JP3882205B2 - 縦多重モードsawフィルタ - Google Patents
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Description
本発明は弾性表面波(以下SAW(Surface Acoustic Wave)という)を利用して得られる共振子型の縦多重モードSAWフィルタにおいて、振動モードの変位状態を制御するために、第3のすだれ状電極を設けたSAWフィルタに関する。
【従来の技術】
従来の共振子型の縦多重モードSAWフィルタの構成法に関しては、2個のすだれ状電極(以下略してIDT(Interdigital Transducer)という)を有するものについて、特開昭61−285814号公報に開示されており、また3個のIDTを有するものについて、特開平1−231417号公報に開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来技術においては、利用する複数の縦共振モード(S0,A0、S1等と略記する)を独立にコントロールして、2個から3個の共振モードの共振振幅を等しくし、かつ通過帯域幅を目的の幅に設定することが困難であるという課題があった。そこで、本発明はこのような問題点を解決するもので、その目的とするところは、通過帯域幅の設定が比較的容易で、上側端と下側端周波数近傍での挿入損失が等しく、平坦な伝送特性を有する共振子型の縦多重モードSAWフィルタを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明になる縦多重モードSAWフィルタは、圧電体平板上に、弾性表面波を励振する第1のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極で励振された弾性表面波を受信する第2のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極との中間に、励起された弾性表面波の振幅を制御する第3のすだれ状電極と、さらに前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極と前記第3のすだれ状電極の両側に1対の反射器を前記弾性表面波の伝搬方向に配置して共振子型の縦多重モードSAWフィルタを構成し、前記反射器、前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極を、前記圧電体平板上に金属の平行導体を周期的に配置して構成し、前記反射器と前記第1のすだれ状電極との最も近接した平行導体間の距離を、前記第1のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、前記反射器と前記第2のすだれ状電極との最も近接した平行導体間の距離は、前記第2のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、前記第1のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT1および前記第2のすだれ電極の平行導体の配列周期長PT2(=PT1)を、前記第3のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT3より小さく(PT3>PT1、PT2)設定し、かつ、前記PT1および前記PT2を、反射器の平行導体の配列周期長PRより小さい設定とし、前記第1のすだれ状電極と第3のすだれ状電極間、および、前記第3のすだれ状電極と第2のすだれ状電極間に、接地電位側に接続した交差導体1および交差導体2を配置し、前記交差導体1の幅とその両側のスペース幅の合計長D1を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記交差導体2の幅とその両側のスペース幅の合計長D2を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記D1および前記D2を20から100μmあるいは2λから3λの範囲とし、前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極の全体が有するトータル反射係数Γを10>Γ>0.8としたエネルギー閉込型とし、前記弾性表面波が定在する伝搬方向Xの中央位置に対してほぼ対称な変位振幅関数を有する、基本波対称縦モードS0と、前記中央位置に対してほぼ斜対称な変位振幅関数を何する基本波斜対称縦モードA0から合成される2重モードフィルタを構成したことを特徴とする。
第1の発明においては、フィルタの入出力電極である、第1のIDTと第2のIDTとの間に、第3のIDTを設け、さらにそれぞれのIDTの周波数を独立に設定することにより、縦軸方向に定在して振動する独立な2つの固有振動モードS0とA0の周波数配置と挿入損失を制御することができる。
そして、PT1,PT2、PT3の関係を、第1の発明のように、設定することにより、A0モードの挿入損失を減少させて両モードの挿入損失を等しくでき、従って平坦な通過特性で、かつ1000から1500ppm程度の帯域幅を持つ縦2重モードフィルタを実現することができる。
また、D1およびD2の値によっては、発生する共振モードがS0とA0の2つに限定されず、S0より高い周波数側に未知の振動モードが発生する場合がある。しかしながら、上記のように、D1、D2を設定すれば、前述の未知の振動モードは発生せず、S0とA0とからなる正規の縦2重モードフィルタを実現できる。また、D1とD2とを20から100μmの範囲あるいは2λから3λの範囲に設定すれば、1000から1500ppmの通過帯域幅の実現に影響を与えることがない。
本願の第2の発明になる縦多重モードSAWフィルタは、圧電体平板上に、弾性表面波を励振する第1のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極で励振された弾性表面波を受信する第2のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極との中間に、励起された弾性表面波の振幅を制御する第3のすだれ状電極と、さらに前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極と前記第3のすだれ状電極の両側に1対の反射器を前記弾性表面波の伝搬方向(縦方向X)に配置して共振子型の縦多重モードSAWフィルタを構成し、前記反射器、前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極を、前記圧電体平板上に金属の平行導体を周期的に配置して構成し、前記反射器と前記第1のすだれ状電極との最も近接した平行導体間の距離を、前記第1のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、前記反射器と前記第2のすだれ状電極間の最も近接した平行導体間の距離を、前記第2のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、前記第1のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT1および前記第2のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT2(=PT1)を、前記第3のすだれ状電模の配列周期長PT3より入きく(PT3<PT1、PT2)設定し、かつ、前記PT1および前記PT2を、反射器の配列周期長PRより小さい設定とし、前記第1のすだれ状電極と前記第3のすだれ状電極間、および、前記第3のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極間に、接地電位側に接続した交差導体1および交差導体2を配置し、前記交差導体1の幅とその両側のスペース幅の合計長D1を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記交差導体2の幅とその両側のスペース幅の合計長D2を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記D1および前記D2を20から100μmあるいは2λから3λの範囲とし、前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極の全体が有するトータル反射係数Γを10>Γ>0.8としたエネルギー閉込型とし、前記弾性表面波が定在する伝搬方向Xの中央位置に対してほぼ対称な変位振幅関数を有する、基本波対称縦モードS0と、前記中央位置に対してほぼ斜対称な変位振幅関数を有する基本波斜対称縦モードA0と、振動変位振幅に2つの節を有して前記中央位置に対してほぼ対称な1次対称縦モードS1とから合成される3重モードフィルタを構成したことを特徴とする。
フィルタの入出力電極である、第1のIDTと第2のIDTとの間に、第3のIDTを設け、さらにそれぞれのIDTの周波故を独立に設定することにより、縦軸方向に定在して振動する独立な2つの固有振動S0とA0、さらにS1モードの周波数配置と挿入損失を制御することができる。
そして、PT1、PT2、PT3を、第2の発明のように、設定することにより、S1、A0モードの挿入損失を減少させて、S0モードの挿入損失とほぼ等しくでき、平坦な通過特性を実現できる。また、S0とA0間の周波数およびA0とS1間の周波数差を等しくできるために、フィルタインピーダンスを等しくでき、このためリップルの小さな縦3重モードフィルタを実現することができる。
また、D1およびD2の値によっては、発生する縦共振モードがS0、A0、S1の3つに限定されず、S0より高い周波数側に未知の振動モードが発生する場合がある。しかしながら、上記のように、D1、D2を設定すれば、前述の未知の振動モードは発生せず、S0、A0、S1からなる正規の縦3重モードフィルタが実現できる。また、D1とD2とを、20から100μmの範囲あるいは2λから3λの範囲に設定することにより、1500から2500ppmの通過帯域幅の実現に影響を与えることがない。
【発明の実施の形態】
本発明の具体的な実施の形態を説明する前に、本発明が依っている原理について解説する。先ず本発明に係わる基本的な事項について説明する。
水晶、タンタル酸リチウム、PZT、四ほう酸リチウム等の圧電体材料から平板を切り出して、その表面を鏡面研磨した後、レイリー型、ラム型、リーキー型等の弾性表面波の位相伝搬方向に対して直交して、アルミニウム、銅等の金属からなる多数の電極指を周期的に平行配置してIDTを形成し、さらにその両側に一対の反射器を、前記と同様に多数のストリップ導体を平行かつ周期的に配置すれば、1ボート型SAW共振子を得ることができる。
この1ポート型SAW共振子において、前記IDTを構成する際の要点として、正電極と負電極を1対としてM対からなるIDTを構成した場合に、IDTの電極全体でのトータル反射係数Γを次式(1)の通り定義して、10>Γ>0.8とすれば、振動エネルギーが共振子の中央に集中した、いわゆるエネルギー閉込型SAW共振子(参考文献:エネルギー閉じ込め弾性表面波杖振子,信学技法US87−36,pp9−16(1987.9.))を実現できることが知られている。
Γ=4MbH/λ (1)
但し、ここでMは前記IDTの対数、bは電極1本当たりの弾性表面波の反射係数、Hは前記導体の膜厚、λは弾性表面波の波長である。
例えば、STカット水晶板でAl導体で形成されたIDTであれば、b=0.255、H/λ=0.03としてM=80対とすれば、図1に示すようなエネルギー閉じ込め型の1ポートSAW共振子を構成できる。このときΓ=2.448程度となる。
こうして得られるエネルギー閉じ込め型SAW共振子において、弾性表面波の伝搬方向に直交して、前記SAW共振子の幅方向に横インハーモニックモードと呼ばれる定在波が立つことが知られている。
前記横インハーモニックモードを支配する方程式(下記の(2)式)とその固有モードが有する変位の解析は、発明者等の文献:”常温に動的及び静的零温度係数をもつKカット水晶SAW共振子”(第25回EMシンポジウム,P.79〜80)に「3.3 横モードの共振周波数」として説明されている。
aω3 2V(Y),YY+(ω2-ω0 2)V(Y)=0 (2)
但し、ここでV(Y),YYは変位関数V(Y)の二階微分の簡略記述であり、ωは角周波数、ω0は該当する領域の素子角周波数、aは横方向の実効的せん断剛性定数(無次元)、V(Y)は幅方向の表面波変位の振幅、Yは表面波の波長で規格化したy座標である。
発明者等は、さらに前記(2)式の方程式が、従来は「モード結合理論」とか、「音響伝搬路の電気的等価回路解析」で計算されてきた、縦インハーモニックモードについても、定数aを変更すれば適用可能であることを見いだした。
具体例にその内容を説明すると、前記STカットにおいては、横インハーモニックモード群は周波数下降型のエネルギー閉じ込め型であり(a=0.033の正値)、従って前記横インハーモニックモード群の共振周波数は全て主共振周波数より高い側に存在するという事実に対応する。
一方、前記縦インハーモニックモード群は、横インハーモニックモード群に対して周波数上昇型のエネルギー閉じ込め型(a=−4.4の負値)であるという相違があるため、前記縦インハーモニックモード群の共振周波数は主共振周波数より小さい側に存在するという事実に対応する。
換言すれば、振動エネルギーが集中して閉じ込められる鎖域のIDTの周波数を周辺領域のIDTの周波数より下げることによってエネルギー閉じ込めが実現されるのは横インハーモニックモード群であり(周波数下降型)、振動エネルギーが集中して閉じ込められる領域のIDTの周波数を周辺領域のIDTの周波数より上げることによってエネルギー閉じ込めが実現されるのは縦インハーモニックモード群である(周波数上昇型)ということである。
前述の相違は前記定数aの正負に対応している。前記のa値は、1ポート型SAW共振子についての実測平均値である。式(2)を縦モードに適用するためには、a=−4.4かつ座標YをXとすればよいから、X軸方向に関する方程式は、次式(3)となる。通例、前記X軸方向を縦方向と呼ぶ。
axω0 2U(X),xx+(ω2-ω0 2)U(X)=0 (3)
但し、ここでU(X),xxは変位関数U(X)の二階微分の簡略記述であり、ωは角周波数、ω0は該当する領域の素子角周波数、axは縦方向の実効的せん断剛性定数(無次元)、U(X)は縦方向の表面波変位の振幅、Xは表面波の波長で規格化したx座標である。
さらに式(3)を用いて縦方向Xに関するエネルギー閉じ込め状態の検討を行なうことができる。
一例として、図3の場合について説明する。図3においては、前記1ポート型SAW共振子のIDT領域は、空間角周波数ωT=2πVs/(2PT)で表される前記素子角周波数ω0を有する。ただし、Vsは弾性表面波速度、PTはIDTの有する電極指の周期長である。また前記反射器は素子角周波数ω0=ωR=2πVs/(2PR)である。ただし、PRは反射器の有するストリップ導体の周期長である。前記ω0は、みてのとおり座標Xの関数ω0(X)と書けるため、周波数ポテンシャル関数と呼ぶことができる(図3上部の縦軸)。この場合ωR<ωTとしてある。ωTについて2水準の設定値301,303について、式(3)を用いて振動変位解U(X)を求めると、図3の下部の変位図が得られる。301のωTに対して、305のU(X)が、303のωTに対して304のU(X)が得られる。
図3に示すように、305のU(X)曲線の方が304より中央位置に集中する変位分布を有していることがわかる。この事実はωR<ωTの設定により、いわゆる縦方向Xに関して、エネルギー閉じ込め現象が発生することを表している。本発明はこの現象を利用したものである。この事実は、従来の伝送線等価回路によるシミュレーションとか、モード結合理論による計算でも検証することができる。
以降、素子の設計条件を分かり易く記述するために、前記ωR及びωTを規格化して表示することにする。こうすることによって、素子周波数が変わっても一般的に適用できる。図4にその方法を示す。図中横軸は周波数であり、縦軸は前記反射器の反射係数Γ(f)とIDTが有する放射コンダクダンス特性G(f)を相対スケールで示す。このG(f)はIDTのもつアドミタンス特性Y(f)の実部であり、弾性表面波の放射量を表す。一方反射係数Γ(f)は前記反射器に入射する弾性表面波振幅Aと反射器において反射された反射波振幅Bの比B/Aである。前記G(f)は周波数fT0において最大値Gmaxをとり、また前記Γ(f)は周波数fR0において最大値Γmaxをとる。同図の配置は、アルミニウム電極を用いて、水晶のSTカットX伝搬のようなエネルギー上昇型閉じ込めの基板特性をもつ場合において見られるものである。そこで前記の周波数fR0,fT0から物性値ε=(fR0−fT0)/fR0を定義して、本発明の設計パラメータの基準値として使用することにする。本発明に係わる基本事項の説明を一通り終えたので、つぎに実施例をもとに具体的に内容を説明する。
(実施例1)
以下、本発明について、まず縦多重モードフィルタのうち、振動モードが基本波対称縦モードS0と基本波斜対称縦モードA0から合成される縦2重モードフィルタにつき、一実施形態を図1と図2により、またその特性を図5から図11を用いて説明する。
図1は本発明の縦多重モードSAWフィルタの一実施例である。図1中の各部の名称は、100は圧電体平板、破線にて囲まれた101は反射器1、107は反射器2、102、104と106はすだれ状電極(IDT1,IDT3,IDT2)、112と113等は反射器1および反射器2のストリップ導体、114と115等はそれぞれ、前記IDT1(102)の負極側電極指(接地側電極指)と正極側電極指、軸直線116は前記ストリップ導体及び電極指に直交する弾性表面波伝搬方向であるX軸であり、前記軸116に直交して、前述の周波数ポテンシャルを表すω軸を表示した。階段状の直線で表された117は、本発明の縦多重モードSAWフィルタが有する、X軸方向の状態で表わす周波数ポテンシャル関数である。さらに、103と105は、それぞれ、弾性表面波の伝搬路を交差して、隣接するIDTの電極指を接続する交差導体1と交差導体2と呼ぶものである。ただし、交差導体2(105)の片端部は切れた状態になっている。108は102の送信側IDT1の正極の電極指群に接続する信号源、110は受信側のIDT2の正極側電極指群に接続する負荷抵抗、109と111の記号は本発明の縦多重モードSAWフィルタを外部接地端子(外付けの容器であるアース等)に接続した状態を表わす。反射器1(101)、反射器2(107)の周期的に配列されたストリップ導体の周期長をPRで表し、IDT1(102)、IDT2(106)、IDT3(104)の電極指の周期長をそれぞれPT1,PT2、PT3で表している。
圧電体平板100は例えば、水晶単結晶により切り出される水晶板(STカットとかKカット)あるいはタンタルにリチウム等の鏡面研磨が施された圧電基板よりなる。また、IDT102、104と106および反射器101と107を形成する導体パターンは、圧電体平板上に、A1等の導体金属膜を蒸着あるいはスパッタ等の薄膜形成手段により形成し、フォトリソグラフィ技術によりパターン形成して得られる。3個のJDT及び1対の反射器全体で2端子対の縦多重モードSAWフィルタを構成している。
本発明の縦多重モードSAWフィルタを構成する際の要点は、まず第一に、電極指114(負電極)と115(正電極)を1対と数えて、3個のIDT1,IDT2,IDT3全体が有する総対数をM対としたときに、IDTの電極全体でのトータル反射係数Γを前述の(1)式の通り定義して、10>Γ>0.8とした、いわゆるエネルギー関込型SAW共振子を構成することである。
例えば、水晶のSTカットにおいて、Al導体で形成されたIDTであれば、b=0.255、H/λ=0.03としてM=80対とすれば、十分に図1の1ポートSAW共振子を構成できる。このときΓ=2.448程度となることはすでに述べた通りである。本発明の場合には、前記Mを3つのIDT1と、IDT2、IDT3に分割して、第1のIDT1をフィルタの送信側にし、IDT2を受信側に配置したものである。また、反射器1とIDT1との間の最近接した平行導体間の距離は、IDT1の1周期長か有するライン(金属導体で被覆された部分)とスペース(金属導体が無い部分)のうちスペースの幅としている。反射器2とIDT2との間の最接近した平行導体間の距離も同様である。
つぎに構成上の第2の要点は、IDT1、IDT2およびIDT3が、図1中の階段状の線117で示された周波数ポテンシャルをもつことである。IDT1は周波数ポテンシャル値ω1を、IDT2は周波数ポテンシャル値ω2(=ω1)を、IDT3は周波数ポテンシャル値ω3を有する。
これらの周波数ポテンシャルと周期長との関係式はすでに述べたような関係となる。即ち、ω1=2πVs/(2×PT1)、ω2=2πVs/(2×PT2)、ω3=2πVs/(2×PT3)、ωR=2πVs/(2×PR)の関係にある。本発明においては、ω1,ω2>ω3かつω1,ω2>ωRの関係に設定する。さらにこの関係式に前記周期長の関係式を代入すると、PT3>PT1,PT2およびPT1、PT2<PRが得られる。さらにPRで規格化した値を用いると都合がよい。即ち、ITi=(PR−PTi)/PR/ε(i=1〜3)と定義する。前記ITiを各々のIDTの周波数上昇率と呼ぶことにする。これらの詳細な値は後述する。
以上の構成にて得られる本発明の縦多重モードSAWフィルタの動作状態を図2に示す。図中の200と201は本発明に利用する2つの固有な振動モードの変位振幅の状態(実際の振動状態v(X)=U(X)sin(kX+φ)の包絡線形状U(X))を示している。S0モードは基本波縦対称モードを、A0モードは基本波斜対称縦モードど呼ばれるものである。図中202と206は反射器1と反射器2、203、204、205はそれぞれIDT1、IDT3、IDT2である。207は弾性表面波の伝搬方向を示すX軸、208は前記変位U(X)の大きさを示す軸である。
次に、本発明の縦多重モードSAW7フィルタが示す動作特性につき、前述の図1の実施例について、図5から図11を用いて説明する。
まず、図9に縦多重モードSAWフィルタの動作伝送特性900を負荷抵抗50Ω(図1の110)とした50Ω系にて測定したものである。図9中においで、前記モードS0は周波数f(S0)において、挿入損失Sb(S0)(dB)値を、また前記モードA0は周波数f(A0)において、挿入損失Sb(A0)(dB)値をとっている。これらはそれぞれ、前記基本波対称縦モードS0の共振振幅と基本波斜対称縦モードA0の共振振幅の大きさを表している。井振振幅が大きい程Sb(S0)、Sb(A0)の値は小さくなる。従来例においては、図9のように挿入損失Sb(A0)はSb(S0)より大きく、フィルタの通過帯域の平坦性を損なう結果となっていた。
本発明は、このフィルタの通過帯域の平坦性を改善したものであり、その手法は、図1の104に示すIDT3を、S0とA0の振動モード振幅を制御すべく設けたことにより達成している。
図5に、前記IDT1(図1の102)の周波数上昇率IT1を変えた場合の、前記Sb(S0)とSb(A0)の変化の様子を示す。IDT3の周波数上昇率IT3は0〜0.7の範囲とした。図中の500がA0モードのSb(A0)、501がS0モードのSb(S0)値である。TDT1の周波数上昇率を1以上に上昇することにより、Sb(A0)はSb(S0)に近づき、結果としてフィルタの平坦性が回上する。この現象が発生する原因は、図2のA0(201)モードが、IDT1とIDT2の周波数上昇率を1より大きくとることにより、エネルギー閉じ込め現象がより増大し共振子のQ値(共振先鋭度)が大きくなり、挿入損失が小さくなるためと解釈できる(図3参照のこと)。こうして得られた本発明の50Ω系伝送特性は図10の曲線1000のようになる。この場合においては、Sb(A0)≒Sb(S0)が実現している。また負荷抵抗RL(図1の110)を300Ωとしてマッチングをとった状態においては、図11の動作伝送特性1100が得られる。同図から3dB通過帯は平坦となっていることがわかる。
最後に、本発明の他の構成条件について説明する。共通の構成条件として、圧電体平板(図1の100)が水晶STカットX伝播(30度から40度の回転Y板におけるX軸方向へ伝搬する弾性表面波を使用する状態)であり、IDTの交差幅は30から40波長(λ)、アルミニウムから形成される電極膜厚みHと弾性表面波波長λ(=2×PT1)の比H/λは2%から4%程度の範囲にある。図1の他の構成条件として、IDT1、IDT2,IDT3の電極指対数M1、M2、M3の設定と図1の103と105にて示された交差導体1および交差導体2の幅寸法,D1、D2について、図6から図8を用いて述べる。
図6はトータルの対数M(=M1+M2+M3)に対する、フィルタの通過帯域幅を与えるf(S0)とf(A0)の周波数差Δf=(f(S0)−f(A0))/f(S0)(ppm単位)の特性600を示したものである。周波数温度特性が良い水晶基板に対して求められることが多い1000〜1500ppm程度の前記Δfを得るためには、Mが140から180対程度がよいことがわかる。
次に図7は各IDTの対数を設定する条件について示したものである(直線700)。IDTの分割数DIVにより、各対数値はM1=M2=M/DIV、M3=M−2×M1にて決定される。IDTの分割数DIVが2.1から2.4の範囲であれば1000から1500ppm程度の通過帯域幅のものが得られる。
次に、図8はD1、D2の交差導体幅を決定する条件について述べている。まず基本的条件としては、単一の共振モード(S0とA0のみ)を発生させるために、IDT1とIDT3との間および、IDT2とIDT3との間に、接地電位側に接続したクロスバスバー導体を配置し、このクロスバスバー導体幅とその両側のスペース幅の合計長D1、D2を、弾性表面波の波長をλ=2(PT1)あるいは2(PT2)として、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)となるように構成することが必要である。この条件からはずれた場合には、S0モードのさらに高周波数側10000ppm付近に非エネルギー閉じ込め型基本波モードと推測される未知なるモードが発生する。これは基板の属性のひとつである上側伝搬帯の放射波が原因であると推測される。図8において、D1、D2が20から100μm(2〜3λ程度に相当)の範囲であれば、1000から1500ppmの通過帯域幅Δfが確保できることがわかる。ただし、周波数上昇率はIT1=IT2=1.6、IT3=0.7とした。
(実施例2)
つぎに、本発明の第2の実施例について、縦多重モードフィルタのうち、振動モードが基本波対称縦モードS0と基本波斜対称縦モードA0、さらに1次対称縦モードS1の3つから合成される縦3重モードフィルタについて、一実施例を図12と図13により、またその特性を図14から図19を用いて説明する。なお、本願では、基本波を0次としているので、1次は高次モードに相当する。
図12は本発明の縦多重モードSAWフィルタの他の例である縦3重モードSAWフィルタの一実施例である。図1中の各部の名称は、1200は圧電体平板、破線にて囲まれた1201は反射器1、1207は反射器2、1202、1204と1206はすだれ状電極(IDT1,IDT3,IDT2)、1212と1213等は反射器1および反射器2のストリップ導体、1214と1215等はそれぞれ、前記IDT1の負極側電極(接地側電極)と正極側電極指、軸直線1216は前記ストリップ導体及び電極指に直又する弾性表面波伝搬方向であるX軸であり、前記軸1216に直交して、前述の周波数ポテンシャルを表すω軸を表示した。階段状の直線で表された1217は、本発明の縦多重モードSAWフィルタが有する、X軸方向の状態で表わす周波数ポテンシャル関数である。さらに、1203と1205は、それぞれ、弾性表面波の伝搬路を交差して、隣接するIDTの電極指を接続する交差導体1と交差導体2と呼ぶものである。ただし、1205の片端部は切れた状態になっている。1208は1202の送信側IDT1の正極の電極指群に接続する信号源、1210は受信側のIDT2の正極側6極指群に接続する負荷抵抗、1209と1211の信号は本発明の縦多重モードSAWフィルタを外部接地端子(外付けの容器であるアース等)に接続した状態を表わす。反射器1(1201)、反射器2(1207)の周期的に配列されたストリップ導体の周期長をPRで表し、IDT1(1202)、IDT2(1206)、IDT3(1204)の電極指の周期長をそれぞれPT1、PT2,PT3で表している。
圧電体平板1200は例えば、水晶単結晶より切り出される水晶板(STカットとかKカット)あるいはタンタル酸リチウム等の鏡面研磨が施された圧電基板よりなる。また、IDT1202、1204と1206および反射器1201と1207を形成する導体パターンは、圧電体平板上に、Al等の導体金属膜を蒸着あるいはスパッタ等の薄膜形成手段により形成し、フォトリソグラフィ技術によりパターン形成して得られる。3個のIDT及び1対の反射器全体で2端子対の縦多重モードSAWフィルタ(3重モードSAWフィルタ)を構成している。
本発明の縦多重モードSAWフィルタを構成する際の要点は、まず第一に、電極指1214(負電極)と1215(正電極)を1対と数えて、3個のIDT1,IDT2,IDT3全体が有する総対数をM対としたときに、IDTの電極全体でのトータル反射係数Γを前述の(1)式の通り定義して、10>Γ>0.8とした、いわゆるエネルギー閉込型SAW共振子を構成することである。
例えば、水晶のSTカットにおいて、Al導体で形成されたIDTであれば、b=0.255、H/λ=0.03としてM=80対とすれば、十分に図12の1ポートSAW共振子を構成できる。このときΓ=2.448程度となることはすでに述べた通りである。本発明の場合には、前記Mを3つのIDT1と、IDT2、IDT3に分割して、第1のIDTIをフィルタの送信側にし、TDT2を受信側に配置したものである。また、反射器1とIDT1との間の最近接した平行導体間の距離は、IDT1の1周期長が有するライン(金属導体で被覆された部分)とスペース(金属導体が無い部分)のうちスペースの幅としている。反射器2とIDT2との間の最接近した平行導体間の距離も同様である。
つぎに構成上の第2の要点は、IDT1,IDT2、IDT3が、図12中の階段状の線1217で示された周波数ポテンシャル関数をもつことである。IDT1は周波数ポテンシャル値ω1を、IDT2は周波数ポテンシャル値ω2(=ω1)を、IDT3は周波数ポテンシャル値ω3を有する。
これらの周波数ポテンシャルと周期長との関係式はすでに述べたような関係となる。即ち、ω1=2πVs/(2×PT1)、ω2=2πVs/(2×PT2)、ω3=2πVs/(2×PT3)、ωR=2πVs/(2×PR)の関係にある。本発明の実施例2においては、ω1,ω2<ω3かつω1,ω2,ω3>ωRの関係に設定する。さらにこの関係式に前記周期長の関係式を代入すると、PT3<PT1,PT2およびPT1、PT2<PRが得られる。さらにPRで規格化した値を用いると都合がよい。即ち、ITi=(PR−PTi)/PR/ε(i=1〜3)と定義する。前記ITiを各々のIDTの周波数上昇率と呼ぶことにする。これらの詳細な値は後述する。
以上の構成にて得られる本発明の縦多重(3重)モードSAWフィルタの動作状態を図13に示す。図中の1300と1301、1310は不発明に利用する3つの固有な振動モードの変位振幅の状態(実際の振動状態v(X)=V(X)SIN(kX+φ)の包絡線形状U(X))を示している。S0モードは基本波縦対称モードを、A0モードは基本波斜対称縦モード、S1モードは1次対称縦モードと呼ばれるものである。図中1302と1306は反射器1と反射器2、1303、1304、1305はそれぞれIDI1、IDT3、IDT2である。1307は弾性表面波の伝搬方向を示すX軸、1308は前記変位U(X)の大きさを示す軸である。
次に、本発明の縦多重(3重)モードSAWフィルタが示す動作特性につき、前述の図12の実施例について、図14から図19を用いて説明する。
まず、図18に縦多重モードSAWフィルタの動作伝送特性1800を負荷抵抗50Ω(図12の1210)とした50Ω系にて測定したものである。図18中において、モードS0の周波数f(S0)において、挿入損失Sb(S0)(dB)値を、モードA0の周波数f(A0)において、挿入損失Sb(A0)(dB)値を、モードS1の周波数f(S1)において、挿入損失Sb(S1)(dB)値をとっている。これらはそれぞれ、前記基本波対称縦モードS0の共振振幅と基本波斜対称縦モードA0の共振振幅、1次対称縦モードS1の共振振幅の大きさを表している。井振振幅が大きい程Sb(S0)、Sb(A0)、Sb(S1)の値は小さくなる。従来例においては、図18のように挿入損失Sb(S1)、Sb(A0)はSb(S0)より大きく、フィルタの通過帯域の平坦性を損なう結果となっていた他、3個のモード間の周波数差DF1=f(S0)−f(A0)およびDF2=f(A0)−f(S1)が著しく異なり、結果としてフィルタインピーダンスが前記周波数領域DFIとDF2において異なり、振幅特性にリップルが発生していた。
本発明は、このフィルタの通過帯域の平坦性を改善したものであり、その手法は、図12の1204に示すIDT3を、S0とA0、S1の振動モード振幅を制御すべく設けたことにより達成している。
図14に、前記IDTI(図12の1202)の周波数上昇率IT1=IT2を変えた場合の、前記Sb(S0)とSb(A0)、Sb(S1)の変化の様子を示す。IDT3の周波数上昇率IT3は1.30とした。図中の曲線1400がS0モードのSb(S0)、曲線1401がA0モードのSb(A0)、曲線1402がS1モードのSb(S1)値である。IDT1を1.1から0.8とすることにより(<IT3)、Sb(S1)はSb(S0)、Sb(A0)に近づき、結果としてフィルタの平坦性が向上する。ことに、IT1=1.05のP点付近において、前記周波数差DFI=DF2が成り立ち、前述の通りリップルが無い最適条件となる。なお、1403はDF1、1401はDF2を表す。この現象が発生する原因は、図2のA0(201)モードが、IDTIとIDT2の周波数上昇率をIDT3より小さくとることにより、モードS1のエネルギー閉じ込め現象が減少して、共振周波数がS0モードに接近したものと考えられる。こうして得られた本発明の伝送特性は図19の曲線1900の様になる。この場合においては、負荷抵抗RL(図12の1210)を300Ωとして、マッチングをとった状態にある。同図から3dB通過帯は平坦となっていることがわかる。
最後に、本発明の他の構成条件について説明する。共通の構成条件として、圧電体平板(図12の1200)が水晶STカットX伝播(30度から40度の回転Y板におけるX軸方向へ伝搬する弾性表面波を使用する状態)であり、IDTの交差幅は30から40波長(λ)、アルミニウムから形成される電極膜厚みHと弾性表面波波長λ(=2×PT1)の比H/λは2%から4%程度の範囲にある。図12の他の構成条件として、IDT1、IDT2,IDT3の電極指の対数M1、M2、M3の設定と、図12の1203と1205にて示された交差導体1および交差導体2の幅寸法D1、D2につき図15、図16、図17を用いて述べる。
図15はトータルの対数M(=M1+M2+M3)に対する、フィルタの通過帯域幅を与えるf(S0)とf(S1)の差Δf=(f(S0)−f(S1))/f(S0)(ppm単位)の特性1500を示したものである。周波数温度特性が良い水晶基板に対して求められることが多い1500〜2500ppm程度の前記Δfを得るためには、Mが200から300対程度がよいことがわかる。また、図中の曲線1501は、A0モードの挿入損失SB(A0)(dB)であり、このMの範囲でほぼ平坦な特性をとる。
次に、図16はIDT1、IDT2、IDT3の対数M1,M2、M3を設定する条件について示したものである(直線1600、1601)。IDTの分割数DIVにより、それぞれの対数の値はM1=M2=M/DIV、M3=M−2×M1にて決定される。IDTの分割数DIVが2.1から2.4の範囲であれば1800から2000ppm程度の通過帯域幅のものが得られる。また、A0モードの挿入損失をみると、5±1dB範囲にあり十分な特性である(曲線1601)。
次に、図17は前記D1、D2の又差導体幅を決定する条件について述べている。まず基本的条件としては、単一の共振モード(S0とA0、S1のみ)を発生させるために、IDTIとIDT3間および、IDT2とIDT3間に、接地電位側に接続したクロスパスバー導体を配置し、このクロスパスバー導体幅とその両側のスペース幅の合計長D1、D2を、弾性表面波の波長をλ=2(PT1)あるいは2(PT2)として、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)となるように構成することが必要である。この条件からはずれた場合には、S0モードのさらに高周波数側10000ppm付近に非エネルギー閉じ込め型基本波モードと推測される未知なるモードが発生する。これは基板の属性のひとつである上側伝搬帯の放射波が原因であると推測される。図17において、D1、D2が20から100μm(2〜3λ程度に相当)の範囲であれば、1700から1900ppmの通過帯域幅Δfが確保できることがわかる。ただし前記周波数上昇率はIT1=IT2=1.0、IT3=1.3、M=M1+M2+M3=258対、DIV=2.3とし、フィルタの公称周波数は300から500MHz範囲とした。さらに、IT3の範囲は1.3を含む0.9〜1.5の範囲で前述とほぼ同等な特性が得られることがわかった。
最後に、図20と図21において、本発明の実施例1と実施例2に共通する構成につき説明する。まず図20は、前述のIDTIとIDT2(例えば図1の102と106のすだれ状電極)について、横インハーモニックモードを抑圧するための重み付け電極の構成である。前記横インハーモニックモード群は、前述の式(2)において、計算される固有モード群である。本発明の縦多重モードフィルタにおいては、前述のS0、A0、S1モードに付随する横インハーモニックモードを完全に抑圧する必要がある。この方法として余弦関数(cos(Y))のよるIDTの幅重み付けを行うことが知られている(文献;W.H.Haydlet al:“MULTIMODE SAW RESONATORS−A METHOD TO STUDY THE OPTIMUMRESONATORDESIGN”, Ultrasonics Symposium Proceedings 1976)。この方法により横インハーモニックモードが抑圧される理由は、各モードが相互に直交する変位を有しており、特定のモード変位に比例してIDTの励振領域を形成すれば、前記特定モードのみを励振できることによる。ここで相互に直交するとは、2つの固有モードの変位関数ψi(Y)とψj(Y)の積のYについての積分が零となることである。
本発明に用いたIDTの幅重み付け法は、従来の方法をさらに精密にしたものであり、図20が図示する次のような手段によるものである。
前記IDT1(第1のすだれ状電極)およびIDT2(第2のすだれ状電極)の交差幅を設定する関数Wc(X)(図20の2006のY(X)、ただしWc(Y)=2Y(X)の関係にある。)が、Aを任意定数とし、k0を基本波モードS0のY軸方向(2001)波数として、横インハーモニックモードの前記基本波モードS0の変位関数ψ0(Y)をψ0(Y)=Acos(k0Y)とするとともに、X0を前記すだれ状電極のX軸方向中央位置(Y軸のある位置とする)とし、さらにXとYの関係式Acos(k0Y)=|X−X0|を使って、Wc(X)=Acos(k0Y)の式で決定されている。さらに、IDT1(第1のすだれ状電極)およびIDT2(第2のすだれ状電極)の交差幅の寸法Wc(X)は、IDTの正負極性の給電導体間に接続する電極指群を、1/4波長以下の分割幅で分離して形成している(図20のG)。この様にすることにより、正負電極指の一対が形成する電界により励振される弾性変位が、前記分割部で途切れずになめらかにY軸方向に伝搬して、不来の変位状態ψ0(Y)を発生することができる。従って、各モード間の直交性が良く保たれ、横インハーモニックモードの抑圧が優れてできることになる。
つぎに、図21を用いて本発明の第3のすだれ状電極(IDT3)の他の構成につき説明する。図21中の2100と2101は前述の第1のすだれ状電極(IDT1)と第2のすだれ状電極(IDT2)の部分を示す。破線で囲まれた領域2102は第3のすだれ状電極(IDT3)である。この領域は分割部分2103により2つの部分2104と2105に分かれており、電極指群2106と2107等は、給電導体2108、2109、2113、2214等のいずれかに接続した状態と、全く接続しない状態を交互にとるものとする。
まず最初に、分割領域2103による効果を説明する。図21中の2110は、弾性表面波の伝搬方向を示すX軸、2111は縦モードの変位量U(x)の相対値を表す軸である。また曲線2112は、本発明に用いる振動モードの一つである基本波斜対称モードA0の振幅の包絡線変位U(X)の形である(変位関数、v(X)=U(X)、cos(kX)のU(X)のこと)。分割部分2103を境にして変位2112は、同一極性側にある電極指に発生する電荷の極性は逆相となっており、分割線がなければ短絡してジュール熱を発生し、エネルギー損失が発生することになって、共振の抵抗分が発生して、A0モードの挿入損失が増加することになる。もっとも、以上の現象によるエネルギー損失が軽微な場合、すなわち、第3のすだれ状電極の電極指の対数M3が少ない場合のことであるが、このような場合には、前記電極指群2106と2107等の全てを、両側の給電導体2108、2109、2113、2114に接続して用いてもかまわない。
以上詳細に述べたことは水晶でなく他の材料を用いた縦多重モードSAWフィルタでも成り立ちうるし、周波数下降型の基板に対しては周波数ポテンシャル軸の方向を逆に取ると同様に成り立つことは容易に推測できる。このことは、半導体基板における電流の運搬をつかさどるキャリア(弾性表面波に相当)が電子(マイナス電荷)(弾性表面波の上側伝搬帯に相当)か、正孔(ホール)(プラス電荷)(弾性表面波の下側伝搬帯)の違いに喩えると理解し易い。
以上述べたように不発明によれば、例えば周波数上昇型でエネルギー閉じ込め型のSAW共振子を構成した上でIDTを3個に分割し、第一のIDT1を入力端子対に、第二のIDT2を出力端子対にし、第一と第二の中間に第三のIDT3を新たに設けて、フィルタを合成する2つの縦モードS0とA0、あるいは3つの縦モードS0とA0とS1の振動変位の振幅を制御できるようにし、IDT1、IDT2、IDT3の電極周期長を変えて周波数ポテンシャルを適正化することにより、S0とA0、あるいはS0とA0.5S1の共振振幅強度を等価にして、縦多重モードSAWフィルタの通過帯域の伝送特性を平坦化できる。その結果、水晶基板のような周波数温度特性に優れかつ、電気機械結合係数の小さな基板を使って、挿入損失と帯域外減衰量において優れた特性を有する共振子型の縦多重モードフィルタにおいて、1000から1500ppmの比較的広い帯域幅が実現でき、今後多大なメリットが期待できる。
(産業上の利用可能性)
最近とみに移動体通信がさかんとなり、電波事情が輻輳するために、空中伝播路のノイズが増加している。このような中で、特定小電力や微弱無線等の狭帯域な無線装置も依然使われている。
本発明の縦多重モードSAWフィルタは、これら無線装置の受信機側の帯域通過フィルタとして使うことにより、装置の高信頼な動作とS/N向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦多重モードSAWフィルタを示す平面図。
【図2】本発明の一実施例である縦多重モードSAWフィルタの振動変位の状態を示す概念図。
【図3】SAW共振子のエネルギー閉じ込め現象を説明する概念図。
【図4】グレイティングを形成した圧電体基板の基本物性を示す特性図。
【図5】本発明の縦多重モードSAWフィルタの周波数ポテンシャルと挿入損失の関係を示す特性図。
【図6】図1本発明の縦多重モードSAWフィルタのトータル対数M−対−振動モード間周波数差を示す特性図。
【図7】図1本発明の縦多重モードSAWフィルタのIDT分割数DIV−対−振動モード間周波数差を示す特性図。
【図8】図1本発明の縦多重モードSAWフィルタのIDT間隔D1、D2−対−振動モード間周波数差を示す特性図。
【図9】従来の縦多重モードSAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示す特性図。
【図10】本発明の縦多重モードSAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示す特性図。
【図11】本発明の縦多重モードSAWフィルタのインピーダンスマッチング状態での伝送特性を示す特性図。
【図12】本発明の他の実施例の縦多重モードSAWフィルタを示す平面図。
【図13】本発明の他の実施である縦多重モードSAWフィルタの振動変位の状態を示す概念図。
【図14】本発明の他の実施例が示す縦多重モードSAWフィルタの周波数ポテンシャルと帯域幅および挿入損失の関係を示す特性図。
【図15】本発明の他の実施例が示す図12縦多重モードSAWフィルタのトータル対数M−対−振動モード間周波数差を示す特性図。
【図16】図12本発明の他の実施例が示す縦多重モードSAWフィルタのIDT分割数DIV−対−振動モード間周波数差を示す特性図。
【図17】図12本発明の他の実施例が示す縦多重モードSAWフィルタのIDT間隔D1、D2−対−振動モード間周波数差および挿入損失を示す特性図。
【図18】図12本発明の他の実施例が示す縦多重モードSAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示す特性図。
【図19】図12の縦多重モードSAWフィルタのインピーダンスマッチング状態での伝送特性を示す特性図。
【図20】本発明の縦多重モードSAWフィルタにおける、第1および第2のIDTの一実施例が示す平面図。
【図21】本発明の縦多重モードSAWフィルタにおける、第3のIDTの一実施例が示す平面図。
【符号の説明】
100…圧電体平板、101…反射器1、102…すだれ状電極(IDT1)、104…すだれ状電極(IDT3)、106…すだれ状電極(IDT2)、107…反射器2、114…電極指(負電極)、115…電極指(正電極)、1200…圧電体平板、1201…反射器1、1202…すだれ状電極(IDT1)、1204…すだれ状電極(IDT3)、1206…すだれ状電極(IDT2)、1207…反射器2、1214…電極指(負電極)、1215…電極指(正電極)。
Claims (2)
- 圧電体平板上に、弾性表面波を励振する第1のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極で励振された弾性表面波を受信する第2のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極との中間に、励起された弾性表面波の振幅を制御する第3のすだれ状電極と、さらに前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極と前記第3のすだれ状電極の両側に1対の反射器を前記弾性表面波の伝搬方向に配置して共振子型の縦多重モードSAWフィルタを構成し、
前記反射器、前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極を、前記圧電体平板上に金属の平行導体を周期的に配置して構成し、
前記反射器と前記第1のすだれ状電極との最も近接した平行導体間の距離を、前記第1のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、前記反射器と前記第2のすだれ状電極との最も近接した平行導体間の距離は、前記第2のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、
前記第1のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT1および前記第2のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT2(=PT1)を、前記第3のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT3より小さく(PT3>PT1、PT2)設定し、かつ、前記PT1および前記PT2を、反射器の平行導体の配列周期長PRより小さい設定とし、
前記第1のすだれ状電極と第3のすだれ状電極間、および、前記第3のすだれ状電極と第2のすだれ状電極間に、接地電位側に接続した交差導体1および交差導体2を配置し、前記交差導体1の幅とその両側のスペース幅の合計長D1を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記交差導体2の幅とその両側のスペース幅の合計長D2を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記D1および前記D2を20から100μmあるいは2λから3λの範囲とし、
前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極の全体が有するトータル反射係数Γを10>Γ>0.8としたエネルギー閉込型とし、
前記弾性表面波が定在する伝搬方向Xの中央位置に対してほぼ対称な変位振幅関数を有する、基本波対称縦モードS0と、前記中央位置に対してほぼ斜対称な変位振幅関数を何する基本波斜対称縦モードA0から合成される2重モードフィルタを構成したことを特徴とする縦多重モードSAWフィルタ。 - 圧電体平板上に、弾性表面波を励振する第1のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極で励振された弾性表面波を受信する第2のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極との中間に、励起された弾性表面波の振幅を制御する第3のすだれ状電極と、さらに前記第1のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極と前記第3のすだれ状電極の両側に1対の反射器を前記弾性表面波の伝搬方向(縦方向X)に配置して共振子型の縦多重モードSAWフィルタを構成し、
前記反射器、前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極を、前記圧電体平板上に金属の平行導体を周期的に配置して構成し、
前記反射器と前記第1のすだれ状電極との最も近接した平行導体間の距離を、前記第1のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、前記反射器と前記第2のすだれ状電極間の最も近接した平行導体間の距離を、前記第2のすだれ状電極の1周期長が有するラインとスペースのうちのスペース幅とし、
前記第1のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT1および前記第2のすだれ状電極の平行導体の配列周期長PT2(=PT1)を、前記第3のすだれ状電模の配列周期長PT3より大きく(PT3<PT1、PT2)設定し、かつ、前記PT1および前記PT2を、反射器の配列周期長PRより小さい設定とし、
前記第1のすだれ状電極と前記第3のすだれ状電極間、および、前記第3のすだれ状電極と前記第2のすだれ状電極間に、接地電位側に接続した交差導体1および交差導体2を配置し、前記交差導体1の幅とその両側のスペース幅の合計長D1を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記交差導体2の幅とその両側のスペース幅の合計長D2を、弾性表面波の波長をλとして、nλ+(1/4)λ、あるいはnλ+(3/4)λ(ただしn=0,1,2,・・・)とし、前記D1および前記D2を20から100μmあるいは2λから3λの範囲とし、
前記第1のすだれ状電極、前記第2のすだれ状電極および前記第3のすだれ状電極の全体が有するトータル反射係数Γを10>Γ>0.8としたエネルギー閉込型とし、
前記弾性表面波が定在する伝搬方向Xの中央位置に対してほぼ対称な変位振幅関数を有する、基本波対称縦モードS0と、前記中央位置に対してほぼ斜対称な変位振幅関数を有する基本波斜対称縦モードA0と、振動変位振幅に2つの節を有して前記中央位置に対してほぼ対称な1次対称縦モードS1とから合成される3重モードフィルタを構成したことを特徴とする縦多重モードSAWフィルタ。
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