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JP3852121B2 - 光学素子成形型設計方法および光学素子成形型設計支援システム - Google Patents

光学素子成形型設計方法および光学素子成形型設計支援システム Download PDF

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JP3852121B2 JP26595595A JP26595595A JP3852121B2 JP 3852121 B2 JP3852121 B2 JP 3852121B2 JP 26595595 A JP26595595 A JP 26595595A JP 26595595 A JP26595595 A JP 26595595A JP 3852121 B2 JP3852121 B2 JP 3852121B2
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光正 根岸
裕章 井口
裕嗣 高瀬
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/16Gearing or controlling mechanisms specially adapted for glass presses

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形後に、研削、研磨を必要としない光学素子を製造するための、成形型の設計手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種各様の形状を有する光学素子、特に、非球面形状を有する光学素子を製造するためには、光学ガラス材料を加熱、軟化して、成形を行い、その後、冷却する製法が行われていた。また、かかる成形工程においては、成形型が有する形状が、高精度に、光学ガラス材料のガラス面に転写されるため、成形型の設計は、光学素子の設計形状に合わせるように行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に、成形型形状と、成形した光学素子の面形状は一致しない。この理由は、成形型の材料やガラス材料の熱変形、さらには、成形した光学素子内部の、温度分布によって生ずる熱応力の発生に起因することが一般に知られている。特に、成形時にはガラス材料の内部に発生し、冷却後には残留する「応力」は、成形後に、光学素子の面形状のゆがみ、いわゆる「ひけ」の原因となり、光学素子の形状が、設計目標とする形状と一致しないことになる主たる要因となっている。
【0004】
仮に、成形時のガラス材料の内部の温度、応力等の状態を計測することができれば、製造される光学素子の形状の、設計目標値からの変化量を予測することができ、この予測から、変形量を考慮して補正した成形型を製造しておくことが可能となる。しかし、一般に、ガラス材料内部の温度、応力等の状態を計測することは不可能であるため、上記のような予測は、有限要素法等による熱変形シミュレーションに頼らざるを得なくなってしまう。
【0005】
ところで、かかる熱変形シミュレーションを行う場合、最も重要なことは、正確なシミュレーションモデルを作成することであるが、ガラス材料は、熱膨張係数等の諸特性が、非線形、かつ、温度関数となることを考えると、正確なモデルを作成することは非常に困難であり、単に、熱変形シミュレーションを行うだけでは、製造される光学素子の形状の、設計目標値からの変化量を予測することはできない。
【0006】
これらの理由により、光学素子の形状が、所望の設計値を有するようにするためには、シミュレーションを使用せず、成形により得られた光学素子の面形状のデータから形状の変化を予測し、成形型を補正しながら、成形型の形状を最適化する作業を行うのが、今まで行ってきた設計手法であった。すなわち、前記予測を行うためには、少なくとも一度は、成形作業を行う必要があり、また、予測結果が設計時における許容範囲を逸脱した場合には、成形型の修正・加工作業を複数回も行う必要があり、非常に多くの工数、コスト、時間等を要する作業を行っていた。
【0007】
そこで、本発明は、少ない工数で、高精度の成形型を製造する手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の手段がある。
【0009】
即ち、光学ガラス材料を用いて、所望の形状を有する光学素子を成形するための成形型を設計する方法であって、まず、前記光学ガラス材料の熱膨張係数を定める熱膨張係数同定処理を行い、次に、求めた熱膨張係数を用いて、室温時の成形型を、熱変形シミュレーションによって求める成形型シミュレーション処理を行う光学素子成形型設計方法である。
【0010】
さらに、前記熱膨張係数同定処理は、具体的には、2系統に大別され、第1の系統は、既に製造してある成形型を用いて光学ガラス材料を成形して光学素子を製造する工程と、該光学素子を、所定の温度パターンで加熱、冷却するアニール工程と、該アニール工程後の光学素子の形状を測定する測定工程と、を含んで構成する。そして、第2の系統は、前記成形型の形状を測定する工程と、前記成形型の、所定の温度状態における成形型形状を、熱変形シミュレーションによって求める型変形計算工程と、前記光学ガラス材料の熱膨張係数を仮に与え、該型変形計算工程で求めた成形型形状と仮入力した熱膨張係数とを用いて、室温時の前記光学ガラス材料の形状を、熱変形シミュレーションによって求める材料形状計算工程とを含んで構成し、さらに、第1の系統の測定工程による測定結果と、第2の系統における材料形状計算工程による熱変形シミュレーションとの差が所定範囲内となる、熱膨張係数を定める工程を有する、光学素子成形型設計方法である。
【0011】
さらに、前記成形型シミュレーション処理は、具体的には、予め所望形状に設計した光学ガラス材料の形状と、前記熱膨張係数同定処理で定めた熱膨張係数とを用いて、所定の温度状態における光学ガラス材料の形状を、熱変形シミュレーションによって求める材料変形計算工程と、該工程によって求めた光学ガラス材料の形状から、室温時の成形型の形状を熱変形シミュレーションによって求める成形型設計工程とを含む、光学素子成形型設計方法である。
【0012】
なお、前記所定の温度状態は、前記光学ガラス材料が転移点にある温度状態であることが好ましい。
【0013】
また、以下のようなシステムの態様も考えられる。
【0014】
即ち、光学素子の成形型の設計支援システムであって、与えられた熱膨張係数を少なくとも入力するための入力手段と、成形型の設計支援の処理を行う処理手段と、処理結果を表示する表示手段とを備える。
【0015】
該処理手段は、予め仮設計した光学ガラス材料の形状と、与えられた熱膨張係数とを用いて、所定の温度状態における光学ガラス材料の形状を、熱変形シミュレーションによって求める材料変形計算処理、および、該処理によって求めた光学ガラス材料の形状から、室温時の成形型の形状を熱変形シミュレーションによって求める成形型設計処理を行うシステムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概要を説明し、その後具体的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
光学素子の有する成形面が、所望の設計値に精度良く対応するような成形型を得るために鋭意研究を重ねた結果、まず、光学ガラス材料を成形した後の工程として、アニール処理を付加し、さらに、成形状態として、室温時と成形温度時の2状態のみを考慮し、さらにまた、熱膨張係数は、温度によらず固定値をとるとした仮想的な物理量とした。
【0018】
そして、このような条件下において、例えば、有限要素法を用いた熱変形シミュレーションによって設計した成形型で、光学ガラス材料を成形することによって、光学素子の成形面形状が、容易に、設計値の許容範囲内となることを見いだした。これを詳しく説明すると、以下のようになる。
【0019】
一般に、成形は、温度、成形圧力、成形時間等の緒条件が最適化された場合、その条件下で、繰り返し行うことにより、成形品が得られる。同じ硝種において、成形する光学素子の形状が異なれば、成形圧力、成形時間等の条件も、多少異なるものになるが、良好な成形結果が得られるガラスの粘度値は、限られた範囲内に存在するので、成形温度は、光学素子の形状が異なっても同等となる。
【0020】
また、成形された光学素子面の全面において、設計値通りの良好な形状が得られるためには、成形面全体が、ある温度範囲内にあることが予想される。さらに、成形圧力が、除圧されていく時の温度は、ガラス転移点(Tg点)以上では塑性変形が起こる可能性があるため、弾性変形域であるTg点以下まで、除圧は行われないのが一般的である。
【0021】
さらに、高温のガラスが急激に冷却された場合に発生する、内部応力、即ち、永久歪みや、該歪によって発生する不均一な屈折率分布を除去する目的で、光学ガラス材料は、徐冷点(内部歪が除去できる温度)付近まで加熱して保持され、歪み点(ガラス材料の粘性流動が開始し、歪が除去できる温度)まで、ゆっくりと冷却する処理である、アニール処理を施すようにする。
【0022】
除圧直後の光学ガラス材料は、その内部に温度分布を有しており、室温まで急激に冷却される際には、材料の内部に熱応力の発生とともに、歪みが生じることが予想されるが、後工程にアニール処理が付加される場合には、アニール処理により、ガラス材料の内部の歪みは除去されるので、最終的な形状に対する歪みの影響は考慮する必要がなくなる。すなわち、これらのことから、アニール工程を含めた、成形の最適条件下では、Tg点付近の除圧温度での成形型の形状が、そのまま、ガラス材料に転写されると考えることができる。
【0023】
本来、成形は、各種の非線形な要素を含むものの、上述した仮定を設けることにより、Tg点付近の除圧温度での状態と、室温における状態との2状態のみを考慮すれば良く、夫々の状態は、定常状態であると仮定することができる。
【0024】
また、熱膨張係数は、非線形であり、温度特性を有する物理量であるが、上述したように、成形は、同じ条件下で繰り返し行われるので、成型時の熱膨張係数の変化の履歴は等しいことから、熱膨張係数は、温度によらず固定値をとるものと仮定する。ただし、このように仮想的な熱膨張係数を得るためには、実際の成形型の形状データと、成形されたガラス面の形状データとから熱膨張係数を定める、熱膨張係数の同定作業が必要となる。ただし、ある硝種において求めた、この熱膨張係数は、同種のガラス材料であれば、他の成形形状にも応用できるため、熱膨張係数の同定作業は、1硝種につき1回のみでよい。
【0025】
そして、熱膨張係数の同定作業の後に、求めた熱膨張係数を用いて、室温時の成形型を、熱変形シミュレーションによって求める。
【0026】
このように、本発明によれば、成形形状の変化を予測するための成形作業や、成形型形状の修正作業が不要となり、光学素子製品の納期の大幅な短縮が可能となる。また、前述したような熱膨張係数を導入することによって、シミュレーション等の計算が簡易化され、短時間で行うことができるため、多種多様な成形形状や硝種への対応も、時間制約なく行うことができる。
【0027】
以下、本発明にかかる実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、本発明を適用したシステムの構成例について説明し、その後、成形型の設計方法について説明する。
【0029】
図7に、本発明にかかるシステム構成を示す。本システムは、高精度の成形型の設計を支援する支援システムとして機能する。
【0030】
本システムは、所定の指示を行うコマンドや熱膨張係数等の物理量を入力するための入力装置16と、シミュレーション結果や形状測定結果等を表示する表示装置12と、各種の演算や表示処理等を行う演算・処理装置14と、与えられた成形型や成形されたガラス材料の呈する形状を測定するための形状測定機18と、を有して構成される。
【0031】
形状測定機18が測定したデータは、通信ケーブルを介して、演算・処理装置14に、入力される。なお、入力装置16によって、計測モードを指定したとき、測定データが、形状測定機18から演算・処理装置14に入力されるように構成しておけば良い。形状測定機18は、測定対象に接触して測定するためのプローブと、プローブの検出信号を信号処理して、形状データとして出力するための信号処理部と、を有して構成される、いわゆる接触式測定器を用いれば良い。
【0032】
以下、この接触式測定器を用いた形状測定機18を想定する。
【0033】
また、演算・処理装置14は、入力される指示を受け付けて解釈して、入力される指示に従った処理、例えば、自身が演算した結果等を、表示装置12に表示する表示処理等を行う。
【0034】
また、演算・処理装置14は、熱膨張係数を同定する演算や、成形型および成形後ガラス材料形状の、室温、転移点の2点間における、熱変形シミュレーション等を行う機能を有している。
【0035】
かかる熱変形シミュレーションとしては、公知の手法で比較的良く利用されているもの、例えば、対象物を複数の要素に分割して、各要素が有する節点に関する連立方程式を解いて、熱変形量を求める有限要素法シミュレーションを採用すれば良い。熱変形シミュレーションに必要な、対象物の形状や、対象物の熱膨張係数、シミュレーションを行う温度等のパラメータは、入力装置16を介して、演算・処理装置14に与えられる。
【0036】
演算・処理装置14は、予めプログラムを内蔵しておくROM、ROMに内蔵されたプログラムに従って所定の演算や処理を行うCPU、少なくともワークエリアとして機能するメモリ等の電子デバイスにて実現可能である。
【0037】
熱変形シミュレーションを始めとする、本発明の設計方法は、プログラムの形で、予めROM等に内蔵した構成としておけば良い。
【0038】
また、入力装置を介して与えられるコマンドに従って、本発明にかかる方法を実現するプログラムが実行開始される。
【0039】
なお、入力装置16は、キーボード、マウス等によって実現可能であり、表示装置12は、CRT、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等によって実現可能である。図示しないが、演算結果を出力するための印字装置等を備えた構成にしても良い。
【0040】
次に、本発明の理解の容易化のため、成形型を用いたガラス材料の成形処理の概要について述べておくことにする。
【0041】
図1は、ガラスブランクを成形するために、成形型にガラスブランクをセットした状態(室温時)を示した図面である。
【0042】
1は、成形を行うガラス材料であるガラスブランク、2、3は、夫々、成形上型、成形下型である。また、4は、スリーブ、5は、載せ台、6は、押し込みロッドである。
【0043】
載せ台5には、スリーブ4が設置されている。スリーブ4内において、成形下型3と成形上型2とは、対向するように設けられており、ガラスブランク1を成形するために、成形上型2および成形下型3の間に、ガラスブランク1を挾んだ状態で、ガラスブランク1をセット可能である。
【0044】
成形上型2の移動は、載せ台5に設置されたスリーブ4で規制され、成形上型2が上下方向に移動可能に構成されている。
【0045】
そして、実際の成形時には、押し込みロッド6が、図示しない機械の駆動によって押し込まれ、成形上型2が下方に移動して、ガラスブランク1を押圧し、成形動作を行う。
【0046】
ガラスブランク1としては、例えば、弗リン酸系光学ガラスを用い、ガラスブランク1の形状は、図1に示す様に、球状とすれば良い。また、スリーブ4内の、成形上型2および成形下型3は、例えば、WC合金製の型である。そして、弗リン酸系光学ガラスを球形にしたガラスブリンク1は、WC合金製の成形上型2および成形下型3に、挾まれた状態でセットされる。
【0047】
以上が、成形型を有して構成される成形機の構成の概要と、成形対象となるガラス材料であるガラスブランクの、室温時でのセット状態である。
【0048】
さて、実際の成形条件の一例を、図2に示す。
【0049】
図2において、横軸は「時間(単位:分)」、縦軸は「温度(単位:℃)」を表す。
【0050】
図2を参照して分かるように、図1に示した成形機を、不活性ガス雰囲気中で、10分後に480℃になるまで加熱する。そして、型、ガラスブリンク等が、温度480℃で、熱均衡がとれた点(時間、20分)で、加圧加重100(kgf/cm2)で、5分間成形を行う(時間20〜25分)。即ち、押し込みロッド6を駆動して、成形上型2を下方に移動する。その後、430℃まで温度を下げた点(時間29分)で除圧し、さらに、温度を室温まで急激に下げる、いわゆる急冷を行う。
【0051】
そして、急冷した光学素子に対しては、アニール処理を行う。このアニール処理を施すことによって、光学素子の内部歪みが取り除かれ、屈折率の分布に偏りがなくなり、一様な屈折率分布を呈するようになる。
【0052】
図8に、アニール処理の条件の一例を示す。
【0053】
横軸には「時間(hour)」、縦軸には「温度(℃)」をとり、時間経過に対応させて変化させる温度パターンを示している。
【0054】
図に示すように、5時間で、400(℃)まで温度を上昇し、29時間まで、温度を一定に保った後、さらに、79時間までに、温度を400(℃)から350(℃)まで、ゆっくりと冷却する。その後、温度を室温まで下げる。
【0055】
このような温度パターンで、光学素子の加熱、冷却を行うことによって、光学素子の内部歪みを取り除く、アニール処理が行われる。
【0056】
さて、本実施例で説明するために採用する光学素子の設計形状を3種類とし、夫々の形状を、図3、図4、図5に示す。
【0057】
図3に示す設計形状は、1方の曲率半径9(mm)(R9)、他方の曲率半径11(mm)(R11)、厚さ6(mm)、口径13(mm)の球面レンズであり、図4に示す設計形状は、1方の曲率半径20(mm)(R20)、他方の曲率半径7(mm)(R7)、厚さ5(mm)、口径12(mm)の球面レンズであり、さらに、図5に示す設計形状は、1方の曲率半径7(mm)(R7)、他方の曲率半径25(mm)(R25)、厚さ4(mm)、口径11(mm)の球面レンズである。なお、本実施例中では説明しないが、非球面レンズを設計対象としても良く、むしろ、成形型の設計が一般に難しい、非球面レンズの成形型設計に本発明を適用した方がその効果は大きい。
【0058】
なお、図3〜図5に示すように、3種類の設計形状を例にとって説明するのは、本発明が、各種の形状を有する光学素子に対する成形型の設計に適用可能なことを示すためである。
【0059】
さて、図6等を参照しつつ、本発明における処理の概要について説明する。
【0060】
なお、本処理は、前述したシステムに、入力装置16を介して、特定のコマンドを与える操作を行うことによって、システムが備える演算・処理装置14により実行される。
【0061】
本発明において用いる仮想的な熱膨張係数の、同定処理は、図3に示す光学素子に対して行った。なお、熱膨張係数の同定処理は、以下の処理手順によって行われる。以下、これらの処理手順について、図面を参照しつつ説明する。
【0062】
図7、ステップ10において、まず、以前に、当該硝種で、熱膨張係数の同定のシミュレーションを行っているか否かを判断する。以前に、当該硝種で、熱膨張係数の同定のシミュレーションを行っておれば、そのデータを当該硝種に対する熱膨張係数とし、行っていない場合には、ステップ20に進む。
【0063】
(1)ステップ20において、接触式測定器を用いて、成形上型、成形下型の夫々の形状を測定する。このようなデータは、前記演算・処理装置に送られ、格納される。
【0064】
(2)得られた形状測定データを、室温における初期状態のものとし、WC合金の熱膨張係数、Tg点(転移点)の温度をパラメータとして与え、有限要素法を用いた熱変形シミュレーションで、Tg点における成形型の形状を、上型および下型の夫々について求める(ステップ30)。
【0065】
このシミュレーションの概念を図9を参照して説明する。
【0066】
なお、図9では、成形対象となるガラスと、成形型のうちの上型を図示している。そして、実線、点線は、夫々、室温時、昇温時(例えば、転移点)の形状を示している。
【0067】
ステップ30は、室温時の、成形型の形状「d」が、転移点(Tg点)まで温度上昇した時の形状「c」を、熱変形シミュレーションによって求める処理である。
【0068】
(3)求められた成形型の形状が、ガラス(ブランク)に転写されると仮定する。そして、成形型の形状を初期状態とし、ガラスの仮想的な熱膨張係数を仮入力し、有限要素法を用いた熱変形シミュレーションによって、室温における光学素子の形状を求める。
【0069】
即ち、ガラスの熱膨張係数を仮入力し(ステップ40)、Tg点における成形型のシミュレーション結果と、仮入力したガラスの熱膨張係数とから、室温時のガラス形状を、シミュレーションによって求める(ステップ50)。
【0070】
このシミュレーションの概念を図9を参照して説明する。
【0071】
Tg点における成形型の形状「c」が、高精度に、ガラス面に転写されるとすると、ガラスは、図9「b」に示す形状を有するように成形される。そして、「b」に示す形状を有するガラスが、室温になったときの形状「a」を、シミュレーションで求める。なお、形状「a」は、前記仮入力されたガラスの熱膨張係数に対するものである。
【0072】
(4)一方、最適条件により成形を行い、成形された光学素子にアニール処理を施した後に、その形状を接触式測定器を用いて測定する。測定は、光学素子の両面に対して行う。
【0073】
即ち、成形型を用いてガラス材料を成形して光学素子を製造し(ステップ90)、該光学素子に対して、前述したアニール処理を施し(ステップ100)、さらに、成形後のガラス形状、すなわち、光学素子の形状の測定を行う(ステップ110)。
【0074】
(5)測定により得られた光学素子の形状データと、シミュレーションによって求められた形状データを比較し、両データの差が、光学素子の設計許容範囲内の値となるまで、仮想的な熱膨張係数の同定処理を行う。
【0075】
即ち、ステップ110において求めた、光学素子の形状測定データと、ステップ50において求めた、光学素子の形状シミュレーションデータとを比較処理し、両データの差が、所定範囲以内になるか否かを判断する。
【0076】
両データの差が、所定範囲以内であれば、ステップ40にて仮入力した熱膨張係数を、当該硝種に対する熱膨張係数として定め、逆に、両データの差が、所定範囲以内にならなければ、ステップ40からの処理を繰返し、両データの差が、所定範囲以内となるように、当該硝種に対する熱膨張係数を定める。
【0077】
発明者が、光源がg線である干渉計を採用して、明、暗縞が同心円状に並ぶニュートンリングを観測した。すなわち、仮想的な熱膨張係数を用いたシミュレーションで得られた光学素子の形状と、実際に成形された光学素子の形状との形状差を、干渉計を用いて比較した結果、光学素子の上下面とも、ニュートンリングで、縞1本以内であることを確認した。
【0078】
この結果、仮想的に求めた熱膨張係数を用い、シミュレーションによって求めた形状が、充分実用に耐えうる設計許容範囲内にあることが判る。
【0079】
さらに、以上に述べてきた処理を、図4に示す形状を有する光学素子に対して行った結果、求めた仮想的な熱膨張係数は、図3に示す形状を有する光学素子に対する、仮想的な熱膨張係数の「±1(%)」以内の値となることが分かった。
【0080】
したがって、前述してきた仮想的な熱膨張係数は、同一種類のガラス材料であれば、形状がいかなるものであっても適用可能であることも確認された。
【0081】
次に、図3に示す形状を有する光学素子に対して求めた、仮想的な熱膨張係数を用いて、所望の設計値を有する光学素子の形状が得られるような、成形型の形状を、以下の処理手順によって求めた。ここで、求めた成形型の形状は、上述した同定処理おいて、同定対象とした形状とは異なるもの、即ち、図5に示す形状を有する光学素子に対するものである。
【0082】
以下、成形型のシミュレーションについて説明する。
【0083】
なお、以下の処理も、入力装置を介して所定のコマンドを入力することによって、演算・処理装置によって実行される。
【0084】
(1)まず、設計時のガラス形状と、仮想的な熱膨張係数とから、Tg点におけるガラス形状を、有限要素法を用いた熱変形シミュレーションにより求める(ステップ70)。即ち、Tg点における、光学素子が有する上下面の形状を求める。
【0085】
このシミュレーションの概念を図9を参照して説明する。
【0086】
室温時における、ガラスの設計形状を「a」として、Tg点におけるガラス形状である「b」を、シミュレーションにより求める処理である。
【0087】
(2)Tg点におけるガラス形状から、室温時の成形型の形状をシミュレーションによって求める(ステップ80)。
【0088】
即ち、ステップ70において得られたガラス形状は、高精度に成形型の形状が転写されているとし、有限要素法を用いた熱変形シミュレーションによって、室温における成形型の形状を、上型、下型の夫々について求める。
【0089】
このシミュレーションの概念を図9を参照して説明する。
【0090】
Tg点における、ガラスの形状を「b」とし、この形状が、Tg点における成形型の形状「c」が転写されたものとする。そして、Tg点における成形型の形状「c」の、室温時における形状「d」を求めれば、この形状「d」が、求める成形型の形状である。
【0091】
発明者は、このようなシミュレーションによって得られた成形型を使用して、ガラスブランクの成形を行い、前述の干渉計を使用して、シミュレーションの妥当性の確認作業を行った。そして、成形された光学素子の形状と、設計値とを比較してみた結果、その差は、光学素子の上下面とも、ニュートンリングで縞1本以内となり、設計許容範囲内であることを確認した。
【0092】
以上の処理によって、成形型の設計をシミュレーションによって、容易、迅速、高精度に行うことが可能となる。なお、図9のシミュレーション概念の説明は、理解の容易化のため、成形上型のみを図示して説明したが、全く同様な説明が、成形下型について行えることは、言うまでもない。
【0093】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明によれば、ガラス材料を、高精度で所望の形状を有する光学素子に成形する成形型を、少ない工数、短コストで設計することが可能になる。その結果、光学素子のコスト低減や納入期間の大幅な削減も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス材料の成形を行うための、室温時におけるセット状態を示す説明図である。
【図2】成形条件例の説明図である。
【図3】光学素子の形状例の説明図である。
【図4】光学素子の形状例の説明図である。
【図5】光学素子の形状例の説明図である。
【図6】本発明にかかる処理内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかるシステムの構成図である。
【図8】アニール処理の条件例の説明図である。
【図9】成形型設計のためのシミュレーションの説明図である。
【符号の説明】
1…ガラスブランク、2…成形上型、3…成形下型、4…スリーブ、5…載せ台、6…押し込みロッド

Claims (8)

  1. 光学ガラス材料を用いて、所望の形状を有する光学素子を成形するための成形型を設計する方法であって、
    まず、前記光学ガラス材料の熱膨張係数が温度によらず固定値をとると仮定した仮想的な熱膨張係数を定める熱膨張係数同定処理を行い、
    次に、求めた前記仮想的な熱膨張係数を用いて、室温時の成形型を、熱変形シミュレーションによって求める成形型シミュレーション処理を行う光学素子成形型設計方法。
  2. 請求項1において、前記熱膨張係数同定処理は、2系統に大別され、
    第1の系統は、
    既に製造してある成形型を用いて光学ガラス材料を成形して光学素子を製造する工程と、
    該光学素子を、所定の温度パターンで加熱、冷却するアニール工程と、
    該アニール工程後の光学素子の形状を測定する測定工程と、を含み、
    第2の系統は、
    前記成形型の形状を測定する工程と、
    前記成形型の、所定の温度状態における成形型形状を、熱変形シミュレーションによって求める型変形計算工程と、
    前記光学ガラス材料の熱膨張係数を仮に与え、該型変形計算工程で求めた成形型形状と仮入力した熱膨張係数とを用いて、室温時の前記光学ガラス材料の形状を、熱変形シミュレーションによって求める材料形状計算工程と、を含み、
    さらに、第1の系統の測定工程による測定結果と、第2の系統における材料形状計算工程による熱変形シミュレーションとの差が所定範囲内となる、前記仮想的な熱膨張係数を定める工程を有する、光学素子成形型設計方法。
  3. 請求項1において、前記成形型シミュレーション処理は、
    予め所望形状に設計した光学ガラス材料の形状と、前記熱膨張係数同定処理で定めた仮想的な熱膨張係数とを用いて、所定の温度状態における光学ガラス材料の形状を、熱変形シミュレーションによって求める材料変形計算工程と、
    該工程によって求めた光学ガラス材料の形状から、室温時の成形型の形状を、熱変形シミュレーションによって求める成形型設計工程とを含む、光学素子成形型設計方法。
  4. 請求項2および3のいずれかにおいて、前記所定の温度状態は、前記光学ガラス材料が転移点にある温度状態である光学素子成形型設計方法。
  5. 請求項1、2、3および4のいずれかにおいて、前記光学ガラス材料の形状は、球面または非球面である光学素子成形型設計方法。
  6. 請求項1、2、3および4のいずれかにおいて、前記熱変形シミュレーションは、シミュレーション対象を複数の要素に分割して、各分割要素に対して式をたて、各式の解を求めることにより、シミュレーション対象の熱変形を求める、有限要素法シミュレーションである、光学素子成形型設計方法。
  7. 光学素子の成形型の設計支援システムであって、
    与えられた熱膨張係数であって温度によらず固定値をとると仮定した仮想的な熱膨張係数を少なくとも入力するための入力手段と、成形型の設計支援の処理を行う処理手段と、処理結果を表示する表示手段とを備え、
    該処理手段は、
    予め仮設計した光学ガラス材料の形状と、与えられた前記仮想の熱膨張係数とを用いて、所定の温度状態における光学ガラス材料の形状を、熱変形シミュレーションによって求める材料変形計算処理、および、該処理によって求めた光学ガラス材料の形状から、室温時の成形型の形状を、熱変形シミュレーションによって求める成形型設計処理を行う光学素子成形型設計支援システム。
  8. 請求項7において、さらに、光学ガラス材料および成形型が与えられると、その形状を測定する測定機を備え、
    前記処理手段は、与えられた光学ガラス材料の仮想的な熱膨張係数を定めるために、
    前記測定機を使用して与えられた成形型の形状を測定し、測定結果を用いて、前記成形型の、所定の温度状態における成形型形状を、熱変形シミュレーションによって求める型変形計算処理と、前記光学ガラス材料の熱膨張係数を仮入力し、該型変形計算処理で求めた成形型形状と仮入力した熱膨張係数とを用いて、室温時の前記光学ガラス材料の形状を、熱変形シミュレーションによって求める材料形状計算処理と、
    成形型を用いて光学ガラス材料を成形して製造した光学素子に対し、アニール工程が施された後、該光学素子が与えられると、その形状を前記測定機によって測定する測定処理と、
    該測定処理による測定結果と、前記材料形状計算処理による熱変形シミュレーションとの差が所定範囲内となる、前記仮想的な熱膨張係数を定める処理とを行う、光学素子成形型設計システム。
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