JP3824030B2 - 気泡発生防止機構およびそれを用いた液処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハやLCD基板等の被処理体に対して行われるレジスト液の塗布や現像処理等の液処理に好適な気泡発生防止機構およびそれを用いた液処理装置、ならびに液供給機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスや液晶表示装置(LCD)基板の製造においては、被処理体としての半導体ウエハやLCD基板にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いて回路パターンをフォトレジストに転写し、これを現像処理することにより回路が形成される。
【0003】
このような液処理においては、レジスト液、現像液、及びシンナー等の処理液がそれを収容するタンクから送出され、管路を通じて輸送されてノズルを介して被処理体表面に供給される。この場合、処理液の管路内における通流の開始・停止は管路の途中に設けられた開閉手段であるバルブの開閉で制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように処理液通流の開始・停止をバルブの開閉で行う場合、バルブを閉じて処理液の通流を停止すると、その瞬間に開閉部分の直下流で減圧状態となる。すなわち、バルブを閉じて処理液通流状態を急に停止するとき、開閉部分よりも上流では処理液通流がその瞬間に停止するが、開閉部分よりも下流、特に直下流では処理液通流がその瞬間には停止せず、処理液の慣性により体積変化が起こり一時的に減圧状態となる。
【0005】
このように、開閉部分の直下流が一時的に減圧状態となると、液に溶存している気体まで発泡しやすくなり、常圧に戻っても処理液中に気泡が残存する。また、ノズル先端では、図11の(a)に示すように、バルブを閉じたときに処理液通流の慣性によりノズル先端100から一度液101が出て、その後、図11の(b)に示すように、開閉部分の直下流が減圧状態から常圧に戻るときに気体102を吸い込むため、先端の液切れ性が悪くなり、ボタ落ち等が発生しやすくなる。
【0006】
このように、処理液中に気泡が発生すると、処理液がレジスト液である場合には、レジスト液を被処理体表面に供給したときに、塗布むらが発生し、また、処理液が現像液である場合には、非現像部分が発生してしまう。したがって、処理液通流を停止しても処理液中に気泡が発生しないことが望まれている。
【0007】
従来から、気泡発生防止のために、例えばエアオペレイティドバルブでは、バルブを閉じる速度を低下させるためスピコン等で調整しているが、調整範囲には限界があり、所望の速度まで低下させられなかったり、バルブのクラッキング圧に負けて開閉しなくなったりする。この傾向は、流路が大きく流体の流量が大きいほど、また流速が速いほど生じやすい。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、処理液通流を停止しても処理液中に気泡が発生することを有効に防止することができる気泡発生防止機構およびそれを用いた液処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明は、被処理体に処理液を供給する際に処理液中に気泡が生じることを防止する気泡発生防止機構であって、
処理液を処理液供給系から被処理体に通流させる処理液流路と、
前記処理液流路に設けられ、前記処理液流路における被処理体供給系側と被処理体側との処理液通流の開始・停止を行う開閉手段と、
前記処理液通流を停止したときに、前記開閉手段の開閉部分よりも被処理体側の処理液流路内の体積を減少させる気泡発生防止部と、
を具備することを特徴とする気泡発生防止機構を提供する。
【0010】
第2発明は、第1発明において、前記気泡発生防止部が、前記処理液通流を停止したときに、処理液の慣性により発生する前記処理液流路に発生する部分的な圧力変化に応じて膨縮変形して、流路の体積変化を生じさせる膨縮部材を有することを特徴とする気泡発生防止機構を提供する。
【0011】
第3発明は、第1発明または第2発明において、気泡発生防止部が前記処理液流路に設けられていることを特徴とする気泡発生防止機構を提供する。
第4発明は、第1発明または第2発明において、気泡発生防止部が前記開閉手段内に設けられていることを特徴とする気泡発生防止機構を提供する。
【0012】
第5発明は、被処理体に処理液を供給して処理を行う液処理装置であって、
被処理体表面に処理液を供給する処理液供給手段と、
処理液供給手段に処理液を供給する処理液供給系と、
前記処理液供給手段と前記処理液供給系との間に設けられ、処理液通流の開始・停止を行う開閉手段と、
前記処理液通流を停止したときに、前記開閉手段の開閉部分よりも被処理体側の処理液流路内の体積を減少させる気泡発生防止部と、
を具備することを特徴とする液処理装置を提供する。
【0013】
第6発明は、第5発明において、前記気泡発生防止部は、前記処理液通流を停止したときに、処理液の慣性により発生する前記処理液流路に発生する部分的な圧力変化に応じて膨縮変形して、流路の体積変化を生じさせる膨縮部材を有することを特徴とする液処理装置を提供する。
【0014】
第7発明は、第5発明または第6発明において、気泡発生防止部が前記処理液供給手段と処理液供給系との間に設けられていることを特徴とする液処理装置を提供する。
第8発明は、第5発明または第6発明において、気泡発生防止部が前記開閉手段内に設けられていることを特徴とする液処理装置を提供する。
【0016】
第1発明によれば、気泡発生防止部により、処理液通流を停止したときに開閉手段の開閉部分よりも被処理体側の処理液流路内の体積を減少させるので、処理液通流を停止した際に開閉部分直下流が減圧状態になることを阻止することができ、結果として気泡の発生を防止することができる。また、通流停止とともに先端から液が出過ぎることを阻止することができる。
【0017】
第2発明によれば、気泡発生防止部が膨縮変形可能な膨縮部材を有しているので、処理液通流を停止したときに開閉手段の開閉部分よりも被処理体側における圧力変化に応じて膨縮変形し、処理液通流を停止しても開閉部分直下流において減圧状態になることを阻止することができ、また、通流停止とともに先端から液が出過ぎることを阻止することができ、結果として気泡の発生を防止することができる。なお、このような膨縮部材としては、例えばベローズ、フレキシブルチューブ、アキュームレータ等が好適である。
【0018】
また、第5発明及び第6発明によれば、被処理体に処理液を供給して処理を行う液処理装置に、それぞれ第1発明および第2発明の気泡発生防止機構を適用しているので、気泡の発生を防止した処理液で被処理体に対して液処理を行うことができ、液処理不良の低減を図ることができる。
【0019】
さらに、第3発明および第7発明のように、気泡発生防止部を前記処理液供給手段と処理液供給系との間に設けることにより、既存の開閉手段をそのまま適用することができる。
【0020】
さらにまた、第4発明および第8発明のように、気泡発生防止部を開閉手段に設けることにより、液開閉部分により近い直下流で減圧状態が起こることを回避できる。減圧状態は開閉部分により近いほど起こり易いので、この構成により気泡発生をより一層効果的に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるLCD基板の塗布・現像処理システムを示す斜視図である。
【0023】
この塗布・現像処理システムは、複数の基板Sを収容するカセットCを載置するカセットステーション1と、基板Sにレジスト塗布及び現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部2と、カセットステーション1上のカセットCと処理部2との間でLCD基板の搬送を行うための搬送機構3とを備えている。そして、カセットステーション1においてシステムへのカセットCの搬入およびシステムからのカセットCの搬出が行われる。また、搬送機構3はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路12上を移動可能な搬送アーム11を備え、この搬送アーム11によりカセットCと処理部2との間で基板Sの搬送が行われる。
【0024】
処理部2は、前段部分2aと後段部分2bとに分かれており、それぞれ中央に通路15、16を有しており、これら通路の両側に各処理ユニットが配設されている。そして、これらの間には中継部17が設けられている。
【0025】
前段部2aは、通路15に沿って移動可能なメインアーム18を備えており、通路15の一方側には、ブラシ洗浄ユニット21、水洗ユニット22、アドヒージョン処理ユニット23、及び冷却ユニット24が、他方側には2つのレジスト塗布ユニット25が配置されている。一方、後段部2bは、通路16に沿って移動可能なメインアーム19を備えており、通路19の一方側には複数の加熱処理ユニット26及び冷却ユニット27からなる熱系ユニット群28が、他方側には2つの現像処理ユニット29が配置されている。熱系ユニット群28は、ユニットが2段積層されてなる組が通路19に沿って3つ並んでおり、上段が加熱処理ユニット26であり、下段が冷却ユニット27である。加熱処理ユニット26は、レジストの安定化のためのプリベーク、露光後のポストエクスポージャーベーク、及び現像後のポストベーク処理を行うものである。なお、後段部2bの後端には露光装置(図示せず)との間で基板Sの受け渡しを行うためのインターフェース部30が設けられている。
【0026】
上記メインアーム18は、搬送機構3のアーム11との間で基板Sの受け渡しを行うとともに、前段部2aの各処理ユニットに対する基板Sの搬入・搬出、さらには中継部17との間で基板Sの受け渡しを行う機能を有している。また、メインアーム19は中継部17との間で基板Sの受け渡しを行うとともに、後段部2bの各処理ユニットに対する基板Sの搬入・搬出、さらにはインターフェース部30との間の基板Sの受け渡しを行う機能を有している。
このように各処理ユニットを集約して一体化することにより、省スペース化および処理の効率化を図ることができる。
【0027】
このように構成される塗布・現像処理システムにおいては、カセットC内の基板Sが、処理部2に搬送され、まず、洗浄ユニット21及び水洗ユニット22により洗浄処理され、レジストの定着性を高めるためにアドヒージョン処理ユニット23にて疎水化処理され、冷却ユニット24で冷却後、レジスト塗布ユニット25でレジストが塗布される。その後、基板Sは、加熱処理ユニット26の一つでプリベーク処理され、冷却ユニット27で冷却された後、インターフェース部30を介して露光装置に搬送されてそこで所定のパターンが露光される。そして、再びインターフェース部30を介して搬入され、加熱処理ユニット26の一つでポストエクスポージャーベーク処理が施される。その後、冷却ユニット27で冷却された基板Sは、現像処理ユニット29で現像処理され、所定の回路パターンが形成される。現像処理された基板Sは、メインアーム19,18および搬送機構3によってカセットステーション1上の所定のカセットに収容される。
【0028】
本発明の対象である気泡発生防止機構は、上述のシステムのうち、レジスト塗布ユニット25及び現像ユニット29に適用される。
【0029】
図2は、レジスト塗布ユニット25におけるレジスト液及び溶剤の供給系を示す図である。レジスト塗布ユニット25は、基板Sを吸着保持するスピンチャック31を有し、その上方に、ノズルホルダー32が設けられている。ノズルホルダー32には、レジスト液ノズル33と溶剤ノズル34が取り付けられており、これらにはそれぞれレジスト液供給系40および溶剤供給系50が接続されている。なお、スピンチャック31に保持された基板Sは回転可能なカップ(図示せず)に囲繞され、このカップは塗布動作中に蓋体(図示せず)により密閉される。
【0030】
レジスト液供給系40は、レジスト液供給配管41を有しており、その一端には前記レジスト液ノズル33が設けられ、他端にはレジスト液容器42が設けられている。レジスト液容器42内のレジスト液は、ベローズポンプ43によりノズル33に向けて供給される。このベローズポンプ43は、ステッピングモーター44によりボールねじ45を回転させることにより、レジスト液の吸引及びレジスト液の送出が可能となっている。
【0031】
ベローズポンプ43から送出されたレジスト液はフィルター46、脱気機構47、エアオペレーションバルブ48、及びサックバックバルブ49を通ってレジスト液ノズル33から吐出される。なお、エアオペレーションバルブ48は、レジスト液の供給管路を開閉する機能を有しており、サックバックバルブ49は、ノズル33先端に残留しているレジスト液を引き戻してその固化を防止する機能を有している。後述するように、エアオペレーションバルブ48の下流側またはエアオペレーションバルブ48の内部には気泡発生防止部が設けられており、これらにより気泡発生防止機構が構成される。
【0032】
溶剤供給系50は、溶剤供給配管51を有しており、その一端には前記溶剤ノズル34が設けられ、他端には溶剤容器52が設けられている。溶剤容器52には溶剤として例えばシンナーが貯留されており、この溶剤がガス圧送によりノズル34に向けて供給される。このガス圧送は、ガスボンベ53内の圧送ガス、例えば窒素ガスを容器52内に供給することにより行われる。溶剤容器52内の溶剤は、ガス圧送されることにより、フィルター54および後述する脱気機構55を通って、ノズル34から吐出される。
【0033】
図3は現像ユニット29における現像液供給系を示す図である。現像ユニット29は、基板Sを吸着保持するチャック73を有し、その上方に、基板Sと略同一の幅を有し、その底部にその長手方向に沿って複数の液吐出孔を有するノズル72が設けられている。そして、このノズル72に現像液供給系60が接続されている。なお、チャック73に保持された基板Sはカップ(図示せず)に囲繞されている。
【0034】
現像液供給系60は、現像液容器61を有しており、容器61には現像液が貯留されている。容器61には圧送ガスとして例えば窒素ガスを貯蔵したガスボンベ63が配管64を介して接続されている。また、容器61内の現像液には配管62の端部が浸漬されおり、配管62の途中には中間容器66及び脱気機構67が順に設けられている。そして、容器61内の現像液は、ガスボンベ63内の圧送ガス、例えば窒素ガスが配管64を介して容器61に供給されることにより、配管62を通ってノズル72に向けて圧送される。なお、中間容器66の外側には、例えば静電容量センサからなるリミットセンサ66aおよびエンプティセンサ66bが設けられており、これらからの信号が図示しないコントローラに出力され、現像液の液面の位置が制御される。
【0035】
脱気機構67の下流側で配管62は複数の配管、例えば配管62aと配管62bとに分岐し、各配管にはノズル72に至るまでに、それぞれフローメーター68a,68b、フィルター69a,69b、温調水が循環されるウォータージャケット70a,70b、エアオペレーションバルブ71a,71bが順に設けられており、ノズル72にはこれら2つの配管を介して2ヶ所から現像液が導入される。そして、現像に際しては、ノズル72の底部に設けられた液吐出孔から吐出した現像液が基板Sに供給される。後述するように、エアオペレーションバルブの下流側またはエアオペレーションバルブの内部には気泡発生防止部が設けられており、これらにより気泡発生防止機構が構成される。
【0036】
次に、本発明に係る気泡発生防止機構について説明する。図4は、気泡発生防止部が処理液供給管路に設けられた場合の一実施形態を示す平面図である。エアオペレーションバルブ81は処理液導入口82と処理液導出口83とを備えており、処理液管路84から輸送された処理液を処理液導入口82から導入し、処理液通流の開始・停止の信号に従って適宜処理液を処理液導出口83から導出するように構成されている。
【0037】
エアオペバルブ81の下流、すなわち処理液導出口よりも基板S側(ノズル側)に、処理液通流を停止したときに圧力変化を緩和するように、圧力変化に応じて膨縮変形する膨縮部材であるべローズ85が設けられている。このべローズ85は、処理液通流を停止したときの処理液の慣性、すなわち処理液通流を停止しても処理液がノズル側に通流しようとする性質により発生する処理液管路84中の部分的な圧力変化を阻止する。
【0038】
上記構成において、エアオペバルブ81により処理液通流を停止すると、エアオペバルブ81の上流では、処理液通流がバルブを閉じるとともに停止する。一方、エアオペバルブ81の下流では、処理液通流を停止しても処理液が慣性によりノズル側に僅かに輸送される。このとき、従来の構成のように、エアオペバルブ81の下流がリジットな状態であれば、エアオペバルブ81の下流では減圧状態となるが、本構成によれば、処理液通流を停止して処理液の慣性により処理液がノズル側に輸送されても、ベローズ85が圧力変化に応じて縮んで、処理液管路84内の体積を減少させる。これにより、エアオペバルブ81の下流で減圧状態となることを回避することができる。したがって、エアオペバルブ81の下流において減圧状態から常圧状態に戻る際に気泡が発生することを防止する。さらに、このようにエアオペバルブ81の下流にべローズ85を設けることにより、処理液通流の際の圧力変化に対応して膨縮するので、ノズル先端において通流停止とともに処理液が出過ぎることがなくなり、それに伴うノズルにおける気体の吸い込みを防止することができる。
【0039】
本発明においては、処理液通流を停止したときに圧力変化を緩和するように、圧力変化に応じて膨縮変形する膨縮部材として、べローズ85の代わりに、図5に示すように、例えばシリコーンゴム等のゴムやシリコーン樹脂等の軟質樹脂のような弾性材料等からなるフレキシブルチューブ86をエアオペバルブ81の下流の処理液管路84に設けてもよく、図6に示すように、アキュムレータ87をエアオペバルブ81の下流の処理液管路84に設けてもよい。このような膨縮部材としては、これらに限らず、弾性材料で構成され、気体量に応じて膨張・収縮を自在にできるものを用いることもできる。
【0040】
このような構成にすることにより、上記と同様に圧力変化に対応して処理液管路84内の体積を減少させ、エアオペバルブ81の下流で減圧状態となることを回避することができ、これによりエアオペバルブ81の下流において減圧状態から常圧状態に戻る際に気泡が発生することを防止する。また、ノズル先端において通流停止とともに処理液が出過ぎることがなくなり、それに伴うノズルにおける気体の吸い込みを防止することができる。
【0041】
次に、本発明に係る気泡発生防止機構の他の実施形態について説明する。図7は、本発明の気泡発生防止機構が開閉手段であるエアオペバルブ内に設けられた場合の一実施形態を示す平面図である。エアオペバルブ91は処理液導入口92と処理液導出口93とを備えており、処理液管路から輸送された処理液を処理液導入口92から導入し、処理液通流の開始・停止の信号に従って適宜処理液を処理液導出口93から導出するように構成されている。
【0042】
エアオペバルブ91のシリンダ94の処理液通流路95は、処理液導入口92からほぼ水平であり、途中で液開閉部96に向かって上方に向きを変え、液開閉部96よりも下流で下方に向かい、さらに再びほぼ水平となるように向きを変えて、処理液導出口93とつながっている。
【0043】
液開閉部96では、処理液通流路95を膜97が覆っており、その膜97はシリンダ94内壁全周に取り付けられており、その中をエアの供給・排出により昇降するピストン98の先端で押圧・開放されるようになっている。このピストン98は、液開閉部96よりも上方に配置されたバネ99により付勢されている。したがって、通常はバネ99によりピストン98の先端が膜部材97を押しつけて液開閉部96が閉じている。また、ピストン98には、フランジ98aが設けられており、そのフランジ98aによりシリンダ94内が2つに分けられている。この分けられたシリンダ94内には、それぞれエアを供給するエア供給100、101が設けられている。
【0044】
また、処理液通流路95の液開閉部96よりも下流には、処理液通流を停止したときに圧力変化を緩和するように、圧力変化に応じて膨縮変形する膨縮部材としてのべローズ102が取り付けられている。べローズ102はカバー103により覆われており、カバー103には、べローズ102の移動によるカバー103内の体積変化を調節するための空気口104が設けられている。
【0045】
上記構成においては、処理液をノズルから吐出する場合には、エア供給部101からエアを導入してフランジ98aよりも下の領域の体積を増加させてピストン98をバネ99の付勢圧力に抗して上昇させる。これにより、液開閉部96が開いて圧送されている処理液が処理液通流路95を通流する。その結果、ノズルから基板Sに処理液が供給される。
【0046】
処理液の通流を停止する場合には、エア供給部100からエアを導入してフランジ98aよりも上の領域の体積を増加させてピストン98をバネ99の付勢圧力とともに下降させる。これにより、ピストン98の先端が膜を押圧して液開閉部96が閉じる。
【0047】
このように処理液通流を停止すると、液開閉部96の上流では、処理液通流がバルブを閉じるとともに停止する。一方、液開閉部96の下流では、処理液通流を停止しても処理液が慣性によりノズル側に僅かに輸送される。このとき、処理液の慣性により処理液がノズル側に輸送されても、ベローズ102が圧力変化に対応して縮んで、処理液通流路95内の体積を減少させる。これにより、液開閉部96の下流で減圧状態となることを回避することができる。従って、液開閉部96の下流において減圧状態から常圧状態に戻る際に気泡が発生することを防止する。さらに、このように液開閉部96の下流にべローズ102を設けることにより、処理液通流の際の圧力変化に対応して膨縮するので、ノズル先端において通流停止とともに処理液が出過ぎることがなくなり、それに伴うノズルにおける気体の吸い込みを防止することができる。
【0048】
この実施形態においても、処理液通流を停止したときに圧力変化を、もしくは圧力変化に応じて膨縮変形する膨縮部材として、べローズ102の代わりに、図8に示すように、例えばシリコーンゴム等のゴムやシリコーン樹脂等の軟質樹脂のような弾性材料等からなるフレキシブルチューブ105を液開閉部96の下流の処理液通流路95に設けても良い。
【0049】
また、この実施形態においては、処理液通流を停止したときに圧力変化を緩和するように、圧力変化に応じて膨縮変形する膨縮部材を液開閉部96の下流に設ければ良く、図9および図10に示すように、前記部材を処理液通流路95に直接設けず、処理液通流路95を覆うカバー103に設けても良い。すなわち、図9に示すように、処理液通流路95を分岐してカバー103内に延出させカバー103内にべローズ102を設けても良く、図10に示すように、処理液通流路95を分岐してカバー103内に延出させカバー103内にアキュムレータ106を設けても良い。さらに、上記膨縮部材としては、これらに限らず、弾性材料で構成され、気体量に応じて膨張・収縮を自在にできるものを用いることもできる。
【0050】
これらの構成においても、上記と同様に圧力変化に対応して処理液通流路95内の体積を減少させ、液開閉部96の下流で減圧状態となることを回避することができ、これにより液開閉部96の下流において減圧状態から常圧状態に戻る際に気泡が発生することを防止する。また、ノズル先端において通流停止とともに処理液が出過ぎることがなくなり、それに伴うノズルにおける気体の吸い込みを防止することができる。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、開閉手段としてエアオペバルブを用いた場合について説明しているが、本発明は他の開閉手段、例えばソレノイドバルブ等に適用することができる。また、上記実施の形態では、本発明の気泡発生防止機構をレジスト塗布・現像ユニットに適用した例を示したが、これに限らず他の処理に適用してもよい。
【0052】
また、上記実施の形態では、処理液吐出手段が処理液供給系(タンク)に接続されているが、これに限らず、例えば開閉部材(バルブ)と処理液供給手段(ノズル)との間にポンプやN2加圧による吐出手段を設けても本発明の効果を奏することができる。
【0053】
さらに、上記実施形態では、被処理体としてLCD基板を用いた場合について示したが、これに限らず半導体ウエハ等他の被処理体の処理の場合にも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、第1発明によれば、気泡発生防止部により、処理液通流を停止したときに開閉手段の開閉部分よりも被処理体側の処理液流路内の体積を減少させるので、処理液通流を停止した際に開閉部分直下流が減圧状態になることを阻止することができ、結果として気泡の発生を防止することができる。また、通流停止とともに先端から液が出過ぎることを阻止することができる。
【0055】
第2発明によれば、気泡発生防止部が膨縮変形可能な膨縮部材を有しているので、処理液通流を停止したときに開閉手段の開閉部分よりも被処理体側における圧力変化に応じて膨縮変形し、処理液通流を停止しても開閉部分直下流において減圧状態になることが阻止することができ、また、通流停止とともに先端から液が出過ぎることを阻止することができ、結果として気泡の発生を防止することができる。
【0056】
また、第5発明及び第6発明によれば、被処理体に処理液を供給して処理を行う液処理装置に、それぞれ第1発明および第2発明の気泡発生防止機構を適用しているので、気泡の発生を防止した処理液で被処理体に対して液処理を行うことができ、液処理不良の低減を図ることができる。
【0057】
さらに、第3発明および第7発明によれば、気泡発生防止部を前記処理液供給手段と処理液供給系との間に設けることにより、既存の開閉手段をそのまま適用することができる。
【0058】
さらにまた、第4発明および第8発明によれば、気泡発生防止部を開閉手段に設けることにより、液開閉部分により近い直下流で減圧状態が起こることを回避できる。減圧状態は開閉部分により近いほど起こり易いので、この構成により気泡発生をより一層効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる気泡発生防止機構が適用されるレジスト塗布・現像システムを示す斜視図。
【図2】本発明の気泡発生防止機構が組み込まれたレジスト塗布ユニットにおけるレジスト液及び溶剤の供給系を示す図。
【図3】本発明の気泡発生防止機構が組み込まれた現像ユニットにおける現像液の供給系を示す図。
【図4】本発明の気泡発生防止機構が処理液供給管路に設けられた場合の一実施形態を示す平面図。
【図5】本発明の気泡発生防止機構が処理液供給管路に設けられた場合の他の実施形態を示す平面図。
【図6】本発明の気泡発生防止機構が処理液供給管路に設けられた場合の他の実施形態を示す平面図。
【図7】本発明の気泡発生防止機構が開閉手段に設けられた場合の一実施形態を示す平面図。
【図8】本発明の気泡発生防止機構が開閉手段に設けられた場合の他の実施形態を示す平面図。
【図9】本発明の気泡発生防止機構が開閉手段に設けられた場合の他の実施形態を示す平面図。
【図10】本発明の気泡発生防止機構が開閉手段に設けられた場合の他の実施形態を示す平面図。
【図11】従来の液供給ノズルの先端部分の液だれを説明する模式図。
【符号の説明】
25……レジスト塗布ユニット
29……現像ユニット
33……レジスト液ノズル
34……溶剤ノズル
40……レジスト液供給系
41……レジスト液供給配管
42……レジスト液容器
50……溶剤供給系
51……溶剤供給配管
52……溶剤容器
81、91……エアオペバルブ
82、92……処理液導入口
83、93……処理液導出口
84……処理液管路
85、102……べローズ
86、105……フレキシブルチューブ
87、106……アキュムレータ
94……シリンダ
95……処理液通流路
96……液開閉部
97……膜部材
98……ピストン
98a……フランジ
99……バネ
100、101……エア供給口
103……カバー
104……空気口
S……基板
Claims (8)
- 被処理体に処理液を供給する際に処理液中に気泡が生じることを防止する気泡発生防止機構であって、
処理液を処理液供給系から被処理体に通流させる処理液流路と、
前記処理液流路に設けられ、前記処理液流路における被処理体供給系側と被処理体側との処理液通流の開始・停止を行う開閉手段と、
前記処理液通流を停止したときに、前記開閉手段の開閉部分よりも被処理体側の処理液流路内の体積を減少させる気泡発生防止部と、
を具備することを特徴とする気泡発生防止機構。 - 前記気泡発生防止部は、前記処理液通流を停止したときに、処理液の慣性により発生する前記処理液流路に発生する部分的な圧力変化に応じて膨縮変形して、流路の体積変化を生じさせる膨縮部材を有することを特徴とする請求項1に記載の気泡発生防止機構。
- 気泡発生防止部が前記処理液流路に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気泡発生防止機構。
- 気泡発生防止部が前記開閉手段内に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気泡発生防止機構。
- 被処理体に処理液を供給して処理を行う液処理装置であって、
被処理体表面に処理液を供給する処理液供給手段と、
処理液供給手段に処理液を供給する処理液供給系と、
前記処理液供給手段と前記処理液供給系との間に設けられ、処理液通流の開始・停止を行う開閉手段と、
前記処理液通流を停止したときに、前記開閉手段の開閉部分よりも被処理体側の処理液流路内の体積を減少させる気泡発生防止部と、
を具備することを特徴とする液処理装置。 - 前記気泡発生防止部は、前記処理液通流を停止したときに、処理液の慣性により発生する前記処理液流路に発生する部分的な圧力変化に応じて膨縮変形して、流路の体積変化を生じさせる膨縮部材を有することを特徴とする請求項5に記載の液処理装置。
- 気泡発生防止部が前記処理液供給手段と処理液供給系との間に設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の液処理装置。
- 気泡発生防止部が前記開閉手段内に設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の液処理装置。
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