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JP3832064B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

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JP3832064B2
JP3832064B2 JP35464897A JP35464897A JP3832064B2 JP 3832064 B2 JP3832064 B2 JP 3832064B2 JP 35464897 A JP35464897 A JP 35464897A JP 35464897 A JP35464897 A JP 35464897A JP 3832064 B2 JP3832064 B2 JP 3832064B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用シートに関し、特に光沢に優れ、インクジェット記録適性に優れたインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタによる記録法は、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が容易なために多方面で利用されている。インクジェット記録用シートとしては、インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、基紙表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適用されている。ところで、これらのインクジェット記録用シートとして主として表面光沢の低い、いわゆるマット調の記録用紙が用いられているため、表面光沢が高く、優れた外観を有するインクジェット記録用シートの提供が要望されている。
【0003】
一般に、表面光沢の高い用紙としては、基紙の表面に板状顔料を塗工し、さらに必要に応じてキャレンダー処理が施された高光沢塗工紙、あるいは基紙上の湿潤塗工層を鏡面を有する加熱ドラム面に圧着、乾燥してその鏡面を写し取ることによって得られた、いわゆるキャスト塗工紙が知られている。
このキャスト塗工紙は、スーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗工紙に比較してより高い表面光沢とより優れた表面平滑性とを有し、優れた印刷効果が得られることから、専ら高級印刷物等の用途に利用されているが、これをインクジェット記録用紙として利用した場合、種々の問題点を生ずる。
【0004】
一般に従来のキャスト塗工紙は、例えば米国特許第5275846号に開示されているように、その塗工層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質が、キャストコーターの鏡面ドラム表面を写し取ることによって高い光沢を得ている。しかしながら、この成膜性物質の存在によって塗工層の多孔性が失われ、このためインクジェット記録時のインク吸収を極度に低下させる等の問題を生ずる。このインク吸収性を改善するには、キャスト塗工層の構造を、インクを容易に吸収できるようにポーラスにしてやることが重要であり、そのためにはキャスト塗工層の成膜性を減ずることが必要となる。ところが成膜性物質の量を減らすことにより、結果として白紙光沢が低下するという問題を生ずる。つまり、キャスト塗工紙の表面光沢とインクジェット記録適性との両方を同時に満足させることは極めて困難なことである。
【0005】
上記の問題点を解決する方法として、本発明者らは、特開平7−89220号公報において、厚紙上に顔料および接着剤を主成分とする下塗り層を設け、さらにその上に、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させて得られ、かつ40℃以上のガラス転移点を有する共重合体組成物を主成分として含有する塗工液を塗工してキャスト用塗工層を形成せしめ、このキャスト用塗工層が湿潤状態にある間に、これを加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト塗工層を形成することにより、得られ、優れた光沢とインク吸収性とを兼ね備えたインクジェット記録用キャスト紙を提案した。
【0006】
近年インクジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化による用途の拡大に伴い、インクジェット記録シートに対して強光沢、高画質、及び高記録濃度などの品質が望まれてきており、例えば銀塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢、記録品質が求められているが、このような要求を満たすには、上記品質を一層改良する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光沢性に優れ、印字濃度、記録画質等のインクジェット記録適性に優れたインクジェット記録シートを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインクジェット記録シートは、基材にシートと、この基材シート上に形成され、かつ顔料及び接着剤を含有する少なくとも1層の下塗り層と、この下塗り層上に形成され、かつ顔料及び接着剤を含むキャスト塗工層とを有し、
前記キャスト塗工層中の顔料が、3nm〜40nmの一次粒子平均粒径及び10nm〜300nmの二次粒子平均粒径を有するシリカ微細粒子を含有し、但し、前記シリカ微細粒子の一次平均粒径及び二次平均粒径は、前記シリカ微細粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、この撮影された粒子のマーチン径を測定し、この測定値を平均したものであり、また前記キャスト塗工層中の接着剤が、水性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とするものである。
前記本発明のインクジェット記録シートにおいて前記キャスト塗工層に含まれる水性ポリウレタン樹脂は、カチオン性水性ポリウレタン樹脂を含むことが好ましい。
前記本発明のインクジェット記録シートにおいて、前記キャスト塗工層に含まれる水性ポリウレタン樹脂が、40℃以上のガラス転移温度を有することが好ましい。
前記本発明のインクジェット記録シートにおいて、前記キャスト塗工層が、さらにカチオン性化合物を含有していてもよい。
前記本発明のインクジェット記録シートにおいて、前記下塗り層が、コロイダルシリカと、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体樹脂との複合体を含有する、ものであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる基材には、特に限定はなく、一般の塗工紙に使用される酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材を適宜使用することができる。また透気性を有する樹脂シート類も本発明に用いることができる。
本発明のインクジェット記録シートに用いられる紙基材は、木材パルプと必要に応じ顔料とを主成分として構成される。木材パルプとしては、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これらのパルプの叩解度を叩解機により適宜に調製し、それによって、得られる紙基材の、紙力、抄紙適性等を調整することができる。パルプの叩解度(フリーネス)には特に限定はないが、250〜550ml(CSF:JISP−8121)程度であることが好ましい。紙基材に含まれる顔料は紙基材に不透明性等を付与したり、そのインク吸収性を調整するのに有効であり、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。紙基材中の顔料の配合量は1〜20%程度であることが好ましい。顔料の配合量が多すぎると得られる紙基材の紙力が低下するおそれがある。紙基材に対し、助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加することができる。さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール、カチオン樹脂等を紙基材に塗布・含浸させ、それにより紙基材の表面強度、サイズ度等を調整することもできる。一般に紙基材のサイズ度は1〜200秒程度であることが好ましい。サイズ度が1秒未満であると、塗工時に皺が発生する等操業上問題となる場合があり、サイズ度が200秒より高いと得られる紙基材のインク吸収性が低下したり、印字後にカールやコックリングが著しくなる場合がある。紙基材の坪量には、特に限定はないが、20〜400g/m2 程度であることが好ましい。
【0010】
紙基材上に設けられる下塗り層は、顔料と接着剤を主成分として含むものである。下塗り層中の顔料は、例えばカオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカ)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で併用されている各種顔料から選ぶことができ、これらは単独で、又は2種以上を併用することが出来る。これらの中でも、インク吸収性の高い無定形シリカ、アルミナ、及び/又はゼオライトを主成分として使用することが好ましい。
【0011】
下塗り層用接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、等一般に塗工紙用として用いられている接着剤から適宜に選ぶことができ、これらは、単独であるいは2種以上を併用して用いられる。
【0012】
下塗り層用顔料と接着剤との配合割合は、その種類にもよるが、一般に顔料100重量部に対し接着剤1〜100重量部、であることが好ましく、より好ましくは2〜50重量部の範囲で調節される。下塗り層中には、必要により、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。また下塗り層中には蛍光染料、及び/又は着色剤を添加することもできる。
【0013】
下塗り層中には、インクジェット記録用インク中の染料成分を定着する目的で、カチオン性化合物を配合することもできる。ただし、後で述べる様に、インク染料は、下塗り層上に設けられるキャスト塗工層中にできるだけ定着された方が、印字(記録)濃度が高くなるため好ましく、このためには、カチオン性化合物を下塗り層中よりもキャスト塗工層中により多く配合することが好ましい。更に好ましくは、キャスト塗工層のみにカチオン性化合物を配合し、下塗り層中にはカチオン性化合物が実質的に存在しないようにする。カチオン性化合物が下塗り層中に実質的に存在しないとは、例えば助剤として、微量のカチオン性界面活性剤を添加してもよい。キャスト塗工層のみにカチオン性化合物を配合し、下塗り層中にはカチオン性化合物が実質的に存在しない場合に、キャスト塗工層の光沢が最も高くなる。
【0014】
下塗り層中に、コロイダルシリカとエチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体樹脂との複合体を配合すると、その上に形成されるキャスト塗工層の光沢をより向上させることができる。この理由は具体的には不明であるが、上記複合体の存在が、下塗り層のインク吸収性を維持したまま、キャスト塗工層用塗工組成物の下塗り層への浸透を抑制するためと推定される。さらに、上記複合体の使用によりキャスト塗工層のキャストドラムからの離型性が向上する傾向がある。但し、その理由は不明である。
【0015】
エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体樹脂としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等のエチレン性モノマーを重合して得られる重合体などが挙げられる。なお、この重合体は、必要に応じて2種類以上のエチレン性モノマーを併用した共重合体であってもよいし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置換誘導体であってもよい。この置換誘導体としては、例えばカルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反応性にしたもの等が例示される。
【0016】
コロイダルシリカと前記重合体樹脂との複合化は、上記のエチレン性モノマーをシランカップリング剤等及びコロイダルシリカの存在下において重合させ、Si−O−R(R:重合体成分)結合によって前記両者を複合体にする方法及び必要に応じシラノール基等で変性した重合体樹脂とコロイダルシリカとを反応させ、Si−O−R(R:重合体成分)結合によって両者を複合体にする方法などにより得られる。
【0017】
上記成分により構成される下塗り層用組成物は、一般に固形分濃度を5〜50重量%程度に調整され、紙基材上に乾燥重量で2〜100g/m2 、好ましくは5〜50g/m2 程度、更に好ましくは10〜20g/m2 程度になるように塗工される。塗工量が2g/m2 より少ないと、インク吸収性が劣ったり、キャスト塗工層を設けた際にその光沢が十分に出なかったりする場合がある。また塗工量が100g/m2 より多いと、印字濃度が低下したり、下塗り層の強度が低下し粉落ちや傷が付き易くなる場合がある。
下塗り層用組成物は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、ダイコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の各種公知公用の塗工装置により基材上に塗工、乾燥され下塗り層が形成される。さらに、必要に応じて下塗り層の乾燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
【0018】
本発明では、上記顔料と接着剤とを含有する下塗り層上にさらにキャスト塗工層を設ける。このキャスト塗工層は、特定のシリカ微細粒子と水性ポリウレタン樹脂とを主成分として含有するものである。まず、このシリカ微細粒子について、説明する。
本発明に用いられるシリカ微細粒子の調製方法には特に限定はないが、例えば、一般的に市販されている合成非晶質シリカ(例えば2次粒子径が数μm程度のもの)に機械的手段により強い剪断力を与えて2次粒子径を小さくすることにより得ることが出来る。この機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、及びサンドグラインダー等があげられる。このようにして処理されたシリカ微細粒子は、一般に固形分濃度が5〜20%程度の水分散体(スラリーあるいはコロイド粒子)として得られる。
【0019】
本発明においてシリカ微細粒子の平均粒子径とは、電子顕微鏡(SEMとTEM)により観察測定された粒子径である(1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定し、平均したもの。「微粒子ハンドブック」( 朝倉書店) のP52、1991年等に記載されている。)
本発明で用いるシリカ微細粒子(実質的に二次粒子が主体)の二次粒子平均粒子径は、10nm〜300nmであり、好ましくは、15nm〜150nm、より好ましくは20nm〜100nmに調整される。シリカ微細粒子の二次粒子の平均粒子径が300nmを越えると、得られるキャスト塗工層の透明性が低下し、キャスト塗工層中に定着された染料による画像の色濃度が低下し、所望とする印字濃度が得られない。また、二次粒子の平均粒子径が10nm未満のシリカ微細粒子を使用すると、得られる塗工層のインキ吸収性が低下し、所望の高品位を得ることができない。
【0020】
また、シリカ微細粒子の一次粒子平均粒子径は、3nm〜40nmに調整する必要があり、好ましくは5nm〜30nm、より好ましくは7nm〜20nmである。この一次粒子径が3nm未満になると1次粒子間の空隙が著しく小さくなり、このため、二次粒子のインキ中の溶剤やインキを吸収する能力が低下し、所望の高品位画像を得ることができない。また、一次粒子の平均粒径が40nmを越えると、一次粒子の凝集により形成されるた2次粒子が過大になり、キャスト塗工層の透明性が低下し、キャスト塗工層中に定着された染料による画像の色濃度が低下し、所望とする印字濃度が得られない。
キャスト塗工層中の全顔料に対するシリカ微細粒子の含有比率は、キャスト塗工層の透明性を維持するために、50%以上であることが望ましい。全顔料に対するシリカ微細粒子の含有比率が50%未満になると得られるキャスト塗工層の透明性が低下し、印字濃度等の画像品位が低下することがある。
【0021】
キャスト塗工層用接着剤には、水性ポリウレタン樹脂が含まれる。キャスト塗工層は、水性ポリウレタン樹脂を含有することにより、キャストドラムからの離型性に優れたものとなる。さらに得られた記録シートは、インク吸収性、印字濃度、耐水性、表面強度、及び光沢に優れたものとなる。水性ポリウレタン樹脂は、ウレタンエマルジョン、ウレタンラテックス、ポリウレタンラテックス等とも通称されている。
ポリウレタン樹脂とは、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応から得られるものであって、比較的多数のウレタン結合および尿素結合を含む高分子化合物であると定義づけられる。
【0022】
水性ポリウレタン樹脂製造用ポリイソシアネート化合物には、特に限定はないが、例えばトリレンジイソシアネート、及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系、ポリイソシアネート類、並びにヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート等の脂肪族及び脂環族系ポリイソシアネート類が用いられる。
【0023】
水性ポリウレタン樹脂製造用活性水素含有化合物としては、一般に水酸基やアミノ基を有する化合物が用いられ、高分子を有するものとしてはポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、及びポリカーボネートジオール等が挙げられ、低分子量を有するものとしては、エチレングリコール、1 、 4 ブタンジオール、及び1 、 6 ヘキサンジオール等のグリコール類、並びにイソプロピルジアミン、及びヘキサメチレンジアミン等のジアミン類等が挙げられる。
【0024】
水性ポリウレタン樹脂は、水性媒体中に微粒子状に分散又は乳化しているものであって、その分散粒子の粒子径0.001〜20μm程度であり、その外観は透明な溶液、半透明のコロイダル分散液、及び、乳白色のエマルジョンである。本発明においてはこれらを一括して水性ポリウレタン樹脂と表現する。
水性ポリウレタン樹脂は、乳化剤の存在下で高い機械的せん断力で強制乳化した強制乳化型と、分子鎖中にイオン性基等の親水性基を導入して親水性を賦与し、乳化剤の助力なしに水中に安定に分散し得るようにした自己乳化型と、さらに水中に溶解させた溶解型とに分類される。この内でも自己乳化型水性ポリウレタン樹脂が光沢、耐水性等に優れ、本発明に好ましく用いられる。自己乳化型水性ポリウレタン樹脂の中には、それに導入される親水性基の種類により、カチオン型(アミノ基等を導入)、アニオン型(カルボキシル基やスルフォン基等を導入)、ノニオン型(ポリエチレングリコール基等を導入)に分類される。この中では、三級アミノ基等のカチオン基を導入し、それを酸で中和または四級化したカチオン型の水性ポリウレタン樹脂(カチオン性水性ポリウレタン樹脂)が好ましい。
水性ポリウレタン樹脂がカチオン性の場合、インク吸収性、印字濃度に特に優れたキャスト塗工層が得られ、後述するように、キャスト塗工層中に水性インク定着剤としてのカチオン性化合物が配合される場合、それとの混和性に優れている。
水性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が40℃以上の場合、得られるキャスト塗工層は、キャストドラムからの離型性に優れている。水性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は60℃以上であることがより好ましい。このガラス転移温度に格別の上限はないが、一般に150℃以下であることが好ましい。
キャスト塗工層における水性ポリウレタン樹脂の配合量は、顔料100重量部に対し1〜200重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜100重量部の範囲内に調節される。ここで水性ウレタン樹脂の配合量が1重量部未満であると、所望の効果が十分に得られず、キャスト塗工層の強度が弱くなり、表面が傷つきやすくなったり、粉落ちが発生することがある。またその配合量が200重量部より多くなると、得られるキャスト塗工層のインク吸収性が低下し、所望のインクジェット記録適性が得られなくなることがある。
【0025】
本発明において、キャスト塗工層は、上記した水性ポリウレタン樹脂以外に、水溶性樹脂、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、水分散性樹脂、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体のラテックス、アクリル系重合体のラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体のラテックス等、及びその他一般に塗工紙分野で用いられる各種接着剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいてもよい。
ただし、キャスト塗工層中の全接着剤に対する水性ウレタン樹脂の配合比率は、所望の効果を維持するために、50%以上であることが望ましい。全接着剤に対する水性ウレタン樹脂の配合比率が50%未満になると、得られるキャスト塗工層の光沢、強度、及び耐水性が低下することがあり、また印字濃度等の画像品位が低下することもある。
【0026】
キャスト塗工層中には、インク中の染料成分を定着させる目的で、カチオン性化合物を配合することが好ましい。カチオン性化合物の配合の方法は、前記シリカ微細粒子にそれを混合すればよいのだが、シリカ微細粒子は一般にアニオン性を示し、このため、カチオン性化合物の混合により凝集が起こる場合がある。この場合、一般的に市販されている非晶質シリカ(数μmの二次粒子径を有する)に機械的手段により強い剪断力を与えて微細粒子にする際、処理前の無定形シリカにカチオン性化合物(キャスト塗工層に配合するカチオン性樹脂の全量またはその一部)を混合分散した後、この混合物を機械的手段による分散・粉砕に供するか、あるいは微細化したシリカ二次粒子分散液にカチオン性化合物を混合し、これを一旦増粘・凝集させた後、再度機械分散・粉砕に供する方法等をとることができる。
【0027】
カチオン性化合物としては、カチオン性樹脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン性界面活性剤等)を用いることができる。印字濃度向上の効果の点では、カチオン性樹脂を用いることが好ましく、これは水溶性樹脂あるいはエマルジョンとして使用できる。またカチオン性樹脂を架橋等の手段により不溶化し、粒子状の形態とされたカチオン性有機顔料を使用してもよい。このようなカチオン性顔料は、カチオン性樹脂を重合する際、多官能性モノマーを共重合し架橋樹脂とする方法、あるいは反応性の官能基(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等)を有するカチオン樹脂に、必要に応じ架橋剤を添加し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂とする方法などによって製造することができる。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は、接着剤としての役割を果たす場合もある。
【0028】
本発明に用いられるカチオン性樹脂として、下記のものが例示される。
1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、
2)第2級アミン基や第3級アミン基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、
3)ポリビニルアミン、及びポリビニルアミジン類、
4)ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、
5)ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、
6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、
7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−S02 共重合物、
8)ジアリルアミン塩−S02 共重合物、
9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、
10)アリルアミン塩の重合物、
11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、
12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカチオン性化合物。
【0029】
キャスト塗工層に含まれるカチオン性化合物は、さらに印字画像耐水性を向上させる効果も有する。
キャスト塗工層に配合されるカチオン性化合物の配合量には格別の限定はないが、通常、顔料100重量部に対し、1〜100重量部の配合量で用いられることが好ましくより好ましくは5〜50重量部の範囲の配合量で使用される。配合量が過少であると、印字濃度向上効果が得られないことがあり、またそれで過多であると、逆に印字濃度が低下したり、画像のニジミが発生することがある。
【0030】
キャスト塗工層を形成する方法としては、上記のキャスト塗工層用塗工液を、下塗り層上に塗工し、この塗工層が湿潤状態にある間にこれを加熱された鏡面ドラムなどのキャスト面に圧接、乾燥して仕上げる方法(ウェットキャスト法)、及び塗工層を一旦乾燥後、これを再湿潤し、これを加熱された鏡面ドラムなどのキャスト面に圧接、乾燥して仕上げる方法(リウェットキャスト法)が挙げられる。一般にウェットキャスト法の方が、得られるキャスト塗工層の光沢、インク吸収性において優れたものとなるが、リウェットキャスト法の方が生産性に優れている。
またキャスト塗工層の形成に用いられる他の方法として、加熱された鏡面ドラムに直接キャスト塗工層用塗工液を塗工し、これを基材の下塗り層面に圧接、乾燥して仕上げる方法(プレキャスト法)を用いることもできる。
さらに、上記のキャスト塗工層用塗工液を下塗り層上に塗工して、このキャスト塗工層をある程度乾燥し、それが半乾燥の状態にある間に、これを加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げると、均一なキャスト塗工層が形成され、印字濃度が高く、光沢の優れたキャスト塗工層をが得ることができる。ここで半乾燥とは、塗工層の流動性はほとんど無くなっているが、多量の水分を含んでいる状態を意味し、この状態における水分含有量は、塗工層絶乾量に対して20〜400%(即ち塗工層の絶乾重量100重量部に対し20〜400重量部の水分を含む)程度とすることが好ましく、より好ましくは50〜200%の範囲内に調整される。水分含有量が過少であると鏡面ドラムに圧接した際の鏡面の転写が不十分となり、十分に高い光沢を有する表面を得ることが困難になることがあり、また、水分含有量が過多になると鏡面ドラムに圧接した際、キャスト塗工層が押しつぶされ均一で十分な塗布量のキャスト塗工層が得られず、得られるキャスト塗工層の印字濃度や光沢が不十分になることがある。
【0031】
キャスト塗工層用塗工液を下塗り層上に塗工して、塗工液層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる場合、均一で十分な塗布量のキャスト塗工層が得る目的で、キャスト塗工層用塗工液の不動化を促進する手段を施すこともできる。この手段としては、例えば、(1)下塗り層中にキャスト塗工層用塗工液の不動化を促進する性能を有するゲル化剤を配合しておくこと、(2)下塗り層上にキャスト塗工層用塗工液の不動化を促進する性能を有するゲル化剤を塗工・含浸させること、(3)キャスト塗工層用塗工液を塗工した後、その表面にキャスト塗工層用塗工液の不動化を促進する性能を有するゲル化剤を塗工・含浸させること、(4)キャスト塗工層用塗工液中に、塗工液が乾燥する過程でその不動化を促進する性能を有するゲル化剤を配合しておくこと、などが挙げられる。上記のゲル化剤としては、キャスト塗工層用塗工液中の接着剤の架橋剤として有効なほう酸、及びぎ酸、並びにそれらの塩、アルデヒド化合物、及びエポキシ化合物等が挙げられる。
【0032】
キャスト塗工層用塗工組成物中には、白色度、粘度、及び流動性等を調節するために、一般の印刷用塗工紙やインクジェット用紙に使用されている顔料、消泡剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。また、キャストドラムからの離型性を付与する目的で、前記塗工組成物中に離型剤を添加してもよい。
前述のキャスト塗工層用塗工液を下塗り層上に塗工する場合、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の各種塗工装置を使用できる。
キャスト塗工層の塗布量は、乾燥固形分で1〜30g/m2 であることが好ましく、より好ましくは、1.5〜20g/m2 さらに好ましくは、3〜15g/m2 である。この塗布量が1g/m2 未満では、得られるキャスト塗工層の印字濃度や光沢が不十分になることがあり、またそれが30g/m2 を越えて多いと、効果は飽和し、乾燥に負担がかかり操業性が低下することがある。
キャスト塗工層をキャスト仕上げにより形成した後に、これにさらにスーパーカレンダー等による平滑化処理を施してもよい。
【0033】
本発明により、光沢およびインクジェット記録適性に特に優れたインクジェット用紙が得られる理由とは、下記のように考えられる。
まず、印字品質を向上させる理由について述べる。キャスト塗工層に含まれるシリカ微細粒子の二次粒子径を小さくすると、キャスト塗工層の透明性が増し、キャスト塗工層に保持されたインキの発色が、キャスト塗工層によって妨げられることが少なくなり、結果として、画像品位(印字濃度)が向上すると思われる。
また、キャスト塗工層中に接着剤として水性ポリウレタン樹脂が含まれているため、シリカ微細粒子が強固に接着し、従って接着剤の配合量を少なくすることができ、その結果過剰な接着剤により塗工層の多孔性が失われることがなく、得られたキャスト塗工層は、インク吸収性に優れ、かつ強度に優れたものとなる。
さらにキャスト塗工層にカチオン性化合物が含有された場合、キャスト塗工層にインク中の染料成分が選択的に定着されるため、画像品位( 印字濃度) 向上の効果がより発現され好ましい。
また、下塗り層の存在は、インクを速やかに吸収する働きをするが、キャスト塗工層にカチオン性化合物が含有され、且つ下塗り層中には実質的にカチオン性化合物が含有されない場合には、キャスト塗工層はインク中の染料成分を選択的に定着し、下塗り層はインク中の溶媒成分を速やかに吸収する働きをするものと考えられる。
次に、光沢性が向上する理由について述べる。キャスト塗工層はキャスト方式により形成されるため、キャストドラム鏡面の高い平滑性が転写され、キャスト塗工層表面が光沢に優れたものとなることに加えて、キャスト塗工層に含まれるシリカ微細粒子の二次粒子径が十分に小さいため、光の乱反射が少なくなり、キャスト塗工層表面の光沢は一層高いものとなる。また、具体的理由は明確ではないが、キャスト塗布層に接着剤として使用される水性ポリウレタン樹脂にはキャスト塗工層の光沢を高める効果が認められる。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ固形分重量部および重量%を示す。
紙基材の作製
木材パルプ(LBKP;CSF500ml)100部、焼成カオリン(商標:アンシレックス、エンゲルハードミネラル社製)10部、市販サイズ剤0.05部、硫酸バンド1.5部、湿潤紙力剤0.5部、澱粉0.75部よりなる製紙材料を含むスラリーを使用し、長網抄紙機により坪量120g/m2 の紙基材を製造した。この紙基材のステキヒトサイズ度は10秒であった。下記実施例及び比較例では、すべてこの紙基材を用いた。
【0035】
シリカ微細粒子の調製
[シリカ微細粒子A]
合成無定形シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−45、二次粒子径4.5μm、一次粒子径15nm)の水分散液を圧力式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1)を用る粉砕工程に供し、この操作を繰り返した(加圧500kg/cm2 )。処理後の分散液中の粒子の平均二次粒子径は50nmであり、その固形分濃度は12%であった。
[シリカ微細粒子B]
合成無定形シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil HD−2、二次粒子径3μm、一次粒子径11nm)の水分散液を用い、圧力式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1)による粉砕工程に供して、この操作を繰り返した(加圧500kg/cm2 )。処理後の分散液中の粒子の平均二次粒子径は200nmであり、その固形分濃度は12%であった。
[シリカ微細粒子C]
合成無定形シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil LP、二次粒子径9μm、一次粒子径16nm)の水分散液を用い、圧力式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1)による粉砕工程に供してこの操作を繰り返した(加圧500kg/cm2 )。処理後の分散液中の粒子の平均2次粒子径は500nmであり、その固形分濃度は12%であった。
前記シリカ微細粒子A,B及びCの粉砕工程後の一次粒子の平均粒径は、粉砕前と同一であった。
【0036】
実施例1
前記紙基材上に、下記組成の下塗り層用塗工液を、乾燥重量が12g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥して下塗り層を形成した。
次に、下記組成のキャスト塗工層用塗工液を、上記の下塗り層上にエアーナイフコーターで塗工し、冷風で20秒乾燥して半乾燥状態にした後(塗工層絶乾量に対する水分率150%)、これを表面温度が100℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させてキャスト塗工層を形成し、光沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。このときのキャスト塗工層の塗工量は固形分重量で6g/m2 であった。
【0037】
Figure 0003832064
【0038】
Figure 0003832064
【0039】
実施例2
実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を製造した。但し、塗工層用塗工液の調製において、シリカ微細粒子Aの代りにシリカ微細粒子Bを使用した。
【0040】
実施例3
実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を製造した。但し、塗工層用塗工液の調製において、カチオン性水性ポリウレタン樹脂として、パテラコールSH3202(大日本インキ工業製、Tg=60℃)を使用した。
【0041】
実施例4
実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を製造した。但し、キャスト塗工層用塗工液として下記組成のものを使用した。
Figure 0003832064
【0042】
実施例5
実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を製造した。但しキャスト塗工層用塗工液として下記組成のものを使用した。
Figure 0003832064
【0043】
比較例1
実施例1と同様にして光沢タイプインクジェット記録用紙を製造した。但し、光沢層用塗工液の調製において、シリカ微細粒子Aの代りにシリカ微細粒子Cを使用した。
【0044】
比較例2
実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を製造した。但し、キャスト塗工層用塗工液として下記組成のものを使用した。
Figure 0003832064
【0045】
比較例3
実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を製造した。但し、キャスト塗工層用塗工液として下記組成のものを使用した。
Figure 0003832064
【0046】
比較例4
実施例1において下塗り層まで設け、キャスト塗工層を形成しなっかったものをインクジェット記録用紙として用いた。
【0047】
比較例5
紙基材をそのままインクジェット記録用紙として用いた。
【0048】
前記実施例1〜5及び比較例1〜5のインクジェット記録用紙について、そのインクジェット記録適性、及び白紙光沢をテストし、その結果を表1にまとめて示した。
なお、上記のテスト方法は下記の通り。
【0049】
[インクジェット記録適性]
インクジェットプリンターBJC420J(キヤノン(株)製)を用いて印字を施し、得られたプリントについて、下記のテスト及び評価を行った。
(ベタ印字部の均一性)
シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字部の印字ムラ(濃淡ムラ)を目視により下記の基準に従って評価した。
○:印字ムラは見られず良好なレベル。
○−:印字ムラが若干あるが、実用上満足できるレベル
△:印字ムラがややあり、実用上やや不満足なレベル。
×:印字ムラが著しく、実用できないレベル。
(インクの乾燥性)
シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字部につきインクの乾燥性を目視により、下記基準に従って評価した。
○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。
×:印字直後に指で触れると汚れる。
(インクジェット記録後の印字濃度)
黒ベタ印字部分の印字濃度をマクベスRD−914で測定した。
【0050】
〔光沢度〕
JIS−P8142に準じて白紙部の75°光沢を測定した。
〔目視外観〕
光沢感、平滑感を目視により下記基準に従って評価した。
◎:極めて優れている。
○:優れている。
○−:やや劣る。
△:劣る。
×:光沢が無い。
【0051】
〔総合評価〕
印字品位、光沢を下記基準に従って総合的に評価した。
5:極めて優れている。
4:優れている。
3:普通。
2:やや劣る。
1:劣る。
【0052】
【表1】
Figure 0003832064
【0053】
【発明の効果】
本発明に係るインクジェット記録シートは、高い光沢を有し、かつ印字濃度、記録画像品質などのインクジェット記録適に優れたものであって、実用上きわめて有用なものである。

Claims (5)

  1. 基材シートと、この基材シート上に形成され、かつ顔料及び接着剤を含有する少なくとも1層の下塗り層と、この下塗り層上に形成され、かつ顔料及び接着剤を含むキャスト塗工層とを有し、
    前記キャスト塗工層中の顔料が、3nm〜40nmの一次粒子平均粒径及び10nm〜300nmの二次粒子平均粒径を有するシリカ微細粒子を含有し、但し、前記シリカ微細粒子の一次平均粒径及び二次平均粒径は、前記シリカ微細粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、この撮影された粒子のマーチン径を測定し、この測定値を平均したものであり、また前記キャスト塗工層中の接着剤が、水性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 前記キャスト塗工層に含まれる水性ポリウレタン樹脂が、カチオン性水性ポリウレタン樹脂を含む、請求項1に記載のインクジェット記録シート。
  3. 前記キャスト塗工層に含まれる水性ポリウレタン樹脂が、40℃以上のガラス転移温度を有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録シート。
  4. 前記キャスト塗工層が、さらにカチオン性化合物を含有する請求項1,2又は3に記載のインクジェット記録シート。
  5. 前記下塗り層が、コロイダルシリカと、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体樹脂との複合体を含有する、請求項1に記載のインクジェット記録シート。
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