水和酸化物、リン酸化合物、配位化合物などの化合物若しくは複合化合物として存在してよい。これらの化合物、水酸化物、水和酸化物、リン酸化合物、配位化合物などのイオン性、溶解度などについても特に限定されない。
成分(γ)である上記各元素は皮膜中でリン酸、リン酸化合物及び酸化物微粒子と複合化合物を形成し、緻密なバリヤー性皮膜を形成して耐食性向上に寄与する。
【0048】
これらの元素のうちMgは、腐食環境下でカソード反応によってOHイオンが生成して界面がアルカリ性になり、緻密で難溶性のMg(OH)として沈殿することにより皮膜の欠陥を封鎖し、腐食反応を抑制するものと考えられる。Mnは、腐食環境下でカソード反応によってOHイオンが生成して界面がアルカリ性になり、緻密で難溶性のリン酸塩若しくは水酸化物として沈殿することにより皮膜の欠陥を封鎖し、腐食反応を抑制するものと考えられる。また、ユーザーで鋼板表面の加工油、防錆油、揮発油等をアルカリ脱脂で洗浄する場合には、Mnのリン酸塩はアルカリ環境下で溶解し難いので、極めて好適である。Alは、腐食環境下でカソード反応によってOHイオンが生成して界面がアルカリ性になり、緻密で難溶性のリン酸塩として沈殿することにより皮膜の欠陥を封鎖し、腐食反応を抑制するものと考えられる。また、ユーザーで鋼板表面の加工油、防錆油、揮発油等をアルカリ脱脂で洗浄する場合には、Alのリン酸塩はアルカリ環境下で溶解し難いので、極めて好適である。
【0049】
皮膜中に成分(γ)を導入する方法としては、 Mg、Mn、Alのリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などとして皮膜組成物に添加すればよい。
耐食性および皮膜外観の低下防止の観点から上記成分(γ)の好ましい付着量は金属量換算で0.01〜1000mg/m、より好ましくは0.1〜500mg/m、さらに好ましくは1〜100mg/mある。
また、耐食性と高度の導電性及びスポット溶接性を同時に得るという観点からは、上記成分(γ)の好ましい付着量は1〜600mg/mである。
【0050】
複合酸化物皮膜の構成成分である、(α)酸化物微粒子と、(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)のモル比(α)/(γ)(但し、成分(γ)は前記金属の金属換算量)は0.1〜20、望ましくは0.1〜10とすることが好ましい。このモル比(α)/(γ)が0.1未満では酸化物微粒子の添加効果が十分に得られず、一方、20を超えると酸化物微粒子が皮膜の緻密化を阻害してしまう。
また、複合酸化物皮膜の構成成分である、(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)のモル比(γ)/(β)(但し、成分(β)はP換算、成分(γ)は前記金属の金属量換算)は0.1〜1.5とすることが好ましい。このモル比が0.1未満では、可溶性のリン酸によって複合酸化物皮膜の難溶性が損なわれ、耐食性が低下するため好ましくない。また、モル比が1.5を超えると処理液安定性が著しく低下するため好ましくない。
【0051】
複合酸化物皮膜中には、皮膜の加工性、耐食性を向上させることを目的として、さらに有機樹脂を配合することができる。この有機樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリル−エチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン樹脂などの1種又は2種以上を用いることができる。これらは水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂として皮膜中に導入できる。
さらに、これらの水系樹脂に加えて、水溶性エポキシ樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性ブタジエンラバー(SBR、NBR、MBR)、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート、オキサゾリン化合物などを架橋剤として併用することが有効である。
【0052】
複合酸化物皮膜中には、耐食性をさらに向上させるための添加剤として、さらに、ポリリン酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸亜鉛、リン酸二水素アルミニウム、亜リン酸亜鉛など)、モリブデン酸塩、リンモリブデン酸塩(例えば、リンモリブデン酸アルミニウムなど)、有機リン酸及びその塩(例えば、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩及びこれらの金属塩、アルカリ金属塩など)、有機インヒビター(例えば、ヒドラジン誘導体、チオール化合物、ジチオカルバミン酸塩など)、有機化合物(例えば、ポリエチレングリコールなど)などの1種又は2種以上を配合してもよい。
【0053】
さらに、その他の添加剤として、有機着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料など)、着色染料(例えば、有機溶剤可溶性アゾ系染料、水溶性アゾ系金属染料など)、無機顔料(例えば、酸化チタンなど)、キレート剤(例えば、チオールなど)、導電性顔料(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケルなどの金属粉末、リン化鉄、アンチモンドーブ型酸化錫など)、カップリング剤(例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤など)、メラミン・シアヌル酸付加物などの1種又は2種以上を添加することもできる。
【0054】
また、複合酸化物皮膜中には、有機被覆鋼板の使用環境下での黒変(めっき表面の酸化現象の一種)を防止する目的で、鉄族金属イオン(Niイオン,Coイオン,Feイオン)の1種以上を添加してもよい。なかでもNiイオンの添加が最も好ましい。この場合、鉄族金属イオンの濃度としては、処理組成物中の金属量換算での成分(γ)1M(金属換算)に対して1/10000M以上あれば所望の効果が得られる。鉄族イオン濃度の上限は特に定めないが、濃度の増加に伴い耐食性に影響を及ぼさない程度とするのが好ましく、成分(γ)1M(金属換算)に対して1M、望ましくは1/100M程度とするのが好ましい。
【0055】
複合酸化物皮膜の膜厚は0.005〜3μm、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.1〜1μm、さらに好ましくは0.2〜0.5μmとする。複合酸化物皮膜の膜厚が0.005μm未満では耐食性が低下する。一方、膜厚が3μmを超えると、溶接性などの導電性が低下する。また、複合酸化物皮膜をその付着量で規定する場合、上記成分(α)、上記成分(β)のP換算量、上記成分(γ)の金属換算量を含めた合計付着量を6〜3600mg/m、好ましくは10〜1000mg/m、さらに好ましくは50〜500mg/m、特に好ましくは100〜500mg/m、最も好ましくは200〜400mg/mとすることが適当である。この合計付着量が6mg/m未満では耐食性が低下し、一方、合計付着量が3600mg/mを超えると、導電性が低下するため溶接性などが低下する。
また、耐食性とともに高度の導電性及びスポット溶接性を得たい場合には、上記成分(α)とP換算量での上記成分(β)とMg、Mn及びAlの金属換算量での上記(γ)の合計付着量を6〜1000mg/m、好ましくは10〜600mg/mとすることが適当である。この合計付着量が6mg/m未満では耐食性が不十分であり、一方、合計付着量が1000mg/mを超えると所望とする極めて高度な導電性及びスポット溶接性が得られない。
【0056】
次に、上記複合酸化物皮膜の上部に第2層皮膜として形成される有機皮膜について説明する。
本発明において、複合酸化物皮膜の上部に形成される有機皮膜は、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、これに自己補修性発現物質である特定の成分が複合添加された防錆添加成分(B)が配合され、さらに、必要に応じて固形潤滑剤(C)が配合された膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜である。
【0057】
有機皮膜の基体樹脂としては、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を用いる。また、そのなかでは熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ樹脂又は変性エポキシ樹脂が好ましい。さらにその中でも、酸素などの腐食因子に対して優れた遮断性を有する熱硬化性のエポキシ樹脂や変性エポキシ樹脂が最適であり、とりわけ高度な導電性及びスポット溶接性を得るために皮膜の付着量を低レベルにする場合には特に有利である。
OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アルキッド樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミン樹脂、ポリフェニレン樹脂類及びこれらの樹脂の2種以上の混合物若しくは付加重合物などが挙げられる。
【0058】
(1)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラックなどをグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、ビスフェノールAにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド又はポリアルキレングリコールを付加し、グリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、さらには脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、ポリエーテル系エポキシ樹脂などを用いることができる。
これらエポキシ樹脂は、特に低温での硬化を必要とする場合には、数平均分子量1500以上のものが望ましい。なお、上記エポキシ樹脂は単独又は異なる種類のものを混合して使用することもできる。
【0059】
変性エポキシ樹脂としては、上記エポキシ樹脂中のエポキシ基又はビドロキシル基に各種変性剤を反応させた樹脂が挙げられる。例えば、乾性油脂肪酸中のカルボキシル基を反応させたエポキシエステル樹脂、アクリル酸、メタクリル酸などで変性したエポキシアクリレート樹脂、イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂にイソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂にアルカノールアミンを付加したアミン付加ウレタン変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂は、単核型若しくは2核型の2価フェノール又は単核型と2核型との混合2価フェノールを、アルカリ触媒の存在下にほぼ等モル量のエピハロヒドリンと重縮合させて得られる重合体である。単核型2価フェノールの代表例としてはレゾルシン、ハイドロキノン、カテコールが挙げられ、2核型フェノールの代表例としてはビスフェノールAが挙げられ、これらは単独で使用しても或いは2種以上を併用してもよい。
【0060】
(2)ウレタン樹脂
ウレタン樹脂としては、例えば、油変性ポリウレタン樹脂、アルキド系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。
(3)アルキド樹脂
アルキド樹脂としは、例えば、油変性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、スチレン化アルキド樹脂、シリコン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、高分子量オイルフリーアルキド樹脂などを挙げることができる。
【0061】
(4)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリアクリル酸エステル及びその共重合体、ポリメタクリル酸エステル及びその共重合体、ポリメタクリル酸エステル及びその共重合体、ウレタン−アクリル酸共重合体(又はウレタン変性アクリル樹脂)、スチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられ、さらにこれらの樹脂を他のアルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによって変性させた樹脂を用いてもよい。
【0062】
(5)エチレン樹脂(ポリオレフィン樹脂)
エチレン樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、カルボキシル変性ポリオレフィン樹脂などのエチレン系共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン系アイオノマーなどが挙げられ、さらに、これらの樹脂を他のアルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによって変性させた樹脂を用いてもよい。
(6)アクリルシリコン樹脂
アクリルシリコン樹脂としては、例えば、主剤としてアクリル系共重合体の側鎖又は末端に加水分解性アルコキシシリル基を含み、これに硬化剤を添加したものなどが挙げられる。これらのアクリルシリコン樹脂を用いた場合、優れた耐候性が期待できる。
【0063】
(7)フッ素樹脂
フッ素樹脂としては、フルオロオレフィン系共重合体があり、これには例えば、モノマーとしてアルキルビニルエーテル、シンクロアルキルビニルエーテル、カルボン酸変性ビニルエステル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、テトラフルオロプロピルビニルエーテルなどと、フッ素モノマー(フルオロオレフィン)とを共重合させた共重合体がある。これらフッ素樹脂を用いた場合には、優れた耐候性と優れた疎水性が期待できる。
【0064】
また、樹脂の乾燥温度の低温化を狙いとして、樹脂粒子のコア部分とシェル部分とで異なる樹脂種類、又は異なるガラス転移温度の樹脂からなるコア・シェル型水分散性樹脂を用いることができる。
また、自己架橋性を有する水分散性樹脂を用い、例えば、樹脂粒子にアルコキシシラン基を付与することによって、樹脂の加熱乾燥時にアルコキシシランの加水分解によるシラノール基の生成と樹脂粒子間のシラノール基の脱水縮合反応を利用した粒子間架橋を利用することができる。
また、有機皮膜に使用する樹脂としては、有機樹脂をシランカップリング剤を介してシリカと複合化させた有機複合シリケートも好適である。
【0065】
本発明では有機皮膜の耐食性や加工性の向上を狙いとして、特に熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。この場合、尿素樹脂(ブチル化尿素樹脂など)、メラミン樹脂(ブチル化メラミン樹脂)、ブチル化尿素・メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、ブロックイソシアネート、オキサゾリン化合物、フェノール樹脂などの硬化剤を配合することができる。
以上述べた有機樹脂の中で、耐食性、加工性、塗装性を考慮すると、エポキシ樹脂、エチレン系樹脂が好ましく、特に、酵素などの腐食因子に対して優れた遮断性を有する熱硬化性のエポキシ樹脂や変性エポキシ樹脂が特に好適である。これらの熱硬化性樹脂としては、熱硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性変性エポキシ樹脂、エポキシ基含有モノマーと共重合したアクリル系共重合体樹脂、エポキシ基を有するポリブタジエン樹脂、エポキシ基を有するポリウレタン樹脂、及びこれらの樹脂の付加物もしくは縮合物などが挙げられ、これらのエポキシ基含有樹脂の1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0066】
有機皮膜中に自己補修性発現物質である下記(a)〜(f)のうちのいずれかの防錆添加成分(B)、
(a)Caイオン交換シリカ及びリン酸塩
(b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩及び酸化ケイ素
(c)カルシウム化合物及び酸化ケイ素
(d)カルシウム化合物、リン酸塩及び酸化ケイ素
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
若しくは上記(e)及び/又は(f)に他の成分を配合した防錆添加成分(B)を添加する。
これら成分(a)〜(f)による防食機構については先に述べた通りである。
【0067】
上記成分(a)、(b)中に含まれるCaイオン交換シリカは、カルシウムイオンを多孔質シリカゲル粉末の表面に固定したもので、腐食環境下でCaイオンが放出されて沈殿膜を形成する。
Caイオン交換シリカとしては任意のものを用いることができるが、平均粒子径が6μm以下、望ましくは4μm以下のものが好ましく、例えば、平均粒子径が2〜4μmのものを用いることができる。Caイオン交換シリカの平均粒子径が6μmを超えると耐食性が低下するとともに、塗料組成物中での分散安定性が低下する。
Caイオン交換シリカ中のCa濃度は1wt%以上、望ましくは2〜8wt%であることが好ましい。Ca濃度が1wt%未満ではCa放出による防錆効果が十分に得られない。なお、Caイオン交換シリカの表面積、pH、吸油量については特に限定されない。
【0068】
以上のようなCaイオン交換シリカとしては、商品名でW.R.Grace&Co.製のSHIELDEX C303(平均粒子径2.5〜3.5μm、Ca濃度3wt%)、SHIELDEX AC3(平均粒子径2.3〜3.1μm、Ca濃度6wt%)、SHIELDEX AC5(平均粒子径3.8〜5.2μm、Ca濃度6wt%)、富士シリシア化学(株)製のSHIELDEX(平均粒子径3μm、Ca濃度6〜8wt%)、SHIELDEX SY710(平均粒子径2.2〜2.5μm、Ca濃度6.6〜7.5wt%)などを用いることができる。
【0069】
上記成分(a)、(b)、(d)中に含まれるリン酸塩は、単塩、複塩などの全ての種類の塩を含む。また、それを構成する金属カチオンに限定はなく、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウムなどのいずれの金属カチオンでもよい。また、リン酸イオンの骨格や縮合度などにも限定はなく、正塩、二水素塩、一水素塩又は亜リン酸塩のいずれでもよく、さらに、正塩はオルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩などの全ての縮合リン酸塩を含む。
【0070】
上記成分(c)、(d)中に含まれるカルシウム化合物は、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カルシウム塩のいずれでもよく、これらの1種または2種以上を使用できる。また、カルシウム塩の種類にも特に制限はなく、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのようなカチオンとしてカルシウムのみを含む単塩のほか、リン酸カルシウム・亜鉛、リン酸カルシウム・マグネシウムなどのようなカルシウムとカルシウム以外のカチオンを含む複塩を使用してもよい
【0071】
上記成分(b)、(c)、(d)中に含まれる酸化ケイ素は、コロイダルシリカ、乾式シリカのいずれでもよい。コロイダルシリカとしては、水系皮膜形成樹脂をベースとする場合には、例えば、商品名で日産化学工業(株)製のスノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスC、スノーテックスS、触媒化成工業(株)製のカタロイドS、カタロイドSI−350、カタロイドSI−40、カタロイドSA、カタロイドSN、旭電化工業(株)製のアデライトAT−20〜50、アデライトAT−20N、アデライトAT−300、アデライトAT−300S、アデライトAT20Qなどを用いることができる。
【0072】
また、溶剤系皮膜形成樹脂をベースとする場合には、例えば、商品名で日産化学工業(株)製のオルガノシリカゾルMA−ST−M、オルガノシリカゾルIPA−ST、オルガノシリカゾルEG−ST、オルガノシリカゾルE−ST−ZL、オルガノシリカゾルNPC−ST、オルガノシリカゾルDMAC−ST、オルガノシリカゾルDMAC−ST−ZL、オルガノシリカゾルXBA−ST、オルガノシリカゾルMIBK−ST、触媒化成工業(株)製のOSCAL−1132、OSCAL−1232、OSCAL−1332、OSCAL−1432、OSCAL−1532、OSCAL−1632、OSCAL−1722などを用いることができる。
【0073】
特に、有機溶剤分散型シリカゾルは、分散性に優れ、ヒュームドシリカよりも耐食性に優れている。
また、ヒュームドシリカとしては、例えば、商品名で日本アエロジル(株)製のAEROSIL R971、AEROSIL R812、AEROSIL R811、AEROSIL R974、AEROSIL R202、AEROSIL R805、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 300、AEROSIL 300CFなどを用いることができる。
【0074】
微粒子シリカは、腐食環境下において緻密で安定な亜鉛の腐食生成物の生成に寄与し、この腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによって、腐食の促進を抑制することができると考えられている。
耐食性の観点からは、微粒子シリカは粒子径が5〜50nm、望ましくは5〜20nm、さらに好ましくは5〜15nmのものを用いるのが好ましい。
前記成分(e)のモリブデン酸塩は、その骨格、縮合度に限定はなく、例えばオルトモリブデン酸塩、パラモリブデン酸塩、メタモリブデン酸塩などが挙げられる。また、単塩、複塩などの全ての塩を含み、複塩としてはリン酸モリブデン酸塩などが挙げられる。
【0075】
上記成分(f)の有機化合物のうち、トリアゾール類としては、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾールなどが、またチアジアゾール類としては、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどが、またチアゾール類としては、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール類などが、またチウラム類としては、テトラエチルチウラムジスルフィドなどが、それぞれ挙げられる。
【0080】
上記の防錆添加成分(a)〜(f)は、先に述べたように腐食環境下において沈殿効果(成分(a)〜(d)の場合)、不動態化効果(成分(e)の場合)、吸着効果(成分(f)の場合)により、それぞれ保護皮膜を形成する。
特に、特定の有機高分子樹脂に上記成分(a)〜(f)のいずれかを配合することにより、特定の有機高分子樹脂によるバリア効果と上記成分(a)〜(f)による自己補修効果とが複合化することによって極めて優れた防食効果が発揮される。
【0081】
また、上記(a)〜(d)、(e)、(f)の各成分によって得られる自己補修効果(上述した3つのタイプの保護皮膜形成効果)からして、より高度な自己補修性を得るには上記(e)及び/又は(f)に他の成分を複合添加した以下のような組み合せの防錆添加成分(B)を調整(配合)するのが好ましく、特に、下記(5) 及び (6)の場合に最も高度な自己補修性(すなわち、耐白錆性)が得られる。
(1) (e)モリブデン酸塩、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分
【0082】
(2)
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分
(3)
(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、及び(i)Caイオン交換シリカ、を配合した防錆添加成分
(4)
(e)モリブデン酸塩、及び(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、を配合した防錆添加成分
【0083】
(5)
(e)モリブデン酸塩、(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分
(6)
(e)モリブデン酸塩、(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、及び(i)Caイオン交換シリカ、を配合した防錆添加成分
ここで、適用し得るカルシウム化合物、リン酸塩、酸化ケイ素、Caイオン交換シリカについては、先に(a)〜(d)の成分に関して述べたものと同様である。
【0084】
上記(1)の(e)モリブデン酸塩、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分において、これら(e)、(g)及び(h)の配合比は固形分の重量比で(e)/(g)+(h)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当であり、また(g)/(h)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当である。
【0085】
ここで、(e)/(g)+(h)が1/99未満又は99/1超えでは、異なる自己補修効果を複合させることによる効果が十分に得られない。また、(g)/(h)が1/99未満ではカルシウム溶出量が少なく、腐食起点を封鎖するだけの保護皮膜を形成できず、一方、99/1を超えると、保護皮膜の形成にとって必要以上の量のカルシウムが溶出するばかりでなく、そのカルシウムと錯形成反応を起こすのに必要なリン酸イオンやカルシウムを吸着させるのに必要な酸化ケイ素が十分に供給されないため、十分な自己補修効果が得られない。
【0087】
上記(2)の(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分において、これら(f)、(g)及び(h)の配合比は固形分の重量比で(f)/(g)+(h)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当であり、また、(g)/(h)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当である。
【0088】
ここで、(f)/(g)+(h)が1/99未満又は99/1超えでは、異なる自己補修効果を複合させることによる効果が十分に得られない。また、(g)/(h)が1/99未満ではカルシウム溶出量が少なく、腐食起点を封鎖するだけの保護皮膜を形成できず、一方、99/1を超えると、保護皮膜の形成にとって必要以上の量のカルシウムが溶出するばかりでなく、そのカルシウムと錯形成反応を起こすのに必要なリン酸イオンやカルシウムを吸着させるのに必要な酸化ケイ素が十分に供給されないため、十分な自己補修効果が得られない。
【0089】
上記(3)の(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物及び(i)Caイオン交換シリカ、を配合した防錆添加成分において、(f)及び(i)の配合比は固形分の重量比で(f)/(i)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当である。
ここで、(f)/(i)が1/99未満又は99/1超えでは、異なる自己補修効果を複合させることによる効果が十分に得られない。
【0090】
上記(4)の(e)モリブデン酸塩、及び(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、を配合した防錆添加成分において、(e)及び(f)の配合比は固形分の重量比で(e)/(f)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当である。
ここで、(e)/(f)が1/99未満又は99/1超えでは、異なる自己補修効果を複合させることによる効果が十分に得られない。
【0091】
上記(5)の(e)モリブデン酸塩、(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、(g)カルシウム化合物、及び(h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素、を配合した防錆添加成分において、これら(e)、(f)、(g)及び(h)の配合比は固形分の重量比で(e)/(f)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当であり、(e)/(g)+(h)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当であり、(f)/(g)+(h)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当であり、(g)/(h)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当である。
【0092】
ここで、(e)/(f)、(e)/(g)+(h)、(f)/(g)+(h)が、それぞれ1/99未満又は99/1超えでは、異なる自己補修効果を複合させることによる効果が十分に得られない。また、(g)/(h)が1/99未満ではカルシウム溶出量が少なく、腐食起点を封鎖するだけの保護皮膜を形成できず、一方、99/1を超えると、保護皮膜の形成にとって必要以上の量のカルシウムが溶出するばかりでなく、そのカルシウムと錯形成反応を起こすのに必要なリン酸イオンやカルシウムを吸着させるのに必要な酸化ケイ素が十分に供給されないため、十分な自己補修効果が得られない。
【0093】
上記(6)の(e)モリブデン酸塩、(f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物、及び(i)Caイオン交換シリカ、を配合した防錆添加成分において、これら(e)、(f)及び(i)の配合比は固形分の重量比で(e)/(f)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当であり、(e)/(i)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当であり、(f)/(i)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20が適当である。
ここで、(e)/(f)、(e)/(i)、(f)/(i)が、それぞれ1/99未満又は99/1超えでは、異なる自己補修効果を複合させることによる効果が十分に得られない。
【0094】
有機樹脂皮膜中での上記防錆添加成分(B)の合計の配合量(複合添加した自己補修性発現物質の合計の配合量)は、基体樹脂100重量部(固形分)に対して、1〜100重量部(固形分)、好ましくは5〜80重量部(固形分)、さらに好ましくは10〜50重量部(固形分)とする。防錆添加成分(B)の配合量が1重量部未満では耐食性向上効果が小さい。一方、配合量が100重量部を超えると、耐食性が低下するので好ましくない。
【0095】
また、有機皮膜中には上記の防錆添加成分に加えて、腐食抑制剤として、他の酸化物微粒子(例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモンなど)、リンモリブデン酸塩(例えば、リンモリブデン酸アルミニウムなど)、有機リン酸及びその塩(例えば、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩、及びこれらの金属塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩など)、有機インヒビター(例えば、ヒドラジン誘導体、チオール化合物、ジチオカルバミン酸塩など)などの1種又は2種以上を添加できる。
【0096】
有機皮膜中には、さらに必要に応じて、皮膜の加工性を向上させる目的で固形潤滑剤(C)を配合することができる。
本発明に適用できる固形潤滑剤(C)としては、例えば、以下のようなものが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
(1)ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス:例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素など
(2)フッ素樹脂微粒子:例えば、ポリフルオロエチレン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂など)、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂など
【0097】
また、この他にも、脂肪酸アミド系化合物(例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドなど)、金属石けん類(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウムなど)、金属硫化物(例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなど)、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩などの1種又は2種以上を用いてもよい。
【0098】
以上の固形潤滑剤の中でも、特に、ポリエチレンワックス、フッ素樹脂微粒子(なかでも、ポリ4フッ化エチレン樹脂微粒子)が好適である。
ポリエチレンワックスとしては、例えば、ヘキスト社製のセリダスト 9615A、セリダスト 3715、セリダスト 3620、セリダスト 3910、三洋化成(株)製のサンワックス 131−P、サンワックス 161−P、三井石油化学(株)製のケミパール W−100、ケミパール W−200、ケミパールW−500、ケミパール W−800、ケミパール W−950などを用いることができる。
【0099】
また、フッ素樹脂微粒子としては、テトラフルオロエチレン微粒子が最も好ましく、例えば、ダイキン工業(株)製のルブロン L−2、ルブロン L−5、三井・デュポン(株)製のMP1100、MP1200、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンディスパージョン AD1、フルオンディスパージョン AD2、フルオン L141J、フルオン L150J、フルオン L155Jなどが好適である。
また、これらのなかで、ポリオレフィンワックスとテトラフルオロエチレン微粒子の併用により特に優れた潤滑効果が期待できる。
【0100】
有機皮膜中での固形潤滑剤(C)の配合量は、基体樹脂100重量部(固形分)に対して、1〜80重量部(固形分)、好ましくは3〜40重量部(固形分)とする。固形潤滑剤(C)の配合量が1重量部未満では潤滑効果が乏しく、一方、配合量が80重量部を超えると塗装性が低下するので好ましくない。
【0101】
本発明の有機被覆鋼板が有する有機皮膜は、通常、特定の有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、これに自己補修性発現物質である特定の成分を複合添加した防錆添加成分(B)が配合され、必要に応じて、固形潤滑剤(C)及び硬化剤などが添加されるが、さらに必要に応じて、添加剤として、有機着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料など)、着色染料(例えば、有機溶剤可溶性アゾ系染料、水溶性アゾ系金属染料など)、無機顔料(例えば、酸化チタンなど)、キレート剤(例えば、チオールなど)、導電性顔料(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケルなどの金属粉末、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫など)、カップリング剤(例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤など)、メラミン・シアヌル酸付加物などの1種又は2種以上を添加することができる。
【0102】
また、上記基体樹脂および添加成分を含む皮膜形成用の塗料組成物は、通常、溶媒(有機溶剤及び/又は水)を含有し、さらに必要に応じて中和剤などが添加される。
以上述べたような有機皮膜は上記複合酸化物皮膜の上部に形成される。
有機皮膜の乾燥膜厚は0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μmとする。有機皮膜の膜厚が0.1μm未満では耐食性が不十分であり、一方、膜厚が5μmを超えると導電性、加工性が低下する。
また、耐食性とともに高度の導電性及びスポット溶接性を得たい場合には、有機皮膜の付着量を0.1g/m以上、0.5g/m未満、好ましくは0.15g/m以上、0.5g/m未満とすることが適当である。有機皮膜の付着量が0.1g/m未満では耐食性が不十分であり、一方、付着量が0.5g/m以上では所望とする極めて高度な導電性及びスポット溶接性が得られない。
【0103】
亜鉛めっき鋼板に表面に、表2及び表3のNo.1の第1層皮膜用組成物からなる本発明条件を満足する複合酸化物皮膜(成分(α)とP換算量での成分(β)とMg、Mn及びAlの金属換算量での成分(γ)の合計付着量:359mg/m)を形成し、その上部に表4のNo.1の第2層皮膜用樹脂組成物(基体樹脂:熱硬化性エポキシ樹脂)の固形分100重量部に対して表5のNo.15の防錆添加成分を15重量部配合した皮膜用組成物からなる有機皮膜を形成した有機被覆鋼板について、有機皮膜の付着量と耐食性との関係を調べた結果を図1に、同じく有機皮膜の付着量とスポット溶接性との関係を調べた結果を図2に、同じく有機皮膜の付着量と導電性との関係を調べた結果を図3に、それぞれ示す。
なお、耐食性は[実施例1]において耐白錆性を評価した複合腐食試験(CCT)を行い、20サイクル後の白錆発生面積率をもとに[実施例1]と同様の評価基準で評価した。また、スポット溶接性と導電性については[実施例2]と同様の試験を行い、同様の評価基準で評価した。
【0104】
図1によれば有機皮膜の付着量が多くなるほど耐食性は向上し、付着量を0.1g/m以上、好ましくは0.15g/m以上とすることにより良好な耐食性が得られていることが判る。一方、図2によれば有機皮膜の付着量が0.5g/m以上となるとスポット溶接性(スポット連続打点性)が急激に低下し、また、図3によれば有機皮膜の付着量が0.5g/m以上となると導電性も急激に悪化していることが判る。以上の理由から、優れた耐食性と特に高度な導電性及びスポット溶接性を得るためには、有機皮膜の付着量を0.1g/m以上、0.5g/m未満、好ましくは0.15g/m以上、0.5g/m未満とすることが適当である。
【0105】
次に、本発明の有機被覆鋼板の製造方法について説明する。
本発明の有機被覆鋼板は、上述した複合酸化物皮膜の構成成分を含む処理液で亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面を処理(処理液を塗布)した後、加熱乾燥させ、次いでその上層に、上述した有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、これに上述した特定の成分を複合添加した防錆添加成分(B)が添加され、さらに必要に応じて固形潤滑剤(C)などが添加された塗料組成物を塗布し、加熱乾燥させることにより製造される。
なお、めっき鋼板の表面は、上記処理液を塗布する前に必要に応じてアルカリ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるために表面調整処理などの前処理を施すことができる。
【0106】
亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面を処理液で処理し、複合酸化物皮膜を形成するには、
(イ)酸化物微粒子と、
(ロ)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(ハ)Mg、Mn、Alのうちのいずれかの金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物、前記金属のうちの少なくとも1種を含む複合化合物からなる群の中から選ばれる1種以上と、
を含有し、さらに必要に応じて上述した各添加成分(有機樹脂成分、鉄族金属イオン、腐食抑制剤、その他の添加剤)を添加した処理液(水溶液)で処理し、しかる後加熱乾燥させることが好ましい。
【0107】
ここで、上記処理液としては、前記添加成分(イ)のモル濃度、前記添加成分(ロ)の 換算の合計モル濃度、前記添加成分(ハ)の前記金属の金属量換算の合計モル濃度が、モル比(イ)/(ハ)=0.1〜20、好ましくは0.1〜10、モル比(ハ)/(ロ)=0.1〜1.5を満足するように調整された処理液を用いる。
前記モル比(イ)/(ハ)が0.1未満では酸化物微粒子の添加効果が十分に得られず、一方、20を超えると酸化物微粒子が皮膜の緻密化を阻害してしまう。
また、上記モル比(ハ)/(ロ)が0.1未満ではMgなどの金属成分の添加に効果が十分に得られず、一方、1.5を超えると、処理液安定性が低下してしまう。
【0108】
添加成分(イ)である酸化物微粒子としては酸化ケイ素(SiO微粒子)が最も好ましい。この酸化ケイ素は処理液中で安定な水分散性のシリカ微粒子であればよく、市販のシリカゾルや水分散性のケイ酸オリゴマーなどを用いることができる。但し、ヘキサフルオロケイ酸などのフッ化物は腐食性が強く、人体への影響も大きいため、作業環境への影響などの観点から使用しないことが望ましい。
処理液中での酸化物微粒子の添加量(酸化ケイ素の場合はSiO 量としての添加量)は0.001〜3.0モル/L、好ましくは0.05〜1.0モル/L、さらに好ましくは0.1〜0.5モル/Lとするのが適当である。酸化物微粒子の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分でなく、耐食性が劣る傾向がある。一方、添加量が3.0モル/Lを超えると皮膜の耐水性が悪くなり、結果的に耐食性も劣化する傾向がある。
【0109】
添加成分(ロ)であるリン酸及び/又はリン酸化合物としては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸などのポリリン酸、メタリン酸及びこれらの無機塩(例えば、第一リン酸アルミニウムなど)、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩などのリン酸含有の化合物が、水溶液中で溶解した際に生じるアニオン、あるいは金属カチオンとの錯イオンとして存在している形態、遊離酸として存在している形態、無機塩として水分散状態で存在している形態など全てを含み、本発明におけるリン酸成分の量は処理液中で存在するこれら全ての形態の合計を 換算として規定する。
【0110】
処理液中でのリン酸および/またはリン酸化合物の添加量は 換算で0.001〜6.0モル/L、好ましくは0.02〜1.0モル/L、さらに好ましくは0.1〜0.8モル/Lとするのが適当である。リン酸及び/又はリン酸化合物の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分でなく、耐食性が劣る傾向がある。一方、添加量が6.0モル/Lを超えると過剰のリン酸イオンが湿潤環境においてめっき皮膜と反応し、腐食環境によってはめっき素地の腐食を促進し、変色やシミ状錆発生の要因となる。
また、添加成分(ロ)としては、耐食性の優れた複合酸化物を得ることができるため、リン酸アンモニウム塩を使用することも有効である。リン酸アンモニウム塩としては、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウムなどの1種または2種以上を用いることが好ましい。
【0111】
添加成分(ハ)の処理液中での存在形態は化合物や複合化合物でもよいが、特に優れた耐食性を得るためにはMg、Mn、Alの金属イオン又はMg、Mn、Alの金属が含まれる水溶性イオンの形態が特に好ましい。
なお、添加成分(ハ)のイオンを金属塩として供給するために、塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオンなどのアニオンが処理液中に添加されてもよい。本発明におけるMg、Mn、Alの成分の量は処理液中で存在するこれら全ての形態の合計を金属量換算として規定する。
【0112】
処理液中での上記添加成分(ハ)の添加量は、金属量換算の合計で0.001〜3.0モル/L、好ましくは0.01〜0.5モル/Lとするのが適当である。これらの合計の添加量が0.001モル未満では添加による効果が十分に得られず、一方、添加量が3.0モル/Lを超えると、逆にこれらの成分が皮膜のネットワークを阻害するようになり、緻密な皮膜ができにくくなる。また、金属成分が皮膜から溶出しやすくなり、環境によっては外観が変色するなどの欠陥を生じる。
【0113】
処理液中にはさらに、添加成分(ニ)として、Ni、Fe、Coのうちのいずれかの金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオンからなる群の中から選ばれる1種以上を適量添加することができ、このような鉄族金属を添加することにより、鉄族金属を添加しない場合に生じる、湿潤環境下におけるめっき最表層の腐食に起因した黒変現象が回避できる。また、これらの鉄族金属のなかでも特にNiの効果が高く、微量でも優れた効果が認められる。但し、Ni、Coなどの鉄族金属の過剰添加は耐食性劣化につながるため、適量の添加が必要である。
【0114】
上記添加成分(ニ)の添加量としては、金属量換算で、金属量換算での添加成分(ハ)1モルに対して1/10000〜1モル、望ましく1/10000〜1/100モルの範囲とすることが好ましい。添加成分(ニ)の添加量が添加成分(ハ)1モルに対して1/10000モル未満では添加による効果が十分でなく、一方、添加量が1モルを超えると上記のように耐食性が劣化する。
処理液中には、上記添加成分(イ)〜(ニ)のほかに、先に述べた皮膜中への添加成分を適量添加してもよい。
処理液(水溶液)のpHは0.5〜5、好ましくは2〜4とすることが適当である。処理液がpH0.5未満では処理液の反応性が高くなり過ぎるため皮膜に微細な欠陥部が形成され、耐食性が低下する。一方、処理液がpH5を超えると処理液の反応性が低くなり、めっき皮膜と複合酸化物皮膜との界面の結合が不十分となり、この場合も耐食性が低下する傾向がある。
【0115】
めっき鋼板表面に処理液をコーティングする方法としては、塗布方式、浸漬方式、スプレー方式のいずれでもよく、塗布方式ではロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)、スクイズコーター、ダイコーターなどのいずれの塗布手段を用いてもよい。また、スクイズコーターなどによる塗布処理、浸漬処理、スプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
処理液の温度に特別な制約はないが、常温〜60℃程度が適当である。常温以下では冷却などのための設備が必要となるため不経済であり、一方、60℃を超えると水分が蒸発し易くなるため処理液の管理が難しくなる。
【0116】
上記のように処理液をコーティングした後、通常、水洗することなく加熱乾燥を行うが、本発明で使用する処理液は下地めっき鋼板との反応により難溶性塩を形成するため、処理後に水洗を行ってもよい。
コーティングした処理液を加熱乾燥する方法は任意であり、例えば、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などの手段を用いることができる。
この加熱乾燥処理は到達板温で50〜300℃、望ましくは80〜200℃、さらに望ましくは80〜160℃の範囲で行うことが好ましい。加熱乾燥温度が50℃未満では皮膜中に水分が多量に残り、耐食性が不十分となる。一方、加熱乾燥温度が300℃を超えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に欠陥が生じやすくなり、耐食性が低下する。
【0117】
以上のようにして亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に複合酸化物皮膜を形成した後、その上層に有機皮膜形成用の塗料組成物を塗布する。塗料組成物を塗布する方法としては、塗布法、浸漬法、スプレー法などの任意の方法を採用できる。塗布法としては、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)、スクイズコーター、ダイコーターなどのいずれの方法を用いてもよい。また、スクイズコーターなどによる塗布処理、浸漬処理またはスプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
【0118】
塗料組成物の塗布後、通常は水洗することなく、加熱乾燥を行うが、塗料組成物の塗布後に水洗工程を実施しても構わない。
加熱乾燥処理には、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いることができる。加熱処理は、到達板温で50〜350℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で行うことが望ましい。加熱温度が50℃未満では皮膜中の水分が多量に残り、耐食性が不十分となる。また、加熱温度が350℃を超えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に欠陥が生じて耐食性が低下するおそれがある。
【0119】
本発明は、以上述べたような皮膜を両面または片面に有する鋼板を含むものである。したがって、本発明鋼板の形態としては、例えば、以下のようなものがある。
(1)片面:めっき皮膜−複合酸化物皮膜−有機皮膜、片面:めっき皮膜
(2)片面:めっき皮膜−複合酸化物皮膜−有機皮膜、片面:めっき皮膜−公知のリン酸塩処理皮膜など
(3)両面:めっき皮膜−複合酸化物皮膜−有機皮膜
(4)片面:めっき皮膜−複合酸化物皮膜−有機皮膜、片面:めっき皮膜−複合酸化物皮膜
(5)片面:めっき皮膜−複合酸化物皮膜−有機皮膜、片面:めっき皮膜−有機皮膜
【0120】
【実施例】
[実施例1]
表2及び表3に示す第1層皮膜形成用の処理液(皮膜組成物)と、表4に示す第2層皮膜形成用の樹脂組成物を調整した。
表4に示す樹脂組成物には表5に示す防錆添加成分(自己補修性発現物質)、表6に示す固形潤滑剤を適宜配合し、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて必要時間分散させて所望の塗料組成物とした。
【0121】
家電、建材、自動車部品用の有機被覆鋼板を得るため、板厚:0.8mm、表面粗さRa:1.0μmの冷延鋼板に各種亜鉛系めっきまたはアルミニウム系めっきを施した表1に示すめっき鋼板を処理原板として用い、このめっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理及び水洗乾燥した後、表2及び表3に示す処理液(皮膜組成物)をロールコーターで塗布し、加熱乾燥させて第1層皮膜を形成させた。この第1層皮膜の膜厚は、処理液の固形分(加熱残分)又は塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。次いで、表4に示す塗料組成物をロールコーターにより塗布し、加熱乾燥して第2層皮膜を形成させ、本発明例及び比較例の有機被覆鋼板を製造した。第2層皮膜の膜厚は、塗料組成物の固形分(加熱残分)又は塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。
【0122】
得られた有機被覆鋼板について、品質性能(皮膜外観、耐白錆性、アルカリ脱脂後の耐白錆性、塗料密着性、加工性)の評価を行った。その結果を第1層皮膜および第2層皮膜の皮膜構成などとともに表7〜表39に示す。
有機被覆鋼板の品質性能の評価は以下のようにして行った。
(1) 皮膜外観
各サンプルについて、皮膜外観の均一性(ムラの有り無し)を目視で評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:ムラが全くない均一な外観
△:ムラが若干目立つ外観
×:ムラが目立つ外観
【0123】
(2) 耐白錆性
各サンプルについて以下に示す複合腐食試験(CCT)を行い、所定サイクル後の白錆発生面積率で評価した。
[複合腐食試験(CCT)の1サイクル内容]
3wt%塩水噴霧試験(30℃;0.5時間)

湿潤試験(30℃、95%RH;1.5時間)

熱風乾燥試験(50℃、20%RH;2.0時間)

熱風乾燥試験(30℃、20%RH;2.0時間)
評価基準は、以下の通りである。
◎ :白錆発生なし
○+:白錆発生面積率5%未満
○ :白錆発生面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆発生面積率25%以上、50%未満
× :白錆発生面積率50%以上
【0124】
(3) アルカリ脱脂後の耐白錆性
各サンプルについて、日本パーカライジング(株)製のアルカリ処理液CLN−364S(60℃,スプレー2分)でアルカリ脱脂を行った後、上記の複合腐食試験(CCT)を行い、所定サイクル後の白錆面積率で評価した。評価基準は、以下の通りである。
◎ :白錆発生なし
○+:白錆発生面積率5%未満
○ :白錆発生面積率5%以上、10%未満
○−:白錆発生面積率10%以上、25%未満
△ :白錆発生面積率25%以上、50%未満
× :白錆発生面積率50%以上
【0125】
(4) 塗料密着性
各サンプルについて、メラミン系の焼付塗料(膜厚30μm)を塗装した後、沸水中に2時間浸漬し、直ちに碁盤目(1mm間隔で10×10の碁盤目)のカットを入れて、粘着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離面積率で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:剥離なし
○:剥離面積率5%未満
△:剥離面積率5%以上、20%未満
×:剥離面積率20%以上
【0126】
(5) 加工性
ブランク径φ120mm、ダイス径φ50mmで深絞り成形(無塗油条件)を行い、割れが生ずるまでの成形高さで評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:絞り抜け
○:成形高さ30mm以上
△:成形高さ20mm以上、30mm未満
×:成形高さ20mm未満
【0127】
【表1】
Figure 0003903740
【0128】
【表2】
Figure 0003903740
【0129】
【表3】
Figure 0003903740
【0130】
【表4】
Figure 0003903740
【0131】
【表5】
Figure 0003903740
【0132】
【表6】
Figure 0003903740
【0133】
下記の表7〜表39において、表中に記載してある *1〜*7 は以下のような内容を示す。
*1:表1に記載のめっき鋼板No.
*2:表2及び表3に記載の第1層皮膜用組成物No.
*3:成分(β)はP換算の付着量、成分(γ)はMg,Mn,Alの金属量換算の付着量
*4:表4に記載の第2層皮膜用樹脂組成物No.
*5:表5に記載の防錆添加成分No.
*6:表6に記載の固形潤滑剤No.
*7:樹脂組成物の固形分100重量部に対する配合量(重量部)
【0134】
【表7】
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【0135】
【表8】
Figure 0003903740
【0136】
【表9】
Figure 0003903740
【0137】
【表10】
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【0138】
【表11】
Figure 0003903740
【0139】
【表12】
Figure 0003903740
【0140】
【表13】
Figure 0003903740
【0141】
【表14】
Figure 0003903740
【0142】
【表15】
Figure 0003903740
【0143】
【表16】
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【0144】
【表17】
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【0145】
【表18】
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【0146】
【表19】
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【0147】
【表20】
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【0148】
【表21】
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【0149】
【表22】
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【0150】
【表23】
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【0151】
【表24】
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【0152】
【表25】
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【0153】
【表26】
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【0154】
【表27】
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【0155】
【表28】
Figure 0003903740
【0156】
【表29】
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【0157】
【表30】
Figure 0003903740
【0158】
【表31】
Figure 0003903740
【0159】
【表32】
Figure 0003903740
【0160】
【表33】
Figure 0003903740
【0161】
【表34】
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【0162】
【表35】
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【0163】
【表36】
Figure 0003903740
【0164】
【表37】
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【0165】
【表38】
Figure 0003903740
【0166】
【表39】
Figure 0003903740
【0167】
[実施例2]
家電、建材、自動車部品用の有機被覆鋼板を得るため、板厚:0.8mm、表面粗さRa:1.0μmの冷延鋼板に各種亜鉛系めっき又はアルミニウム系めっきを施した表1に示すめっき鋼板を処理原板として用い、このめっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理及び水洗乾燥した後、表2及び表3に示す処理液(皮膜組成物)をロールコーターで塗布し、加熱乾燥させて第1層皮膜を形成させた。この第1層皮膜の付着量は、処理液の固形分(加熱残分)又は塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。次いで、表4に示す塗料組成物をロールコーターにより塗布し、加熱乾燥して第2層皮膜を形成させ、本発明例及び比較例の有機被覆鋼板を製造した。第2層皮膜の付着量は、塗料組成物の固形分(加熱残分)又は塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。
【0168】
得られた有機被覆鋼板について、品質性能(皮膜外観、耐白錆性、アルカリ脱脂後の耐白錆性、塗料密着性、加工性、スポット溶接性、導電性)の評価を行った。その結果を第1層皮膜及び第2層皮膜の皮膜構成等とともに表40〜表57に示す。
有機被覆鋼板のスポット溶接性と導電性の評価は以下のようにして行い、その他の性能の評価は[実施例1]と同様とした。
【0169】
(6) スポット溶接性
板厚1.2mmの試験片を用いて、上電極CR型(元径16mm、先端径5.4mm)、下電極F型(先端径16mm)、加圧力300kg、通電時間13サイクル(60Hz)の条件下で、スポット溶接性の連続打点試験を行い、ナゲット径が4.4mmよりも小さくなった場合を溶接打点の限界とし、下記により評価した。
◎:連続打点3000点以上
○:連続打点1000点以上、3000点未満
△:連続打点500点以上、1000点未満
×:連続打点500点未満
【0170】
(7) 導電性(表面抵抗値)
4探針法抵抗率計(三菱化学(株)製「ロレスタAP」)を用いて、試験片の表面抵抗を測定し、下記により評価した。
◎:表面抵抗値10−4Ω以下
○:表面抵抗値10−4Ω超、10−3Ω以下
△:表面抵抗値10−3Ω超、10Ω以下
×:表面抵抗値10Ω超
【0171】
下記の表40〜表57において、表中に記載してある*1〜*7は以下のような内容を示す。
*1:表1に記載のめっき鋼板No.
*2:表2及び表3に記載の第1層皮膜用組成物No.
*3:成分(β)はP換算の付着量、成分(γ)はMg,Mn,Alの金属量換算の付着量
*4:表4に記載の第2層皮膜用樹脂組成物No.
*5:表5に記載の防錆添加成分No.
*6:表6に記載の固形潤滑剤No.
*7:樹脂組成物の固形分100重量部に対する配合量(重量部)
【0172】
【表40】
Figure 0003903740
【0173】
【表41】
Figure 0003903740
【0174】
【表42】
Figure 0003903740
【0175】
【表43】
Figure 0003903740
【0176】
【表44】
Figure 0003903740
【0177】
【表45】
Figure 0003903740
【0178】
【表46】
Figure 0003903740
【0179】
【表47】
Figure 0003903740
【0180】
【表48】
Figure 0003903740
【0181】
【表49】
Figure 0003903740
【0182】
【表50】
Figure 0003903740
【0183】
【表51】
Figure 0003903740
【0184】
【表52】
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【0185】
【表53】
Figure 0003903740
【0186】
【表54】
Figure 0003903740
【0187】
【表55】
Figure 0003903740
【0188】
【表56】
Figure 0003903740
【0189】
【表57】
Figure 0003903740
【0190】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の有機被覆鋼板は、製造時の処理液や製品の皮膜成分中に6価クロムを全く含まず、しかも建材、家電、自動車等の用途の有機被覆鋼板として高度の耐食性を有し、また、皮膜外観、塗料密着性等にも優れている。また、第1層皮膜と第2層皮膜の付着量を特定の範囲に規制することにより、製品のノイズ対策から厳しい導電性が要求され、且つシャーシの組み立て工程などにおいて高い生産性を得る必要から高度のスポット溶接性が要求されるOA機器、AV機器などの素材として好適な、優れた耐食性と高度な導電性及びスポット溶接性を兼ね備えた有機被覆鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛めっき鋼板に表面に本発明条件を満足する複合酸化物皮膜を形成し、その上部に構成成分が本発明条件を満足する有機皮膜を形成した有機被覆鋼板について、有機皮膜の付着量と耐食性との関係を示したグラフ
【図2】亜鉛めっき鋼板に表面に本発明条件を満足する複合酸化物皮膜を形成し、その上部に構成成分が本発明条件を満足する有機皮膜を形成した有機被覆鋼板について、有機皮膜の付着量とスポット溶接性との関係を示したグラフ
【図3】亜鉛めっき鋼板に表面に本発明条件を満足する複合酸化物皮膜を形成し、その上部に構成成分が本発明条件を満足する有機皮膜を形成した有機被覆鋼板について、有機皮膜の付着量と導電性との関係を示したグラフ

Claims (13)

  1. 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)、(g)及び(h)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)、(g)及び(h)の配合比が固形分の重量比で(e)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(g)/(h)=20/80〜80/20である、
    (e)モリブデン酸塩
    (g)カルシウム化合物
    (h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素
    膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  2. 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記下記(f)、(g)及び(h)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(f)、(g)及び(h)の配合比が固形分の重量比で(f)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(g)/(h)=20/80〜80/20である、
    (f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
    (g)カルシウム化合物
    (h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素
    膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  3. 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(f)及び(i)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(f)及び(i)の配合比が固形分の重量比で(f)/(i)=20/80〜80/20である、
    (f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
    (i)Caイオン交換シリカ
    膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  4. 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)及び(f)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)及び(f)の配合比が固形分の重量比で(e)/(f)=20/80〜80/20である、
    (e)モリブデン酸塩
    (f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
    膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  5. 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)、(f)、(g)及び(h)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)、(f)、(g)及び(h)の配合比が固形分の重量比で(e)/(f)=20/80〜80/20、(e)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(f)/(g)+(h)=20/80〜80/20、(g)/(h)=20/80〜80/20である、
    (e)モリブデン酸塩
    (f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
    (g)カルシウム化合物
    (h)リン酸塩及び/又は酸化ケイ素
    膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  6. 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する膜厚が0.005〜3μmの複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)を基体樹脂とし、該基体樹脂100重量部(固形分)に対して下記(e)、(f)及び(i)の防錆添加成分(B)を合計で1〜100重量部(固形分)含有するとともに、下記(e)、(f)及び(i)の配合比が固形分の重量比で(e)/(f)=20/80〜80/20、(e)/(i)=20/80〜80/20、(f)/(i)=20/80〜80/20である、
    (e)モリブデン酸塩
    (f)トリアゾール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の有機化合物
    (i)Caイオン交換シリカ
    膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  7. 有機皮膜が、さらに固形潤滑剤(C)を含有し、該固形潤滑剤(C)の含有量が前記基体樹脂100重量部(固形分)に対して1〜80重量部(固形分)であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  8. OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  9. OH基及び/又はCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)が、エポキシ樹脂及び/又は変性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  10. 複合酸化物皮膜中に含まれる成分(α)が酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  11. 酸化ケイ素の一次粒子径が8nm以下であることを特徴とする請求項10に記載の耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  12. 複合酸化物皮膜がさらに有機樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11に記載の耐食性に優れた有機被覆鋼板。
  13. 複合酸化物皮膜は成分(α)とP換算量での成分(β)とMg、Mn及びAlの金属換算量での成分(γ)の合計付着量が6〜1000mg/mであり、有機皮膜は付着量が0.1g/m以上、0.5g/m未満であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12に記載の耐食性に優れた有機被覆鋼板。
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