JP3825983B2 - 金属の高純度化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電解工程において製造する電極及び電解液を有効に利用する一次電解及び必要に応じて数次電解を行い、かつ電解採取(電解精製)により金属を高純度化する方法に関する。
また、本発明は有機物に起因する酸素含有量を低減させた金属の高純度化に有用である高純度化方法に関する。
さらに本発明は、上記方法において高純度化する金属中のNa、Kなどのアルカリ金属元素の含有量が総計で1ppm以下、U、Thなどの放射性元素の含有量が総計で1ppb以下、主成分として含有される場合を除きFe、Ni、Cr、Cuなどの遷移金属又は重金属元素が総計で10ppm以下、残部が高純度する金属及びその他の不可避的不純物である金属の高純度化方法に関する。
なお、明細書中で使用する%、ppm、ppbは全てwt%、wtppm、wtppbを示す。
【0002】
【従来の技術】
従来、4N又は5N(それぞれ99.99wt%、99.999wt%を意味する。)レベルの高純度金属を製造する場合に、多くは電解精製法を用いて製造されているが、目的とする金属を電解する場合、近似する元素が不純物となって残存するケースが多い。例えば遷移金属である鉄のような場合には、同じく遷移金属であるニッケル、コバルト等の多数の元素が不純物として含まれる。
これらの3Nレベルの粗金属を精製する場合、高純度の液を製造して電解を実施している。
【0003】
このような電解において、純度の高い金属を得るためには、不純物の少ない電解液を製造できるイオン交換あるいは溶媒抽出の方法を用いることが必要である。
このように、電解液の製造は、電解の前に予め精製することが普通であり、このための作業はコスト高になる欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電解工程において製造する電極及び電解液を有効に利用し、効率的に高純度金属を製造することができる電解及び電解採取法を提供することを目的としたものである。
さらに本発明は、有機物に起因する酸素含有量を低減させることができ、またNa、Kなどのアルカリ金属元素、U、Thなどの放射性元素、主成分として含有される以外のFe、Ni、Cr、Cuなどの遷移金属又は重金属元素を効果的に除去できる金属の高純度化方法提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、一次電解工程により得た一次電析金属をアノードとして電解した電解液を使用し、これを電解採取するか又は複数回の電解工程によってさらに高純度化しかつ電解採取することにより、電解液の調合を簡素化しより純度の高い金属を得ることができ、さらに電解液を浄液することにより有機物に起因する酸素含有量を低減することができるとの知見を得た。
この知見に基づき、本発明は
1. 一次電解精製により粗金属原料を電解して一次電析金属を得る工程、前記一次電解工程により得た一次電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し、純度の高い電解液を得る工程、さらに該純度の高い電解液から電解採取により高純度金属を得る工程からなることを特徴とする金属の高純度化方法。
2. 一次電解精製により粗金属原料を電解して一次電析金属を得る工程、前記一次電解工程により得た一次電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し純度の高い二次電解液を得る工程、該二次電解用の純度の高い電解液を用いかつ前記一次電析金属をアノードとして二次電解精製する工程、該電解工程により得た電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し電解液を得る工程、さらに該純度の高い電解液から一次又は数次の電解採取により高純度金属を得る工程からなることを特徴とする金属の高純度化方法。
3. 前電解工程により得た前電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し純度の高い次電解液を得る工程、該次電解用の純度の高い電解液を用いかつ前電析金属をアノードとして電解する工程からなる数次電解を行うことを特徴とする上記2記載の金属の高純度化方法。
4. 電解採取後に電解精製を行うことを特徴とする上記1〜3のそれぞれに記載の金属の高純度化方法。
5. 電解精製と電解採取を交互に又は間欠的に繰り返すことを特徴とする上記3又は4記載の金属の高純度化方法。
6. 電解液を活性炭槽に液循環させて高純度金属水溶液中の有機物を除去し、該有機物に起因する酸素含有量と30ppm以下とすることを特徴とする上記1〜5のそれぞれに記載の金属の高純度化方法。
7. 粗金属が3N以下の純度、一次電析金属が酸素等のガス成分を除き3N〜4Nの純度、さらに電解精製及び電解採取によって得られる高純度金属が4N〜5N以上の純度をもつことを特徴とする上記1〜6のそれぞれに記載の金属の高純度化方法。
8. 粗金属が4N以下の純度、一次電析金属が酸素等のガス成分を除き4N〜5Nの純度、さらに電解精製及び電解採取によって得られる高純度金属が5N〜6N以上の純度をもつことを特徴とする上記1〜6のそれぞれに記載の金属の高純度化方法。
9. 高純度金属中のNa、Kなどのアルカリ金属元素の含有量が総計で1ppm以下、U、Thなどの放射性元素の含有量が総計で1ppb以下、Fe、Ni、Cr、Cuなどの遷移金属又は重金属元素が総計で10ppm以下、残部が高純度化する金属及びその他の不可避的不純物であることを特徴とする上記1〜8のそれぞれに記載の金属の高純度化方法。
10. C含有量が30ppm以下及びS含有量が1ppm以下であることを特徴とする上記1〜9のそれぞれに記載の金属の高純度化方法。
11. 電解採取又は電解精製によって得られた高純度金属をさらに真空溶解又はAr雰囲気若しくはAr−H2雰囲気で溶解することを特徴とする上記1〜10のそれぞれに記載の金属の高純度化方法。
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明を図1に基づいて説明する。図1に一次電解工程と電解用電解液製造工程及び電解採取工程の概要を示す。
図1に示すように、一次電解槽1においてアノードバスケット2に金属スクラップ等の粗原料(3N以下又は4N以下の)金属3を入れ、粗金属原料を電解してカソード4に一次電析金属を析出させる。符号5は一次電解用アノードである。この場合、最初の電解液は、事前に調合する。この一次電解精製による一次電析金属の純度は3N〜4N又は4N〜5Nのものが得られる。
【0007】
次に、この電析金属アノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し、純度の高い電解採取用の電解液8を得るのであるが、図1ではアノード10として電気化学的に溶解させる場合を示す。この電解液製造槽9におけるカソード11はアノード10からの金属が析出しないように、陰イオン交換膜を用いて遮断する。酸溶解する場合には、一次電析金属を酸溶解し、pH調整を行って純度の高い電解液を得る。
このようにして製造した電解液8を図1の電解槽12のカソードボックス13内に入れ、電解採取により高純度の電析金属を得る。アノード14には不溶性アノードを用いる。
カソードボックス13は陰イオン交換膜7で仕切る。この電解採取により、比較的容易に5Nレベル又は6Nレベルの純度のものが得られる。符号16はカソードボックス13内のカソードを示す。
【0008】
さらに純度を高める、あるいは上記一次電解精製及び電解採取で目的とする純度が得られない場合、二次以上の電解を行うことができる。
例えば、二次電解でカソードに析出した二次電析金属を三次電解槽(図示せず)のアノードとし、また二次電析金属をアノードとして得た三次電解液を製造し、この三次電解液を三次電解槽の電解液として三次電解槽のカソードに三次電析金属を析出させる。このようにして、逐次電析金属の純度と向上させていく。
上記においては、最終を電解精製としたが、電解採取後に電解精製を行うこともできるし、また電解精製と電解採取を交互に又は間欠的に繰り返すこともできる。電解精製と電解採取は上記の工程で述べたものと同様である。
【0009】
各電解工程に使用する電解液を活性炭槽に液循環させて高純度金属水溶液中の有機物を除去し、該有機物に起因する酸素含有量と30ppm以下とすることができる。さらに、電解採取又は電解によって得られた高純度金属をさらに真空溶解又はAr雰囲気若しくはAr−H2雰囲気で溶解し、純度を高めることができる。
これによって、高純度金属中のNa、Kなどのアルカリ金属元素の含有量が総計で1ppm以下、U、Thなどの放射性元素の含有量が総計で1ppb以下、Fe、Ni、Cr、Cuなどの遷移金属又は重金属元素が総計で10ppm以下、残部が高純度化する金属及びその他の不可避的不純物とすることができる。
さらにまた、C含有量が30ppm以下及びS含有量が1ppm以下とすることができる。
本発明の電解及び電解採取は、鉄、カドミウム、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銀、金、鉛、錫、インジウム、ビスマス、ガリウム等の金属元素の電解採取に適用できる。
【0010】
【実施例及び比較例】
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲内で、実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
【0011】
(実施例1)
図1に示すような電解槽を用い、3Nレベルの塊状の鉄をアノードとし、カソードに4Nレベルの鉄を使用して電解精製を行った。
浴温は50°C、塩酸系電解液でpH2、鉄濃度50g/L、電流密度1A/dm2で電解を実施した。これにより、電流効率90%で純度4Nレベルの電解鉄(カソードに析出)を得た。
次に、この電解鉄を塩酸と過酸化水素水の混合溶液で溶解し、アンモニアでpHを調整して電解採取用の電解液とし、電解採取を実施した。
電解条件は、一次電解の電解条件と同一の条件である、浴温50°C、塩酸系電解液でpH2、鉄濃度50g/Lで電解を実施した。この結果、電流効率92%で純度5Nレベルの電解鉄を得た。
一次電解鉄及び電解採取により得た電解鉄の分析結果を表1に示す。一次電解鉄では、Al:3ppm、As:5ppm、Co:5ppm、Ni:6ppm、Cu:1ppm、S:2ppmが不純物として存在するが、電解採取によりCo:2ppm、Ni:1ppmが存在することを除き、他は全て1ppm未満となった。また、使用済みの電解液は、一次電解液に戻して使用することができた。
以上に示すように、高純度(5N)の鉄が1回の電解精製とそれに続く電解採取により製造することができ、また電解液の製造が容易であるという優れた結果が得られた。
【0012】
【表1】
【0013】
(実施例2)
上記実施例1と同様に図1に示すような電解槽を用い、3Nレベルの塊状のカドミウムをアノードとし、カソードにチタンを使用して電解を行った。
浴温は30°C、硫酸80g/L、カドミウム濃度70g/L、電流密度1A/dm2で電解を実施した。これにより、電流効率85%で純度4Nレベルの電解カドミウム(カソードに析出)を得た。
次に、この電解カドミウムを硫酸浴で電解し電解採取用の電解液とした。この電解液を用いて電解採取を実施した。
電解条件は、一次電解の電解条件と同一の条件である、浴温30°C、硫酸80g/L、カドミウム濃度70g/L、電流密度1A/dm2で電解を実施した。この結果、電流効率92%で純度5Nレベルの電解カドミウムを得た。
一次電解カドミウム及び電解採取後のカドミウムの分析結果を表2に示す。一次電解カドミウムでは、Ag:1ppm、Pb:7ppm、Cu:1ppm、Fe:30ppmが不純物として存在するが、電解採取後ではPb:1ppm、Fe:4ppmが不純物存在することを除き、他は全て1ppm未満となった。
また、実施例1と同様に、使用済みの電解液は、一次電解液に戻して使用することができた。
以上に示すように、高純度(5N)のカドミウムが1回の電解精製とそれに続く電解採取により製造することができ、また電解液の製造が容易であるという優れた結果が得られた。
【0014】
【表2】
【0015】
(実施例3)
上記実施例1と同様に図1に示すような電解槽を用い、3Nレベルの塊状のコバルトをアノードとし、カソードに4Nレベルのコバルトを使用して電解を行った。
浴温は40°C、塩酸系電解液でpH2、コバルト濃度100g/L、電流密度1A/dm2、電解時間40hr実施した。これにより、電流効率90%で電解コバルト(カソードに析出)約1kgを得た。純度は4Nを達成した。
次に、この電解コバルトを塩酸で溶解し、アンモニアでpH2に調整し電解採取用の電解液とした。この電解液を使用して電解採取を実施した。
電解条件は、一次電解の電解条件と同一の条件である浴温40°C、塩酸系電解液でpH2、コバルト濃度100g/Lで電解を実施した。この結果、電流効率92%で純度5Nレベルの電解コバルトを得た。
一次電解コバルト及び電解採取後のコバルトの分析結果を表3に示す。原料コバルトでは、Na:15ppm、K:2ppm、Fe:8ppm、Ni:460ppm、Cu:1.5ppm、Al:2.5ppm、Cr:0.5ppm、S:1ppm、U:0.3ppb、Th:0.2ppbが不純物として存在するが、一次電解ではFe:4ppm、Ni:35ppmが残存することを除き、他は全て0.1ppm以下となった。
そして、電解採取ではFe:1.5ppm、Ni:4ppmが残存するだけとなり、他は全て0.1ppm未満となり不純物が大きく減少した。使用済みの電解液は、一次電解液に戻して使用することができた。
以上に示すように、高純度(5N)のコバルトが1回の電解精製とそれに続く電解採取により製造することができた。
【0016】
【表3】
【0017】
(実施例4)
上記実施例1と同様に図1に示すような電解槽を用い、4Nレベルの塊状のニッケルをアノードとし、カソードに4Nレベルのニッケルを使用して電解を行った。
浴温は40°C、硫酸系電解液でpH2、ニッケル濃度50g/L、電流密度1A/dm2、電解時間40hr実施した。これにより、電流効率90%で電解ニッケル(カソードに析出)約1kgを得た。純度は5Nを達成した。
次に、この電解ニッケルを硫酸で溶解し、アンモニアでpH2に調整し電解採取用の電解液とした。この電解液を用いて電解採取を実施した。
電解条件は、一次電解の電解条件と同一の条件である浴温40°C、硫酸系電解液でpH2、ニッケル濃度50g/Lで電解を実施した。この結果、電流効率92%で純度6Nレベルの電解ニッケルを得た。
一次電解ニッケル及び電解採取後のニッケルの分析結果を表4に示す。原料ニッケルでは、Na:25ppm、K:1.2ppm、Fe:10ppm、Co:1.0ppm、Cu:1.5ppm、Al:0.5ppm、Cr0.2ppm、S:2ppm、U:0.3ppb、Th:0.2ppbが不純物として存在するが、一次電解ではFe:4ppm、Co:0.2ppmが残存することを除き、他は全て0.1ppm以下となった。
そして、電解採取によりFe:0.5ppmが残存するだけとなり、他は全て0.1ppm未満となり不純物が大きく減少した。使用済みの電解液は、一次電解液に戻して使用することができた。
以上に示すように、高純度(6N)のニッケルが1回の電解精製とそれに続く電解採取により製造することができ、また電解液の製造が容易であるという優れた結果が得られた。
【0018】
【表4】
【0019】
(実施例5)
実施例3に使用したものとは異なる4Nレベルの原料コバルトを用いて、別途一次電解精製及び電解採取を行い、その際に電解液を活性炭槽に循環させて高純度金属水溶液中の有機物を除去した。この場合の精製により得られた不純物元素の分析結果を表5に示す。
上記一次電解及び電解採取により、電解コバルトに含有する不純物は、1ppmを超えるものとしてTi:0.6ppm、Fe:1.6ppm、Ni:3.8ppmが残存するだけとなり、酸素等のガス成分を除き、他は全て1ppm未満となり不純物が大きく減少した。
なお、酸素については同表には示していないが、活性炭により著しく除去され、30ppm以下となった。
以上に示すように、高純度(5N)のコバルトが、1回の電解精製とそれに続く電解採取により製造することができた。
【0020】
【表5】
【0021】
(実施例6)
実施例1とは、異なる3Nレベルの塊状の鉄をアノードとし、カソードに4Nレベルの鉄を使用して電解精製を行った。電解条件は実施例1と同様である。これにより4Nレベルの電解鉄(カソードに析出)を得た。
次に、この電解鉄をアノードとして電解精製を行い、5Nレベルの電解鉄を得た。そして、この5Nレベルの電解鉄を酸で溶解し、pH調整して電解液とし電解採取を実施した。この結果、純度5〜6Nレベルの電解鉄を得た。
一次電解鉄、二次電解鉄及び電解採取により得た電解鉄の分析結果を表6に示す。
一次電解鉄では、Al:4.5ppm、As:6ppm、Co:9ppm、Ni:10ppm、Zn:3ppm、Cu:2ppm、S:3ppmが不純物として存在し、二次電解鉄では、Al:1ppm、As:1.2ppm、Co:3.5ppm、Ni:2.5ppm、Cu:0.5ppm、S:1ppmまで低下し、電解採取後では、全て1ppm未満となった。
以上に示すように、高純度(5〜6N)の鉄が2回の電解精製とそれに続く電解採取により製造することができるという結果が得られた。
【0022】
【表6】
【0023】
【発明の効果】
以上に示すように、一次電析金属をアノードとして電解することによって電解液を製造し、その電解液を用いて電解採取することによって、5N〜6Nレベルの高純度の金属を得ることを可能とするとともに、4N〜5Nレベルの電解液の製造コストを低減できるという優れた特徴を有する。また、必要に応じて電解精製及び電解採取を繰り返して、純度をさらに向上させることができるという著しい効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一次電解工程及び電解採取工程と電解採取用電解液の製造工程の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 一次電解槽
2 アノードバスケット
3 粗原料金属
4、11、16 カソード
5 一次電解用アノード
7 陰イオン交換膜
8 電解採取用の電解液
9 電解液製造槽
10 アノード
12 電解槽
13 カソードボックス
14 不溶性アノード
Claims (11)
- 一次電解精製により粗金属原料を電解して一次電析金属を得る工程、前記一次電解精製により得た一次電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し、純度の高い電解液を得る工程、さらに前記溶解工程により得られた純度の高い電解液を用いて、電解採取により高純度金属を得る工程からなることを特徴とする金属の高純度化方法。
- 一次電解精製により粗金属原料を電解して一次電析金属を得る工程、前記一次電解精製により得た一次電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し純度の高い二次電解用の電解液を得る工程、該二次電解用の純度の高い電解液を用いかつ前記一次電析金属をアノードとして二次電解精製する工程、該二次電解精製により得た電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し電解液を得る工程、さらに前記溶解工程により得られた純度の高い電解液を用いて一次又は数次の電解採取により高純度金属を得る工程からなることを特徴とする金属の高純度化方法。
- 前電解精製により得た前電析金属をアノードとして電気化学的溶解又は酸溶解し純度の高い次電解液を得る工程、該次電解用の純度の高い電解液を用いかつ前電析金属をアノードとして電解する工程からなる数次電解を行うことを特徴とする請求項2記載の金属の高純度化方法。
- 電解採取後に電解精製を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属の高純度化方法。
- 電解精製と電解採取を交互に又は間欠的に繰り返すことを特徴とする請求項3又は4記載の金属の高純度化方法。
- 電解液を活性炭槽に液循環させて高純度金属水溶液中の有機物を除去し、該有機物に起因する酸素含有量と30ppm以下とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属の高純度化方法。
- 粗金属が3N以下の純度、一次電解による電析金属が酸素等のガス成分を除き3N〜4Nの純度、さらに電解精製及び電解採取によって得られる高純度金属が4N〜5N以上の純度をもつことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属の高純度化方法。
- 粗金属が4N以下の純度、一次電解による電析金属が酸素等のガス成分を除き4N〜5Nの純度、さらに電解精製及び電解採取によって得られる高純度金属が5N〜6N以上の純度をもつことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属の高純度化方法。
- 高純度金属中のNa、Kなどのアルカリ金属元素の含有量が総計で1ppm以下、U、Thなどの放射性元素の含有量が総計で1ppb以下、Fe、Ni、Cr、Cuなどの遷移金属又は重金属元素が総計で10ppm以下、残部が高純度化する金属及びその他の不可避的不純物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属の高純度化方法。
- C含有量が30ppm以下及びS含有量が1ppm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の金属の高純度化方法。
- 電解採取又は電解精製によって得られた高純度金属をさらに真空溶解又はAr雰囲気若しくはAr−H2雰囲気で溶解することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の金属の高純度化方法。
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