JP3824206B2 - リニアインダクションモータ電気車の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リニアインダクションモータが搭載された電気車の制御装置に関し、特にリニアインダクションモータの二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気車に搭載されたリニアインダクションモータの駆動制御装置はよく知られており、たとえば特開2000−23316号公報などに参照することができる。
【0003】
この種のリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、リニアインダクションモータは、電気車の車上側に一次巻線が配設され、地上側に二次導体としてリアクションプレートが配設されている。
【0004】
図7は一般的なリニアインダクションモータの等価回路を示しており、図7において、R1、R2は抵抗器成分、L1、L2はインダクタンス成分、Mは相互インダクタンスである。
【0005】
このように構成されたリニアインダクションモータを用いて電気車を走行駆動させる場合、リアクションプレート有りの場所からリアクションプレート無しの場所に移動したときに、一次巻線から発生した磁束がリアクションプレート22(二次導体)側に鎖交しなくなるので、一次巻線が単なるインピーダンスとして働くことになる。
【0006】
このとき、図7の等価回路において、相互インダクタンスMが小さくなったように見える。
また、インダクタンス成分L2および抵抗器成分R2からなる回路において、二次導体が無くなったことにより、抵抗器成分R2が大きくなり、回路がオープンになったと見なすことができる。
【0007】
この結果、リアクションプレートが無くなると、等価回路のインピーダンスが減少するので、印加電圧を一定とすれば、大きな電流が流れることになる。
一般に、電気車の走行軌道には、分岐器部や車庫内など、リアクションプレートを設けることができない場所があり、このようなリアクションプレートの無い部分を通過すると、過大な電流が流れるという問題点がある。
【0008】
そこで、たとえば上記特開2000−23316号公報に記載の装置おいては、励磁電流指令値と励磁電流成分(検出値)との励磁電流偏差に基づいて電圧指令値を補正するようになっている。
【0009】
図8は特開2000−23316号公報に記載された従来のリニアインダクションモータ電気車の制御装置を示すブロック図である。
図8において、1はパルス幅変調(PWM)インバータからなる電力変換器であり、三相PWM信号Su、Sy、Swを用いて高質な三相電力を出力する。
【0010】
2はリニアインダクションモータであり、PWMインバータ1から出力される三相電力によって駆動される。
なお、ここでは、図示されないが、リニアインダクションモータ2には、リアクションプレートが対向配置されている。
【0011】
3は励磁電流指令値Id*およびIq*を生成する電流指令発生器である。
4は電圧指令補正器であり、励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差に基づいて電圧指令補正量dvを生成する。
【0012】
5は電圧指令演算器であり、励磁電流指令値Id*、Iq*および電圧指令補正量dvに基づいて、補正された電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
電圧指令値Vd*およびVq*は、電圧指令補正器4および電圧指令演算器5により、励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差に基づいて補正される。
【0013】
6はすべり周波数補正量dfを生成するすべり周波数補正器である。
7はすべり周波数演算器であり、励磁電流指令値Id*、Iq*およびすべり周波数補正量dfに基づいて、補正されたすべり周波数ωs*を演算する。
【0014】
8は一次周波数指令値ω1*を生成する加算器、9は電圧指令値Vd*、Vq*を三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換する座標変換器、10は三相モータ電流iu、iv、iwを回転座標系の励磁電流成分Idおよびトルク電流成分Iqに変換する座標変換器である。
【0015】
11はPWMインバータ1に供給される直流電源、12は直流電源11とPWMインバータ1との間に接続されたフィルタコンデンサ、13は三相電圧指令値Vu、Vv、Vwから三相PWM信号Su、Sy、Swを演算するPWM信号演算器である。
【0016】
14u、14y、14wはPWMインバータ1の三相出力すなわち三相モータ電流iu、iv、iwを検出する電流検出器、15は電気車の車輪、16は車輪15に取り付けられて速度ωrを検出する速度検出器である。
【0017】
次に、図8に示した従来のリニアインダクションモータ電気車の制御装置による動作について説明する。
まず、直流電源11の出力直流は、フィルタコンデンサ12により平滑され、PWMインバータ1に供給される。
【0018】
PWMインバータ1は、供給された直流電源電圧を三相の可変電圧および可変周波数の交流電力に変換し、リニアインダクションモータ2の一次巻線に出力電圧を供給する。
【0019】
これにより、リニアインダクションモータ2の一次巻線と、地上側に設けられたリアクションプレートとの間の相互作用によって電気車が走行する。
このとき、電流指令発生器3、すべり周波数演算器7、加算器8、座標変換器9、10およびPWM信号演算器13からなる制御装置は、以下のように電気車を制御する。
【0020】
すなわち、電流指令発生器3は、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を生成し、電圧指令補正器4は、励磁電流指令値Id*と座標変換器10からの励磁電流成分Idとに基づく電圧指令補正量dvを電圧指令演算器5に入力する。
【0021】
電圧指令演算器5は、励磁電流指令値Id*、トルク電流指令値Iq*、電圧指令補正量dvおよび一次周波数指令値ω1*に基づいて、リニアインダクションモータ2に供給される回転磁界座標系の2成分の電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
【0022】
すべり周波数補正器6は、トルク電流指令値Iq*およびトルク電流成分Iqに基づいてすべり周波数補正量dfを生成し、すべり周波数演算器7は、励磁電流指令値Id*、トルク電流指令値Iq*およびすべり周波数補正量dfに基づいてすべり周波数指令値ωs*を演算する。
【0023】
加算器8は、すべり周波数演算器7から出力されるすべり周波数指令値ωs*と、速度検出器16により検出される電気車の速度ωrとを加算し、一次周波数指令値ω1*を生成する。
【0024】
一次周波数指令値ω1*は、電圧指令演算器5および座標変換器9、10に入力され、座標変換器9は、一次周波数指令値ω1*に基づいて、電圧指令値Vd*およびVq*を静止座標系の三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換する。
【0025】
また、座標変換器10は、一次周波数指令値ω1*に基づいて、三相モータ電流(一次電流)iu、iv、iwを回転座標系の励磁電流成分Idおよびトルク電流成分Iqに変換する。
【0026】
PWM信号演算器13は、座標変換器9の三相出力Vu、Vv、Vwに基づいて、オンオフパルスからなる三相PWM信号Su、Sv、Swを生成し、これをPWMインバータ1に入力する。
【0027】
こうして、電流指令発生器3、すべり周波数演算器7、加算器8、座標変換器9、10およびPWM信号演算器13による制御下で、PWMインバータ1によりリニアインダクションモータ2が駆動される。
【0028】
ここで、図9および図10を参照しながら、図8内の電圧指令補正器4および電圧指令演算器5の構成についてさらに具体的に説明する。
図9は電圧指令補正器4の構成例を示すブロック図、図10は電圧指令演算器5の構成例を示すブロック図である。
【0029】
図9において、51は励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差を求める減算器、52は励磁電流偏差を一次遅れ処理して出力する一次遅れ要素である。
【0030】
一次遅れ要素52は、励磁電流偏差の急変により制御不安定状態になるのを防止する機能を有し、最終的に安定な電圧指令補正量dvを出力する。
なお、一次遅れ要素52の出力側にリミッタが設けられてもよい。
【0031】
一方、図10において、61は電圧ベクトル演算部であり、以下の(1)式で表される値を出力する。
【0032】
【数1】
【0033】
62は電圧ベクトル演算部61の一方の出力側に挿入された加算器であり、電圧ベクトル演算部61の出力値Vq1*に電圧指令補正量dvを加算して、補正された電圧指令値Vq*を出力する。
【0034】
図8〜図10に示された構成において、電気車の走行により、リアクションプレート有りの領域からリアクションプレート無しの領域に移動したとすると、前述のように、リニアインダクションモータ2のインピーダンスが減少し、流れる電流が増大する。
【0035】
このときのモータ電流は、相互インダクタンスM(図7参照)を流れる励磁電流のみとなるため、励磁電流成分Idが大きく増加して、励磁電流指令値Id*との間に負の励磁電流偏差が発生し、一次遅れ要素52(図9参照)から電圧補正量dvが発生する。
【0036】
以下、電圧指令演算器5は、電圧補正量dvの値を電圧指令値に加えて補正することにより、電圧指令値Vq*を低減させてモータ電流の増加を抑制する。
このように、電圧指令値Vq*を低減制御することにより、モータ電流の過大化を防止している。
【0037】
逆に、リアクションプレート無しの領域からリアクションプレート有りの領域に移動した場合には、励磁電流偏差がなくなり、最終的に元の状態に戻る。
こうして、リアクションプレートが無い領域を走行した場合に、過大なモータ電流を防止することができる。
【0038】
また、図11は上記特開2000−23316号公報に記載された別の従来例を示すブロック図であり、17は座標変換器10に並列に配設された実効電流演算器である。
【0039】
この場合、電流指令発生器3からは、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*のみならず、電流実効値指令Im*が出力される。
また、座標変換器10から生成される2成分のうち、すべり周波数補正器6に対するトルク電流成分Iqのみが用いられる。
【0040】
実効電流演算器17は、三相モータ電流iu、iv、iwに基づいて電流実効値Imを演算し、これを電圧指令補正器4に入力する。
電圧指令補正器4は、励磁電流成分Idを用いることなく、励磁電流指令値Id*と比較的検出が容易な電流実効値Imとに基づいて、電圧補正量dvを生成する。この場合も、前述(図8参照)と同様の作用効果を奏する。
【0041】
しかしながら、上記特開2000−23316号公報に参照される従来装置では、リアクションプレートの無い領域を走行している状態から、リアクションプレートの有る領域に移動した場合などの、状態変化した領域で三相モータ電流iu、iv、iwが変動するという問題がある。
【0042】
また、低速領域と高速領域とを同じように変更する場合に高速領域では変更量が大きくなり、リアクションプレートの無い領域からリアクションプレートの有る領域に移動した場合も指令変更した状態となるので、リアクションプレートの有る領域を走行していても過変更のために所定加速度が得られないという問題がある。
【0043】
さらに、PWMインバータ1に対して複数台のリニアインダクションモータ2が電気的に並列接続された場合(図示せず)に、そのうちの1台以上が二次導体を有していない状態も起こり得るが、このような状態でのモータ起動時においても、過電流が流れることなく且つ通常の制御系を変えることなく、リニアインダクションモータ2を起動させることが要求されている。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】
従来のリニアインダクションモータ電気車の制御装置は以上のように、特開2000−23316号公報に記載された従来装置では、リアクションプレートの無い部分を通過するときの過電流を防止することができるものの、リアクションプレートの無い領域からリアクションプレートの有る領域に移動した場合などに、三相モータ電流iu、iv、iwが変動するという問題点があった。
【0045】
また、低速領域と高速領域とを同じように変更する場合に高速領域で変更量が大きくなり、リアクションプレートの無い領域からリアクションプレートの有る領域に移動した場合に指令変更した状態となり、リアクションプレートの有る領域を走行していても過変更のために所定加速度が得られないという問題点があった。
【0046】
さらに、電気的に並列接続された複数台のリニアインダクションモータ2を用いて、そのうち1台以上が二次導体を有していない状態となった場合においても、通常制御系を変えることなく過電流を防止してリニアインダクションモータ2を起動させる必要があるが、これを達成することができないという問題点があった。
【0047】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置を得ることを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、地上側に配設されてリニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、可変電圧および可変周波数の交流電力をリニアインダクションモータに供給する電力変換器と、電力変換器を制御する電力変換器制御回路とを備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、電力変換器制御回路は、リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値およびトルク電流指令値を生成する電流指令発生手段と、励磁電流指令値およびトルク電流指令値からリニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、リニアインダクションモータの一次電流から励磁電流成分を検出する電流成分検出手段と、電流指令発生手段と電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、過電流抑制回路は、励磁電流指令値と励磁電流成分との励磁電流偏差を演算する励磁電流偏差演算手段と、励磁電流偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、励磁電流偏差がセット値以上の場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段とを含むものである。
【0049】
また、この発明の請求項2に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項1において、電流指令変更手段は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むものである。
【0050】
また、この発明の請求項3に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項2において、変化一次遅れ要素は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、時定数発生器は、電気車の速度に応じて時定数を可変設定するものである。
【0051】
また、この発明の請求項4に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項3において、時定数発生器は、電気車の速度の上昇に応じて時定数を低減設定する関数テーブルを有するものである。
【0052】
また、この発明の請求項5に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項1から請求項4までのいずれかにおいて、リニアインダクションモータは、電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、過電流抑制回路は、複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が二次導体を有していない状態にある場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動するものである。
【0053】
また、この発明の請求項6に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、地上側に配設されてリニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、可変電圧および可変周波数の交流電力をリニアインダクションモータに供給する電力変換器と、電力変換器を制御する電力変換器制御回路とを備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、電力変換器制御回路は、リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値、トルク電流指令値および一次電流指令実効値を生成する電流指令発生手段と、励磁電流指令値およびトルク電流指令値からリニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、リニアインダクションモータの一次電流から一次電流実効値成分を検出する実効値成分検出手段と、電流指令発生手段と電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、過電流抑制回路は、一次電流指令実効値と一次電流実効値成分との実効値偏差を演算する実効値偏差演算手段と、実効値偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、実効値偏差がセット値以上の場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段とを含むものである。
【0054】
また、この発明の請求項7に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項6において、電流指令変更手段は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むものである。
【0055】
また、この発明の請求項8に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項7において、変化一次遅れ要素は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、時定数発生器は、電気車の速度に応じて時定数を可変設定するものである。
【0056】
また、この発明の請求項9に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項8において、時定数発生器は、電気車の速度の上昇に応じて時定数を低減設定する関数テーブルを有するものである。
【0057】
また、この発明の請求項10に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項6から請求項9までのいずれかにおいて、リニアインダクションモータは、電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、過電流抑制回路は、複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が二次導体を有していない状態にある場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動するものである。
【0058】
また、この発明の請求項11に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、地上側に配設されてリニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、可変電圧および可変周波数の交流電力をリニアインダクションモータに供給する電力変換器と、電力変換器を制御する電力変換器制御回路とを備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、電力変換器制御回路は、リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値およびトルク電流指令値を生成する電流指令発生手段と、励磁電流指令値およびトルク電流指令値からリニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、リニアインダクションモータの一次電流から励磁電流成分を検出する電流成分検出手段と、電流指令発生手段と電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、過電流抑制回路は、励磁電流成分から一次遅れ電流成分を生成する電流一次遅れ要素と、励磁電流成分と一次遅れ電流成分との一次遅れ電流偏差を演算する一次遅れ電流偏差演算手段と、一次遅れ電流偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、一次遅れ電流偏差がセット値以上の場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段とを含むものである。
【0059】
また、この発明の請求項12に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項11において、電流一次遅れ要素は、励磁電流成分の一次遅れ量を決定するための遅れ時定数を生成する遅れ時定数発生器を有し、遅れ時定数発生器は、電気車の速度に応じて遅れ時定数を可変設定するものである。
【0060】
また、この発明の請求項13に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項11または請求項12において、電流指令変更手段は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むものである。
【0061】
また、この発明の請求項14に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項13において、変化一次遅れ要素は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、時定数発生器は、電気車の速度に応じて時定数を可変設定するものである。
【0062】
また、この発明の請求項15に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項14において、時定数発生器は、電気車の速度の上昇に応じて時定数を低減設定する関数テーブルを有するものである。
【0063】
また、この発明の請求項16に係るリニアインダクションモータ電気車の制御装置は、請求項11から請求項15までのいずれかにおいて、リニアインダクションモータは、電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、過電流抑制回路は、複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が二次導体を有していない状態にある場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動するものである。
【0064】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック図であり、前述(図8参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
【0065】
図1において、18は電流指令発生器3と電圧指令発生器5との間に挿入された過電流抑制回路、22はリニアインダクションモータ2に対向するように地上側に設けられたリアクションプレートである。
【0066】
過電流抑制回路18は、電流指令発生器3からの励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*と座標変換器10からの励磁電流成分Idとに基づいて、過電流抑制用の励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を生成し、これらを電圧指令演算器5に入力する。
【0067】
この場合、座標変換器10から生成される2成分のうち、励磁電流成分Idのみが用いられる。
また、加算器8からの一次周波数指令値ω1*は、電圧指令演算器5には入力されず、座標変換器9および10のみに入力される。
【0068】
次に、図1に示したこの発明の実施の形態1による動作について説明する。
まず、前述と同様に、直流電源11からの直流電流がフィルタコンデンサ12により平滑されてPWMインバータ1に供給され、PWMインバータ1は、直流電圧を三相交流電力に変換してリニアインダクションモータ2の一次巻線に供給する。
【0069】
これにより、リニアインダクションモータ2の一次巻線とリアクションプレート22との間の相互作用により電気車が走行する。
このとき、電流指令発生器3、すべり周波数演算器7、加算器8、座標変換器9、10、PWM信号演算器13および過電流抑制回路18からなる制御装置は、以下のようにリニアインダクションモータ2を制御する。
【0070】
まず、前述と同様に、電流指令発生器3は、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を生成し、座標変換器10は、三相モータ電流iu、iv、iwに基づいて励磁電流成分Idを生成する。
【0071】
続いて、過電流抑制回路18は、励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差を演算し、励磁電流偏差と過電流抑制用のセット値との比較結果に基づいて、最終的な励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を生成する。
【0072】
すなわち、過電流抑制回路18は、励磁電流偏差が上記セット値以上の場合には、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を、それぞれ定常状態の値の1/10(この値は、調整された任意値に設定され得る)に可変設定し、これらを電圧指令演算器5に入力する。
【0073】
また、過電流抑制回路18は、励磁電流偏差がセット値よりも小さい場合には、電流指令発生器3からの励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を、そのまま電圧指令演算器5に入力する。
【0074】
以下、前述と同様に、電圧指令演算器5は、励磁電流指令値Id*、トルク電流指令値Iq*および一次周波数指令値ω1*に基づいて、リニアインダクションモータ2に供給される電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
【0075】
また、すべり周波数演算器7は、電流指令発生器3からの励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*に基づいてすべり周波数指令値ωs*を演算し、加算器8は、すべり周波数指令値ωs*と電気車速度ωrとを加算して一次周波数指令値ω1*を生成する。
【0076】
以下、一次周波数指令値ω1*に基づいて、座標変換器9は、電圧指令値Vd*およびVq*を静止座標系の三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換し、座標変換器10は、三相モータ電流iu、iv、iwを回転座標系の励磁電流成分Idおよびトルク電流成分Iqに変換する。
【0077】
また、PWM信号演算器13は、座標変換器9からの三相出力Vu、Vv、Vwから三相PWM信号Su、Sv、Swを生成する。
これにより、PWMインバータ1は三相PWM信号Su、Sv、Swに基づいて駆動され、リニアインダクションモータ2をリアクションプレート22に関連して駆動し、電気車を走行させる。
【0078】
ここで、電気車の走行により、リアクションプレート22が有る領域からリアクションプレート22が無い領域に移動すると、前述と同様に、リニアインダクションモータ2の一次巻線で発生した磁束が二次側に鎖交しなくなるので、一次巻線が単なるインピーダンスとして働くことになり、等価回路(図7参照)において、相互インダクタンスMが減少したように見える。
【0079】
また、図7内のインダクタンス成分L2および抵抗器成分R2からなる直列回路においては、二次導体が無くなったことにより、抵抗器成分R2が大きくなって直列回路がオープンになった状態と見なすことができ、リニアインダクションモータ2の等価回路インピーダンスが減少して大電流が流れることになる。
【0080】
すなわち、リニアインダクションモータ2の等価回路で考えた場合、リニアインダクションモータ2の一次側がリアクションプレート22上からリアクションプレート22の無い場所に移動すると、相互インダクタンスMが小さくなって二次抵抗器成分R2の値が大きくなる。
【0081】
そこで、図1のように、過電流抑制回路18を挿入することにより、励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差と、過電流抑制用のセット値との比較に基づいて、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を可変設定する。
【0082】
次に、図2を参照しながら、この発明の実施の形態1による動作について説明する。
図2は図1内の過電流抑制回路18の具体的な構成例を示すブロック図である。
【0083】
図2において、23、24は互いに時定数(T2、T3)の異なる変化一次遅れ要素であり、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*の変化速度を抑制する。
【0084】
25は変化一次遅れ要素23、24を選択するための比較器、26は過電流抑制用のセット値Bを生成するセット値発生器、27は励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差Aを生成する減算器(励磁電流偏差演算手段)である。
【0085】
28は励磁電流指令値Id*に変化一次遅れ要素23の出力値を乗算する乗算器であり、乗算結果を最終的な励磁電流指令値Id*として電圧指令演算器5に入力する。
【0086】
29はトルク電流指令値Iq*に変化一次遅れ要素24の出力値を乗算する乗算器であり、乗算結果を最終的なトルク電流指令値Iq*として電圧指令演算器5に入力する。
【0087】
30は変化一次遅れ要素23に対する時定数T2を設定する時定数発生器、31は変化一次遅れ要素24に対する時定数T3を設定する時定数発生器である。各時定数発生器30、31は、電気車の速度ωrに応じて、時定数T1、T2をそれぞれ可変設定する。
【0088】
時定数T2、T3は、変化一次遅れ要素23、24を介した励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*が定常状態値の1/1または1/10に変化する速さを決定しており、それぞれ、電気車速度ωrに応じて負の一次関数で変化する。
【0089】
変化一次遅れ要素23、24、乗算器28、29、時定数発生器30および31は、比較器25に応答して動作する電流指令変更手段を構成しており、励磁電流偏差Aがセット値B以上(A≧B)を示す場合に、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を変更するとともに、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*の変更量を電気車速度ωrに応じて可変設定する。
【0090】
図2において、過電流抑制回路18内の比較器25は、励磁電流偏差Aとセット値Bとを比較し、励磁電流偏差Aがセット値Bよりも小さい場合(A<B)には、図示されるように変化一次遅れ要素23を選択して、電流指令発生器3からの励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を、そのまま電圧指令演算器5に入力する。
【0091】
また、比較器25は、励磁電流偏差Aがセット値B以上(A≧B)の場合には、変化一次遅れ要素24を選択して、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を定常状態での値の1/10に変更した後、電圧指令演算器5に入力する。
【0092】
このとき、変化一次遅れ要素24に対する時定数T3(励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を定常状態値の1/10に変化させる速さ)は、電気車の速度ωrが増大するほど低減設定されて応答性を向上させている。
【0093】
一方、変化一次遅れ要素23の時定数T2は、励磁電流偏差Aがセット値B以上の状態(A≧B)から励磁電流偏差がセット値Bより小さい状態(A<B)に切り替わったときに、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*の急変により制御が不安定なるのを防止している。
【0094】
すなわち、変化一次遅れ要素23は、リアクションプレート22が無い領域からリアクションプレート22の有る領域に移動した場合、急に元の状態に戻ることから発生するモータ電流などの急変を防ぐ効果がある。
【0095】
このように、励磁電流偏差Aがセット値B以上になった場合には、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を低減させて出力電圧指令を低減させるので、過電流を防止することができる。
【0096】
すなわち、リアクションプレート22の状態検出手段などの特別な装置を別途に設けることなく、通常のモータ制御を行うとともにPWMインバータ1を異常状態から保護するために必要なモータ電流成分(励磁電流成分Id)を用いて、リアクションプレート22が無い領域を走行した場合でも、過電流を抑制することができる。
【0097】
また、リアクションプレート22の有る領域に急復帰した場合のモータ電流などの急変を防ぐこともできる。
【0098】
また、低速領域と高速領域とを同じように変更するのではなく、励磁電流偏差Aがセット値B以上の場合での励磁電流指令Id*およびトルク電流指令Iq*の低減用時定数T3を電気車速度ωrに応じたテーブル(負の一次関数)により決定し、速度ωrに応じて出力電圧指令の変化速度および変更量を決定するので、過変更を防止するとともに所定加速度を得ることができる。
【0099】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、単一のリニアインダクションモータ2を用いたが、PWMインバータ1に対して複数のリニアインダクションモータ2を電気的に並列接続してもよい。
【0100】
図3は複数のリニアインダクションモータ2を並列接続したこの発明の実施の形態2を示すブロック図であり、2台のリニアインダクションモータ2のうちの1台がリアクションプレート22を有していない場合を示している。
【0101】
図3において、図示されない構成は、図1に示した通りである。
この場合、電力変換器制御装置は、複数のリニアインダクションモータ2を起動するための起動手段(図示せず)を備えている。
【0102】
図3のように、並列接続された複数のリニアインダクションモータ2を起動する場合においても、図1および図2に示した過電流抑制回路18を好適に適用することができる。
【0103】
すなわち、リニアインダクションモータ2の起動時において、過電流を検知しながら励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を通常時よりも低減方向に変更して起動することにより、1台以上のリニアインダクションモータ2がリアクションプレート22を有していない状態となっても、小さな推力で起動することができ、過電流が流れることはない。
【0104】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差に基づいて出力電圧指令を低減させたが、一次電流指令実効値と一次電流実効値成分との実効値偏差に基づいて出力電圧指令を低減させてもよい。
【0105】
図4は実効値偏差に基づいて出力電圧指令を低減させたこの発明の実施の形態3を示すブロック図である。
図4において、前述(図1、図7参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
【0106】
この場合、電流指令発生器3は、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*のみならず、一次電流指令実効値Im*も演算する。
【0107】
また、実効電流演算器17は、座標変換器10と過電流抑制回路18との間に挿入されており、励磁電流成分Idおよびトルク電流成分Iqに基づいて、三相モータ電流iu、iv、iwの一次電流実効値成分Imを検出する。
実効電流演算器17は、前述(図11参照)と同様に、三相モータ電流iu、iv、iwに基づいて一次電流実効値成分Imを検出してもよい。
【0108】
また、過電流抑制回路18は、一次電流指令実効値Im*と一次電流実効値成分Imとの実効値偏差に基づいて、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を可変設定する。
【0109】
図5は図4内の過電流抑制回路18の具体的な構成例を示すブロック図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
【0110】
図5において、減算器27(実効値偏差演算手段)は、一次電流指令実効値Im*と一次電流実効値成分Imとの実効値偏差Aを演算する。
また、比較器25は実効値偏差Aをセット値Bと比較し、実効値偏差Aがセット値B以上(A≧B)を示す場合に、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を変更する。
【0111】
図4および図5に示したこの発明の実施の形態3においても、前述と同等の作用効果が得ることができる。
また、並列接続された複数のリニアインダクションモータ2(図3参照)を起動する際に、1台以上のリニアインダクションモータ2がリアクションプレート22を有していない状態であっても、過電流抑制回路18を好適に適用することができる。
【0112】
すなわち、過電流を検知しながら、励磁電流指令Id*およびトルク電流指令Iq*を通常時よりも低減方向に変更することにより、1台以上がリアクションプレート22を有していない場合であっても、小さな推力で起動することができ、過電流を防止することができる。
【0113】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態1では、励磁電流指令値Id*と励磁電流成分Idとの励磁電流偏差に基づいて出力電圧指令を低減させたが、励磁電流成分Idとその一次遅れ電流成分との一次遅れ電流偏差に基づいて出力電圧指令を低減させてもよい。
【0114】
図6は一次遅れ電流偏差に基づいて出力電圧指令を低減させたこの発明の実施の形態4による過電流抑制回路18の具体的構成を示すブロック図である。
図6において、前述(図2、図5参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
【0115】
この場合、過電流抑制回路18は、前述の構成要素23〜31に加えて、遅れ時定数発生器32と、電流一次遅れ要素33とを備えている。
電流一次遅れ要素33は、励磁電流成分Idから一次遅れ電流成分を生成し、遅れ時定数発生器32は、励磁電流成分Idの一次遅れ量を決定するための遅れ時定数T1を生成する。
【0116】
また、遅れ時定数発生器32は、時定数発生器30および31と同様に、電気車の速度ωrに応じた関数テーブル(負の一次関数)を参照して、遅れ時定数T1を可変設定する。
【0117】
減算器27(一次遅れ電流偏差演算手段)は、励磁電流成分Idと一次遅れ電流成分との一次遅れ電流偏差Aを演算し、比較器25は、一次遅れ電流偏差Aを過電流抑制用のセット値Bと比較する。
【0118】
したがって、比較器25は、一次遅れ電流偏差Aがセット値B以上を示す場合に、励磁電流成分Id(現在値)が一次遅れ電流成分(前回値)よりも増加中の過電流発生状態であることを判定し、励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を低減方向に変更する。
【0119】
このように、電流一次遅れ要素33を設けることにより、過電流発生の検出を励磁電流成分Idのみで行うことができる。
すなわち、リアクションプレート22が無くなったときに流れる電流は、ほとんど励磁電流なので、励磁電流成分Idの変化を観測するのみで過電流を検出することができる。
【0120】
また、励磁電流成分Idと電流一次遅れ要素33を通した電流成分との一次遅れ電流偏差Aをセット値Bと比較し、一次遅れ電流偏差Aがセット値B以上の場合に、励磁電流指令Id*およびトルク電流指令Iq*を変更するので、前述と同様の作用効果を奏することができる。
【0121】
また、前述と同様に、並列接続された複数のリニアインダクションモータ2(図3参照)を起動する場合に、1台以上のリニアインダクションモータ2がリアクションプレート22を有していない状態となっても、図6に示す過電流抑制回路18を好適に適用することにより、過電流を抑制しながら励磁電流指令Id*およびトルク電流指令Iq*を変更することができる。
【0122】
すなわち、並列リニアインダクションモータ2のうちの1台以上がリアクションプレートを有していない場合でも小さな推力で起動でき、過電流状態となることはない。
【0123】
このとき、電流一次遅れ要素33の演算で用いられる遅れ時定数T1は、かなり小さい値に設定する必要がある。
【0124】
なお、図6の過電流抑制回路18は、前述(図2、図5参照)の場合と比べて電流一次遅れ要素33(調整要素)が追加されているが、特に調整動作が多くなることはない。
【0125】
なぜなら、リニアインダクションモータ2の実モータ定数と制御モータ定数との違いなどに起因して定常状態で励磁電流偏差が発生した場合に、前述(図2、図5参照)の過電流抑制回路18では、励磁電流偏差に応答して励磁電流指令値Id*およびトルク電流指令値Iq*を変更する可能性があるが、図6の過電流抑制回路18は、励磁電流偏差とは無関係であり、リアクションプレート22が無い場合のみに調整動作を実行するからである。
【0126】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、地上側に配設されてリニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、可変電圧および可変周波数の交流電力をリニアインダクションモータに供給する電力変換器と、電力変換器を制御する電力変換器制御回路とを備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、電力変換器制御回路は、リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値およびトルク電流指令値を生成する電流指令発生手段と、励磁電流指令値およびトルク電流指令値からリニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、リニアインダクションモータの一次電流から励磁電流成分を検出する電流成分検出手段と、電流指令発生手段と電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、過電流抑制回路は、励磁電流指令値と励磁電流成分との励磁電流偏差を演算する励磁電流偏差演算手段と、励磁電流偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、励磁電流偏差がセット値以上の場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段とを含むので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0127】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、電流指令変更手段は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0128】
また、この発明の請求項3によれば、請求項2において、変化一次遅れ要素は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、時定数発生器は、電気車の速度に応じて時定数を可変設定するようにしたので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0129】
また、この発明の請求項4によれば、請求項3において、時定数発生器は、電気車の速度の上昇に応じて時定数を低減設定する関数テーブルを有するので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0130】
また、この発明の請求項5によれば、請求項1から請求項4までのいずれかにおいて、リニアインダクションモータは、電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、過電流抑制回路は、複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が二次導体を有していない状態にある場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動するので、起動時にも過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0131】
また、この発明の請求項6によれば、電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、地上側に配設されてリニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、可変電圧および可変周波数の交流電力をリニアインダクションモータに供給する電力変換器と、電力変換器を制御する電力変換器制御回路とを備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、電力変換器制御回路は、リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値、トルク電流指令値および一次電流指令実効値を生成する電流指令発生手段と、励磁電流指令値およびトルク電流指令値からリニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、リニアインダクションモータの一次電流から一次電流実効値成分を検出する実効値成分検出手段と、電流指令発生手段と電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、過電流抑制回路は、一次電流指令実効値と一次電流実効値成分との実効値偏差を演算する実効値偏差演算手段と、実効値偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、実効値偏差がセット値以上の場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段とを含むので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0132】
また、この発明の請求項7によれば、請求項6において、電流指令変更手段は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0133】
また、この発明の請求項8によれば、請求項7において、変化一次遅れ要素は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、時定数発生器は、電気車の速度に応じて時定数を可変設定するようにしたので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0134】
また、この発明の請求項9によれば、請求項8において、時定数発生器は、電気車の速度の上昇に応じて時定数を低減設定する関数テーブルを有するので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0135】
また、この発明の請求項10によれば、請求項6から請求項9までのいずれかにおいて、リニアインダクションモータは、電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、過電流抑制回路は、複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が二次導体を有していない状態にある場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動するので、起動時にも過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0136】
また、この発明の請求項11によれば、電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、地上側に配設されてリニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、可変電圧および可変周波数の交流電力をリニアインダクションモータに供給する電力変換器と、電力変換器を制御する電力変換器制御回路とを備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、電力変換器制御回路は、リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値およびトルク電流指令値を生成する電流指令発生手段と、励磁電流指令値およびトルク電流指令値からリニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、リニアインダクションモータの一次電流から励磁電流成分を検出する電流成分検出手段と、電流指令発生手段と電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、過電流抑制回路は、励磁電流成分から一次遅れ電流成分を生成する電流一次遅れ要素と、励磁電流成分と一次遅れ電流成分との一次遅れ電流偏差を演算する一次遅れ電流偏差演算手段と、一次遅れ電流偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、一次遅れ電流偏差がセット値以上の場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段とを含むので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0137】
また、この発明の請求項12によれば、請求項11において、電流一次遅れ要素は、励磁電流成分の一次遅れ量を決定するための遅れ時定数を生成する遅れ時定数発生器を有し、遅れ時定数発生器は、電気車の速度に応じて遅れ時定数を可変設定するようにしたので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0138】
また、この発明の請求項13によれば、請求項11または請求項12において、電流指令変更手段は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0139】
また、この発明の請求項14によれば、請求項13において、変化一次遅れ要素は、励磁電流指令値およびトルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、時定数発生器は、電気車の速度に応じて時定数を可変設定するようにしたので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0140】
また、この発明の請求項15によれば、請求項14において、時定数発生器は、電気車の速度の上昇に応じて時定数を低減設定する関数テーブルを有するので、二次導体として機能するリアクションプレートの有無によらず過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【0141】
また、この発明の請求項16によれば、請求項11から請求項15までのいずれかにおいて、リニアインダクションモータは、電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、過電流抑制回路は、複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が二次導体を有していない状態にある場合に、励磁電流指令値およびトルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動するので、起動時にも過電流の発生を抑制したリニアインダクションモータ電気車の制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による過電流抑制回路の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による並列リニアインダクションモータを示す特性図である。
【図4】 この発明の実施の形態3を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による過電流抑制回路の具体的構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による過電流抑制回路の具体的構成を示すブロック図である。
【図7】 一般的なリニアインダクションモータの等価回路を示すブロック図である。
【図8】 従来のリニアインダクションモータ電気車の制御装置を示すブロック図である。
【図9】 図8内の電圧指令補正器の具体的構成を示すブロック図である。
【図10】 図8内の電圧指令演算器の具体的構成を示すブロック図である。
【図11】 従来のリニアインダクションモータ電気車の制御装置の他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 PWMインバータ(電力変換器)、2 リニアインダクションモータ、22 リアクションプレート(二次導体)、3 電流指令発生器、5 電圧指令演算器、7 すべり周波数演算器、10 座標変換器(電流成分検出手段、)、11 直流電源、13 PWM信号演算器、14u、14v、14w 電流検出器、16 速度検出器、17 実効電流演算器(実効値成分検出手段)、18 過電流抑制回路、23、24 変化一次遅れ要素、25 比較器、27 減算器(励磁電流偏差演算手段、実効値偏差演算手段、一次遅れ電流偏差演算手段)、30、31 時定数発生器、32 遅れ時定数発生器、33 電流一次遅れ要素、A 励磁電流偏差(実効値偏差、一次遅れ電流偏差)、B セット値、iu、iv、iw 三相モータ電流(一次電流)、Id* 励磁電流指令値、Iq* トルク電流指令値、Im* 一次電流指令実効値、Id 励磁電流成分、Im 一次電流実効値成分、T1 遅れ時定数、T2、T3 時定数、Vd*、Vq*電圧指令値、ωr 電気車速度。
Claims (16)
- 電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、
地上側に配設されて前記リニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、
可変電圧および可変周波数の交流電力を前記リニアインダクションモータに供給する電力変換器と、
前記電力変換器を制御する電力変換器制御回路と
を備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、
前記電力変換器制御回路は、
前記リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値およびトルク電流指令値を生成する電流指令発生手段と、
前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値から前記リニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、
前記リニアインダクションモータの一次電流から励磁電流成分を検出する電流成分検出手段と、
前記電流指令発生手段と前記電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、
前記過電流抑制回路は、
前記励磁電流指令値と前記励磁電流成分との励磁電流偏差を演算する励磁電流偏差演算手段と、
前記励磁電流偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、
前記励磁電流偏差が前記セット値以上の場合に、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段と
を含むことを特徴とするリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 前記電流指令変更手段は、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。
- 前記変化一次遅れ要素は、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、
前記時定数発生器は、前記電気車の速度に応じて前記時定数を可変設定することを特徴とする請求項2に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 前記時定数発生器は、前記電気車の速度の上昇に応じて前記時定数を低減設定する関数テーブルを有することを特徴とする請求項3に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。
- 前記リニアインダクションモータは、前記電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、
前記過電流抑制回路は、前記複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が前記二次導体を有していない状態にある場合に、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、
地上側に配設されて前記リニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、
可変電圧および可変周波数の交流電力を前記リニアインダクションモータに供給する電力変換器と、
前記電力変換器を制御する電力変換器制御回路と
を備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、
前記電力変換器制御回路は、
前記リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値、トルク電流指令値および一次電流指令実効値を生成する電流指令発生手段と、
前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値から前記リニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、
前記リニアインダクションモータの一次電流から一次電流実効値成分を検出する実効値成分検出手段と、
前記電流指令発生手段と前記電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、
前記過電流抑制回路は、
前記一次電流指令実効値と前記一次電流実効値成分との実効値偏差を演算する実効値偏差演算手段と、
前記実効値偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、
前記実効値偏差が前記セット値以上の場合に、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段と
を含むことを特徴とするリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 前記電流指令変更手段は、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。
- 前記変化一次遅れ要素は、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、
前記時定数発生器は、前記電気車の速度に応じて前記時定数を可変設定することを特徴とする請求項7に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 前記時定数発生器は、前記電気車の速度の上昇に応じて前記時定数を低減設定する関数テーブルを有することを特徴とする請求項8に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。
- 前記リニアインダクションモータは、前記電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、
前記過電流抑制回路は、前記複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が前記二次導体を有していない状態にある場合に、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動することを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 電気車に搭載された一次巻線を有するリニアインダクションモータと、
地上側に配設されて前記リニアインダクションモータの二次導体を構成するリアクションプレートと、
可変電圧および可変周波数の交流電力を前記リニアインダクションモータに供給する電力変換器と、
前記電力変換器を制御する電力変換器制御回路と
を備えたリニアインダクションモータ電気車の制御装置において、
前記電力変換器制御回路は、
前記リニアインダクションモータに与える励磁電流指令値およびトルク電流指令値を生成する電流指令発生手段と、
前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値から前記リニアインダクションモータに与える電圧指令値を演算する電圧指令演算手段と、
前記リニアインダクションモータの一次電流から励磁電流成分を検出する電流成分検出手段と、
前記電流指令発生手段と前記電圧指令演算手段との間に挿入された過電流抑制回路とを含み、
前記過電流抑制回路は、
前記励磁電流成分から一次遅れ電流成分を生成する電流一次遅れ要素と、
前記励磁電流成分と前記一次遅れ電流成分との一次遅れ電流偏差を演算する一次遅れ電流偏差演算手段と、
前記一次遅れ電流偏差を過電流抑制用のセット値と比較する比較手段と、
前記一次遅れ電流偏差が前記セット値以上の場合に、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値を低減方向に変更する電流指令変更手段と
を含むことを特徴とするリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 前記電流一次遅れ要素は、前記励磁電流成分の一次遅れ量を決定するための遅れ時定数を生成する遅れ時定数発生器を有し、
前記遅れ時定数発生器は、前記電気車の速度に応じて前記遅れ時定数を可変設定することを特徴とする請求項11に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 前記電流指令変更手段は、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値の変化速度を抑制するための変化一次遅れ要素をさらに含むことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。
- 前記変化一次遅れ要素は、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値の変化速度を抑制するための時定数を生成する時定数発生器を有し、
前記時定数発生器は、前記電気車の速度に応じて前記時定数を可変設定することを特徴とする請求項13に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。 - 前記時定数発生器は、前記電気車の速度の上昇に応じて前記時定数を低減設定する関数テーブルを有することを特徴とする請求項14に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。
- 前記リニアインダクションモータは、前記電力変換器に電気的に並列接続された複数のリニアインダクションモータからなり、
前記過電流抑制回路は、前記複数のリニアインダクションモータのうちの少なくとも1台が前記二次導体を有していない状態にある場合に、前記励磁電流指令値および前記トルク電流指令値を通常値よりも低減させて起動することを特徴とする請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載のリニアインダクションモータ電気車の制御装置。
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