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JP3866556B2 - エンジンにおけるオイルポンプ取付け構造 - Google Patents

エンジンにおけるオイルポンプ取付け構造 Download PDF

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JP3866556B2
JP3866556B2 JP2001333342A JP2001333342A JP3866556B2 JP 3866556 B2 JP3866556 B2 JP 3866556B2 JP 2001333342 A JP2001333342 A JP 2001333342A JP 2001333342 A JP2001333342 A JP 2001333342A JP 3866556 B2 JP3866556 B2 JP 3866556B2
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトを回転自在に支承するクランクケースと、該クランクケースの下部に結合されるオイルパンと、前記クランクシャフトに連動して回転するオイルポンプとを含むエンジンに関し、特に、オイルポンプの取付け構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オイルポンプのポンプハウジングは、たとえば特公昭62−34950号公報で開示されるように、クランクケースの下部に着脱可能に取付けられることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のように、ポンプハウジングがクランクケースの下部に着脱可能に取付けられる構成では、オイルポンプの位置が比較的高くなり、それによりエンジンの重心も高くなってしまう。その上、オイルポンプのポンピングロス増加、整備性の低下およびオイル通路の複雑化等の問題が生じ易い。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの重心を比較的低くすることを可能とし、しかもオイルポンプの吸入効率および整備性を向上し得るようにしたエンジンにおけるオイルポンプ取付け構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すために、請求項1記載の発明は、クランクシャフトを回転自在に支承するクランクケースと、該クランクケースの下部に結合されるオイルパンと、前記クランクシャフトに連動して回転する駆動軸にポンプロータを連結したオイルポンプとを含むエンジンにおいて、オイルポンプのポンプハウジングは、そのオイルポンプの駆動軸全体がオイルパン上面よりも下側に位置するように配置されると共に、オイルパンの底部に設けられた取付け部に着脱可能に取付けられ、そのポンプハウジングには、オイルパン内でオイルストレーナの上方に配置されて該ストレーナを接続させる吸入口が一体に形成され、オイルパンの底部には、ポンプハウジングに設けたオイルポンプの吐出口に通じる油路が形成され、この油路は、鉛直方向に延びる上流側の第1油路と、この第1油路に連なりオイルパンの底面に沿って延びる下流側の第2油路とを有し、その第2油路の下流端が、オイルパンに着脱可能に取付けたオイルフィルタの入口に連通していることを特徴とする。 このような構成によれば、オイルポンプの位置を比較的低い位置に設定することが可能となり、その結果、エンジンの低重心化を図るこができるとともに、オイルポンプの吸入効率および整備性を向上することが可能となる。
【0006】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ポンプハウジングには、リリーフ弁を接続させる吐出口が一体に形成されることを特徴とする。
【0007】
また請求項記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記イルストレーナが、前記オイルパンおよびポンプハウジング間に挟持、固定されることを特徴とし、かかる構成によれば、オイルストレーナをボルト等の固定に必要な専用部品を用いることなく、オイルパンおよびポンプハウジング間に固定することができ、部品点数および組付作業工数を低減することができる。しかもオイルポンプの吸入口およびオイルストレーナ間のオイル吸入路を短く設定して、オイルポンプのポンピングロスを低減することができる。
【0008】
請求項記載の発明は、上記請求項記載の発明の構成に加えて、前記オイルポンプの吐出口に接続されるリリーフ弁が、前記オイルストレーナの挟持方向と平行な方向で前記オイルパンおよびポンプハウジング間に挟持、固定され、前記吐出口に接続されるオイルフィルタがオイルパンの側壁外面に取付けられることを特徴とし、かかる構成によれば、ポンプハウジングおよびオイルパン間にオイルストレーナを挟持したことによってオイルストレーナの側方に生じるスペースを有効に活用してリリーフ弁を配置することができ、しかもリリーフ弁がオイルポンプのポンプハウジングに直接接続されることにより、オイルポンプからオイルフィルタまでのオイル吐出路を短くかつ簡略化して形成することができる。またリリーフ弁のリリーフ口をオイルパン内のオイル中に設定することが容易となり、泡の発生を抑えることができる。
【0009】
さらに請求項記載の発明は、上記請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記ポンプハウジングには、前記オイルパン内に形成されるオイル溜まり室と隔絶する動力伝達室をオイルパンの側壁との間に形成する隔壁が設けられ、前記ポンプハウジングで回転自在に支承される駆動軸の前記動力伝達室側の端部には、前記クランクシャフトからの動力伝達により回転する回転部材が固定されることを特徴とし、かかる構成によれば、オイルポンプの駆動軸にクランクシャフトからの動力を伝達するために回転する回転部材が、オイルパン内のオイル溜まり室に貯留されたオイルをかき回すことがないようにし、オイルをかき回すことによるフリクションロスおよびオイルミストの発生を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図10は本発明を4サイクルの水平対向型2気筒エンジンに適用したときの一実施例を示すものであり、図1はエンジンを後方側から見た縦断背面図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3−3線拡大断面図、図4は図2の4−4線拡大断面図、図5はシリンダヘッドを図1の5−5線矢視方向から見た図、図6はヘッドカバーを省略した状態での図5の6−6線断面図、図7は図6の7矢視図、図8は図7の8−8線に沿う断面図、図9は図1の9−9線矢視図、図10はプルロッドおよびカムフォロアの連結構造を示す分解斜視図、図11はエンジンの飛行機への搭載状態を示す側面図、図12は図11の12−12線に沿う断面図、図13は図11の13−13線に沿う拡大断面図である。
【0011】
先ず図1において、4サイクルの水平対向型エンジンEは、たとえば自動車、自動二輪車および飛行機等に搭載されるものであり、このエンジンEのエンジン本体11は、エンジンEを後方側から見て左側に配置される左エンジンブロック12Lと、エンジンEを後方側から見て右側に配置される右エンジンブロック12Rとを備える。
【0012】
左エンジンブロック12Lは、左シリンダブロック13Lと、左シリンダブロック13Lに一体に形成される左クランクケース14Lと、左クランクケース14Lとは反対側で左シリンダブロック13Lに結合される左シリンダヘッド15Lとを備える。また右エンジンブロック12Rは、右シリンダブロック13Rと、右シリンダブロック13Rに一体に形成される右クランクケース14Rと、右クランクケース14Rとは反対側で右シリンダブロック13Rに結合される右シリンダヘッド15Rとを備える。
【0013】
両シリンダブロック13L,13Rには、シリンダボア16L,16Rがそれぞれ1つずつ設けられており、各シリンダボア16L,16Rには、各シリンダヘッド15L,15Rとの間に燃焼室17L,17Rを形成するようにしてピストン18L,18Rが摺動可能に嵌合される。
【0014】
両エンジンブロック12L,12Rは、シリンダボア16L,16Rの軸線を略水平として対向配置されるものであり、クランクケース19を共働して構成するようにして左、右クランクケース14L,14Rが相互に締結され、前記両ピストン18L,18Rにコンロッド20L,20Rを介して連結されるクランクシャフト21が、前記左、右クランクケース14L,14R間で回転自在に支承される。
【0015】
図2において、クランクケース19には、前後方向に間隔をあけて前部ジャーナル壁22F、中間部ジャーナル壁22Mおよび後部ジャーナル壁22Rが設けられ、クランクシャフト21の軸方向に間隔をあけた3箇所がそれらのジャーナル壁22F,22M,22Rで回転自在に支承される。またクランクシャフト21はクランクケース19内に形成されるクランク室24内に収納されるものであり、このクランク室24の底を規定する仕切り壁25がクランクケース19に設けられる。
【0016】
クランクシャフト21の後端部(図2の左端部)は、前記後部ジャーナル壁22Rから後方に突出されるものであり、クランクシャフト21の後端部には発電機26のロータ27が同軸に連結され、該発電機26のステータ28は、後部ジャーナル壁22Rの後方に配置されてクランクケース19に固定される支持板29に固定的に支持される。しかもクランクケース19の後部には発電機26を覆うカバー30が締結される。
【0017】
前記後部ジャーナル壁22Rおよび支持板29間でクランクシャフト21には駆動ギヤ31が固定されており、この駆動ギヤ31に噛合する第1中間ギヤ32が固定される回転軸33が前記後部ジャーナル壁22Rおよび支持板29で回転自在に支承される。また回転軸33には第2中間ギヤ34が一体に設けられており、クランクシャフト21と平行な軸線を有するとともに前記仕切り壁25の下方でクランクケース19に回転自在に支承されるカムシャフト36に設けられたギヤ35に前記第2中間ギヤ34が噛合される。
【0018】
このようにしてカムシャフト36には、駆動ギヤ31、第1中間ギヤ32、第2中間ギヤ34およびギヤ35を介してクランクシャフト21からの動力が1/2の減速比で伝達されることになる。
【0019】
前記カバー30には、ウォータポンプ37が取付けられており、該ウォータポンプ37のポンプ軸38は前記回転軸33に同軸にかつ相対回転不能に連結され、ウォータポンプ37にもクランクシャフト21からの回転動力が伝達される。
【0020】
図3および図4を併せて参照して、クランクケース19の下部には、前記カムシャフト36の下方にオイル溜まり室43を形成するようにしてオイルパン42が結合され、このオイルパン42内には、トロコイドポンプであるオイルポンプ44が収納される。
【0021】
オイルポンプ44のポンプハウジング45は、一対のハウジング半体46,47を相互に結合することにより構成されるものであり、一方のハウジング半体46には、クランクシャフト21およびカムシャフト36と平行な軸線を有して全体がオイルパン42の上面よりも下方に配置された駆動軸48が回転自在に支承され、この駆動軸48は、両ハウジング半体46,47間に配置されるポンプロータ49に連結される。
【0022】
また前記ハウジング半体46には、オイルパン42内に形成されるオイル溜まり室43と隔絶する動力伝達室50をオイルパン42の側壁との間に形成する隔壁46aが一体に設けられており、駆動軸48の動力伝達室50側の端部には、クランクシャフト21からの動力伝達により回転するカムシャフト36のギヤ35と噛合する回転部材としてのギヤ51が固定される。すなわちオイルポンプ44にもクランクシャフト21からの回転動力が伝達される。
【0023】
前記隔壁46aは、オイル溜まり室43に貯留されるオイルの液面Lよりも上方に上端を配置するようにして、たとえば上方に開いた略U字状の横断面形状を有するように形成されており、オイル溜まり室43側から動力伝達室50側にオイルが流入することはない。一方、クランクシャフト21からギヤ51までのギヤ列を介してクランク室24側からオイルが動力伝達室50に流入するが、動力伝達室50内のオイルはギヤ51の回転により、隔壁46aの上端からオイル溜まり室43側にはね飛ばされる。
【0024】
ハウジング半体46に対応する部分でオイルパン42の底部には、一対のボス状の取付け部52,52が一体に突設され、ハウジング半体46はボルト53,53により、それらの取付け部52,52に着脱可能に取付けられる。またハウジング半体47に対応する部分でもオイルパン42の底部には、一対のボス状の取付け部52…が一体に突設されており、ハウジング半体47はボルト53…により、それらの取付け部52…に着脱可能に取付けられる。すなわちポンプハウジング45は、オイルパン42の底部に設けられた取付け部52,52…に着脱可能に取付けられることになる。
【0025】
ポンプハウジング45のハウジング半体46には吸入口54が設けられており、該吸入口54に接続されるオイルストレーナ55が、前記ハウジング半体46およびオイルパン42間に挟持、固定される。すなわちオイルストレーナ55の上部は、前記吸入口54に連なるようにして前記ハウジング半体46の下部に下方から差し込まれ、オイルストレーナ55の下部周縁部は、オイルパン42の底部に設けられる受け部56で受けられる。
【0026】
ポンプハウジング45のハウジング半体47には吐出口57が設けられており、吐出口57に接続されるリリーフ弁58が、前記オイルストレーナ55の挟持方向と平行な方向でハウジング半体47およびオイルパン42間に挟持、固定される。すなわちリリーフ弁58の上部は、前記吐出口57に連なるようにしてハウジング半体47の下部に下方から差し込まれ、リリーフ弁58の下端は、オイルパン42の底部に設けられる隆起部59で受けられる。
【0027】
前記ハウジング半体47には吐出口57に通じる油路61が設けられ、ポンプハウジング45のオイルパン42への取付け時に前記油路61に通じる油路62がオイルパン42の下部に設けられ、油路62に接続されるオイルフィルタ63がオイルパン42の側壁外面に着脱可能に取付けられる。図2に示されるように前記油路62は、鉛直方向に延びる上流側の第1油路と、この第1油路に連なりオイルパン42の底面に沿って延びる下流側の第2油路とを有し、その第2油路に前記オイルフィルタ63の入口が連通している。またオイルフィルタ63で浄化されたオイルを導く油路64が、オイルパン42およびクランクケース19に設けられ、この油路64は、クランクケース19に設けられたメインギャラリー65に連通される。
【0028】
クランクシャフト21の前部は軽量化を図るために中空円筒状に形成されており、クランクシャフト21の中空円筒部には、少なくともクランクケース19の前部および中間部ジャーナル壁22F,22Mに対応する部分でクランクシャフト21の内面との間に環状室67を形成する円筒状のスペーサ66が嵌合されており、環状室67の軸方向両端部は、スペーサ66にシール部材を装着するか、スペーサ66の両端部をクランクシャフト21に圧入することで、液密にシールされる。
【0029】
クランクケース19には、中間部ジャーナル壁22Mおよびクランクシャフト21間の潤滑部にオイルを給油する油路68が、前記メインギャラリー65に通じるようにして設けられており、クランクシャフト21には、中間部ジャーナル壁22Mおよびクランクシャフト21間の潤滑部からオイルを環状室67に導く通路孔69と、前部ジャーナル壁22Fおよびクランクシャフト21間の潤滑部に環状室67からのオイルを導く通路孔70とが設けられる。
【0030】
クランクシャフト21は、左エンジンブロック12L側のコンロッド20Lを連結させるクランクピン21Lと、右エンジンブロック12R側のコンロッド20Rを連結させるクランクピン21Rとを一体に有しており、コンロッド20Lおよびクランクピン21L間の潤滑部に前記環状室67からのオイルを導く油路71がクランクシャフト21に設けられる。また後部ジャーナル壁22Rおよびクランクシャフト21間の潤滑部にもメインギャラリー65からオイルが供給されており、後部ジャーナル壁22Rおよびクランクシャフト21間の潤滑部からのオイルをコンロッド20Rおよびクランクピン21R間の潤滑部に導く油路72がクランクシャフト21に設けられる。
【0031】
ところで、コンロッド20Lおよびクランクピン21L間の潤滑部にオイルを導くにあたり、クランクシャフト21の中空円筒部全体を油路として用いることも可能であるが、そのようにすると油路の容積が大きくなるので、エンジンEの始動時における油圧立上がり時間の遅延やオイル交換時の残油量増加等の悪影響が生じる可能性がある。しかるに上述のように、クランクシャフト21の中空円筒部およびスペーサ66間に形成される環状室67を油路として用いることにより、油路容積を適切に定めることができ、前記油圧立上がり時間の遅延やオイル交換時の残油量増加等の悪影響を生じないようにすることができる。またクランクシャフト21における中空円筒部の内径は、油路容積が大きくなることを心配することを不要として比較的大径に設定可能であり、そうすれば、通路孔69,70の加工深さ精度を上げることが不要となる。しかもクランクシャフト21の材質よりも軽比重の材質でスペーサ66を形成すれば、クランクシャフト21全体をより軽量化することができる。
【0032】
コンロッド20Lおよびクランクピン21L間の潤滑部ならびにコンロッド20Rおよびクランクピン21R間の潤滑部を潤滑したオイルは、クランク室24内を落下して仕切り壁25上に一旦溜まるが、仕切り壁25には、クランクケース19のうちカムシャフト36の両端部を支持する部分に仕切り壁25上のオイルを導く通油孔73,73が設けられており、カムシャフト36およびクランクケース19間の潤滑部にもオイルが供給される。
【0033】
図5および図6を併せて参照して、右側エンジンブロック12Rのシリンダヘッド15Rには、一対の吸気弁口76,76と、一対の排気弁口77,77とが、シリンダボア16Rの軸線を含んで燃焼室17Rの中心を通る第1の仮想平面78の両側で燃焼室17Rにそれぞれ臨むようにして設けられ、第1の仮想平面78は、シリンダボア16Rの軸線に直交する平面(図5の紙面と平行な平面)への投影図上で、クランクシャフト21の軸線Cと角度αをなして交差するように設定される。
【0034】
さらに図7および図8を併せて参照して、シリンダヘッド15Rには一対の点火プラグ80,80が燃焼室17Rに一部を突入させるようにして取付けられるものであり、これらの点火プラグ80,80は、燃焼室17Rの中心を通るとともに第1の仮想平面78上に軸線をそれぞれ配置してシリンダヘッド15Rに取付けられる。
【0035】
前記両点火プラグ80,80は、第1の仮想平面78と直交する第2の仮想平面79に関して対称に配置されるものであり、燃焼室17R側に向かうにつれて相互間の距離を小さくするように傾斜してシリンダヘッド15Rに取付けられる。しかも両点火プラグ80,80の燃焼室17Rへの突入部が、両吸気弁口76,76および両排気弁口77,77で囲まれる範囲に配置される。
【0036】
前記両点火プラグ80,80は、常に同期作動するように図示しない点火回路に接続される。
【0037】
シリンダヘッド15Rには、各点火プラグ80,80を挿入させるプラグ挿入筒81,81の内端が嵌合、固定されており、シリンダヘッド15Rに締結されるヘッドカバー82Rには、各プラグ挿入筒81,81の外端を臨ませる開口部83,83が設けられ、プラグ挿入筒81,81の外端部およびヘッドカバー82R間はシールされる。
【0038】
シリンダヘッド15Rには、前記両吸気弁口76,76に共通に通じるとともに第2の仮想平面79上に軸線を配置した単一の吸気ポート84がシリンダヘッド15Rの上部側面に開口するようにして設けられるとともに、前記両排気弁口77,77に共通に通じるとともに第2の仮想平面79上に軸線を配置した単一の排気ポート85がシリンダヘッド15Rの下部側面に開口するようにして設けられる。
【0039】
シリンダヘッド15Rの上部側面には吸気ポート84に通じるようにして吸気管74Rが接続され、該吸気管74Rには燃料噴射弁75Rが付設される。
【0040】
吸気弁口76、76は機関弁である吸気弁VI,VIで個別に開閉可能であり、吸気弁VIのバルブステム86は、シリンダヘッド15Rに設けられたガイド筒87に摺動可能に嵌合され、ガイド筒87からのバルブステム86の突出端に固定されたリテーナ88およびシリンダヘッド15R間に設けられる弁ばね89により、吸気弁VIは閉弁方向にばね付勢されている。
【0041】
また排気弁口77,77は機関弁である排気弁VE,VEで個別に開閉可能であり、排気弁VEのバルブステム90は、シリンダヘッド15Rに設けられたガイド筒91に摺動可能に嵌合され、ガイド筒91からのバルブステム90の突出端に固定されたリテーナ92およびシリンダヘッド15R間に設けられる弁ばね93により、排気弁VEは閉弁方向にばね付勢されている。
【0042】
左エンジンブロック12L側のシリンダヘッド15Lにも、前記右側のシリンダヘッド15Rと同様に、一対ずつの吸気弁VI…および排気弁VE…が配設されるとともに、一対の点火プラグが配設されており、シリンダヘッド15Lにはヘッドカバー82Lが締結され、シリンダヘッド15Lの上部側面には、燃料噴射弁75Lが付設された吸気管74Lが接続される。
【0043】
右側のシリンダヘッド15Rに一対ずつ配設される吸気弁VI…および排気弁VE…は動弁装置94Rで開閉駆動され、左側のシリンダヘッド15Lに一対ずつ配設される吸気弁VI…および排気弁VE…は動弁装置94Lで開閉駆動されるものであり、両動弁装置94R,94Lの構成は基本的に同一であるので、以下、右側のシリンダヘッド15R側の動弁装置94Rの構成について説明し、左側のシリンダヘッド15L側の動弁装置94Lの構成についての説明を省略する。
【0044】
動弁装置94Rは、前記両吸気弁VI,VIのバルブステム86…と同軸である円筒状のリフタハウジング95,95ならびに前記両排気弁VE,VEのバルブステム90…と同軸である円筒状のリフタハウジング96,96を一体に有してシリンダヘッド15Rに締結されるホルダ97と、相互に平行な軸線を有してホルダ97で固定支持される吸気側および排気側ロッカシャフト98,99と、吸気側ロッカシャフト98で揺動可能に支承される吸気側ロッカアーム100と、排気側ロッカシャフト99で揺動可能に支承される排気側ロッカアーム101と、吸気側ロッカアーム100および両吸気弁VI,VI間に介在するようにしてリフタハウジング96,96に摺動可能に嵌合されるリフタ102,102と、排気側ロッカアーム101および両排気弁VE,VE間に介在するようにしてリフタハウジング97,97に摺動可能に嵌合されるリフタ103,103と、クランクシャフト21に1/2の減速比で連動、連結された前記カムシャフト36と、カムシャフト36の回転に応じて吸気側ロッカアーム100に開弁作動方向の動力を付与するプッシュロッド104と、カムシャフト36の回転に応じて排気側ロッカアーム101に開弁作動方向の動力を付与するプルロッド105とを備える。
【0045】
吸気側および排気側ロッカシャフト98,99は、前記一対の点火プラグ80,80の両側でシリンダヘッド15に配設されており、吸気側ロッカシャフト98は、一対の吸気弁VI,VIすなわちリフタハウジング95,95と両点火プラグ80,80との間に配置され、排気側ロッカシャフト99は、一対の排気弁VE,VEすなわちリフタハウジング96,96と両点火プラグ80,80との間に配置される。しかも両ロッカシャフト98,99の姿勢は、シリンダボア16Rの軸線に直交する平面(図7の紙面と平行な平面)への投影図上で、クランクシャフト21の軸線Cと交差するようにして第1の仮想平面78の両側で第1の仮想平面78と平行な軸線を有するように定められる。
【0046】
リフタ102…,103…は、吸気弁VI…のバルブステム86…および排気弁VEのバルブステム90…の外径よりも大径の有底円筒状に形成されるものであり、閉塞端を前記ロッカアーム100,101側に向けて各リフタハウジング95…,96…に摺動可能に嵌合される。しかも各リフタ102…,103…の閉塞端には、環状に並ぶ複数の透孔106…,107…が設けられており、それらの透孔106…,107…により各リフタ102…,103…の軽量化が図られる。
【0047】
吸気側ロッカアーム100には、前記リフタ102…側に延びる一対の駆動アーム100a,100bが一体に設けられており、それらの駆動アーム100a,100bの先端が、吸気弁VI,VIを開弁方向に押圧する駆動力を吸気弁VI,VIのバルブステム86…に前記リフタ102…を介して及ぼすことを可能として、リフタ102…の閉塞端外面に当接される。
【0048】
また排気側ロッカアーム101には、前記リフタ103…側に延びる一対の駆動アーム101a,101bが一体に設けられており、それらの駆動アーム101a,101bの先端が、排気弁VE,VEを開弁方向に押圧する駆動力を排気弁VE,VEのバルブステム90…に前記リフタ103…を介して及ぼすことを可能として、リフタ103…の閉塞端外面に当接される。
【0049】
ところでタペットクリアランスを調節するために、この実施例では、図6で示すように、バルブステム86…およびリフタ102…間、ならびにバルブステム90…およびリフタ103…間にそれぞれシム121…,122…が挟まれているが、それらのシム121…,122…に代えて、各駆動アーム100a,100b,101a,101bの先端に進退位置を調節可能として螺合されるタペットねじを各リフタ102…,103…に当接させるようにしてもよい。
【0050】
シリンダヘッド15Rと、該シリンダヘッド15Rに結合されるホルダ97とには、オイルポンプ44からのオイルが導かれる油路108が設けられており、ホルダ97および各リフタハウジング95…,96…には、油路108に通じるとともに両リフタハウジング95…,96…の内面に設けられた環状凹部110…,111…に通じる給油孔109が設けられる。
【0051】
図9を併せて参照して、クランクシャフト21の下側に配置されるカムシャフト36には、右エンジンブロック12R側の吸気弁VI…に対応した吸気側カム112Rと、左エンジンブロック12L側の吸気弁VI…に対応した吸気側カム112Lと、右エンジンブロック12R側の排気弁VE…に対応した排気側カム113Rと、左エンジンブロック12L側の排気弁VE…に対応した排気側カム113Lとが設けられる。
【0052】
またクランクケース19には、吸気側カム112R,112Lにそれぞれ従動するカムフォロア114R,114Lと、排気側カム113R,113Lにそれぞれ従動するカムフォロア115R,115Lとが揺動可能に軸支される。カムフォロア114R,115Lは、カムシャフト36に関して右エンジンブロック12R側に配置され、クランクケース19に設けられる共通の支軸118で揺動可能に支承される。またカムフォロア114L,115Rは、カムシャフト36に関して左エンジンブロック12L側に配置され、クランクケース19に設けられる共通の支軸119で揺動可能に支承される。
【0053】
図7に注目して、シリンダボア16Rの軸線に直交する平面への投影図上で吸気側ロッカアーム100および排気側ロッカアーム101からカムシャフト36側(図7の下側)に延びる入力アーム100c,101cが、各ロッカアーム100,101にそれぞれ設けられており、吸気側ロッカアーム100の入力アーム100cおよびカムフォロア114R間がプッシュロッド104で連結され、排気側ロッカアーム101の入力アーム101cおよびカムフォロア115R間がプルロッド105で連結される。而してプッシュロッド104は、カムシャフト36とは反対側への該プッシュロッド104の移動時に吸気側ロッカアーム100を開弁作動方向に揺動駆動すべく入力アーム100cを押し上げるものであり、プルロッド105はカムシャフト36側への該プルロッド105の移動時に排気側ロッカアーム101を開弁作動方向に揺動駆動すべく入力アーム101cを引っ張るものである。
【0054】
クランクケース19からシリンダヘッド15R,15Lに至るまでの間でエンジン本体11の下部にはロッド室120が形成されており、前記プッシュロッド104およびプルロッド105は、該ロッド室120に収容、配置される。しかも両ロッド104,105を形成する材料の引張り強度が圧縮強度よりも高いことから、プルロッド105はプッシュロッド104よりも小径に形成される。
【0055】
プッシュロッド104の両端には球状部104a,104bが設けられており、プッシュロッド104の一端の球状部104aはカムフォロア114Rに首振り可能に受けられ、またプッシュロッド104の他端の球状部104bは吸気側ロッカアーム100が備える入力アーム100cの先端に首振り可能に受けられる。
【0056】
図10で明示するように、カムフォロア115Rには、カムシャフト36とは反対側に開放した略U字状のフォーク116が一体に設けられ、プルロッド105の一端に圧入等で固定されるピン123が該フォーク116に係合される。また排気側ロッカアーム101が備える入力アーム101cの先端には、カムシャフト36とは反対側に開放した略U字状のフォーク117が一体に設けられ、プルロッド105の他端に圧入等で固定されるピン124が該フォーク117に係合される。これにより、プルロッド105の両端が排気側ロッカアーム101の入力アーム101cおよびカムフォロア115Rに連結されるが、プルロッド105の両端部をフォーク116,117に係合すればよいので、オイルパン42を分解することなくシリンダヘッド15R側からプルロッド105の一端をカムフォロア115Rに連結する作業を行なうことができ、メンテナンス作業時の作業性を向上することができる。
【0057】
ところで、このようなエンジンEが、図11で示すように、飛行機150に搭載される場合には、機体151の前部に取付けられるカウル152内に、クランクシャフト21の軸線を前後方向に沿わせるようにしてエンジンEが収容され、カウル152内に配置される支持フレーム153にエンジンEが弾性的に支持される。
【0058】
カウル152の前方には、複数枚のプロペラ154…を有するスピナー155配置されており、エンジンEのクランクシャフト21がスピナー155に同軸に結合される。
【0059】
図12を併せて参照して、エンジンEの上方には前後方向に延びる吸気マニホールド156が配置されており、その吸気マニホールド156の前部両側に、エンジンEの左右シリンダブロック12L,12Rにおけるシリンダヘッド15L,15Rの吸気ポート84…に通じる吸気管74L,74Rが接続される。
【0060】
また吸気マニホールド156の後部には、エンジンEよりも後方側であって前記吸気マニホールド156の後部下方に配置されるエアクリーナ157が接続される。しかもエアクリーナ157の下部には、エンジンEの下方を前方側に延びる吸い込み管158が接続されており、該吸い込み管158の前端は、カウル152の前端下部に設けられるスクリーン159に臨んで開口する。
【0061】
エンジンEの下部の左右両側にはラジエータ160,160が配置される。これらのラジエータ160,160は,前上がりに延びる一対の第1エアダクト161,161内に収納され、両第1エアダクト161,161の下端はカウル152内で斜め後方に向けて開口する。また両第1エアダクト161,161の上端には、第2エアダクト162が共通に接続される。この第2エアダクト162は、前記スクリーン159に臨んだ空気取入れ口163を前端中央部に有してエンジンEの前部の下方で左右に延びる共通ダクト部162aと、該共通ダクト部162aの左右両端部から後ろ上がりに延びて前記第1エアダクト161,161の上端に接続される一対の分岐ダクト部162b,162bとを備える。
【0062】
すなわち、エンジンEの下部の左右両側に配置されるラジエータ160,160は、カウル152の前端のスクリーン159から空気取入れ口163にプロペラ154…から圧送された空気が、第2エアダクト162から左右の第1エアダクト161,161に分かれて流通することにより冷却される。
【0063】
支持フレーム153は、たとえば複数のパイプ部材を組み合わせて、前記エンジンEを後方から抱持するように形成される。一方、エンジンEのクランクケース19における後部のたとえば4箇所には、後方側に向かうにつれて相互間の距離が大となるように傾斜した取付け腕164,164…が、たとえばクランクシャフト21の軸線に直交する平面内において該軸線を中心とした仮想直角四辺形の各角部に位置するようにして設けられており、それらの取付け腕164,164…が、弾性マウント165,165…を介して支持フレーム153に取付けられる。
【0064】
図13を併せて参照して、弾性マウント165は、円筒状のカラー166と、該カラー166を同軸に囲繞するとともに支持フレーム153に固着される円筒状の支持筒167と、内、外周をカラー166の外周および支持筒167の内周に焼き付けてカラー166および支持筒167間に介装されるマウントゴム168とから成り、カラー166の両端は支持筒167の両端から突出する。
【0065】
一端を取付け腕164に当接せしめたカラー166の他端には、押さえ板169が当接される。而して、押さえ板169の外面に係合する拡径頭部170aを有して押さえ板169およびカラー166に挿通されるボルト170が、エンジンEの取付け腕164に螺合され、ボルト170を締付けることにより、取付け腕164すなわちエンジンEが支持フレーム153に弾性的に取付けられることになる。
【0066】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジンEの各部に潤滑用のオイルを供給するオイルポンプ44のポンプハウジング45が、クランクケース19の下部に結合されるオイルパン42の底部に設けられた取付け部52…に着脱可能に取付けられるので、オイルポンプ44の位置をエンジンE内で比較的低い位置に設定することができ、エンジンEの低重心化を図ることができるとともに、オイルポンプ44の吸入効率および整備性を向上することができる。
【0067】
またオイルポンプ44の吸入口54に接続されるオイルストレーナ55が、オイルパン42およびポンプハウジング45間に挟持、固定されるので、ボルト等の固定に必要な専用部品を用いることなく、オイルストレーナ55をオイルパン42およびポンプハウジング45間に固定することができ、部品点数および組付作業工数を低減することができる。しかもオイルポンプ44の吸入口54およびオイルストレーナ55間のオイル吸入路を短く設定して、オイルポンプ44のポンピングロスを低減することができる。
【0068】
またオイルポンプ44の吐出口57に接続されるリリーフ弁58が、オイルストレーナ55の挟持方向と平行な方向でオイルパン42およびポンプハウジング45間に挟持、固定されるので、ポンプハウジング45およびオイルパン42間にオイルストレーナ55を挟持したことによってオイルストレーナ55の側方に生じるスペースを有効に活用してリリーフ弁58を配置することができる。しかもリリーフ弁58がオイルポンプ44のポンプハウジング45に直接接続されるので、オイルパン42の側壁外面に取付けられているオイルフィルタ63からオイルポンプ44までの油路61,62から成るオイル吐出路を短くかつ簡略化して形成することができる。またリリーフ弁58のリリーフ口をオイルパン42内のオイル中に設定することが容易となり、泡の発生を抑えることができる。
【0069】
ところで、ポンプハウジング45の一部を構成するハウジング半体46には、オイルパン42内に形成されるオイル溜まり室43と隔絶する動力伝達室50をオイルパン42の側壁との間に形成する隔壁46aが設けられ、ポンプハウジング45で回転自在に支承される駆動軸48の動力伝達室50側の端部には、クランクシャフト21からの動力伝達により回転するギヤ51が固定されている。したがって駆動軸48にクランクシャフト21からの動力を伝達するために回転するギヤ51が、オイルパン42内のオイル溜まり室43に貯留されたオイルをかき回すことがないようにし、オイルをかき回すことによるフリクションロスおよびオイルミストの発生を防止することができる。
【0070】
また吸気弁VI…のバルブステム86…および排気弁VE…のバルブステム90…と、カムシャフト36の回転に連動して揺動する吸気側および排気側ロッカアーム100,101との間には、バルブステム86…,90…の外径よりも大径の有底円筒状に形成されるリフタ102…,103…が介装されており、シリンダヘッド15R,15Lに固定されるホルダ97に一体に設けられて前記バルブステム86…,90…と同軸の円筒状に形成されるリフタハウジング95…,96…に、リフタ102…,103…が摺動可能に嵌合される。
【0071】
したがって吸気側および排気側ロッカアーム100,101からの駆動力がリフタ102…,103…を介して吸気弁VI…のバルブステム86…および排気弁VE…のバルブステム90…に作用することになり、比較的小径であるバルブステム86…,90…に曲げ荷重が作用しないようにして、ガイド筒87…,91…の偏摩耗やかじり等が発生することを防止することができる。しかもリフタ102…,103…が比較的大径であることにより、吸気側および排気側ロッカアーム100,101から該リフタ102…,103…に曲げ荷重が作用しても、リフタハウジング95…,96…およびリフタ102…,103…間で偏摩耗やかじり等が発生することが極力回避され、動弁装置94R,94Lの信頼性を向上することができる。
【0072】
またリフタハウジング95…,96…の内面に開口する給油孔109がホルダ97およびリフタハウジング95…,96…に設けられているので、リフタハウジング95…,96…内でのリフタ102…,103…の摺動をより滑らかとし、リフタハウジング95…,96…およびリフタ102…,103…間で偏摩耗やかじり等が発生することをより確実に防止することができる。
【0073】
この際、リフタ102…,103…への吸気側および排気側ロッカアーム100,101からの駆動力作用点をリフタ102…,103…の中心からずらせて設定しておくと、リフタ102…,103…を軸線まわりに回転させることができ、それに応じて吸気弁VI…および排気弁VE…を回転させて吸気弁VI…および排気弁VE…の片焼けが生じることを防止することができるのであるが、上述のように、リフタ102…,103…をリフタハウジング95…,96…内で滑らかに摺動させることで吸気弁VI…および排気弁VE…をより容易に回転させることができる。
【0074】
シリンダヘッド15R,15Lには、一対の吸気弁口76…と、一対の排気弁口77…とが、シリンダボア16R,16Lの軸線を含んで燃焼室17R,17Lの略中心を通る第1の仮想平面78の両側で燃焼室17R,17Lに臨むようにして設けられるとともに、一対の点火プラグ80,80が取付けられている。しかも燃焼室17R,17Lの中心を通るとともに第1の仮想平面78と直交する第2の仮想平面79に関して略対称である前記両点火プラグ80,80が、第1の仮想平面78にほぼ沿うように軸線を配置し、燃焼室17R,17L側に向かうにつれて相互間の距離を小さくするように傾斜してシリンダヘッド15R,15Lに取付けられ、それらの点火プラグ80,80の燃焼室17R,17Lへの突入部が、両吸気弁口76…および両排気弁口77…で囲まれる範囲に配置される。
【0075】
したがって一対の点火プラグ80,80の燃焼室17R,17Lへの突入部が燃焼室17R,17L内の略中央部に近接配置されることになり、燃焼室17R,17L内での火炎伝播を理想的なものとすることができ、両点火プラグ80,80のいずれか一方で失火が生じても他方の点火プラグ80が燃焼室17R,17Lの略中央部に在るので火炎伝播条件の悪化を最小に抑えることができる。
【0076】
また両点火プラグ80,80は、第1の仮想平面78に直交する方向から見ると燃焼室17R,17Lとは逆方向に開いた略V字状に配置されることになり、両点火プラグ80,80の燃焼室17R,17Lへの突入部を燃焼室17R,17L内の略中央部に近接配置することを許容してシリンダヘッド15R,15Lに無理なく取付けることができる。
【0077】
さらに点火プラグ80,80を燃焼室17R,17Lの中央部付近に集約して配置することにより、シリンダヘッド15R,15L側のウォータージャケットの形状の自由度、ならびにシリンダヘッド15R,15Lをシリンダブロック13R,13L側に締結するための締結ボルトの配置上の自由度を高めることができ、冷却性能の向上を図るとともにシリンダヘッド15R,15Lおよびシリンダブロック13R,13L間のシール性能の向上を図ることができる。
【0078】
シリンダボア16Rの軸線を含んで燃焼室17Rの中心を通るとともに、シリンダボア16Rの軸線に直交する平面への投影図上ではクランクシャフト21の軸線を角度αをなして交差する第1の仮想平面78に沿う軸線を有した吸気側および排気側ロッカシャフト98,99で吸気側および排気側ロッカアーム100,101が揺動可能に支承されており、吸気側および排気側ロッカシャフト98,99は前記両点火プラグ80,80の両側でシリンダヘッド15R,15Lに配設されている。このような吸気側および排気側ロッカアーム100,101および吸気側および排気側ロッカシャフト98,99の配置によれば、第2の仮想平面79に沿う方向でシリンダヘッド15R,15Lの幅を比較的小さく設定することを可能とし、エンジンEのコンパクト化に寄与することができる。
【0079】
また排気側ロッカアーム101には、シリンダボア16R,16Lの軸線に直交する平面への投影図上で該ロッカアーム101からカムシャフト36側に延びる入力アーム101cが設けられ、カムシャフト36の回転に応じて軸方向に往復作動するプルロッド105が、カムシャフト36側への移動時に排気側ロッカアーム101を開弁作動方向に揺動駆動すべく前記入力アーム101cに連結されている。このためプルロッド105を配置するためにクランクシャフト21の軸線に沿う方向でシリンダヘッド15R,15Lの幅を大きくすることが不要であり、クランクシャフト21の軸線に沿う方向でエンジンEを小型化し、エンジンEの軽量化を図ることが可能である。
【0080】
さらに吸気側ロッカアーム100には、シリンダボア16R,16Lの軸線に直交する平面への投影図上で該ロッカアーム101からカムシャフト36側に延びる入力アーム100cが設けられ、カムシャフト36の回転に応じて軸方向に往復作動するプッシュロッド104がカムシャフト36側への該プッシュロッド104の移動時に吸気側ロッカアーム100を開弁作動方向に揺動駆動すべく前記入力アーム100cに連結されている。
【0081】
上述のように吸気側および排気側ロッカシャフト98,99ならびに吸気側および排気側ロッカアーム100,101を配置するとともに、吸気側ロッカアーム100にはプルロッド105で開閉動力を付与し、排気側ロッカアーム101にはプッシュロッド104で開閉動力を付与するようにした構成により、動弁装置94R,94Lの一部を構成する前記各ロッカシャフト98,99および前記各ロッカアーム100.101を配置するためにシリンダヘッド15R,15Lで必要とされるスペースを、クランクシャフト21の軸線に沿う方向では小さく設定することができる。
【0082】
しかもプルロッド105およびプッシュロッド104を配置するためにクランクシャフト21の軸線に沿う方向でシリンダヘッド15R,15Lの幅を大きくすることを不要として、カムシャフト36および両ロッカアーム100,101間の駆動系をバランスよく配置することができ、クランクシャフト21の軸線に沿う方向でエンジンEを小型化し、エンジンEの軽量化を図ることが可能である。
【0083】
さらに1つの燃焼室17R,17Lに対して一対ずつの吸気弁VI…および排気弁VE…がシリンダヘッド15R,15Lに配設されることにより、エンジンEの低速回転域での吸入効率を向上して出力トルクを増大することが可能である。
【0084】
図14は本発明の他の実施例を示すものであり、プルロッド105の一端には球状部105aが設けられ、プルロッド105の一端を連結するためのカムフォロア115Rには、プルロッド105を挿通させるすり割り127を有して椀状に形成される被係合部126が設けられ、前記球状部105aを被係合部126に係合することにより、プルロッド105の一端がカムフォロア115Rに連結される。
【0085】
この実施例によってもオイルパン42を分解することなくシリンダヘッド15R側からプルロッド105の一端をカムフォロア115Rに連結する作業を行なうことができ、メンテナンス作業時の作業性を向上することができる。
【0086】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0087】
たとえば本発明は、水平対向型2気筒エンジン以外のエンジンにも広く適用することができる。また上記実施例では、オイルポンプ44の駆動軸48に回転部材としてのギヤ51が設けられたが、クランクシャフト21からの回転動力を伝達ベルトを巻きかけるスプロケットが回転部材として前記駆動軸48に設けられていてもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、オイルポンプのポンプハウジングは、そのオイルポンプの駆動軸全体がオイルパン上面よりも下側に位置するように配置されると共に、オイルパンの底部に設けられた取付け部に着脱可能に取付けられ、そのポンプハウジングには、オイルパン内でオイルストレーナの上方に配置されて該ストレーナを接続させる吸入口が一体に形成され、オイルパンの底部には、ポンプハウジングに設けたオイルポンプの吐出口に通じる油路が形成され、この油路は、鉛直方向に延びる上流側の第1油路と、この第1油路に連なりオイルパンの底面に沿って延びる下流側の第2油路とを有し、その第2油路の下流端が、オイルパンに着脱可能に取付けたオイルフィルタの入口に連通するので、オイルポンプの位置を比較的低い位置に設定することを可能とし、エンジンの低重心化を図るこができるとともに、オイルポンプの吸入効率および整備性を向上することが可能となる。
【0089】
また請求項の発明によれば、オイルストレーナをボルト等の固定に必要な専用部品を用いることなくオイルパンおよびポンプハウジング間に固定することができるので、部品点数および組付作業工数を低減することができ、しかもオイルポンプの吸入口およびオイルストレーナ間のオイル吸入路を短く設定して、オイルポンプのポンピングロスを低減することができる。
【0090】
また請求項の発明によれば、ポンプハウジングおよびオイルパン間にオイルストレーナを挟持したことによってオイルパンの側方に生じるスペースを有効に活用してリリーフ弁を配置することができ、しかもオイルポンプからオイルフィルタまでのオイル吐出路を短くかつ簡略化して形成することができ、またリリーフ弁のリリーフ口をオイルパン内のオイル中に設定することが容易となり、泡の発生を抑えることができる。
【0091】
さらに請求項の発明によれば、オイルポンプの駆動軸にクランクシャフトからの動力を伝達するために回転する回転部材がオイルパン内のオイル溜まり室に貯留されたオイルをかき回すことがないようにし、オイルをかき回すことによるフリクションロスおよびオイルミストの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンを後方側から見た縦断背面図である。
【図2】 図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】 図2の3−3線拡大断面図である。
【図4】 図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】 シリンダヘッドを図1の5−5線矢視方向から見た図である。
【図6】 ヘッドカバーを省略した状態での図5の6−6線断面図である。
【図7】 図6の7矢視図である。
【図8】 図7の8−8線に沿う断面図である。
【図9】 図1の9−9線矢視図である。
【図10】 プルロッドおよびカムフォロアの連結構造を示す分解斜視図である。
【図11】 エンジンの飛行機への搭載状態を示す側面図である。
【図12】 図11の12−12線に沿う断面図である。
【図13】 図11の13−13線に沿う拡大断面図である。
【図14】 他の実施例の図10に対応した分解斜視図である。
【符号の説明】
E・・・エンジン
19・・・クランクケース
21・・・クランクシャフト
42・・・オイルパン
43・・・オイル溜まり室
44・・・オイルポンプ
45・・・ポンプハウジング
46a・・・隔壁
48・・・駆動軸
49・・・ポンプロータ
50・・・動力伝達室
51・・・回転部材としてのギヤ
52・・・取付け部
54・・・吸入口
55・・・オイルストレーナ
57・・・吐出口
58・・・リリーフ弁
62・・・油路
63・・・オイルフィルタ

Claims (5)

  1. クランクシャフト(21)を回転自在に支承するクランクケース(19)と、該クランクケース(19)の下部に結合されるオイルパン(42)と、前記クランクシャフト(21)に連動して回転する駆動軸(48)にポンプロータ(49)を連結したオイルポンプ(44)とを含むエンジンにおいて、
    オイルポンプ(44)のポンプハウジング(45)は、そのオイルポンプ(44)の駆動軸(48)全体がオイルパン(42)上面よりも下側に位置するように配置されると共に、オイルパン(42)の底部に設けられた取付け部(52)に着脱可能に取付けられ、そのポンプハウジング(45)には、オイルパン(42)内でオイルストレーナ(55)の上方に配置されて該ストレーナ(55)を接続させる吸入口(54)が一体に形成され、オイルパン(42)の底部には、ポンプハウジング(45)に設けたオイルポンプ(44)の吐出口(57)に通じる油路(62)が形成され、この油路(62)は、鉛直方向に延びる上流側の第1油路と、この第1油路に連なりオイルパン(42)の底面に沿って延びる下流側の第2油路とを有し、その第2油路の下流端が、オイルパン(42)に着脱可能に取付けたオイルフィルタ(63)の入口に連通していることを特徴とする、エンジンにおけるオイルポンプ取付け構造。
  2. 前記ポンプハウジング(45)には、リリーフ弁(58)を接続させる吐出口(57)が一体に形成されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンにおけるオイルポンプ取付け構造。
  3. 前記イルストレーナ(55)が、前記オイルパン(42)およびポンプハウジング(45)間に挟持、固定されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンにおけるオイルポンプ取付け構造。
  4. 前記オイルポンプ(44)の吐出口(57)に接続されるリリーフ弁(58)が、前記オイルストレーナ(55)の挟持方向と平行な方向で前記オイルパン(42)およびポンプハウジング(45)間に挟持、固定され、前記吐出口(57)に接続されるオイルフィルタ(63)がオイルパン(42)の側壁外面に取付けられることを特徴とする請求項記載のエンジンにおけるオイルポンプ取付け構造。
  5. 前記ポンプハウジング(45)には、前記オイルパン(42)内に形成されるオイル溜まり室(43)と隔絶する動力伝達室(50)をオイルパン(42)の側壁との間に形成する隔壁(46a)が設けられ、前記ポンプハウジング(45)で回転自在に支承される駆動軸(48)の前記動力伝達室(50)側の端部には、前記クランクシャフト(21)からの動力伝達により回転する回転部材(51)が固定されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエンジンにおけるオイルポンプ取付け構造。
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