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JP3882084B2 - 動脈硬化解析システム、動脈硬化解析方法及び動脈硬化解析プログラム - Google Patents

動脈硬化解析システム、動脈硬化解析方法及び動脈硬化解析プログラム Download PDF

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JP3882084B2 JP2003431482A JP2003431482A JP3882084B2 JP 3882084 B2 JP3882084 B2 JP 3882084B2 JP 2003431482 A JP2003431482 A JP 2003431482A JP 2003431482 A JP2003431482 A JP 2003431482A JP 3882084 B2 JP3882084 B2 JP 3882084B2
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Description

本発明は、生体の動脈の硬化状態を非侵襲的に解析するための動脈硬化解析システム、動脈硬化解析方法及び動脈硬化解析プログラムに関するものである。
近年、高齢化や食生活の多様化を要因として、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血のような循環器系疾患による長期治療患者が急増している。これらの疾患を予防するには、動脈硬化の兆候を未然に察知して、生活習慣を改善する必要がある。この動脈硬化の兆候は、動脈血管の弾力性が低下することから察知される。つまり、循環器系疾患を予防するには、動脈血管の弾力性を解析することが重要である。
最近の医療現場では、患者の身体への負担を軽減するために、動脈硬化状態を非侵襲的に測定する方法が検討されている。この種の動脈硬化状態の測定として、脈波伝播速度(PWV:Pulse Wave Velocity)測定が挙げられる。脈波伝播速度とは、身体におけるA点からB点に伝播する脈波の速度を示す。脈波伝播速度測定では、動脈が硬いほど脈波の伝わり方が早くなるという原理を応用し、脈波伝播速度から動脈硬化の度合いが判断される。この脈波伝播速度測定におけるA点とB点との間隔は、例えば身長の約1/3に設定される。そのため、脈波伝播速度の測定結果は、A点からB点に連なる動脈の平均値となる。すなわち、A点からB点に連なる動脈において、局所的に生じる動脈硬化を検出することが困難であるという問題があった。
上記問題点を解決するために、動脈血管の径変化を超音波画像として記録し、血圧変化と動脈血管の直径変化とを計測して所定の力学的支配式に代入することにより縦弾性係数を計測する装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置は、まず超音波探触子を用いて撮影される動脈血管の断面画像を画面上の特定の位置に表示させて数秒間記録し、一定時間毎に複数の断面画像を抽出する。続いて、それぞれの断面画像から血管径を計測し、それら血管径のうちから最大拡張時の血管径と最大収縮時の血管径とを求め、最高血圧及び最低血圧の値とともに下記式に代入して縦弾性係数を求める。
Figure 0003882084
但し、Epは縦弾性係数、Phは最高血圧、Plは最低血圧、Dhは最高血圧時の血管径、Dlは最低血圧時の血管径を示す。
前記画面上に表示される動脈血管の断面画像は、縦断面の場合には画面上に表示された直線に対し血管内壁が一致するように超音波探触子を動かして位置決めした後、計測したい領域をカーソル操作により移動させて画像の取り込みを行う。横断面の場合には前記直線の代わりに放射状線が採用され、該放射状線の中心が血管の中心と一致するように位置決めされる。
特開2002−45361号公報
上記特許文献1に記載の装置は、画面上に測定結果として縦弾性係数を表示している。しかしながら、この縦弾性係数は、動脈血管の機械的性質を表す指標であることから専門家以外にはほとんど馴染みがなく、動脈硬化の発症に対するリスク(以下、動脈硬化発症リスクという)を被検者が認識することが困難であるという問題があった。このため、この動脈硬化発症リスクは、被検者が動脈硬化の兆候を未然に察知するために利用するのには適していない。また、医療関係者による診断結果に利用されたとしても、被検者個人にとっては生活習慣の改善意欲を高める役割を十分に果たすことができないおそれも高い。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、動脈硬化発症リスクの認識性を向上させることが容易な動脈硬化解析システム、動脈硬化解析方法及び動脈硬化解析プログラムを提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、被検者の動脈情報に基づいて動脈硬化解析結果を出力する動脈硬化解析システムであって、比較情報を記憶する記憶部と、前記動脈情報に基づいて動脈硬化状態を解析する解析部とを備え、前記動脈情報は前記被検者の動脈血管が拡張収縮変形する際の動画を含み、前記比較情報は年齢の異なる複数人の年齢と動脈硬化係数との相関関係を含み、前記解析部は、前記動画から求められる動脈血管径の経時変化に基づいて前記被検者の動脈硬化係数を算出する算出手段と、前記比較情報を参照して前記被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定手段とを備え、前記算出手段は、前記動画から複数の動脈断面画像を一定時間毎に抽出する抽出処理手段と、前記複数の動脈断面画像の一端をそれぞれ基準線に沿って並列させて並列画像を作成する並列画像作成手段と、前記並列画像から前記動脈血管径の経時変化を示す変化曲線を作成する変化曲線作成手段とを含むことを要旨とする。
このように構成した場合、動脈硬化解析結果は比較情報を参照して決定されるため、動脈硬化発症リスクの分かりやすい指標とすることができる。さらに、並列画像から動脈血管径の経時変化を示す変化曲線が作成されるため、動脈断面画像毎に動脈血管径を計測した場合と比較し、計測誤差を低減させることができる。従って、動脈硬化係数を高精度に算出することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記動脈硬化解析結果は血管年齢を含み、該血管年齢は前記相関関係に基づいて前記被検者の動脈硬化係数から決定されることを要旨とする。
このように構成した場合、被検者は、自分の年齢と年齢情報とを比較することにより、動脈硬化発症リスクを容易に認識することが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記動脈情報は前記被検者の年齢情報を含み、前記決定手段は、前記相関関係に基づいて前記被検者の年齢情報から動脈硬化係数を決定するとともに、該被検者の年齢情報から決定される動脈硬化係数と、前記算出手段で算出される被検者の動脈硬化係数との年齢標準比率を決定するように構成され、前記動脈硬化解析結果は前記年齢標準比率を含むことを要旨とする。
このように構成した場合、比較情報から参照した動脈硬化係数と被検者の動脈硬化係数との比較が容易となるため、動脈硬化発症リスクを容易に認識することが可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記動脈情報は前記被検者の身体における前記動脈血管の位置を示す位置情報を含み、前記動脈硬化解析結果は前記位置情報を含むことを要旨とする。
このように構成した場合、位置情報を含めることによって、動脈硬化発症リスクをさらに分かりやすくすることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、さらに、医用超音波装置を備え、前記動画は前記医用超音波装置に接続される探触子によって取得され、該探触子には、その移動距離を測定する移動検出装置が設けられ、前記位置情報は前記移動検出装置によって取得されることを要旨とする。
このように構成した場合、動画の取得と位置情報の取得を同時に行うことができる。そして、局所的に生じている動脈硬化の状態を容易に解析することができ、より詳細な動脈硬化解析結果を速やかに提供することが可能となる。
請求項6に記載の発明では、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記動脈硬化係数は前記動脈血管径の経時変化を示す変化速度を含み、
該変化速度は、動脈血管の拡張時における動脈血管径の変化速度、又は動脈血管の収縮時における動脈血管径の変化速度であることを要旨とする。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記動脈硬化係数は下記式(1)に示す動脈硬化係数(A)であることを要旨とする。
Figure 0003882084
但し、Δtは動脈血管の最大拡張時と最大収縮時との間の時間、ΔR0tは前記Δtにおける動脈血管径の変化量、R’0は最大拡張時における動脈血管径を示す。
請求項6及び請求項7に記載の発明の場合、動脈血管径の変化速度は、動脈血管の機械的性質を詳細に示すパラメータであるため、動脈硬化発症リスクの指標としての信頼性を高めることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記動脈情報は前記被検者の最高血圧及び最低血圧を含み、前記動脈硬化係数は下記式(2)に示す動脈硬化係数(B)であることを要旨とする。
Figure 0003882084
但し、R0は最大収縮時における動脈血管の外半径、Riは最大収縮時における動脈血管の内半径、ΔPは最高血圧と最低血圧との差、ΔR0は最大拡張時における動脈血管の外半径と最大収縮時における動脈血管の外半径との差を示す。
このように構成した場合、動脈硬化係数(B)は動脈血管の円周方向に引張応力を作用させる一軸引張試験に基づいて導かれた弾性係数である。従って、動脈硬化係数(B)を適用することにより、動脈血管の円周方向の弾性係数と等価な値が得られる。ここで、動脈血管の内圧によって血管径が拡大する方向に応力が加わったとき、動脈血管の円周方向、径方向及び長さ方向に応力が作用する。そのときの円周方向に対する弾性係数は、動脈硬化状態を直接的に表す主たるパラメータである。よって、動脈硬化係数(B)を適用することにより、動脈硬化解析結果の精度が向上され、動脈硬化発症リスクの指標としての信頼性を高めることができる。
請求項に記載の発明では、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の発明において、前記動脈硬化解析結果に加えて、前記被検者の動脈硬化係数を出力することを要旨とする。
このように構成した場合、医療関係者に一層詳細な動脈硬化情報を提供することができる。
請求項1に記載の発明では、被検者の動脈情報に基づいて動脈硬化解析結果を出力する動脈硬化解析方法であって、前記被検者の動脈血管が拡張収縮変形する際の動画を含む動脈情報を入力する入力段階と、前記動画から求められる動脈血管径の経時変化に基づいて前記被検者の動脈硬化係数を算出する算出段階と、年齢の異なる複数人の年齢と動脈硬化係数との相関関係に基づいて前記被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定段階とを実施し、前記算出段階は、前記動画から複数の動脈断面画像を一定時間毎に抽出する抽出処理手段と、前記複数の動脈断面画像の一端をそれぞれ基準線に沿って並列させて並列画像を作成する並列画像作成手段と、前記並列画像から前記動脈血管径の経時変化を示す変化曲線を作成する変化曲線作成手段とを含むことを要旨とする。
請求項1に記載の発明では、被検者の動脈情報に基づいて動脈硬化解析結果を出力する段階をコンピュータに実行させる動脈硬化解析プログラムであって、前記被検者の動脈血管が拡張収縮変形する際の動画を含む動脈情報を入力する入力段階と、前記動画から求められる動脈血管径の経時変化に基づいて前記被検者の動脈硬化係数を算出する算出段階と、年齢の異なる複数人の年齢と動脈硬化係数との相関関係に基づいて前記被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定段階とをコンピュータに実行させ、前記算出段階は、前記動画から複数の動脈断面画像を一定時間毎に抽出する抽出処理手段と、前記複数の動脈断面画像の一端をそれぞれ基準線に沿って並列させて並列画像を作成する並列画像作成手段と、前記並列画像から前記動脈血管径の経時変化を示す変化曲線を作成する変化曲線作成手段とを含むことを要旨とする。
請求項1及び請求項1に記載の発明の場合、比較情報を参照して動脈硬化係数から決定される動脈硬化解析結果を動脈硬化発症リスクの指標とすることができるため、動脈硬化発症リスクの認識性を向上させることが容易である。さらに、並列画像から動脈血管径の経時変化を示す変化曲線が作成されるため、動脈断面画像毎に動脈血管径を計測した場合と比較し、計測誤差を低減させることができる。従って、動脈硬化係数を高精度に算出することができる。
本発明によれば、動脈硬化発症リスクの認識性を向上させることが容易であるとともに動脈硬化係数を高精度に算出することができる
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の動脈硬化解析システム11は、コンピュータ12、出力部としてのディスプレイ13、出力部としてのプリンタ14、入力部としてのキーボード15及び入力部としての医用超音波装置16を備えている。この動脈硬化解析システム11は、キーボード15及び医用超音波装置16からコンピュータ12に入力された被検者の動脈情報に基づいて該被検者の動脈硬化状態を解析し、ディスプレイ13又はプリンタ14から動脈硬化解析結果を出力する。被検者の動脈情報には、動画、血圧情報、年齢情報及び位置情報が含まれる。なお、本実施形態では、被検者の安静時(心拍が70回/分前後)における動画及び血圧情報を入力した場合について、図面とともに詳述する。
動画は、被検者の動脈血管の拡張収縮変形を示す情報である。すなわち、この動画は拡張収縮変形を連続的に繰り返す動脈血管において、拡張収縮変形における少なくとも1周期の経時変化を示す情報である。図1に示すように、この動画は、周知の医用超音波装置16を用いたパルス反射法によって得られる。この医用超音波装置16は、探触子21、表示部22及び図示しない超音波発生源が備えられている。この医用超音波装置16は、探触子21の先端面から生体内にパルス波を送波するとともに動脈血管23からの反射波(エコー)を受波する。この医用超音波装置16は、前記探触子21の先端面が長四角形状に形成されており、動脈血管23を長四角形状に撮影した断面画像を取得する。この医用超音波装置16の表示部22には、被検者の動脈血管23が拡張収縮変形する際の動画が表示される。
ここで、医用超音波装置16では、図3に模式的に示される動脈血管23に対する探触子21の向きによって動画としての動脈縦断面動画26a及び動画としての動脈横断面動画26bを表示する。動脈縦断面動画26aは図3に示すように動脈血管23の長さ方向に断面を取った画像の動画であり、動脈横断面動画26bは図5に示すように動脈血管23の径方向に断面を取った画像の動画である。この医用超音波装置16はコンピュータ12に接続されており、前記動脈縦断面動画26a及び動脈横断面動画26bをコンピュータ12に入力する。
血圧情報は、図1に示されるような周知の血圧測定装置31によって測定された最高血圧及び最低血圧からなり、被検者の年齢とともにキーボード15からコンピュータ12に入力される。位置情報は、前記探触子21の側部に設けられた移動検出装置32により得られる。この移動検出装置32には、図示しないイメージセンサ及びデジタルシグナルプロセッサ(DSP)が備えられている。この移動検出装置32は、イメージセンサで撮影された被検者の身体表面の画像をDSPで処理することにより、被検者の身体表面における任意の基準位置からの探触子21の移動距離を測定する。前記移動距離は、位置情報としてコンピュータ12に入力される。
図2に示すように、コンピュータ12は解析部41及び記憶部42を備えている。解析部41は中央処理装置(CPU)を備え、動脈硬化解析プログラムを実行することにより前記動脈情報に基づいて動脈硬化状態を解析する。この解析部41は、被検者の動脈硬化係数を算出する算出手段としての算出部43と、前記動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定手段としての決定部44とを備えている。
算出部43は、前記動画から求められる動脈血管径の経時変化に基づいて、被検者の動脈硬化係数を算出する。この算出部43は、抽出処理手段としての抽出処理部46、並列画像作成手段としての並列画像作成部47、及び変化曲線作成手段としての変化曲線作成部48を備えている。
図3及び図4に示すように、抽出処理部46は、前記動脈縦断面動画26aから動脈断面画像としての動脈縦断面画像51aを抽出する。動脈縦断面画像51aは長四角形状をなし、動脈縦断面動画26aから一定時間毎(例えば、約0.05秒間隔)の静止画像として複数抽出される。各動脈縦断面画像51aは、長手方向が動脈血管23の径方向と平行になるように抽出され、少なくとも動脈血管23の内半径及び外半径が表示可能なサイズに設定される。動脈縦断面画像51aにおける短手方向の幅f1は、いずれも同じ幅f1に設定され、具体的にはディスプレイ13上で数ピクセル程度(動脈血管の長さ方向で0.5〜1mm)に相当する。
一方、図5及び図6に示すように、抽出処理部46は、動脈横断面動画26bから動脈断面画像としての動脈横断面画像51bを抽出する。動脈横断面画像51bは長四角形状をなし、動脈横断面動画26bから一定時間毎(例えば、約0.05秒間隔)の静止画像として複数抽出される。各動脈横断面画像51bは、中央部に動脈血管23の中心が位置するように抽出され、少なくとも動脈血管23の内半径及び外半径が表示可能なサイズに設定される。各動脈横断面画像51bにおける短手方向の幅f2は、いずれも同じ幅f2に設定される。
図4に示すように、並列画像作成部47は、各動脈縦断面画像51aにおける動脈血管23の下端をそれぞれ基準線52aに沿って並列させることにより、並列画像としての動脈縦断面並列画像53aを作成する。この動脈縦断面並列画像53aにおいて、各動脈縦断面画像51aは抽出処理部46で抽出された順に密接した状態で並列される。
一方、図6に示すように、並列画像作成部47は、各動脈横断面画像51bにおける動脈血管23の下端をそれぞれ基準線52bに沿って並列させることにより、並列画像としての動脈横断面並列画像53bを作成する。この動脈横断面並列画像53bにおいて、各動脈横断面画像51bは抽出処理部46で抽出された順に一部重なった状態で並列される。各動脈横断面画像51bの間隔は、(幅f2)/2+数mm程度に設定されることにより、動脈横断面画像51bにおける動脈血管23の半径又は直径が表示されるように配置される。
なお、これら抽出処理部46又は並列画像作成部47において、動脈縦断面画像51a及び動脈横断面画像51bは、二値化、明暗逆転等の画像処理が行われることが好ましい。これらの画像処理によって、動脈血管壁が明瞭化され、血管径計測を行う際の画像解析の精度が向上する。
変化曲線作成部48は、前記動脈縦断面並列画像53a又は動脈横断面並列画像53bから動脈血管径の経時変化を示す変化曲線を作成する。この変化曲線作成部48は、図4に示す動脈縦断面並列画像53aにおいて、各動脈縦断面画像51aにおける動脈血管23上端部の外面中点56a同士及び内面中点57a同士をそれぞれ連結することにより、図4に破線で示す変化曲線としての縦変化曲線58aを作成する。一方、この変化曲線作成部48は、図6に示す前記動脈横断面並列画像53bにおいて、各動脈横断面画像51bにおける動脈血管23上端部の外面中点56b同士及び内面中点57b同士をそれぞれ連結することにより、図6に破線で示す変化曲線としての横変化曲線58bを作成する。
これらの縦変化曲線58a及び横変化曲線58bは、動脈硬化係数を算出する際に利用される。これらの縦変化曲線58a及び横変化曲線58bから動脈硬化係数を算出するための各種数値が抽出される。動脈硬化係数は、動脈血管の機械的性質を示すパラメータであり、動脈血管径の経時変化に基づいて算出される。図4及び図6に示すように、縦変化曲線58a及び横変化曲線58bからは、最大拡張時における動脈血管23の外半径R’0、最大収縮時における動脈血管23の外半径R0、最大収縮時における動脈血管23の内半径Ri、最大拡張時における動脈血管23の外半径と最大収縮時における動脈血管23の外半径との差ΔR0のような数値が抽出される。
動脈硬化係数としては、動脈血管の弾性や粘弾性を示す第1の動脈硬化係数、動脈血管の弾性を示す第2の動脈硬化係数のような動脈硬化係数が挙げられる。第1の動脈硬化係数は、動脈血管径の経時変化を示す変化速度を計測することにより求められる。この変化速度は、動脈血管の拡張時における動脈血管径の変化速度、又は動脈血管の収縮時における動脈血管径の変化速度であり、動脈血管の拡張時又は動脈血管の収縮時の時間Δtにおける動脈血管径の変化量ΔR0tを示す。
図7は、本実施形態の動脈硬化解析システム11を用いて、2人の被検者(21歳男性及び54歳男性)の総頸動脈血管について動脈縦断面動画26aから縦変化曲線58aを作成したときのグラフを示す。図7における縦軸に示す動脈血管径の変化量は、動脈血管径を最大収縮時の動脈血管径で除算することにより、無次元化した値である。すなわち、21歳男性における最大拡張時の動脈血管径は、最大収縮時の約109%まで拡張するのに対し、54歳男性における最大拡張時の動脈血管径は、最大収縮時の約105%までしか拡張していない。なお、図7の例に示す21歳男性及び54歳男性の最低血圧は、それぞれ72mmHg及び82mmHgであり、最高血圧はそれぞれ121mmHg及び125mmHgである。このように比較する被検者の血圧変動が近似している場合は、図7に示す縦変化曲線58aから動脈硬化の度合いを比較することができる。図7の例では、21歳男性よりも、54歳男性の方が動脈硬化の進行が確認される。
図7のグラフにおいて、Δt1及びΔt2は総頸動脈血管の最大拡張時から最大収縮時の間の所定時間を示し、動脈血管径の変化速度は図7の点線で示す直線の傾きである。詳述すると、図7のグラフにおける21歳男性の変化速度は縦変化曲線58aの最大値である頸動脈血管の最大拡張時からΔt1経過後までの平均の傾きが採用され、54歳男性の変化速度は縦変化曲線58aの最大値である総頸動脈血管の最大拡張時からΔt2経過後までの平均の傾きが採用されている。なお、Δt1及びΔt2以外に、前記所定時間としての動脈血管23の最大拡張時と最大収縮時との間の任意の時間を設定することが可能である。具体的には、Δt1及びΔt2に加えて、動脈血管23の最大収縮時から最大拡張時までの時間Δt3及び動脈血管23の最大拡張時から最大収縮時までの時間Δt4を採用してもよい。これらの時間Δtの中でも、動脈血管23の粘弾性に関する物理量が得られることから、動脈血管23の最大拡張時から最大収縮時に至る間の時間、すなわち血管収縮時(心臓の拡張時)における時間を適用することが好ましい。血管収縮時における時間としては、図7に示すΔt1、Δt2及びΔt4が挙げられる。血管収縮時における時間を採用することにより、第1の動脈硬化係数は、動脈血管23の粘弾性を示すパラメータとなる。ここで、血管収縮時における動脈血管23の挙動は、動脈血管23の粘弾性に強く依存する。よって、第1の動脈硬化係数において変化速度を算出するための時間Δtを血管収縮時の時間に設定することにより、動脈硬化状態を一層精密に解析することができる。
また、第1の動脈硬化係数は、簡便であるうえ動脈硬化解析の誤差を減らすのが容易であることから、下記式(1)に示す動脈硬化係数(A)であることが好ましい。
Figure 0003882084
但し、Δtは動脈血管の最大拡張時と最大収縮時との間の時間、ΔR0tは前記Δtにおける動脈血管径の変化量、R’0は最大拡張時における動脈血管径を示す。ちなみに、前記Δtとしては、図7のグラフに示されるΔt1、Δt2、Δt3及びΔt4のいずれが採用されても構わない。動脈硬化状態を一層精密に解析することができることから、時間Δtは、動脈血管23の最大拡張時から最大収縮時に至る間の時間、すなわち血管収縮時における時間(例えば、Δt1、Δt2及びΔt4)を適用することが好ましい。
第2の動脈硬化係数は、動脈血管径の経時変化及び被検者の血圧変動値から求められる。動脈血管の拡張時における動脈血管径の変化量、又は動脈血管の収縮時における動脈血管径の変化量である。血圧変動値は血圧情報から算出され、被検者の最高血圧と最低血圧との差を示す。この第2の動脈硬化係数は、下記式(2)に示す動脈硬化係数(B)に代表される。
Figure 0003882084
但し、R0は最大収縮時における動脈血管23の外半径、Riは最大収縮時における動脈血管23の内半径、ΔPは最高血圧と最低血圧との差、ΔR0は最大拡張時における動脈血管23の外半径と最大収縮時における動脈血管23の外半径との差を示す。
図2に示される記憶部42は、図示しない周知のハードディスクと、比較情報が記憶されたメモリとを備えている。前記比較情報には、年齢の異なる複数人の年齢とそれら複数人の動脈硬化係数との相関関係が含まれる。前記相関関係は、動脈血管23に異常があると診断されていない多数人から取得された年齢及び動脈硬化係数によって構築された情報であり、各年齢における平均的な動脈硬化係数を参照するために用いられる。図8に示すデータは、年齢の異なる複数人の年齢と、それら複数人の総頸動脈血管について上記式(2)によって求めた動脈硬化係数(B)との相関関係である。なお、図8におけるデータは、安静時(心拍が70回/分前後)の複数人を対象としたデータである。
決定部44は、前記比較情報を参照して被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する。動脈硬化解析結果は、前記動脈硬化係数を専門家以外の人でも容易に把握することができる指標に変換したものであり、血管年齢又は年齢標準比率で表される。
血管年齢は、被検者の動脈硬化係数がどの年齢の平均的な動脈硬化係数に相当するかを表す指標であり、前記算出部43で算出された被検者の動脈硬化係数を用いて前記比較情報から求められる。この血管年齢は、例えば図8に示す近似曲線61a、61bを利用して決定される。
年齢標準比率は、被検者の動脈硬化係数が該被検者と同年齢における平均的な動脈硬化係数に対しどの程度近接又は隔離しているかを把握するための指標であり、キーボード15より入力された被検者の年齢情報を用いて前記比較情報から求められる。この年齢標準比率は、前記被検者の動脈硬化係数を、該被検者と同年齢における平均的な動脈硬化係数で除算することにより算出されるパーセンテージで表される。前記被検者と同年齢における平均的な動脈硬化係数は、例えば、図8に示す近似曲線61a、61bを利用して決定される。
この動脈硬化解析システム11は、前記動脈硬化解析結果に加えて位置情報が出力される。位置情報は、被検者の身体において、動脈硬化状態が解析される動脈血管23の位置を示す情報である。図9に示す頸動脈66の動脈硬化状態を解析する場合、例えば、総頸動脈67が内頸動脈68aと外頸動脈68bとに分岐する分岐点69を基準点として設定するのが最も簡便である。この動脈硬化解析システム11は、予めコンピュータ12に基準点が入力又は記憶されており、その基準点に対応する身体表面の基準位置を上記移動検出装置32により検出するとともに、該基準位置からの探触子21の移動方向及び移動距離を同移動検出装置32で検出することによって位置情報を取得する。さらに、この動脈硬化解析システム11は、1つの動脈血管23について前記位置情報をほぼ連続的に取得することによって、該動脈血管23に関し位置情報と動脈硬化解析結果とを組み合わせた詳細な解析結果(例えば図9に示すようなもの)が得られる。
これら動脈硬化解析結果、位置情報及び動脈硬化係数は、コンピュータ12から出力されてディスプレイ13に表示される。本実施形態では、ディスプレイ13に図10に示す動脈硬化解析シート71が表示される。この動脈硬化解析シート71には、被検者の血管年齢72、年齢標準比率73、変化曲線74、動脈硬化係数(A)75及び動脈硬化係数(B)76、位置情報としての位置・距離情報77が表示される。血管年齢72及び年齢標準比率73は、それぞれ動脈血管23の複数位置における血管年齢の平均値及び年齢標準比率の平均値を表示したものである。変化曲線74は、動脈血管23の特定の位置、例えば、図9に示す分岐点69における変化曲線74を表示したものである。動脈硬化係数(A)75及び動脈硬化係数(B)76は、図9に示す分岐点69における動脈硬化係数(A)及び動脈硬化係数(B)を表示したものである。位置・距離情報77は、動脈硬化係数(A)の最大値及び動脈硬化係数(B)の最大値と、その最大値を示す動脈血管23の位置を示したものである。その位置は、前記分岐点からの距離で示している。この位置・距離情報77が表示されることにより、局所的に生じている動脈硬化の位置を容易に識別することができる。また、図示しないマウスでディスプレイ13上のポインタを操作し、ディスプレイ13に表示されている変化曲線74にポインタを合わせてマウスをクリック操作すると、その変化曲線74に対応する動脈血管23の動画がディスプレイ13に再生されるように構成されている。また、この動脈硬化解析シート71は、プリンタ14にて印刷することが可能である。そして、印刷された動脈硬化解析シート71は、被検者や医師に提供することができる。
次に、この動脈硬化解析システム11を用いた動脈硬化解析方法について説明する。
本実施形態の動脈硬化解析システム11では、まず、医用超音波装置16からコンピュータ12に動脈縦断面動画26a及び動脈横断面動画26bを入力する入力段階が実施される。次に、抽出処理部46では前記動脈縦断面動画26a及び動脈横断面動画26bから動脈縦断面画像51a及び動脈横断面画像51bが抽出され、並列画像作成部47では動脈縦断面並列画像53a及び動脈横断面並列画像53bが作成される。続いて、変化曲線作成部48では、動脈縦断面並列画像53a及び動脈横断面並列画像53bから動脈血管径の経時変化を示す縦変化曲線58a及び横変化曲線58bが作成される。そして、これらの縦変化曲線58a及び横変化曲線58bに基づいて被検者の動脈硬化係数が算出される。すなわち、算出部43では動脈縦断面動画26a及び動脈横断面動画26bから動脈硬化係数を算出する算出段階が実施される。続いて、決定部44では、比較情報を参照して被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定段階が実施される。最後に、この動脈硬化解析システム11では、前記動脈硬化解析結果がディスプレイ13及びプリンタ14に出力されるため、被検者や医師は前記動脈硬化解析結果を動脈硬化発症リスクの分かりやすい指標として利用することができる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の動脈硬化解析システム11では、比較情報を記憶する記憶部42及び被検者の動脈硬化状態を解析する解析部41を備えている。さらに、前記解析部41は、動画から動脈硬化係数を算出する算出部43及び比較情報を参照して動脈硬化解析結果を決定する決定部44を備えている。このように構成した場合、動脈硬化解析結果は比較情報を参照して決定されるため、動脈硬化発症リスクの指標として利用することができる。従って、この動脈硬化解析システム11によれば、動脈硬化発症リスクの認識性を向上させることが容易である。特に、この動脈硬化解析システム11では、血管年齢や年齢標準比率として表示することができるため、専門家以外の人でも動脈硬化解析結果を容易に理解することができる。従って、被検者が動脈硬化発症リスクの低減に向けた生活改善を行いやすいという利点がある。
・ この実施形態の動脈硬化解析システム11では、動脈硬化解析結果として比較情報から参照した血管年齢が含まれる。このため、被検者は、自分の年齢と血管年齢とを比較することにより、動脈硬化発症リスクを容易に認識することが可能となり、動脈硬化発症リスクの認識性を高めることができる。また、この実施形態の動脈硬化解析システム11では、動脈硬化解析結果として比較情報から参照した年齢標準比率が含まれる。このため、比較情報から参照した同年齢の平均的な動脈硬化状態と被検者自身の動脈硬化状態との比較が示されるため、動脈硬化発症リスクを容易に認識することが可能となる。
・ この実施形態の動脈硬化解析システム11では、動脈硬化解析結果に加えて、位置情報が出力される。このとき、被検者の動脈血管23のどの部位にどの程度の動脈硬化発症リスクがあるかを容易に認識することが可能となる。従って、被検者や医師にとって動脈硬化発症リスクの高い循環器系疾患を予測するのが容易となることから、生活改善策、予防策、治療策のような対策を打ち出しやすいうえ、生活改善に向けたモチベーションの向上に役立つ。
・ この実施形態の動脈硬化解析システム11では、探触子21には、移動検出装置32が設けられ、この移動検出装置32によって位置情報が取得されている。このように構成した場合、局所的に生じている動脈硬化状態を容易に解析することができるため、より詳細な動脈硬化解析結果を速やかに提供することが可能である。
・ この実施形態の動脈硬化解析システム11に第1の動脈硬化係数を適用した場合、第1の動脈硬化係数は動脈血管の機械的性質を詳細に示すパラメータであるため、動脈硬化発症リスクの指標としての信頼性を高めることができる。さらに、第1の動脈硬化係数の時間Δtは、血管収縮時の時間に設定することが好ましい。この場合、第1の動脈硬化係数は、動脈血管23の粘弾性的性質を示す値となり、該動脈血管23の柔らかさ、すなわち破れにくさを直接的に推し量る指標となる。従って、動脈血管23の弾性係数を示す第2の動脈硬化係数よりも動脈硬化発症リスクの指標としての信頼性は極めて高い。
・ この実施形態の動脈硬化解析システム11に第2の動脈硬化係数を適用した場合、この第2の動脈硬化係数は動脈血管23の弾性係数を示す値であるため、動脈血管23の弾性的性質を直接的に推し量る指標となる。従って、動脈硬化発症リスクの指標としての信頼性は高い。
・ この実施形態の第1の動脈硬化係数及び第2の動脈硬化係数は、動脈断面画像に基づいて算出される。従って、動脈血管23の機械的性質をピンポイントで示す係数であり、動脈血管23の長い領域全体に渡る平均値を示しているものでない。従って、動脈血管23に局所的に生じている動脈硬化の状態が解析されるため、動脈硬化解析結果は動脈血管23の局所的情報として役立てることができる。
・ 動脈縦断面画像51a及び動脈横断面画像51bの動脈血管径を個々に計測することによって動脈血管径の経時変化を求めると、動脈血管径を個々に計測する際に計測誤差が生じやすい。従って、精度良く動脈硬化係数を算出することが困難となり、精度の高い動脈硬化解析結果が得られにくいという問題があった。この実施形態の動脈硬化解析システム11では、算出部43は抽出処理部46、並列画像作成部47及び変化曲線作成部48を備えている。このように構成した場合、動脈縦断面並列画像53a及び動脈横断面並列画像53bは、動脈縦断面画像51a及び動脈横断面画像51bの一端をそれぞれ基準線に沿って並べたものである。従って、動脈縦断面並列画像53a及び動脈横断面並列画像53bからそれぞれ縦変化曲線58a及び横変化曲線58bを容易に作成することが可能となる。さらに、縦変化曲線58a及び横変化曲線58bから直接的に動脈血管径の経時変化を計測することができるため、計測誤差を低減することができる。従って、動脈硬化係数を精度良く算出することができ、動脈硬化解析結果の精度を高めることができる。
また、算出部43では、動脈縦断面画像51a及び動脈横断面画像51bにおける動脈血管23上端部の外面中点56a、56b同士及び内面中点57a、57b同士をほぼ連続的に繋ぐ変化曲線を求めているため、計測誤差がさらに低減されている。
加えて、前記縦変化曲線58a及び横変化曲線58bは、各外面中点56a、56b同士及び内面中点57a、57b同士をそれぞれ切れ目なく連結することにより作成されていることから、動脈血管23の最大拡張時及び最大収縮時の特定、並びにそれらのときにおける動脈血管径の計測を極めて正確に行うことができる。
・ この実施形態の動脈硬化解析システム11では、動脈硬化解析結果に加えて、被検者の動脈硬化係数が出力されるように構成されている。このように構成した場合、医療関係者に一層詳細に動脈硬化情報を提供することができるため、動脈硬化の発症を予測することが可能となる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 動脈硬化解析システム11にバーコート状のような任意の模様が印刷されたテープを備えること。このように構成した場合、被検者の身体表面にテープを貼着し、そのテープに沿って移動検出装置32を移動させることによって、位置情報の取得精度が容易に高められる。すなわち、キメの細かい皮膚を持った被検者の場合、移動検出装置32が位置情報を正確に取得できないケースが発生するおそれがあるが、前記テープを用いることによってそのようなケースにも容易に対応することができる。
・ 年齢標準比率は、比較情報の動脈硬化係数を、被検者の動脈硬化係数で除算することにより算出されるものであっても構わない。
・ 前記実施形態の動脈硬化解析システム11では、動画として動脈縦断面動画26a及び動脈横断面動画26bの両方が入力されているが、動脈縦断面動画26a又は動脈横断面動画26bのうちの一方のみが入力されるように構成してもよい。
・ 前記実施形態では、動脈硬化解析結果として血管年齢72、年齢標準比率73、変化曲線74、動脈硬化係数(A)75及び動脈硬化係数(B)76及び位置・距離情報77が出力されるように構成している。この他に、変化曲線74、位置・距離情報77、動脈硬化係数(A)75及び動脈硬化係数(B)76から選ばれる少なくとも一種が出力されないように構成してもよい。また、血管年齢72又は年齢標準比率73のいずれか一方のみが出力されるように構成してもよい。
・ 前記動脈硬化係数は、動脈硬化係数(A)及び動脈硬化係数(B)に限定されず、他の実験式から算出される動脈硬化係数を適用してもよい。
・ 前記動脈硬化解析結果は、ディスプレイ13又はプリンタ14のいずれか一方のみから出力されているように構成してもよい。
・ 前記実施形態では、動脈縦断面並列画像53a及び動脈横断面並列画像53bからそれぞれ縦変化曲線58a及び横変化曲線58bを作成しているが、動脈縦断面画像51a及び動脈横断面画像51bからそれぞれ縦変化曲線58a及び横変化曲線58bを作成してもよい。
・ 前記被検者の動脈硬化係数と被検者の年齢との関係を記憶部42に記憶させることにより、比較情報として追加するように構成してもよい。
脈血管径の経時変化は、特に安静時には小さく、その経時変化から動脈硬化係数を算出すると、動脈硬化係数の精度が低下するおそれがある。従って、変化曲線を作成させることにより、動脈硬化係数の精度、すなわち動脈硬化解析結果の精度を向上させることができる。特に、最大拡張時又は最大収縮時における動脈血管径から動脈硬化係数を算出する場合は、変化曲線を作成させると、精度の向上が顕著となる。
・ 前記実施形態では、被検者の安静時における動画及び血圧情報を入力した場合について詳述している。この他に、被検者の心拍を強制的に増大させた場合(負荷計測時)における動画及び血圧情報を動脈情報として適用してもよい。この場合、比較情報は負荷計測時の複数人を対象としてデータにする。
実施形態の動脈硬化解析システムの概略構成図。 実施形態の動脈硬化解析システムのブロック図。 実施形態の動脈縦断面動画を示す概略図。 実施形態の動脈縦断面並列画像を示す概略図。 実施形態の動脈横断面動画を示す概略図。 実施形態の動脈横断面並列画像を示す概略図。 実施形態の縦変化曲線を示すグラフ。 実施形態の動脈硬化係数と年齢との相関関係を示すグラフ。 実施形態の頸動脈の動脈硬化状態を解析した結果を示す概略図。 実施形態の動脈硬化解析シートを示す概略図。
符号の説明
11…動脈硬化解析システム、16…医用超音波装置、21…探触子、23…動脈血管、26a…動画としての動脈縦断面動画、26b…動画としての動脈横断面動画、32…移動検出装置、41…解析部、42…記憶部、43…算出手段としての算出部、44…決定手段としての決定部、46…抽出処理手段としての抽出処理部、47…並列画像作成手段としての並列画像作成部、48…変化曲線作成手段としての変化曲線作成部、51a…動脈断面画像としての動脈縦断面画像、51b…動脈断面画像としての動脈横断面画像、52a,52b…基準線、53a…並列画像としての動脈縦断面並列画像、53b…並列画像としての動脈横断面並列画像、58a…変化曲線としての縦変化曲線、58b…変化曲線としての横変化曲線、74…変化曲線、72…血管年齢、73…年齢標準比率。

Claims (11)

  1. 被検者の動脈情報に基づいて動脈硬化解析結果を出力する動脈硬化解析システムであって、
    比較情報を記憶する記憶部と、前記動脈情報に基づいて動脈硬化状態を解析する解析部とを備え、
    前記動脈情報は前記被検者の動脈血管が拡張収縮変形する際の動画を含み、前記比較情報は年齢の異なる複数人の年齢と動脈硬化係数との相関関係を含み、
    前記解析部は、前記動画から求められる動脈血管径の経時変化に基づいて前記被検者の動脈硬化係数を算出する算出手段と、前記比較情報を参照して前記被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定手段とを備え
    前記算出手段は、前記動画から複数の動脈断面画像を一定時間毎に抽出する抽出処理手段と、前記複数の動脈断面画像の一端をそれぞれ基準線に沿って並列させて並列画像を作成する並列画像作成手段と、前記並列画像から前記動脈血管径の経時変化を示す変化曲線を作成する変化曲線作成手段とを含むことを特徴とする動脈硬化解析システム。
  2. 前記動脈硬化解析結果は血管年齢を含み、該血管年齢は前記相関関係に基づいて前記被検者の動脈硬化係数から決定されることを特徴とする請求項1に記載の動脈硬化解析システム。
  3. 前記動脈情報は前記被検者の年齢情報を含み、
    前記決定手段は、前記相関関係に基づいて前記被検者の年齢情報から動脈硬化係数を決定するとともに、該被検者の年齢情報から決定される動脈硬化係数と、前記算出手段で算出される被検者の動脈硬化係数との年齢標準比率を決定するように構成され、
    前記動脈硬化解析結果は前記年齢標準比率を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動脈硬化解析システム。
  4. 前記動脈情報は前記被検者の身体における前記動脈血管の位置を示す位置情報を含み、前記動脈硬化解析結果は前記位置情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の動脈硬化解析システム。
  5. さらに、医用超音波装置を備え、前記動画は前記医用超音波装置に接続される探触子によって取得され、該探触子には、その移動距離を測定する移動検出装置が設けられ、前記位置情報は前記移動検出装置によって取得されることを特徴とする請求項4に記載の動脈硬化解析システム。
  6. 前記動脈硬化係数は前記動脈血管径の経時変化を示す変化速度を含み、
    該変化速度は、動脈血管の拡張時における動脈血管径の変化速度、又は動脈血管の収縮時における動脈血管径の変化速度であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の動脈硬化解析システム。
  7. 前記動脈硬化係数は下記式(1)に示す動脈硬化係数(A)であることを特徴とする請求項6に記載の動脈硬化解析システム。
    Figure 0003882084
    但し、Δtは動脈血管の最大拡張時と最大収縮時との間の時間、ΔR0tは前記Δtにおける動脈血管径の変化量、R’は最大拡張時における動脈血管径を示す。
  8. 前記動脈情報は前記被検者の最高血圧及び最低血圧を含み、
    前記動脈硬化係数は下記式(2)に示す動脈硬化係数(B)であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の動脈硬化解析システム。
    Figure 0003882084
    但し、Rは最大収縮時における動脈血管の外半径、Rは最大収縮時における動脈血管の内半径、ΔPは最高血圧と最低血圧との差、ΔRは最大拡張時における動脈血管の外半径と最大収縮時における動脈血管の外半径との差を示す。
  9. 前記動脈硬化解析結果に加えて、前記被検者の動脈硬化係数を出力することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の動脈硬化解析システム。
  10. 被検者の動脈情報に基づいて動脈硬化解析結果を出力する動脈硬化解析方法であって、
    前記被検者の動脈血管が拡張収縮変形する際の動画を含む動脈情報を入力する入力段階と、前記動画から求められる動脈血管径の経時変化に基づいて前記被検者の動脈硬化係数を算出する算出段階と、年齢の異なる複数人の年齢と動脈硬化係数との相関関係に基づいて前記被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定段階とを実施し、前記算出段階は、前記動画から複数の動脈断面画像を一定時間毎に抽出する抽出処理手段と、前記複数の動脈断面画像の一端をそれぞれ基準線に沿って並列させて並列画像を作成する並列画像作成手段と、前記並列画像から前記動脈血管径の経時変化を示す変化曲線を作成する変化曲線作成手段とを含むことを特徴とする動脈硬化解析方法
  11. 被検者の動脈情報に基づいて動脈硬化解析結果を出力する段階をコンピュータに実行させる動脈硬化解析プログラムであって、
    前記被検者の動脈血管が拡張収縮変形する際の動画を含む動脈情報を入力する入力段階と、前記動画から求められる動脈血管径の経時変化に基づいて前記被検者の動脈硬化係数を算出する算出段階と、年齢の異なる複数人の年齢と動脈硬化係数との相関関係に基づいて前記被検者の動脈硬化係数から動脈硬化解析結果を決定する決定段階とをコンピュータに実行させ、前記算出段階は、前記動画から複数の動脈断面画像を一定時間毎に抽出する抽出処理手段と、前記複数の動脈断面画像の一端をそれぞれ基準線に沿って並列させて並列画像を作成する並列画像作成手段と、前記並列画像から前記動脈血管径の経時変化を示す変化曲線を作成する変化曲線作成手段とを含むことを特徴とする動脈硬化解析プログラム
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