JP3890775B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒内燃機関の空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある気筒群の空燃比と他の気筒群の空燃比とが異なるように多気筒内燃機関の空燃比状態を制御する空燃比制御装置があり、このような空燃比制御装置としては特開平8-61052号公報に記載のものなどが知られている。特開平8-61052号公報に記載の空燃比制御装置は、ある気筒群の空燃比と他の気筒群の空燃比とが異なるように制御することによって排気通路上の排気浄化触媒を昇温させることなどを目的としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多気筒内燃機関の空燃比状態は、通常、全気筒が同一の空燃比となるように制御されており、ある気筒群の空燃比と他の気筒群の空燃比とが異なるような制御への切替時に気筒群毎の出力トルクに差が生じ、切替時における内燃機関全体での出力トルクが不安定になってしまう傾向がある。上述した特開平8-61052号公報に記載の制御装置なども、この点に関しては十分な配慮がなされていないものであり、更なる改善が望まれていた。
【0004】
また、例えば燃料噴射弁や空燃比センサ、燃焼室のデポジット付着量により気筒群毎に機関個体差や経時変化が発生する。この影響を考慮しないで気筒群毎に空燃比を相違させると、各気筒群の空燃比が目標の空燃比からずれて、結果的に排気エミッションが悪化する場合があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、出力トルクを安定な状態に維持しすると共に、排気エミッションの悪化も抑止しつつ、空燃比状態を、ある気筒群の空燃比と他の気筒群の空燃比とが異なる空燃比相違状態に円滑に切り替えることのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、オープンループ制御により全気筒が同じ空燃比で運転される空燃比同一状態と、気筒群毎の空燃比が異なる状態で運転される空燃比相違状態とを切り替える空燃比状態切替手段を備えた内燃機関の空燃比制御装置において、多気筒内燃機関の排気通路上に設けられた排気浄化触媒と、排気浄化触媒の温度を上昇させるか否かを判断する触媒昇温判定手段と、多気筒内燃機関の排気通路上に設けられた空燃比センサとをさらに備え、空燃比同一状態で内燃機関が運転している際、触媒昇温判定手段により排気浄化触媒の昇温が必要であると判断したときに、空燃比状態切替手段が、空燃比を空燃比同一状態から空燃比相違状態に切り替える切替を行い、切替を行うにあたり、空燃比センサの出力に基づいて機関空燃比を所定の目標空燃比となるようにフィードバック制御する状態を経由させた後に空燃比相違状態に切り替えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、空燃比状態が、空燃比制御切替手段によって、オープンループ制御を行っている空燃比同一状態から空燃比センサの出力に基づいて機関空燃比を所定の目標空燃比となるようにフィードバック制御する状態を経由して空燃比相違状態に切り替えられる。このフィードバック制御する状態は、排気ガス中の有害物質の浄化率を高く維持しつつ、十分な出力トルクを高く維持するために、空燃比センサの出力に基づいて機関空燃比を所定の目標空燃比となるようにフィードバック制御する状態であるため、オープンループ制御を行っている空燃比同一状態から空燃比相違状態への切替時に出力トルクを大きく変動させることなく、かつ、排気ガス中の有害物質を効率良く浄化しつつ、円滑に空燃比状態を切り替えることができる。そして、触媒昇温判定手段によって、排気浄化触媒の温度を昇温させる必要があると判定したときに、空燃比相違状態に切り替えることによって、排気浄化触媒を昇温させることができる。排気浄化触媒を昇温させれば、排気浄化触媒をより早期に活性状態とさせることができたり、排気浄化触媒に吸蔵された有害物質を浄化させたりすることなどができる。
また、空燃比センサの出力に基づくフィードバック制御を行うので、内燃機関の空燃比を高精度に制御でき、空燃比制御状態をより高次元に安定させることができる。この結果、空燃比状態が、このフィードバック制御を行う状態を経由して空燃比相違状態に切り替えられる際に、より円滑に切替が行われるようにできる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、目標空燃比が理論空燃比であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、上記フィードバック制御時の目標空燃比を理論空燃比とするので、排気ガス中の有害物質を最も効率良く浄化しつつ、十分な出力トルクを安定して出力することができる。この結果、空燃比状態が上記フィードバック制御を行う状態を経由して空燃比相違状態に切り替えられる際に、その切替を円滑に行うことができ、このときの排気ガス中の有害物質の浄化と十分な出力トルクの安定出力とをバランス良く実現することができる。
【0012】
また、上記フィードバック制御を行う状態における機関空燃比を理論空燃比とするので、空燃比相違状態での各気筒群の空燃比がどのようなものでも、その切替前後の空燃比のギャップを平均的な大きさとすることができ、空燃比状態を空燃比相違状態に安定的かつ円滑に切り替えることができる。即ち、ある気筒群の空燃比状態を、理論空燃比よりリーンな状態に切り替える場合であっても、理論空燃比よりリッチな状態へと切り替える場合であっても、その切替前後の空燃比のギャップは、リーンな状態からリッチな状態に一気に切り替えるような場合のように大きくなることはない。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、空燃比センサの出力に基づくフィードバック制御によって得られる空燃比フィードバック補正値から空燃比制御値を学習する空燃比学習手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、空燃比学習手段によって、上記フィードバック制御を行う状態で空燃比制御値を学習することができる。空燃比制御値は、内燃機関の個体差や経時変化を反映させるためのものである。この空燃比制御値を上記フィードバック制御中に学習し、これを空燃比制御に反映させることによって、より高精度の空燃比制御を行うことができる。この結果、上記フィードバック制御を行う状態を経由させて空燃比相違状態に切り替える際に、より円滑に空燃比状態を切り替えることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、排気通路が、各気筒群毎に設けられた上流排気通路と上流排気通路の下流側で合流された合流排気通路とからなり、空燃比センサが、上流排気通路上に配置されており、空燃比学習手段が、各上流排気通路毎に得られた空燃比フィードバック補正値から各気筒群毎に空燃比制御値を学習することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、各気筒群毎に空燃比センサを配置して、各気筒群毎に空燃比フィードバック補正値を用い、かつ、学習した空燃比制御値を反映させて、フィードバック制御を行う。各気筒群毎にフィードバック制御を行うため、空燃比制御の精度をより一層高精度にすることができ、空燃比状態が上記フィードバック制御を行う状態を経由して空燃比相違状態に切り替えられる際に、さらにきめ細かく制御を行って、より一層円滑に空燃比状態を切り替えることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、空燃比制御値を空燃比相違状態でのフィードバック制御に反映させる学習値反映手段を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、空燃比制御値を、学習値反映手段によって、空燃比相違状態でのフィードバック制御に反映させるので、空燃比相違状態でのフィードバック制御を高精度に行うことができる。空燃比相違状態では気筒群毎に異なる空燃比で運転されるため、空燃比の学習を行えなかったり、精度良く行えない場合もあり、上記フィードバック制御を行う状態で学習した最新の空燃比制御値を反映させることによって、空燃比相違状態でのフィードバック制御を高精度に行うことができる。この結果、空燃比相違状態への切替時のみならず、空燃比相違状態に切り替えられた後のトルク変動抑止や排気ガス浄化も好適に行うことができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、空燃比状態切替手段が、空燃比状態を空燃比相違状態から空燃比同一状態に切り替える際に、内燃機関全体の空燃比制御状態が全気筒の機関空燃比を理論空燃比とするように運転される全気筒理論空燃比状態を経由させた後に空燃比同一状態に切り替えることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、空燃比状態が、空燃比制御切替手段によって、空燃比相違状態から全気筒理論空燃比状態を経由して空燃比同一状態に切り替えられる。全気筒理論空燃比状態は、出力トルクと排気ガス中の有害物質除去とを安定した状態に維持できる理論空燃比で全気筒が運転されるため、空燃比相違状態から空燃比同一状態への切替時に出力トルクを大きく変動させることなく、かつ、排気ガス中の有害物質を効率良く浄化しつつ、円滑に空燃比状態を切り替えることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、多気筒内燃機関の排気通路上に設けられた空燃比センサと、空燃比センサの出力に基づくフィードバック制御によって得られる空燃比フィードバック補正値から空燃比制御値を学習する空燃比学習手段とを備え、全気筒理論空燃比状態において、空燃比状態切替手段によって、予め学習された空燃比制御値に基づくオープンループ制御を行った後に、空燃比センサの出力に基づくフィードバック制御を行う
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、空燃比相違状態から全気筒理論空燃比状態に移行した直後に、予め学習した空燃比制御値を用いてオープンループ制御することによって、より早期に機関空燃比を理論空燃比にすることができる。また、全気筒理論空燃比状態において、上述したオープンループ制御を行った後は、空燃比センサの出力に基づくフィードバック制御に移行することによって、より早期に理論空燃比にした機関空燃比を、より高精度に理論空燃比に維持することができる。この結果、空燃比状態を空燃比相違状態から全気筒理論空燃比状態への切替を円滑に行うことができると共に、空燃比相違状態以後のトルク変動抑止や排気ガス浄化も好適に行うことができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1記載の発明において、触媒昇温判定手段は、排気浄化触媒の温度が触媒活性化温度よりも低いときに、排気浄化触媒の昇温が必要であると判断することを特徴とする。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、排気浄化触媒の温度が触媒活性化温度より低い温度であり、排気浄化触媒が排気ガス中の有害物質を充分に浄化できないような状態である時ときに、触媒昇温判定手段が、排気浄化触媒を昇温させる必要があると判定する。この結果、排気浄化触媒は、空燃比相違状態によって早期に昇温されるので、より早期に排気ガス中の有害物質を充分に浄化できる状態になる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、排気浄化触媒がNOx吸蔵還元触媒であり、触媒昇温判定手段は、排気浄化触媒のSOx被毒量が所定量以上となったときに、排気浄化触媒の昇温が必要であると判断することを特徴とする。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、排気浄化触媒であるNOx吸蔵還元触媒のSOx被毒量が所定量以上となったときは、NOx吸蔵還元触媒のSOx被毒を解消するために、触媒昇温判定手段が、排気浄化触媒を昇温させる必要があると判定する。この結果、NOx吸蔵還元触媒は、空燃比相違状態によって早期に昇温されるので、SOx被毒を解消することができ、NOx吸蔵能力を低下させることなく、排気ガス中の有害物質を浄化することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の空燃比制御装置の一実施形態を備えた内燃機関の構成を示している。エンジン1は、四気筒エンジンであり、希薄燃焼も可能である。エンジン1の#1気筒と#4気筒とで一つの気筒群を構成し、#2気筒と#3気筒とでもう一つの気筒群を構成している。各気筒からの排気通路は、各気筒群毎にそれぞれ第一上流排気通路2a1及び第二上流排気通路2a1にまとめられた後、さらにその下流側で合流排気通路2bとして一本にまとめられている。
【0030】
各上流排気通路2a1,2a2上には、排気浄化触媒である第一スタートキャタリスト3a1及び第二スタートキャタリスト3a2がそれぞれ配設されている。そして、各上流排気通路2a1,2a2上の各スタートキャタリスト3a1,3a2の上流側には、排気ガス中の酸素濃度から各気筒群の空燃比を検出する空燃比センサである第一酸素センサ4a1及び第二酸素センサ4a2が配設されている。一方、合流排気通路2b上には、排気浄化触媒であるNOx吸蔵還元触媒3bが配設されている。そして、合流排気通路2b上のNOx吸蔵還元触媒3bの上流側にも空燃比センサである第三酸素センサ4bが配設されている。これらの酸素センサ4a1,4a2,4bは、理論空燃比を跨いで空燃比がリッチ側かリーン側かで出力電圧が変化するものであり、理論空燃比を境に、空燃比がリッチであるかリーンであるかをオン-オフ的に検出する。
【0031】
第一スタートキャタリスト3a1及び第二スタートキャタリスト3a2には、それぞれの触媒温度(即ち排気温度)を検出する第一温度センサ5a1及び第二温度センサ5a2がそれぞれ取り付けられている。また、NOx吸蔵還元触媒3bにも、触媒温度(即ち排気温度)を検出する第三温度センサ5bが取り付けられている。さらに、エンジン1の各気筒の燃焼室内には燃料噴射弁6がそれぞれ配設されており、燃料噴射弁6によって各気筒内に直接燃料噴射(筒内噴射)を行うことができる。酸素センサ4a1,4a2,4b、温度センサ5a1,5a2,5b及び燃料噴射弁6は、電子制御コントロールユニット(ECU)7に接続されている。酸素センサ4a1,4a2、4b及び温度センサ5a1,5a2,5bによる検出結果はECU7に送られ、燃料噴射弁6はECU7からの信号に基づいて燃料を噴射する。
【0032】
ECU7は、CPU,ROM,RAMなどで構成されるマイクロコンピュータであり、イグニッションキーをオフにした後もバッテリにより記憶内容が消去されずに保持されるバックアップRAMも備えている。また、ECU7には、吸入空気量に相当する吸気管圧力を検出する吸気管圧センサ8、エンジン回転数センサ9、アクセル開度センサ10及びその他のエンジン制御に必要な各種センサが接続されている。ECU7は、エンジン制御全般を司っており、空燃比状態切替手段、空燃比学習手段、学習値反映手段及び触媒温判定手段としても機能する。
【0033】
上述したエンジン1は、下記の五つの燃焼モードによって運転される。
(1)成層燃焼
(2)弱成層燃焼
(3)均質リーン燃焼
(4)均質ストイキ燃焼
(5)均質リッチ燃焼
上述したモードの内の何れのモードで燃焼を行うかは、各種センサによって検出された機関運転状態(運転者の出力要求値)に基づいて決定される。
【0034】
(1)の成層燃焼は、気筒内の点火プラグ近傍の空燃比をリッチとすると同時にその周囲に空気層を形成させて筒内全体では超希薄燃焼をさせるものである。(3)の均質リーン燃焼は、機関空燃比を気筒内全域で均質で、かつ、理論空燃比よりもリーンな空燃比にして希薄燃焼をさせるものである。(2)の弱成層燃焼は、成層燃焼と均質リーン燃焼との中間状態で、1サイクル中において吸気行程と圧縮行程で計二回、燃料噴射を行う。(4)の均質ストイキ燃焼は、機関空燃比を気筒内全域で均質で、かつ、理論空燃比にして燃焼をさせるものである。(5)の均質リッチ燃焼は、機関空燃比を気筒内全域で均質で、かつ、理論空燃比よりもリッチな空燃比にして燃焼をさせるものである。
【0035】
均質ストイキ燃焼時及び均質リッチ燃焼時には、吸気管圧センサ8の出力から得られる吸入空気量とエンジン回転数センサ9により検出されたエンジン回転数から基本燃料噴射量QALLが決定される。成層燃焼時、弱成層燃焼時及び均質リーン燃焼時には、アクセル開度センサ10により検出されたアクセル開度とエンジン回転数センサ9により検出されたエンジン回転数から基本燃料噴射量QALLが決定される。
【0036】
第一スタートキャタリスト3a1、第二スタートキャタリスト3a2及びNOx吸蔵還元触媒3bについて詳述する。
【0037】
第一スタートキャタリスト3a1及び第二スタートキャタリスト3a2は、表面にアルミナの薄膜層がコーティングされた担体上に、白金やパラジウムやロジウムなどの貴金属を担持させた三元触媒であり、排気ガス内の炭化水素HC、一酸化炭素CO、窒素酸化物NOxを浄化する。HC,CO,NOxの浄化は、理論空燃比近傍で燃焼されたときに最も効率良く行われる。第一スタートキャタリスト3a1及び第二スタートキャタリスト3a2は、エンジン1本体に近い位置に設置されており、エンジン1の始動後、排気ガスによってより早期に触媒活性化温度に達する。
【0038】
NOx吸蔵還元触媒3bは、基本的には、上述した三元触媒であるが、アルミナコーティング層上に、アルカリ金属(カリウム,ナトリウム,リチウム,セシウムなど)、アルカリ土類金属(バリウム,カルシウムなど)又は希土類元素(ランタン,セシウム,イットリウムなど)などをもさらに担持させ、空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵させることができるようにしたものである。
【0039】
このため、NOx吸蔵還元触媒3bは、通常の三元触媒としての機能、即ち、理論空燃比近傍で燃焼されたときの排気ガス内のHC,CO,NOxを浄化する機能に加えて、排気ガス中に含まれる還元されないNOxを吸蔵することができる。理論空燃比よりもリーンな空燃比で燃焼された排気ガス中には還元剤となるHC,COがほとんど含まれないためNOxは還元されにくく、この還元されないNOxがNOx吸蔵還元触媒3bに一時的に吸蔵される。
【0040】
NOx吸蔵還元触媒3bに吸蔵されたNOxは、理論空燃比よりもリッチな空燃比(あるいは理論空燃比近傍)で燃焼されたときの排気ガス中のHC,COによって還元されて浄化される(このときHC,COは同時に酸化される)。このために、NOx吸蔵還元触媒3bにある程度NOxが吸蔵されたと判断されたときは、理論空燃比よりもリッチな空燃比で短時間エンジン1を運転して吸蔵されたNOxを還元させる、いわゆるリッチスパイク運転を行う。
【0041】
また、上述したようなNOx吸蔵還元触媒3bは、NOxの吸蔵と同様に、排気ガス中に硫黄酸化物SOxが存在するとこのSOxも吸蔵する性質を有している。しかも、SOxはNOxに比べてNOx吸蔵還元触媒3bに安定的に吸蔵されてしまうため、NOxよりも還元されにくく、通常のリッチスパイク運転では還元することができずに、NOx吸蔵還元触媒3bに吸蔵され続けてしまうという傾向がある。この結果、NOx吸蔵還元触媒3bに吸蔵されるSOx量が増加し、その分NOxを吸蔵できなくなり(以下、この現象をSOx被毒という)、NOxがNOx吸蔵還元触媒3bによって浄化されなくなる場合がある。
【0042】
NOx吸蔵還元触媒3bに吸蔵されたSOxを放出させるには、NOx吸蔵還元触媒3bの温度をNOx還元時よりも高温(例えば600〜850℃)とし、かつ、周囲雰囲気を還元雰囲気として還元させれば良い。このため、NOx吸蔵還元触媒3bの温度を昇温させつつ、理論空燃比よりもややリッチな空燃比で燃焼された後の排気ガスと同等な還元雰囲気中でSOxを還元させて、NOx吸蔵還元触媒3bをSOx被毒から回復させる。
【0043】
NOx吸蔵還元触媒3bを昇温するために、#1,#4気筒側気筒群を理論空燃比よりもリーンな空燃比で燃焼させると共に#2,#3気筒側気筒群を理論空燃比よりもリッチな空燃比で燃焼(あるいはこの逆)させる。このようにすることにより、#1,#4気筒側気筒群からの排気ガス中には酸素が含まれ、#2,#3気筒側気筒群からの排気ガス中にはHC,COが含まれるので、合流排気通路2b上のNOx吸蔵還元触媒3bにおいてHC,COが酸化され、その酸化反応熱によってNOx吸蔵還元触媒3bが昇温される。このとき、酸素をHC,COの酸化反応後に若干のHC,COが排気ガス中に残存して還元雰囲気が形成されれば、SOxを還元させる上で好ましい。
【0044】
また、上述したSOx被毒からの回復のみならず、NOx吸蔵還元触媒3bの温度を早期に触媒活性化温度に昇温させたいような場合など、NOx吸蔵還元触媒3bを積極的に昇温させる必要がある場合にも、一部の気筒群を理論空燃比よりもリーンな空燃比で燃焼させると共に他の気筒群を理論空燃比よりもリッチな空燃比で燃焼させることは有用である。このように、多気筒内燃機関の空燃比状態を、ある気筒群と他の気筒群とが異なる空燃比となるように制御すること、即ち、空燃比状態を空燃比相違状態に切り替えることは種々の利点がある。本発明は、この空燃比相違状態への切替時のトルク変動を抑止すると共に、空燃比相違状態時における排気ガス中の有害物質の排出をも抑止する。
【0045】
ここで、空燃比のフィードバック制御について簡単に説明する。
【0046】
機関を運転する際の燃料噴射量TAUは、次のように決定される。
TAU←α・QALL・EFTOTAL+β・・・・(I)
ここで、QALLは吸気管圧力及びエンジン回転数から決定される基本燃料噴射量であり(上述したように、アクセル開度とエンジン回転数から決定される場合もある)、この基本燃料噴射量QALLを機関運転状態に応じて補正することにより、燃料噴射量TAUを決定する。また、EFTOTALは、空燃比反映トータル値である。空燃比反映トータル値EFTOTALは、空燃比を目標空燃比とするために基本燃料噴射量QALLを補正する成分であり、この値によって空燃比のフィードバック制御が行われる。α及びβは、始動直後の暖気増量補正値や加速時の加速増量補正値などの他の補正成分である。このEFTOTALは、例えば、空燃比フィードバック補正値FAFと空燃比学習値KGとの和で表される。即ち、この場合、(I)式は次のようになる。
TAU←α・QALL・(FAF+KG)+β・・・・(II)
【0047】
空燃比フィードバック補正値FAFは、酸素センサの出力を基に実際の空燃比を検出して、この空燃比が目標空燃比になるようにフィードバック補正するためのものである。例えば、空燃比を理論空燃比とする際には、図2(a)及び図2(b)に示されるように、酸素センサによって検出された空燃比が理論空燃比よりもリッチである間は、空燃比フィードバック補正値FAFに対して、燃料噴射量を徐々に減量する値が与えられ、酸素センサによって検出された空燃比がリッチからリーンに変わったときには、応答性向上を考慮して燃料噴射量を増量する値がスキップ的に与えられる。
【0048】
逆に、酸素センサによって検出された空燃比が理論空燃比よりもリーンである間は、空燃比フィードバック補正値FAFに対して、燃料噴射量を徐々に増量する値が与えられ、酸素センサによって検出された空燃比がリーンからリッチに変わったときには、応答性向上を考慮して燃料噴射量を減量する値がスキップ的に与えられる。このようにして、機関空燃比を常に目標空燃比である理論空燃比に維持すべく、空燃比フィードバック補正値FAFが生成されるのである。
【0049】
なお、酸素センサの検出遅れを考慮して、空燃比フィードバック補正値FAFに図2(c)に示されるような遅れ時間DT1,DT2を設定する場合もある。また、ECUにおいて酸素センサの出力からリーン-リッチをオン-オフ的に判定した判定信号を生成し、この判定信号に基づいてFAF信号を生成する場合もある。
【0050】
一方、空燃比学習値KGは、空燃比制御値の一つであり、空燃比フィードバック補正値FAFを平均化した空燃比フィードバック補正平均値FAFAVから生成される。なお、空燃比フィードバック補正平均値FAFAVも空燃比制御値の一つである。空燃比学習値KGは、燃料噴射弁や空燃比センサなどの機関の個体差や経時変化を反映させるための補正値であり、所定の機関負荷領域毎に定められる。空燃比のフィードバック制御が行われずにオープンループ制御されているような場合(例えばFAF=1.0に固定して制御する場合)であっても、機関の個体差や経時変化により生じる空燃比のズレを吸収するために、この空燃比学習値KGを用いて補正する。
【0051】
空燃比フィードバック補正値FAFを用いて空燃比のフィードバック制御を行っていれば、機関空燃比は、このような空燃比学習値KGを用いなくても酸素センサの出力に基づく空燃比フィードバック補正値FAFによって目標空燃比に補正される。しかし、機関の個体差や経時変化を反映させてより精度の高い制御を行うため、オープンループ制御中のみならずフィードバック制御中も空燃比学習値KGが反映される。なお、この空燃比学習値KGは、ECU内のバックアップRAM内に記憶され、必要時に取り出される。
【0052】
上述した空燃比フィードバック補正値FAFや空燃比制御値(空燃比フィードバック補正平均値FAFAVや空燃比学習値KGなど)は、ECU7内のROMに格納されたプログラムによって数ミリ秒毎に演算・更新される。また、ECU7において演算された空燃比フィードバック補正値FAFや空燃比制御値に基づいて、燃料噴射量TAUが決定され、燃料噴射弁6を用いて燃料が噴射される。ECU7においては、燃料噴射量TAU以外に、点火時期やバルブタイミング、EGR量、スロットル弁開度も演算・決定される。
【0053】
次に、上述した内燃機関の空燃比状態を、#1,#4気筒側気筒群と#2,#3気筒側気筒群とを異なる空燃比で燃焼させる状態、即ち、空燃比相違状態に切り替える行程について、図3に示す空燃比制御状態の説明図と図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0054】
エンジン1は、通常、全気筒の空燃比が同一の空燃比となるような空燃比同一状態で運転されている。ここでは、図3に示されるように、空燃比同一状態として全気筒が成層燃焼されている状態から、全気筒が均質ストイキ燃焼される空燃比制御安定状態▲1▼を経由して、#1,#4気筒側気筒群が均質リッチ燃焼され、かつ、#2,#3気筒側気筒群が均質リーン燃焼される空燃比相違状態▲2▼に切り替えられる。その後さらに、空燃比相違状態▲2▼の終了後に、全気筒が均質ストイキ燃焼される全気筒理論空燃比状態▲3▼に切り替えられる。以下に、空燃比同一状態−空燃比制御安定状態▲1▼−空燃比相違状態▲2▼−全気筒理論空燃比状態▲3▼と切り替える行程を順に説明する。
【0055】
なお、ここに言う空燃比制御安定状態とは、排気ガス中の有害物質の浄化率を高く維持しつつ、十分な出力トルクを維持することのできる状態をいう。空燃比制御安定状態の一例としては、機関空燃比がある所定の目標空燃比となるようにフィードバック制御される状態がある。このようにフィードバック制御を行えば、空燃比制御上、目標空燃比を基準にして各種外乱によるズレを求めることができ、各種制御値を学習できるので、さらに空燃比の制御状態を安定させることができる。ここでは、上述した目標空燃比が特に理論空燃比とされた場合である。
【0056】
図3においては、上述した制御過程の種々の状態が時間軸に沿って示されている。図3(a)はエンジン1の各気筒の燃焼状態を示す模式図、図3(b)はエンジン1の各気筒の制御目標となる空燃比を示す模式図、図3(c)は空燃比フィードバック補正値の状態を示す模式図である。なお、図3(b)の縦軸は空燃比の大きさを示す。また、図3(c)では空燃比制御安定状態▲1▼及び全気筒理論空燃比状態▲3▼-2においては気筒群毎の各酸素センサ4a1,4a2の出力でフィードバック制御しているので、便宜的に各気筒群に対応する空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2を図示している。
【0057】
図4に示されるように、ECU7は、接続された各種センサの検出結果に基づいて、排気浄化触媒の昇温制御が必要であるかどうかを常時監視している。本実施形態では、例えば、燃料噴射量の噴射積算値が所定値以上になったとき、NOx吸蔵還元触媒3Bが所定量のSOxの被毒を受けていると判断する。このSOx被毒を回復するために、NOx吸蔵還元触媒3bの昇温制御が必要であると判断される。
【0058】
ECU7によって、排気浄化触媒の昇温制御が必要と判断される(ステップ100)と、燃料噴射弁6の噴射モードが切り替えられ、図3に示されるように、エンジン1が理論空燃比運転以外の運転状態、例えば成層燃焼されている状態(空燃比同一状態)であれば、空燃比制御安定状態▲1▼に切り替えられる(ステップ101)。なお、昇温制御が必要なときに理論空燃比運転であれば、そのまま空燃比安定状態▲1▼に切り替えられる。
【0059】
このとき、出力トルク変動などを円滑にするため、短時間の弱成層燃焼及び均質リーン燃焼を経てから、空燃比制御安定状態▲1▼であるストイキ燃焼に切り替えられる。空燃比制御安定状態▲1▼以前の成層燃焼から均質リーン燃焼までは、空燃比のフィードバック制御は行われておらず、アクセル開度(運転者による機関要求負荷)及び機関回転数から定まる燃料噴射量でオープンループ制御されている。
【0060】
空燃比制御安定状態▲1▼に移行した後、空燃比のフィードバック制御が開始される。このとき、各気筒群毎の第一上流排気通路2a1及び第二上流排気通路2a2上の第一スタートキャタリスト3a1及び第二スタートキャタリスト3a2の上流側の第一酸素センサ4a1及び第二酸素センサ4a2の出力に基づいて、上述した空燃比反映トータル値が各気筒群毎に形成され、これに基づいて空燃比のフィードバック制御が各気筒群毎に行われる。
【0061】
以下、説明のために、#1,#4気筒側気筒群の空燃比反映トータル値をEFTOTAL1とし、#2,#3気筒側気筒群の空燃比反映トータル値をEFTOTAL2とする。同様に、#1,#4気筒側気筒群の第一酸素センサ4a1に基づく空燃比フィードバック補正値をFAF1とし、この空燃比フィードバック補正値FAF1から得られる空燃比フィードバック補正平均値をFAFAV1、空燃比学習値をKG1とする。同様に、#2,#3気筒側気筒群の第二酸素センサ4a2に基づく空燃比フィードバック補正値をFAF2とし、この空燃比フィードバック補正値FAF2から得られる空燃比フィードバック補正平均値をFAFAV2、空燃比学習値をKG2とする。
【0062】
即ち、空燃比制御安定状態▲1▼では、EFTOTAL1=FAF1+KG1となり、
TAU1←α・QALL・EFTOTAL1+β=α・QALL・(FAF1+KG1)+β
で基本燃料噴射量QALLをフィードバック制御によって補正し、#1,#4気筒側気筒群の燃料噴射量TAU1を決定する。同様に、EFTOTAL2=FAF2+KG2となり、
TAU2←α・QALL・EFTOTAL2+β=α・QALL・(FAF2+KG2)+β
で基本燃料噴射量QALLをフィードバック制御によって補正し、#2,#3気筒側気筒群の燃料噴射量TAU2を決定する。
【0063】
均質ストイキ燃焼が行われる空燃比制御安定状態▲1▼は、理論空燃比での燃焼であるため、排気浄化触媒(三元触媒)での排気ガス中の有害物質の除去率が高く、かつ十分な出力トルクを維持できる。また、このとき、空燃比フィードバック補正平均値FAFAV1,FAFAV2や空燃比学習値KG1,KG2などの空燃比制御値も学習され、その時点での機関状態を反映させた精度の高いフィードバック制御を行うことができる。
【0064】
空燃比制御安定状態▲1▼は、空燃比状態が一旦安定するまで所定時間行われるため、ECU7によって、空燃比制御安定状態▲1▼に移行してからの時間がカウントされており、所定時間が経過したか否かが判定されている(ステップ102)。空燃比制御安定状態▲1▼に移行してから所定時間が経過していないと判定されている間は、所定時間が経過するまで空燃比制御安定状態▲1▼が継続される。一方、ステップ102において、空燃比制御安定状態▲1▼に移行してから所定時間が経過したと判定された場合は、空燃比フィードバック制御が、第一酸素センサ4a1及び第二酸素センサ4a2に基づく制御から、第三酸素センサ4bに基づく制御に切り替えられて(ステップ103)、空燃比相違状態▲2▼に移行する。
【0065】
即ち、空燃比制御安定状態▲1▼で空燃比フィードバック制御が所定時間実行された後、ECU7によって、空燃比相違状態▲2▼となるように、各気筒群毎の空燃比が所定の空燃比変化速度で徐々に切り替えられる。空燃比相違状態▲2▼では、#1,#4気筒側気筒群を均質リッチ燃焼させ、#2,#3気筒側気筒群を均質リーン燃焼させる。そして、合流排気通路2b上のNOx吸蔵還元触媒3bに流入される合流後の排気ガスが、理論空燃比(あるいは、これよりもややリッチな空燃比)で燃焼されたときの排気ガスと同等となるように、第三酸素センサ4bの出力に基づいてフィードバック制御される。
【0066】
このように空燃比相違状態▲2▼に切り替える条件、即ち排気浄化触媒の温度を昇温させる必要がある条件とは、上述したように、NOx吸蔵還元触媒3bのSOx被毒量が所定量以上となったと判定されたときなどが考えられる。機関空燃比を、空燃比制御安定状態▲1▼を経由させて空燃比相違状態▲2▼に切り替える判定条件については、追ってさらに詳述する。
【0067】
このとき、第一上流排気通路2a1及び第二上流排気通路2a2を通過する排気ガスは、その一方が理論空燃比よりもリッチで他方が理論空燃比よりもリーンな空燃比で燃焼された後のものであるため、理論空燃比を境にしてリッチであるかリーンであるかをオン-オフ的に検出する第一酸素センサ4a1及び第二酸素センサ4a2によっては、高精度に空燃比のフィードバック制御を行うことが困難な場合もある。このため、空燃比相違状態▲2▼においては、合流排気通路2b上のNOx吸蔵還元触媒3bの上流側の第三酸素センサ4bの出力に基づいて、合流された排気ガスが理論空燃比(あるいは、これよりもややリッチな空燃比)で燃焼されたときの排気ガスと同等となるように空燃比のフィードバック制御を行う。
【0068】
両気筒群から排出されて合流後にNOx吸蔵還元触媒3bに流入される排気ガスを、理論空燃比(あるいはこれよりもややリッチな空燃比)で燃焼された場合の排気ガスと同等となるようにフィードバック制御が行われるので、NOx吸蔵還元触媒3b上でリッチな排気とリーンな排気が酸化反応を起こして、NOx吸蔵還元触媒3bの温度が上昇される。その上、NOx吸蔵還元触媒3bに流入する排気ガスのトータルの空燃比が理論空燃比(あるいはこれよりもややリッチな空燃比)とされるので、上述したように、NOx吸蔵還元触媒3bをSOx被毒から回復させることができる。以下、説明のために、合流排気通路2b上の第三酸素センサ4bに基づく空燃比フィードバック補正値をFAF3とする。
【0069】
ここで、空燃比相違状態▲2▼における空燃比フィードバック補正値FAF3の初期値FAF3(S)として、空燃比制御安定状態▲1▼終了時の空燃比フィードバック補正平均値FAFAV1(E),FAFAV2(E)を用いた以下の値を用いる(ステップ104)。
FAF3(S)=[FAFAV1(E)+FAFAV2(E)]/2
また、空燃比相違状態▲2▼における空燃比反映トータル値EFTOTAL1,EFTOTAL2の初期値EFTOTAL1(S),EFTOTAL2(S)としては、空燃比制御安定状態▲1▼終了時の空燃比学習値KG1(E),KG2(E)と上述したFAFAV1(E),FAFAV2(E)を用いた以下の値を用いる(ステップ105)。
【0070】
FAF3,EFTOTAL1,EFTOTAL2は、空燃比相違状態▲2▼における初期値として上述したFAF3(S),EFTOTAL1(S),EFTOTAL2(S)が用いられた後は、第三酸素センサ4bの出力に基づいて、以下の式によって演算され、空燃比相違状態▲2▼が継続して行われる(ステップ106)。
EFTOTAL1=FAF3+KG1(E)
EFTOTAL2=FAF3+KG2(E)
即ち、空燃比相違状態▲2▼においては、空燃比フィードバック補正値FAF3としては、合流排気通路2b上の第三酸素センサ4bの出力に基づくものが両気筒群に対して用いられ、空燃比制御安定状態▲1▼終了時の空燃比学習値KG1(E),KG2(E)(それぞれ固定値)が各気筒群に対してそれぞれ用いられる。
【0071】
上述したように、空燃比相違状態▲2▼では、EFTOTAL1=FAF3+KG1(E)であるから、
TAU1←α・QALL1・EFTOTAL1+β=α・QALL1・[FAF3+KG1(E)]+β
で基本燃料噴射量QALL1をフィードバック制御によって補正し、#1,#4気筒側気筒群の燃料噴射量TAU1を決定する。同様に、EFTOTAL2=FAF3+KG2(E)であるから、
TAU2←α・QALL2・EFTOTAL2+β=α・QALL2・[FAF3+KG2(E)]+β
で基本燃料噴射量QALL2をフィードバック制御によって補正し、#2,#3気筒側気筒群の燃料噴射量TAU2を決定する。
【0072】
なお、上述したように、#1,#4気筒側気筒群を均質リッチ燃焼させるので、#1,#4気筒側の基本燃料噴射量QALL1はリッチ寄りの噴射量とされている。同様に、#2,#3気筒側気筒群を均質リーン燃焼させるので、#2,#3気筒側の基本燃料噴射量QALL2はリーン寄りの噴射量とされている。
【0073】
上述したように、ステップ104において算出した初期値FAF3(S)は、各気筒群の空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2をそれぞれ平均化した空燃比フィードバック補正平均値FAFAV1,FAFAV2の空燃比制御安定状態▲1▼終了時の値FAFAV1(E),FAFAV2(E)を、さらに平均したものである。空燃比相違状態▲2▼における空燃比フィードバック補正値FAF3の初期値としては、平均値を平均したこの初期値FAF3(S)を用いている。
【0074】
これは、空燃比制御安定状態▲1▼において各気筒群がそれぞれ別個の空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2で独立してフィードバック制御されていたものを、空燃比相違状態▲2▼において単一の空燃比フィードバック補正値FAF3によるフィードバック制御に移行させるのに、両気筒群の空燃比フィードバック補正値のズレを吸収しつつフィードバック制御をバランス良く円滑に移行させるためである。また、フィードバック制御をバランス良く円滑に移行させることができるので、排気ガス中の有害物質の浄化率も高くすることができ、切替時のトルク変動も抑止することができる。
【0075】
同様に、ステップ105において算出した初期値EFTOTAL1(S),EFTOTAL2(S)には、空燃比制御安定状態▲1▼終了時の空燃比学習値KG1(E),KG2(E)が反映されている。これは、空燃比相違状態▲2▼においては単一の空燃比フィードバック補正値FAF3によるフィードバック制御に移行する結果、空燃比相違状態▲2▼においては各気筒群毎に空燃比制御値(空燃比学習値KG1,KG2)の正確な学習を行えないため、最も信頼できる最新の空燃比学習値KG1(E),KG2(E)を反映させて高精度のフィードバック制御を行うためである。
【0076】
また、ここで、EFTOTAL1(S),EFTOTAL2(S)に対して、それぞれ<FAFAV1(E)-[FAFAV1(E)+FAFAV2(E)]/2>,<FAFAV2(E)-[FAFAV1(E)+FAFAV2(E)]/2>の項を加えたのは、空燃比制御安定状態▲1▼において各気筒群がそれぞれ別個の空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2で独立してフィードバック制御されていたものを、空燃比相違状態▲2▼において単一の空燃比フィードバック補正値FAF3によるフィードバック制御に移行させる際に、FAF1,FAF2からFAF3への各気筒群毎のズレを吸収させてフィードバック制御をバランス良く円滑に移行させるためである。
【0077】
上述したように、空燃比状態が空燃比制御安定状態▲1▼を経由させてから空燃比相違状態▲2▼に切り替えられるため、気筒群毎の出力トルクが異なる空燃比相違状態▲2▼に移行する際に、トルク変動を極力抑止できる。また、このとき、空燃比状態が空燃比制御安定状態▲1▼を経由させてから空燃比相違状態▲2▼に切り替えられるため、排気ガス中の有害物質の浄化率を高く維持でき、有害物質の排出を抑止することもできる。
【0078】
ところで、従来のように空燃比制御安定状態▲1▼を経由させずに空燃比相違状態▲2▼に切り替えると、成層燃焼からリーン燃焼に切り替えられる気筒群においては、切替前後の空燃比差が小さいので短時間で移行できるが、成層燃焼からリッチ燃焼に切り替えられる気筒群においては、切替前後の空燃比差が大きいので、リーン燃焼に切り替えられる気筒群に比べて時間を要する。この結果、空燃比制御安定状態▲1▼を経由させずに空燃比相違状態▲2▼に切り替えると、空燃比相違状態▲2▼に完全に移行するまでの過渡期が長くなり、トルク変動が大きくなる。一方、本実施形態においては、空燃比制御安定状態▲1▼を全気筒が理論空燃比となるように制御される状態とし、この空燃比制御安定状態▲1▼を経由させてから空燃比相違状態▲2▼に切り替えるので、過渡期を短くすることができ、トルク変動を抑制することができる。
【0079】
特に、上述した空燃比制御安定状態▲1▼が、第一酸素センサ4a1及び第二酸素センサ4a2の出力に基づいて、機関空燃比が所定の目標空燃比となるようにフィードバック制御を行う状態であるため、空燃比を制御する上で、空燃比制御値(空燃比学習値KG1,KG2など)を学習でき、機関状態を反映させた最新のこの空燃比制御値に基づいて、空燃比制御安定状態▲1▼及び空燃比相違状態▲2▼における空燃比のフィードバック制御を行えるため、高精度のフィードバック制御ができる。この結果、トルクの変動を抑止しつつ、円滑に空燃比制御安定状態▲1▼を経由して空燃比相違状態▲2▼に切り替えることができる。また、高精度のフィードバック制御ができるので、排気ガス中の有害物質も効率良く浄化させることができる。
【0080】
さらに、ここで上述した目標空燃比が理論空燃比であるため、空燃比制御安定状態▲1▼で、トルク変動の変動抑止及び排気ガス中の有害物質の排出抑止を高次元にバランスさせた後に空燃比相違状態▲2▼に切り替えるので、その移行を非常に円滑に行うことができる。また、空燃比制御安定状態▲1▼においては、均質ストイキ燃焼が行われるので、空燃比のフィードバック制御も非常に高精度に行うことができる。
【0081】
そして、NOx吸蔵還元触媒3bに吸蔵されてしまったSOxが還元され、NOx吸蔵還元触媒3bがSOx被毒から回復し、NOx吸蔵還元触媒3bの昇温が必要なくなったたとECU7によって判定された場合は、空燃比相違状態▲2▼が終了され(ステップ107)、全気筒理論空燃比状態▲3▼に切り替えられる。
【0082】
全気筒理論空燃比状態▲3▼に切り替えられた直後は、均質リッチ燃焼あるいは均質リーン燃焼されていた各気筒群をより早期に均質ストイキ燃焼となるように制御する。ここで、全気筒理論空燃比状態▲3▼への切替直後から第一酸素センサ4a1及び第二酸素センサ4a2の出力に基づく空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2によるフィードバック制御を行うと、切替直後の各気筒毎の空燃比がリッチとリーンとで大きく異なっているので、全気筒を均質ストイキ燃焼に完全に移行するまでに時間がかかる。即ち、空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2によるフィードバック制御は、理論空燃比近傍に制御されている空燃比を維持するには非常に好適な制御方法であるが、理論空燃比よりもリッチあるいはリーンな空燃比で燃焼されていたものを、より早期に理論空燃比による燃焼に移行させるには、必ずしも最適な制御方法ではない。
【0083】
そこで、全気筒理論空燃比状態▲3▼への切替直後は、空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2を、それぞれ上述した空燃比制御安定状態▲1▼終了時の空燃比フィードバック補正平均値FAFAV1(E),FAFAV2(E)に固定してしまい、空燃比がより早期に理論空燃比近傍となるように所定時間オープンループ制御する[図3(a)における▲3▼-1](ステップ108)。また、このときも、より高精度な制御のため、空燃比制御安定状態▲1▼終了時の空燃比学習値KG1(E),KG2(E)も反映させる。
【0084】
即ち、全気筒理論空燃比状態▲3▼に移行した直後の▲3▼-1の期間では、EFTOTAL1=FAFAV1(E)+KG1(E)となり、
TAU1←α・QALL・EFTOTAL1+β=α・QALL・[FAFAV1(E)+KG1(E)]+β
でオープンループ制御し、#1,#4気筒側気筒群の燃料噴射量TAU1を決定する。同様に、EFTOTAL2=FAFAV2(E)+KG2(E)であるから、
TAU2←α・QALL・EFTOTAL2+β=α・QALL2・[FAFAV2(E)+KG2(E)]+β
でオープンループ制御し、#2,#3気筒側気筒群の燃料噴射量TAU2を決定する。
【0085】
全気筒理論空燃比状態▲3▼に移行して所定時間(▲3▼-1)が経過し、各気筒群の期間空燃比がほぼ理論空燃比近傍となったら、各スタートキャタリスト3a1,3a2の上流側の第一酸素センサ4a1及び第二酸素センサ4a2の出力に基づく空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2を用いて、各気筒群が理論空燃比で燃焼されるようにフィードバック制御に移行する[図3(a)中▲3▼-2](ステップ109)。また、これ以降は、空燃比制御値も学習し、空燃比フィードバック補正値FAF1,FAF2から得られる空燃比学習値KG1,KG2も反映させる。
【0086】
即ち、全気筒理論空燃比状態▲3▼に移行して所定時間(▲3▼-1)が経過した後の▲3▼-2の期間では、空燃比制御安定状態▲1▼と同様に、EFTOTAL1=FAF1+KG1となり、
TAU1←α・QALL・EFTOTAL1+β=α・QALL・(FAF1+KG1)+β
で基本燃料噴射量QALLをフィードバック制御によって補正し、#1,#4気筒側気筒群の燃料噴射量TAU1を決定する。同様に、EFTOTAL2=FAF2+KG2となり、
TAU2←α・QALL・EFTOTAL2+β=α・QALL・(FAF2+KG2)+β
で基本燃料噴射量QALLをフィードバック制御によって補正し、#2,#3気筒側気筒群の燃料噴射量TAU2を決定する。
【0087】
なお、上述したように、空燃比相違状態▲2▼に切り替えると種々の利点があるが、どのようなときに切り替えるか、即ち、切替が必要であると判定される場合としては、排気浄化触媒(NOx吸蔵還元触媒3b)の温度を上昇させる必要がある場合が考えられる。このとき、排気浄化触媒の温度は、第一温度センサ5a1、第二温度センサ5a2及び第三温度センサ5bによって検出され、この検出結果と車輌状態とに基づいて、排気触媒を昇温させる必要があるかどうかがECU7によって判定される。なお、上記実施形態では温度センサを使用したが、温度センサの代わりに、機関負荷、回転数、空燃比、燃焼状態から排気浄化触媒の温度を推定しても良い。
【0088】
そして、排気浄化触媒(NOx吸蔵還元触媒3b)の温度を上昇させる必要がある場合としては、上述したように、NOx吸蔵還元触媒3bに対してリッチスパイク運転を行う場合やNOx吸蔵還元触媒3bのSOx被毒量が所定量を超え、SOx被毒から回復させる必要がある場合がある。
【0089】
NOx吸蔵量やSOx被毒量は、エンジン1の運転状況からECU7によって推定でき、推定されたNOx吸蔵量やSOx被毒量を随時ECU7内で演算記憶し、ECU7内のRAMに保存しておく。演算記憶されたNOx吸蔵量やSOx被毒量が所定量に達したときには、ECU7によって、エンジン1の空燃比状態を空燃比相違状態▲2▼に切り替える、即ち、NOx吸蔵還元触媒3bを昇温させる必要があると判定される。このように判定されたときは、ECU7によって、SOx吸蔵還元触媒3bを昇温させるべく、空燃比制御安定状態▲1▼を経由させて空燃比相違状態▲2▼に切り替えられる。
【0090】
あるいは、排気浄化触媒の温度を上昇させる必要がある場合としては、排気浄化触媒(NOx吸蔵還元触媒3b)の温度が触媒活性化温度以下であり、排気ガス中の有害物質を十分に浄化できない場合がある。このときは、排気浄化触媒の温度を触媒活性化温度以上にすべく、排気浄化触媒を昇温させる。
【0091】
排気浄化触媒は、その温度がある一定の触媒活性化温度以上とならないと、触媒としての機能を十分に発揮しない。このため、エンジン1が始動直後や長時間のアイドル運転後あるいは長時間の成層燃焼運転後である場合などは、排気浄化触媒が触媒活性化温度以下であり、排気ガス中の有害物質を十分に浄化することができない。このような場合は、ECU7によって、エンジン1の空燃比状態を空燃比相違状態▲2▼に切り替える、即ち、排気浄化触媒を昇温させる必要があると判定される。このように判定されたときは、ECU7によって、排気浄化触媒を触媒活性化温度にまで昇温させるべく、空燃比制御安定状態▲1▼を経由させて空燃比相違状態▲2▼に切り替えられる。
【0092】
このように、排気浄化触媒の昇温が必要であると判定されたときに、空燃比相違状態▲2▼に切り替えることによって排気浄化触媒を昇温することができるので、二次空気供給装置や、排気噴射弁などを配設することなく排気浄化触媒の昇温を行える。即ち、エンジン1に複雑な構成を採用することなく、簡易な構成で排気浄化触媒を昇温させることができる。
【0093】
本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、上述した実施形態のものに限定されない。例えば、上述した実施形態においては、#1気筒と#4気筒により一つの気筒群を構成し、#2気筒と#3気筒とで他の気筒群を構成したが、ある一気筒により一つの気筒群を構成し、残りの三気筒で他の気筒群を構成するようにしても良い。また、全気筒数は必ずしも四気筒に限られるものではなく、直列六気筒やV型八気筒のような多気筒エンジンにも適用可能である。また、全気筒群数も必ずしも二つに限られるものではない。さらに、上述した実施形態においては、空燃比センサとして酸素センサ4a1,4a2,4bを用いたが、空燃比センサとしてリニア空燃比センサなど、空燃比を検出する他の種類の空燃比センサを用いても良いことは言うまでもない。
【0094】
【発明の効果】
本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、多気筒内燃機関の空燃比状態を、空燃比状態切替手段によって、空燃比制御安定状態を経由させた後に空燃比相違状態に切り替える。空燃比制御安定状態は、出力トルク及び排気ガス中の有害物質の除去を安定した状態に維持できる状態であるので、本発明の内燃機関の空燃比制御装置によれば、空燃比相違状態への切替時に出力トルクを大きく変動させることなく、かつ、排気ガス中の有害物質を効率良く浄化しつつ、円滑に空燃比状態を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】空燃比センサ(酸素センサ)の出力信号と生成される空燃比フィードバック補正値の信号との関係を示す説明図である。
【図3】本発明の内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態による空燃比制御の種々の状態を示しており、(a)はエンジンの各気筒の燃焼状態を示す模式図、(b)はエンジンの各気筒の制御目標となる空燃比を示す模式図、(c)は空燃比フィードバック補正値の状態を示す模式図である。
【図4】本発明の内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態による空燃比制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、2a1…第一上流排気通路(上流排気通路、排気通路)、2a2…第二上流排気通路(上流排気通路、排気通路)2b…合流排気通路(排気通路)、3a1…第一スタートキャタリスト(排気浄化触媒)、3a2…第二スタートキャタリスト(排気浄化触媒)、3b…NOx吸蔵還元触媒(排気浄化触媒)、4a1…第一酸素センサ(空燃比センサ)、4a2…第二酸素センサ(空燃比センサ)、4b…第三酸素センサ(空燃比センサ)、6…燃料噴射弁、7…ECU(空燃比切替手段、空燃比学習手段、学習値反映手段、触媒昇温判定手段)。
Claims (9)
- オープンループ制御により全気筒が同じ空燃比で運転される空燃比同一状態と、気筒群毎の空燃比が異なる状態で運転される空燃比相違状態とを切り替える空燃比状態切替手段を備えた内燃機関の空燃比制御装置において、
多気筒内燃機関の排気通路上に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の温度を上昇させるか否かを判断する触媒昇温判定手段と、多気筒内燃機関の排気通路上に設けられた空燃比センサとをさらに備え、
前記空燃比同一状態で内燃機関が運転している際、前記触媒昇温判定手段により前記排気浄化触媒の昇温が必要であると判断したときに、前記空燃比状態切替手段が、空燃比を前記空燃比同一状態から前記空燃比相違状態に切り替える切替を行い、前記切替を行うにあたり、前記空燃比センサの出力に基づいて機関空燃比を所定の目標空燃比となるようにフィードバック制御する状態を経由させた後に前記空燃比相違状態に切り替えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記目標空燃比が理論空燃比である、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記空燃比センサの出力に基づく前記フィードバック制御によって得られる空燃比フィードバック補正値から空燃比制御値を学習する空燃比学習手段を備えた、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記排気通路が、前記各気筒群毎に設けられた上流排気通路と前記上流排気通路の下流側で合流された合流排気通路とからなり、前記空燃比センサが、前記上流排気通路上に配置されており、前記空燃比学習手段が、前記各上流排気通路毎に得られた空燃比フィードバック補正値から前記各気筒群毎に前記空燃比制御値を学習する、請求項3に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記空燃比制御値を前記空燃比相違状態でのフィードバック制御に反映させる学習値反映手段を備える、請求項3に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記空燃比状態切替手段が、空燃比状態を前記空燃比相違状態から前記空燃比同一状態に切り替える際に、内燃機関全体の空燃比制御状態が全気筒の機関空燃比を理論空燃比とするように運転される全気筒理論空燃比状態を経由させた後に前記空燃比同一状態に切り替える、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 多気筒内燃機関の排気通路上に設けられた空燃比センサと、前記空燃比センサの出力に基づくフィードバック制御によって得られる空燃比フィードバック補正値から空燃比制御値を学習する空燃比学習手段とを備え、前記全気筒理論空燃比状態において、前記空燃比状態切替手段によって、予め学習された前記空燃比制御値に基づくオープンループ制御を行った後に、前記空燃比センサの出力に基づくフィードバック制御を行う、請求項6に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記触媒昇温判定手段は、前記排気浄化触媒の温度が触媒活性化温度よりも低いときに、前記排気浄化触媒の昇温が必要であると判断する、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記排気浄化触媒がNOx吸蔵還元触媒であり、前記触媒昇温判定手段は、前記排気浄化触媒のSOx被毒量が所定量以上となったときに、前記排気浄化触媒の昇温が必要であると判断する、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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