JP3893611B2 - ズームレンズ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はズームレンズ装置に係り、特に操作棒の押し引き操作やズームリングの回動操作によってズーム動作させる手動(マニュアル)操作方式と、ズームレートデマンド等の操作用コントローラからのズーム指令信号に基づいてズーム動作させるサーボ方式の両方式を選択的に利用可能なズームレンズ装置における機械的カム機構の形状等による負荷変動を除去し得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放送用テレビカメラに使用される箱型のズームレンズ装置(EFPレンズ)において、ズーム操作等のレンズ操作を手動で行うものと電動で行うものとがある。手動で行うものとしては、一軸二操作式と呼ばれる操作方式が知られている。一軸二操作式は、ズームレンズ装置から延設された操作棒の押し引きでズーム操作を行い、操作棒の回転駆動力でフォーカス操作を行うようにしたものである。一軸二操作式の操作は、操作棒の押し引き位置によってズーム位置の見当がつき、また、迅速なズーム操作が可能であるためスポーツ中継等のように瞬時の画角調整が要求される撮影において多く使用されている。
【0003】
一方、レンズ操作を電動で行うものとしては、ズームレートデマンド等の専用のコントローラからの指令信号によりサーボモータを駆動し、その駆動力によってズームレンズを駆動させるサーボ方式と呼ばれる操作方式が知られている。ドラマ撮影のようにスローなズーム操作が要求される撮影の場合には、このサーボ方式が多く使用されている。また、サーボ方式の場合には、ズームレンズをスムーズに止めたり、元のズーム位置に戻したりする場合に有利である。
【0004】
上述した一軸二操作式の手動操作方式及びサーボ方式のいずれの方式でも撮影状況やカメラマンの好みに応じて選択できるようにするため、1台のズームレンズ装置に手動操作方式とサーボ方式の両方の駆動機構を設けるようにしたものが提案されている(実公昭60−27366号公報)。
【0005】
また、特公昭63−65125号公報には、機械的カム機構の形状による負荷変動をモータ駆動によって除去する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭63−65125号公報には、サーボ方式のズーム操作についての開示がない。仮に、実公昭60−27366号公報に示されているズームレンズ装置に特公昭63−65125号公報の技術を適用すると、構造が複雑になり、レンズ装置も大型化する。
【0007】
また、従来、一軸二操作式の操作によりサーボモータを駆動し、その駆動力によりズームレンズを駆動するものが提案されており(特開平6−230266号公報等)、この場合には、カム形状による負荷変動などはないが、撮影方向を上向き、下向きに動かしてレンズを向きを変更した場合等に操作棒の傾きが変わると、操作棒の自重によって操作棒の押し引き操作に対して生じる負荷も変動する問題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、手動操作方式とサーボ方式の選択的切り替えが可能なズームレンズ装置が現有する構成を活用しつつ、機械的カム機構の形状やレンズの傾き、温度変化による負荷変動を除去してスムーズなズーム操作を実現し得るズームレンズ装置を提供することを目的とする。また、一軸操作式の操作棒をサーボ方式の操作部材として採用した場合に、レンズの傾き(操作棒の傾き)による負荷変動を除去してスムーズなズーム操作を実現し得るズームレンズ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、操作棒の押し引き操作によりズームレンズを電動により移動させるズームレンズ装置において、前記操作棒に対して軸方向への力を発生させる動力発生手段と、前記動力発生手段により発生させる力を制御して前記操作棒の押し引き操作に対する負荷を調整する負荷調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、一軸操作式の操作棒をサーボ式の操作部材として採用する場合において、操作棒の押し引き操作に対する負荷を調整することができるようになる。
【0018】
また、請求項2に示した態様によれば、前記負荷調整手段は、ズーム可動範囲においてテレ端及びワイド端の少なくとも一方のズーム端の近傍でそれ以外のズーム可動域よりも前記負荷を重くするように作動することを特徴としている。操作棒の操作時にズーム端の近傍で付加が重くなれば、カメラマンはズーム端の到達を容易に認識でき、ズーム端でのスムーズな停止操作が可能である。
【0019】
この場合、請求項3に示したように、前記操作棒の押し引き操作によるズーム速度が予め定められている判定基準速度よりも速い場合に、前記ズーム端の近傍において負荷を重くするように作動させ、前記ズーム速度が前記判定基準速度よりも遅い場合には、前記ズーム端の近傍において負荷を重くする調整を実行しないという態様も好ましい。いわゆるクイック操作している場合には、ズーム端の手前でブレーキをかけ、スロー操作している場合には、そのような制御を必要としない。
【0022】
更に、請求項4に示すように、本発明のズームレンズ装置に、傾き角度を検出する角度検出手段を設け、前記角度検出手段で検出された角度に応じてレンズ傾け時の負荷変動を補正する態様が好ましい。
【0023】
請求項5に示すように、前記負荷の調整を行うための調整データは、ズームレンズ装置に内蔵されているメモリに格納されており、負荷調整手段が必要に応じてメモリ内のデータを参照する。
【0024】
調整データは、工場出荷時の出荷調整時に取得してもよいし、電源投入時に自動的に負荷調整データ測定の動作を実行して調整データを更新してもよい。また、必要に応じてユーザ指示に基づいて負荷調整データの取得動作を行うようにしてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るズームレンズ装置の好ましい実施の形態について詳述する。
【0026】
図1及び図2に示す本発明の実施形態に係るズームレンズ装置は、撮影状況やカメラマンの好みで一軸操作式のマニュアル方式と、ズームレートデマンドやフォーカスポジションデマンド等のコントローラによるサーボ方式のいずれかを選択し、その選択した操作方式によりズーム操作及びフォーカス操作を行えるように構成されているものである。
【0027】
図1は一軸操作方式を使用する場合のテレビカメラシステムを示した斜視図であり、図2はサーボ方式を使用する場合におけるテレビカメラシステムの斜視図である。
【0028】
これらの図に示したように、テレビカメラ10は、ズームレンズ装置12と、カメラ本体14とから構成される。ズームレンズ装置12は、雲台22に載置されたカメラ本体14の正面側に装着される。図1に示すように一軸操作方式で操作を行う場合、ズームレンズ装置12の背面側(カメラ本体14に装着される面)には操作棒16が設置され、その操作棒16は、カメラ本体14に形成された操作棒挿通孔14A(図2参照)を貫通してカメラ本体14の背面側に突出される。
【0029】
カメラマンは、カメラ本体14に設置されているビューファインダ20に映る映像を見ながら、操作棒16の指掛部18を把持して操作棒16を押し引き操作することでズーム操作を行うことができ、また、指掛部18を回転操作し、操作棒16の軸を回転させることでフォーカス操作を行うことができる。なお、操作棒16はズームレンズ装置12に対して着脱自在になっている。
【0030】
その一方、サーボ方式を使用する場合には、図2に示すように雲台22から延設されたパンチルト棒24A、24Bの先端にそれぞれズームレートデマンド26とフォーカスポジションデマンド28が設置される。ズームレートデマンド26及びフォーカスポジションデマンド28からは、それぞれズーム速度を指令するズーム速度指令信号とフォーカス位置を指令するフォーカス位置指令信号が出力され、これらの指令信号はケーブルを介してズームレンズ装置12に送信される。カメラマンは、ズームレートデマンド26のサムリング26Aを親指で回動操作することによりズーム操作を行うことができ、フォーカスポジションデマンド28のフォーカスノブ28Aを回動操作することでフォーカス操作を行うことができる。
【0031】
図3は、ズームレンズ装置12の全体構成図である。このズームレンズ装置12は、主としてレンズ鏡胴30と、一軸操作式の操作ユニット32と、ズーム駆動方式切替用のクラッチ部34と、制御回路36とから構成されている。
【0032】
レンズ鏡胴30には、前方から順にフォーカスレンズ40、ズーム系レンズ42のバリエータレンズ42A、コンペンセータレンズ42B、及びマスターレンズ44が配置される。フォーカスレンズ40は、その支持枠40Aにリードスクリュー46が螺合しており、サーボモータが内蔵されているフォーカスサーボモジュール48の回転駆動力が回転出力部48Aから回転入力部50、プーリー52、歯付きベルト54及びプーリー56を介してリードスクリュー46に伝達されることにより、フォーカスレンズ40は光軸方向に沿って前後動する。なお、フォーカスサーボモジュール48からリードスクリュー46までの動力伝達系は、歯付きベルト54等によりバックラッシ無しで回転駆動力を伝達できるようになっている。
【0033】
リードスクリュー46にはフォーカス位置センサ(例えば、ポテンショメータ)58が設けられている。フォーカス位置センサ58は、リードスクリュー46の回転量(フォーカスレンズ40のフォーカス位置に相当)を検出し、そのフォーカス位置を示す信号を制御回路36に出力する。
【0034】
ズーム系レンズ42を構成するバリエータレンズ42A及びコンペンセータレンズ42Bは、これらの支持枠に植設されたカムピン42C、42Dがズームカム60のカム溝60A、60Bに係合しており、ズームカム60が回動することにより、バリエータレンズ42A及びコンペンセータレンズ42Bがカム溝60A、60Bで規制される位置関係により光軸に沿って前後動する。ズームカム60には、ズーム位置センサ(例えば、ポテンショメータ)62が設けられている。ズーム位置センサ62は、ズームカム60の回転位置(ズーム系レンズ42のズーム位置に相当)を検出し、そのズーム位置を示す信号を制御回路36に出力する。
【0035】
操作ユニット32の操作棒16は、回転自在に軸支された中空軸64の内部に摺動自在に挿入されている。中空軸64には、長手方向にキー溝64Aが形成されており、操作棒16の先端に固着されたピン66がキー溝64Aに係合している。したがって、操作棒16が回転操作されると、これに連動して中空軸64が回転する。
【0036】
中空軸64の一端側にはピン64Bが配設されており、このピン64Bは、所定量回転するとストッパ68に当接する。これにより、中空軸64(操作棒16)の回転範囲が規制される。また、中空軸64の他端側には、フォーカス指令用位置センサ70が設けられ、このフォーカス指令用位置センサ70は、中空軸64の回転位置(フォーカス指令位置)を検出し、そのフォーカス指令位置を示す指令信号(フォーカス位置指令信号)を制御回路36に出力する。
【0037】
一方、中空軸64には、移動枠72が軸方向に移動自在に挿通され、操作棒16のピン66の先端は、その移動枠72の内周に形成された周方向の溝72Aと係合している。移動枠72には、ワイヤ巻付部80に所定量巻き付けられるとともに、プーリー73、74、75及び76を介して張設されたワイヤ78の両端部が固着されている。したがって、操作棒16を押し引き操作すると、これに連動してワイヤ78が移動し、ワイヤ巻付部80が回転する。
【0038】
クラッチ部34は、支軸82を中心に回転自在に配設された第1のプーリー84と、この第1のプーリー84と一体形成された支軸84Aに回転自在に配設されたワイヤ巻付部80と、支軸84Aに固設されたギア86と、支軸84Aの軸方向に移動自在に配設された移動リング88と、この移動リング88を移動させるズーム駆動方式切替用モータ90等から構成される。ズーム駆動切替用モータ90の動作は制御回路36によって制御される。
【0039】
ワイヤ巻付部80には、操作棒16を押し引き操作によって移動するワイヤ78により回転駆動力が加えられるようになっている。また、ギア86には、サーボモータ(図6中符号128として記載)が内蔵されているズームサーボモジュール92の回転出力部92Aから回転入力部93、ギア95、及びギア96を介して回転駆動力が加えられるようになっている。ギア96は、シリンダ97の伸縮軸97Aに固設されており、伸縮軸97Aの出没動作によって、ギア96は図3上で左右方向に移動する。シリンダ97の動作は制御回路36によって制御される。
【0040】
図3のように、伸縮軸97Aをシリンダ97に収納すると、ギア96はギア94及び86との噛合位置から退避した位置に移動し、ギア94とギア86の連結関係が分離される。
【0041】
その一方、伸縮軸97Aを延ばすと、ギア96はギア96、86と噛合してギア94、96及び86の連結関係が成立する。これにより、ズームサーボモジュール92からの回転駆動力がギア86に伝達される。ギア86が回転することにより、これに連動して支軸84A及び第1のプーリー84が回転する。
【0042】
移動リング88には、キー88Aが設けられており、このキー88Aは、支軸84Aの長手方向に形成されたキー溝84Bと係合している。また、移動リング88は、支軸84Aの軸方向に移動することによりワイヤ巻付部80と係合/離脱可能である。即ち、移動リング88の図3上右側面には、1本のテーパーピン89が植設されており、ワイヤ巻付部80の左側面には、テーパーピン89と係合する1つのテーパー孔が穿設されている。
【0043】
移動リング88がワイヤ巻付部80と係合し、ワイヤ巻付部80に回転駆動力が伝達されると、移動リング88が回転し、これに連動して支軸84A及び第1のプーリー84が回転する。
【0044】
第1のプーリー84が回転すると、その回転駆動力は、第1のプーリー84から歯付きベルト83を介してズームカム60のプーリー85にバックラッシ無しで伝達される。プーリー85はズームカム60に固定されており、ズームカム60の回動によって、ズーム系レンズ42が駆動される。
【0045】
なお、フォーカスサーボモジュール48及びズームサーボモジュール92は、それぞれズームレンズ装置12に対して着脱自在となっている。サーボモジュール48又は92の代わりに、手動による回転駆動力をフレキシブルワイヤを介して回転入力部50又は回転入力部93に伝達するマニュアルモジュールを適用することが可能となり、サーボ系を一軸二操作式とは異なる手動操作系に変更することもできる。
【0046】
また、制御回路36は、表示器99の表示内容を制御する。表示器99は、操作棒16によるズーム操作、操作棒16によるフォーカス操作、ズームレートデマンド26によるズーム操作、フォーカスポジションデマンド28によるフォーカス操作、更には、後述の電動アシスト機能の有効/無効などの使用状況を示す情報の表示を行う手段である。表示器99の具体的構成は図示しないが、表示器99には、液晶表示パネルや発光ダイオード(LED)、又はこれらの組合せなどを適用することができる。カメラマンは、表示器99の表示を見ることで、現在の使用状況を容易に確認できる。
【0047】
ズーム駆動切替用モータ90の軸にはギア91が固定されており、ギア91の偏心した位置にはベアリング100が設けられている。ベアリング100は、移動リング88の外周に形成された溝88Bに当接し、移動リング88の回転に伴って回転できる。
【0048】
ギア91に噛合するギア102には、当該ギア102の回動位置(ズーム駆動切替用モータ90の回転位置)に応じてコイルバネ104により常時、時計回り方向(CW方向)又は反時計回り方向(CCW方向)に付勢力が加えられる。
【0049】
図4は、図3上の矢印A方向からギア91等を見た要部矢視図である。図4上でギア102はコイルバネ104によってCW方向に付勢されており、その結果、ギア91はCCW方向に付勢される。ギア91の下面側の偏心した位置に設けられたベアリング100は、点線で示すように移動リング88の溝88Bの右側面に当接し、移動リング88を右方向に移動させるとともに右方向に付勢する。これにより、移動リング88は、ワイヤ巻付部80と所定の付勢力をもって係合する。
【0050】
一方、ズーム駆動切替用モータ90を作動させてギア91を図4上でCW方向に回動させ、ギア102を付勢するコイルバネ104が点線で示す位置に到達すると、このコイルバネ104によってギア102はCCW方向に付勢され、その結果、ギア91はCW方向に付勢される。このとき、ギア91の下面側の偏心した位置に設けられたベアリング100は、一点鎖線で示すように移動リング88の溝88Bの左側面に当接し、移動リング88を左方向に移動させるとともに左方向に付勢する。これにより、移動リング88は、ワイヤ巻付部80との係合が外れ、所定の付勢力をもって非連結状態が維持される。
【0051】
符号106は、ギア102と共に回転する突起部102Aによって作動する切換スイッチであり、この切換スイッチ106は、ズーム操作が一軸式の手動側に切り替えられたか、サーボ側に切り替えられたかを検出する。即ち、切換スイッチ106は、図4に示す状態(移動リング88がワイヤ巻付部80と係合する状態)ではスイッチONとなり、手動側に切り替えられたことを示す信号を制御回路36に出力し、移動リング88がワイヤ巻付部80から離脱した状態ではスイッチOFFとなり、サーボ側に切り替えられたことを示す信号を制御回路36に出力する。
【0052】
図5は移動リング88の右側面とワイヤ巻付部80の左側面の要部拡大図である。同図に示すように移動リング88の右側面には、1本のテーパーピン89が植設されており、ワイヤ巻付部80の左側面には、上記テーパーピン89と係合する1つのテーパー孔81が穿設されている。
【0053】
このテーパーピン89は、金属材料からなるテーパーピン本体89Aと、潤滑性材料からなる先端部89Bとの複合構造となっている。従って、テーパーピン89は、ワイヤ巻付部80のテーパー孔81と係合するまでは、ワイヤ巻付部80の側面に当接した状態で摺動するが、その摺動動作を円滑に行うことができる。また、テーパーピン89はテーパー孔81とバックラッシ無しで係合することができ、更に移動リング88とワイヤ巻付部80とは、互いに所定の回転位置関係にあるときのみ係合する。
【0054】
移動リング88とワイヤ巻付部80とを互いに所定の回転位置関係にあるときのみ係合可能にした理由は、操作棒16の位置とズーム位置との関係が変化しないようにするためである。
【0055】
図6は、ズームレンズ装置12の制御系に関する構成を示すブロック図である。図6中図3で説明した部材と共通する部分には同一の符号を付してある。制御回路36には、フォーカス位置センサ58及びズーム位置センサ62からそれぞれ現在のフォーカス位置及びズーム位置を示す信号が加えられる。
【0056】
ズームコントローラ120(ズームレートデマンド26に相当)からは、ズーム速度を指令するズーム速度指令信号が加えられ、フォーカスコントローラ122(フォーカスポジションデマンド28に相当)からは、フォーカス位置を指令するフォーカス位置指令信号が加えられる。
【0057】
サーボ/一軸選択手段124は、ズームレンズ装置12をサーボ方式によって操作するか、操作棒16によるマニュアル方式によって操作するかを選択するための手段であり、カメラマンの好みによってサーボ/一軸を適宜切り替えることができる。サーボ/一軸選択手段124のセレクト信号は制御回路36に入力され、制御回路36はそのセレクト信号に応じた制御を行う。
【0058】
メモリ126には、負荷調整(電動アシスト)用のデータが格納されている。工場出荷時にズーム動作時のサーボモータ128の電流を測定するなどによって負荷情報を実測し、その情報に基づいて得られた負荷調整データがメモリ126に格納される。なお、負荷調整データは、出荷調整時に取得される場合に限定されず、ズームレンズ装置12の電源投入時に自動的に負荷調整データ測定の動作を実行して調整データを更新してもよいし、また、必要に応じてユーザが所定の操作を行うことにより、負荷調整データの取得動作を実行してもよい。
【0059】
電動アシスト機能を作動させる場合、制御回路36はメモリ126内のデータを参照して、マニュアル操作時の負荷調整制御を行う。
【0060】
トルク設定手段130は、マニュアル操作時におけるズーム動作の負荷の大きさを設定するための手段である。例えば、三段階(重い/中/軽い)に切り替えることができるように構成され、制御回路36は、トルク設定手段130の設定に従って負荷レベルの調整を行う。
【0061】
ズームレンズ装置12には、温度センサ132と角度センサ134が内蔵されており、各センサの検出信号は制御回路36に入力される。温度センサ132によってズームレンズ装置12の使用環境の温度が測定される。温度の高低によってズーム動作時の負荷が変化する(一般に温度が高いほど負荷が軽くなる)ため、温度変化分の負荷調整制御に利用される。また、角度センサ134によってズームレンズ装置12の傾き角度が検出される。ズームレンズ装置12の傾き角度によってズーム動作時の負荷が変化するため、傾き角度の変化分に応じた負荷調整制御が行われる。このような温度及び傾き角度を考慮した負荷調整に必要なデータはズームレンズ装置12内のメモリ126に格納されている。
【0062】
クラッチ切替駆動回路136は、制御回路36からの指令に従ってズーム駆動切替用モータ90及びシリンダ97を作動させる駆動信号を出力する。
【0063】
サーボ/一軸選択手段124によってサーボ方式が選択されると、そのセレクト信号が制御回路36に入力され、制御回路36は、ズームコントローラ120及びフォーカスコントローラ122からの入力信号を有効とし、フォーカス指令用位置センサ70からの入力信号を無効とする。また、このとき、制御回路36は、クラッチ切替駆動回路136に対してサーボ切替指令信号を出力する。これにより、ズーム駆動切替用モータ90がクラッチ部34をサーボ側に設定するように作動するとともに、シリンダ97が作動する。こうして、操作棒16とズーム系レンズ42のカム機構(ズームカム60)との連動関係が分離され、ズーム駆動用のサーボモータ128の動力がギア96を含むクラッチ部142(以下、サーボクラッチという。)を介してカム機構に伝達可能となる。
【0064】
この状態で、カメラマンがズームコントローラ(ズームレートデマンド26に相当)の操作部を操作すると、ズームコントローラ120からズーム速度を指令する速度指示信号が制御回路36に加えられる。制御回路36は、このズーム速度指令信号と、ズーム位置センサ62から加えられる現在のズーム位置を示す信号とに基づいてズーム駆動回路140に制御信号を出力し、サーボモータ128を駆動する。
【0065】
サーボモータ128の回転駆動力がサーボクラッチ142を介してズームカム60に伝達されることによりズームカム60が回動し、ズーム系レンズ42がサーボ駆動される。サーボモータ128にはタコジェネレータ144が設けられており、タコジェネレータ144は、サーボモータ128の回転速度に応じた電圧信号を発生する。タコジェネレータ144からの信号は、制御回路36及びズーム駆動回路140に供給される。この時、サーボモータ128からも発電電圧が発生しており、サーボモータ128の発生電圧を示す信号は制御回路36及びズーム駆動回路140に帰還される。なお、サーボモータ128、タコジェネレータ144、及びズーム駆動回路140は、図3で示したズームサーボモジュール92内に組み込まれている。
【0066】
また、上記サーボ方式を選択した状態で、カメラマンがフォーカスコントローラ122(フォーカスポジションデマンド28に相当)の操作部を操作すると、フォーカスコントローラ122からフォーカス位置の指令信号が出力される。制御回路36は、このフォーカス位置指令信号と、フォーカス位置センサ58から加えられる現在のフォーカス位置を示す信号とに基づいてフォーカス駆動回路150に制御信号を出力し、フォーカスレンズ40がフォーカス位置指令信号に応じたフォーカス位置になるようにフォーカス駆動用のサーボモータ152を制御する。
【0067】
サーボモータ152にはタコジェネレータ154が設けられており、タコジェネレータ154は、サーボモータ152の回転速度に応じた電圧信号を発生する。タコジェネレータ154からの信号は、制御回路36及びフォーカス駆動回路150に供給される。この時、サーボモータ152からも発電電圧が発生しており、サーボモータ152の発生電圧を示す信号は制御回路36及びフォーカス駆動回路150に帰還される。こうして、フォーカスレンズ40は、フォーカスコントローラ122からの指令に従ってサーボ駆動される。
【0068】
サーボ/一軸選択手段124によって一軸方式が選択されると、制御回路36は、ズームコントローラ120及びフォーカスコントローラ122からの入力信号を無効とし、操作棒16の回転を検出するフォーカス指令用位置センサ70からの入力信号を有効とする。また、このとき制御回路36は、クラッチ切替駆動回路136に対して一軸方式への切替指令信号を出力する。
【0069】
これにより、ズーム駆動切替用モータ90はクラッチ部34をマニュアル側につなぐように作動し、操作棒16とズーム系レンズ42のカム機構(ズームカム60)との連動関係が成立する。こうして、操作棒16の押し引き操作によるズーム動作が可能となる。
【0070】
アシスト有無切替手段156は、操作棒16によるマニュアル操作時のズーム動作に負荷調整制御(電動アシスト)を実施するか否かを切り替えるための手段である。アシスト有無切替手段156からの切替信号は制御回路36に入力され、制御回路36は受入した切替信号に従ってクラッチ切替駆動回路136に制御信号を出力してシリンダ97の動作を制御する。
【0071】
負荷調整制御を実施する場合(アシスト有り)の場合は、一軸操作時にサーボモータ128のクラッチ部(サーボクラッチ)142をつないでサーボモータ128によるトルク追加(電動アシスト)を行う。その一方、負荷調整制御を実施しない場合(アシスト無し)の場合は、一軸操作時にサーボクラッチ142を離し、サーボモータ128によるトルク追加を行わない。
【0072】
なお、サーボ/一軸選択手段124、トルク設定手段130、及びアシスト有無切替手段156、ズームレンズ装置12の本体に設けられていてもよいし、カメラマンの手元に設置されるコントローラに設けられていてもよい。
【0073】
図7は、ズームレンズ装置12の負荷特性の一例を示すグラフである。同図に示すようなズーム比における負荷変動特性曲線が制御回路36によって変換される特性である。ワイド端からテレ端までの全ズーム動作範囲についての負荷変動特性の情報はメモリ126に記憶されており、制御回路36は、メモリ126のデータを参照して、電動アシスト用のズーム駆動制御信号をズーム駆動回路140に出力する。負荷変動特性は、温度やレンズの傾き角度によっても影響を受けるため、温度及び傾き角度における負荷変動特性のデータをテーブルとして、又は演算式としてメモリ126に記憶しておく。
【0074】
次に、上記の如く構成されたズームレンズ装置12の動作について説明する。
【0075】
図8は、本例のズームレンズ装置12における動作制御のメインルーチンのフローチャートである。同図に示すように、ズームレンズ装置12の制御回路36は、まず、一軸・サーボの設定処理を実行してから(ステップS110)、ズーム処理(ステップS112)及びフォーカス処理(ステップS114)を実行する。
【0076】
フォーカス処理後は、その他の必要な動作処理(例えば、アイリス処理、エクステンダー処理、画角補正処理など)を実施し、ステップS110に戻る。
【0077】
図9は、一軸・サーボ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。一軸・サーボ処理がスタートすると、制御回路36はサーボ/一軸選択手段124からのセレクト信号の読み込みを行う(ステップS210)。
【0078】
セレクト信号の読み込み後、操作方式の判別を行う(ステップS212)。サーボ方式が選択されているときは、ステップS214へ進む。ステップS214では、ズーム駆動方式切替用のクラッチ部34(以下、一軸クラッチという。)を離す処理を実行して本サブルーチンを終了する。
【0079】
ステップS212において一軸方式が選択されている場合には、ステップS216に進み、一軸クラッチをつなぐ処理を行う。その後、アシスト有無切替信号に基づきアシスト機能の有効/無効を判定する(ステップS218)。「アシスト無し」が選択されているときは、サーボクラッチ142を離す処理を実行する一方(ステップS220)、ステップS226において「アシスト有り」が選択されているときは、サーボクラッチ142をつなぐ処理を実行し(ステップS222)、本サブルーチンを終了する。
【0080】
図10は、ズーム処理の手順を示すフローチャートである。ズーム処理がスタートすると、制御回路36は、ズーム位置センサ62からズーム位置信号の読み込みを行う(ステップS310)。次いで操作方式の判別を行う(ステップS312)。サーボ方式が選択されているときは、ステップS314に進み、ズームコントローラ120からの指示信号を読み込む。そして、その指示信号に従って通常のズーム駆動用のデータを作成する(ステップS316)。
【0081】
その一方、ステップS312において一軸操作方式が選択されているときは、ステップS320に進む。ステップS320では、サーボモータ128の電圧値を読み込む。更に、タコジェネレータ144の電圧の読み込み(ステップS322)、角度センサ値の読み込み(ステップS324)、温度センサ値の読み込み(ステップS326)、トルク設定値の読み込み(ステップS328)を実行する。
【0082】
そして、これら読み込んだ情報に基づいて電動アシスト用のズーム駆動データを作成する(ステップS330)。ステップS330では、ズーム位置に対応したカム情報をメモリから取得し、角度、温度、トルク設定の情報を考慮したズーム駆動データが作成される。
【0083】
ステップS330又はステップS316の後は、ズーム駆動回路140にズーム駆動データを出力し(ステップS332)、本サブルーチンを終了する。
【0084】
図11はフォーカス処理の手順を示すフローチャートである。フォーカス処理がスタートすると、制御回路36は、フォーカス位置センサ58からフォーカス位置信号の読み込みを行う(ステップS410)。次いで操作方式の判別を行う(ステップS412)。サーボ方式が選択されているときは、ステップS414に進み、フォーカスコントローラ122からの指示信号の読み込みを行う。
【0085】
その一方、ステップS412において一軸操作方式が選択されているときは、操作棒16に設けられたフォーカス指令用位置センサ70からフォーカスコンロール信号(F CTRL)の読み込みを行う(ステップS416)。ステップS416又はステップS414の後は、ステップS418に進み、読み込んだ指示信号又はフォーカスコントロール信号に基づいて、通常のフォーカス駆動データを作成する。作成されたフォーカス駆動データはフォーカス駆動回路150に出力され、本サブルーチンを終了する。
【0086】
上記実施形態では、ワイド端からテレ端までの全ズーム動作範囲についての負荷変動を補正してマニュアル操作時のズーム動作をスムーズに行うことができるようにしたが、本実施形態の変形例として、上記アシスト機能を利用することで、ワイド端及びテレ端の近傍でズーム動作の負荷を重くする制御を行う態様が可能である。マニュアル操作時にズーム端の近傍で負荷を重くする制御を行うことにより、カメラマンがズーム操作中にズーム端の到達を意識することができ、ズーム端でのスムーズな停止が可能になる。
【0087】
このようなズーム端付近での負荷調整は、ズーム速度が速い場合(クイック操作時)に特に有効であることから、ズーム端付近で負荷調整を実施するか否かを判定するための基準となるズーム速度(「判定基準速度」という。)を予め定めておき、操作時のズーム速度がその所定の判定基準速度よりも大きい場合にズーム端の手前で負荷を重くする制御を実施し、操作時のズーム速度が判定基準速度よりも低速の場合にはズーム端の手前の負荷調整制御を実施しないという態様も好ましい。
【0088】
上記実施形態では、操作棒を用いる一軸式のズームレンズ装置に本発明を適用した例を述べたが、本発明の適用範囲はこれに限らず、レンズ鏡胴に形成されているズームリングを手操作で回動操作するマニュアル方式を採用するズームレンズ装置についても本発明を適用可能である。
【0089】
また、上記実施の形態では、一軸操作式の操作棒16をマニュアル式の操作部材として使用する場合における電動アシスト機能について説明したが、一軸操作式の操作棒16をサーボ式の操作部材として使用する場合においても全く同様に上記電動アシスト機能を適用することができる。以下、一軸操作式の操作棒16をサーボ式の操作部材として使用する場合において上記電動アシスト機能を可能にするための構成について説明する。
【0090】
図12は、図1と同様に設置された一軸操作式の操作棒16をサーボ式の操作部材として使用する場合におけるズームレンズ装置12の制御系に関する構成を示したブロック図である。同図に示す一軸操作式の操作ユニット230において、操作棒16は、回動自在に軸支された中空軸240の内部に摺動自在に挿入されている。中空軸240には長手方向に沿うキー溝孔240Aが形成され、操作棒16の先端に固着されたピン242がキー溝孔240Aに係合される。操作棒16が回動操作されると、これに連動して中空軸240が回動する。
【0091】
また、中空軸240には移動枠244が嵌装され、ピン242の先端は移動枠244の内周に形成された周方向の溝244Aと係合される。移動枠244の凸部244Bには、プーリー246A、246Bに巻きかけられたベルト248の一部が固着される。操作棒16が押し引き操作されると、これと連動してプーリー246A、246Bが回動する。
【0092】
プーリー246Aは、ズーム指令用位置センサ250の回転軸250Aに取り付けられており、操作棒16の押し引き位置に応じたプーリー246Aの回転位置がズーム指令用位置センサ250により検出される。ズーム指令用位置センサ250から出力された検出信号は制御回路260に入力される。制御回路260は、その検出信号を、操作棒16の押し引き位置に対応したズーム目標位置を示すズーム位置指令信号として取得する。
【0093】
一方、プーリー246Bは、モータ254の回転軸254Aに取り付けられており、モータ254は、制御回路260から印加される電圧(電流)により所定の大きさ及び向きのトルクをプーリー246Bに発生させる。これにより、ベルト248等を通じて操作棒16の軸方向に対して所望の大きさと向きの負荷を与えることができ、上述した電動アシスト機能と同様の制御を行うことができるようになっている。
【0094】
中空軸240の端部の周面には、フォーカス指令用位置センサ252の回転軸252Aがギアを介して係合されており、操作棒16の回転位置に応じた中空軸240の回転位置がフォーカス指令用位置センサ252により検出される。フォーカス指令用位置センサ252から出力された検出信号は制御回路260に入力される。制御回路260は、その検出信号を操作棒16の回転位置に対応したフォーカス目標位置を示すフォーカス位置指令信号として取得する。
【0095】
一方、ズームレンズ装置12の光学系には、上記実施の形態と同様、前方から順にフォーカスレンズ270、ズーム系レンズ272のバリエータレンズ272A、コンペンセータレンズ272B等が配置される。フォーカスレンズ270の支持枠274はリードネジ276に連結されており、フォーカスモータ278によってリードネジ276が回動することにより、フォーカスレンズ270が光軸Pに沿って前後移動する。
【0096】
ズーム系レンズ272はバリエータレンズ272Aとコンペンセータレンズ272Bにより構成されており、各レンズの支持枠に突設されたカムピン272C、272Dはカム筒280のカム溝280A、280Bにそれぞれ係合されている。ズームモータ282によってカム筒280が回動することにより、バリエータレンズ272Aとコンペンセータレンズ272Bがカム溝280A、280Bで規制される位置関係により光軸Pに沿って前後移動する。
【0097】
制御回路260は、リードネジ76に設置されたフォーカス位置センサ284によってフォーカスレンズ270の位置(フォーカス位置)を検出するとともに、カム筒280に設置されたズーム位置センサ286によってズームレンズ272の位置(ズーム位置)を検出しながら、フォーカスモータ278とズームモータ282を駆動し、フォーカスレンズ270及びズームレンズ272をサーボ制御する。
【0098】
すなわち、制御回路260は、操作ユニット230のフォーカス指令用位置センサ252から受入したフォーカス位置指令信号の示すフォーカス目標位置とフォーカス位置センサ284によって検出したフォーカス位置との差分が0となるように、フォーカスモータ278を駆動制御してフォーカスレンズ270を移動させる。また、制御回路260は、操作ユニット230のズーム指令用位置センサ250から受入したズーム位置指令信号の示すズーム目標位置とズーム位置センサ286によって検出したズーム位置との差分が0となるように、ズームモータ282を駆動制御してズームレンズ272を移動させる。
【0099】
以上の如く構成されたズームレンズ装置12によれば、モータ254のトルクを制御することにより、操作棒16の押し引き操作に対して所要の負荷を発生させることができるため、上記実施の形態で説明した電動アシスト機能を実行することは容易に可能である。例えば、サーボ式の操作部材である上記操作棒16においては、押し引き操作に対する負荷変動は、ズームレンズ装置12の傾き、即ち、操作棒16の傾きによるものが大きいと考えられるため、図12に示すようにズームレンズ装置12(又は操作ユニット230)に角度センサ256を設置し、この角度センサ256からの検出信号を制御回路260に入力させるようにする。この場合において、角度センサ256からは、図13に示すように重力方向に垂直な面内の方向(水平方向)とズームレンズ装置12の基準方向(操作棒16の軸方向)とのなす角θ(以下、傾き角度θという)が検出信号として制御回路260に与えられる。制御回路260は、角度センサ256から取得した傾き角度θに基づいて、上記モータ254のトルクを制御し、操作棒16の押し引き操作に対する負荷調整を行う。この負荷調整によって、操作棒16の傾きにかかわらず、操作棒16が水平方向を向いている場合における操作棒16の押し引き操作に対する負荷と同じ負荷を、その押し引き操作に対して与えることができる。例えば、角度センサ256により検出された傾き角度θにおいて、重力に起因して操作棒16の軸方向に作用する力を打ち消すようにモータ254のトルクの大きさと向きを制御することによって、操作棒16の傾きによる負荷変動を防止し、一定の負荷で操作棒16の押し引き操作を行えるようにすることができる。また、重力による負荷変動を防止するだけでなく、上記実施の形態と同様にズーム端の手前で操作棒16の押し引き操作に対する負荷を重くすることや、ズーム速度が一定速度以上の場合にのみズーム端の手前で負荷を重くするなどの負荷調整を行うことができる。更に、上記トルク設定手段130に相当する手段により負荷の大きさを例えば三段階(重い/中/軽い)に切り替えられるようにすることもできる。
【0100】
また、電源オフ時には、モータ254の保持トルクを利用し、操作棒16が自重により軸方向にスライドしないように保持するようにすることも可能である。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るズームレンズ装置によれば、ズーム操作方式をマニュアル方式又はサーボ方式に切り替え可能なズームレンズ装置に搭載されているサーボ用駆動手段を流用してマニュアル操作時のズーム動作の負荷を調整するようにしたので、負荷調整のためのモータ等を別途設ける必要がなく、構造が簡略化できる。また、従来、マニュアル操作中に使用されることの無かったサーボ駆動用手段を活用することで、ズームレンズ装置の装備(資源)を有効活用できる。また、一軸操作式の操作棒をサーボ式の操作部材として採用した場合においても、操作棒に対して軸方向への力をモータ等によって発生させるようにすることで、操作棒の押し引き操作に対する負荷を調整することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操作棒を用いた一軸二操作式の操作方式を使用した場合のテレビカメラシステム全体の構成を示した斜視図
【図2】ズームレートデマンド及びフォーカスポジションデマンドの操作方式を使用した場合のテレビカメラシステム全体の構成を示した斜視図
【図3】本実施形態に係るズームレンズ装置の全体構成図
【図4】図3の矢印A方向から見た要部矢視図
【図5】図3に示した移動リングの右側面とワイヤ巻付部の左側面の要部拡大図
【図6】本実施形態に係るズームレンズ装置の制御系に関する構成を示すブロック図
【図7】ズームレンズ装置の負荷特性を示すグラフ
【図8】本例のズームレンズ装置における動作制御手順を示すフローチャート
【図9】本例のズームレンズ装置における動作制御手順を示すフローチャート
【図10】本例のズームレンズ装置における動作制御手順を示すフローチャート
【図11】本例のズームレンズ装置における動作制御手順を示すフローチャート
【図12】一軸操作式の操作棒をサーボ式の操作部材として使用する場合におけるズームレンズ装置の構成を示す図
【図13】ズームレンズ装置の傾き角度の説明に使用した図
【符号の説明】
10…テレビカメラ、12…ズームレンズ装置、14…カメラ本体、16…操作棒、26…ズームレートデマンド、30…レンズ鏡胴、32…操作ユニット、34…クラッチ部、36…制御回路、42…ズーム系レンズ、60…ズームカム、62…ズーム位置センサ、64…中空軸、78…ワイヤ、80…ワイヤ巻付部、90…ズーム駆動方式切替用モータ、92…ズームサーボモジュール、97…シリンダ、124…サーボ/一軸選択手段、128…サーボモータ、130…トルク設定手段、132…温度センサ、134…角度センサ、140…ズーム駆動回路
Claims (5)
- 操作棒の押し引き操作によりズームレンズを電動により移動させるズームレンズ装置において、
前記操作棒に対して軸方向への力を発生させる動力発生手段と、
前記動力発生手段により発生させる力を制御して前記操作棒の押し引き操作に対する負荷を調整する負荷調整手段と、
を備えたことを特徴とするズームレンズ装置。 - 前記負荷調整手段は、ズーム可動範囲においてテレ端及びワイド端の少なくとも一方のズーム端の近傍でそれ以外のズーム可動域よりも前記負荷を重くするように作動することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ装置。
- 前記操作棒の押し引き操作によるズーム速度が予め定められている判定基準速度よりも速い場合に、前記ズーム端の近傍において負荷を重くするように作動させ、前記ズーム速度が前記判定基準速度よりも遅い場合には、前記ズーム端の近傍において負荷を重くする調整を実行しないことを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ装置。
- 請求項1に記載のズームレンズ装置において、該装置は、当該ズームレンズ装置の傾き角度を検出する角度検出手段を備え、
前記負荷調整手段は、前記角度検出手段で検出された角度に応じてレンズ傾け時の負荷変動を補正し、前記操作棒の押し引き操作に対する負荷を一定レベルに調整することを特徴とするズームレンズ装置。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載のズームレンズ装置において、前記負荷の調整を行うための調整データは、ズームレンズ装置に内蔵されているメモリに格納されていることを特徴とするズームレンズ装置。
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