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JP3834073B2 - 巻上・巻下機の停止方法 - Google Patents

巻上・巻下機の停止方法 Download PDF

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  • Control And Safety Of Cranes (AREA)
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Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、クレーン用ロープの巻上、巻下等に用いられる巻上・巻下機の停止方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の巻上・巻下機では、その駆動は電動機で行い、停止時には電磁ブレーキを作動させるが、運転時から停止に移行するときの電動機と電磁ブレーキの作動のタイミングが難しい。たとえばクレーン用ロープで負荷を吊り下げて所定の高さでクレーンを停止しようとする場合、電動機の停止よりも電磁ブレーキの作動のタイミングが遅れると、ある時間クレーン用ロープは無トルク状態となるので、荷落ちが生じ、作業上危険である。
【０００３】
そこで、特開昭５９−１２４６９０号公報においては、電動機と電磁ブレーキのタイミングを制御し、電動機の停止直前に電磁ブレーキの制動動作を行わせるようにして、荷落ちを解消している。図４はこの従来例の制御回路の構成、図５はその停止時のタイミングチャートである。
図４において、巻上電動機Ｍ１の出力軸の一端は電磁ブレーキＭＢのドラムに、他端は減速機Ｇを介して巻上ドラムＤに連結されており、電動機Ｍ１の一次側と電源との間に可変電圧可変周波数形のインバータＩ１を接続し、このインバータＩ１は同時にブレーキ制御器ＢＣを介して電磁ブレーキＭＢに接続されている。この装置の動作について、図５を参照しながら説明すると、時間ｔ7 において停止指令ＳＲがインバータＩ１に入力されると電動機Ｍ１に対する速度指令ＮＲＥＦは減少し、それにつれて電動機速度ＮＦＢも減少するが、予め定められた値（停止直前）まで電動機速度ＮＦＢが減少すると、時間ｔ8 において制動指令ＢＲを電磁ブレーキＭＢへ出力し電磁ブレーキＭＢを作動させる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の巻上・巻下機における停止方法は、電動機が回転中に電磁ブレーキを作動させるため、電磁ブレーキが摩耗し易いという問題がある。また、電磁ブレーキが作動しなかった場合でも速度指令ＮＲＥＦがゼロに達した時点ｔ9 で制御を停止するため電流指令がゼロになり、負荷を落としてしまうという問題もある。
そこで、本発明が解決すべき課題は、電磁ブレーキの摩耗と負荷の吊り落としを防止することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の巻上・巻下機の停止方法は、巻上用電動機の出力軸に電磁ブレーキと巻き上げドラムを連結し、前記巻上ドラムに巻かれたクレーン用ロープにより負荷の巻上、巻下を行い、負荷の巻上または巻下を停止する時に、電動機を停止して巻上ドラムを停止する巻上・巻下機の停止方法において、速度指令発生回路から出力された速度指令（ＮＲＥＦ）と速度検出器により検出された電動機速度（ＮＦＢ）の偏差が速度制御器に入力され、トルク指令（ＴＲＥＦ）の大きさを任意に制限するためのトルク指令制限回路を経てトルク指令（ＴＲＥＦ）がベクトル制御インバータに入力され、電動機が駆動され、停止指令（ＳＲ）及び速度検出器で検出された電動機速度（ＮＦＢ）は制動指令発生回路に入力されて電動機に直結する電磁ブレーキに制動指令（ＢＲ）が出力され、停止指令（ＳＲ）及び速度検出器で検出された電動機速度（ＮＦＢ）は制動指令発生回路に入力され、電磁ブレーキに制動指令（ＢＲ）が出力され、時間ｔ １ において停止指令（ＳＲ）が制動指令発生回路に入力されると、速度指令発生回路より出力した速度指令（ＮＲＥＦ）が減少し、それにつれて電動機速度（ＮＦＢ）も減少し、時間ｔ ２ において電動機速度ＮＦＢがゼロに達した後、時間ｔ ３ において制動指令発生回路より制動指令（ＢＲ）を電磁ブレーキへ出力して電磁ブレーキを作動させ、時間ｔ ４ から時間ｔ ５ の時限をもってトルク指令制限回路がトルク指令（ＴＲＥＦ）をゼロまで減少させた後、前記電動機速度（ＮＦＢ）がゼロならば電動機の制御を停止するようにしている。また、前記電動機速度（ＮＦＢ）がゼロに達した後、タイマカウントを行い、タイマ値が所定時間以下になったときに、制動指令発生回路より制動指令（ＢＲ）を電磁ブレーキヘ出力し、電磁ブレーキを作動させるものである。
【０００６】
【作用】
本発明の巻上・巻下機の停止方法は、上記手段により電動機の回転が完全に停止してから電磁ブレーキを作動させた後、トルク指令をある時限でゼロまで絞っても電動機が回転しないならば、電磁ブレーキがその時点の負荷に耐え得るトルクを出力していると判断できるため、電動機の制御を停止しても、負荷の吊り落としを防止することができる。また、電動機の回転停止時に電磁ブレーキを作動させることにより、電磁ブレーキの摩耗を防止することができる。
【０００７】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図１は本発明の巻上・巻下機の停止方法をベクトル制御インバータを利用してクレーンに適用した実施例の要部構成を示すブロック図、図２は本実施例の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図１において、Ｍは電動機であり、速度指令発生回路ＮＲＣから出力された速度指令ＮＲＥＦと速度検出器ＰＧにより検出された電動機Ｍの速度ＮＦＢの偏差が速度制御器ＡＳＲに入力され、トルク指令の大きさを任意に制限するためのトルク指令制限回路ＴＬＩＭを経てトルク指令ＴＲＥＦがベクトル制御インバータＩＮＶに入力され、電動機Ｍが駆動される。一方、停止指令ＳＲ及び速度検出器ＰＧで検出された電動機速度ＮＦＢは制動指令発生回路ＢＲＣに入力され、電磁ブレーキＢに制動指令ＢＲが出力される。
【０００８】
図１の回路の動作を図２のタイミングチャートに基づいて説明する。
電動機Ｍの動作中、時間ｔ1 において図１に示したブロック図の停止指令ＳＲが入力されると、速度指令発生回路ＮＲＣより出力した速度指令ＮＲＥＦが減少し、それにつれて電動機速度ＮＦＢも減少する。時間ｔ2 において電動機速度ＮＦＢがゼロに達した後、時間ｔ3 において制動指令発生回路ＢＲＣより制動指令ＢＲを電磁ブレーキＢへ出力し、電磁ブレーキＢを作動させる。電動機速度ＮＦＢがゼロの状態で電磁ブレーキＢを作動させるため電磁ブレーキＢの摩耗を防止することができる。時間ｔ3 から時間ｔ4 の間は電磁ブレーキ動作遅れ時間を考慮している。時間ｔ4 から時間ｔ5 の時限をもってトルク指令制限回路ＴＬＩＭがトルク指令ＴＲＥＦをゼロまで減少させる。時間ｔ4 以降はトルク指令をゼロにしても電動機速度ＮＦＢがゼロのままであれば電磁ブレーキＢがその時点の負荷に耐え得るトルクを出力していることになるため、電動機の制御を停止しても負荷を吊り落とすことはない。したがって時間ｔ6 において電動機の制御を停止することができる。
制動指令発生回路ＢＲＣのブレーキシーケンスのフローを図３に示す。
【０００９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、速度指令発生回路が発生した速度指令に基づき速度制御器により出力されたトルク指令を電動機に与えることにより、巻上・巻下を行う巻上・巻下制御において、停止時に電動機に直結された電磁ブレーキへの制動指令を出力後、ある時限をもって電動機へのトルク指令をゼロに制御した後、電動機の速度がゼロならば電動機の制御を停止することにより、電磁ブレーキの摩耗と負荷の吊り落としを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の巻上・巻下機の停止方法の一実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図２】 本実施例の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図３】 本発明における制動指令発生回路のブレーキシーケンスのフローチャートである。
【図４】 従来例の巻上・巻下機の構成を示す回路図である。
【図５】 従来例の巻上・巻下機における停止時の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
ＮＲＣ 速度指令発生回路、ＮＲＥＦ 速度指令、ＡＳＲ 速度制御器、ＴＬＩＭ トルク指令制限回路、ＴＲＥＦ トルク指令、ＩＮＶ ベクトル制御インバータ、Ｍ 電動機、Ｂ 電磁ブレーキ、ＢＲ 制動指令、ＢＲＣ 制動指令発生回路、ＰＧ 速度検出器、ＮＦＢ 電動機速度、ＳＲ 停止指令

Claims (2)

  1. 巻上用電動機の出力軸に電磁ブレーキと巻き上げドラムを連結し、前記巻上ドラムに巻かれたクレーン用ロープにより負荷の巻上、巻下を行い、負荷の巻上または巻下を停止する時に、電動機を停止して巻上ドラムを停止する巻上・巻下機の停止方法において、
    速度指令発生回路から出力された速度指令（ＮＲＥＦ）と速度検出器により検出された電動機速度（ＮＦＢ）の偏差が速度制御器に入力され、トルク指令（ＴＲＥＦ）の大きさを任意に制限するためのトルク指令制限回路を経てトルク指令（ＴＲＥＦ）がベクトル制御インバータに入力され、電動機が駆動され、停止指令（ＳＲ）及び速度検出器で検出された電動機速度（ＮＦＢ）は制動指令発生回路に入力されて電動機に直結する電磁ブレーキに制動指令（ＢＲ）が出力され、停止指令（ＳＲ）及び速度検出器で検出された電動機速度（ＮＦＢ）は制動指令発生回路に入力され、電磁ブレーキに制動指令（ＢＲ）が出力され、時間ｔ １ において停止指令（ＳＲ）が制動指令発生回路に入力されると、速度指令発生回路より出力した速度指令（ＮＲＥＦ）が減少し、それにつれて電動機速度（ＮＦＢ）も減少し、時間ｔ ２ において電動機速度（ＮＦＢ）がゼロに達した後、時間ｔ ３ において制動指令発生回路より制動指令（ＢＲ）を電磁ブレーキへ出力して電磁ブレーキを作動させ、時間ｔ ４ から時間ｔ ５ の時限をもってトルク指令制限回路がトルク指令（ＴＲＥＦ）をゼロまで減少させた後、前記電動機速度（ＮＦＢ）がゼロならば電動機の制御を停止することを特徴とする巻上・巻下機の停止方法。
  2. 前記電動機速度（ＮＦＢ）がゼロに達した後、タイマカウントを行い、タイマ値が所定時間以下になったときに、制動指令発生回路より制動指令（ＢＲ）を電磁ブレーキヘ出力し、電磁ブレーキを作動させることを特徴とする請求項１記載の巻上・巻下機の停止方法。
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