JP3829538B2 - スクリーン紗 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーン印刷に用いられるメッシュ織物に関する。さらに詳しくは、ポリエステルモノフィラメントからなり、電子回路などの高度な精密性を要求されるハイメッシュでハイモジュラスのスクリーン紗に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷用のスクリーン織物としては、ナイロンやポリエステルなどの有機繊維より成るメッシュ織物、即ちスクリーン紗が使用されることが多くなっている。特に、ポリエチレンテレフタレートのモノフィラメントより成るスクリーン紗は、ナイロンと比較すると吸湿による寸法変化が少なく、かつ低価格であるために広く普及している。
【0003】
しかしながら、最近の電子回路の印刷分野においては、印刷精度の向上に対する要求が益々厳しくなってきており、極度に細い線径のパターンを絶対的な位置で精度良く印刷することが求められ、高いテンションで紗張りが可能な高強度で、高モジュラスのスクリーン紗が要求されている。なおかつ、メッシュの細かいものが必要とされ、そのため用いられるポリエステルモノフィラメントも必然的に高強度、高モジュラスであり、かつ細繊度のものである必要がある。
【0004】
一般に、ポリエステル繊維を高強度、高モジュラス化するためには、原糸の製造過程で、高倍率の延伸を付与し、高度に配向、結晶化させたものとする必要がある。しかしながらスクリーン紗の製造工程は、極めて高密度の織物を高速で製織するため、筬などとの強い擦過を繰り返し受けることになり、フィラメントの表面の一部が削りとられ、ヒゲ状のあるいは粉状のスカムが発生しやすい。特に、配向、結晶化の高いものほどこの傾向が激しくなり、スカム汚れを除去するために製織を一時中断し、織機の清掃をする必要が生じ、作業性を損なうと同時に、その部分が織り段となるため、製品欠点につながる。また、清掃を必要とする程でなくとも、生じたスカムの一部が紗の中に織り込まれてしまうと、精密印刷時には印刷の欠点となるため、スカムの発生を防ぐことは、極めて重要な検討課題である。
【0005】
このため、スカム発生の軽減を目的にして数多くの改善技術が提案されている。例えば、特開昭55−16948号公報には、破断伸度が38〜60%の高伸度の原糸を経糸に用いることが提案されている。しかしながら高伸度糸では最終製品でモジュラスの高い紗を得ることは困難である。
【0006】
また、特開昭62−276048号公報ではポリエステルを芯とし、ナイロンを鞘とした複合モノフィラメントが提案されている。ナイロンはポリエステルに比較して耐摩耗性が高く削れが生じにくい特徴を有するので、スカムの発生を抑制することは可能であるが、その一方、ナイロンは吸湿性が高く寸法安定性に欠けるという欠点がある。従って、製織性は改善されるとしても紗張りから印刷にかけて寸法変化を生じやすく、本発明の目的は達成されない。
【0007】
また、上記欠点を解消するために、特開平2−289120号公報には鞘にガラス転移点の低い共重合ポリエステルを配することが提案されている。確かにスカムの発生は抑制されるが、共重合ポリエステルは一般に結晶性が低く、そのため熱収縮が大きくなり、スクリーン紗製織後の織物の仕上げ工程における熱処理時の収縮が大きく、熱セット工程における張力制御に負担が大きいという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来の欠点に鑑み、ポリエステルモノフィラメントからなり、かつスカムの発生が少なく、精密印刷に適した高強力、高モジュラスで、かつハイメッシュ化が可能なスクリーン紗を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記本発明の目的は、芯を形成するポリエステルをポリエチレンテレフタレートとし、鞘を形成するポリエステルをポリプロピレンテレフタレートとした芯・鞘型複合モノフィラメントを少なくとも経糸に用いた織物からなるスクリーン紗とすることにより達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
従来、高強度、高弾性率でかつ低伸度のポリエステルモノフィラメントはスカムの発生が激しく、製織が不能であるとされてきた。しかし、印刷業界の要求は益々厳しく、いわゆるオープニングの大きな細繊度でハイメッシュの、即ち、織密度の高いメッシュ織物が必要とされている。使用繊度は10デニール未満から細いものでは4デニール程度まで、破断強度は6g/d以上、好ましくは7g/d以上である。
【0011】
また、強力の高いモノフイラメントからなるハイメッシュ紗であっても、印刷時のスキージなどにより加えられる応力により歪むと、高度な印刷精度を保つことは出来ない。そのためにはモノフィラメントの弾性率の高いことが必要である。
【0012】
この様な、高強度、高弾性率の繊維を得るためには、原糸の製造過程で高度の延伸を行なうことが必須となる。そのために結果として、伸度の低い繊維なり、スカムが生じやすくなる。これは、ポリエステル繊維においては、延伸により配向、結晶化が進むと、繊維軸方向には破断強度が増大するが、逆に繊維は脆くなり、曲げ、剪断、削れなどに対しては弱くなるためである。
【0013】
本発明では、芯・鞘型の複合モノフィラメントとし、鞘にポリプロピレンテレフタレートを配することによりこの問題を解決した。
【0014】
ポリプロピレンテレフタレートから繊維を得ることは、特開昭52−5320号公報や特開昭52−8124号公報などにみられるように古くから公知である。しかしながら原料の1,3プロパンジオールが比較的高価であるため、これまで合成繊維としては一般には使われていなかった。最近、本発明者らはナイロンよりも優れた寸法安定性と、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた弾性回復特性に着目して曲面印刷用スクリーンへの応用の特許を特開平11−48631号として出願した。該発明は曲面印刷における印刷時の大きな歪みに対してポリプロピレンテレフタレートの瞬間的な弾性変形と伸長回復性を利用したものであり、本発明の目的とは異なる。
【0015】
ポリプロピレンテレフタレートそれ自体の弾性率は高くないが、ポリエチレンテレフタレートに比べるとソフトである。従ってスクリーン紗の過酷な製織条件下でもスカムを生じることが少ない。従ってこれを鞘に配置することにより、スカム耐久性を与え、芯のポリエチレンテレフタレートにより、強度6g/d以上、より好ましくは7g/d以上の高強度、および弾性率120g/d以上の高弾性率を達成することが出来る。
【0016】
ポリプロピレンテレフタレートは、ガラス転移点の低下した共重合ポリエステルとは異なり、通常のポリエチレンテレフタレート繊維並の収縮挙動を示し、製織後の紗の熱セットにおいても従来の通常のポリエステルスクリーン紗と同様の加工を行うことが出来る。
【0017】
さらに、鞘にポリプロピレンテレフタレートを配することにより以下に述べる格別の効果を示すことが見出された。すなわち、モノフィラメントの製造過程および製織仕上げ加工を通じて、ポリマ中に含まれるオリゴマの析出が抑制されるという点である。ポリエチレンテレフタレートには通常1〜2重量%の環状三量体を主体としたオリゴマーが、化学平衡的に存在する。このオリゴマは延伸により繊維の結晶化が進むと、非晶領域での存在濃度が高くなるため、表面に析出してくる。特に高強度、高弾性率を目的とした本発明のプロセスでは、延伸倍率を高く設定するためにその傾向は顕著であり、延伸ローラーやその他の周辺装置を汚染する。また、製織過程においても、各種のガイドや織機の筬などの清掃頻度を高くする必要が生じる。
【0018】
さらには、染色工程においては熱によりオリゴマの繊維表面への拡散が助長され、粒子として凝集したオリゴマが染液中に浮遊し、装置を汚染するばかりでなく、織物表面に付着すると印刷・製版時の欠点となる。従ってオリゴマの析出が抑制されることはスクリーン紗の製造にとって極めて有利となる。
【0019】
ポリプロピレンテレフタレートの利用により、このような効果を奏することの理由は必ずしも明解ではないが、芯鞘複合の界面にオリゴマが効率的にトラップされいてるものと思われる。鞘が共重合ポリエチレンテレフタレートであると、オリゴマは容易に鞘成分の中を拡散通過してくるのでこのような効果は発現しない。
【0020】
本発明において芯となるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールよりなるポリエステルであって、本発明の目的を損なわない範囲で少量の第三成分が共重合されていても良い。また、酸化チタンなどの艶消し剤や紫外線吸収剤などを含有することが好ましい。
【0021】
本発明の複合モノフィラメントにおいては強度、弾性率などの力学特性は芯成分に大きく支配されるため、高倍率延伸により強度の出やすい高重合度ポリエチレンテレフタレートであることが望ましく、その固有粘度[η]は0.65以上、好ましくは0.75以上、さらに好ましくは0.85以上である。
【0022】
本発明の鞘成分であるポリプロピレンテレフタレートは、テレフタル酸と1,3プロパンジオールをグリコール成分として得られるポリエステルである。芯成分のポリエチレンテレフタレートと同様に少量の第三成分が共重合されていても良い。ただし、既述したオリゴマのトラップ効果を有効に発現するためにはエチレンテレフタレートユニットの存在は好ましくないため、エチレングリコールの併用は避けた方がよい。また、酸化チタンなどの艶消し剤や紫外線吸収剤などを含有することは好ましい。
【0023】
本発明のスクリーン紗を構成するモノフィラメントは鞘にポリプロピレンテレフタレートを配することにより製織中などにおけるスカムの発生を抑制するものであるが、破断強度や弾性率、伸度などの力学特性は、芯を形成するポリマに期待すれば良い。従って芯の比率は相対的に高く設定することが望ましく、鞘の面積比は多くとも30%、より好ましくは20%程度までとするのがよい。また、鞘が薄くなり過ぎると、繊維表面の一部で芯のポリマが露出したりする、いわゆる複合異常を生じ易くなり、スカム発生を抑制するための効果が減少すると共にオリゴマのトラップ効果も減少することになるため、鞘の面積比の限界は5%程度である。すなわち、複合比として70:30〜95:5の範囲であれば、良好な複合状態が確保でき、かつ、スカム発生の抑制が可能となる。
【0024】
本発明の複合モノフィラメントを得るための具体的な方法は、従来公知の複合紡糸法を適用することができる。即ち、芯および鞘を形成するポリマをそれぞれ独立に溶融計量し、口金背面で芯・鞘構造となるように合流させ、同一吐出孔から吐出させることにより得られる。モノフィラメントの糸断面形状は、円形であることが望ましい。その理由は、変型断面であると、感光乳剤を硬化させるに際してハレーションを生じて印刷精度に悪影響を与える場合がある。また、円形に比較して、変型断面糸は真直性に劣り、目開き(オープニング)の均一なスクリーンを得難いなどの欠点を有するためである。ただし、芯の形状および本数は、必ずしも相似形で一本である必要はなく、適宜必要に応じ選択決定することができる。繊維デニールは特に限定されないが、20デニール以下の細繊度の場合に、本発明の効果は一層発揮される。
【0025】
織物構造としては、平織組織が最も構造が安定しており好ましいが、綾織りとすることもできる。織物特性として経・緯のバランスがとれていることが望ましいので、経・緯同一の原糸を用いることが望ましいが、製織工程を通じて最も擦過を受けるのは経糸であるので、少なくとも経糸には本発明の複合モノフィラメントを用いることが必要である。
【0026】
【実施例】
以下に実施例により、本発明の効果を具体的に詳述する。
実施例1
ジメチルテレフタル酸と1,3プロパンジオールをテトラブチルチタネートを触媒として140℃〜230℃に昇温しつつメタノールを留出させエステル交換反応を行った後、さらに250℃で3時間減圧下で重合反応を進行させ固有粘度[η]が0.86のポリプロピレンテレフタレート(ポリマA)を得た。なお、固有粘度[η]はオルソクロロフェノールに溶解し、25℃で求めた。
【0027】
ポリマAを鞘とし、常法により得た固有粘度[η]が0.80であるポリエチレンテレフタレート(ポリマB)が芯となるように芯/鞘比率85/15として複合モノフィラメントの未延伸糸を紡糸した。得られた未延伸糸を予備加熱ローラ85℃、延伸ローラ155℃で4倍に延伸し、9デニールのモノフィラメントとした。延伸中に加熱延伸ローラの汚れはほとんど認められず、得られたモノフィラメントの強度は7.4g/d、弾性率は150g/d、伸度は21%であった。
【0028】
該モノフィラメントを経及び緯糸に用い、織り密度350#の平織り組織でスクリーン紗織物とした。得られた織物を常法に従い仕上げセットをした後、定速緊張型引張試験機を用いて、JIS L1068-1964記載のラベルド・ストリップ法により、試験幅5cm、つかみ間隔20cm、引取速度20cm/分で、紗の強力−伸度曲線を得、伸度10%に相当する時の強力(kg)を紗のモジュラスとして求めたところ、41kgを示した。製織中の織機の汚れもほとんど目立たなかった。
比較例1
実施例1のポリマBを単独で紡糸し、実施例1と同様の紡糸・延伸方法で、同じく9デニールのモノフィラメントを得た。ただし、延伸倍率を変えて延伸を行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
延伸倍率の低いときは延伸機ローラー汚れが目立たないが、得られるモノフィラメントの強度・弾性率が低い。一方延伸倍率を高めると、強度、弾性率は改善されるが、延伸機ローラーのオリゴマーの析出に伴う汚れが激しく、3.8倍延伸でも24時間に一回、4倍延伸では8時間に一回のローラー清掃を必要とした。
【0030】
【発明の効果】
本発明のポリエステルモノフィラメントからなるスクリーン紗は、ポリプロピレンテレフタレートを鞘に配することによって、製糸工程および高次加工工程でのオリゴマーの表面析出を抑制し、かつ、高強度・高弾性率の精密印刷に好適なスクリーン紗となる。
Claims (2)
- 芯を形成するポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、鞘を形成するポリエステルが、ポリプロピレンテレフタレートである芯・鞘型複合モノフィラメントを少なくとも経糸に用いたスクリーン紗。
- 鞘を形成するポリプロピレンテレフタレートが繊維断面積に占める比率が5%〜30%である請求項1記載のスクリーン紗。
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