JP3900379B2 - 空圧式打撃工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空圧式打撃工具に関し、特に、動作時の振動を抑制するのに好適な空圧式打撃工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属表面の錆、溶接スパッタ、鋳物の砂等を除去したり、石材、コンクリート表面等を研削したりするため、工具先端から突き出させたニードルやたがねを空圧で激しく前後動させるようにした空圧式打撃工具が広く用いられている。この種の打撃工具はたがね等を空圧によって激しく前後動させて被研削物に衝突させるため、強い振動が発生する。そこで、これまでに、工具で発生した振動ができるだけ作業者に伝わらないようにした工具が種々提案されている。
【0003】
例えば、実公昭61−7908号公報には、空圧によって往復動するピストンを収容したハウジングの外周に防振用のカバーを設けるとともに、該カバーを軸方向つまり前記ピストンの往復動方向にのみ摺動可能に装着し、かつ前記ハウジングとカバーとの間に圧縮ばねを介在させた工具が開示されている。この工具によれば、ピストンの往復動つまりニードルの往復動に伴う振動は前記圧縮ばねで吸収されて作業者の手に直接伝わりにくいため、作業者の疲労が軽減される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の工具では、依然として次のような問題点がある。すなわち、上記工具では、ピストンの往復動方向にのみカバーが摺動可能であるため、工具が横振れすることは防止できるが、ハウジング自体の振動がなくなったわけではない。したがって、作業開始時にたがね等の先端を被研削物の所望位置に正確に当てがうことが容易ではなく、特に、細かい作業を要求されるような場合に不具合が生じる。
【0005】
すなわち、ハウジング自体の振動によってたがねが前後に移動する(ばたつく)ほか、このばたつきによってたがねが後方に振れたときにピストンとたがねが衝突してさらに大きな振動を発生させてしまう。また、このような振動自体による作業性の劣化だけでなく、ハウジングの周囲に防振カバーを設けているため、この防振カバーがないものと比較して工具全体の寸法が大きめになることは本質的に回避できないという問題点もある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消し、工具全体の振動を少なくすることにより、作業者の手に伝わる衝撃を低減するだけでなく、狙いを定めやすくして作業性の向上を図ることができる空圧式打撃工具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、目的を達成するための本発明は、一対の有底内筒および有底外筒からなり、前記有底内筒をその開放側を前記有底外筒の底部に向けて該有底外筒内に嵌挿せしめ、互いに摺動自在に形成した往復動体と、たがねを装着するための開口を前部に有するとともに、前記往復動体を摺動自在に保持する本体ハウジングと、前記往復動体の有底外筒を後方に付勢するため前記本体ハウジングおよび該有底外筒間に配置された圧縮ばねとを具備し、前記本体ハウジング内に導入された圧縮空気によって前記往復動体の有底外筒を前記たがね側に付勢させるとともに、前記往復動体の内部に前記圧縮空気を導入することにより、前記一対の有底内筒および有底外筒を互いに摺動させて該往復動体を伸張させ、かつ前記往復動体が所定量だけ伸張したときに前記往復動体から圧縮空気が前記たがね側に排出されて該往復動体が縮小するように前記圧縮空気の通路を設定し、かつ、前記往復動体の伸張時に該往復動体の有底内筒が前記たがねの後部に衝突するように構成し、前記往復動体のうち、有底内筒の移動量を予め設定し、該有底内筒の移動に伴う運動エネルギと同等の運動エネルギを生じるように、前記有底外筒の移動量を設定したことを特徴とした点に第1の特徴がある。
【0008】
また、本発明は、たがねとの衝突面側に小径部を有し、前記衝突面の反対側に大径部を有した段付形状をなすとともに、前記衝突面の反対側に開放端を有するめくら穴および該めくら穴から前記小径部外周に貫通した通気孔を有するピストンと、前記たがねとの衝突面側に形成された小径部および前記衝突面の反対側に形成された大径部を有した段付形状をなし、全体には前記衝突面と反対側に底部を有する有底円筒形状をなすとともに、内周面には内径が縮小された狭小部を有し、かつ該狭小部と底部との間において前記小径部を貫通する通気孔を有し、前記ピストンの小径部を前記狭小部で受け、前記ピストンの大径部を前記狭小部よりも前記底部寄りの内周面で受けて該ピストンを前記たがねの前後動方向に摺動自在に保持するシリンダと、前記たがねを装着するための開口を有し、前記シリンダの大径部の外周面と間隙を有して対向する壁面を設けて該シリンダを前記たがねの前後動方向に変位可能に収容するとともに、前記シリンダの小径部をたがねの前後動方向に摺動自在に保持する摺動面を有する本体ハウジングと、前記シリンダを後方に付勢するため前記本体ハウジングおよび前記シリンダ間に配置された圧縮ばねと、前記本体ハウジングの後部に封止結合され、該本体ハウジングへの圧縮空気供給路を開閉するためのバルブ手段を収容したバルブハウジングとを具備し、前記バルブ手段を通って導入された圧縮空気によって前記シリンダが前進するとともに、前記本体ハウジングおよびシリンダの大径部の外周面間の間隙を通過して該大径部の前方に至り、さらに前記シリンダの通気孔を通って該シリンダおよびピストンの外周面の空所に流入した圧縮空気によって前記ピストンが後退し、前記ピストンの後退位置で該ピストンの通気孔を通って該ピストンおよびシリンダの底部間に圧縮空気が流入し、該圧縮空気の増大によって前記ピストンが前進されるとともに、前記シリンダが後退し、前記ピストンの通気孔が前記シリンダの狭小部より前方に達したときに該通気孔を通して前記ピストンおよびシリンダの底部間に流入した圧縮空気が排出され、この圧縮空気の排出により、前記ピストンおよびシリンダの底部間の圧力が低下したときに前記シリンダおよびピストンの外周面の空所に流入した圧縮空気で前記ピストンが後退するように構成し、かつ、前記ピストンの前進時に該ピストンが本体ハウジングの開口に装着されたたがねと衝突するように構成した点に第2の特徴がある。
【0009】
さらに、この第2の特徴を有する発明において、前記たがねに衝突させる有底内筒またはピストンの移動量を予め設定し、該有底内筒またはピストンの移動に伴う運動エネルギと同等の運動エネルギを生じるように、有底外筒またはシリンダの移動量を設定した点に第3の特徴がある。
【0010】
第1の特徴によれば、圧縮空気が供給されると、往復動体は前方に付勢されるとともに、往復動体内の圧力が増大し、ある時点で、往復動体が伸張し、直径の小さい有底円筒つまり有底内筒が前進してたがねに衝突する。この直径の小さい有底円筒の前進によって往復動体の内部の空気が排出され、往復動体は縮小する。たがねに衝突させる有底内筒の運動エネルギと有底外筒の運動エネルギとが等しくなるので、両者の移動によって発生する振動が防止される。
【0011】
また、第2の特徴によれば、圧縮空気が供給されると、シリンダは前方に付勢されるとともに、シリンダおよびピストン内部の圧力が増大する。そして、ある時点で、ピストンは前進し、相対的にシリンダが後退して、ピストンはたがねに衝突する。このピストンの前進によってシリンダおよびピストン内部の空気が排出され、ピストンは後退する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る打撃工具の断面図である。同図において、工具1は筒状の本体ハウジング2と、該本体ハウジング2の後部内面に形成された雌ねじ部に気密を保持した状態で螺挿されたバルブハウジング3とを有する。なお、本体ハウジング2とバルブハウジング3との外周段部にはゆるみ止めのためのロックリング4が嵌挿されている。本体ハウジング2の一端つまり前端の小径部5にはたがね6を該工具1に装着するための開口7が設けられている。たがね6と開口7とは、互いの隙間から圧縮空気が排出でき、開口7に沿ってたがね6が円滑に前後動できるように嵌め合いが選択されている。
【0013】
小径部5には開口7と直交するテーパ孔8が設けられ、該テーパ孔8内には鋼球9が配設されている。該鋼球9はたがね6に形成された溝10と係合して、工具1に装着されたたがね6が開口7から脱出するのを阻止する機能を果たす。溝10の長さによって、たがね6の前後動ストロークが決定されている。小径部5の外周には、スリーブ11が設けられ、該スリーブ11はその内面に設けられた段部と本体ハウジング2の外周段部との間に設けた圧縮ばね12の反発力で工具1の先端方向に付勢されている。前記反発力によってスリーブ11が工具1から外れないように、小径部5の外周には軸用止め輪13が嵌められている。スリーブ11の内面には前記鋼球9が退避できるように環状溝14が形成されている。たがね6の脱着操作時には、環状溝14がテーパ孔8と対向する位置までスリーブ11を後退させて鋼球9を環状溝14側に突出可能にする。そうすることで、鋼球9と溝10との係合を解除できるので、たがね6を工具1に対して脱着可能になる。
【0014】
本体ハウジング2内にはシリンダ15が摺動自在に設けられている。該シリンダ15は、摺動に支障がない程度の最小限度の隙間を保持して本体ハウジング2の内面に嵌合された小径部と、圧縮空気の通過を許容する隙間を形成して本体ハウジング2の内面に嵌合された大径部とからなる。本体ハウジング2とシリンダ15との間には、前記小径部および大径部によってできた段と本体ハウジング2内面の段とで両端を受けた圧縮ばね16が設けられ、シリンダ15は工具1の後方つまり前記バルブハウジング3寄りに付勢されている。シリンダ15の小径部には通気孔17が形成されている。この通気孔17はシリンダ15の中心に対して対称的に複数配置するのが好ましいが、少なくとも1つあれば、圧縮空気の流入には支障がない。
【0015】
シリンダ15の後方つまりバルブハウジング3側には、Oリング21で気密を保持した状態でプラグつまり盲栓22が嵌挿されている。該盲栓22の脱出防止のためシリンダ15には、穴用止め輪23が嵌められている。なお、シリンダ15には前記通気孔17よりも前方つまりシリンダ15の開放端寄りに、内径を小さくして形成した段差部15aを有している。
【0016】
前記シリンダ15の内部にはピストン18が摺動自在に設けられている。該ピストン18は、シリンダ15の内面に対して、摺動に支障がない程度の最小限度の隙間を保持して嵌合されている。ピストン18にはその摺動方向に設けられためくら穴19と該めくら穴19に直交する通気孔20とが形成されている。この通気孔20はピストン18の中心に対して対称的に複数配置するのがよいが、少なくとも1つあれば、圧縮空気の流入には支障がない。ピストン18は外形が段付形状をなしていて、そのうちの、外径の大きい部分がシリンダ15の閉塞側の内径の大きい部分に接しているとともに、外径の小さい部分がシリンダ15の前記段差部15aの内周に接している。そして、シリンダ15の内周の段差部15aとピストン18の段付形状とによって、シリンダ15とピストン18との間に空所18aが形成されている。
【0017】
前記バルブハウジング3にはニップル24が螺挿されている。ニップル24には図示しないホースが接続され、該ホースを通じて圧縮空気源から圧縮空気が工具1に送給される。バルブハウジング3には前記ニップル24を通じて導入される圧縮空気を受け入れるバルブ室25が設けられ、該バルブ室25内には該バルブ室25の壁面に摺動自在にパッキン26が設けられている。パッキン26はバルブハウジング3に摺動自在に貫通配置されたバルブステム27に固定されている。バルブステム27はパッキン26を介して圧縮ばね28で上方つまり外方に付勢されていて、その先端は操作レバー29に当接している。操作レバー29はバルブハウジング3に保持されたピン30を軸に回動自在であり、該操作レバー29を押し下げることでパッキン26を作動させることができる。
【0018】
なお、前記操作レバー29は、その先端の一部を折り曲げて本体ハウジング2側に突出させた突起部32を有している。この突起部32は、工具1の作動時つまり該操作レバー29を本体ハウジング2側に押し下げた場合に、前記スリーブ11の後端近傍において本体ハウジング2の表面に当接するように形状が決定されている。前記突起部32は操作レバー29の一部を折り曲げて形成させたものに限らず、別体からなるものを溶接等、適宜の接合手段で組付けて形成してもよいのはもちろんである。
【0019】
操作レバー29を押し下げた状態は図4に示した。図4において,図1と同符合は同一または同等部分である。図4に示すように、前記突起部32はスリーブ11の後端に位置して、スリーブ11の後退を阻止している。スリーブは前述のように、これを後退させることによってたがね6を脱着させるように構成されている。このように突起部32がスリーブ11の後退を阻止していると、たがね6を脱着させられない。換言すれば、作業中はスリーブ11を後退させることはできず、たがね6が外れることがない。したがって、スリーブ11が作業中に被切削物やその近傍の部材に接触してもスリーブ11は後退しない。結局、たがね6を脱着するためには操作レバー29を上げることになるので、工具1の非動作時にのみたがね6の脱着が可能である。
【0020】
バルブステム27の周囲には部分的に空洞が形成されていて、該空洞はバルブハウジング3の、本体ハウジング2側の壁面に設けられた通気孔31とつながっている。なお、前記バルブ室25をバルブステム27を中心として回動自在に形成してもよい。このようにすると、バルブ室25を回動させて前記ニップル24からバルブ室25へ導入される圧縮空気の通路の開度を変化させ、圧縮空気の流量調節を行うことができるようになる。
【0021】
以上の構成により、ニップル24を通じて圧縮空気がバルブ室25に導入される。そして、操作レバー29を押し下げると、パッキン26が下がってバルブ室25と通気孔31がつながりシリンダ15とバルブハウジング3との間の空間SP1に圧縮空気が導入される。図1は圧縮空気が工具内に導入される前の状態であり、圧縮空気が導入された後の動作は図2および図3を参照して説明する。
【0022】
図2は打撃工具の要部断面図であり、図1と同符号は同一または同等部分を示す。また、図3は圧力のかかる位置と方向を示す簡略図である。図2(a)および図3に示すように、シリンダ15(盲栓22も含む)の背面に空気圧が加わると圧縮ばね16を圧縮して該シリンダ15は圧縮空気の力(P1)で前方に付勢される。なお、この時、圧縮空気は本体ハウジング2とシリンダ15との隙間を通じて圧縮ばね16が収容されている空間16aにも導入されるので、シリンダ15の前記小径部と大径部との段差面に加わる圧縮空気の力(P2)が前記シリンダ15の背面に加わる圧力とは反対方向に作用する。一方、通気孔17を通じてピストン18およびシリンダ15間の空所18aに導入された圧縮空気がシリンダ15の内面の段差部15aの側面に加わり、シリンダ15を前方に付勢する力(P3)が作用する。圧縮ばね16の反発力を(P4)とすると、力(P1+P3)は力(P2+P4)より勝るため、その差圧でシリンダ15は前方に付勢される。
【0023】
また、このとき、前記ピストン18およびシリンダ15間の空所18aに導入された圧縮空気はピストン18の通気孔20からめくら穴19に入り、さらにシリンダ15の盲栓22とピストン18との間の空間SP2に入る。この圧縮空気はピストン18を前方に付勢する力PF を発生するように作用するとともに、前記圧力P2に作用すると共に圧縮ばね16の反発力P4に加わってシリンダ15を後方に付勢させる力PR を発生するように作用する。なお、ピストン18には該ピストン18およびシリンダ15間の空所18aに導入された圧縮空気の圧力が該ピストン18を後方に付勢する方向にかかっている。
【0024】
この結果、図2(b)に示すように、ピストン18は前進し、シリンダ15は後退する。なお、同図は、ピストン18が前進してその先端がたがね6の後部に衝突する直前の状態を示す。図2(b)に示す状態になると、通気孔17と通気孔20との連通が絶たれ、通気孔20はシリンダ15の先端つまりたがね6側の空間SP3に通じる。そうして、ピストン18のめくら穴19とシリンダ15の盲栓22側の空間SP2とに導入されていた圧縮空気は、たがね6と本体ハウジング2との隙間を通じて工具1の外へ排出される。
【0025】
前記圧縮空気が通気孔20から排出されると、ピストン18を前方に付勢する力PF は低減するが、ピストン18は惰性によって前進し、たがね6の後部に衝突する。ピストン18は前記通気孔17から導入される圧力を該ピストン18の段差面で常時受けているので、たがね6に衝突した後、その衝突の反力と前記段差面に受ける力P5で後退させられる。また、これと同時に、盲栓22の前面つまりシリンダ15内面にかかる圧力も低下するため、シリンダ15は圧縮ばね16を圧縮して前進し、図2(a)の状態に復帰する。このとき、シリンダ15は常に圧力P1とP3によって押圧されているので予め設定された距離だけ戻ることになる。そうすると、再び前記通気孔17と20とが連通され、上述の動作が繰り返されることになる。
【0026】
本実施形態では、上述のように、本体ハウジング2およびバルブハウジング3内でのシリンダ15の変位方向とピストンの変位方向とが互いに逆方向になるように動作する。すなわち、ピストン18が前進するときにはシリンダ15は後退し、ピストン18が後退するときにはシリンダ15が前進する。こうして、ピストン18とシリンダ15とが互いに逆方向に動作するため、工具1の振動は抑制されることになる。
【0027】
工具1の振動を理想的に低減するためには、次のような条件の下に各部の寸法等を設定する。まず、ピストン18の質量をMp、シリンダ15の質量をMcとすると、Mc>Mpの関係がある。そして、ピストン18(質量Mp)が距離Xpだけ変位し、シリンダ15(質量Mc)が距離Xcだけ変位し、その変位方向が相反する方向である場合には、MpXp2 =McXc2 のときに互いの運動エネルギが相殺されて振動が防止される。
【0028】
すなわち、たがね6を打撃するために必要なピストン18の移動量Xpが決定されれば、該ピストン18の移動方向と反対方向へのシリンダ15の移動量Xcは、Xc=Xp√(Mp/Mc)で決定される。移動量Xcは図2(a)および(b)で示したシリンダ15の移動量すなわち圧縮ばね16のたわみ量であり、このたわみ量が得られるように、圧縮ばね18のばね定数や通気孔17,20の位置関係、ならびに各受圧部の寸法を決定する。
【0029】
以上は、たがねに打撃を加える工具についての実施形態を参照して本発明を説明したが、たがねの種類はこの実施形態のものに限らず、複数の針状たがね(ニードル)を使用する工具にも同様に適用できる。すなわち、ニードルを保持するホルダにピストンを衝突させるように構成した工具についても直ちに適用できる。
【0030】
なお、前記力P4を発生させる圧縮ばね16は図示の位置に限らない。例えば、シリンダ15の先端と本体ハウジング2との間に設けても上述の実施形態と同様、力P4を発生させることはできる。また、圧縮空気がシリンダ15の大径部の前方に導入できるように該大径部の周囲に間隙を設けているが、この間隙は必ずしも大径部全周に設ける必要はなく、必要な圧縮空気が通過できるだけの断面積を有する空気通路が確保されていればよい。すなわち、溝または孔によってシリンダの大径部と後部との間、つまり力P1がかかる面と力P2がかかる面との間に空気通路が形成されていればよい。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1ないし請求項3の発明によれば、たがねに打撃力を与えるピストンまたは有底内筒と該ピストン等を摺動自在に支持するシリンダまたは有底外筒とが相異なる方向に往復動するので、振動が防止される。
【0032】
特に請求項1または請求項3では、相異なる方向に移動するピストンまたは有底内筒とシリンダまたは有底外筒との運動エネルギが互いに相殺されるように構成したので振動が防止される。
【0033】
こうして振動が防止されるため、作業中に作業者の手に伝わる衝撃を低減できるだけでなく、作業開始前にはピストンとたがねとが衝突しないので工具先端に前後動自在に取りたけられたたがねのばたつきを防止できる。その結果、作業開始時にたがね等の先端を被研削物の所望位置に正確に当てがうことができるようになり、細かい作業を要求されるような場合にも不具合が生じない。また、本体ハウジングの周囲には防振カバーを設ける必要もないため、この防振カバーがあるものと比較して工具全体の寸法を極めて小形化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る打撃工具の断面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る打撃工具の動作を示す要部断面図である。
【図3】 シリンダとピストンに作用する力を示す図である。
【図4】 操作レバーを押し下げた状態での打撃工具の断面図である。
【符号の説明】
1…工具、 2…本体ハウジング、 3…バルブハウジング、 6…たがね、11…スリーブ、 15…シリンダ、 16…圧縮ばね、17,20…通気孔、18…ピストン、 19…めくら穴、 22…盲栓、 25…バルブ室
Claims (3)
- 前後動自在に保持されたたがねに打撃力を与えるように構成された空圧式打撃工具において、
一対の有底内筒および有底外筒からなり、前記有底内筒をその開放側を前記有底外筒の底部に向けて該有底外筒内に嵌挿せしめ、互いに摺動自在に形成した往復動体と、
前記たがねを装着するための開口を前部に有するとともに、前記往復動体を摺動自在に保持する本体ハウジングと、
前記往復動体の有底外筒を後方に付勢するため前記本体ハウジングおよび該有底外筒間に配置された圧縮ばねとを具備し、
前記本体ハウジング内に導入された圧縮空気によって前記往復動体の有底外筒を前記たがね側に付勢させるとともに、前記往復動体の内部に前記圧縮空気を導入することにより、前記一対の有底内筒および有底外筒を互いに摺動させて該往復動体を伸張させ、かつ前記往復動体が所定量だけ伸張したときに前記往復動体から圧縮空気が前記たがね側に排出されて該往復動体が縮小するように前記圧縮空気の通路を設定し、
かつ、前記往復動体の伸張時に該往復動体の有底内筒が前記たがねの後部に衝突するように構成し、
前記往復動体のうち、有底内筒の移動量を予め設定し、該有底内筒の移動に伴う運動エネルギと同等の運動エネルギを生じるように、前記有底外筒の移動量を設定したことを特徴とする空圧式打撃工具。 - 前後動自在に保持されたたがねに打撃力を与えるように構成された空圧式打撃工具において、
前記たがねとの衝突面側に小径部を有し、前記衝突面の反対側に大径部を有した段付形状をなすとともに、前記衝突面の反対側に開放端を有するめくら穴および該めくら穴から前記小径部外周に貫通した通気孔を有するピストンと、
前記たがねとの衝突面側に形成された小径部および前記衝突面の反対側に形成された大径部を有した段付形状をなし、全体には前記衝突面と反対側に底部を有する有底円筒形状をなすとともに、内周面には内径が縮小された狭小部を有し、かつ該狭小部と底部との間において前記小径部を貫通する通気孔を有し、前記ピストンの小径部を前記狭小部で受け、前記ピストンの大径部を前記狭小部よりも前記底部寄りの内周面で受けて該ピストンを前記たがねの前後動方向に摺動自在に保持するシリンダと、
前記たがねを装着するための開口を有し、前記シリンダの大径部の外周面と間隙を有して対向する壁面を設けて該シリンダを前記たがねの前後動方向に変位可能に収容するとともに、前記シリンダの小径部をたがねの前後動方向に摺動自在に保持する摺動面を有する本体ハウジングと、
前記シリンダを後方に付勢するため前記本体ハウジングおよび前記シリンダ間に配置された圧縮ばねと、
前記本体ハウジングの後部に封止結合され、該本体ハウジングへの圧縮空気供給路を開閉するためのバルブ手段を収容したバルブハウジングとを具備し、
前記バルブ手段を通って導入された圧縮空気によって前記シリンダが前進するとともに、前記本体ハウジングおよびシリンダの大径部の外周面間の間隙を通過して該大径部の前方に至り、さらに前記シリンダの通気孔を通って該シリンダおよびピストンの外周面の空所に流入した圧縮空気によって前記ピストンが後退し、前記ピストンの後退位置で該ピストンの通気孔を通って該ピストンおよびシリンダの底部間に圧縮空気が流入し、該圧縮空気の増大によって前記ピストンが前進されるとともに、前記シリンダが後退し、前記ピストンの通気孔が前記シリンダの狭小部より前方に達したときに該通気孔を通して前記ピストンおよびシリンダの底部間に流入した圧縮空気が排出され、
この圧縮空気の排出により、前記ピストンおよびシリンダの底部間の圧力が低下したときに前記シリンダおよびピストンの外周面の空所に流入した圧縮空気で前記ピストンが後退するように構成し、
かつ、前記ピストンの前進時に該ピストンが本体ハウジングの開口に装着されたたがねと衝突するように構成したことを特徴とする空圧式打撃工具。 - 前記ピストンの移動量を予め設定し、該ピストンの移動に伴う運動エネルギと同等の運動エネルギを生じるように、前記シリンダの移動量を設定したことを特徴とする請求項2記載の空圧式打撃工具。
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