JP3894292B2 - 黒色複合粒子粉末及び該黒色複合粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電気的特性等、用途に応じて各種機能を付与することができると共に、耐光性、着色力及びビヒクル中における分散性に優れた黒色複合粒子粉末を提供する。
【0002】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、黒色を呈する顔料及び塗料、樹脂組成物の着色用材料、充填材等として使用することができる。
【0003】
【従来の技術】
体質顔料は、屈折率1.5前後であり、油やワニス等のビヒクル中に分散させると、透明あるいは半透明になるため、従来、非着色性顔料として、塗料や印刷インキ製品等の増量剤として使用されていたが、粉体科学の進歩と共に、近年は、単なる増量剤としてではなく、機能性を付与する顔料として、ゴム、プラスチック、塗料、印刷インキ、接着剤、シーリング材、紙などの加工性、物性の調整や改善を目的に、広範囲な工業分野で使用されている。
【0004】
しかしながら、一般に、体質顔料は非導電性であり、例えば、シリカ粒子粉末は、体積固有抵抗値が106〜108Ω・cm程度であるため、より高い体積固有抵抗値又はより低い体積固有抵抗値が要求される用途においては、カーボンブラック等の電気抵抗調整剤の添加が必要であることが知られている。また、体質顔料はビヒクル中で透明〜半透明を呈するとはいえ、殊に、黒色を要求される用途において、充填剤として添加した場合、該塗料あるいは組成物は、未添加のものに比べ、白みがかった色を呈するという問題を有している。
【0005】
一方、アニリンブラックやカーボンブラック等の黒色顔料は、着色性をはじめとして、電気的特性、光吸収性等の付与を目的として、インキ、塗料、ゴム、プラスチックなどの分野で広く用いられている。
【0006】
しかしながら、これら黒色顔料、殊に、カーボンブラックは、粒子サイズが平均粒子径0.005〜0.05μm程度の微粒子粉末であるため、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散が困難であり、また、かさ密度が0.1g/cm3程度とかさ高い粉末であるため、取り扱いが困難で、作業性が悪いことが知られている。
【0007】
更に、これら黒色粒子粉末を用いた塗料あるいは樹脂組成物等は、戸外で直射日光や風雨に曝される場合があるため、長期に亘って色相及び機能を維持できること、即ち耐光性に優れていることが必要である。
【0008】
そこで、電気的特性等、用途に応じた各種機能を付与すると共に、耐光性、着色力及びビヒクル中における分散性に優れた黒色粒子粉末が強く求められている。
【0009】
これまでに、ゴムの電気抵抗低減及び補強を目的として、カーボンブラックと共に、シリカ粒子粉末を併用することが知られている(特開昭52−93452号公報、特許第2722077号公報、特許第2788212号公報、特許第3160552号公報等)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
電気的特性等、用途に応じて各種機能を付与することができると共に、耐光性、着色力及びビヒクル中における分散性に優れた黒色複合粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
【0011】
即ち、前出特開昭52−93452号公報、特許第2722077号公報及び特許第3160552号公報記載のタイヤは、いずれも表面にカーボンが被覆されたシリカ粒子又は、該シリカ粒子粉末を充填材として含むゴム組成物に関するものであるが、いずれも、有機物を熱分解することによりシリカ表面にカーボンブラック層を形成しているため、シリカ粒子表面へのカーボンブラックの付着強度が弱く、ゴム組成物中に練込んだ場合、カーボンブラックが脱離してシリカ粒子表面が露出してしまうため、ゴム組成物中への分散が不均一となるとともに、目的とする機能を十分に発揮することができない。
【0012】
前出特許第2788212号公報記載のゴム組成物は、シリカ量が0.1〜50重量%のシリカで表面処理をしたカーボンブラックを含むタイヤトレッド用ゴム組成物に関するものであるが、カーボンブラック表面へのシリカの付着強度が弱いため、ゴム組成物中に練込んだ場合、シリカがカーボンブラック表面から脱離してしまい、均一な分散を妨げられる。
【0013】
なお、特開平11−323174号公報及び特開2001−11339号公報には、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されており、該オルガノシラン化合物被覆又はポリシロキサン被覆にカーボンブラックが付着している鉄系黒色複合粒子粉末が記載されているが、黒色鉄化合物粒子に黒色のカーボンブラックを固着させる技術であり、芯粒子粉末は磁性を有するものであるため、磁性が不要な用途では使用することができないと共に、磁気的凝集が生じるため分散性が低下する。
【0014】
そこで、本発明は、用途に応じて各種機能を付与することができると共に、耐光性、着色力及びビヒクル中における分散性に優れた黒色複合粒子粉末を提供することを技術的課題とする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0016】
即ち、本発明は、屈折率が2.0未満である白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該被覆に黒色顔料が付着している複合粒子粉末からなり、前記黒色顔料の全付着量が前記白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であり、複合粒子粉末の安息角が45°以下であることを特徴とする黒色複合粒子粉末である(本発明1)。
【0017】
また、本発明は、屈折率が2.0未満である白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該被覆にカーボンブラック、アニリンブラック又はカーボンブラック及びアニリンブラックが付着している平均粒子径0.001〜12.0μmの複合粒子粉末からなり、前記黒色顔料の全付着量が前記白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であり、複合粒子粉末の安息角が45°以下であることを特徴とする黒色複合粒子粉末である(本発明2)。
【0018】
また、本発明は、本発明1又は本発明2の黒色複合粒子粉末を塗料構成基材中に含有することを特徴とする塗料である(本発明3)。
【0019】
また、本発明は、本発明1又は本発明2の黒色複合粒子粉末を用いて着色したことを特徴とする樹脂組成物である(本発明4)。
【0020】
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
【0021】
先ず、本発明に係る黒色複合粒子粉末について述べる。
【0022】
本発明における芯粒子としては屈折率が2.0未満の白色無機粒子を用いる。具体的には、シリカ粉、ホワイトカーボン、微粉ケイ酸、珪藻土等のシリカ微粒子並びにクレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト及びタルク等の体質顔料が挙げられる。
【0023】
白色無機粒子の粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。
【0024】
白色無機粒子の粒子サイズは用途に応じて適宜選択すればよいが、平均粒子径が0.0009〜12.0μmが好ましく、より好ましくは0.0014〜11.0μm、更により好ましくは0.0019〜10.0μmである
【0025】
平均粒子径が12.0μmを超える場合には、得られる黒色複合粒子粉末が粗大粒子となり、着色力が低下するため好ましくない。
【0026】
白色無機粒子のBET比表面積値は0.1m2/g以上である。BET比表面積値が0.1m2/g未満の場合には、白色無機粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる黒色複合粒子粉末は粗大粒子となり着色力が低下する。得られる黒色複合粒子粉末の着色力を考慮すると、BET比表面積値は、好ましくは0.3m2/g以上、より好ましくは0.5m2/g以上である。白色無機粒子の粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及び黒色顔料による均一な付着処理を考慮すると、その上限値は500m2/gであり、好ましくは400m2/g、より好ましくは300m2/gである。
【0027】
本発明における白色無機粒子の色相は、L*値が70.00以上であり、より好ましくは75.00以上であり、C*値が18.00以下、好ましくは15.00以下、より好ましくは12.00以下である。L*値、C*値が上記範囲外の場合には、色相が白色を呈しているとは言い難く、本発明の目的とする黒色複合粒子粉末を得ることが困難となる。
【0028】
本発明における白色無機粒子の屈折率は2.0未満が好ましい。得られる黒色複合粒子粉末の黒色度を考慮すれば屈折率は1.9以下がより好ましく、更に好ましくは1.8以下である。
【0029】
白色無機粒子の耐光性は、後述する評価方法により、ΔE*値の下限値は通常5.0を超え、上限値は12.0、好ましくは11.0、より好ましくは10.0である。
【0030】
本発明における糊剤としては、白色無機粒子の粒子表面へ黒色顔料を付着できるものであれば何を用いてもよく、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上である。白色無機粒子の粒子表面への黒色顔料の付着強度を考慮すれば、より好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤である。
【0031】
殊に、芯粒子粉末としてシリカ微粒子を用いた場合には、糊剤としては、有機ケイ素化合物もしくはシラン系カップリング剤を用いることが好ましい。
【0032】
本発明における有機ケイ素化合物としては、化1で表わされるアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、化2で表わされるポリシロキサン、化3で表わされる変成ポリシロキサン、化4で表わされる末端変成ポリシロキサン並びに化5で表されるフルオロアルキルシラン又はこれらの混合物を用いることができる。
【0033】
【化1】
【0034】
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0035】
白色無機粒子の粒子表面への黒色顔料の付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましく、最も好ましくはメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物である。
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
白色無機粒子の粒子表面への黒色顔料の付着強度を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
【0040】
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0041】
白色無機粒子の粒子表面への黒色顔料の付着強度を考慮すると、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が好ましく、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が最も好ましい。
【0042】
【化5】
【0043】
カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0044】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0045】
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0046】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0047】
オリゴマーとしては、分子量300以上、10,000未満のものが好ましく、高分子化合物としては、分子量10,000以上、100,000程度のものが好ましい。白色無機粒子への均一な被覆処理を考慮すれば、液状、もしくは、水又は各種溶剤に可溶なオリゴマー又は高分子化合物が好ましい。
【0048】
糊剤の被覆量は、糊剤被覆白色無機粒子に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜12.5重量%、最も好ましくは0.03〜10.0重量%である。
【0049】
0.01重量%未満の場合には、白色無機粒子粉末100重量部に対して1重量部以上の黒色顔料を付着させることが困難である。15.0重量%を超える場合には、白色無機粒子粉末100重量部に対して黒色顔料を1〜500重量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
【0050】
本発明における黒色顔料は、アニリンブラック等の黒色有機顔料及びカーボンブラックである。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。
【0051】
なお、黒色複合粒子粉末の黒色をより鮮明にするために他の有機顔料を併用してもよい。例えば、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等のフタロシアニン系顔料からなる青色系有機顔料を使用することができる。
【0052】
黒色顔料の全付着量は、白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部である。
【0053】
1重量部未満の場合及び500重量部を超える場合には、本発明の目的とする黒色複合粒子粉末を得ることが困難となる。好ましくは2〜400重量部であり、より好ましくは5〜300重量部である。
【0054】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である白色無機粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
【0055】
即ち、本発明に係る黒色複合粒子粉末は、平均粒子径が0.001〜12.0μm、好ましくは、0.0015〜11.0μm、より好ましくは0.002〜10.0μmである。
【0056】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の平均粒子径が12.0μmを超える場合には、粒子サイズが大きすぎるため、着色力が低下する。平均粒子径が0.001μm未満の場合には、ビヒクル中への分散が困難となる場合がある。
【0057】
本発明に係る黒色複合粒子粉末のBET比表面積値は、0.5〜500m2/gであり、好ましくは1.0〜400m2/g、より好ましくは1.5〜300m2/gである。BET比表面積値が0.5m2/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、着色力が低下する。
【0058】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の体積固有抵抗値は、黒色顔料としてカーボンブラックを用いた場合は、1.0×107Ω・cm未満が好ましく、より好ましくは5.0×106Ω・cm以下、最も好ましくは1.0×106Ω・cm以下である。黒色顔料としてアニリンブラック等の黒色有機顔料を用いた場合は、1.0×106Ω・cm以上が好ましく、より好ましくは5.0×106Ω・cm以上、最も好ましくは1.0×107Ω・cm以上である。
【0059】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の黒色度は、上限値がL*値で30.0以下が好ましく、より好ましくは29.0以下、最も好ましくは28.0以下である。L*値が30.0を超える場合には、明度が高くなり、黒色度が優れているとは言い難い。L*値の下限値は14.5である。
【0060】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の黒色顔料の脱離率は20%以下が好ましく、より好ましくは15%以下である。カーボンブラックの脱離率が20%を超える場合には、
【0061】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の着色力は、後述する評価方法により110%以上が好ましく、115%以上がより好ましく、最も好ましくは120%以上である。
【0062】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の耐光性は、後述する評価方法において、ΔE*値で5.0以下が好ましく、より好ましくは4.0以下である。
【0063】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の安息角は、45°以下が好ましく、より好ましくは40°以下である。
【0064】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の表面活性度は、後述する評価方法により2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下である。
【0065】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、必要により、白色無機粒子の粒子表面をあらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよく、中間被覆物で被覆しない場合に比べ、白色無機粒子の粒子表面からの黒色顔料の脱離をより低減することができるとともに、耐光性が向上する。
【0066】
中間被覆物による被覆量は、中間被覆物が被覆された白色無機粒子に対してAl換算、SiO2換算又はAl換算量とSiO2換算量との総和で0.01〜20重量%が好ましい。
【0067】
中間被覆物による被覆量が0.01重量%未満である場合には、白色無機粒子表面からの黒色顔料の脱離量の低減効果及び耐光性向上効果が得られない。0.01〜20重量%の被覆量により、白色無機粒子の粒子表面からの黒色顔料の脱離の低減効果及び耐光性向上が十分に得られるので、20重量%を超えて必要以上に被覆する意味がない。
【0068】
中間被覆物で被覆されている本発明に係る黒色複合粒子粉末は、中間被覆物で被覆されていない本発明に係る黒色複合粒子粉末の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、BET比表面積値、黒色度、着色力及び体積固有抵抗値を有している。また、黒色顔料の脱離率及び耐光性は中間被覆物を被覆することによって向上し、脱離率は15%以下が好ましく、耐光性はΔE*値で4.0以下が好ましく、より好ましくは3.0以下である。
【0069】
次に、本発明に係る黒色複合粒子粉末を配合した塗料について述べる。
【0070】
本発明に係る黒色複合粒子粉末を配合した塗料は、貯蔵安定性がΔE*値で1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合には、黒色度L*値は30.0以下が好ましく、より好ましくは29.0以下、最も好ましくは28.0以下であり、L*値の下限値は14.5である。光沢度は75〜110%が好ましく、より好ましくは80〜110%である。塗膜の耐光性ΔE*値は5.0以下が好ましく、より好ましくは4.0以下である。
【0071】
本発明に係る粒子表面が中間被覆物によって被覆された黒色複合粒子粉末を配合した塗料は、貯蔵安定性がΔE*値で1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合、黒色度L*値は30.0以下が好ましく、より好ましくは29.0以下、最も好ましくは28.0以下であり、L*値の下限値は14.5である。光沢度は80〜115%が好ましく、より好ましくは85〜115%である。塗膜の耐光性ΔE*値は4.0以下が好ましく、より好ましくは3.0以下である。
【0072】
本発明に係る黒色複合粒子粉末を配合した水系塗料は、貯蔵安定性がΔE*値で1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合には、黒色度L*値は30.0以下が好ましく、より好ましくは29.0以下、最も好ましくは28.0以下であり、L*値の下限値は14.5である。光沢度は70〜110%が好ましく、より好ましくは75〜110%である。塗膜の耐光性ΔE*値は5.0以下が好ましく、より好ましくは4.0以下である。
【0073】
本発明に係る粒子表面が中間被覆物によって被覆された黒色複合粒子粉末を配合した水系塗料は、貯蔵安定性がΔEで1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合、黒色度L*値は30.0以下が好ましく、より好ましくは29.0以下、最も好ましくは28.0以下であり、L*値の下限値は14.5である。光沢度は75〜115%が好ましく、より好ましくは80〜115%である。塗膜の耐光性ΔE*値は4.0以下が好ましく、より好ましくは3.0以下である。
【0074】
本発明に係る塗料中における黒色複合粒子粉末の配合割合は、塗料構成基材100重量部に対して0.5〜100重量部の範囲で使用することができ、塗料のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.0〜100重量部である。
【0075】
塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、必要により油脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
【0076】
樹脂としては、溶剤系塗料用や油性印刷インクに通常使用されているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ガムロジン、ライムロジン等のロジン系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン変性樹脂、石油樹脂等を用いることができる。水系塗料用としては、水系塗料用や水性インクに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
【0077】
溶剤としては、溶剤系塗料用に通常使用されている大豆油、トルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
【0078】
水系塗料用溶剤としては、水と水系塗料用に通常使用されているエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤とを混合して使用することができる。
【0079】
油脂としては、あまに油、きり油、オイチシカ油、サフラワー油等の乾性油を加工したボイル油を用いることができる。
【0080】
消泡剤としては、ノプコ8034(商品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム08(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することができる。
【0081】
次に、本発明に係る黒色複合粒子粉末を含有する樹脂組成物について述べる。
【0082】
本発明に係る樹脂組成物は、黒色度L*値は30.0以下が好ましく、より好ましくは29.0以下、最も好ましくは28.0以下であり、L*値の下限値は14.5である。樹脂組成物中での分散性は後述する評価法により4又は5が好ましく、より好ましくは5である。耐光性ΔE*値は、5.0以下、好ましくは4.0以下であり、耐老化性は190℃で120分間加熱した際の変色部分の割合が15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0083】
本発明に係る粒子表面が中間被覆物によって被覆された黒色複合粒子粉末を用いて着色した樹脂組成物は、黒色度L*値は30.0以下が好ましく、より好ましくは29.0以下、最も好ましくは28.0以下であり、L*値の下限値は14.5である。樹脂組成物中での分散性は後述する評価法により4又は5が好ましく、より好ましくは5である。耐光性ΔE*値は4.0以下、好ましくは3.0以下であり、耐老化性は190℃で120分間加熱した際の変色部分の割合が15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0084】
本発明に係る樹脂組成物中における黒色複合粒子粉末の配合割合は、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部の範囲で使用することができ、樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましくは0.05〜150重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部である。
【0085】
本発明に係る樹脂組成物における構成基材としては、黒色複合粒子粉末と周知の熱可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
【0086】
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン、天然ゴム、合成ゴム等を用いることができる。
【0087】
添加剤の量は、黒色複合粒子粉末と樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低下する。
【0088】
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂原料と黒色複合粒子粉末をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用を加えて、黒色複合粒子粉末の凝集体を破壊し、樹脂組成物中に黒色複合粒子粉末を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
【0089】
本発明に係る樹脂組成物はマスターバッチペレットを経由して得ることもできる。
【0090】
本発明におけるマスターバッチペレットは、塗料及び樹脂組成物の構成基材としての結合材樹脂と前記黒色複合粒子粉末とを必要により、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で混合した後、周知の単軸混練押出機や二軸混練押出機等で混練、成形した後切断するか、又は、上記混合物をバンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混練して得られた混練物を粉砕又は成形、切断することにより製造される。
【0091】
結合材樹脂と黒色複合粒子粉末の混練機への供給は、それぞれを所定比率で定量供給してもよいし、両者の混合物を供給してもよい。
【0092】
本発明におけるマスターバッチペレットは、平均長径1〜6mm、好ましくは2〜5mmの範囲である。平均短径は2〜5mm、好ましくは2.5〜4mmである。平均長径が1mm未満の場合には、ペレット製造時の作業性が悪く好ましくない。6mmを超える場合には、希釈用結合材樹脂の大きさとの違いが大きく、十分に分散させるのが困難となる。また、その形状は種々のものができ、不定形及び球形等の粒状、円柱形、フレーク状等にできる。
【0093】
本発明におけるマスターバッチペレットに使用する結合材樹脂としては、前記樹脂組成物用樹脂と同一の樹脂が使用できる。
【0094】
なお、マスターバッチペレット中の結合材樹脂の組成は、希釈用結合材樹脂と同一の樹脂を用いても、また、異なる樹脂を用いてもよいが、異なる樹脂を使用する場合には、樹脂同士の相溶性により決まる諸特性を考慮して決めればよい。
【0095】
マスターバッチペレット中に配合される黒色複合粒子粉末の量は、結合材樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは1〜100重量部である。1重量部未満の場合には、混練時の溶融粘度が不足し、黒色複合粒子粉末の良好な分散混合が困難である。200重量部を超える場合には、黒色複合粒子粉末に対する結合材樹脂が少ないため、黒色複合粒子粉末の良好な分散混合が難しく、また、マスターバッチペレットの添加量のわずかな変化によって樹脂組成物中に配合される黒色複合粒子粉末の含有量が大きく変化するため所望の含有量に調製することが困難となり好ましくない。また、機械摩耗が激しく適当ではない。
【0096】
次に、本発明に係る黒色複合粒子粉末の製造法について述べる。
【0097】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、白色無機粒子と糊剤とを混合し、白色無機粒子の粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、糊剤によって被覆された白色無機粒子と黒色顔料を混合することによって得ることができる。
【0098】
本発明における白色無機粒子粉末の粒子表面への糊剤による被覆は、白色無機粒子と糊剤又は糊剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、白色無機粒子に糊剤の溶液又は糊剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加した糊剤は、ほぼ全量が白色無機粒子の粒子表面に被覆される。
【0099】
なお、糊剤としてアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランを用いた場合、被覆されたアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランは、その一部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後の黒色顔料の付着に影響することはない。
【0100】
糊剤を均一に白色無機粒子の粒子表面に被覆するためには、白色無機粒子の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
【0101】
白色無機粒子と糊剤との混合攪拌、黒色顔料と粒子表面に糊剤が被覆されている白色無機粒子との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
【0102】
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミル等がある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダー等がある。
【0103】
白色無機粒子と糊剤との混合攪拌時における条件は、白色無機粒子の粒子表面に糊剤ができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0104】
糊剤の添加量は、白色無機粒子粉末100重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。0.15〜45重量部の添加量により、白色無機粒子粉末100重量部に対して黒色顔料を1〜500重量部付着させることができる。
【0105】
白色無機粒子の粒子表面に糊剤を被覆した後、黒色顔料を添加し、混合攪拌して糊剤被覆に黒色顔料を付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0106】
黒色顔料は、少量ずつを時間をかけながら、殊に5分〜24時間、好ましくは5分〜20時間程度をかけて添加するか、若しくは、白色無機粒子100重量部に対して5〜25重量部の黒色顔料を、所望の添加量となるまで分割して添加することが好ましい。
【0107】
混合攪拌時における条件は、黒色顔料が均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0108】
黒色顔料の添加量は、白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であり、好ましくは2〜400重量部、より好ましくは5〜300重量部である。黒色顔料の添加量が前記範囲外の場合には、目的とする黒色複合粒子粉末が得られない。
【0109】
乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃であり、加熱時間は、10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0110】
なお、糊剤としてアルコキシシラン及びフルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0111】
白色無機粒子は、必要により、糊剤との混合撹拌に先立って、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよい。
【0112】
中間被覆物による被覆は、白色無機粒子を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記白色無機粒子の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0113】
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0114】
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用できる。
【0115】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0116】
粒子の平均粒子径は、いずれも電子顕微鏡写真に示される粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0117】
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
【0118】
中間被覆物によって被覆された白色無機粒子末の粒子表面に存在するAl量及びSi量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0119】
また、白色無機粒子の粒子表面に被覆されている糊剤の被覆量及び本発明に係る黒色複合粒子粉末に付着している黒色顔料の付着量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定することにより求めた。
【0120】
黒色複合粒子粉末に付着しているカーボンブラックの脱離率(%)は、下記の方法により求めた値で示した。カーボンブラックの脱離率が0%に近いほど、粒子表面からのカーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0121】
黒色複合粒子粉末3gとエタノール40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分散を行った後、120分静置し、比重差によって黒色複合粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離した。次いで、この黒色複合粒子粉末に再度エタノール40mlを加え、更に20分間超音波分散を行った後120分静置し、黒色複合粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離した。この黒色複合粒子粉末を100℃で1時間乾燥させ、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定し、下記数1に従って求めた値をカーボンブラックの脱離率(%)とした。
【0122】
【数1】
カーボンブラックの脱離率(%)={(Wa−We)/Wa}×100
Wa:黒色複合粒子粉末のカーボンブラック付着量
We:脱離テスト後の黒色複合粒子粉末のカーボンブラック付着量
【0123】
白色無機粒子、黒色顔料及び黒色複合粒子粉末の色相は、試料0.5gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について、多光源分光測色計「Multi−Spectro−colour−Meter」(スガ試験機株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8929に定めるところに従って表色指数(L*値、a*値、b*値)で示した。なお、C*値は彩度を表し、下記数2に従って求めることができる。
【0124】
【数2】
C*値=((a*値)2+(b*値)2)1/2
【0125】
黒色複合粒子粉末の着色力は、まず下記に示す方法に従って作製した原色エナメルと展色エナメルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、該塗布片について、多光源分光測色計「Multi−Spectro−colour−Meter」(スガ試験機株式会社製)を用いてL*値を測色し、その差をΔL*値とした。
【0126】
次いで、黒色複合粒子粉末の標準試料として、黒色複合粒子粉末と同様の割合で黒色顔料と白色無機粒子とを単に混合した混合顔料を用いて、上記と同様にして原色エナメルと展色エナメルの塗布片を作製し、各塗布片のL*値を測色し、その差をΔLs*値とした。
【0127】
得られた黒色複合粒子粉末のΔL*値と標準試料のΔLs*値を用いて下記数3に従って算出した値を着色力(%)として示した。
【0128】
【数3】
着色力(%)=100+{(ΔLs*値−ΔL*値)×10}
【0129】
原色エナメルの作製:
上記試料粉体10gとアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー6gとを配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで45分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、原色エナメルを作製した。
【0130】
展色エナメルの作製:
上記原色エナメル12gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノアルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカーで15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
【0131】
白色無機粒子粉末、黒色顔料及び黒色複合粒子粉末の耐光性は、前述の着色力を測定するために作製した原色エナメルを、冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成し、得られた測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイスーパーUVテスター SUV−W13」(岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cm2で6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L*値、a*値、b*値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、下記数4に従って算出したΔE*値によって示した。
【0132】
【数4】
ΔE*値=((ΔL*値)2+(Δa*値)2+(Δb*値)2)1/2
ΔL*値: 比較する試料の紫外線照射有無のL*値の差
Δa*値: 比較する試料の紫外線照射有無のa*値の差
Δb*値: 比較する試料の紫外線照射有無のb*値の差
【0133】
黒色複合粒子粉末の安息角(°)は、「パウダテスタ」(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定を行った。安息角が小さいほど黒色複合粒子粉末の流動性が優れていることを示す。
【0134】
黒色複合粒子粉末の表面活性度は、下記に示した残存溶剤量を測定することによって評価した。
【0135】
まず、試料粉末1gと溶剤(MEK)10gを秤り取り、3時間浸漬した後、24時間風乾し、更に、60℃で24時間乾燥し、乾燥後の試料粉末のカーボン量を「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定し、残存カーボン量を定量して求めた。残存カーボン量が少ないほど溶剤の残存が少なく、粉体の表面活性が抑制されていることを示す。
【0136】
黒色顔料及び黒色複合粒子粉末の各粒子粉末の体積固有抵抗値は、まず、粒子粉末0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会社島津製作所)を用いて、1.372×107Pa(140Kg/cm2)の圧力で加圧成形を行い、円柱状の被測定試料を作製した。
【0137】
次いで、被測定試料を温度25℃、相対温度60%の環境下に12時間以上暴露した後、この被測定試料をステンレス電極の間にセットし、電気抵抗測定装置(model 4329A 横河北辰電気株式会社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定した。
【0138】
次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面積A(cm2)と厚みt0(cm)を測定し、下記数5にそれぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)を求めた。
【0139】
【数5】
体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t0)
【0140】
黒色複合粒子粉末を用いた溶剤系塗料及び水系塗料の各色相は、後述する処方によって調製した各塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成して得られた測定用塗布片について、多光源分光測色計「Multi−Spectro−colour−Meter」(スガ試験機株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8929に定めるところに従って表色指数で示した。また、黒色複合粒子粉末を用いて着色した樹脂組成物の色相は、後述する処法によって作製した着色樹脂プレートを、多光源分光測色計「Multi−Spectro−colour−Meter」(スガ試験機株式会社製)を用いて前記と同様にして測定した。
【0141】
塗膜の光沢度は、前記測定用塗布片を「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて入射角60°の時の光沢度で示した。光沢度が高いほど、黒色複合粒子粉末を配合した塗料の分散性が優れていることを示す。
【0142】
各塗料を用いた塗膜の耐光性は、前述の塗料の色相を測定するために作製した測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター SUV−W13」(岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cm2で6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L*値、a*値、b*値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、前記数4に従って算出したΔE*値によって示した。
【0143】
また、各樹脂組成物の耐光性は、前述の樹脂組成物の色相を測定するために作製した樹脂プレートの半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター SUV−W13」(岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cm2で6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L*値、a*値、b*値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、前記数4に従って算出したΔE*値によって示した。
【0144】
塗料の貯蔵安定性は、後述する処方によって調製した各塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS−G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜のL*値、a*値及びb*値と、該塗料を25℃において1週間静置して得られた塗料を冷間圧延鋼板に塗布、乾燥して製造した塗膜のL*値、a*値及びb*値を測定し、下記数6に従って得られたΔE*値で示した。
【0145】
【数6】
ΔE*値=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2
ΔL*値: 比較する塗膜の静置前後のL*値の差
Δa*値: 比較する塗膜の静置前後のa*値の差
Δb*値: 比較する塗膜の静置前後のb*値の差
【0146】
塗料粘度については、後述する処方によって調製した塗料の25℃における塗料粘度をE型粘度計(コーンプレート型粘度計)EMD−R(株式会社東京計器製)を用いて、ずり速度D=1.92 sec−1における値を求めた。
【0147】
黒色複合粒子粉末の樹脂組成物への分散性は、得られた着色樹脂プレート表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良いことを示す。
5: 未分散物認められず、
4: 1cm2当たり1個以上5個未満、
3: 1cm2当たり5個以上10個未満、
2: 1cm2当たり10個以上50個未満、
1: 1cm2当たり50個以上。
【0148】
耐老化性は、黒色複合粒子粉末を練り込んだ着色樹脂プレート(縦1.5cm×横1.5cm×厚み1mm)を190℃で加熱したときに、変色して樹脂が劣化した部分の面積Sと加熱前の着色プレートの表面積S0(1.5×1.5=2.25cm2)との比S/S0を5%刻みで定量することにより求めた。
【0149】
即ち、(S/S0)×100が0%のときは劣化が無い状態を示し、(S/S0)×100が100%のときは樹脂が完全に劣化した状態を示す。
【0150】
<黒色複合粒子粉末の製造>
シリカ粒子粉末(粒子形状:球状、平均粒子径0.511μm、BET比表面積値3.2m2/g、L*値93.8、a*値0.41、b*値0.76、C*値0.86、屈折率1.42、耐光性5.56)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:TSF484:GE東芝シリコーン株式会社製)350gを、エッジランナーを稼動させながらシリカ粒子粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、このときの攪拌速度は22rpmで行った。
【0151】
次に、黒色顔料C−2(種類:アニリンブラック、粒子形状:棒状、平均粒子径0.31μm、BET比表面積値56.8m2/g、L*値16.20、a*値−1.03、b*値0.46、体積固有抵抗値3.6×1011Ω・cm、耐光性ΔE*値15.21)3.5kgを、エッジランナーを稼動させながら30分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で100分間混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆に黒色顔料C−2を付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、黒色複合粒子粉末を得た。なお、このときの攪拌速度は22rpmで行った。
【0152】
得られた黒色複合粒子粉末は、平均粒子径が0.513μmの粒状粒子であった。BET比表面積値は12.9m2/g、色相のうちL*値は17.57であり、着色力は137%、安息角35°、体積固有抵抗値は9.4×1010Ω・cm、表面活性度は0.78%、耐光性ΔE*値は2.14、黒色顔料の脱離率は6.4%であり、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量はC換算で2.08重量%であった。付着している黒色顔料C−2量はC換算で27.18重量%(シリカ粒子粉末100重量部に対して50重量部に相当する)であった。
【0153】
得られた黒色複合粒子粉末の電子顕微鏡観察の結果、添加した黒色顔料C−2の粒子がほとんど認められないことから、黒色顔料C−2のほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆に付着していることが認められた。また、黒色顔料C−2は添加時の粒子形状及び粒子サイズを維持しておらず、芯粒子よりもはるかに微細化された状態で芯粒子の粒子表面に付着層を形成していることが認められた。
【0154】
<黒色複合粒子粉末を含む溶剤系塗料の製造>
前記黒色複合粒子粉末10gとアミノアルキッド樹脂及びシンナーとを下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0155】
黒色複合粒子粉末 12.2重量部、
アミノアルキッド樹脂 19.5重量部、
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
シンナー 7.3重量部。
【0156】
前記ミルベースを用いて、下記割合となるようにアミノアルキッド樹脂を配合し、ペイントシェーカーで更に15分間混合分散して、黒色複合粒子粉末を含む溶剤系塗料を得た。
【0157】
ミルベース 39.0重量部、
アミノアルキッド樹脂 61.0重量部。
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
【0158】
得られた溶剤系塗料の塗料粘度は1,068cP、塗料の貯蔵安定性は、ΔE*値で0.91であった。
【0159】
次いで、前記溶剤系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られた塗膜の光沢度は92%、黒色度L*値は17.81、耐光性ΔE*値は2.44であった。
【0160】
<黒色複合粒子粉末を含む水系塗料の製造>
前記黒色複合粒子粉末7.62gと水溶性アルキッド樹脂等とを下記割合で3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いでペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0161】
黒色複合粒子粉末 12.4重量部、
水溶性アルキッド樹脂 9.0重量部、
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製)
消泡剤 0.1重量部、
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製)
水 4.8重量部、
ブチルセロソルブ 4.1重量部。
【0162】
前記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペイントシェーカーで更に15分間混合分散して、黒色複合粒子粉末を含有する水系塗料を得た。
【0163】
ミルベース 30.4重量部、
水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部、
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製)
水溶性メラミン樹脂 12.6重量部、
(商品名:S−695:大日本インキ化学工業株式会社製)
消泡剤 0.1重量部、
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製)
水 9.1重量部、
ブチルセロソルブ 1.6重量部。
【0164】
得られた水系塗料の塗料粘度は2,708cP、貯蔵安定性はΔE*値で0.89であった。
【0165】
次いで、前記水系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られた塗膜の光沢度は90%、黒色度L*値は17.92、耐光性ΔE*値が2.40であった。
【0166】
<樹脂組成物の製造>
前記黒色複合粒子粉末2.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D(日本ゼオン株式会社製)47.5gとを秤量し、これらを100mlポリビーカーに入れ、スパチュラでよく混合して混合粉末を得た。
【0167】
得られた混合粉末にステアリン酸カルシウムを0.5g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロールのクリアランスを0.2mmに設定した後、前記混合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。
【0168】
次に、表面研磨されたステンレス板の間に上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレス内に入れ、98,000kPa(1トン/cm2)の圧力で加圧成形して厚さ1mmの着色樹脂プレートを得た。得られた着色樹脂プレートの分散状態は5であり、色相はL*値17.89、耐光性はΔE*値で2.66であった。
【0169】
着色樹脂プレートを1.5cm角に裁断した試験片3枚を190℃に加熱されたギヤオーブン中に入れ、30分毎に1枚ずつ取り出し、樹脂劣化の状態を調べた所、30分後の樹脂劣化程度(S/S0×100)は0%、60分後の樹脂劣化程度は5%、120分後の樹脂劣化程度は5%であった。
【0170】
【作用】
本発明において最も重要な点は、屈折率が2.0未満の白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該被覆にアニリンブラック又はカーボンブラックからなる黒色顔料が付着している黒色複合粒子粉末は、電気的特性等、用途に応じて各種機能を付与することができると共に、耐光性、着色力及びビヒクル中における分散性に優れるという事実である。
【0171】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の耐光性が優れている理由として、本発明者は、酸化鉄等と比較して耐光性に優れている芯粒子の粒子表面に、耐光性に優れた糊剤を介して染料と比べて格段に耐光性に優れている黒色顔料を付着させたことによるものと推定している。
【0172】
本発明に係る黒色複合粒子粉末が優れた分散性を有する理由として、本発明者は、芯粒子の粒子表面からの黒色顔料の脱離が抑制された本発明に係る黒色複合粒子粉末を用いたことにより、ビヒクル中への分散が、脱離した黒色顔料によって阻害されることがないためと考えている。
【0173】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0174】
芯粒子1〜6:
芯粒子粉末として表1に示す特性を有する芯粒子1〜4の白色無機粒子を用意した。また、比較のため芯粒子5及び6の酸化鉄粒子を用意した。
【0175】
【表1】
【0176】
芯粒子7:
芯粒子1のシリカ粒子粉末20kgと水150lとを用いて、シリカ粒子粉末を含むスラリーを得た。得られたシリカ粒子粉末を含む再分散スラリーのpH値を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調整した後、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのアルミン酸ナトリウム溶液2722ml(シリカ粒子粉末に対してAl換算で0.5重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されているシリカ粒子粉末を得た。
【0177】
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済みシリカ粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0178】
芯粒子8〜10
芯粒子2〜4の各白色無機粒子を用い、表面被覆物の種類及び量を種々変化させた以外は、前記芯粒子7と同様にして粒子表面が被覆物で被覆されている白色無機粒子を得た。
【0179】
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済み白色無機粒子の諸特性を表3に示す。
【0180】
【表2】
【0181】
【表3】
【0182】
尚、表面処理工程における被覆物の種類のAはアルミニウムの水酸化物であり、Sはケイ素の酸化物を表わす。
【0183】
黒色顔料:
黒色顔料として表4に示す諸特性を有する黒色顔料を用意した。
【0184】
【表4】
【0185】
実施例1〜8、比較例1〜5:
糊剤による被覆工程における添加物の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、黒色顔料の付着工程における黒色顔料の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして黒色複合粒子粉末を得た。
【0186】
このときの製造条件を表5に、得られた黒色複合粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0187】
なお、実施例1では、芯粒子100.0重量部に対して、黒色顔料C−1 100.0重量部を20.0重量部づつ5回に分けて添加した。実施例5では、芯粒子粉末100.0重量部に対して、黒色顔料C−2 150.0重量部を150分かけて添加した。
【0188】
【表5】
【0189】
【表6】
【0190】
<溶剤系塗料>
実施例9〜16、比較例6〜16:
黒色複合粒子粉末及び黒色顔料の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして溶剤系塗料を得た。
【0191】
得られた塗料の諸特性及び塗膜の諸特性を表7及び表8に示す。
【0192】
【表7】
【0193】
【表8】
【0194】
<水系塗料>
実施例17〜24、比較例17〜27:
黒色複合粒子粉末及び黒色顔料の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして水系塗料を得た。
【0195】
得られた塗料の諸特性及び塗膜の諸特性を表9及び表10に示す。
【0196】
【表9】
【0197】
【表10】
【0198】
<樹脂組成物>
実施例25〜32、比較例28〜38:
黒色複合粒子粉末及び黒色顔料の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして樹脂組成物を得た。
【0199】
このときの製造条件及び得られた樹脂組成物の諸特性を表11及び表12に示す。
【0200】
【表11】
【0201】
【表12】
【0202】
【発明の効果】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、電気的特性等、用途に応じて各種機能を付与することができると共に、耐光性、着色力及びビヒクル中における分散性に優れているので黒色複合粒子粉末として好適であり、本発明に係る黒色複合粒子粉末は、黒色を呈する顔料及び塗料、樹脂組成物の着色用材料、充填材等として使用することができる。
Claims (4)
- 屈折率が2.0未満である白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該被覆に黒色顔料が付着している複合粒子粉末からなり、前記黒色顔料の全付着量が前記白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であり、複合粒子粉末の安息角が45°以下であることを特徴とする黒色複合粒子粉末。
- 屈折率が2.0未満である白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該被覆にカーボンブラック、アニリンブラック又はカーボンブラック及びアニリンブラックが付着している平均粒子径0.001〜12.0μmの複合粒子粉末からなり、前記黒色顔料の全付着量が前記白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であり、複合粒子粉末の安息角が45°以下であることを特徴とする黒色複合粒子粉末。
- 請求項1又は請求項2記載の黒色複合粒子粉末を塗料構成基材中に含有することを特徴とする塗料。
- 請求項1又は請求項2記載の黒色複合粒子粉末を用いて着色したことを特徴とする樹脂組成物。
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