JP3894804B2 - ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ゲル化することなくビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
本発明により得られるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、医農薬原料、合成中間体、架橋剤、粉体塗料用樹脂、さらに重合性材料として広範囲に用いられる有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としては、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アクリロイル基を選択的にラジカルまたはアニオン重合する方法が知られている。しかしながら、アニオン重合はわずかな水分の影響をうける等の理由により工業的に有利でない。また、ラジカル重合の場合、(メタ)アクリロイル基のみならずビニルエーテル基までも重合し、架橋したゲル状重合体が生成する可能性がある。
【0004】
このような架橋反応を抑制した重合方法として、特開平6−100628号公報に低い単量体濃度での重合方法が開示されている。また、特開平6−256426号公報にラジカル連鎖移動剤の存在下での重合方法が開示されている。
【0005】
しかしながら上記従来の方法は、用いる溶媒の量が多く効率が悪い、ラジカル連鎖移動剤が高価である、ラジカル連鎖移動剤が生成ポリマーの物性に影響を与えるといった問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のごとき状況に鑑みてなされたものであり、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体をビニルエーテル基の架橋によりゲル化することなく経済的に効率良く提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体をビニルエーテル基の架橋によりゲル化することなく経済的に効率良く製造する方法を提供するため、鋭意検討を重ねた結果、組成物(A)の少なくとも一部、および/または、組成物(B)の少なくとも一部を反応系に添加することによって、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を経済的に効率良く製造できることを見い出した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる組成物(A)とは、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を0.1重量%以上含むものであればよく、他の重合性単量体、溶媒、ラジカル連鎖移動剤などを含んでいてもよい。
【0009】
本発明にかかる組成物(B)とは、ラジカル重合開始剤を0.1重量%以上含むものであればよく、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類以外の単量体、溶媒、ラジカル連鎖移動剤などを含んでいてもよい。
【0010】
本発明にかかるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は前記一般式(1)で表されるものであり、式中のR1で示される置換基が水素原子またはメチル基であり、R2で示される置換基が有機残基であり、R3で示される置換基が水素原子または有機残基である。
【0011】
前記一般式(1)中のR2で示される有機残基とは、例えば炭素数2〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合および/またはエステル結合により酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基等が挙げられる。
【0012】
これらのうち、炭素数2〜6のアルキレン基、構造中にエーテル結合により酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
【0013】
前記一般式(1)中のR3で示される有機残基とは、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化(例えば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、炭素数6〜11の芳香族基等が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜2のアルキル基が好適に用いられる。
【0014】
前記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体的には、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−[2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ]エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
【0015】
本発明にかかるラジカル重合開始剤としては、具体的には、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2.2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’アゾビス−2−メチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ系開始剤類;過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ラウロイル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物系開始剤類;等が挙げられる。これらのうち、アゾ系開始剤類が特に好ましい。
【0016】
上記ラジカル重合開始剤の使用量は、重合性単量体の総重量に対して好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。前記ラジカル重合開始剤の使用量が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0017】
本発明にかかるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法において、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類以外の重合性単量体を用いてもよい。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、 プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の酸性官能基含有重合性単量体類;ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル化合物類;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン等の珪素含有重合性単量体類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有重合性単量体類;(メタ)アクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、 N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−フェニルマレイミド等の窒素原子含有重合性単量体類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性重合性単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジルアクリレート等のエポキシ基含有重合性単量体類;2−メタクロイルオキシエチルイソシアネート、メタクロイルイソシアネート、m−イソプロペニル−α、αジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアネート基含有重合性単量体類;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性単量体類;等の重合性単量体が挙げられる。これらの重合性単量体は、単独でも2種類以上を組み合わせてもよい。
【0018】
重合性単量体総量に対するビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有割合は、下限値は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、特に好ましくは5重量%以上であり、上限値は、好ましくは100重量%以下、より好ましくは80重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。前記含有割合が、反応効率の面、物性の面で好ましい。
【0019】
本発明にかかるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法において、溶媒を使用することがゲル化を防止するうえで好ましい。好ましい溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;イソプロピルアルコール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;等の有機溶媒や水が挙げられる。
【0020】
上記有機溶媒や水の使用量は、重合性単量体の総重量が(溶媒+重合性単量体)の総和に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下になるように供給すればよい。
【0021】
本発明によって製造されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重合度は、数平均分子量が、下限値は、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、特に好ましくは3,000以上であり、上限値は、好ましくは20,000,000以下、より好ましくは10,000,000以下、特に好ましくは5,000,000以下である。
【0022】
添加とは、反応開始後(加温を始めた時点)以降に、組成物(A)及び/又は、組成物(B)を加えることを指す。
【0023】
組成物(A)、および/または、組成物(B)を反応系に添加する方法としては、(a)反応系中に全量を添加する方法、(b)一部を反応系中にあらかじめ仕込み、残りを反応系中に添加する方法があげられる。
【0024】
組成物(A)と組成物(B)の両方を反応系に添加する場合は、別々に添加してもよいし、あらかじめ混合して添加してもよい。
【0025】
組成物(A)の少なくとも一部、および/または、組成物(B)の少なくとも一部を反応系に添加する時間としては、全反応時間に対して好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、特に好ましくは20%以上であり、連続的に添加してもよいし、間欠的に添加してもよい。
【0026】
重合させる際の反応温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは20℃以上、特に好ましくは40℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好ましくは125℃以下、特に好ましくは100℃以下である。
【0027】
本発明にかかるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法において、反応溶液中および滴下溶液中の溶存酸素濃度を20ppm以下にすることがゲル化防止の面で好ましい。
【0028】
反応溶液中および滴下溶液中の溶存酸素濃度は、好ましくは20ppm以下であり、より好ましくは10ppm以下であり、さらに好ましくは5ppm以下であり、特に好ましくは3ppm以下である。
【0029】
溶存酸素濃度を20ppm以下にする方法としては、窒素などの不活性ガスを十分にバブリングする方法、減圧と不活性ガス置換を十分に繰り返す方法、不活性ガスによる加圧と開圧を十分に繰り返す方法等が挙げられる。これらの方法は、単独で実施してもよいし、組み合わせて実施してもよい。
【0030】
本発明にしたがって製造されたビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、反応溶液を精製することによって得ることができる。上記精製手段としては、製造されたビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の貧溶媒に再沈殿し、ろ過後減圧乾燥させる方法、未反応の単量体や溶媒を蒸発させる方法およびGPC分取による方法等が挙げられる。これらの方法は組み合わせて実施してもよい。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0032】
溶存酸素濃度は、溶存酸素計(セントラル科学株式会社製 UC−12−SOL型)を用いて測定した。ゲル化の有無はテトラヒドロフラン(THF)100重量部に対して、重合体0.1重量部を加えて、30℃で混合し、不溶分の有無で判断する。
【0033】
実施例1(反応系に組成物(A)を添加することによるビニルエーテル基含有メタクリル酸エステル系重合体の製造方法)
攪拌装置、温度計、冷却装置、滴下装置および窒素ガス導入管を取付けた四つ口フラスコに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と呼ぶ) 1.1g、ベンゼン 44.0gを仕込み、攪拌しながら窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素濃度 4.0ppm)。60℃まで昇温し、温度が一定になった後、窒素ガスを十分にバブリングしたメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(以下、「VEEM」と呼ぶ)4.0g、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と呼ぶ) 18.2g、ベンゼン 22.0gの混合溶液(溶存酸素濃度 3.2ppm)を5時間かけて滴下した。その後さらに同温で3時間攪拌し重合体を得た。これをヘキサン1Lを用いて再沈殿し、ろ過後減圧乾燥することにより精製した。得られた重合体の収量は21.4gであった。得られた重合体はTHFに完全に溶解した。
【0034】
また、得られた重合体をHLC−8120型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製、溶離液 テトラヒドロフラン;以下「GPC」と呼ぶ)および 400MHz UNITY−PLUS型核磁気共鳴装置(バリアン社製、溶媒 重クロロホルム;以下「NMR」と呼ぶ)により分析した結果、数平均分子量(GPCより算出、ポリスチレン換算)は4800、共重合体組成比(重合体のNMRより算出)はVEEM/MMA=9.4/90.6(mol%)であった。
【0035】
実施例2(反応系に組成物(B)を添加することによるビニルエーテル基含有メタクリル酸エステル系重合体の製造方法)
実施例1と同様の装置に、VEEM 4.0g、MMA 18.0g、AIBN 0.45g、ベンゼン31.8gを仕込み、窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素濃度 3.0ppm)。60℃まで昇温し、温度が一定になった後、窒素ガスを十分にバブリングしたAIBN 1.8g、ベンゼン 34.2gの混合溶液(溶存酸素濃度 1.8ppm)を6時間かけて滴下した。その後、同温で2時間攪拌し重合体を得た。これをヘキサン1Lを用いて再沈殿し、ろ過後減圧乾燥することにより精製した。得られた重合体の収量は20.8gであった。得られた重合体はTHFに完全に溶解した。
【0036】
また、得られた重合体をGPCおよびNMRで分析した結果、数平均分子量は4500、共重合体組成比はVEEM/MMA=9.7/90.3(mol%)であった。
【0037】
実施例3(反応系に組成物(A)および組成物(B)を添加することによるビニルエーテル基含有メタクリル酸エステル系重合体の製造方法)
実施例1と同様の装置に、AIBN 1.1g、ベンゼン 32.5gを仕込み、窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素濃度 3.0ppm)。60℃まで昇温し、温度が一定になった後、十分に窒素ガスをバブリングしたVEEM 4.0g、MMA 18.2g、ベンゼン 11.5gの混合溶液(溶存酸素濃度 2.5ppm)、および、十分に窒素ガスをバブリングしたAIBN 1.1g、ベンゼン 22.0gの混合溶液(溶存酸素濃度 2.1ppm)を6時間かけて滴下した。その後、同温で2時間攪拌し重合体を得た。これをヘキサン1Lを用いて再沈殿し、ろ過後減圧乾燥することにより精製した。得られた共重合体の収量は17.8gであった。得られた重合体はTHFに完全に溶解した。
【0038】
また、得られた共重合体をGPCおよび NMRにより分析した結果、数平均分子量は4300、共重合体組成比はVEEM/MMA=9.3/90.7(mol%)であった。
【0039】
実施例4(反応系に組成物(A)を添加することによるビニルエーテル基含有アクリル酸エステル系重合体の製造方法)
実施例1と同様の装置にAIBN 2.2g、ベンゼン 43.1gを仕込み、攪拌しながら窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素濃度 3.5ppm)。60℃まで昇温し、温度が一定になった後、窒素ガスを十分にバブリングしたアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(以下、「VEEA」と呼ぶ)3.7g、アクリル酸エチル(以下、「EA」と呼ぶ) 18.0g、ベンゼン 22.0gの混合溶液(溶存酸素濃度 2.2ppm)を5時間かけて滴下した。その後さらに同温で3時間攪拌し重合体を得た。これをヘキサン1Lを用いて再沈殿し、ろ過後減圧乾燥することにより精製した。得られた重合体の収量は18.5gであった。得られた重合体はTHFに完全に溶解した。
【0040】
また、得られた重合体をGPCおよびNMRにより分析した結果、数平均分子量は4200、共重合体組成比はVEEA/EA=9.2/90.8(mol%)であった。
【0041】
比較例1(一括仕込みによるビニルエーテル基含有メタクリル酸エステル系重合体の製造方法)
実施例1と同様の装置に、VEEM 4.0g、MMA 18.0g、AIBN 2.2g、ベンゼン 66.0 gを仕込み、窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素濃度 3.8ppm)。60℃まで昇温し温度が一定になった後、同温で7時間攪拌すると、ゲル状重合体が生成した。このゲル状重合体はテトラヒドロフランおよびクロロホルムに溶解しなかった。
【0042】
【発明の効果】
本発明に従えば、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造するにあたり、ゲル化を回避し、経済的に効率良く製造できる。
Claims (3)
- ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法であって、下記一般式(1):
CH2=CR1COO−R2−O−CH=CH−R3 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は有機残基を表し、R3は水素原子または有機残基を表す。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体組成物[組成物(A)]の少なくとも一部、および/または、ラジカル重合開始剤組成物[組成物(B)]の少なくとも一部を反応系に反応開始以降に、連続的に又は間欠的に添加することを特徴とするビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法。 - 前記製造方法は、重合性単量体の総重量が溶媒及び重合性単量体の総和に対して、10重量%以上、80重量%以下になるように供給して行われることを特徴とする請求項1記載のビニルエーテル基含有 ( メタ ) アクリル酸エステル系重合体の製造方法。
- 前記製造方法は、反応溶液中および添加溶液中の溶存酸素濃度を20ppm以下にすることを特徴とする請求項1又は2記載のビニルエーテル基含有 ( メタ ) アクリル酸エステル系重合体の製造方法。
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