JP3819944B2 - 亜鉛又は亜鉛合金上にセラミックス皮膜を形成する方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、亜鉛又は亜鉛合金上にセラミックス皮膜を形成する方法、特に自動車、電気機器や建材等として用いられる鉄鋼部品からなる基体の高防錆表面処理として有用な皮膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼部品への一般的な電気亜鉛めっきやその合金めっきでは、耐食性が不十分であるので、耐食性を向上させるために後処理が行なわれている。このような後処理として特にクロメート処理は優れた耐食性に加えて、外観及びコスト等にも優れるため広く用いられている。ところが、クロメート処理では有害な6価クロム化合物を使用するため、作業環境が損なわれるのみでなく、排水処理にともなう技術的かつ作業的困難が大きいことが指摘されている。さらに近年、製品(皮膜)に含まれるクロム化合物の有害性も問題となっており、世界的に使用が規制される動きも見られる。
そこで、クロメート処理に代わるものとして、リン酸、タングステン酸、モリブテン酸等による化成処理やゾルゲル法によるセラミックスコーティング、さらには、陽極酸化処理等が検討されてきた。しかしながら、これまでの化成処理では耐食性が不充分であり、量産性にも問題があり、さらに原料が高価で原料の安全性にも問題がある等の一長一短があり、実用化にはいたっていない。又、ゾルゲル法によるセラミックスコーティングでは処理液が有機溶剤を含むため、作業環境を損ない、さらに原料が高価等の問題がある。これに対して、陽極酸化処理において水溶性で安全な化学物質を使用すれば上記のような問題を解決できるが、処理外観の均一性や処理の再現性や作業性に問題があった。
さらに、耐食性を向上させる目的でZnめっき上に電着塗装を行なうことも増加したが、Znめっき上に直接電着塗装を行なうとピット等の発生が多く、良好な外観とはならないため、有効な下地形成方法が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、使用物質の有害性に起因する環境問題などを生じることがなく、かつ優れた外観と耐食性とを有するセラミックス皮膜を亜鉛又は亜鉛合金上に形成できる方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、含窒素化合物を、ケイ酸塩と併用した水溶液を用いると、亜鉛基体、亜鉛合金基体、亜鉛めっき及び亜鉛合金めっき上に、均一で耐食性に優れた陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮膜を形成することができ、上記課題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、含窒素化合物とケイ酸塩とを含有する水溶液中で、亜鉛又は亜鉛合金上に陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮膜を形成する方法を提供する。
本発明において、陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮膜を形成する対象である亜鉛及び亜鉛合金としては、基体自体が亜鉛及び亜鉛合金であるもの、又は基体上に亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきが施されたものがあげられる。
基体に亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきを行なうめっき浴としては、従来公知の浴、例えば、東京鍍金材料協同組合(昭和62年12月16日)発行の“めっき技術ガイドブック”の第175頁〜第200頁や(株)広信社(昭和58年6月15日)発行の“表面技術総覧−めっき・陽極酸化編−”の第323頁〜第334頁に記載の浴があげられる。めっき浴種としては、酸性の硫酸浴、塩化浴、アルカリ性のシアン浴、ジンケート浴等に大別されるが、浴種は問わない。尚、基体としては、鋼、アルミニウム、銅とそれらの合金などがあげられる。
又、亜鉛と他の金属との合金めっきを形成できる浴を用いてもよいが、その場合には共析させるFe、Cu、Ni、Co、Mn等の合算比率を10重量%(以下、%と略称する)未満とするのが望ましい。特に次の工程で火花放電法を適用するには、0.2〜1.0%が好適である。火花放電法においてこの範囲の共析率とすると火花放電開始までの時間が短くなり作業能率が向上するためである。
【0005】
基体に設けられている亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきの膜厚は任意で良いが、形成する陽極酸化ないし火花放電法による皮膜以上の膜厚とするのが好ましい。より好ましくは、亜鉛めっき浴から温度5〜40℃、時間1〜60分、通電量0.03〜5AH/dm2 の条件で1〜20μm 厚のめっきを形成するのがよい。
本発明で陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮膜を形成するために用いる水溶液、つまりセラミック皮膜形成用電解液中に含有させる含窒素化合物としては、分子内に1〜5個(好ましくは1〜3)の窒素元素を持ち、かつ炭素数が1〜10(好ましくは1〜7)の脂肪属及び炭素数3〜7の含窒素複素環式化合物があげられる。具体的には、脂肪属アミン、芳香属アミン、含窒素複素環式化合物、硫黄含有含窒素化合物などがあげられる。このうち、直鎖状アミン化合物や含窒素複素環式化合物が好ましい。
具体的には、直鎖状アミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミンなどの一種又は二種以上の混合物をあげることができる。
【0006】
芳香属アミン及び含窒素複素環式化合物としては、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、o−トルイジン、アニリン、アミノサリチル酸、1,2−メチルイミダゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、1−アセチルイミダゾール、1−エタノールイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2,4−ルチジン、2−アミノピリジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ピリドン、2−メチルイミダゾール、4−アミノピリジン、4−エチルピリジン、4−メチルピリジン、N−エチルイミダゾール、イミダゾール、ジピリジル、ジフェニルアミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸エチルエステル、ニコチン酸メチルエステル、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾールなどの一種又は二種以上の混合物をあげることができる。
又、硫黄含有含窒素化合物としては、1,3ジエチルチオ尿素、チオ尿素、2−アミノチアゾール、2−メルカプトピリジン、チアゾール、チアゾリジン、チオウラシル、チオニコチン酸アミド、テトラヒドロチオフェン、テトラメチルチオ尿素、メルカプト−2−チアゾリンなどの一種又は二種以上の混合物をあげることができる。
【0007】
本発明でセラミック皮膜形成用電解液中に共存させるケイ酸塩としては、水溶性若しくはコロイド状ケイ酸塩があげられる。ここで、該ケイ酸塩としては、一般的 M2O・nSiO2 (Mはアルカリ金属を示し、nは0.5乃至100の整数を示す)で表わされる種々の水溶性のもの、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムと、水分散性のものとしてはコロイダルシリカ等をあげることができる。これらケイ酸塩は単独で、若しくは2種以上の混合物として、又は両者の混合物として用いることができる。
本発明で陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮膜を形成するために用いる水溶液中にケイ酸塩と共存させることができる酸素酸塩としてはタングステン酸塩、錫酸塩、モリブデン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの一種又は二種以上の混合物があげられる。
本発明では、セラミック皮膜形成用電解液中に、ケイ酸塩と、脂肪属アミン、芳香属アミン及び含窒素複素環式化合物からなる群から選ばれるアミンとを含有させることを必須とする。
【0008】
これら各成分のセラミック皮膜形成用電解液中の濃度は任意とすることができるが、含窒素化合物を0.1〜150g/リットル、好ましくは1〜70g/リットルとするのがよい。又水溶性若しくはコロイド状ケイ酸塩や酸素酸塩の濃度は5g/リットル以上が好ましく、25〜200g/リットルが好適である。この濃度が低いと皮膜が形成しにくくなり、濃度上昇とともに形成された皮膜が不均一となりやすいからである。又、不溶性で分散可能なセラミックス微粒子は、1〜100g/リットル懸濁させるのがよい。尚、水溶液の pH は任意であるが、5〜13.5とするのがよい。10〜12.5とするのがより好ましい。
本発明で使用するセラミック皮膜形成用電解液には、さらに溶解性の無機フッ素化合物などを含有させても良い。無機フッ素化合物を併用すると高電流部から低電流部における均一性を増すことができる。このような無機フッ素化合物としては、 HF 、NaF 、KF、HBF4、NaBF4 、KBF4、 H2SiFa 、Na2SiF5 、K2SiF8等をあげることができる。無機フッ素化合物の濃度は任意とすることができるが、0.5〜100g/リットル、好ましくは1〜30g/リットルとするのがよい。
【0009】
さらに、上記セラミック皮膜形成用電解浴に不溶性で分散可能な種々のセラミックス微粒子を懸濁させてもよい。例えば、Al2O3 、Al(OH)3 、SiO2、3Al2O3・2SiO2 、TiO2、ZrO2、部分安定化したジルコニア、安定化ジルコニア、Cr2O3 等の酸化物系セラミックスや SiC、TiC 、TiN 、TiB 、ZrB 、BN、WC、WSi2、MoSi2 等の非酸化物系セラミックスをあげることが出来る。尚、これらの単独で、又は2種以上の混合物を用いることができる。これらの濃度は任意とすることができるが、0.5〜200g/リットル、好ましくは5〜100g/リットルとするのがよい。
本発明では、上記セラミック皮膜形成用電解浴を用い、陰極には、鉄、ステンレス、ニッケル等不溶性電極を用い、かつ陽極に亜鉛基体、亜鉛合金基体、亜鉛めっき及び亜鉛合金めっきを用いて陽極酸化ないし火花放電を行う。この際の浴温は、5〜90℃とするのが好ましく、陽極酸化では10〜70℃がより好ましい。より低温や高温では皮膜が不均一となりやすいからである。
通常これらの皮膜を形成する場合、めっき後充分水洗した後行なうが希硝酸による活性化を行なう方が良い。
【0010】
電解方法としては定電圧電解で行なうが、印加は序々に電圧を上昇させるスロースタート法により行なう方が好ましい。1〜100V/分の昇圧速度、好ましくは2〜50V/分の昇圧速度を採用する。亜鉛皮膜の溶解及び酸化過程の平衡がくずれやすいので、このように通電法としてスロースタート法を採用すると序々に膜厚が増大し、均一な膜厚みが得られるのである。所定の電圧に達した後、希望する膜厚となるまで、その電圧を保持する。陽極酸化法における最終電圧としては5〜90Vとするのが良く、10〜40Vがより好ましい。又火花放電法における最終電圧は100V以上とする。所定の電圧までに上昇させる時間は5〜600秒が良い。
整流器の出力は任意の波形の直流で良いが、パルス波形(矩形波波形)、ノコギリ波形又は直流半波波形が好ましい。くり返し周波数は50〜600Hzが良い。パルス波形、ノコギリ波形がより好ましい。
このようにして、亜鉛基体、亜鉛合金基体、亜鉛めっき及び亜鉛合金めっき上に、陽極酸化セラミックス皮膜又は陽極火花放電セラミックス皮膜を形成することができる。該セラミックス皮膜の厚みは任意とすることができるが、0.2〜50μ、好ましくは0.5〜15μの皮膜を形成するのがよい。
【0011】
本発明では、陽極火花放電により形成したセラミックス膜は、充分に脱イオン水等により洗浄し、好ましくは水切り乾燥等行なった後、電着塗装液に浸漬してセラミック皮膜の上に電着を行なうのがよい。例えば、朝倉書店発行の“塗装の辞典”の第154頁〜第161頁に記載の「5.9電着塗装」の欄や日刊工業新聞社発行の“塗装技術ハンドブック”の第196頁〜第205頁及び第293頁〜第307頁参照のこと。
電着塗料の種類は大別するとカチオン系とアニオン系とがあるが、カチオン系電着塗料が好ましい。
ここで用いるカチオン電着塗料の種類は任意で良いが、エポキシ系、アクリル系等をあげることができる。耐食性を目的とした用途としては、エポキシ系が好ましい。一方、アニオン電着塗料としては、乾性油、ポリブタジエン、エポキシエステル、ポリアクリル酸エステル、アクリルメラミン系等を主骨格としてポリカルボン酸樹脂を用いた塗料をあげることができる。
液温、塗料の攪拌や陽極等は使用する塗料の性質に沿ったものとし、一般的にエポキシ系カチオン電着塗料では、液温は25〜30℃、陽極はAnion 交換隔膜を用いた隔膜陽極を用いるのがよい。
通電法としては、基本的に定電圧法とし、通電開始時から、所定の電圧とする通称ドカン法と、開始時より序々に電圧を上昇させるスロースタート法があるが、スロースタート法がより好ましい。
電圧は塗料の性質により又、必要とする膜厚により決定するが、エポキシ系カチオン電着塗料では150〜320Vである。
カチオン電着塗膜の厚みは任意とすることができるが、3〜50μ、好ましくは10〜30μとするのがよい。電着処理後、焼付け炉中で焼付処理を行なう。塗料の種類により条件は変わるが、通常130〜230℃で10〜60分行なうのがよい。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、亜鉛基体、亜鉛合金基体、亜鉛めっき及び亜鉛合金めっき上に、均一で耐食性に優れた陽極酸化セラミックス皮膜又は陽極火花放電セラミックス皮膜を形成することができる。又、該セラミックス皮膜上にさらに電着塗装皮膜を形成すると一層耐食性を向上させることができる。
次に実施例により本発明を説明する。
【0013】
【実施例】
実施例1
SPCC鋼板を基体として下記のような工程により前処理後ジンケートZnめっきを5μm 形成した試験板を陽極として、ステンレス板を陰極として、 K2O・nSiO2 90g/リットルにピリジン16g/リットルを添加した20℃の電解液により5V/分の昇圧速度で電圧を印加し20Vに達するまで電解して陽極酸化皮膜(セラミックス皮膜)2μを形成した。
▲1▼ めっき工程
アルカリ脱脂−水洗−酸洗−水洗−電解洗浄−水洗−酸活性化−水洗−めっき−水洗−
▲2▼ 前処理工程使用薬品及び条件
【表1】
【0014】
実施例2
実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板に下記のようなシアン浴によるZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 90g/リットルとピリジン16g/リットルを含有する20℃の電解液を使用し実施例1と同様な方法で電解して陽極酸化皮膜(セラミックス皮膜)2μを形成した。
【0015】
実施例3
実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを13μm 厚に形成した試験板を陽極として、実施例1と同様な電解液により、同様な方法で陽極酸化皮膜2μを形成した。
実施例4
実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 200g/リットル、ピリジン16g/リットルを含有する20℃のセラミックス皮膜形成用電解液を使用し実施例2と同様な方法で電解して陽極酸化皮膜2μを形成した。
実施例5
実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 50g/リットルとピリジン35g/リットルを含有する20℃の電解液を使用し実施例2と同様な方法で電解して陽極酸化皮膜1μを形成した。
【0016】
実施例6
実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 90g/リットル、Na2WO4・2H2O 20g/リットルとピリジン16g/リットルを含有する20℃の電解液を使用し、実施例1と同様な方法で電解し陽極酸化皮膜2μを形成した。
実施例7
実施例2と同様なシアン浴によるZnめっきを5μm 厚に形成した試験板を陽極として、Na2O・nSiO2 90g/リットル、ピリジン8g/リットルを含有する20℃の電解液を使用し、実施例1と同様な方法で電解し陽極酸化皮膜3μを形成した。
実施例8
実施例2と同様なシアン浴によるZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 90g/リットル、ピリジン16g/リットルとニコチン酸メチルエステル 8g/リットルを含有する20℃の電解液を使用し、実施例1と同様な方法で電解し、陽極酸化皮膜3μを形成した。
【0017】
実施例9
実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 90g/リットルとジエチルアミン30g/リットルを含有する20℃の電解液を使用し、実施例1と同様な方法で電解し陽極酸化皮膜1μを形成した。
実施例10
実施例9のジエチルアミン30g/リットルをジエタノールアミン60g/リットルとした以外は同一条件とし、陽極酸化皮膜1μを形成した。
実施例11
実施例9のジエチルアミン30g/リットルを2−アミノチアゾール10g/リットルとした以外は同一条件とし、陽極酸化皮膜2μを形成した。
実施例12
実施例9のジエチルアミン30g/リットルをチオ尿素56g/リットルとした以外は同一条件とし、陽極酸化皮膜1μを形成した。
【0018】
実施例13
実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板に下記のようなジンケート浴によるZn−Ni合金めっき(Zn94%、Ni6%)を5μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 90g/リットルとピリジン18g/リットルを含有する20℃の電解液を使用し、実施例1と同様な方法で電解して陽極酸化皮膜1μを形成した。
実施例14
実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板に下記のようなジンケート浴によりZn−Fe合金めっき(Zn99.6%、 Fe 0.4%)を5μm 厚に形成した試験板を陽極として、実施例13と同様な条件により、陽極酸化皮膜1μを形成した。
【0019】
実施例15
実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板に、下記のような塩化浴によるZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、実施例7と同様な液、方法及び液温で電解した。
塩化浴組成 ZnCl2 52 g/l
NH4Cl 200 g/l
ディップソール EZ-985A 25 ml/l
ディップソール EZ-985B 0.5 ml/l
めっき条件 電流密度 2 A/dm2
液温 25℃
実施例1〜15までは高電流部から低電流部まで透明白色で均一な外観の陽極酸化皮膜が形成した。さらにJIS Z2371に規定される塩水噴霧試験を実施し、耐食性を評価した。
【0020】
比較例1
実施例5と同様にZnめっきを8μm の厚に行なったが、陽極酸化処理は行なわなかった。
比較例2
実施例5と同様にZnめっきを8μm 厚に形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 90g/リットルのみを含有する20℃の電解液を使用し、実施例1と同様な方法で電解し陽極酸化皮膜を形成した。
比較例3
実施例5と同様にZnめっきを8μm 形成した試験板を陽極として、 K2O・nSiO2 90g/リットルとNaOH10g/リットルを含有する電解液を使用し、実施例1と同様な方法で電解し陽極酸化皮膜を形成した。
次に示す評価基準にもとづき実施例1〜15及び比較例1〜3で得られた皮膜の外観及び耐食性を評価した。結果をまとめて表−2に示す。表中、16〜18は比較例1〜3である。
外観
○ : 透明白色均一外観
× : 島状欠陥(不均一外観)
赤錆発生時間
× : 100時間未満
△ : 100時間以上500時間未満
○ : 500時間以上1000時間未満
◎ : 1000時間以上
【0021】
【表2】
表−2
めっき 膜厚 陽極 添加物 pH 浴温 外観 耐食
浴種 電解浴 性
1 ジンケート 5 K2O・nSiO2 ピリジン 11.6 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l 16 g/l
2 シアンZn 8 K2O・nSiO2 ピリジン 11.6 20℃ ○ ○
90 g/l 16 g/l
3 ジンケート 13 K2O・nSiO2 ピリジン 11.6 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l 16 g/l
4 ジンケート 8 K2O・nSiO2 ピリジン 11.8 20℃ ○ ○
Zn 200 g/l 16 g/l
5 ジンケート 8 K2O・nSiO2 ピリジン 11.5 20℃ ○ ○
Zn 50 g/l 35 g/l
6 ジンケート 8 K2O・nSiO2 ピリジン 11.3 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l 16 g/l
Na2WO4 ・2H2O
20 g/l
7 ジンケート 5 Na2O・ nSiO2 ピリジン 11.4 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l 8 g/l
8 シアンZn 8 K2O・nSiO2 ピリジン 11.5 20℃ ○ ○
90 g/l 16 g/l
ニコチン酸
メチルエス
テル,8g/l
9 ジンケート 8 K2O・nSiO2 ジエチル 12.0 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l アミン,
30 g/l
10 ジンケート 8 K2O・nSiO2 ジエタノ 11.7 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l ールアミン
60 g/l
11 ジンケート 8 K2O・nSiO2 2-アミノ 11.0 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l チアゾール
10 g/l
12 ジンケート 8 K2O・nSiO2 チオ尿素 11.3 20℃ ○ ○
Zn 90 g/l 56 g/l
13 ジンケート 5 K2O・nSiO2 ピリジン 11.6 20℃ ○ ◎
Zn-Ni 90 g/l 18 g/l
14 ジンケート 5 K2O・nSiO2 ピリジン 11.6 20℃ ○ ◎
Zn-Fe 90 g/l 18 g/l
15 塩化浴Zn 8 Na2O ・ ピリジン 11.4 20℃ ○ ○
nSiO 2 , 90g/l 8 g/l
16 ジンケートZn 8 − − − − − ×
17 ジンケート 8 K2O・nSiO2 なし 11.2 20℃ × △
Zn 90 g/l
18 ジンケート 8 K2O・nSiO2 なし 12.9 50℃ ○ △
Zn 90 g/l
NaOH, 10g/l
表中−16〜18は比較例1〜3である。
【0022】
表−2の結果から明らかなように、実施例1〜15では、赤錆発生時間が500時間以上と比較例1の無処理と比較し非常に良好な耐食性を示した。しかしながら、比較例2では均一な外観の皮膜が形成できず、比較例3では均一な外観の皮膜が形成したものの、比較例2及び3とも耐食性に劣る結果となった。
Claims (4)
- 脂肪属アミン、芳香属アミン、含窒素複素環式化合物及び硫黄含有含窒素化合物からなる群から選ばれる含窒素化合物と、水溶性ケイ酸塩及び / 又は水分散性コロイダルシリカとを含有する水溶液中で、亜鉛又は亜鉛合金上に陽極酸化によりセラミックス皮膜を形成する方法。
- 脂肪属アミン、芳香属アミン、含窒素複素環式化合物及び硫黄含有含窒素化合物からなる群から選ばれる含窒素化合物と、水溶性ケイ酸塩及び / 又は水分散性コロイダルシリカとを含有する水溶液中で、亜鉛又は亜鉛合金上に陽極火花放電によりセラミックス皮膜を形成する方法。
- 脂肪属アミン、芳香属アミン、含窒素複素環式化合物及び硫黄含有含窒素化合物からなる群から選ばれる含窒素化合物と、水溶性ケイ酸塩及び / 又は水分散性コロイダルシリカとを含有する水溶液からなる、亜鉛又は亜鉛合金上に陽極酸化によりセラミックス皮膜を形成するための電解浴。
- 脂肪属アミン、芳香属アミン、含窒素複素環式化合物及び硫黄含有含窒素化合物からなる群から選ばれる含窒素化合物と、水溶性ケイ酸塩及び / 又は水分散性コロイダルシリカとを含有する水溶液からなる、亜鉛又は亜鉛合金上に陽極火花放電によりセラミックス皮膜を形成するための電解浴。
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