JP3860450B2 - 光学素子の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱軟化したガラス素材を一対の成形用型によりプレス成形して光学素子を得るための光学素子の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高精度ガラスレンズ等の光学素子を成形する方法または装置として、例えば特開平11−171564号公報、特開平11−100221号公報に記載の発明がある。
【0003】
特開平11−171564号公報記載の発明は、予熱したガラス素材を予熱した上下型で加圧してガラス成形体を形成する工程と、形成されたガラス成形体を冷却する工程と、冷却されたガラス成形体を上下型から離型させる工程と、ガラス素材および上下型を予熱する工程を繰り返してガラス成形体を製造する方法に関する。
【0004】
また、特開平11−100221号公報記載の発明は、加熱されたガラス素材をそれぞれ独立した加熱手段と外部との断熱手段を持つ、温度制御可能な上下型間に搬送して、ガラスレンズを押圧成形する装置に関する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−171564号公報記載の発明においては、ガラス素材の予熱温度を109ポアズ以下の粘度に相当する温度に、また型の予熱温度をガラス素材の予熱温度以下に設定すると記載されているが、型の予熱温度をガラス素材の転移点よりも高い温度に設定した場合、型とガラス素材に焼き付きが生じ易く、安定して良品の成形ができない。また、加熱方式に誘導加熱を用いているため、型の温度が均一になりにくく、成形したレンズの面精度が悪くなるとともに、高周波加熱コイルや冷却水の配管が必要になり、型周りの構成が複雑、かつ、大がかりになる。さらに、非酸化性雰囲気に置換された成形室内でガラス素材を加熱軟化させるため、ガラス内部に含まれる酸素の揮発で非酸化性雰囲気の酸素濃度が上昇して酸化により型にダメージを与える等の問題があった。
【0006】
また、特開平11−100221号公報記載の発明においては、ガラス素材、上下成形型の温度の関係が詳細に記載されておらず、唯一記載されている実施の形態においても、ガラス素材の加熱温度が転移点以下と低く、このような温度ではガラスゴブやフラットピースのように中心部が厚いガラス素材から、両凹レンズ、凹メニスカスレンズなどの中心部が薄い光学素子を成形するにはガラス粘度が高いことにより、成形時に型上で再加熱する時間が非常に長くなるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、焼き付きなどの不具合のない高品質のガラス光学素子を短いサイクルタイムで成形できるとともに、型などの成形部材の酸化による劣化を最小限にとどめて光学素子のコストを削減することのできる光学素子の成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明の光学素子の成形方法は、ガラス素材を加熱軟化して一対の成形用型で所望の形状に押圧成形する光学素子の成形方法において、ガラス素材を予め軟化点付近の温度まで加熱する予備加熱工程と、前記ガラス素材をガラス転移点以下の温度まで加熱した一対の成形用型間に搬送した後、前記ガラス素材をガラス転移点以下の温度まで冷却しながら押圧する予備成形工程と、押圧しながら前記ガラス素材と前記一対の成形用型をガラス素材の屈伏点付近の温度まで加熱する加熱工程と、前記ガラス素材と前記一対の成形用型を前記屈伏点付近の温度に一定時間保ちつつ前記ガラス素材を押圧して光学素子を成形する成形工程と、前記光学素子と前記一対の成形用型を略等温に保った状態で冷却する冷却工程と、前記光学素子と前記一対の成形用型がガラス転移点以下になった時点で強制的に前記一対の成形用型から前記光学素子を離型させる離型工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ガラス素材を軟化点付近まで加熱するため、光学素子の成形初期にガラス素材を低い圧力で大きく変形させることができる一方、成形用型の温度はガラス転移点以下と低いため、光学素子を短時間で焼き付き等の不具合なく成形できる。また、型温度とガラス素材の温度を等温に近い状態で、ガラス転移点付近から屈伏点までわずかに上昇させるので加熱昇温に時間がかからず、成形のサイクルタイムを短縮することができる。さらに、光学素子と成形用型とがガラス転移点以下になるまで冷却を行った後、離型手段により強制的に離型を行うため高精度なガラスレンズを成形できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
(構成)
本発明の実施の形態1の光学素子の成形機の構成を図1から図5に示す。図1は成形機の側面断面図である。図2は成形機の型セット周辺の拡大断面図である。図3はガラス素材の搬送系の配置を示す上面図である。図4(a)、図4(b)はそれぞれ型セットを構成するスリーブの正面および側面から見た斜視図である。図5(a)、図5(b)はそれぞれ搬送アームの正面図および平面図である。
【0015】
上型1a、下型1b、スリーブ1cよりなる型セット1はパージ室20内に配置されている。上型1aおよび下型1bは、パージ室20の上壁面を貫通させた上軸2および下壁面を貫通させた下軸3のそれぞれの先端に固定されて上下に対向配置されており、上軸2および下軸3は、それぞれ駆動のための上軸シリンダ13および下軸シリンダ15に固定されている。上軸シリンダ13はパージ室20の上壁面上に取付部材を介して固定され、下軸シリンダ15はべース30上に固定されている。本実施の形態では、型セット1、上軸2、下軸3、上軸シリンダ13、下軸シリンダ15により成形手段を構成してある。
【0016】
上型1aおよび上軸2の周囲には、リング状のランプヒータ4aとこれを取り囲むように反射板5aが配置されている。反射板5aは反射板固定具6aを介してパージ室20の上壁面に固定され、ランプヒータ4aはランプヒータ固定具7aを介して反射板固定具6aに固定されている。パージ室20は、支柱31によってべース30に固定されている。
【0017】
一方、下型1bおよび下軸3の周囲には、リング状のランプヒータ4bとこれを取り囲むように反射板5bが配置されている。反射板5bは反射板固定具6bを介してパージ室20の下壁面に固定され、ランプヒータ4bはランプヒータ固定具7bを介して反射板固定具6bに固定されている。ランプヒータ4aおよび4bは、型セット1およびガラス素材をガラスの軟化点付近まで加熱する能力を有するものであればよい。本実施の形態では、ランプヒータ4a,4bおよび反射板5a,5bにより加熱手段を構成してある。
【0018】
また、ランプヒータ4bの上部には、型セット1を取り囲むように、冷却手段としてのリング状の冷却ブロー32が設けられ、図示されない配管により非酸化性の気体(ここでは窒素)を供給できるようになっている。冷却ブロー32の内周側には、ガラスレンズを冷却するための窒素ガスを噴出する孔が多数設けられている。
【0019】
スリーブ1cは、図4(a)、図4(b)に示すように、円筒状の本体1gの両側面に大きな穴1dを有するものである。本体1gは上型1a、下型1bの位置決めや、摺動時のガイドの役目をなし、穴1dは、後述する搬送アーム26がスリーブ1c内に進入する目的と、離型リング8によりスリーブ1cを支持する目的のために設けられている。
【0020】
また、上型1aの先端部を一部近接して囲むように配置された離型リング8は、パージ室20の上壁面を貫通させたリング支持棒9を介してパージ室20の外部にある固定板10に取付けられており、固定板10は成形されたガラスレンズを離型させるための離型エアシリンダ11に固定されている。リング支持棒9、上軸2および下軸3がパージ室20を貫通する部分には、それぞれ軸シールリング12、軸シール14aおよび軸シール14bが設けられ、空隙をシールすることによりパージ室20の気密性を確保している。本実施の形態では、離型リング8と離型エアシリンダ11により離型手段を構成してある。
【0021】
パージ室20の側面には、ガラス素材の搬入と、成形したレンズの搬出を行うための開口部20aが設けられており、開口部20aには前記搬入と搬出の際に開閉動作される第1シャッター18が設けられている。第1シャッター18には継手17を介して、パージ室20の内部上壁面に固定されている第1シャッター開閉シリンダー16の動作が伝達されて軸部18aを中心に回動操作される。パージ室20の開口部20aの第1シャッター18と接する部分には、パージ室20の気密性を確保するためにシャッターシールリング19が設けられている。
【0022】
パージ室20の開口部20aには、予備室21がその一端側の開口部を連結して設けられており、予備室21の他端側の開口部には、予備室21の気密性を確保するために第2シャッター22が設けられている。第2シャッター22は、開閉駆動用の第2シャッター開閉シリンダ23に取付けられて上下方向に開閉可能となっており、第2シャッター開閉シリンダ23は成形機のべース30に固定されている。パージ室20、予備室21には図示しない配管が接続され、内部に非酸化性の気体(ここでは窒素)を供給できるようになっている。
【0023】
予備室21と型セット1とを結ぶ延長線上には、成形前のガラス素材および成形したガラスレンズを搬送するための搬送手段としての搬送アーム26が、図示しない位置決めロボットによりパージ室20に対して出入移動可能に設置されている。搬送アーム26の先端には、図5(a)および図5(b)で示すように、段部25aを有する略U字形状の開口を備えた搬送爪25が設けられている。搬送爪25は、その段部25aに搬送ホルダ34を載置し、ガラス素材やガラスレンズを搬送するものである。搬送アーム26の断面形状は、0.2mmから0.5mmのクリアランスをもって、予備室21内部の断面形状に対応しており、搬送アーム26が予備室21に挿入された際には、予備室21の開口部を閉塞し得るようになっている。
【0024】
搬送ホルダ34は、図2に示すように、内部にガラスレンズ(ガラス素材を含む。以下同じ)の収納部34aを有する円筒形状に形成され、その内周下部にはガラスレンズ33を載置する載置部34bが下型1bの成形部を挿通可能な大きさの穴34cを形成するように設けられている。
【0025】
予備室21と型セット1とを結ぶ延長線上で予備室21の外側には、突き上げ28とこの突き上げ28を上下駆動する突き上げシリンダ29が設けられており、突き上げシリンダ29はべース30上に固設されている。突き上げ28は、ガラス素材やガラスレンズを搬送する搬送ホルダ34を搬送爪25に載置したり、後述する加熱炉27に搬入するためのものである。
【0026】
突き上げ28の上方には、ガラス素材を予め加熱するための予備加熱手段としての加熱炉27が加熱炉支持板24を介して、べース30に固定されている。加熱炉27は、ガラス素材をガラスの軟化点付近まで加熱する能力を有するものであれば、抵抗加熱炉、ランプヒータ等その種類は問わない。
【0027】
また、図示はしないが、搬送アーム26の搬送爪25上に、ガラス素材を載置した搬送ホルダ34を供給したり、成形したガラスレンズを載置した搬送ホルダ34を搬送爪25から回収したりする搬送ホルダ供給回収装置が、予備室21と型セット1とを結ぶ延長線上で加熱炉27に関して予備室21の反対側に設置されている。
【0028】
なお、型セット1と搬送ホルダ34には耐熱性に優れるWCを用いた。
【0029】
(作用)
上記構成の成形機を用いて、ガラスレンズを成形する工程を説明する。
図示しない配管を通じてパージ室20、予備室21に窒素ガスが導入され、100ppm以下の窒素雰囲気に保たれている。また、上型1aおよび下型1bはランプヒータ4a、4bにより予めガラス素材のガラス転移点以下の温度まで加熱されている。
【0030】
ガラス素材を載置した搬送ホルダ34が、図示しない搬送ホルダ供給回収装置により、搬送アーム26先端の搬送爪25上に載置されている。図示しない位置決めロボットにより搬送アーム26が前進し、搬送ホルダ34が突き上げ28の直上に位置した時点で停止する。突き上げシリンダ29を駆動し、突き上げ28を上昇させてガラス素材を搬送ホルダ34ごと搬送爪25から加熱炉27内部に搬入する。このとき、加熱炉27はガラスの軟化点以上の温度(例えば800℃)に設定しておく。ガラス素材が加熱炉27内で軟化点付近の温度まで加熱されたら、突き上げシリンダ29により突き上げ28を下降させて、軟化したガラス素材を載置した搬送ホルダ34を再度搬送爪25上に載置する。
【0031】
第2シャッター開閉シリンダ23を駆動して、第2シャッター22を下降させて予備室21の開口部を開いた直後、搬送アーム26を予備室21内に前進させる。このとき、搬送アーム26と予備室21の間に空隙はほとんどないので、予備室21内の窒素がリークすることはない。
【0032】
次に、第1シャッター開閉シリンダ16を駆動して、継手17を介して第1シャッター18を移動してパージ室20の開口部20aを開き、搬送アーム26をさらに前進させて、搬送爪25に載置された搬送ホルダ34が、スリーブ1cの穴1dを通り型セット1の中央に位置したところで停止させる。
【0033】
次に、下軸シリンダ15を駆動して下型1bを突き上げ、ガラス素材を載置した搬送ホルダ34を搬送爪25から下型1b上に移載し、成形位置まで移動させる。その後、搬送アーム26を予備室21外まで後退させるとともに、第1シャッター18、第2シャッター22を順次閉じて、パージ室20、予備室21内の窒素濃度が低下しないように維持する。図6は、成形工程におけるガラス素材および上型1a、下型1bの温度(以下、型温度という)、ならびにガラス素材に加えられる押圧力の変化を示したものであるが、この時点(予備加熱工程:工程I)のガラス素材の温度と型温度には大きな開きがあり、ガラス素材は搬送ホルダ34の保温効果のために加熱炉27から出された後も温度低下は少なく、低粘度の状態を維持している。
【0034】
上軸シリンダ13を駆動して上型1aを下降させ、下型1bとの間でガラス素材を所望するガラスレンズの概略形状まで押圧成形する(予備成形工程:工程II)。この工程IIでは、図6に示すように、ガラス素材の温度は上型1aとの接触により急激に低下し、型温度はわずかに上昇して等温となるが、ガラス転移点以下のため焼き付きは生じない。
【0035】
概略形状にガラス素材の成形が終了したら、仕上げ成形のために、押圧を続行しながらランプヒータ4a,4bの出力を上げて型温度とガラス素材の温度を屈伏点付近まで上昇させる(加熱工程:工程III)。型温度とガラス素材の温度が屈伏点付近で等温となったら、工程IVのようにソークタイムをとる。工程IIIと工程IV(成形工程)において、概略形状に成形されたガラス素材は、所望する面精度に形状が転写される。
【0036】
仕上げ成形が終了したら、ランプヒータ4a,4bの出力を落とすとともに、型セット1外周に冷却ブロー32より窒素を吹き付けて、型とガラスレンズの等温状態を保ったままガラス転移点以下まで冷却する(冷却工程:工程V)。
【0037】
最後に、型とガラスレンズの温度がガラス転移点以下に達したら、押圧を解除するとともに、上軸シリンダ13により上型1aを上昇させながら離型エアシリンダ11により離型リング8を下降させることにより、離型リング8で搬送ホルダ34およびガラスレンズ33の外周を押さえ、搬送ホルダ34およびガラスレンズ33を下型1b上に残す(離型工程:工程VI)。
【0038】
次に、第1シャッター18、第2シャッター22を開いて、搬送アーム26を前進させ搬送爪25を搬送ホルダ34の直下に挿入する。そして、下軸シリンダ15により下型1bを下降させ、ガラスレンズ33を載せた搬送ホルダ34を搬送爪25上に載置した後、搬送アーム26を後退させて外部に搬出する。搬出されたガラスレンズは、図示しない搬送ホルダ供給回収装置により搬送ホルダ34ごと回収される。
【0039】
また、ガラスレンズの搬出後直ちに上型1aおよび下型1bはランプヒータ4a,4bにより再度ガラス素材のガラス転移点以下の温度まで加熱される。一方、成形工程中には、次に加工されるガラス素材を載置した搬送ホルダ34が、図示しない搬送ホルダ供給回収装置により、搬送アーム26先端の搬送爪25上に載置され、突き上げシリンダ29の駆動により搬送ホルダ34ごと加熱炉27内部に搬入され予備加熱されている。
【0040】
以上の工程を繰り返すことにより、ガラス素材からガラスレンズを次々と成形することができる。
【0041】
(効果)
本実施の形態によれば、ガラス素材からガラスレンズを次々と成形することができ成形効率がよい。また、初期的にガラス素材を軟化点付近まで加熱するため、ガラスゴブやフラットピースのようなガラス素材から凹レンズや凹メニスカスレンズのような中心肉厚の薄いガラスレンズを成形する場合にも、ガラス素材の流動性がよく短時間で成形できる。また、型温度とガラス素材の温度を等温に近い状態で成形、冷却を行うため高精度なガラスレンズを成形できる。さらに、加熱炉27がパージ室20の外にあることでガラスの加熱に伴い発生する酸素によりパージ室20内の酸素濃度が上昇しないこと、シール部材による気密性の向上でパージ室20への外気の流入を抑えたことにより、パージ室20内の酸素濃度を低く抑えることができ、型や治工具の酸化による劣化を防止することができる。
【0042】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の光学素子の成形機の構成を図7、図8に示す。図7はガラス素材の搬送系の配置を示す上面図であり、図8は型セットを構成するスリーブの斜視図である。
【0043】
型セット1は、上型1aと下型1b(図1参照)およびスリーブ1eより構成され、パージ室20内に配置されている。パージ室20には、予備室21を連結した開口部20a(図1参照)を設けた側面と異なる側面(図7の上部側面)にも開口部が型セット1の配置位置に対応させて設けられており、この開口部に連結して予備室41が設けられている。この開口部には、開口部を開閉するシャッターが開口部20aと同様に設けられるとともにシールが設けられ、パージ室20の気密性を確保している。また、予備室41の開口部にも予備室21の開口部と同様にシャッターが開閉可能に設けられている。さらに、予備室41には図示しない配管が接続され、非酸化性の気体(ここでは窒素)を供給できるようになっている。
【0044】
前記スリーブ1eは、図8に示すように、円筒状の本体の四方の側面に大きな穴1fを有している。スリーブ1eの本体は上型1a、下型1bの位置決めや、摺動時のガイドの役目をなし、穴1fは、搬送アーム26および予備室41を挿通してパージ室20内に挿入される後述の搬送アーム43がスリーブ1e内に進入するのと、離型リング8によりスリーブ1eを支持する目的のために設けられている。
【0045】
予備室41と型セット1とを結ぶ延長線上には、成形前のガラス素材および成形したガラスレンズを搬送するための搬送手段としての搬送アーム43が、図示しない位置決めロボットにより移動可能に設置されている。搬送アーム43の先端には、段部42aを形成した搬送爪42が設けられ、搬送ホルダ34を載置してガラス素材やガラスレンズを搬送する。搬送アーム43、搬送爪42および段部42aの形状は、実施の形態1の搬送アーム26、搬送爪25および段部25aの形状と同様である。
【0046】
予備室41と型セット1とを結ぶ延長線上で予備室41の外側には、突き上げ45とこの突き上げ45を上下駆動する突き上げシリンダ(図示省略)が設けられており、この突き上げシリンダはべース30上に固設されている。突き上げ45は、ガラス素材やガラスレンズを搬送する搬送ホルダ34を搬送爪42に載置したり、後述する加熱炉44に搬入するためのものである。
【0047】
突き上げ45の上方には、ガラス素材を予め加熱するための加熱手段としての加熱炉44が加熱炉支持板(図示省略)を介して、べース30に固定されている。
【0048】
また、図示はしないが、搬送アーム43の搬送爪42上に、ガラス素材を載置した搬送ホルダ34を供給したり、成形したガラスレンズを載置した搬送ホルダ34を搬送爪42から回収したりする搬送ホルダ供給回収装置が、予備室41と型セット1とを結ぶ延長線上で加熱炉44に関して予備室41の反対側に設置されている。
その他の構成は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
(作用)
上記構成の成形機を用いて、ガラスレンズを成形する工程を説明する。なお、以下の説明においては必要に応じて図1を参照するものとする。
【0050】
図示しない配管を通じてパージ室20、予備室21、予備室41に窒素ガスが導入され、100ppm以下の窒素雰囲気に保たれている。また、上型1aおよび下型1bはランプヒータ4a、4bにより予めガラス素材のガラス転移点以下の温度まで加熱されている。
【0051】
ガラス素材を載置した搬送ホルダ34が、図示しない搬送ホルダ供給回収装置により、搬送アーム26先端の搬送爪25上に載置されている。図示しない位置決めロボットにより搬送アーム26が前進し、搬送ホルダ34が突き上げ28の直上に位置した時点で停止する。突き上げシリンダ29を駆動し、突き上げ28を上昇させてガラス素材を搬送ホルダ34ごと搬送爪25から加熱炉27内部に搬入する。このとき、加熱炉27および加熱炉44はガラスの軟化点以上の温度(例えば800℃)に設定しておく。ガラス素材が加熱炉27内で軟化点付近の温度まで加熱されたら、突き上げシリンダ29により突き上げ28を下降させて、軟化したガラス素材を載置した搬送ホルダ34を再度搬送爪25上に載置する。
【0052】
以下、ガラス素材をガラスレンズに成形し、搬出する工程は実施の形態1と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0053】
ガラスレンズの搬出後直ちに上型1aおよび下型1bはランプヒータ4a,4bにより再度ガラス素材のガラス転移点以下の温度まで加熱される。一方、成形工程中には、次に成形するガラス素材を載置した搬送ホルダ34を搬送爪42上に載せた搬送アーム43が、図示しない位置決めロボットにより前進し、搬送ホルダ34が突き上げ45の真上に位置した時点で突き上げ45を上昇させてガラス素材を搬送ホルダ34ごと搬送爪42から加熱炉44内部に搬入され予備加熱されている。
【0054】
予備加熱されたガラス素材は、突き上げ45の下降により搬送ホルダ34ごと搬送爪42に再度載置される。
【0055】
以下、このガラス素材に対し実施の形態1と同様の工程で成形加工が行われる。以上の工程を、2個の加熱炉27,44、2個の搬送アーム26,43を交互に用いて繰り返すことにより、ガラス素材からガラスレンズを次々と成形することができる。
【0056】
(効果)
本実施の形態によれば、実施の形態1で得られる効果の他に、加熱炉27,44を2個有することにより一方のガラス素材の成形中に、他方のガラス素材を時間的余裕を持って予備加熱することができたり、搬送アーム26,43を2個有することにより2個のガラス素材を全く独立に扱うことができるため、ガラス素材からガラスレンズをさらに効率よく次々と成形することが可能である。
【0057】
なお、上記した具体的実施の形態から次のような構成の技術的思想が導き出される。
(付記)
(1)ガラス素材を加熱軟化して一対の成形用型で所望の形状に押圧成形する光学素子の成形方法において、大気中でガラス素材を予め軟化点付近の温度まで加熱する予備加熱工程と、前記ガラス素材をガラス転移点以下の温度まで加熱した一対の成形用型間に搬送した後押圧する予備成形工程と、押圧しながら前記ガラス素材と前記一対の成形用型をガラス素材の屈伏点付近の温度まで加熱する加熱工程と、前記ガラス素材と前記一対の成形用型を前記屈伏点付近の温度に一定時間保ちつつ前記ガラス素材を押圧して光学素子を成形する成形工程と、前記光学素子と前記一対の成形用型を略等温に保った状態で冷却する冷却工程と、前記光学素子と前記一対の成形用型がガラス転移点以下になった時点で強制的に前記一対の成形用型から前記光学素子を離型させる離型工程と、からなり、前記予備成形工程から離型工程までは非酸化雰囲気中で行うことを特徴とする光学素子の成形方法。
【0058】
(2)前記成形工程によるガラス素材の押圧中に、次に成形するガラス素材を予備加熱することを特徴とする付記(1)記載の光学素子の成形方法。
【0059】
(3)ガラス素材を予め軟化点付近の温度まで大気中で加熱する予備加熱手段と、一対の成形用型を加熱する加熱手段と、前記ガラス素材を前記一対の成形用型により押圧し光学素子を成形する成形手段と、加熱した前記ガラス素材を前記一対の成形用型間に搬送するとともに、成形された光学素子を前記一対の成形用型間から搬出する搬送手段と、前記光学素子と前記一対の成形用型を略等温に保った状態で冷却する冷却手段と、前記光学素子と前記一対の成形用型がガラス転移点以下になった時点で強制的に前記一対の成形用型から前記光学素子を離型させる離型手段と、からなり、前記加熱手段と成形手段と冷却手段および離型手段は非酸化性雰囲気中に配置したことを特徴とする光学素子の成形装置。
【0060】
(4)前記予備加熱手段および搬送手段は、1または2つ設けたことを特徴とする付記(3)記載の光学素子の成形装置。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラス素材を軟化点付近まで加熱するため、光学素子の成形初期にガラス素材を低い圧力で大きく変形させることができる一方、成形用型の温度はガラス転移点以下と低いため、光学素子を短時間で焼き付き等の不具合なく成形できる。また、型温度とガラス素材の温度を等温に近い状態で、ガラス転移点付近から屈伏点までわずかに上昇させるので加熱昇温に時間がかからず、成形のサイクルタイムを短縮することができる。さらに、光学素子と成形用型とがガラス転移点以下になるまで冷却を行った後、強制的に離型手段により強制的に離型を行うため高精度なガラスレンズを成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の成形機の側面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の成形機の型セット周辺の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1のガラス素材の搬送系の配置を示す上面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の型セットを構成するスリーブを示し、図4(a)は正面から見た斜視図および図4(b)は側面から見た斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1の搬送アームを示し、図5(a)は正面図および図5(b)は平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の成形工程を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2のガラス素材の搬送系の配置を示す上面図である。
【図8】本発明の実施の形態2の型セットを構成するスリーブを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 型セット
1a 上型
1b 下型
4a,4b ランプヒータ
5a,5b 反射板
8 離型リング
11 離型エアシリンダ
13 上軸シリンダ
15 下軸シリンダ
20 パージ室
21,41 予備室
25,42 搬送爪
26,43 搬送アーム
27,44 加熱炉
32 冷却ブロー
33 ガラスレンズ
34 搬送ホルダ
Claims (1)
- ガラス素材を加熱軟化して一対の成形用型で所望の形状に押圧成形する光学素子の成形方法において、ガラス素材を予め軟化点付近の温度まで加熱する予備加熱工程と、
前記ガラス素材をガラス転移点以下の温度まで加熱した一対の成形用型間に搬送した後、前記ガラス素材をガラス転移点以下の温度まで冷却しながら押圧する予備成形工程と、
押圧しながら前記ガラス素材と前記一対の成形用型をガラス素材の屈伏点付近の温度まで加熱する加熱工程と、
前記ガラス素材と前記一対の成形用型を前記屈伏点付近の温度に一定時間保ちつつ前記ガラス素材を押圧して光学素子を成形する成形工程と、
前記光学素子と前記一対の成形用型を略等温に保った状態で冷却する冷却工程と、
前記光学素子と前記一対の成形用型がガラス転移点以下になった時点で強制的に前記一対の成形用型から前記光学素子を離型させる離型工程と、
を有することを特徴とする光学素子の成形方法。
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