JP3845142B2 - 糸道管交換装置を備えた横編機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は編糸の供給に使用する糸道管の交換を磁力を利用して行う糸道管交換装置を備えた横編機に関する。
【0002】
【従来の技術】
横編機においては、針床の上方に針床の長手方向にレールを掛け渡し、該レール上にキャリアと呼ばれる部材を摺動自在に取り付け、キャリアを駆動手段により針床長手方向に往復摺動させることで、キャリアと一体に保持されるヤーンフィーダーから編針に編糸を供給して編成を行う。このような針床の上方に設けたレール上に設けたキャリアにより編糸を供給して編成を行うタイプの編機では、スペースの問題から設置可能なレールの数が限られ、必然的に使用可能な色糸の数が制限されるという問題があった。
【0003】
上記した問題を解決するため、特開平3−174060号公報では、円筒形をなしその下方部位には先端向きにほぼ円錐形状に形成した糸道管を、一双の弾性部材により構成される糸道管固定具により挟持するとともに、糸道管を運搬位置に抽出する抽出棒を案内するための抽出棒案内孔を糸道管固定具間にそれぞれ形成してなる糸道管保管台と、該糸道管保管台を挟み前後に対向配置される糸道管抽出手段および糸道管運搬装置をモーターにより針床長手方向に移動可能に構成している。そして糸道管抽出手段には、選択した糸道管が保持されている糸道管保管台の抽出棒案内孔内に、モーターにより回転されるカム板と該カム板に偏心固定されるクランクピンと該クランクピンによりクランクピンからなる抽出棒駆動手段により抽出棒を進出させ、前記糸道管固定具から糸道管を押し出すとともに、糸道管運搬手段に設けられ糸道管を両側から一双のジョーで挟持する糸道管ホールダーの糸道管案内溝内に押入れることにより、任意の糸道管を糸道管固定具から糸道管運搬装置へと移動させて編成を行う機構としている。これにより、多数の糸道管を編成に使用することが可能となり、編成に使用可能な色糸の数が飛躍的に増加する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開平3−174060号公報に開示される糸自動供給装置では、編成に使用する糸道管の支持および糸道管保管台と糸道管運搬装置間での糸道管の受け渡しを抽出棒からなる糸道管抽出手段および抽出棒駆動手段等の機械的な案内支持機構により行っている。したがって、糸道管保管台と糸道管運搬装置間で糸道管の受け渡しを行うための機構が複雑なものとなり、横編機自体の大型化および製造コストの上昇を避けることができない。
本発明は糸道管の受け渡しを行うための機構を簡略化することのできる糸道管交換装置を備えた横編機を開示することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の糸道管交換装置では、複数の糸道管を保持可能な糸道管保管手段と、該糸道管保管手段の前後方向に配設され、糸道管保管手段との間で糸道管の受け渡しを行うとともに糸道管を保持した状態で針床長手方向に移動して針床上の編針に編糸を供給する糸道管運搬手段を備えた横編機において、前記糸道管には糸道管保管手段および糸道管運搬手段に対向する両側面を吸着面として該吸着面に永久磁石を取り付け、前記永久磁石と反発または吸引する電磁石を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の双方に設けるとともに糸道管を渡す側の電磁石に糸道管の永久磁石と反発する磁界を発生させ、且つ糸道管を受ける側の電磁石に糸道管の永久磁石を吸引する磁界を発生させるための制御手段を設け、糸道管を前記制御手段によって発生される磁界により前後方向に移動して糸道管保管手段と糸道管保管手段との間で受け渡しするようにした。
【0006】
好ましくは、糸道管運搬手をキャリッジの一部として設ける。このようにすれば、糸道管はキャリッジの走行とともに針床上を移動し編糸を編針に供給する。
【0007】
好ましくは、糸道管保管手段を糸道管運搬手段の移動方向に沿って針床の全長に亘り往復動させる駆動手段を設ける。このようにすれば、糸道管保管手段を予め糸道管の受け渡しが行われる位置まで移動させておくことで、糸道管運搬手段の無駄な動きをなくす。
【0008】
好ましくは、糸道管交換の際に糸道管保管手段と糸道管運搬手段との相対速度差が小さくなるように糸道管保管手段を糸道管運搬手段と同方向に走行させる駆動手段を設ける。このようにすれば、糸道管の受け渡しの際に糸道管保管手段を糸道管運搬手段の移動方向と同方向に移動させながら糸道管の受け渡しを行う。
【0009】
好ましくは、糸道管の吸着面に複数の永久磁石を取り付けると共に、それに対応する磁極を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の電磁石に設ける。このようにすれば、僅かなずれに対してもずれを修正しようとする力が発生し磁極同士が正確に対応する状態で吸着される。
【0010】
好ましくは、糸道管保管手段および糸道管運搬手段と糸道管との間に位置決め手段を設ける。このようにすれば、糸道管から編糸を供給する際に糸道管の振れが防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に糸道管交換装置を備えた横編機の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。図1は本発明の糸道管交換装置を備えた横編機1を正面から見た図、図2は図1の横編機1を左側から見た図、図3は図2の部分拡大図、図4は糸道管交換装置の構成を示すブロック図である。横編機1の対向配置される前ベッド2および後ベッド3の上面に形成した針溝4内には図示せぬ編針が進退摺動可能に装着される。編針は針床長手方向に往復動される前キャリッジ5および後キャリッジ6の操針カムにより進退動される。前後キャリッジ5、6は不図示の駆動機構により同期走行可能に構成される。横編機1にはガイドレール7に沿って設けた選針ゲージ8、およびキャリッジ上に設けた位置センサ9から構成される公知の位置検出装置が設けられ、該位置検出装置より得られた位置データに基づきキャリッジ5、6の移動および後述する糸道管10の交換がおこなわれる。針床の上方に設けられる糸立て台11上にはコーンスタンド12が載置され、コーンスタンド12には糸コーン13が載置される。糸コーン13から解巻された編糸14は糸立て台11の更に上方に設けられる糸ガイド15およびテンション装置16を経由し糸道管10へと案内され、糸道管10の先端から編針に編糸14が供給されて編成が行われる。
【0012】
次に糸道管交換装置について説明する。糸道管交換装置は、編針に対し編糸14を供給する糸道管10と、不使用状態にある糸道管10を保持するための糸道管保管台17と、糸道管保管台17との間で糸道管10の受け渡しを行うとともに、糸道管10を保持し前後針床間の歯口上を移動させる糸道管運搬装置18と、糸道管運搬装置18の移動と糸道管運搬装置18と糸道管保管台17の双方に設けられる電磁石の通電を制御する制御装置19からなる。
【0013】
本実施の形態の横編機においては、糸道管保管台17と糸道管運搬装置18との間で磁力を利用して糸道管10の受け渡しを行い、糸道管保管台17に保持されている複数の糸道管10の中から任意の糸道管10を糸道管運搬装置18へと移動させ、糸道管10を保持する糸道管運搬装置18がキャリッジ5、6の移動により糸道管10が前後針床間の歯口上を往復動し、編針に編糸14を供給する。そして糸道管運搬装置18へと移動させた糸道管10による編成が完了した後、糸道管10を糸道管運搬装置18から糸道管保管台17へ移し戻し、再度別の糸道管10を糸道管運搬装置18へ移動させて編成を続行し、以降糸道管保管台17と糸道管運搬装置18間で糸道管10の受け渡しを繰り返し編成を行う。
【0014】
糸道管交換装置の各部の詳細を図3および図5を用いて説明する。図5A〜図5Cは図3の矢印I−I、II−II、III−III方向に見た図である。糸道管保管台17は針床側方の歯口近傍箇所に、糸道管運搬装置18は前キャリッジ5の同じく歯口近傍箇所の糸道管保管台17と対向する位置に設けられる。糸道管保管台17および糸道管運搬装置18には後述する糸道管10に取り付けた永久磁石30と協働し、糸道管10の受け渡しを行うための電磁石20が設けられる。本実施の形態においては、糸道管運搬装置18に電磁石20Aを設け、糸道管保管台17に3個の電磁石20B、20C、20Dをキャリッジの移動方向に沿って設けている。糸道管運搬装置18は図3に示すように、前キャリッジ5から張り出したブラケット21の先端に支持固定され、糸道管10を保持した状態で糸道管10の編糸挿通口22が前後両針床間の仮想中心線W上に位置するように設けられる。一方糸道管保管台17は編機の基台23から張り出したブラケット24の先端に前記前キャリッジ5上の糸道管運搬装置18に対向する位置に設けられる。
【0015】
糸道管運搬装置18の電磁石20Aおよび糸道管保管台17の電磁石20B、20C、20Dは同じ構造であるため以下電磁石20Aを例に図5および図6を用いて説明する。図6Aは図5Bの矢印V−V方向に見た断面図であり、図6Bは図5Bの矢印VI−VI方向、図6Cは図5Aの矢印IV−IV方向に見た断面図、図6Dは図6Bから糸道管10を除いた状態を示す図である。図5および図6に示すように電磁石20Aは例えば電磁軟鉄(SUYP)よりなる鉄芯25に励磁コイル26を巻回し、励磁コイル26に対する通電方向を制御装置19により切り換えることで、鉄芯25の一端の磁極27に任意の極性の磁界を発生可能に構成される。電磁石20Aには位置決め手段とし糸道管10の形状に合わせた位置決め用係合部28を形成し、該係合28部に糸道管10を収納することで、糸道管受け渡し時の糸道管10の位置決めと編成時の糸道管10の振れの防止を行う。
【0016】
次に糸道管10の詳細を図7に示す。図7Aは正面図、図7Bは側面図、図7Cは上面図、図7Dは吸着面箇所の部分拡大図である。糸道管10は好ましくは非磁性材により形成され、内部に編糸挿通孔22が形成された略円筒状の部材であり、その高さ方向の中間部には、糸道管保管台17および糸道管運搬装置18の電磁石A、B、C、Dの磁極27に対向して吸着面29が両側に設けられる。吸着面29には図7Dに示すように、永久磁石30のS極が双方の吸着面29上に現れる状態で取り付ける。双方の吸着面29に同じS極が現れるように永久磁石30を取り付けることで、糸道管運搬装置18に保持された糸道管10が、糸道管保管台17に保持される他の糸道管10に対向する位置を通過する際に糸道管10同士が吸引し合うことがなく、糸道管10が誤って糸道管保管台17から脱落することがない。しかしながら必ずしも同じ極性が双方の吸着面29上に現れるようにする必要はない。
【0017】
糸道管10の交換を行うコースにおいて、制御装置19は位置検出装置から得られる位置データに基づき、糸道管運搬装置18が設けられるキャリッジ5、6の移動を制御し、糸道管運搬装置18を糸道管10の受け渡しを行う糸道管保管台17の電磁石に対向する位置へ移動させ、糸道管運搬装置18と糸道管保管台17の電磁石が糸道管10を挟み対向する位置で、糸道管10を受け渡す側の電磁石に糸道管10の吸着面29に取り付けた永久磁石30と反発する磁界が発生する方向の通電指令と、糸道管10を受け取る側の電磁石に糸道管10の吸着29面に取り付けた永久磁石30を吸引する磁界が発生する方向の通電指令を発し糸道管10の受け渡しを行う。
【0018】
次に上記した実施の形態の作用を図1を用いて説明する。編成が開始されると図1において破線で示す針床左方の編成領域外に停止していたキャリッジ5、6が、編成プログラムから得られる色糸データに基づき、制御装置20から発せられた移動指令に従い矢印R方向に移動される。電磁石20Bに保持される糸道管10bを編成に使用する場合、糸道管運搬装置18の電磁石20Aが糸道管保管台17の電磁石20Bの対向位置に達する前の位置では、糸道管運搬装置18の電磁石20Aおよび糸道管保管台17の電磁石20B、20C、20Dに通電は行われておらず、糸道管10b、10c、10dはいずれも吸着面29に取り付けた永久磁石30により電磁石20B、20C、20Dの鉄芯25に吸着した状態となっている。キャリッジ5、6が更に右方向に移動し、位置検出装置から得られる位置データより糸道管運搬装置18の電磁石20Aが電磁石20Bに対向する位置に達したことが認識されると、糸道管10bを糸道管保管台17から糸道管運搬装置18へ受け渡すため通電指令が制御装置19から糸道管運搬装置18の電磁石20Aおよび糸道管保管台17の電磁石20Bに発せられる。糸道管10bを電磁石20Bから電磁石20Aへと移動させるため、糸道管10bを保持し糸道管10bを渡す側の電磁石20Bには糸道管10bと反発する磁界が発生する方向の通電指令が、糸道管10bを受ける側の電磁石20Aには、糸道管10bを吸引する磁界が発生する方向の通電指令が発せられる。つまり、電磁石20Bでは糸道管10bの吸着面29のS極の永久磁石30に対して磁極27にS極が発生する方向に通電を行い、電磁石20Aでは糸道管10bの吸着面29のS極の永久磁石30に対して磁極27にN極が発生する方向に通電を行う。これにより、糸道管10bには電磁石20Bと反発する方向の力と、電磁石20Aに吸引される方向の力が作用し、糸道管10bは糸道管保管台17から対向する位置に存在する糸道管運搬装置18へと受け渡され、電磁石20Aの位置決め用係合部28内へと収納される。この時、電磁石と永久磁石との反発力と吸引力の両方を利用して受け渡しを行うため、糸道管10bの受け渡しを実行可能な糸道管保管台17の電磁石20と糸道管運搬装置18の電磁石20間のずれの許容範囲が機械的な案内支持機構による場合に比べ広い。したがって、糸道管運搬装置18が糸道管保管台17の電磁石20Bに対向する位置に停止した状態で糸道管10の交換を行うことができるのは勿論のこと、電磁石20Aが電磁石20Bに対向する位置を通過する際にキャリッジ5、6の走行を停止させることなく糸道管10の受け渡しを行うことも可能である。
【0019】
糸道管10bの糸道管運搬装置18への移動が完了した後、電磁石20Aおよび電磁石20Bの通電が解除されるが、吸着面29の永久磁石30により糸道管10bは電磁石20Aの鉄芯25に吸着した状態で保持される。これにより糸道管10bの糸道管保管台17から糸道管運搬装置18への受け渡しが完了し、キャリッジ5、6が針床上を移動することで、糸道管運搬装置18に保持された糸道管10bの編糸挿通孔22の先端から編針に編糸14が供給されて編成が行われる。この時、前記電磁石20に形成した位置決め用係合部28により、キャリッジの走行時の糸道管の振れが防止され編成条件が一定となり、風合いが均一に揃った編地を編成できる。
【0020】
以上糸道管10を糸道管保管台17から糸道管運搬装置18へ移動させて編成を行うまでを説明したが、糸道管10bでの編成が完了し、糸道管10bを糸道管運搬装置18から糸道管保管台17へと戻す場合は、先程とは逆に糸道管運搬装置18の電磁石20Aに糸道管10bと反発する磁界が、糸道管保管台17の電磁石20Bに糸道管10bを吸引する磁界が発生する方向に通電が行われ、糸道管10bが糸道管保管台17の電磁石20Bへと戻される。
【0021】
<変形例1>
次に糸道管交換装置を備えた横編機の他の実施の形態について説明する。上記した実施の形態においては糸道管保管台17を針床側方に固定したが、変形例1においては図8に示すように、後ベッド40の上方に設けた案内レール41上に糸道管保管台42を摺動自在に保持するとともに、針床長手方向の両端に設けたプーリ43、44間掛け渡したベルト45と糸道管保管台46を連結部材47により連結し、プーリ44をモータ48により駆動することで、糸道管保管台42を針床長手方向に設けた案内レール41に沿って針床長手方向の全域に亘り移動可能に構成し、糸道管保管台46の位置を検出する位置検出装置から得られる位置データと、編成プログラムから得られる編成データに基づき、次に編成に使用する糸道管48を交換地点の近傍へ移動させるとともに、糸道管の受け渡しの際に糸道管保管台47を前キャリッジ49上に設けた糸道管運搬装置50の移動方向と同方向に移動させ、または糸道管運搬装置50と同期走行させ、糸道管運搬装置50が糸道管48の受け渡しを行う糸道管保管台46に対向位置を通過する際の双方の速度差を小さくする。これにより、キャリッジ50の移動速度の減速率を大きくすることなく、または減速させることなく糸道管の受け渡しを行え編成効率の低下を抑えることができる。また、糸道管の交換の度にキャリッジを編成領域外へ移動させる必要がなくなり、糸道管の交換の後、直ちに編成を再開できるので糸道管の交換に伴う編成効率の低下を抑えられる。
【0022】
<変形例2>
変形例2では永久磁石と電磁石の磁極の組み合わせを間隔をおいて複数個吸着面上に配置する。図9は永久磁石と磁極の組み合わせを2組配置した場合であり、図10は4組配置した例である。図9に示すものでは、糸道管51の上下2カ所に間隔をおいて2つの永久磁石52、53を一方はS極、他方はN極が吸着面上に現れるように配置し、糸道管51を吸着する電磁石54は鉄芯55をU字状に屈曲し、該屈曲した鉄芯の両端の磁極56、57をそれぞれ糸道管吸着面58の永久磁石52、53に対応する位置に設ける。また、図10(図10は糸道管の吸着面に取り付けた永久磁石および電磁石の配置を模式的に示した斜視図である)に示すものでは、糸道管の同一吸着面61上に複数の永久磁石62、63、64、65を取り付け、それに対応し2つの電磁石66、67の磁極68、69、70、71を設ける。一般に磁極同士が吸着する際には磁力の中心となる部分同士が対向する状態で吸着され、磁力の中心同士がずれた状態では磁力の中心同士が吸着する状態に移動しようとする力が発生する。磁極が大きくなると必然的に磁力の中心となる部分も大きくなるため、多少のずれが存在する場合でもずれを修正する方向の力が発生することなく磁極同士が吸着した状態を保持する。それに対し、一組当たりの磁極が小さくなると、磁力の中心となる部分が小さくなり、僅かなずれに対してもずれを修正しようとする力が発生する。したがって、永久磁石と電磁石の磁極が吸着する際の糸道管運搬装置が移動する方向の位置精度を上げるためには、糸道管運搬装置の移動方向の長さを小さくすればよく、糸道管の上下方向に位置精度を上げるためには、上下方向に長さを小さくすればよい。したがって、一組の永久磁石と電磁石の磁極の組み合わせを設けるよりも、一組当たりの永久磁石と電磁石の磁極の吸着箇所を小さくする代わりに、複数の永久磁石と電磁石の磁極の組み合わせを設けた方が位置精度が上がる。永久磁石および電磁石の磁極の形状・配置は糸道管の重量および永久磁石・電磁石の磁力の強さ、必要とされる位置精度および吸着力等の諸条件を勘案した上でを決定することが望ましい。
【0023】
上記した各実施の形態においては、電磁石の励磁コイルの巻き方をユニファイラとし励磁コイルに対する通電方向を切り換えることで吸引と反発を行う場合を説明したが、例えば鉄芯に対する励磁コイルの巻き方をバイファイラとし、励磁コイルに対する通電方向ではなく、通電を行う励磁コイルを切り換えることにより磁極の極性を切り換えるようにすることも可能である。また、上記した実施の形態においては糸道管運搬装置をキャリッジの一部として構成したが、キャリッジの移動領域の両端に設けた一対のプーリ間にベルトを掛け渡し、該ベルト針床の両端部に設けたプーリに取り付けた駆動モータにより回転駆動可能に構成するとともに、前後針床間の歯口の上方に糸道管運搬装置を針床長手方向に設けた案内レール上に糸道管運搬装置を摺動自在に保持し、さらに前記ベルトと糸道管運搬装置を連結部材により固定し、モータを回転することで糸道管運搬装置をキャリッジと同期走行させて編成を行うようにすることも可能である。
【0024】
【発明の効果】
上記したように本発明の糸道管交換装置を備えた横編機では、糸道管保管手段と糸道管運搬手段が対向した状態で、一方が糸道管の永久磁石と反発する磁界を発生させ、他方が糸道管の永久磁石を吸引する磁界を発生させることで、糸道管を電磁石と永久磁石による反発力と吸引力の両方を利用して受け渡しを行う。したがって、糸道管保管手段と糸道管運搬手段の間で糸道管を機械的に案内支持するための機構を設ける必要がなく、編機の構造を簡略化することができる。また、電磁石と永久磁石による反発力と吸引力の両方を利用し糸道管の受け渡しを行うことで、糸道管が糸道管運搬手段と糸道管保管手段の間を移動する際にずれが修正されるため、糸道管運搬手段と糸道管保管手段の間に多少のずれが存在する場合でも糸道管の受け渡しを行うことができ、確実な糸道管の受け渡しを行うことが可能となる。
【0025】
また、糸道管運搬手段をキャリッジの一部として設けた場合には、糸道管運搬手段の移動手段を新たに設ける必要がなく編機の構成を簡略化できる。
【0026】
また、糸道管保管手段を糸道管運搬手段の移動方向に沿って針床の全長に亘り往復動させる駆動手段を設けた場合には、糸道管保管手段を予め糸道管の受け渡しが行われる位置まで移動させておくことで、糸道管運搬手段の無駄な動きをなくし効率的な糸道管の交換を行える。
【0027】
また、糸道管交換の際に糸道管保管手段と糸道管運搬手段との相対速度差が小さくなるように糸道管保管手段を糸道管運搬手段と同方向に走行させる駆動手段を設けた場合には、受け渡しの際に糸道管保管台を糸道管運搬装置と同方向または同期走行させ速度差を小さくすることで、キャリッジが高速移動中でも糸道管の受け渡しが可能となり糸道管の交換に伴う編成効率の低下を抑えることができる。
【0028】
また、糸道管の吸着面に複数の永久磁石を取り付けると共に、それに対応する磁極を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の電磁石に設けたこと場合には、糸道管の永久磁石の磁極の中心と、電磁石の磁極の中心に僅かなずれが存在する場合でも磁極の中心同士が対応する状態へと移動させる力が発生するため、常に糸道管が同じ位置に保持され、糸道管の受け渡しによる編成条件の変化を防止できる。
【0029】
また、糸道管保管手段および糸道管運搬手段の電磁石と糸道管との間に位置決め用係合部を設けた場合には、糸道管から編糸を供給する際の糸道管の振れが防止され、編成条件が安定し風合いが均一に揃った商品価値の高い編地を編成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の横編機の部分正面図である。
【図2】図1の横編機の左側から見た側面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】糸道管交換装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5Aは図3の矢印I−I、図5Bは図3の矢印II−II、図5Cは図3のIII−III方向に見た図である。
【図6】図6Aは図5Bの矢印V−V、図6Bは図5Bの矢印VI−VI方向に見た断面図であり、図6Cは図5Aの矢印IV−IV方向に見た断面図であり、図6Dは図6Bから糸道管を除いた図である。
【図7】図7Aは糸道管の正面図、図7Bは側面図、図7Cは上面図、図7Dは吸着面箇所の部分拡大図である。
【図8】本発明の変形例1の横編機を上方から見た図である。
【図9】本発明の変形例2を示す図である。
【図10】本発明の変形例2を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は編糸の供給に使用する糸道管の交換を磁力を利用して行う糸道管交換装置を備えた横編機に関する。
【0002】
【従来の技術】
横編機においては、針床の上方に針床の長手方向にレールを掛け渡し、該レール上にキャリアと呼ばれる部材を摺動自在に取り付け、キャリアを駆動手段により針床長手方向に往復摺動させることで、キャリアと一体に保持されるヤーンフィーダーから編針に編糸を供給して編成を行う。このような針床の上方に設けたレール上に設けたキャリアにより編糸を供給して編成を行うタイプの編機では、スペースの問題から設置可能なレールの数が限られ、必然的に使用可能な色糸の数が制限されるという問題があった。
【0003】
上記した問題を解決するため、特開平3−174060号公報では、円筒形をなしその下方部位には先端向きにほぼ円錐形状に形成した糸道管を、一双の弾性部材により構成される糸道管固定具により挟持するとともに、糸道管を運搬位置に抽出する抽出棒を案内するための抽出棒案内孔を糸道管固定具間にそれぞれ形成してなる糸道管保管台と、該糸道管保管台を挟み前後に対向配置される糸道管抽出手段および糸道管運搬装置をモーターにより針床長手方向に移動可能に構成している。そして糸道管抽出手段には、選択した糸道管が保持されている糸道管保管台の抽出棒案内孔内に、モーターにより回転されるカム板と該カム板に偏心固定されるクランクピンと該クランクピンによりクランクピンからなる抽出棒駆動手段により抽出棒を進出させ、前記糸道管固定具から糸道管を押し出すとともに、糸道管運搬手段に設けられ糸道管を両側から一双のジョーで挟持する糸道管ホールダーの糸道管案内溝内に押入れることにより、任意の糸道管を糸道管固定具から糸道管運搬装置へと移動させて編成を行う機構としている。これにより、多数の糸道管を編成に使用することが可能となり、編成に使用可能な色糸の数が飛躍的に増加する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開平3−174060号公報に開示される糸自動供給装置では、編成に使用する糸道管の支持および糸道管保管台と糸道管運搬装置間での糸道管の受け渡しを抽出棒からなる糸道管抽出手段および抽出棒駆動手段等の機械的な案内支持機構により行っている。したがって、糸道管保管台と糸道管運搬装置間で糸道管の受け渡しを行うための機構が複雑なものとなり、横編機自体の大型化および製造コストの上昇を避けることができない。
本発明は糸道管の受け渡しを行うための機構を簡略化することのできる糸道管交換装置を備えた横編機を開示することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の糸道管交換装置では、複数の糸道管を保持可能な糸道管保管手段と、該糸道管保管手段の前後方向に配設され、糸道管保管手段との間で糸道管の受け渡しを行うとともに糸道管を保持した状態で針床長手方向に移動して針床上の編針に編糸を供給する糸道管運搬手段を備えた横編機において、前記糸道管には糸道管保管手段および糸道管運搬手段に対向する両側面を吸着面として該吸着面に永久磁石を取り付け、前記永久磁石と反発または吸引する電磁石を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の双方に設けるとともに糸道管を渡す側の電磁石に糸道管の永久磁石と反発する磁界を発生させ、且つ糸道管を受ける側の電磁石に糸道管の永久磁石を吸引する磁界を発生させるための制御手段を設け、糸道管を前記制御手段によって発生される磁界により前後方向に移動して糸道管保管手段と糸道管保管手段との間で受け渡しするようにした。
【0006】
好ましくは、糸道管運搬手をキャリッジの一部として設ける。このようにすれば、糸道管はキャリッジの走行とともに針床上を移動し編糸を編針に供給する。
【0007】
好ましくは、糸道管保管手段を糸道管運搬手段の移動方向に沿って針床の全長に亘り往復動させる駆動手段を設ける。このようにすれば、糸道管保管手段を予め糸道管の受け渡しが行われる位置まで移動させておくことで、糸道管運搬手段の無駄な動きをなくす。
【0008】
好ましくは、糸道管交換の際に糸道管保管手段と糸道管運搬手段との相対速度差が小さくなるように糸道管保管手段を糸道管運搬手段と同方向に走行させる駆動手段を設ける。このようにすれば、糸道管の受け渡しの際に糸道管保管手段を糸道管運搬手段の移動方向と同方向に移動させながら糸道管の受け渡しを行う。
【0009】
好ましくは、糸道管の吸着面に複数の永久磁石を取り付けると共に、それに対応する磁極を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の電磁石に設ける。このようにすれば、僅かなずれに対してもずれを修正しようとする力が発生し磁極同士が正確に対応する状態で吸着される。
【0010】
好ましくは、糸道管保管手段および糸道管運搬手段と糸道管との間に位置決め手段を設ける。このようにすれば、糸道管から編糸を供給する際に糸道管の振れが防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に糸道管交換装置を備えた横編機の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。図1は本発明の糸道管交換装置を備えた横編機1を正面から見た図、図2は図1の横編機1を左側から見た図、図3は図2の部分拡大図、図4は糸道管交換装置の構成を示すブロック図である。横編機1の対向配置される前ベッド2および後ベッド3の上面に形成した針溝4内には図示せぬ編針が進退摺動可能に装着される。編針は針床長手方向に往復動される前キャリッジ5および後キャリッジ6の操針カムにより進退動される。前後キャリッジ5、6は不図示の駆動機構により同期走行可能に構成される。横編機1にはガイドレール7に沿って設けた選針ゲージ8、およびキャリッジ上に設けた位置センサ9から構成される公知の位置検出装置が設けられ、該位置検出装置より得られた位置データに基づきキャリッジ5、6の移動および後述する糸道管10の交換がおこなわれる。針床の上方に設けられる糸立て台11上にはコーンスタンド12が載置され、コーンスタンド12には糸コーン13が載置される。糸コーン13から解巻された編糸14は糸立て台11の更に上方に設けられる糸ガイド15およびテンション装置16を経由し糸道管10へと案内され、糸道管10の先端から編針に編糸14が供給されて編成が行われる。
【0012】
次に糸道管交換装置について説明する。糸道管交換装置は、編針に対し編糸14を供給する糸道管10と、不使用状態にある糸道管10を保持するための糸道管保管台17と、糸道管保管台17との間で糸道管10の受け渡しを行うとともに、糸道管10を保持し前後針床間の歯口上を移動させる糸道管運搬装置18と、糸道管運搬装置18の移動と糸道管運搬装置18と糸道管保管台17の双方に設けられる電磁石の通電を制御する制御装置19からなる。
【0013】
本実施の形態の横編機においては、糸道管保管台17と糸道管運搬装置18との間で磁力を利用して糸道管10の受け渡しを行い、糸道管保管台17に保持されている複数の糸道管10の中から任意の糸道管10を糸道管運搬装置18へと移動させ、糸道管10を保持する糸道管運搬装置18がキャリッジ5、6の移動により糸道管10が前後針床間の歯口上を往復動し、編針に編糸14を供給する。そして糸道管運搬装置18へと移動させた糸道管10による編成が完了した後、糸道管10を糸道管運搬装置18から糸道管保管台17へ移し戻し、再度別の糸道管10を糸道管運搬装置18へ移動させて編成を続行し、以降糸道管保管台17と糸道管運搬装置18間で糸道管10の受け渡しを繰り返し編成を行う。
【0014】
糸道管交換装置の各部の詳細を図3および図5を用いて説明する。図5A〜図5Cは図3の矢印I−I、II−II、III−III方向に見た図である。糸道管保管台17は針床側方の歯口近傍箇所に、糸道管運搬装置18は前キャリッジ5の同じく歯口近傍箇所の糸道管保管台17と対向する位置に設けられる。糸道管保管台17および糸道管運搬装置18には後述する糸道管10に取り付けた永久磁石30と協働し、糸道管10の受け渡しを行うための電磁石20が設けられる。本実施の形態においては、糸道管運搬装置18に電磁石20Aを設け、糸道管保管台17に3個の電磁石20B、20C、20Dをキャリッジの移動方向に沿って設けている。糸道管運搬装置18は図3に示すように、前キャリッジ5から張り出したブラケット21の先端に支持固定され、糸道管10を保持した状態で糸道管10の編糸挿通口22が前後両針床間の仮想中心線W上に位置するように設けられる。一方糸道管保管台17は編機の基台23から張り出したブラケット24の先端に前記前キャリッジ5上の糸道管運搬装置18に対向する位置に設けられる。
【0015】
糸道管運搬装置18の電磁石20Aおよび糸道管保管台17の電磁石20B、20C、20Dは同じ構造であるため以下電磁石20Aを例に図5および図6を用いて説明する。図6Aは図5Bの矢印V−V方向に見た断面図であり、図6Bは図5Bの矢印VI−VI方向、図6Cは図5Aの矢印IV−IV方向に見た断面図、図6Dは図6Bから糸道管10を除いた状態を示す図である。図5および図6に示すように電磁石20Aは例えば電磁軟鉄(SUYP)よりなる鉄芯25に励磁コイル26を巻回し、励磁コイル26に対する通電方向を制御装置19により切り換えることで、鉄芯25の一端の磁極27に任意の極性の磁界を発生可能に構成される。電磁石20Aには位置決め手段とし糸道管10の形状に合わせた位置決め用係合部28を形成し、該係合28部に糸道管10を収納することで、糸道管受け渡し時の糸道管10の位置決めと編成時の糸道管10の振れの防止を行う。
【0016】
次に糸道管10の詳細を図7に示す。図7Aは正面図、図7Bは側面図、図7Cは上面図、図7Dは吸着面箇所の部分拡大図である。糸道管10は好ましくは非磁性材により形成され、内部に編糸挿通孔22が形成された略円筒状の部材であり、その高さ方向の中間部には、糸道管保管台17および糸道管運搬装置18の電磁石A、B、C、Dの磁極27に対向して吸着面29が両側に設けられる。吸着面29には図7Dに示すように、永久磁石30のS極が双方の吸着面29上に現れる状態で取り付ける。双方の吸着面29に同じS極が現れるように永久磁石30を取り付けることで、糸道管運搬装置18に保持された糸道管10が、糸道管保管台17に保持される他の糸道管10に対向する位置を通過する際に糸道管10同士が吸引し合うことがなく、糸道管10が誤って糸道管保管台17から脱落することがない。しかしながら必ずしも同じ極性が双方の吸着面29上に現れるようにする必要はない。
【0017】
糸道管10の交換を行うコースにおいて、制御装置19は位置検出装置から得られる位置データに基づき、糸道管運搬装置18が設けられるキャリッジ5、6の移動を制御し、糸道管運搬装置18を糸道管10の受け渡しを行う糸道管保管台17の電磁石に対向する位置へ移動させ、糸道管運搬装置18と糸道管保管台17の電磁石が糸道管10を挟み対向する位置で、糸道管10を受け渡す側の電磁石に糸道管10の吸着面29に取り付けた永久磁石30と反発する磁界が発生する方向の通電指令と、糸道管10を受け取る側の電磁石に糸道管10の吸着29面に取り付けた永久磁石30を吸引する磁界が発生する方向の通電指令を発し糸道管10の受け渡しを行う。
【0018】
次に上記した実施の形態の作用を図1を用いて説明する。編成が開始されると図1において破線で示す針床左方の編成領域外に停止していたキャリッジ5、6が、編成プログラムから得られる色糸データに基づき、制御装置20から発せられた移動指令に従い矢印R方向に移動される。電磁石20Bに保持される糸道管10bを編成に使用する場合、糸道管運搬装置18の電磁石20Aが糸道管保管台17の電磁石20Bの対向位置に達する前の位置では、糸道管運搬装置18の電磁石20Aおよび糸道管保管台17の電磁石20B、20C、20Dに通電は行われておらず、糸道管10b、10c、10dはいずれも吸着面29に取り付けた永久磁石30により電磁石20B、20C、20Dの鉄芯25に吸着した状態となっている。キャリッジ5、6が更に右方向に移動し、位置検出装置から得られる位置データより糸道管運搬装置18の電磁石20Aが電磁石20Bに対向する位置に達したことが認識されると、糸道管10bを糸道管保管台17から糸道管運搬装置18へ受け渡すため通電指令が制御装置19から糸道管運搬装置18の電磁石20Aおよび糸道管保管台17の電磁石20Bに発せられる。糸道管10bを電磁石20Bから電磁石20Aへと移動させるため、糸道管10bを保持し糸道管10bを渡す側の電磁石20Bには糸道管10bと反発する磁界が発生する方向の通電指令が、糸道管10bを受ける側の電磁石20Aには、糸道管10bを吸引する磁界が発生する方向の通電指令が発せられる。つまり、電磁石20Bでは糸道管10bの吸着面29のS極の永久磁石30に対して磁極27にS極が発生する方向に通電を行い、電磁石20Aでは糸道管10bの吸着面29のS極の永久磁石30に対して磁極27にN極が発生する方向に通電を行う。これにより、糸道管10bには電磁石20Bと反発する方向の力と、電磁石20Aに吸引される方向の力が作用し、糸道管10bは糸道管保管台17から対向する位置に存在する糸道管運搬装置18へと受け渡され、電磁石20Aの位置決め用係合部28内へと収納される。この時、電磁石と永久磁石との反発力と吸引力の両方を利用して受け渡しを行うため、糸道管10bの受け渡しを実行可能な糸道管保管台17の電磁石20と糸道管運搬装置18の電磁石20間のずれの許容範囲が機械的な案内支持機構による場合に比べ広い。したがって、糸道管運搬装置18が糸道管保管台17の電磁石20Bに対向する位置に停止した状態で糸道管10の交換を行うことができるのは勿論のこと、電磁石20Aが電磁石20Bに対向する位置を通過する際にキャリッジ5、6の走行を停止させることなく糸道管10の受け渡しを行うことも可能である。
【0019】
糸道管10bの糸道管運搬装置18への移動が完了した後、電磁石20Aおよび電磁石20Bの通電が解除されるが、吸着面29の永久磁石30により糸道管10bは電磁石20Aの鉄芯25に吸着した状態で保持される。これにより糸道管10bの糸道管保管台17から糸道管運搬装置18への受け渡しが完了し、キャリッジ5、6が針床上を移動することで、糸道管運搬装置18に保持された糸道管10bの編糸挿通孔22の先端から編針に編糸14が供給されて編成が行われる。この時、前記電磁石20に形成した位置決め用係合部28により、キャリッジの走行時の糸道管の振れが防止され編成条件が一定となり、風合いが均一に揃った編地を編成できる。
【0020】
以上糸道管10を糸道管保管台17から糸道管運搬装置18へ移動させて編成を行うまでを説明したが、糸道管10bでの編成が完了し、糸道管10bを糸道管運搬装置18から糸道管保管台17へと戻す場合は、先程とは逆に糸道管運搬装置18の電磁石20Aに糸道管10bと反発する磁界が、糸道管保管台17の電磁石20Bに糸道管10bを吸引する磁界が発生する方向に通電が行われ、糸道管10bが糸道管保管台17の電磁石20Bへと戻される。
【0021】
<変形例1>
次に糸道管交換装置を備えた横編機の他の実施の形態について説明する。上記した実施の形態においては糸道管保管台17を針床側方に固定したが、変形例1においては図8に示すように、後ベッド40の上方に設けた案内レール41上に糸道管保管台42を摺動自在に保持するとともに、針床長手方向の両端に設けたプーリ43、44間掛け渡したベルト45と糸道管保管台46を連結部材47により連結し、プーリ44をモータ48により駆動することで、糸道管保管台42を針床長手方向に設けた案内レール41に沿って針床長手方向の全域に亘り移動可能に構成し、糸道管保管台46の位置を検出する位置検出装置から得られる位置データと、編成プログラムから得られる編成データに基づき、次に編成に使用する糸道管48を交換地点の近傍へ移動させるとともに、糸道管の受け渡しの際に糸道管保管台47を前キャリッジ49上に設けた糸道管運搬装置50の移動方向と同方向に移動させ、または糸道管運搬装置50と同期走行させ、糸道管運搬装置50が糸道管48の受け渡しを行う糸道管保管台46に対向位置を通過する際の双方の速度差を小さくする。これにより、キャリッジ50の移動速度の減速率を大きくすることなく、または減速させることなく糸道管の受け渡しを行え編成効率の低下を抑えることができる。また、糸道管の交換の度にキャリッジを編成領域外へ移動させる必要がなくなり、糸道管の交換の後、直ちに編成を再開できるので糸道管の交換に伴う編成効率の低下を抑えられる。
【0022】
<変形例2>
変形例2では永久磁石と電磁石の磁極の組み合わせを間隔をおいて複数個吸着面上に配置する。図9は永久磁石と磁極の組み合わせを2組配置した場合であり、図10は4組配置した例である。図9に示すものでは、糸道管51の上下2カ所に間隔をおいて2つの永久磁石52、53を一方はS極、他方はN極が吸着面上に現れるように配置し、糸道管51を吸着する電磁石54は鉄芯55をU字状に屈曲し、該屈曲した鉄芯の両端の磁極56、57をそれぞれ糸道管吸着面58の永久磁石52、53に対応する位置に設ける。また、図10(図10は糸道管の吸着面に取り付けた永久磁石および電磁石の配置を模式的に示した斜視図である)に示すものでは、糸道管の同一吸着面61上に複数の永久磁石62、63、64、65を取り付け、それに対応し2つの電磁石66、67の磁極68、69、70、71を設ける。一般に磁極同士が吸着する際には磁力の中心となる部分同士が対向する状態で吸着され、磁力の中心同士がずれた状態では磁力の中心同士が吸着する状態に移動しようとする力が発生する。磁極が大きくなると必然的に磁力の中心となる部分も大きくなるため、多少のずれが存在する場合でもずれを修正する方向の力が発生することなく磁極同士が吸着した状態を保持する。それに対し、一組当たりの磁極が小さくなると、磁力の中心となる部分が小さくなり、僅かなずれに対してもずれを修正しようとする力が発生する。したがって、永久磁石と電磁石の磁極が吸着する際の糸道管運搬装置が移動する方向の位置精度を上げるためには、糸道管運搬装置の移動方向の長さを小さくすればよく、糸道管の上下方向に位置精度を上げるためには、上下方向に長さを小さくすればよい。したがって、一組の永久磁石と電磁石の磁極の組み合わせを設けるよりも、一組当たりの永久磁石と電磁石の磁極の吸着箇所を小さくする代わりに、複数の永久磁石と電磁石の磁極の組み合わせを設けた方が位置精度が上がる。永久磁石および電磁石の磁極の形状・配置は糸道管の重量および永久磁石・電磁石の磁力の強さ、必要とされる位置精度および吸着力等の諸条件を勘案した上でを決定することが望ましい。
【0023】
上記した各実施の形態においては、電磁石の励磁コイルの巻き方をユニファイラとし励磁コイルに対する通電方向を切り換えることで吸引と反発を行う場合を説明したが、例えば鉄芯に対する励磁コイルの巻き方をバイファイラとし、励磁コイルに対する通電方向ではなく、通電を行う励磁コイルを切り換えることにより磁極の極性を切り換えるようにすることも可能である。また、上記した実施の形態においては糸道管運搬装置をキャリッジの一部として構成したが、キャリッジの移動領域の両端に設けた一対のプーリ間にベルトを掛け渡し、該ベルト針床の両端部に設けたプーリに取り付けた駆動モータにより回転駆動可能に構成するとともに、前後針床間の歯口の上方に糸道管運搬装置を針床長手方向に設けた案内レール上に糸道管運搬装置を摺動自在に保持し、さらに前記ベルトと糸道管運搬装置を連結部材により固定し、モータを回転することで糸道管運搬装置をキャリッジと同期走行させて編成を行うようにすることも可能である。
【0024】
【発明の効果】
上記したように本発明の糸道管交換装置を備えた横編機では、糸道管保管手段と糸道管運搬手段が対向した状態で、一方が糸道管の永久磁石と反発する磁界を発生させ、他方が糸道管の永久磁石を吸引する磁界を発生させることで、糸道管を電磁石と永久磁石による反発力と吸引力の両方を利用して受け渡しを行う。したがって、糸道管保管手段と糸道管運搬手段の間で糸道管を機械的に案内支持するための機構を設ける必要がなく、編機の構造を簡略化することができる。また、電磁石と永久磁石による反発力と吸引力の両方を利用し糸道管の受け渡しを行うことで、糸道管が糸道管運搬手段と糸道管保管手段の間を移動する際にずれが修正されるため、糸道管運搬手段と糸道管保管手段の間に多少のずれが存在する場合でも糸道管の受け渡しを行うことができ、確実な糸道管の受け渡しを行うことが可能となる。
【0025】
また、糸道管運搬手段をキャリッジの一部として設けた場合には、糸道管運搬手段の移動手段を新たに設ける必要がなく編機の構成を簡略化できる。
【0026】
また、糸道管保管手段を糸道管運搬手段の移動方向に沿って針床の全長に亘り往復動させる駆動手段を設けた場合には、糸道管保管手段を予め糸道管の受け渡しが行われる位置まで移動させておくことで、糸道管運搬手段の無駄な動きをなくし効率的な糸道管の交換を行える。
【0027】
また、糸道管交換の際に糸道管保管手段と糸道管運搬手段との相対速度差が小さくなるように糸道管保管手段を糸道管運搬手段と同方向に走行させる駆動手段を設けた場合には、受け渡しの際に糸道管保管台を糸道管運搬装置と同方向または同期走行させ速度差を小さくすることで、キャリッジが高速移動中でも糸道管の受け渡しが可能となり糸道管の交換に伴う編成効率の低下を抑えることができる。
【0028】
また、糸道管の吸着面に複数の永久磁石を取り付けると共に、それに対応する磁極を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の電磁石に設けたこと場合には、糸道管の永久磁石の磁極の中心と、電磁石の磁極の中心に僅かなずれが存在する場合でも磁極の中心同士が対応する状態へと移動させる力が発生するため、常に糸道管が同じ位置に保持され、糸道管の受け渡しによる編成条件の変化を防止できる。
【0029】
また、糸道管保管手段および糸道管運搬手段の電磁石と糸道管との間に位置決め用係合部を設けた場合には、糸道管から編糸を供給する際の糸道管の振れが防止され、編成条件が安定し風合いが均一に揃った商品価値の高い編地を編成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の横編機の部分正面図である。
【図2】図1の横編機の左側から見た側面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】糸道管交換装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5Aは図3の矢印I−I、図5Bは図3の矢印II−II、図5Cは図3のIII−III方向に見た図である。
【図6】図6Aは図5Bの矢印V−V、図6Bは図5Bの矢印VI−VI方向に見た断面図であり、図6Cは図5Aの矢印IV−IV方向に見た断面図であり、図6Dは図6Bから糸道管を除いた図である。
【図7】図7Aは糸道管の正面図、図7Bは側面図、図7Cは上面図、図7Dは吸着面箇所の部分拡大図である。
【図8】本発明の変形例1の横編機を上方から見た図である。
【図9】本発明の変形例2を示す図である。
【図10】本発明の変形例2を示す図である。
Claims (6)
- 複数の糸道管を保持可能な糸道管保管手段と、該糸道管保管手段の前後方向に配設され、糸道管保管手段との間で糸道管の受け渡しを行うとともに糸道管を保持した状態で針床長手方向に移動して針床上の編針に編糸を供給する糸道管運搬手段を備えた横編機において、前記糸道管には糸道管保管手段および糸道管運搬手段に対向する両側面を吸着面として該吸着面に永久磁石を取り付け、前記永久磁石と反発または吸引する電磁石を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の双方に設けるとともに糸道管を渡す側の電磁石に糸道管の永久磁石と反発する磁界を発生させ、且つ糸道管を受ける側の電磁石に糸道管の永久磁石を吸引する磁界を発生させるための制御手段を設け、糸道管を前記制御手段によって発生される磁界により前後方向に移動して糸道管保管手段と糸道管保管手段との間で受け渡しすることを特徴とする糸道管交換装置を備えた横編機。
- 糸道管運搬手段をキャリッジの一部として設けたことを特徴とする請求項1に記載の糸道管交換装置を備えた横編機。
- 糸道管保管手段を糸道管運搬手段の移動方向に沿って針床の全長に亘り往復動させる駆動手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2の何れかの項に記載の糸道管交換装置を備えた横編機。
- 糸道管交換の際に糸道管保管手段と糸道管運搬手段との相対速度差が小さくなるように糸道管保管手段を糸道管運搬手段と同方向に走行させる駆動手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の糸道管交換装置を備えた横編機。
- 糸道管の吸着面に複数の永久磁石を取り付けると共に、それに対応する磁極を糸道管保管手段および糸道管運搬手段の電磁石に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つの項に記載の糸道管交換装置を備えた横編機。
- 糸道管保管手段および糸道管運搬手段に糸道管の形状に対応した位置決め用係合部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つの項に記載の糸道管交換装置を備えた横編機。
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