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JP3839490B2 - 1,1―ジフルオロエタンの製造法 - Google Patents

1,1―ジフルオロエタンの製造法 Download PDF

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Description

本発明の分野
本発明は1,1−ジフルオロエタンを選択性をもって高収率で製造する方法、特に錫触媒、少なくとも1種のアルカリ金属のハロゲン化物、および飽和ハロゲン化炭化水素を存在させてクロロエテンを液相でフッ化水素と接触させる1,1−ジフルオロエタンの製造法に関する。
本発明の背景
Golubev等のソ連邦発明者証書(U.S.S.R.Inventor Certificate)第341,788号には、四塩化錫(SnCl4)の存在下においてクロロエテンをフッ化水素(HF)と反応させて1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)を製造する液相法が記載されている。
Komatsu等はヨーロッパ特許187,643号において、錫触媒および酸素または窒素を含む化合物から選ばれた添加剤の存在下において塩化炭化水素(HCO)をHFと反応させ、フッ化炭化水素(HFC)を製造する方法を記載している。
Komatsu等は米国特許4、766、258号において、錫触媒、および酸素または窒素を含む化合物から選ばれた添加剤の存在下において、HCCを無水のフッ化水素と反応させ、HFCおよび塩化フッ化炭化水素(HCFC)を製造する方法を記載している。
Franklin等の米国特許4,968,850号には、錫触媒および有機燐の添加剤を存在させ、液相において不飽和のHCCをHFと反応させることにより、HFCおよびHCFCを製造する方法が記載されている。
Komatsu等は日本特許公開明細書昭62[1987]−246528号において、HF中で塩基として作用する化合物、錫触媒およびHFの存在下において、水素を含むハロゲン化炭化水素を液相中で反応させることを特徴とするHFCおよびHCFCの製造法を報告している。
Pennetreau等はヨーロッパ特許637,597号において、金属触媒および少なくとも1種の飽和ハロゲン化炭化水素から成る有機溶媒の存在下においてクロロエテンをHFと反応させて1−クロロ−1−フルオロエタン(HCHC−151a)またはHFC−152aのいずれかを製造する方法を記載している。
以後HFC−152aまたは152aと称する1,1−ジフルオロエタンはかなりの用途をもった化合物である。この化合物は単独でまたは他の材料との配合物の形で冷凍剤、吹き込み剤、推進剤、洗浄剤として、或いはフルオロエタンのような他のフッ化炭素化合物に対する中間体として使用することができる。HFC−152aのようなHFCは地球の成層圏のオゾンに対して与える影響は知られていないから、クロロフルオロ炭素(CFC)に対する環境的に許容される代替品となる。
金属を媒介とするハロゲン交換によってHCCおよびHFからHFCおよびHCFCを製造する方法は、工業的に広く利用されている。全体としての工程はHCCの炭素と塩素との結合が切れて、その場所に炭素とフッ素との結合が生じる工程である。金属は、温和な反応条件を必要とする生産的な交換反応を多く起こさせる触媒として作用する。HFC−152aは液相および気相法を用いてこの方法で製造されて来た。文献によれば、HFC−152aは種々の酸化状態の金属、例えば錫(IV)、チタン(IV)、アンチモン(III)、およびアンチモン(V)の塩の存在下においてクロロエテンをHFと反応させて製造されて来た。
HFC−152aをクロロエテンから製造する通常の方法における中間体には、1−クロロ−1−フルオロエタン(HCFC−151aまたは151a)および1,1−ジクロロエタン(HCC−150aまたは150a)が含まれる。このような通常の方法の副生成物には、オリゴマー類および重合体類があり、低分子量のハロゲン化された二量体およびオリゴマーから、油、タールおよび暗色の炭素状の固体の形をした高分子量のハロゲン化された重合体までが含まれる。これらの副生成物は典型的には高分子量の、例えば数平均分子量が主として50,000で標準分子量分布部分が2,000〜75,000に分岐したハロゲン化炭化水素の重合体であり、触媒または他の添加剤から得られる金属を含んでいることができる。このような高分子量材料は、低分子量の二量体、三量体およびオリゴマーが自分自身とまたはハロゲン化された炭素を含む試薬およびそのフッ素化された付加物と重合して生成することができる。これらの副生成物は、触媒活性を低下させ、反応器の容積を減少させ、HFC−152aの収率を低下させるから、ハロゲン交換反応には有害であり、廃棄の対象となる。
フッ素化に対しては不活性であるが、HF中の金属種と反応し得る化合物を添加することにより金属触媒を変性する方法により、元の触媒とは異った触媒が得られる。交換過程に対する理想的な添加剤は、副生成物の生成を最小限度に抑制し、同時に反応速度を増加させ、所望の生成物への選択性を増加させる添加剤である。
HFC−152aを製造する通常の方法は、タール性の副生成物が生じるために望ましくない。本発明方法によればタール生成の割合を減少させることにより通常の方法に付随した問題が解決される。
本発明の概要
本発明方法はクロロエテン、HF、錫触媒、およびアルカリ金属のハロゲン化物および飽和のハロゲン化炭化水素から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む液相混合物をつくり、この混合物を加熱し、生成したHFC−152aを分離することを特徴としている。
反応成分はどのような順序でも反応容器に装入することができるが、好ましくは先ず容器に錫触媒、HFおよびハロゲン化アルカリおよび飽和ハロゲン化炭化水素を装入する。反応期間を通じてこの混合物の温度を30〜160℃に保つ。この期間の間にクロロエテンを加え、反応条件下においてHCFC−151aに変える。このHCFC−151aについて反応条件下で塩素をフッ素と交換する反応を行い、生成物のHFC−152aを反応混合物から蒸溜して取出す。
本発明方法はバッチ法として操作することができる。しかし連続的にHF、錫触媒、ハロゲン化アルカリおよび飽和ハロゲン化炭化水素を連続的にクロロエテンと共に反応容器に加え、同時にHFC−152aおよびHClを除去することにより連続法で操作するのが好適である。
この工程を解析すると、オリゴマーおよび重合体の副生成物の量が最小限度に抑制され、クロロエテンが高収率で選択的にHFC−152aに変ることが判る。即ちHFC−152aのモル収率は少なくとも80%、通常は少なくとも85%になり、HFC−152aは流出流の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%をなしている。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明法の一具体化例の模式図である。
本発明の詳細な説明
本発明は副生成物の生成を最小限度に抑制しつつクロロエテンからHFC−152aを選択的に高収率で製造する方法である。本発明方法はクロロエテン、HF、少なくとも1種の錫触媒、およびアルカリ金属のハロゲン化物および飽和のハロゲン化炭化水素から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む液相混合物をつくり、この混合物を加熱し、生成したHFC−152aを分離することを特徴としている。この研究で得られた結果を表1および2に要約する。この表には、クロロエテンおよびHFから錫(IV)を介在させてHFC−152aを製造する場合、ハロゲン化アルカリおよび飽和のハロゲン化炭化水素を用いる利点が示されている。本発明のこれらの具体化例を用いると、HCFC−151aに比べHFC−152aの生成の選択性が著しく増加し、クロロエテンからのHFC−152aのモル収率が増加し、オリゴマーおよび重合体副生成物の量が減少する。
本発明に使用される触媒は錫のハロゲン化物、錫のオキシハロゲン化物、および有機錫化合物から成る群から選ばれる。これらの三つの種類の中で錫のハロゲン化物が好適であり、錫のハロゲン化物の中では錫(IV)の塩化物(SnCl4、塩化第二錫)が最も好適である。他の許容されるハロゲン化錫(IV)としてはSnBr4および一連のSnCl3F、SnCl22、SnClF3およびSnF4が含まれ、このような種類の化合物はSnCl4をHFと反応させると生じる。錫オキシハロゲン化物の中では、SnCl2O、SnF2O、およびSnClFOが使用できる。本発明の目的に対しては、有機錫化合物は錫原子が1〜4個の炭素原子と結合している化合物である。テトラメチル錫(Sn(CH34)、オキシジエチル錫(OSn(C252)、ジクロロジメチル錫(SnCl2(CH32)のような有機錫化合物が本発明方法に用いられる。
本発明方法に使用されるアルカリ金属のハロゲン化物は一般的な実験式がMXであり,ここにMはIA族のアルカリ金属である(ここで族とは例えばJohn A.Dean編、McGraw Hill,Inc.1992年発行、「Lang’s Handbook of Chemistry」第14版の前表紙の内側に示されているような元素の標準周期律表の特定の族を意味する)。特定的に述べると、金属Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムである。XはVIIA族のハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨードである。これらのハロゲン化アルカリの中でNaCl、KF、KClおよびNaFのような化合物が好適であり、NaClが最も好適である。
本発明に使用される少なくとも1種のハロゲン化アルカリの量は錫触媒1モル当たり0.001〜2モルである。錫触媒1モル当たり少なくとも1種のハロゲン化アルカリを0.1〜1.5モル使用して本発明方法を行うことが好ましい。
本発明の一態様においては、クロロエテンと接触させる前に上記1種またはそれ以上のハロゲン化アルカリを錫触媒と一緒にすることができる。例えばNaClとSnCl4とを予備混合し、例えばNaCl/SnCl4の懸濁液をつくる。予備混合したハロゲン化アルカリ/錫触媒の混合物を用い任意のバッチ法または連続法を行うことができる。
本発明に使用される飽和ハロゲン化炭化水素は一般式CX1234の種類の化合物から選ばれる。ここでX1〜X4の少なくとも一つは塩素であり、置換基X1〜X4の残りは同一または相異なることができ、H、F、Cl、BrまたはCy(2y+1)から成る群から選ばれる。ここでZは同一または相異なることができ、H、F、Cl、またはBrから成る群から選ばれる。yは1〜6の整数である。好ましくは本発明の飽和ハロゲン化炭化水素は塩化メチレン(CH2Cl2)、1,2−ジクロロエタン(CH2Cl−CH2Cl)、1,1−ジクロロエタン(CHCl2−CH3、HCC−150a)、1−クロロ−1−フルオロエタン(CHFCl−CH3、HCFC−151a)、および2,2−ジクロロ−1,1,1−トリクロロエタン(CF3−CHCl2、HCHC−123)である。飽和のハロゲン化炭化水素は1種またはそれ以上の純粋な化合物の形または数種の化合物の混合物として反応器に装入することができる。
本発明方法に使用される少なくとも1種の飽和ハロゲン化炭化水素の量は錫触媒1モル当たり約0.001〜5モルであることができる。このような飽和ハロゲン化炭化水素を本発明方法に使用する場合、本発明方法は錫触媒1モル当たり約0.1〜3モルの飽和ハロゲン化炭化水素を用いて行うことが好ましく、最も好適な量は錫触媒1モル当たり約0.5〜1.5モルである。
下記に報告する本発明の一態様によって操作した際の実施例で得られた結果を表1にまとめる。表1によれば、クロロエテンおよびHFから錫(IV)を介在させてHFC−152aを製造する場合、アルカリ金属のハロゲン化物を用いる利点が示される。他の工程変数を一定に保ち、錫触媒に対するハロゲン化アルカリのモル比を0から1まで増加させると、それに対応して生成物のHFC−152a/HCFC−151aのモル比は増加する。錫触媒に対するハロゲン化アルカリのモル比を増加させると、それに伴ってHFC−152aのモル収率は増加し、タールの生成量の重量%は減少する。本発明において使用する錫触媒に対するハロゲン化アルカリ添加剤のモル比が1より大きくなると、工程が阻害され、HFC−152a/HCFC−151aの生成比が減少し、タールの生成が増加する。錫触媒に対するハロゲン化アルカリのモル比を少なくとも約2として本発明方法を実施した場合、工程の実行性はハロゲン化アルカリを用いない場合に比べて比較的効率が悪くなる可能性がある。従って本発明方法を最も効率的に行い得る範囲は比較的広い。錫触媒に対するハロゲン化アルカリのモル比が約0〜少なくとも約1.5の範囲、典型的には約0.7〜約1.3の範囲にある場合利点が得られる。
Figure 0003839490
すべての他の工程変数を一定に保ち、実施例18に説明したようにHCFC−123と錫触媒との比が等しくなるような量の飽和ハロゲン化炭化水素を加えると、(対照例に比べ)HFC−152a/HCFC−151aのモル比は28倍増加し、重合体の副生成物生成量は51%減少する工程が得られる。すべての他の工程変数を一定に保ち、実施例20に示すようにHCFC−123およびKFの量を共に錫触媒と等モルにすると、(対照例に比べ)HFC−152aのモル収率は9%増加し、HFC−152a/HCFC−151aのモル比は30倍増加し、重合体の副生成物生成量は94%だけ減少する工程が得られる。
表2にまとめられている本発明のこの具体化例を研究すると、ハロゲン化アルカリを用いまたは用いないで広範囲の飽和ハロゲン化炭化水素を使用し、錫(IV)を触媒としてクロロエテンとHFからHFC−152aを製造する上で利点が得られることが判る。生成物の選択性の増加と収率の増加(タールの精製の減少)とが組み合わされ、広範囲の添加剤を使用できることと相俟って、本発明方法は工業的に魅力あるものになっている。
Figure 0003839490
本発明の一態様においては、本発明方法をバッチ法で行う。任意適当なオートクレーブ、例えばハステロイC(R)製の450ccParr(R)シリーズ4560ミニ反応器を使用することができる。このオートクレーブは典型的には、オートクレーブの液体の内容物を撹拌するタービン型のインペラー、注射器またはカニューレ技術でオートクレーブに対し液を導入または抜き取るための隔壁ポート、ガスまたは液体の材料を導入または抜き取るための弁付きのポート、弁付きの取出しポートを頂部に取り付けたジャケット付きの直径0.25インチの管状還流冷却器、および外部の加熱用ジャケットが取り付けられている。本発明のバッチ法は一般に任意所望の規模で行うことができる。この装置および付属した供給ライン、流出ライン、および付属の装置はHFおよびHClに対して抵抗性をもった材料でつくらなければならない。フッ素化の技術に良く知られている典型的な構造材料は、ステンレス鋼および高ニッケル合金、例えばモネル(Monel)(R)ニッケル−銅合金、ハステロイ(Hastelloy)(R)ニッケル・ベース合金、およびインコネル(Inconel)(R)ニッケル−クロム合金を含んでいる。
乾燥したオートクレーブをドライ・ボックスの中に移し、所望の量の少なくとも1種の錫触媒、およびハロゲン化アルカリおよび飽和ハロゲン化炭化水素から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物をオートクレーブに装入する。錫触媒は通常ドライ・ボックスの内部でオートクレーブの中に装入し、空気中に存在する水分との接触を最小限度に抑制する。
オートクレーブを密封し、ドライ・ボックスから取出す。次にオートクレーブのポートを真空ポンプに取り付け、下方の部分を液体窒素の中に入れて冷却し、オートクレーブを真空に引く。オートクレーブの中を真空にすることにより、潜在的に有害な空気を除去し、ガス状のHFを一層効率的に移送できるようにする。液体窒素はオートクレーブ中でガス状のHFを凝縮させることによりHFの移送を容易にする。次いでオートクレーブをHFのボンベに取り付け、真空の状態で所望の量のHFをオートクレーブの中に移送する。
クロロエテン、HFおよび錫触媒のオートクレーブ中に存在する量は、広い有効操作の範囲内において変えることができる。本発明方法に使用される材料の量は、錫触媒がSnCl4の場合、一般に触媒1kg当たり約0.1〜少なくとも約10(kg供給クロロエテン/時間)、通常は約0.2(kg供給クロロエテン/時間)である。HFを装入した触媒の初期量は一般に約5〜少なくとも約35重量%、例えばHF中にSnCl4が含まれる場合、通常HF中の錫触媒として約10〜約20重量%である。
密封したオートクレーブに原料を導入した後、オートクレーブを真空およびHF源から切り離し、周囲温度まで加温する。次にオートクレーブを約20〜約160℃、通常は約50〜約95℃の温度に加熱し、オートクレーブ内部の全圧を約60kPa〜約3000kPa、通常は約350kPaに保つ。オートクレーブ内部の圧力は背圧調節器のような任意の装置を用いて保持することができる。
次にガス状のクロロエテンを例えば約10〜約100sccm(約0.01〜約0.5kg/時間/kg−触媒)の割合でオートクレーブに加えるが、この割合はオートクレーブ内部のHFおよび錫触媒の量の関数として変化する。液体によりオートクレーブと連絡している還流冷却器から出て来る流出ガス流を凝縮させて捕集し、その量を監視する。オンラインのガスクロマトグラフ法(GC)を用いて流出流の組成を監視する。クロロエテンの添加終了後、窒素を流して過剰のガス状および液状の材料を排気する。次いでオートクレーブの固体内容物を取出し、水の中に落とし、濾過する。濾液を10%塩酸水溶液、水で洗滌し、一定重量になるまで真空乾燥器中で乾燥する。乾燥した塊の組成を分析し、生成したタールの量を決定する。
上記のようにバッチ法を使用することもできるが、工業的な立場からは連続法が特に望ましい。図1を参照すれば、図1はHFC−152aを連続的に製造する方法の模式図である。反応器1は還流カラム2と流体で連絡している。典型的には還流カラム2を圧力約345〜約3000kPa、温度約30〜約160℃で操作した場合、還流比は約2〜約20である。予め決定された量(前にバッチ法で説明したように)のHF、少なくとも1種の錫触媒、およびハロゲン化アルカリおよび飽和ハロゲン化炭化水素から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を反応器1に加える。下方への吸引作用をもつ二重羽根付き撹拌機3を用いて撹拌することにより反応器1の内容物を撹拌し、加熱して所望の操作温度/圧力における還流比を得る。所望の操作条件が得られたら、HFおよびクロロエテンを一つまたはそれ以上の供給ライン4を介して反応器に連続的に供給する。ガスは反応器1から出て行き、一つまたはそれ以上の供給ライン5を経て還流カラム2へ送られる。還流カラム2を出たガス流は典型的には実質的にHFC−152aおよびHClから成理、えぐHFC−152aが約60〜約70%をなしている。液体還流ライン6は還流カラム2に連結されている。ライン6により1,1−ジクロロエタンおよびHCFC−151aのような高沸点中間体、並びにHFは反応器1に戻される。反応器1または還流カラム2を出たガス流は任意の方法、例えば二つの通常の蒸溜工程(図1には示されていない)により精製することができる。第1の蒸溜工程ではHClが除去される。第2の蒸溜工程では、回収された未反応の中間体およびHFが除去され、必要に応じ反応器1に戻される。
前記のバッチ法で操作する場合と同様に、連続製造装置およびそれに付属した供給ライン、流出ライン、および処理装置は、HFおよびHClに抵抗性をもった材料からつくられていなければならない。
上記の説明では、HFC−152aが主成分をなす生成物流を製造することを強調したが、本発明方法は所望の他の化合物を製造するように操作することができる。即ち本発明方法によれば、1,1−ジクロロエテンのような塩化炭化水素からHFC−152aだけを、或いはHFC−152aと1種またはそれ以上の1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、HCFC−142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)等と一緒に製造するように操作することができる。同時に生成される生成物は回収して有用な混合物として使用するか、或いは個々の成分に分離することができる。
下記の実施例は単に本発明を例示するものであり、添付特許請求の範囲を限定するものではない。下記実施例において例えばクロロエテンは米国ニューヨーク州、RonkonkomaのFluka Incorporated製であり、HFはAir Products(米国ペンシルバニア州、Allentown)製、ヨード添加しないNaClは米国イリノイ州、ChicagoのMorton Salt製である。下記の実施例において使用したすべての化合物は市販品である。
実施例
実施例1−KF添加剤
市販の四塩化錫(SnCl4、37.5g、0.144モル)およびフッ化カリウム(KF、1.25g、0.0215モル)をドライ・ボックスに収納したハステロイC(R)製の450cc、Parr(R)シリーズ4560ミニ反応器に加える。直径0.25インチの管状還流冷却器を備えた反応器ヘッドに取り付けた後、これをドライ・ボックスから取出し、ステンレス鋼製の真空ラインに連結する。反応器の底を液体窒素に浸漬し、HF(150g、7.5モル)を真空下で反応器に移す。液体窒素の冷却浴を取外し、外部から加熱して内部温度が25℃近くになるまで反応器の温度を上昇させ、冷却水(3.7℃)を還流冷却器に循環させ始める。反応器の周りに加熱用のジャケットを置き、反応器の内部温度を50℃にし、この間背圧調節器で内部圧力を345kPaに保つ。
クロロエテン(44.1標準cm3/分またはsccm、7.4×10-73/秒)およびメタン(9.8sccm、1.6×10-73/秒)を流し始める。実施例10、24以外のすべての実施例および対照例3および4においては、ガスクロマトグラフの内部標準、および反応器をから材料を除去するのを助けるための希釈剤としてメタンを導入した。
約16.7時間に亙るクロロエタンの添加中1時間毎にガス流出流を監視する。供給したクロロエタンに関するHFC−152aのモル収率は約97%と測定された。オンライン・ガスクロマトグラフ(GC)によりHFC−152aは流出流の約100%をなすことが判った。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aの比(実験の4時間目から16時間までの間の平均)は約48であった。実験の終りにおいて、反応器の圧力を大気圧に戻し、揮発成分、例えばHFおよび有機物を追い出した。オートクレーブ中に残った固体分を水の中に落とし、テフロン(R)(PTFE)の膜フィルターで濾過する。濾液を10%HClで洗滌した後水洗し、温度115℃において空気循環乾燥機中で一定量になるまで乾燥する。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均1.00gであった。
対照例1−ハロゲン化アルカリまたは飽和ハロゲン化炭化水素の添加剤なし
この対照例に用いた装置、方法および材料は実施例1と実質的に同じであるが、ハロゲン化アルカリ添加剤を使用しない点が異っている。
供給したクロロエテンに関するHFC−152aのモル収率は約85%と測定された。HFC−152a生成物はオンライン・ガスクロマトグラフにより流出流の約98%をなしていることが示された。HFC−152a/HCFC−151aの比(実験の4時間目から17時間までの間の平均)の測定値は約40であった。操作後18時間して反応器を冷却し、大気圧になるまで排気して揮発成分、例えばHFおよび有機物を追い出す。残りは実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均約2.30gであった。
表3−実施例1〜9および対照例1および2
実施例2〜9では実施例1と実質的に同じ方法を使用し、対照例2では対照例1と実質的に同じ方法を使用した。実施例5、6、7、8および対照例2の場合には約20〜70gの反応器から得られる試料を実験の直後に採取し、元素状の錫の存在量について分析した。結果を表3に示す。実施例1とは異る工程変数、および反応生成物も表3に報告した。実験全体を通じて変らない工程変数は表3の後のノートに記した。
Figure 0003839490
表3のノート
a:すべての実施例(実施例4、10および対照例3を除く)において0.144モルのSnCl4を使用した。実施例4では0.0768モルのSnCl4を使用した。すべての実施例(実施例10および対照例3を除く)で7.5モルの無水HFを使用した。すべての実施例は50℃、345kPaで、実験時間(時間)の欄に規定された時間の間行った。
b:sccm=標準cm3/分。
c:下記の実験に関する説明参照。材料の量は同じであるが、添加の順序が異る。
d:実施例10および対照例3の実験に関する説明参照。方法は実施例1〜9および対照例1および2と少し異る。
e:152aの収率は内部規準のメタンを参照して計算する。
実施例5〜8および対照例2は前記の方法で行ったが、実験の終りにおいて排気シリンダーを反応器の浸漬管に取り付け、反応器の内容物の一部を取出して元素状の錫の分析を行った。これらの実施例の結果は上記表3に示されている。
実施例5−KF添加剤
本実施例の装置、方法および材料は上記実施例1と実質的に同じである。
フッ化カリウム(KF、8.37g、0.144モル)を四塩化錫と共に反応器に装入する。クロロエテンを50.2sccm(8.37×10-73/秒)の割合で加え、同時に内部標準のメタンを9.8sccm(1.63×10-73/秒)の割合で加えた。クロロエテンを約15.5時間に亙って加えた間、ガス流出流を1時間毎に監視した。供給したクロロエテンに関するHFC−152aのモル収率はGCでメタンと比較して約88%であった。HFC−152a生成物はオンライン・ガスクロマトグラフにより流出流のGC分析値のの約99%をなしていることが示された。HFC−152a/HCFC−151aの比(実験の4時間目から15時間目までの間の平均)のGC測定値は約78であった。実験終了時撹拌機を止めた直後に、クロロエテンおよびメタンを供給するのに通常用いられるラインに排気シリンダーを一時的に取り付けることにより、反応器の内容物の試料39.3gを反応器の浸漬管を通して取出した。試料を蛍光X線法で分析し、約13.4重量%のSnが検出された。反応器を大気圧まで排気して揮発物、例えばHFおよび有機物を追い出す。残りは実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均0.15gであった。
実施例8−NaF添加剤の遅延装入
市販の四塩化錫(SnCl4、37.5g、0.144モル)をドライ・ボックスに収納したハステロイC(R)製の450cc、Parr(R)シリーズ4560ミニ反応器に加える。反応器をドライ・ボックスから取出し、ステンレス鋼製の真空ラインに連結する。反応器の底を液体窒素に浸漬し、HF(100g、5.0モル)を真空下で反応器に移す。液体窒素の冷却浴を取外し、外部から加熱して内部温度が約25℃になるまで反応器の温度を上昇させ、反応器ヘッドに取り付けた還流冷却器を通し冷却水(3.7℃)を還流冷却器に循環させ始める。反応器の周りに加熱用のジャケットを置き、反応器の内部温度を50℃にし、この間背圧調節器で内部圧力を345kPaに保つ。反応器の内容物を前記の条件下において約2時間反応させ、SnCl4触媒およびHFから塩化フッ化錫触媒を生成させる。この2時間後にHF(50g、2.5モル)中にNaF(6.00g、0.143モル)を含む溶液を加圧して触媒溶液に注入する。得られた混合物を約15分間撹拌し、しかる後クロロエテン(50.2sccm、8.37×10-73/秒)および内部標準のメタン(9.4sccm、1.57×10-73/秒)を流し始める。約15.5時間に亙るクロロエタンの添加中1時間毎にガス流出流を分析する。供給したクロロエタンに関するHFC−152aのモル収率はメタンの標準に比較してGCにより約88%と測定された。オンライン・ガスクロマトグラフ(GC)によりHFC−152aは流出流の約99%をなすことが判った。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aの比(実験の4時間目から15時間までの間の平均)はGCで測定して約99であった。実験終了時撹拌機を止めた直後に、反応器の内容物の試料20.4gを反応器の浸漬管を通して取出した。試料を蛍光X線法で分析し、約11.1重量%のSnが検出された。反応器の圧力を大気圧に戻し、揮発成分、例えばHFおよび有機物を追い出した。残りは実施例1と同様に処理した。重量分析によりこの実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均約0.29gであると決定された。
対照例2−ハロゲン化アルカリまたは飽和ハロゲン化炭化水素添加剤なし
本実施例の装置、方法および材料は上記対照例1と実質的に同じである。
クロロエテンを49.2sccm(8.2×10-73/秒)の割合で、また内部標準のメタンを9.8sccm(1.6×10-73/秒)の割合で加えた。クロロエテンを約16.3時間に亙って加えた間、ガス流出流を1時間毎に監視した。供給したクロロエテンに関するHFC−152aのモル収率は約87%であった。HFC−152a生成物はオンライン・ガスクロマトグラフにより流出流のGC分析値のの98%をなしていることが示された。HFC−152a/HCFC−151aの比(実験の4時間目から16時間目までの間の平均)のGC測定値は44であった。実験終了時撹拌機を止めた直後に、反応器の内容物の試料21.6gを反応器の浸漬管を通して取出した。試料を蛍光X線法で分析し、約5.4重量%のSnが検出された。反応器を大気圧まで排気して揮発物、例えばHFおよび有機物を追い出す。残りは実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均約2.03gであった。
実施例9−NaCl添加剤−HFC−152aとHFC−143aとの同時製造
本実施例の装置、方法および材料は上記実施例1と実質的に同じである。
塩化ナトリウム(NaCl、4.21g、0.072モル)を四塩化錫と共に反応器に装入する。HCC−140a(1,1,1−トリクロロエタン)を12.2sccm(2.03×10-73/秒)の割合で、クロロエテンを25.3sccm(4.23×10-73/秒)の割合で、また内部標準のメタンを10.3sccm(1.7×10-73/秒)の割合で反応器に加えた。約14時間連続的に加えた間、ガス流出流を1時間毎に監視した。ガス流出流は、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)のモル収率(供給した1,1,1−トリクロロエタンに関し)が約68.4%、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142a)のモル収率(供給した1、1、1−トリクロロエタンに関し)が約29.9%、HFC−152aのモル収率(供給したクロロエテンに関し)が約98.3%であるような組成をもっていた。HFC−143a/HCFC−142bのモル比(実験の5時間目から14時間目までの間の平均)は約2.3であり、HFC−152a/HCFC−151aのモル比は約49であると決定された。実験終了時、反応器を大気圧まで排気して揮発物、例えばHFおよび有機物を追い出す。残りは実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均約0.70gであった。
実施例10−KF添加剤
市販の四塩化錫(SnCl4、100g、0.383モル)およびフッ化カリウム(KF、13.4g、0.230モル)をドライ・ボックスに収納されたハステロイC(R)製の600cc、Parr(R)ミニ反応器に加える。この反応ヘッドは、供給用またはサンプリング用の二つのポート、出て来る蒸気を捕集するためのポート付き還流冷却器、および撹拌機を備えている。反応器を密封し、反応器の底を冷却し、HF(300g、15モル)を反応器に装入する。得られた液体混合物を約15時間温浸する。次に反応器の内容物を80℃に加熱し、撹拌とクロロエタンの供給とを始める。次いでHFを反応器に導入し、反応器の中の全量が常に一定に保たれるように供給量を調節する。HF導入後一定の重量になり、還流冷却器の流出物のオンラインGC分析が実験誤差内で逐次行われるようになると、この工程は定常状態に達したと考えられる。クロロエテンの供給速度19.6g/時間において、還流冷却器の流出物のオンラインGC分析により次のような定常状態が得られた:HFC−152a(GCピークの面積により97.9%)、クロロエテン(0.017%)、HCFC−151a(1.7%)、および1,1−ジクロロエタン(0.2%)。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aの相対モル比は約59であった。実験の終りにおいて実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均約3.5gであった。
対照例3−ハロゲン化アルカリおよび飽和ハロゲン化炭化水素添加剤なし
本対照例の装置、方法および材料は上記実施例10と実質的に同じである。
反応器に装入される最初の原料は四塩化錫(140g、0.56モル)およびHF(300g、15モル)であった。温度約76℃で定常状態に達した。クロロエテンの供給速度約18.2g/時間において、還流冷却器の流出物のオンラインGC分析により次のような定常状態が得られた:HFC−152a(GCピークの面積により89.6%)、クロロエテン(約0%)、HCFC−151a(7.8%)、および1,1−ジクロロエタン(2.4%)。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aの相対比は約11であった。実験の終りにおいて実施例1と実質的に同様にしてタール状の固体分を得た。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均約7.12gであった。
実施例11−添加剤としての塩化メチレン
四塩化錫(SnCl4、37.5g、0.144モル)および塩化メチレン(CH2Cl2、6.12g、0.0721モル)をドライ・ボックス中でハステロイC(R)製の450cc、Parr(R)シリーズ4560ミニ反応器に加える。直径0.25インチの管状還流冷却器を備えた反応器ヘッドに取り付けた後、これをドライ・ボックスから取出し、ステンレス鋼製の真空ラインに連結する。反応器の底を液体窒素に浸漬し、HF(150g、7.5モル)を真空下で反応器に移す。液体窒素の冷却浴を取外し、外部から加熱して内部温度が25℃近くになるまで反応器の温度を上昇させ、冷却水(3.7℃)を還流冷却器に循環させ始める。反応器の周りに加熱用のジャケットを置き、反応器の内部温度を50℃にし、この間背圧調節器で内部圧力を345kPaに保つ。この時点でクロロエテン(50.1標準cm3/分またはsccm、8.35×10-73/秒)および内部標準のメタン(9.4sccm、1.57×10-73/秒)を流し始める。約16時間に亙るクロロエテンの添加中1時間毎にガス流出流を監視する。供給したクロロエテンに関するHFC−152aのモル収率は87%と測定された。オンライン・ガスクロマトグラフ(GC)によりHFC−152aは流出流の98%をなすことが判った。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aのモル比(実験の4時間目から16時間までの間の平均)は111であった。実験の終りにおいて、反応器の圧力を大気圧に戻し、揮発成分(HFおよび有機物)を追い出した。残りは実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均2.31gであった。
実施例12〜22
実施例12〜22では実施例11と同様な方法を用いた。これらの実施例の結果を表4に要約する。表4では実施例11の標準的な方法と異なる反応生成物および工程変数を報告し、実施例11と同様な全実験を通じて変らない工程変数は表4の後のノートに記した。
実施例15、17、22および対照例4に関しては表4の後で説明し、
実施例11に対してこれらの例で使用された方法の差異を明示した。
Figure 0003839490
表4のノート
a:実施例11と同様に、実施例12〜22、および対照例1および2では0.144モルのSnCl4、7.5モルのHFを使用し、50℃、345kPaで実施した。
b:これらの実施例では0.383モルのSnCl4、14.3モル(実施例22)および20モル(対照例4)のHFを使用し、600ccの反応器中において93℃(実施例22)および95℃(対照例4)で実施した。実施例22および対照例4に対する詳細点は下記の説明を参照のこと。
実施例15−添加剤としての塩化メチレンおよびトリメチルアミン
四塩化錫(SnCl4、37.5g、0.144モル)および塩化メチレン(CH2Cl2、12.21g、0.143モル)をドライ・ボックス中でハステロイC(R)製の450cc、Parr(R)シリーズ4560ミニ反応器に加える。直径0.25インチの管状還流冷却器を備えた反応器のヘッドに取り付けた後、これをドライ・ボックスから取出し、ステンレス鋼製の真空ラインに連結する。反応器の底を液体窒素に浸漬し、HF(150g、7.5モル)を真空下で反応器に移す。HFの移送が終ったら、トリメチルアミン(N(CH33、5.40g、0.092モル)を真空下で反応器に移送する。液体窒素の冷却浴を取外し、外部から加熱して内部温度が25℃近くになるまで反応器の温度を上昇させ、冷却水(3.7℃)を還流冷却器に循環させ始める。反応器の周りに加熱用のジャケットを置き、反応器の内部温度を50℃にし、この間背圧調節器で内部圧力を345kPaに保つ。この時点でクロロエテン(50.2標準cm3/分またはsccm、8.37×10-73/秒)および内部標準のメタン(9.4sccm、1.57×10-73/秒)を流し始める。約16.8時間に亙るクロロエテンの添加中1時間毎にガス流出流を監視する。供給したクロロエテンに関するHFC−152aのモル収率は91%と測定された。オンライン・ガスクロマトグラフ(GC)によりHFC−152aは流出流の99%をなすことが判った。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aのモル(実験の4時間目から16時間までの間の平均)は1440であった。実験の終わりにおいて、反応器の圧力を大気圧に戻し、揮発成分(HFおよび有機物)を追い出した。残りは実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均0.42gであった塩化メチレン添加剤および反応器の内容物中のSn重量%の決定
四塩化錫(SnCl4、37.5g、0.144モル)および塩化メチレン(CH2Cl2、12.22g、0.144モル)をドライ・ボックス中でハステロイC(R)製の450cc、Parr(R)シリーズ4560ミニ反応器に加える。直径0.25インチの管状還流冷却器を備えた反応器のヘッドに取り付けた後、これをドライ・ボックスから取出し、ステンレス鋼製の真空ラインに連結する。反応器の底を液体窒素に浸漬し、HF(150g、7.5モル)を真空下で反応器に移す。液体窒素の冷却浴を取外し、外部から加熱して内部温度が25℃近くになるまで反応器の温度を上昇させ、冷却水(3.7℃)を還流冷却器に循環させ始める。反応器の周りに加熱用のジャケットを置き、反応器の内部温度を50℃にし、この間背圧調節器で内部圧力を345kPaに保つ。この時点でクロロエテン(50.2標準cm3/分またはsccm、8.37×10-73/秒)および内部標準のメタン(9.5sccm、1.58×10-73/秒)を流し始める。約16.8時間に亙るクロロエテンの添加中1時間毎にガス流出流を監視する。供給したクロロエテンに関するHFC−152aのモル収率は85%と測定された。オンライン・ガスクロマトグラフ(GC)によりHFC−152aは流出流の99%をなすことが判った。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aのモル比(実験の4時間目から16時間までの間の平均)は1030であった。実験の終りにおいて、撹拌機を止めた直後に浸漬管を通して反応器の内容物の試料66.4gを採取した。試料を蛍光X線法で分析し、元素状の錫としてSnが約4.46重量%含まれていることが判った。反応器の圧力を大気圧に戻し、揮発成分(HFおよび有機物)を追い出した。残りは実施例1と同様に処理した。この実験で生成したタールは供給したクロロエテン100g当たり平均1.66gであった。
実施例22−添加剤としてのNaFおよびHCFC−123
市販の四塩化錫(SnCl4、100g、0.383モル)、フッ化ナトリウム(NaF、17.0g、0.404モル)およびHCFC−123(CF3−CHCl2、58.7g、0.383モル)をドライ・ボックス中でハステロイC(R)製の600cc、Parr(R)ミニ反応器に加える。この反応ヘッドは、供給用またはサンプリング用の二つのポート、出て来る蒸気を捕集するためのポート付き還流冷却器、および撹拌機を備えている。反応器を密封し、底を冷却し、HF(286g、14.3モル)をを反応器に装入する。得られた液体混合物を15時間放置する。次に反応器の内容物を93℃に加熱し、撹拌とクロロエタンの供給とを始める。次いでHFの供給を開始し、反応器の中の全量が常に一定に保たれるように供給量を調節する。これが達成され、還流冷却器の流出物のオンラインGC分析が実験誤差内で逐次行われるようになると、この工程は定常状態に達したと考えられる。
クロロエテンの供給速度19.6g/時間(0.31モル/時間)において、還流冷却器の流出物のオンラインGC分析により次のような定常状態が得られた:HFC−152a(GCピークの面積により96.3%)、クロロエテン(0.0%)、HCFC−151a(0.1%)、および1,1−ジクロロエタン(0.0%)。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aの相対比は1267であった。
対照例4(C4)−ハロゲン化アルカリまたは飽和ハロゲン化炭化水素添加剤なし
本対照例の装置、方法および材料は実施例23記載のものと同様であったが、添加剤を使用しない点が異っている。本対照例で得られた結果および実施例23の方法と異った点は次の通りである。
反応器に対するHFの装入量は400g(20モル)であった。クロロエテンの供給速度19.6g/時間(0.31モル/時間)において、還流冷却器の流出物のオンラインGC分析により次のような定常状態が得られた:HFC−152a(GCピークの面積により84.8%)、クロロエテン(0.1%)、HCFC−151a(11.3%)、および1,1−ジクロロエタン(0.8%)。GCで測定されたHFC−152a/HCFC−151aの相対比は7.5であった。

Claims (10)

  1. (a)クロロエテン、フッ化水素、ハロゲン化錫、オキシハロゲン化錫、および有機錫化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の錫触媒、およびアルカリ金属のハロゲン化物および一般式CX1234
    但し式中 X1〜X4の少なくとも一つは塩素であり、残りはそれぞれ水素、フッ素、臭素、およびC(y)(2y+1)から成る群から選ばれ、ここにZは同一または相異なり水素、フッ素、塩素、および臭素から成る群から選ばれ、yは1〜6の整数である、
    の飽和ハロゲン化炭化水素から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物から成る液相混合物をつくり、この際該飽和ハロゲン化炭化水素は該液相混合物の55重量%より少なくなるようにし、
    (b)該混合物を加熱し、
    (c)1,1−ジフルオロエタンを含む第2の混合物を回収する工程から成ることを特徴とする1,1−ジフルオロエタンの製造法。
  2. 該加熱は温度約30℃〜160℃で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 該アルカリ金属のハロゲン化物はNaCl、NaF、KClおよびKFから成る群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 該錫触媒は、SnCl4、SnBr4、SnCl3F、SnCl22、SnClF3、SnF4、SnCl2O、SnF2O、SnClFO、Sn(CH34、OSn(C252、およびSnCl2(CH32から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 該飽和ハロゲン化炭化水素は塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1、1−ジクロロエタン、1−クロロ−1−フルオロエタン、および2,2−ジクロロ−1,1,1,−トリフルオロエタンから成る群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 該触媒系は該錫触媒1モル当たり該アルカリ金属のハロゲン化物を約0.001〜2モル含んでいることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 該飽和ハロゲン化炭化水素対該錫触媒のモル比は約0.001〜5であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. a.アルカリ金属のハロゲン化物はNaCl、NaF、KClおよびKFから成る群から選ばれ、
    b.該錫触媒は、SnCl4、SnBr4、SnCl3F、SnCl22、SnClF3、SnF4、SnCl2O、SnF2O、SnClFO、Sn(CH34、OSn(C252、およびSnCl2(CH32から成る群から選ばれ、
    c.該触媒系は該錫触媒1モル当たり該アルカリ金属のハロゲン化物を約0.001〜2モル含んでいることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 該飽和ハロゲン化炭化水素は塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1、1−ジクロロエタン、1−クロロ−1−フルオロエタン、および2,2−ジクロロ−1,1,1,−トリフルオロエタンから成る群から選ばれ、該飽和ハロゲン化炭化水素対該錫触媒のモル比は約0.001〜5であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 該方法は連続法であることを特徴とする請求項1記載の方法。
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