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JP3408961B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP3408961B2
JP3408961B2 JP32449797A JP32449797A JP3408961B2 JP 3408961 B2 JP3408961 B2 JP 3408961B2 JP 32449797 A JP32449797 A JP 32449797A JP 32449797 A JP32449797 A JP 32449797A JP 3408961 B2 JP3408961 B2 JP 3408961B2
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友孝 木村
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば直流電圧
を交流電圧に変換するインバータのような電力変換装置
に係り、特にその制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は、例えば特公平7−44841
号公報に示された従来の電力変換装置の構成を示すブロ
ック図である。図において、1は電力変換器としてのイ
ンバータ、2はインバータ1の直流入力である直流電圧
のバッテリー、3および4はインバータ1からの矩
形波状出力電圧を正弦波状電圧にする交流フィルタを構
成するリアクトルおよびコンデンサ、5は負荷である。
【0003】6はインバータ1の出力電流Iを検出す
る電流検出器、7はインバータ1の出力電圧Vを検出
する電圧検出器、8は電流指令値Irefと出力電流I
および出力電圧Vとに基づき電圧指令値Vを生成す
る電流制御回路、9は電流制御回路8からの電圧指令値
Vに基づきパルス幅変調(PWM)によりインバータ1
へのスイッチング指令信号Pを生成するパルス幅変調回
路である。
【0004】図16はパルス幅変調回路9の内部構成を
示すブロック図である。図において、10は例えば三角
波状の搬送波Cを生成する搬送波発生回路、11は電流
制御回路8からの電圧指令値Vと搬送波発生回路10か
らの搬送波Cとを比較してスイッチング指令信号Pを出
力する比較回路である。
【0005】次に、この従来例の動作について説明す
る。電流検出器6で検出されたインバータ1の出力電流
と電圧検出器7で検出されたインバータ1の出力電
圧Vおよびインバータ出力電流指令値Irefを電流
制御回路8へ入力し、この電流制御回路8によりインバ
ータ1の出力電圧指令値Vを生成する。この電圧指令値
Vをパルス幅変調回路9に入力し、この電圧指令値Vと
搬送波発生回路10が出力する搬送波Cとを比較回路1
1で比較することにより、インバータ1のスイッチング
指令信号Pが生成される。そして、このスイッチング指
令信号Pに基づき、インバータ1が動作し、リアクトル
3とコンデンサ4とからなる交流フィルタを介して正弦
波状の交流出力電圧Vが得られる。
【0006】例えば、電流指令値Irefが上昇すると
出力電流Iとの偏差から電圧指令値Vが上昇傾向とな
り、搬送波Cとの比較結果から求められるスイッチング
指令信号Pによる、インバータ1のスイッチング素子の
通電パルス幅が増大して出力電圧Vが増大する方向に
動作し、出力電流Iを上昇させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の電力変換装置は
以上のように構成されており、通常の正常な動作状態で
は、電圧指令値Vの波高値は搬送波Cの波高値以下の範
囲で変化するように設定されており、電圧指令値Vの変
化に応じたパルス幅変調動作が可能となっている。しか
るに、負荷5の急峻で大幅な変動など異常現象が発生
し、これが原因で電圧指令値Vが異常に増大して短時間
でも搬送波Cの波高値を越えると、以下のような問題点
が生じる。
【0008】即ち、たとえ電圧指令値Vが搬送波Cの波
高値を越えても、インバータ1は当該電圧指令値Vに応
じた電圧を出力する能力を有していないため、その能力
の範囲内で上記電圧指令値Vから外れた値の電圧を出力
せざるを得なくなる。この場合、インバータ1の出力電
圧が電圧指令値Vからどのようにずれるかは、上述した
現象が例えば、3相のどの相で生じた異常状態がその要
因となっているか等に影響するものと考えられ、個々の
ケースで異なる現象となる。従って、一般には、上述し
た異常状態では、インバータ1の出力電圧と電圧指令値
Vとの間に位相差も発生し、その後、たとえ、電圧指令
値Vが搬送波Cの大きさの範囲内の値に回復しても、制
御動作が不安定になる現象が避けられないという問題点
があった。
【0009】この発明は、上述したような問題点を解決
するためになされたもので、出力電圧が常に電圧指令値
に追随可能となり安定した制御特性が得られる電力変換
装置を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る電力変換
装置は、電流指令値と電力変換器の出力値との偏差入力
に基づき上記電力変換器の電圧指令値を生成する電流制
御回路、および上記電圧指令値に基づいてパルス幅変調
により上記電力変換器へのスイッチング指令信号を生成
するパルス幅変調回路を備えた電力変換装置において、
上記電流制御回路とパルス幅変調回路との間に挿入さ
れ、上記電流制御回路からの電圧指令値の値に応じて所
定の制限処理を施し上記パルス幅変調回路へ送出する電
圧指令値制限手段と、該電圧指令値制限手段により、電
流制御回路からパルス幅変調回路へ送出する電圧指令値
を制限処理したとき、上記電流制御回路における偏差入
力の積分値を上記制限処理された電圧指令値に基づき再
演算させる積分値再演算手段とを備えたものである。
【0011】また、請求項に係る電力変換装置は、請
求項において、その電力変換器の入力電圧を変動制御
する場合、電圧指令値の制限処理を行う基準として設定
する制限値を、上記入力電圧に応じて変動させるように
したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1はこの発明の実施の形態1における電力変換装置の
構成を示すブロック図である。図において、1は例えば
トランジスタ等のスイッチング素子をブリッジ結線して
なる電力変換器としてのインバータ、2は中性点に対し
て±Vの直流出力電圧を有するバッテリー、3および
4はインバータ1からの矩形波状出力電圧を正弦波状電
圧に整形する交流フィルタを構成するリアクトル(出力
インダクタンスL)およびコンデンサ、5は負荷であ
る。
【0013】6はインバータ1の3相出力電流IAU
AV、IAWを検出する電流検出器、7はインバータ
1の3相出力電圧VCU、VCV、VCWを検出する電
圧検出器、8は電流指令値と出力電流および出力電圧と
に基づき電圧指令値を生成する電流制御回路で、d軸、
q軸の2相成分で制御を行う。このため、インバータ1
の3相の出力電流IAU、IAV、IAWを2相の電流
d、Iqに変換する3相2相変換回路12、インバ
ータ1の3相の出力電圧VCU、VCV、VCWを2相
の電圧Vd、Vqに変換する3相2相変換回路13を
備えている。
【0014】Idref、Iqrefは電流指令値のd軸、
q軸成分である。14は電流制御回路8からの2相の電
圧指令値Vd、Vqを3相の電圧指令値V、V、V
に変換する2相3相変換回路、9は電圧指令値に基づき
パルス幅変調(PWM)によりインバータ1へのスイッ
チング指令信号Pを生成するパルス幅変調回路である。
そして、15は2相3相変換回路14とパルス幅変調回
路9との間に挿入され、電流制御回路8で生成された2
相3相変換回路14からの電圧指令値V、V、V
に所定の制限処理を施してパルス幅変調回路9に送出す
る電圧指令値制限処理回路で、その機能、動作の詳細は
後述する。
【0015】図2は電流制御回路8の内部構成例を示
し、d、q軸上で積分比例制御(IP制御)を行うもの
で、例えば、特公平7−46917号公報に紹介されて
おり、その動作の概要は以下の通りである。即ち、電流
指令値Idref、Iqrefと出力電流値Id、Iqと
の偏差を計数(K)倍して積分(1/s)した値に出
力電流値Id、Iqを計数(K)倍した値、ωL
(Lは出力インダクタンス)を演算したd、q軸の非
干渉成分項、および出力電圧Vd、Vqのフィードフ
ォワード項を足し合わせて電圧指令値Vd、Vqを生成出
力する。
【0016】図3は電圧指令値制限処理回路15の動作
を説明するプログラム・フローチャートで、このプログ
ラムは定サンプリングのディジタル制御プログラムであ
る。
【0017】次に、図1の動作について説明する。電流
検出器6で検出されたインバータ1の出力電流IAU
AV、IAWを3相2相変換回路12で変換して得ら
れた電流Id、Iq、電圧検出器7で検出されたイン
バータ1の出力電圧VCU、VCV、VCWを3相2相
変換回路13で変換して得られた電圧Vd、Vq、お
よびインバータ出力電流指令値Idref、Iqrefを電
流制御回路8へ入力し、この電流制御回路8にてインバ
ータ1の出力電圧指令Vd、Vqを生成する。この出力電
圧指令値Vd、Vqを2相3相変換回路14で3相電圧指
令値V、V、Vに変換し、この電圧V、V
を電圧指令値制限処理回路15に入力する。
【0018】電圧指令値制限処理回路15では、後述す
る図3に示すプログラム・フローチャートに基づき電圧
指令値V、V、Vをパルス幅変調回路9の搬送波
Cの波高値以下の範囲内になるよう制限処理を行う。電
圧指令値制限処理回路15で制限処理された電圧指令値
をパルス幅変調回路9に入力し、インバータ1のスイッ
チング指令信号Pが生成され、このスイッチング指令信
号Pに基づきインバータ1が動作する。以下に、図3に
示すプログラム・フローチャートの各STEPの処理内
容について説明する。
【0019】図3において、先ず、STEP10で、電
圧指令値V、V、V各々の絶対値Vabs=|V
|、Vabs=|V|、Vabs=|V|を演算す
る。次に、STEP11で、STEP10で求めた絶対
値Vabs、Vabs、Vabsの中の最大値Vmax=max
(Vabs、Vabs、Vabs)を求める。
【0020】次に、STEP12で、STEP11で求
めた最大値Vmaxが搬送波Cの波高値に応じて設定され
た制限値Vlimitを超えるかどうかを判断する。ここ
で、制限値Vlimitは搬送波Cの波高値の0.95〜
1.0倍程度に設定する。
【0021】STEP12で、最大値Vmaxが制限値Vl
imitを超えた場合(STEP12でY)はSTEP13
に進み、下式に基づき電圧指令値V、V、Vを制
限する。
【0022】 V=V・(Vlimit/Vmax) V=V・(Vlimit/Vmax) V=V・(Vlimit/Vmax)
【0023】なお、最大値Vmaxが制限値Vlimitを超え
ない場合(STEP12でN)は電圧指令値V
、Vはそのままで制限処理は行わない(ステップ
14)。
【0024】以上のように、たとえ電流制御回路8で生
成された電圧指令値が制限値を越えても、その電圧指令
値を搬送波の波高値以内に制限処理してパルス幅変調回
路9に送出するようにしたので、パルス幅変調回路9内
では、インバータ1の出力電圧を電圧指令値に一致させ
る制御が可能となり、電圧指令値と出力電圧との位相差
も解消され安定した制御動作が得られる。また、電圧指
令値の制限処理において、3相各相に対して同一の係数
を乗算する方式を採用しているので、制限処理自体が電
圧指令値の相間アンバランスを引き起こすことがない。
【0025】実施の形態2. 図4は、この発明の実施の形態2における電圧指令値制
限処理回路15の動作を説明するプログラム・フローチ
ャートである。先の実施の形態1の図3のものに比較し
て、演算処理の簡便化を図ったものである。図4におい
て、先ず、STEP20で電圧指令値Vを、搬送波C
の+側波高値および−側波高値に対応して設定された制
限値±Vlimit以内の値となるよう制限処理を行う。具
体的には、例えば電圧指令値Vの瞬時値が+Vlimit
の値を超えると、これを制限値+Vlimitの値に制限す
る。全く同様の制限処理を、電圧指令値VおよびV
に対しても行う(ステップ21、22)。
【0026】この場合、図3で示したものと比較して演
算処理内容が大幅に簡便となり、演算処理時間も短縮さ
れる利点がある。但し、各相個別に必要な制限処理を行
うので、相間のアンバランスが生じ得ることになる。
【0027】実施の形態3. 上記実施の形態ではインバータ1の入力電圧である、バ
ッテリー2の直流電圧を変動させなかったが、図5は充
電/放電調節器16を追加してバッテリー2の直流電圧
を変動させるものである。これは、バッテリー2の直流
電圧を変動させることで、インバータ1の出力制御能力
を補完してその制御出力範囲の拡大を図るためである。
出力範囲が広がる結果、電圧指令値の制限値もそれに応
じて変化させる必要がある。
【0028】このため、直流電圧とりこみ部17を設け
て図6で示すプログラム・フローチャートの処理を行
う。即ち、図6において、STEP30で直流電圧とり
こみ部17によりバッテリー2の直流電圧Vを読み込
む。そして、STEP31で、STEP30で読み込ん
だバッテリー2の直流電圧Vに基づき、電圧指令値の
制限値Vlimitを演算する。ここでは、制限値Vlimit=
直流電圧Vとして、制限値Vlimitを直流電圧V
そのまま追随させている。
【0029】以上のように、この実施の形態3において
は、電圧指令値を制限処理する基準である制限値Vlimi
tの値を、変動制御するバッテリー2の直流電圧V
応じて変動させるようにしたので、上記直流電圧V
変動によりインバータ1の出力範囲が変化しても、先に
説明した、直流電圧Vを変動制御しない場合と同様、
インバータ1の出力電圧を電圧指令値に一致させる制御
が可能となり、安定した制御動作が得られる。
【0030】実施の形態4. 以上の各実施の形態においては、電流制御回路8とパル
ス幅変調回路9との間の特に3相成分に変換された電圧
指令値V、V、Vに対して、制限処理を行う構成
としたが、この実施の形態4は、電流制御回路8から出
力された2相成分の電圧指令値Vd、Vqに対して制限処
理を行うものである。
【0031】図7はこの発明の実施の形態4における電
力変換装置の構成を示すブロック図である。図におい
て、18は電流制御回路8と2相3相変換回路14との
間に挿入された電圧指令値制限処理回路である。図8は
電圧指令値制限処理回路18の動作を説明するプログラ
ム・フローチャートである。このプログラムも定サンプ
リングのディジタル制御プログラムである。
【0032】図9は3相インバータにおけるd、q軸電
圧ベクトルを示す図である。即ち、一般に、3相インバ
ータは、その各スイッチング素子のオンオフモードによ
り、図に示す正六角形の範囲内の電圧ベクトルをとり得
る。ここで、正六角形の一辺は、図7に示すバッテリー
2の直流電圧Vの2・√2/√3倍となる。図9のV
は上記正六角形の内接円の半径に相当する。電圧指令
値制限処理回路18は、d、q軸の電圧指令値Vd、Vq
の合成ベクトルをV(V=√2・V)以内に制限
するもので、以下、その動作を図8のフローチャートに
より説明する。
【0033】先ず、STEP40で電圧指令値Vd、Vq
の平方自乗和=√(Vd+Vq)を演算する。次に、
STEP41で、平方自乗和√(Vd+Vq)が制限
値Vを超えた場合(STEP41でY)は、STEP
42に進み、下式に基づき電圧指令値Vd、Vqを制限す
る。
【0034】 Vd=Vd・(V/√(Vd+Vq)) Vq=Vq・(V/√(Vd+Vq))
【0035】なお、平方自乗和√(Vd+Vq)が制
限値Vを超えない場合(STEP41でN)は、電圧
指令値Vd、Vqはそのままで制限処理は行わない(ST
EP43)。
【0036】以上のように、電圧指令値制限処理回路1
8はその制限処理をd、q軸の2相で行うので、先の
U、V、W3相で行う電圧指令値制限処理回路15と比
較してその構成が簡便化するとともに演算処理も簡便迅
速となる利点がある。
【0037】実施の形態5. 図10は、この発明の実施の形態5における電圧指令値
制限処理回路18の動作を説明するプログラム・フロー
チャートである。先の実施の形態4の図8のものに比較
して、演算処理の簡便化を図ったものである。図11
は、ここで採用する制限値VdlimおよびVqlimを説明す
る図である。即ち、ここでは、先の図9で説明した正六
角形に内接する正方形の範囲内に制限処理を行う。但
し、制限値は下式で表される。
【0038】 Vdlim=Vqlim=2・(√2/(1+√3))・V
【0039】次に図10により電圧指令値制限処理回路
18の制限処理の動作について説明する。図10におい
て、先ず、STEP50で電圧指令値Vdを制限値±Vd
lim以内の値となるよう制限処理を行う。次に、STE
P51で電圧指令値Vqを制限値±Vqlim以内の値とな
るよう制限処理を行う。
【0040】この場合、図8で示したものと比較して演
算処理内容が大幅に簡便となり、演算処理時間も短縮さ
れる利点がある。但し、各軸個別に必要な制限処理を行
うので、制限の処理量がd、q軸で異なり得ることにな
る。
【0041】実施の形態6. 図12はこの発明の実施の形態6における電力変換装置
の構成を示すブロック図である。先の実施の形態4にお
ける図7の回路との違いは、電圧指令値制限処理回路1
8で電圧指令値Vd、Vqの制限処理を行った場合、それ
を電流制御回路にフィードバックし、制限処理に基づく
電流制御の動作の応答性を改善するようにした点であ
る。即ち、先の図7の回路においては、電圧指令値V
d、Vqが制限値を越えて電圧指令値制限処理回路18に
より制限処理が行われても、電流制御回路8内ではその
積分要素の影響でその出力である電圧指令値Vd、Vqが
更に上昇し、制限処理動作が無駄に継続する可能性があ
る。図12の電流制御回路19はこの点の不具合を解消
するものである。
【0042】図13はこの電流制御回路19の内部構成
を示すブロック図である。図において、先の図2と大き
く異なるのは、その積分比例制御部20の部分であり、
以下、この部分を中心に説明する。21は乗数Kの計
数器、22は加算器、23は電圧指令値制限処理回路1
8から制限処理の有無の信号を受けて、制限処理が無け
ればその接点oと接点aとを接続し、制限処理が有れば
その接点oと接点bとを接続する選択回路、24は1サ
ンプリング無駄時間要素、25は乗数V/√(Vd
+Vq)の計数器である。
【0043】図14は電圧指令値制限処理回路18の制
限処理有無のフィードバックに着目した電流制御回路1
9の動作を説明するためのプログラム・フローチャート
で、このプログラムも定サンプリングのディジタル制御
プログラムである。以下、図13と合わせて説明する。
【0044】本来の動作では、電圧指令値制限処理回路
18は制限処理を行っていないので、先ず、ここでは選
択回路23は接点aを選択しているものとする。この場
合、計数器21からの出力が1サンプリング前の出力と
加算されて出力されることになり、積分演算が実行され
る。即ち、図14のSTEP60では次式に示す計算に
より出力電流の積分制御が行われる。 Idintg=(Idref−Id)・K+Idintg Iqintg=(Iqref−Iq)・K+Iqintg ここで、Kは積分ゲインである。
【0045】次に、STEP61では、次式に示す計算
を行う。 Vdtmp=Vd−K・Id−ω・L・Iq Vqtmp=Vq−K・Iq+ω・L・Id ここで、Kは比例ゲイン、ω・L・Iq、ω・L
・Idはd、q軸の非干渉成分項である。
【0046】STEP62で、次式により電圧指令値を
求める。 Vd=Idintg+Vdtmp Vq=Iqintg+Vqtmp 従って、以上までの動作は、先の図2の回路の場合と同
様である。
【0047】次に、STEP63で電圧指令値Vd、Vq
に対する制限処理を行う。その内容は、先に説明した図
8のフローチャートと同様である。ここで、制限処理が
無ければ(STEP64でN)、電流制御回路19へは何
らフィードバックすることなく、得られた電圧指令値V
d、Vqを2相3相変換回路14で3相電圧指令値V
、Vに変換してパルス幅変調回路9へ送出し、こ
こで生成されたスイッチング指令信号Pによりインバー
タ1が制御される。
【0048】電圧指令値制限処理回路18で制限処理が
なされると(STEP64でY)、STEP65に進
み、積分制御の積分値再計算を行う。図13の回路で
は、選択回路23が接点aから接点bに切り換わる結
果、積分値が下式の値に置き換えられることになる。 Idintg=Vd・(V/√(Vd+Vq))−Vdtmp Iqintg=Vq・(V/√(Vd+Vq))−Vqtmp
【0049】以上のフィードバック動作により、電流制
御回路における積分量の行き過ぎが防止され、電圧指令
値と出力電圧とを一致させる制御動作がより一層確実に
なされる。なお、図12〜14の例は、d、q軸の電圧
指令値Vd、Vqに対して制限処理を行う場合であるが、
図1等で説明した3相電圧指令値V、V、Vに対
して制限処理を行う場合についても、図12〜14の場
合と同様の考え方により、その制限処理の有無を電流制
御回路へフィードバックして同様の効果を得ることがで
きることは言うまでもない。
【0050】なお、以上の各形態例では、電流制御回路
はd、q軸の2相制御方式のものとしたが、これに限ら
れるものではなく、3相方式等他の制御方式を採用して
もよい。また、電力変換器は3相インバータとして説明
したが、必ずしもこれに限られるものではなく、この発
明は単相インバータやその他の電力変換器にも適用する
ことができ同等の効果を奏する。
【0051】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る電力変換
装置は、電流指令値と電力変換器の出力値との偏差入力
に基づき上記電力変換器の電圧指令値を生成する電流制
御回路、および上記電圧指令値に基づいてパルス幅変調
により上記電力変換器へのスイッチング指令信号を生成
するパルス幅変調回路を備えた電力変換装置において、
上記電流制御回路とパルス幅変調回路との間に挿入さ
れ、上記電流制御回路からの電圧指令値の値に応じて所
定の制限処理を施し上記パルス幅変調回路へ送出する電
圧指令値制限手段を備えたので、出力電圧が常に電圧指
令値に追随可能となり安定した制御特性が得られる。
た、その電圧指令値制限手段により、電流制御回路から
パルス幅変調回路へ送出する電圧指令値を制限処理した
とき、上記電流制御回路における偏差入力の積分値を、
上記制限処理された電圧指令値に基づき再演算するよう
にしたので、フィードバック動作により、電流制御回路
における積分量の行き過ぎが防止され、電圧指令値と出
力電圧とを一致させる制御動作がより一層確実になされ
る。
【0052】また、請求項に係る電力変換装置は、そ
の電力変換器の入力電圧を変動制御する場合、電圧指令
値の制限処理を行う基準として設定する制限値を、上記
入力電圧に応じて変動させるようにしたので、上記入力
電圧の変動により電力変換器の出力範囲が変化しても、
常に、その出力電圧を電圧指令値に一致させる制御が可
能となり、安定した制御動作が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における電力変換装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の電流制御回路8の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図3】 図1の電圧指令値制限処理回路15の動作を
説明するためのプログラム・フローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態2における電圧指令値
制限処理回路15の動作を説明するためのプログラム・
フローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3における電力変換装
置の構成を示すブロック図である。
【図6】 図5の直流電圧とりこみ部17の動作を説明
するためのプログラム・フローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態4における電力変換装
置の構成を示すブロック図である。
【図8】 図7の電圧指令値制限処理回路18の動作を
説明するためのプログラム・フローチャートである。
【図9】 図7の電圧指令値制限処理回路18における
電圧指令値の制限値を説明するための図である。
【図10】 この発明の実施の形態5における電圧指令
値制限処理回路18の動作を説明するためのプログラム
・フローチャートである。
【図11】 図10における電圧指令値の制限値を説明
するための図である。
【図12】 この発明の実施の形態6における電力変換
装置の構成を示すブロック図である。
【図13】 図12の電流制御回路19の内部構成を示
すブロック図である。
【図14】 図12の電流制御回路19の動作を説明す
るためのプログラム・フローチャートである。
【図15】 従来の電力変換装置の構成を示すブロック
図である。
【図16】 図15のパルス幅変調回路9の内部構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 インバータ、2 バッテリー、6 電流検出器、7
電圧検出器、8,19 電流制御回路、9 パルス幅
変調回路、10 搬送波発生回路、11 比較回路、1
2,13 3相2相変換回路、14 2相3相変換回
路、15,18 電圧指令値制限処理回路、16 充電
/放電調節器、17 直流電圧とりこみ部、20 積分
比例制御部、23 選択回路、Idref,Iqref 電
流指令値、IAU,IAV,IAW,Id,Iq 出
力電流、VCU,VCV,VCW,Vd,Vq 出力
電圧、V,V,V,Vd,Vq 電圧指令値、P
スイッチング指令信号、C 搬送波。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流指令値と電力変換器の出力値との偏
    差入力に基づき上記電力変換器の電圧指令値を生成する
    電流制御回路、および上記電圧指令値に基づいてパルス
    幅変調により上記電力変換器へのスイッチング指令信号
    を生成するパルス幅変調回路を備えた電力変換装置にお
    いて、 上記電流制御回路とパルス幅変調回路との間に挿入さ
    れ、上記電流制御回路からの電圧指令値の値に応じて所
    定の制限処理を施し上記パルス幅変調回路へ送出する電
    圧指令値制限手段と、該電圧指令値制限手段により、電
    流制御回路からパルス幅変調回路へ送出する電圧指令値
    を制限処理したとき、上記電流制御回路における偏差入
    力の積分値を上記制限処理された電圧指令値に基づき再
    演算させる積分値再演算手段とを備えたことを特徴とす
    る電力変換装置。
  2. 【請求項2】 電力変換器の入力電圧を変動制御する場
    合、電圧指令値の制限処理を行う基準として設定する制
    限値を、上記入力電圧に応じて変動させるようにしたこ
    とを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
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