JP3828383B2 - 内燃機関用電磁駆動弁の制御方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関において吸排気弁として使用される内燃機関用電磁駆動弁の制御方法および装置に関し、特に機関始動時の電磁弁の駆動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、バネによって中立位置に弾性的に支持される吸排気弁を、電磁力によって全閉位置と全開位置とに変位させる構成の電磁弁が知られている。また、機関の始動時における電磁弁の始動制御についても、その始動シーケンス等種々の方法が開示されている。
【0003】
電磁弁の始動方法は、特開平9−303122公報にて説明されているように、初期に中立位置にある電磁弁を全閉位置或いは、全開位置に変位させるため、電磁駆動弁のバネ質量系の固有振動を励起して始動させるのが一般的であり、機械的なカムで開閉させる場合とは異なり、始動制御が必須である。
【0004】
特開平9−303122公報では、機関のクランキングを開始後、励起される電磁弁とピストンが衝突しないよう、電磁弁が励起を開始されてから全閉位置に達し保持されるまでに要する時間が、ピストンがクランク軸の回転により電磁弁本体と干渉を起こす位置へ達するまでの時間よりも小さくなるクランク角度の領域で、電磁弁の始動開始時期を設定して電磁弁の始動させる電磁弁の始動制御例が開示されている。
【0005】
また、特開2000−97059公報では、クランキング時の圧縮仕事を減少させるため、前記例とは異なり、イグニッションスイッチのON時に電磁弁を全開位置に変位させ、その後、スタータモータのクランキングを開始させ、電磁弁の全開状態をクランキング回転数が基準回転数に到達するまで保持する電磁弁の始動制御例が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開平9−303122公報の例では、上記特開2000−97059公報にて指摘されている通り、クランキング中に吸排気弁を全閉位置に変位させる方法では、吸排気弁が全閉されたクランク角度によっては、全閉直後に非常に大きな圧縮仕事が発生するため、その圧縮仕事に耐えうるだけのスタータモータが必要である。逆に言えば、インバータで制御されるスタータモータでは、パワー素子の能力により出力トルクが制限されるため、このようなスタータのみを持つ内燃機関では使用できないという問題点があった。
【0007】
また、上記特開2000−97059公報の例では、スタータモータがONされる前に全開位置に電磁弁を保持しているが、スタータモータがONされた直後の突入電流の影響で、電磁弁の保持がはずれることがあるという問題点があった。また、開弁状態でクランキングを行うと、上記特開平9−303122公報にて指摘しているように、吸排気弁とピストンとの干渉が避けられず、この干渉を回避するためのリセスをピストンに必ず設けなければいけないという問題点があった。さらに、開弁状態でクランキングを行うと、ポンピングロスが発生するという問題点があった。
【0008】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、出力トルクの小さなスタータモータでも機関の始動ができるとともに、ピストンにリセスが不要な内燃機関用電磁弁の制御方法および装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御方法は、スタータによりクランク軸のクランキングを開始するステップと、上記クランク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナーシャと吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸が1回転するのに必要な仕事量に応じて予め設定された第1の所定回転速度に達してから、所定のクランク角度で全閉位置となるように、順次吸排気弁を励起始動するステップと、上記吸排気弁がすべて全閉位置に保持され、かつ、上記クランク軸の回転速度が上記第1の所定回転速度より大きい第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始し、通常制御に移行させるステップとを含むものである。
【0010】
請求項2の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御方法は、請求項1の発明において、上記所定のクランク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁される電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクランク角からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度であるものである。
【0011】
請求項3の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御方法は、請求項1または2の発明において、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへの給電を禁止するステップを含むものである。
【0012】
請求項4の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御方法は、請求項1〜3のいずれかの発明において、機関の負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転速度を補正するステップを含むものである。
【0013】
請求項5の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御方法は、請求項4の発明において、上記機関の負荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算するステップと、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記演算された出力に基づいて上記スタータを駆動するステップとを含むものである。
【0014】
請求項6の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御方法は、請求項1〜5のいずれかの発明において、上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気行程より開始するものである。
【0015】
請求項7の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御装置は、弾性体により吸排気弁を中立位置に弾性的に支持すると共に、上記吸排気弁を電磁力により全閉位置または全開位置に変位させるように構成された内燃機関用電磁駆動弁の制御装置において、クランク角センサの出力に基づいてクランク軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、上記クランク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナーシャと上記吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸が1回転するのに必要な仕事量に応じて予め設定された第1の所定回転速度に達してから、上記吸排気弁を順次所定のクランク角度で全閉保持するように上記吸排気弁を制御する始動制御手段とを備え、上記吸排気弁がすべて全閉位置に保持されかつ、上記クランク軸の回転速度が上記第1の所定回転速度より大きい第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始するものである。
【0016】
請求項8の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御装置は、請求項7の発明において、上記所定のクランク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁される電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクランク角からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度であるものである。
【0017】
請求項9の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御装置は、請求項7または8の発明において、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへの給電を禁止する第1のスタータ制御手段を備えたものである。
【0018】
請求項10の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御装置は、請求項7〜9のいずれかの発明において、機関の負荷の大きさを検出する負荷検出手段と、上記負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転速度を補正する目標回転速度補正手段とを備えたものである。
【0019】
請求項11の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御装置は、請求項10の発明において、上記負荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算する負荷駆動演算手段と、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記負荷駆動演算手段の演算出力に基づいて上記スタータモータを駆動する第2のスタータ制御手段とを備えたものである。
【0020】
請求項12の発明に係る内燃機関用電磁駆動弁の制御装置は、請求項7〜11のいずれかの発明において、上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気行程より開始するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関のシステム構成を示す図である。
図において、4サイクル内燃機関1の吸気通路2にはスロットル弁3が設けられると共に、このスロットル弁3をバイパスする補助空気通路4が設けられており、この補助空気通路4には電磁式の補助空気制御弁5が介装されている。
【0022】
尚、内燃機関1が、例えば、後述する電磁動弁装置(電磁駆動弁)13により、吸気弁12の開閉時期を制御して吸気を大気圧状態で取り入れつつスロットル弁無しで吸入空気量を制御できるようにしたエンジン(例えば、ミラーサイクルエンジンなど)である場合には、スロットル弁3、補助空気通路4および補助空気制御弁5を省略することができる。
【0023】
また、吸気通路2の吸気ポート部には各気筒毎に電磁式の燃料噴射弁6が設けられていて、この燃料噴射弁6によって燃料(ガソリン)が機関に供給される。マイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニット(C/U)7には各種のセンサから信号が入力される。具体的には、基準ピストン位置毎の基準角度信号Refと、単位クランク角毎の単位角度信号Posとをそれぞれ出力するクランク角センサ8が設けられ、これによりピストン位置を検出し得ると共に、機関の回転速度Neを算出可能である。
【0024】
尚、クランク角センサ8は、機関(クランク軸)の1回転当たり2回転するシグナルプレートに形成された被検出部を検出するセンサであり、前記基準角度信号Refとして例えば各気筒毎に異なるパルス幅の信号を出力するなどして、気筒判別が行えるように構成されている。但し、気筒判別のための構成を、上記のものに限定するものではない。なお、コントロールユニット(C/U)7は、クランク角センサ8の出力に基づいてクランク軸の回転速度を検出する回転速度検出手段を含む。
【0025】
また、機関の吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ9、スロットル弁3の開度TVOを検出するスロットルセンサ10、内燃機関1の冷却水温度Twを検出する水温センサ11等が設けられている。コントロールユニット7は、前記各種センサで検出される機関運転条件に基づいて、燃料噴射弁6による燃料噴射を制御し、また、点火栓17による点火時期および後述する電磁動弁装置13,15を制御する。
【0026】
更に、内燃機関1には、吸気弁12を開閉駆動する電磁動弁装置13と、排気弁14を開閉駆動する電磁動弁装置15が備えられている。電磁動弁装置(電磁駆動弁)13,15の構成を図2に示す。
図2において、電磁動弁装置13,15は、シリンダヘッド上に設けられる非磁性材料製のハウジング21と、吸排気弁12,14のステム31に一体に設けられてハウジング21内に移動自由に収納されるアーマチュア22と、このアーマチュア22を吸引して吸排気弁12,14を閉弁作動させる電磁力を発揮可能なようにアーマチュア22の上面に対向する位置でハウジング21内に固定配置される閉弁用電磁石23と、アーマチュア22を吸引して吸排気弁12,14を開弁作動させる電磁力を発揮可能なようにアーマチュア22の下面に対向する位置でハウジング21内に固定配置される開弁用電磁石24と、吸排気弁12,14の閉弁方向に向けてアーマチュア22を付勢する閉弁側戻しバネ25(弾性体)と、吸排気弁12,14の開弁方向に向けてアーマチュア22を付勢する開弁側戻しバネ26(弾性体)とを備えて構成される。そして、閉弁用電磁石23と開弁用電磁石24とを共に通電停止状態としたときに、吸排気弁12,14は、全開位置と全閉位置との間の中立位置に弾性的に支持されるように、閉弁側戻しバネ25と開弁側戻しバネ26とのバネ力が設定される。
【0027】
図3は、アッパコイル23の電流、ロアコイル24の電流、および弁リフトの時間的変化を示すタイムチャートである。なお、電流は、ECU7が与える駆動指令値である。この図に示されるように、電磁弁の駆動は、3つの区間、始動区間、保持区間および実動区間に分けてなされる。まず、始動区間では、省電力化を図るべく、共振現象が利用される。すなわち、無通電状態での中立位置を中心として弁体の固有振動が生ずるように、プランジャを質量として含むバネ質量系の固有振動数に応じた周期で、同図(A)および(B)にそれぞれ示されるように、アッパコイルおよびロアコイルに交互に電流が流される。そうすると、弁体は、同図(C)に示されるように、中立位置より徐々に振幅を大きくしていく。このように、共振現象を利用することにより、始動時の電磁力、従ってその電磁力を生成するための電流を小さくすることができ、その結果、始動時における省電力化が図られ、回路構成も簡素化される。
【0028】
保持区間、実働区間においては、例えば全閉時には、開弁用電磁石24への通電を停止し、閉弁用電磁石23に通電して電磁力を発生させ、アーマチュア22を閉弁用電磁石23に吸着させておく。そして、前記全閉位置から開弁させる際には、閉弁用電磁石23への通電を停止し、開弁側戻しバネ26の反力により弁体を開弁方向に移動させ、この移動してくる弁体を開弁用電磁石24に通電して電磁力を発生させて、アーマチュア22を開弁用電磁石24に吸着させて、全開位置に保持する。
【0029】
更に、この全開位置に保持された状態から閉弁させる際には、開弁用電磁石24への通電を停止し、閉弁側戻しバネ25の反力により弁体を閉弁方向へ移動させ、この移動してくる弁体を閉弁用電磁石23に通電して電磁力を発生させて、アーマチュア22を閉弁用電磁石23に吸着させて、全閉位置に保持する。このような動作を周期的に繰り返すことで、内燃機関の動弁装置としての機能が奏されることになる。
【0030】
また、内燃機関では、一般的に、圧縮比を向上させるため、ピストンの上死点位置と弁体の全開位置とが干渉するような寸法に設計されている。すなわち、ピストンと弁体とが弁リフトによっては干渉する可能性のあるクランク角度範囲が存在する。そのようなクランク角度範囲を弁スタンプ領域と定義すると、弁スタンプ領域は、例えば、図4に示されるようなクランク角度範囲となり、弁スタンプ領域以外のクランク角度範囲は、開弁許容期間と称することができる。この弁スタンプ領域は、回転速度に依存しない一定のクランク角度範囲である。
【0031】
バネ質量系として構成される電磁駆動弁では、全閉位置から全開位置へまたは全開位置から全閉位置への遷移時間Tは、クランク軸の角速度に依存せず、時間に依存して、次式で与えられ、図5に示されるように、従来のカム駆動弁のそれに比較して非常に短い。
【0032】
T=π√(M/K) (1)
【0033】
なお、上記式(1)において、Mは可動部分の重量、Kはバネ定数である。
また、カム駆動弁では、遷移時間は、時間に依存せず、クランク軸の角速度に依存するため、それらの遷移時間の差は、回転速度が低いときほど大きくなる。このようにクランク角度に依存せずリフト勾配がきついという特性を考慮して、電磁駆動弁において弁スタンプの発生を防止する必要がある。
【0034】
図6は、クランク角度(上死点後クランク角度[°CA−ATDC])、ピストン位置および弁リフトの関係を示す図である。
この図において、弁スタンプ領域は、所定の余裕代を考慮してA2からA1までのクランク角度範囲となる。従って、弁スタンプを防止するためには、クランク角度位置がA2に達した時点で遅くとも閉弁方向へ移動するための駆動を開始しなければならない。閉弁動作の所要時間は、前述のように時間的に一定となるため、全閉状態に達するクランク角度位置A3は、クランク軸の回転速度に応じて変化し、例えば、回転速度が大きくなると、同図に示されるように、A3からA3’へと遅角側に移行する。
【0035】
また、上死点後最も早く弁全開状態にあってもよい時期は、クランク角度位置がA1に達した時点である。そのため、全閉状態から全開状態へと駆動を開始することができるクランク角度位置は、A1よりも一定時間だけ前の時点に相当するクランク角度位置A0であるが、このクランク角度位置A0は、クランク軸の回転速度に応じて変化し、例えば、回転速度が大きくなると、同図に示されるように、A0からA0’へと進角側に移行する。なお、回転速度がより大きくなれば、リフトの遷移を示す2直線が交差することも当然に起こり得る。
【0036】
以上の説明からわかるように、バネ質量系の固有振動を利用して電磁駆動弁を始動するときに弁スタンプを防止するためには、A0を最早始動開始時期とし、A2を最遅始動終了時期とし、従って、A0からA2までを始動許容期間とし、その始動許容期間に相当する時間範囲(始動許容時間)内に、図3に示される始動所要時間“T1−T0”(Tstとする)が収まるように始動開始時期T0を設定すればよいこととなる。ここで、始動許容時間即ちクランク角度位置A0〜A2に到達するに要する時間は、エンジン始動時におけるクランク軸の回転速度(クランキング速度)に依存し、クランキング速度が大きいほど小さくなる。以下、電磁弁の具体的な始動方法について説明する。
【0037】
図7は、電磁弁始動ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS1では、スタータモータが駆動され、クランキングを開始する。次に、ステップS2では、クランク角センサ8の出力に基づいて、クランク軸の回転速度すなわちクランキング速度NEを検出する。ステップS4では、クランキング速度NEが第1の所定回転速度TNE1を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの時は、ステップS7にすすむ。
【0038】
ここで、第1の所定回転数の設定方法について説明する。クランキング開始後は、吸排気弁12,14とも未通電なので、中立位置を保っている。従って、ピストンは、圧縮仕事も膨張仕事もしていない。しかし、吸排気弁12,14がすべて閉弁されると、その時点から、圧縮仕事または膨張仕事が開始されることになる。
【0039】
図8は、ピストン位置による筒内圧の変化を示したグラフである。
該当気筒の最後の弁が閉弁されると、その時点(図中、閉弁終了位置で示す。)より、圧縮仕事W1あるいは膨張の仕事W2がクランクの回転に伴って発生する。なお、圧縮仕事・膨張仕事は、筒内圧によって生じるピストンへの力の積分で与えられる為、図8においては、斜線で示した面積が仕事に相当する。
この時のクランク回転速度をω、クランク軸周りのイナーシャをIとすると、クランク軸には次式で表される回転エネルギーWが蓄えられており、
【0040】
W=Iω2/2 (2)
【0041】
W>W1,W>W2であれば、クランク軸は1回転が必ずできることになる。すなわち、クランク1回転中の圧縮仕事W1と膨張仕事W2のうち、大きい方より大きな回転エネルギーがあれば良いわけである。従って、弁スタンプを避けるためには、できるだけ前記第1の所定回転速度をできるだけ低くしたほうが良いので、圧縮仕事W1と膨張仕事W2が略等しい事が望ましい。なお、前記は1気筒のみで説明したが、多気筒の場合は、1気筒に要する仕事量を気筒数倍して、第1の所定回転速度を設定すれば良い。1回転後は、圧縮・膨張を繰り返すサイクルとなるので、ピストンが消費する仕事が無くなり、この圧縮・膨張によってクランキングが停止することはない。
【0042】
また、閉弁時点のバラツキを考慮すると、第1の所定回転速度は、前記で求めた所定回転速度にマージンを加えた値にすることが望ましい。なお、圧縮・膨張は、該当気筒の最後の一弁が閉ざされてから生じるので、上記の閉弁終了位置を設定するのは、最後の一弁だけでよく、それに先立つ他の弁の閉弁位置は、スタンプされない位置で任意に設定して良い。
【0043】
次に、図7のフローチャートの説明に戻る。ステップS8では、すべての弁が閉弁したかを判定し、判定結果がYESであればステップS10へ進み、ステップ2と同様にクランク速度NEを検出する。次に、ステップS11では、クランキング速度NEが第2の所定回転速度TNE2を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの時は、ステップS12にすすむ。ステップS12では、順次、通常の吸排気弁制御を開始し、始動制御ルーチンを終了する。ここで、通常制御に移行する際、順次排気行程に入る気筒から、排気弁開制御からスタートさせることが望ましい。当然ながら、排気行程が終了し、吸気行程に入る気筒から、燃料制御・点火制御も開始され、内燃機関が最終的に始動される。
【0044】
このように、本実施の形態では、クランキング開始後、クランク軸の回転速度が、フライホイールやクランク軸等が一体となって回転することにより蓄積されたクランクの運動エネルギーにより、すべての吸排気弁が閉じた際に生じる圧縮・膨張仕事ができ得る第1の所定回転速度に達してから、所定のクランク角度で全閉位置となるように、順次吸排気弁を励起始動させ、前記すべての吸排気弁が閉弁、かつ、クランク軸の回転速度が、燃料の供給により初爆を起こし、継続的な機関の運転が可能となる第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始する様に構成したので、スタータに過大な負荷を与えずに圧縮仕事をさせることができると共に、すべての弁が閉弁してからは、ポンピングロスが無くなるので、早くクランキング回転数を上げることが可能となり、ひいては早く機関の始動ができる。
【0045】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2を示す構成図である。なお、図9において、図1と同一、または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図において、28はスタータモータであり、第1のスタータ制御手段としての駆動手段27を介して、バッテリ30より電源が供給される。
【0046】
次に、電磁弁始動ルーチンの処理手順を図10に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1では、スタータモータ28がONされ、クランキングを開始する。次に、ステップS2では、クランク角センサ8の出力に基づいて、クランク軸の回転速度すなわちクランキング速度NEを検出する。ステップS4では、クランキング速度NEが第1の所定回転速度TNE1を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの時は、ステップS6に進み、スタータがOFFされる。次に、ステップS7では、上記実施の形態1と同様に吸排気弁を順次閉弁させるが、上記実施の形態1で説明したように第1の所定回転速度TNE1においては、すべての弁を閉弁するのに必要な回転エネルギーがクランク軸に蓄えられているので、スタータモータ28を駆動しなくとも、閉弁が確実に実行されるとともに、バッテリ30の負荷が少なくなるので、電磁動弁装置13,15に対して十分な電源が供給されるため、確実に吸排気弁12,14の閉弁が実行される。
【0047】
また、この時、内燃機関1の摩擦抵抗等による負の仕事が生じるので、第1の所定回転速度TNE1の設定は、これを考慮して設定される。さらに、水温センサ11により、温度により変化する機関1の摩擦抵抗等の影響を除去するために、水温に応じて、第1の所定回転速度TNE1を変化させたほうが良い。即ち、例えば負荷が大きくなると、その分だけ、第1の所定回転速度TNE1の値を上げるようにする。従って、コントロールユニット(C/U)7は、実質的に負荷の大きさに応じて第1の所定回転速度TNE1を補正する目標回転速度補正手段を有している。
【0048】
次に、ステップS8では、すべての弁が閉弁したかを判定し、判定結果がYESであればステップS9へ進み、再度スタータモータ28をONし、クランキングを再開する。次にステップS8では、ステップS2と同様にクランク速度NEを検出する。次に、ステップS9では、クランキング速度NEが第2の所定回転速度TNE2を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの時は、ステップS10にすすむ。ステップS10では、順次、通常の吸排気弁制御を開始し、始動制御ルーチンを終了する。ここで、通常制御に移行する際、順次排気行程に入る気筒から、排気弁開制御からスタートさせることが望ましい。当然ながら、排気行程が終了し、吸気行程に入る気筒から、燃料制御・点火制御も開始され、内燃機関が最終的に始動される。
【0049】
このように、本実施の形態では、吸排気弁を中立位置から全閉位置に駆動している間、スタータへの給電を禁止するように構成したので、バッテリーの負荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給することが可能となる。ひいては確実な吸排気弁の始動制御が可能となる。
【0050】
また、機関の機械的摩擦などによる負荷を検出し、負荷による負の仕事量と吸排気弁の全閉後に生じる圧縮・膨張仕事量以上の運動エネルギーが確保できるように第1の所定回転速度を設定するように構成したので、特に低温時に機関の摩擦が増大した場合においても、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもクランク軸が回転できる。
【0051】
実施の形態3.
図11は、この発明の実施の形態3を示す構成図である。なお、図11において、図1と同一、または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図において、28はスタータモータであり、駆動手段27を介して、バッテリ30より電源が供給される。また、29はスタータモータ28に供給された電流を検出する電流検出手段である。ここで、駆動手段27と電流検出手段29は第2のスタータ制御手段を構成する。
【0052】
次に、電磁弁始動ルーチンの処理手順を図12に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1では、スタータモータ28がONされ、クランキングを開始する。次に、ステップS2では、クランク角センサ8の出力に基づいて、クランク軸の回転速度すなわちクランキング速度NEを検出する。ステップS3では、スタータモータ28の出力トルクと、検出したクランキング速度の加速度および、クランク軸のイナーシャより機関の負荷が計算される(負荷検出手段)。すなわち、始動してからは、吸排気弁12,14は、中立点にあるため、圧縮・膨張仕事とも存在しない。従って、クランキング速度の加速度ω´は、スタータの出力をTs、クランク軸へのギア比をGc、クランク軸のイナーシャをI、機関の負荷トルクをTeとすると、次式で表される。
【0053】
ω´=(Ts・Gc−Te)/I (3)
【0054】
従って、負荷トルクTeは、次式で与えられる。
【0055】
Te=I・ω´−Ts・Gc (4)
【0056】
ここで、スタータモータ28の出力トルクTsは、電流検出手段29の出力により演算されるが、機関の駆動トルクを検出するものであれば、トルクセンサを用いるなどの他の手段を用いても差し支えない。次に、ステップS4では、クランキング速度NEが第1の所定回転速度TNE1を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの時は、ステップS5に進み、ステップS3にて求めた機関の負荷トルクTeを補償するためのスタータ19の補償出力トルクTs´を演算する。即ち、次式を用いて演算される。
【0057】
Ts´=Te/G (5)
【0058】
従って、コントロールユニット(C/U)7は、実質的に負荷を駆動するのに必要なスタータへの出力を演算する負荷駆動演算手段を有している。
ここで、スタータモータ28の電流−トルク特性により、スタータモータ28の目標電流を求めても良い。次に、ステップS6では、ステップS5にて求めたスタータモータ28の補償出力トルクTs´に基づき、スタータモータ28を駆動手段27を用いて制御する。この際、駆動手段27は、ECU7からの指令に基づきデューティー制御するようなものであるが、特に、制御方法は問わない。
【0059】
次に、ステップS8では、上記実施の形態1と同様に吸排気弁を順次閉弁させるが、第1の所定回転速度TNE1においては、すべての弁を閉弁するのに必要な回転エネルギーがクランク軸に蓄えられており、また、機関の負荷トルクを補償する程度の駆動力でスタータモータ28を駆動しているので、バッテリ30の負荷が少なくなり、吸排気弁12,14にたいして十分な電源が供給されるため、確実に閉弁が実行される。次に、ステップS8では、すべての弁が閉弁したかを判定し、判定結果がYESであればステップS9へ進み、再度スタータモータ28を最大駆動力で駆動する。
【0060】
次にステップS10では、ステップS2と同様にクランク速度NEを検出する。次に、ステップS11では、クランキング速度NEが第2の所定回転速度TNE2を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの時は、ステップS12にすすむ。ステップS12では、順次、通常の吸排気弁制御を開始し、始動制御ルーチンを終了する。ここで、通常制御に移行する際、順次排気行程に入る気筒から、排気弁開制御からスタートさせることが望ましい。当然ながら、排気行程が終了し、吸気行程に入る気筒から、燃料制御・点火制御も開始され、内燃機関が最終的に始動される。
【0061】
このように、本実施の形態では、機関の機械的摩擦などによる負荷を検出し、負荷による負の仕事量を補うのに必要なスタータ出力を演算し、吸排気弁の閉弁開始から閉弁終了までの間、スタータをスタータ出力で駆動するように構成したので、バッテリーの負荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給することが可能となると共に、機関の機械的な摩擦等による仕事をスタータが受け持つので、クランクのひいては確実な吸排気弁の始動制御が可能となる。機関の摩擦が増大した場合においても、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもクランク軸が回転できる。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明によれば、スタータによりクランク軸のクランキングを開始するステップと、上記クランク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナーシャと吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸が1回転するのに必要な仕事量に応じて予め設定された第1の所定回転速度に達してから、所定のクランク角度で全閉位置となるように、順次吸排気弁を励起始動するステップと、上記吸排気弁がすべて全閉位置に保持され、かつ、上記クランク軸の回転速度が上記第1の所定回転速度より大きい第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始し、通常制御に移行させるステップとを含むので、スタータに過大な負荷を与えずに圧縮仕事をさせることができると共に、すべての弁が閉弁してからは、ポンピングロスが無くなるので、早くクランク軸の回転速度即ちクランキング速度を上げることが可能となり、ひいては早く機関の始動ができるという効果がある。
【0063】
また、この発明によれば、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへの給電を禁止するステップを含むので、バッテリーの負荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給することが可能となり、ひいては確実な吸排気弁の始動制御が可能となるという効果がある。
【0064】
また、この発明によれば、機関の負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転速度を補正するステップを含むので、負荷による負の仕事量と吸排気弁の全閉後に生じる圧縮・膨張仕事量以上の運動エネルギーが確保できるように第1の所定回転速度を設定でき、特に低温時に機関の摩擦が増大した場合においても、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもクランク軸が回転できるという効果がある。
【0065】
また、この発明によれば、上記機関の負荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算するステップと、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記演算された出力に基づいて上記スタータを駆動するステップとを含むので、バッテリーの負荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給することが可能となると共に、機関の機械的な摩擦等による仕事をスタータが受け持つので、クランク軸のひいては確実な吸排気弁の始動制御が可能となり、機関の摩擦が増大した場合においても、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもクランク軸が回転できるという効果がある。
【0066】
また、この発明によれば、弾性体により吸排気弁を中立位置に弾性的に支持すると共に、上記吸排気弁を電磁力により全閉位置または全開位置に変位させるように構成された内燃機関用電磁駆動弁の制御装置において、クランク角センサの出力に基づいてクランク軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、上記クランク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナーシャと上記吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸が1回転するのに必要な仕事量に応じて予め設定された第1の所定回転速度に達してから、上記吸排気弁を順次所定のクランク角度で全閉保持するように上記吸排気弁を制御する始動制御手段とを備え、上記吸排気弁がすべて全閉位置に保持されかつ、上記クランク軸の回転速度が上記第1の所定回転速度より大きい第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始するので、スタータに過大な負荷を与えずに圧縮仕事をさせることができると共に、すべての弁が閉弁してからは、ポンピングロスが無くなるので、早くクランキング速度を上げることが可能となり、ひいては早く機関の始動ができるという効果がある。
【0067】
また、この発明によれば、上記所定のクランク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁される電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクランク角からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度であるので、クランク軸を1回転させるのに必要な運動エネルギーが最小にして、第1の所定の回転速度を最小にすることができ、ひいてはピストンと干渉しないように吸排気弁を励起して全閉する際の余裕時間が長くなるという効果がある。
【0068】
また、この発明によれば、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへの給電を禁止する第1のスタータ制御手段を備えたので、バッテリーの負荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給することが可能となり、ひいては確実な吸排気弁の始動制御が可能となるという効果がある。
【0069】
また、この発明によれば、機関の負荷の大きさを検出する負荷検出手段と、上記負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転速度を補正する目標回転速度補正手段とを備えたので、負荷による負の仕事量と吸排気弁の全閉後に生じる圧縮・膨張仕事量以上の運動エネルギーが確保できるように第1の所定回転速度を設定でき、特に低温時に機関の摩擦が増大した場合においても、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもクランク軸が回転できるという効果がある。
【0070】
また、この発明によれば、上記負荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算する負荷駆動演算手段と、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記負荷駆動演算手段の演算出力に基づいて上記スタータを駆動する第2のスタータ制御手段とを備えたので、バッテリーの負荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給することが可能となると共に、機関の機械的な摩擦等による仕事をスタータが受け持つので、クランク軸のひいては確実な吸排気弁の始動制御が可能となり、機関の摩擦が増大した場合においても、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもクランク軸が回転できるという効果がある。
【0071】
さらに、この発明によれば、上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気行程より開始するので、機関の始動性の向上に寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1に係る電子制御式内燃機関の全体概要図である。
【図2】 吸気弁および排気弁として使用される電磁弁の構成を示す縦断面図である。
【図3】 アッパコイル電流(A)、ロアコイル電流(B)および弁リフト(C)のタイムチャートである。
【図4】 弁スタンプ領域および開弁許容期間を示す図である。
【図5】 電磁駆動弁およびカム駆動弁について全閉位置から全開位置へまたは全開位置から全閉位置への遷移時間を示す図である。
【図6】 クランク角度(上死点後クランク角度[°CA−ATDC])、ピストン位置および弁リフトの関係を示す図である。
【図7】 この発明の実施形態1における電磁弁始動ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 ピストン位置−筒内圧変化を示すグラフである。
【図9】 この発明の実施形態2によるエンジン始動装置の構成を示す図である。
【図10】 この発明の実施形態2による電磁弁始動ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施形態3によるエンジン始動装置の構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施形態3における電磁弁始動ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関、7 コントロールユニット、8 クランク角センサ、12 吸気弁、13 電磁動弁装置(吸気弁用)、14 排気弁、15 電磁動弁装置(排気弁用)、27 駆動手段、28 スタータモータ、29 電流検出手段。
Claims (12)
- スタータによりクランク軸のクランキングを開始するステップと、
上記クランク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナーシャと吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸が1回転するのに必要な仕事量に応じて予め設定された第1の所定回転速度に達してから、所定のクランク角度で全閉位置となるように、順次吸排気弁を励起始動するステップと、
上記吸排気弁がすべて全閉位置に保持され、かつ、上記クランク軸の回転速度が上記第1の所定回転速度より大きい第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始し、通常制御に移行させるステップと
を含むことを特徴とする内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。 - 上記所定のクランク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁される電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクランク角からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。
- 上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへの給電を禁止するステップを含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。
- 機関の負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転速度を補正するステップを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。
- 上記機関の負荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算するステップと、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記演算された出力に基づいて上記スタータを駆動するステップとを含むことを特徴とする請求項4記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。
- 上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気行程より開始することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。
- 弾性体により吸排気弁を中立位置に弾性的に支持すると共に、上記吸排気弁を電磁力により全閉位置または全開位置に変位させるように構成された内燃機関用電磁駆動弁の制御装置において、
クランク角センサの出力に基づいてクランク軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
上記クランク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナーシャと上記吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸が1回転するのに必要な仕事量に応じて予め設定された第1の所定回転速度に達してから、上記吸排気弁を順次所定のクランク角度で全閉保持するように上記吸排気弁を制御する始動制御手段と
を備え、上記吸排気弁がすべて全閉位置に保持されかつ、上記クランク軸の回転速度が上記第1の所定回転速度より大きい第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始することを特徴とする内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。 - 上記所定のクランク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁される電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクランク角からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度であることを特徴とする請求項7記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
- 上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへの給電を禁止する第1のスタータ制御手段を備えたことを特徴とする請求項7または8記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
- 機関の負荷の大きさを検出する負荷検出手段と、上記負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転速度を補正する目標回転速度補正手段とを備えたことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
- 上記負荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算する負荷駆動演算手段と、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記負荷駆動演算手段の演算出力に基づいて上記スタータを駆動する第2のスタータ制御手段とを備えたことを特徴とする請求項10記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
- 上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気行程より開始することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
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