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JP3815748B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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JP3815748B2
JP3815748B2 JP11740296A JP11740296A JP3815748B2 JP 3815748 B2 JP3815748 B2 JP 3815748B2 JP 11740296 A JP11740296 A JP 11740296A JP 11740296 A JP11740296 A JP 11740296A JP 3815748 B2 JP3815748 B2 JP 3815748B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
強磁性微粉末と結合剤とを分散させてなる少なくとも一層以上の磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒体において、優れた電磁変換特性及び耐久性をもつ磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用いられている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バインダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層している。
磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性および走行性能などの諸特性において高いレベルにあることが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオーディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要求されている。また、ビデオテープについては、原画再生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていることが要求されている。
このような優れた電磁変換特性を有すると同時に、磁気記録媒体は前述のように良好な走行耐久性を持つことが要求されている。そして、良好な走行耐久性を得るために、一般には研磨材および潤滑剤が磁性層中に添加されている。
【0003】
しかしながら、研磨材によって優れた走行耐久性を得るためには、その添加量をある程度多くする必要があり、そのため強磁性粉末の充填度が低下する。また優れた走行耐久性を得るために粒子径の大きな研磨材を使用した場合には、磁性層表面に研磨材が過度に突出し易くなる。従って、研磨材による走行耐久性の改良は上記の電磁変換特性の劣化をもたらす場合が多く問題となる。
そして、潤滑剤によって上記走行耐久性を向上させる場合には、その添加量を多くする必要があり、このため結合剤が可塑化され易くなり、磁性層の耐久性が低下する傾向がある。
また、上記耐久性および電磁変換特性を向上させるためには、磁性層の主成分の一つである結合剤も、当然のことながら重要な働きを担っている。従来から用いられている塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等では、磁性層の耐摩耗性が劣り、磁気テープの走行系部材を汚染するという問題があった。
【0004】
このような問題を改善する方法として、硬い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行われており、環状構造を有するエーテル基含有ウレタンを有する硬度の大きなポリウレタン樹脂からなる結合剤を用いた磁気記録媒体が提案されている。例えば、特開平1−251416号公報には、ポリカーボネート構造を5〜50%含有するポリウレタン樹脂を含有した結合剤を用いた磁気記録媒体が記載されている。また、特開昭61−148626号公報には、ポリオールの20重量%以上がビスフェノール類のポリウレタン樹脂を結合剤とした磁気記録媒体が記載されている。さらに特開平1−267829号公報には、環状構造を有するポリエーテルポリオールからなるポリウレタンを用いた磁気記録媒体が記載されている。
【0005】
ところが、これらのポリウレタン樹脂を結合剤とした磁気記録媒体は、耐久性に優れるとしているが、高温での力学強度が不充分である。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド回転数が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダでは、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分と、アナログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/分、業務用の5000回転/分に比べて格段に高速回転数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動する速度が大きくなり、ヘッドの高速化に伴う摺動熱により磁性塗膜が流動してヘッド汚れなどを発生させるという問題があった。
【0006】
また、ポリエーテルポリエステルウレタン樹脂を用いて耐熱性、耐湿性、耐加水分解性等を高めることが提案されている。例えば、特開昭61−104325号公報には、芳香族残基を有するポリエーテルポリオールからなるポリエーテルポリエステルウレタン樹脂からなる結合剤を用いた磁気記録媒体が記載されており、また、特開昭62−121922号公報には、芳香族炭化水素残基を有するポリエーテルポリエステルポリオールからなるウレタン樹脂からなる結合剤を用いた磁気記録媒体が記載されている。特開昭61−104325号公報に記載のポリウレタンは、PTMG(ポリテトラメチレングリコール)、フェノール性OHにエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物、芳香族多塩基酸等を用いたものであり、耐熱性、耐加水分解性に優れるとしている。しかしながら、ポリオール含量の記載はないが、実施例から計算して55重量%程度であり、高温での耐久性が不充分である。また、更に親水性セグメントであるエーテル基含有量を7mmol/g含むので、溶剤への溶解性に乏しく、磁性体の分散性が不充分であるという問題を有しており、後者のものも同様な問題を有していた。
【0007】
また、特開平3−201211号公報には、ポリエーテルブロックとポリエステルブロックからなるウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体が記載されており、ポリエーテルポリオールとしては、PPG、PTMGなど等を、またポリエステルポリオールとしてPCL、ブタンジオールアジペートなどを用いることによって耐加水分解性等に優れたものであることが記載されている。ところが、ポリオール含量は、実施例から計算して60重量%以上であり、高温での力学強度が不充分なものであった。
【0008】
また、以上のようなポリウレタン樹脂を用いた磁性層では、それらの単独もしくはビニル系の樹脂と併用することが明らかにされているが、ポリウレタン樹脂の強度が高いが脆いという特性を改善するものでなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分散性が高く優れた電磁変換特性をもち、高温での塗膜表面の硬度が高く高温環境での耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することを課題とするものであり、とくに特性の優れたポリウレタンを含有した結合剤を用いた磁気記録媒体を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁性微粉末と結合剤を含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記結合剤は少なくともポリウレタン樹脂(A)とポリエーテルポリエステルウレタン樹脂(B)を含み、該ポリウレタン樹脂(A)は環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオールからなるポリオールをポリウレタン樹脂中に0〜50重量%含むとともに、環状構造を有するジオール及びまたは、これらのジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量100〜400の短鎖ジオールを15〜50重量%含み、前記環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオールおよび前記短鎖ジオールから得られたエーテル基をポリウレタン樹脂全体に対して1.0〜5.0mmol/g含むポリウレタン樹脂である磁気記録媒体である。
【0011】
また、非磁性支持体上に非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤を含む下層とその上に強磁性粉末と結合剤を含む上層を設けた磁気記録媒体において、前記上層及び/又は下層の結合剤は少なくともポリウレタン樹脂(A)とポリエーテルポリエステルウレタン樹脂(B)を含み、該ポリウレタン樹脂(A)は環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオールをポリウレタン樹脂中に0〜50重量%含むとともに、環状構造を有するジオール及びまたは、これらのジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量100〜400の短鎖ジオールを15〜50重量%含み、前記環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオール及び前記短鎖ジオールから得られたエーテル基をポリウレタン樹脂全体に対して1.0〜5.0mmol/g含むポリウレタン樹脂である磁気記録媒体である。
【0012】
また、環状構造を有するジオールとして下記から選ばれるジオールを用いるこ前記に記載の磁気記録媒体である。
【0013】
【化1】
Figure 0003815748
【0014】
また、ポリエーテルポリエステルウレタン樹脂(B)がガラス転移温度Tgが−85℃〜0℃と40℃〜200℃の2つを持つ前記の磁気記録媒体である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、強磁性金属粉末を結合剤中に分散した磁性層を設けた磁気記録媒体において、強度が高くて伸びやすい強靱な磁性層が、硬度が大きなポリウレタン樹脂を用いて実現することを見出したものであり、ポリウレタン樹脂をポリエーテルポリエステルウレタン樹脂と併用することによって高強度で伸びが大きな磁性層が得られるものである。
ポリウレタン樹脂を塩化ビニル共重合体等とを併用して用いることは従来から良く知られていたことであるが、ポリウレタン樹脂とポリエーテルポリエステルウレタン樹脂とを併用することによって、ポリウレタン樹脂を塩化ビニル共重合体等と併用した結合剤を用いた磁性層に比べて極めて大きな強度を有する磁性層を有する磁気記録媒体が得られることを見いだしたものである。
【0016】
本発明のポリウレタン樹脂とポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂とを併用することによって、高強度で伸びやすい磁性層が得られる理由は明確ではないが、本発明のポリウレタン樹脂は環状構造を有することにより、Tgが高く、強度が大きく、それとともに、エーテル結合を有しているので、ポリウレタン樹脂がポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂とが相互に相溶性が高くなるものとみられる。
【0017】
本発明の磁気記録媒体の磁性層に用いる結合剤中のポリウレタン樹脂を、すなわちポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂ではないものをポリウレタン樹脂(A)と称し、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂を、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂(B)あるいはポリウレタン樹脂(B)と称する。
【0018】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(A)は、ポリウレタン中の短鎖ジオールの含有量が20〜40重量%であることが好ましい。20重量%未満であると、力学強度が低下し、耐久性が低下する。また、40重量%を超えると溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下する。また、塗膜がもろくなりやすくもろくなりやすく耐久性も低下する。
【0019】
短鎖ジオールとしては、具体的には、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールP及びこれらのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンオキシドプロピレンオキシド混合付加物が挙げられる。また、好ましくは、水素化ビスフェノールA及びこれらのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物が挙げられる。
短鎖ジオールの分子量(Mw)は、100〜400が好ましく、100未満では、塗膜がもろくなるので耐久性が低下し、400を超えると塗膜のTgが低下し、軟らかくなるので耐久性が低下する。
【0020】
また、ポリウレタン樹脂(A)は、ポリオールの含有量が、5〜45重量%であることが好ましく、さらに好ましくは15〜40重量%である。5重量%未満では溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下する。また、45重量%以上であると塗膜強度が低下するので耐久性が低下する。
ポリオールには、具体的にはビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールPこれらのポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド付加物、ポリエチレンオリプロピレン混合付加物等のジオールが挙げられ、好ましくは、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA及びこれらのエチレンオキド、プロピレンオキシド付加物であるジオールが挙げられる。ジオールの分子量(Mw)は、500〜5000であることが好ましく、5000以上であると塗膜のTgが低下し、軟らかくなるので耐久性が低下する。
【0021】
ポリウレタン樹脂(A)の分子量(Mw)は、30,000〜70,000であることが好ましく、さらに好ましくは40,000〜60,000である。30,000未満であると塗膜強度が低下し、耐久性が低下する。また、70,000を超えると溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下する。
ポリウレタン樹脂(A)中のOH基含有量は、2個/分子〜20個/分子であることが好ましく、更に好ましくは3個/分子〜15個/分子である。3個/分子未満であるとイソシアネート硬化剤との反応性が低下するために塗膜強度が低下し、耐久性が低下する。また、15個/分子以上であると溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下する。
【0022】
ポリウレタン樹脂(A)のガラス転移温度Tgは、50〜200℃が好ましく、更に好ましくは80〜150℃であり、100〜130℃であることがよりこのましい。50℃未満であると高温での塗膜強度が低下するので耐久性、保存性が低下する。また、200℃を超えるとカレンダー成型性が低下し、電磁変換特性が低下する。
【0023】
また、ポリウレタン樹脂(A)中には、極性基を含有していることが好ましく、極性基としては、−SO3M、−OSO3M、−PO32、−COOM(ここで、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩を示す)が好ましく、更に好ましくは−SO3M、−OSO3Mである。ポリウレタン樹脂中の極性基含有量は、1×10-5〜2×10-4eq/gであることが好ましく、1×10-5未満であると磁性体への吸着が不十分となるので分散性が低下する。2×10-4以上であると溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下する。
【0024】
ポリウレタン樹脂(A)と併用するポリウレタン樹脂(B)は、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを含む原料によって製造するものであるが、ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびビスフェノールAにプロピレンオキシドもしくはエチレンオキシドの少なくともいずれか一方を付加したもの、およびこれらの混合物が選ばれる。これらのうち、好ましくは、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールである。また、分子量は、500〜5000であることが好ましく、500未満であるとエーテル基濃度が減少するのでポリウレタン(A)との相溶性が低下し、耐久性が低下する。また、5000を超えると高温での塗膜強度が低下して耐久性が低下する。
【0025】
ポリエステルポリオールとしては、その酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)エトキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等を挙げることができる。
またポリエステルポリオールのアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAあるいはそのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびプロピレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0026】
これらのうち、低温での塗膜強度が高い環状構造や分岐状構造を持つものが好ましく、酸成分としてはイソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、またアルコール成分としては、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、あるいはビスフェノールA、水素化ビスフェノールAおよびそれらのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物が好ましい。
また、ポリエステルポリオールは、分子量が500〜5000のものが好ましく、500未満であるとウレタン基の濃度が高くなるので溶剤溶解性が低下するので好ましくなく、5000を超えるとポリオールの溶剤への溶解性が低下し、合成しにくくなるので好ましくない。
【0027】
また、ポリウレタン樹脂(B)の力学物性は、降伏応力が2Kg/mm2以上で破断伸びが100%以上であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、低温側が−85℃〜0℃、高温側が40℃〜200℃の2つを持つことが好ましく、低温側が−50℃〜−5℃、高温側が70℃〜150℃であることがより好ましい。低温側のTgが−85℃以下となると、塗膜が粘着しやすく耐久性が低下する。また低温側のTgが0℃以上となると、塗膜の靱性が低下するので耐久性が低下する。
高温側のTgが40℃以下となると、高温での塗膜強度が低下し、耐久性の効果が不充分となり、高温側のTgが200℃以上となると、カレンダー成型性が低下し、塗膜の平滑性が低下するので電磁変換特性が低下する。
【0028】
本発明の磁気記録媒体の結合剤には、ポリウレタン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の比が、重量比で(A)/(B)=3/7〜7/3であることが好ましい。ポリウレタン樹脂(A)の比が7/3よりも多くなると塗膜が脆くなりやすく、繰り返し走行での耐久性が低下しやすい。一方、ポリウレタン樹脂(A)の比が3/7よりも小さくなると高温での塗膜強度が低下しやすくなり、耐久性が低下する。
ポリウレタン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)は、塗布液の混練工程、分散工程で添加することが好ましい。更に好ましくは混練工程である。分散工程で添加すると、磁性体への吸着が不充分となりやすいので分散性が低下するとともに、塗膜の強度も低下する。
【0029】
また、本発明の結合剤中には有機ジイソシアネートを含有させることができる。有機ジイソシアネート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。
磁性層に含まれるポリイソシアネート化合物は、結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%の範囲である。
【0030】
また、電子線照射による硬化処理を行う場合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結合を有する化合物を使用することができる。
樹脂成分と硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉末100重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重量部である。
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でSBET 比表面積が40〜80m2 /g、好ましくは50〜70m2 /gである。結晶子サイズは12〜25nm、好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等が挙げられ、金属成分の20重量%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造することができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
【0031】
上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末を、通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。
なお、磁性塗料中には、上記成分以外に、α−Al23 、Cr23 等の研磨材、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分散材など通常使用されている添加剤あるいは充填剤を含むものであってもよい。
次に本発明が多層構成の場合における下層非磁性層または下層磁性層について説明する。本発明の下層に用いられる無機粉末は、磁性粉末、非磁性粉末を問わない。例えば非磁性粉末の場合、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタンである。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の平均粒径は0.01μm〜0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。
【0032】
これらの非磁性粉末の表面にはAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2,SnO2,Sb2O3,ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、であるが、更に好ましいのはAl2O3、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0033】
下層にカ−ボンブラックを混合させて公知の効果であるRsを下げることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。このためにはゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用カーボンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カ−ボンブラックの平均粒径は5nm〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カ−ボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。本発明に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化学社製、#3050B,3150B,3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B,#970B、#850B、MA−600、コロンビアカ−ボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
【0034】
本発明の下層にはまた、磁性粉末を用いることもできる。磁性粉末としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする合金、CrO2等が用いられる。特に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本発明の下層に用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性粉末と同様な組成、性能が好ましい。ただし、目的に応じて、上下層で性能を変化させることは公知の通りである。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低く設定することが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層のそれより高くする事が有効である。それ以外にも、公知の重層構成を採る事による利点を付与させることができる。
【0035】
下層磁性層または下層非磁性層のバインダー、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層のそれが適用できる。特に、バインダー量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
以上の材料により調製した磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成する。
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、などを行っても良い。また本発明に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないことがこのましい。
【0036】
本発明の磁気記録媒体の製造方法は例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布液を塗布する。ここで複数の磁性塗料を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。
塗膜の厚みは、一層の磁性層を有する場合、0.05〜5μmが好ましい。さらに好ましくは1〜3μmである。また、複数の磁性層を有する場合は、最上層の磁性層の厚みは、0.05〜1.5μmが好ましい。さらに好ましくは、0.07〜1μmである。塗膜全体の厚みは、1.0〜3.0μmが好ましい。さらに好ましくは1.5〜2μmである。
【0037】
上記磁性塗料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。 これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0038】
本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに特公平1-46186号公報、特開昭60-238179号公報、特開平2-265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層を塗布する。
(2)特開昭63-88080号公報、特開平2-17971号公報、特開平2-265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2-174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0039】
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
なお、非磁性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0040】
塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した後に乾燥される。
このようにして乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
【0041】
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの範囲であり、好ましくは200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0042】
本発明のポリウレタン樹脂(A)は、一般に用いられているポリウレタン樹脂に比べてポリオール含量が少なく、短鎖ジオール成分を多く含むので従来のポリウレタン樹脂に比べて、ハードセグメントが多くなるので高強度、高Tgが得られる。特に高温環境での繰り返し走行などに優れる。さらに、エーテル基を1〜5mmol/g含有するので磁性体への吸着性を向上させて高度な分散性が得られて電磁変換特性が向上できた。これは、エーテル基が1mmol/gより少ないと磁性体への吸着性が低下する一方、エーテル基は親水性であるので5mmol/gよりも多いと溶剤への溶解性を低下させて分散性を低下させてしまうからである。また、本発明のポリウレタンは従来のポリウレタンに比べて、芳香族、脂環族等の環状構造を有する短鎖ジオールを用いているで、特に高温環境での塗膜強度が向上でき、ヘッド汚れなどの耐久性が向上できた。しかし、これらのポリウレタンは、破断伸びが小さくなってしまい塗膜の靱性が低下しやすくなる方向にある。このような塗膜であるとエッジからの磁性層の脱落による耐久性低下が発生しやすい。これを改良するために、ポリエーテル系、脂肪族系などの低Tgのポリマーを併用すると靱性は向上するがTgが低下するので高温での耐久性が低下する。一方、芳香族や脂環族などの環状構造を多くしてTgを向上させようとすると溶剤への溶解性が低下するので高電特と高耐久性の両立が困難であるがポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂を併用することで両立できることを見いだした。本発明は、ポリウレタン樹脂(B)のポリエーテルセグメントがポリウレタン樹脂(A)のポリエーテルセグメントとのみ相溶するので、ポリウレタン樹脂(A)の強度な力学強度を維持したまま、ポリエーテルセグメント周辺で破断伸びも増大できたためと考えられる。これにより塗膜がより強靱となったために耐久性が飛躍的に向上したと考えられる。また、靱性を付与したことでカレンダー工程での塗膜の成型性も向上し、より平滑な塗膜あ形成でき電磁変換特性が向上できた。更に予期せぬ効果として、大きい破断伸びを付与したことでテープ全体のしなやかさが向上し、カッピングが無くなり、巻き取り工程でのしわ発生が減り、工程が安定化するとともにヘッドへのテープの当たりが良くなり電磁変換特性の向上もできた。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。以下の記載の「部」は「重量部」を示し、%は重量%を示す。
ポリウレタン樹脂の合成例
(ポリウレタン樹脂A−1の合成例)
還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換した容器に表1に示したモノマーおよびスルホイソフタル酸ジメチルエステル(DEIS)をシクロヘキサノンとジメチルアセトアミドを50:50の重量比で含む混合溶媒に溶解し、窒素気流下で60℃で溶解した。次いで、触媒として、ジ−n−ジブチルスズジラウレートを使用した原料の総量に対して60ppm加えて溶解した。更に表1に記載の量のMDIを加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0044】
(ポリウレタン樹脂A−1〜A−8、およびB−1〜B−4の合成例)
ポリウレタン樹脂の環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオール等のポリオール、短鎖ジオール、DEIS、MDIを表1に示したものに変えた以外はポリウレタン樹脂A−1と同様に合成した。得られたポリウレタン樹脂の分子量、エーテル基含有量、Tgを表2に示す。
なお、ポリウレタン樹脂A−1〜A−8は、ポリウレタン樹脂(A)であり、ポリウレタン樹脂B−1〜B−4は、ポリウレタン樹脂(B)である。
なお、本発明の環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオールは、それぞれの表において、分子量500〜5000のジオールと記載する。
【0045】
実施例1
強磁性合金粉末(組成:Fe 92%、Zn 4%、Ni 4%、Hc 2000Oe、 結晶子サイズ15nm、BET比表面積59m2/g、長軸径0.12μm、針状比7,σs140emu/g)100部 をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いでポリウレタン樹脂A−1 5部(固形分)、ポリウレタン樹脂B−1 5部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで
研磨剤(Al23)粒子サイズ0.3μm 2部
カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ポリイソシアネート 5部(固形分)
(日本ポリウレタン製コロネート3041)
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層磁性層塗布液を調製した。
【0046】
次いで、酸化チタン(平均粒径0.035μm、結晶型ルチル、TiO2 含有量90%以上、表面処理層;アルミナ、SBET 35〜42m2/g 、真比重4.1、pH6.5〜8.0)85部 をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いでポリウレタン樹脂A−1 5部(固形分)、ポリウレタン樹脂B−1 5部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁性層塗布液を調製した。
次いで、接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのポリエチレンナフタレート支持体の表面に塗布した。次いで得られた非磁性層塗布液を2.0μmに、さらにその直後に上層磁性層用塗布液を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性層が塗布された非磁性支持体を、磁性層塗布液が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を(速度100m/分、線圧300kg/cm、温度90℃)で行なった後8mm幅に裁断した。
【0047】
実施例2〜6、及び比較例1〜8
ポリウレタン樹脂A−1及びB−1を表2に示したポリウレタン樹脂に変更して、磁気記録媒体を作製した。
【0048】
実施例7
上層用磁性層塗布液として、実施例1の磁性層塗布液を用いた。
下層用非磁性層塗布液として、
α−Fe23(平均粒径0.15μm、SBET52m2/g、表面処理Al23、SiO2、pH6.5〜8.0)85部 をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を付加した化合物(SO3Na=6×10-5eq/g、エポキシ=10-3eq/g、Mw 30,000)を7.5部及びスルホン酸含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績製UR8200)10部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁性層塗布液を調製した。
次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのポリエチレンナフタレート支持体の表面に塗布した。次いで得られた非磁性層塗布液を乾燥後の厚さが2.0μmに、さらにその直後に磁性塗料を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗料塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を(速度100m/分、線圧300kg/cm、温度90℃)で行なった後、8mm幅に裁断した。
【0049】
実施例8
上層用磁性層塗布液のポリウレタン樹脂をスルホン酸含有ポリウレタン(東洋紡績製UR8200)とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0050】
【表1】
Figure 0003815748
【0051】
表において記号、略称は以下のとおりである。
BpA−PO(1):ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(分子量600)
BpA−PO(2):ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(分子量1000)
PCL500:ポリカプロラクトンポリオール(分子量500)
PPG600:ポリプロピレングリコール(分子量600)
PPG300:ポリプロピレングリコール(分子量300)
ポリエステル1:イソフタル酸/ネオペンチルグリコール/エチレングリコール=5/5/1(モル比)
ポリエーテル1:ポリプロピレングリコール(分子量2000)
ポリエーテル2:ビスフェノールAエチレンオキシド付加物/ポリテトラメチレングリコール=1/3(モル比)
HBpA:水素化ビスフェノールA(分子量240)
DEIS:スルホイソフタル酸のエチレンオキシド付加物(分子量356)
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
以上のようにして得られた実施例および比較例の磁気記録媒体の特性を下記の測定方法によって測定し、その結果を表2に示す。
【0052】
〔測定方法〕
▲1▼電磁変換特性:試料テープにVTR(ソニー製:TR705)を用いて7MHzの信号を記録し、再生した。比較例1の試料テープに記録した7MHzの再生出力を0dBとしたときの相対的な再生出力を測定した。
▲2▼Ra:デジタルオプチカルプロフィメ−タ−(WYKO製)を用いたる光干渉法により、カットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗さをRaとした。
▲3▼スチル耐久性:40℃80%RH環境下において、▲1▼のVTRを用いてスチル状態で、再生出力が記録信号の30%になるまでの時間(スチル耐久時間)を測定した。
▲4▼繰り返し走行性:60分長のテープを▲1▼のVTRを用いて40℃80%RH環境下で1000回連続繰り返し走行させ、ビデオヘッドの汚れを観察し、走行後のテープエッジの損傷を観察し、磁性層の脱落を観察した。
また、ビデオヘッド汚れについては、目視によって汚れが観察されなかったものを優秀とし、汚れが目視で観察されたものを不良とした。
▲5▼塗膜表面硬度:40℃80%RH環境において、島津製作所製ダイナミック微小硬度計DUH−50を用いて、印加荷重5mg/秒で0.2g荷重まで印加したのち、0.2g荷重時の圧子深さ及び圧子対稜角から求めた。単位は、mg/μm2で示す。
▲6▼カッピング:40cmの長さのテープを23℃50%RH環境で放置した状態で目視観察を行った。磁性層側に丸まったものをカッピングが「あり」とした。
▲7▼磁性層の破断伸び
テープ長100mmの試料片の両端を0.1mm/分の引っ張り速度で延伸しながら、磁性層表面を400倍の顕微鏡で観察して、磁性層表面に5個以上の亀裂が確認された伸度を測定した。
【0053】
【表2】
Figure 0003815748
【0054】
【発明の効果】
本発明の磁気記録媒体は、磁性層の分散性が向上し電磁変換特性が向上し、また、破断伸びが向上したとともに高温での塗膜強度も高いので、特に高温環境でのスチル耐久性、繰り返し走行でのヘッド汚れ、テープ損傷が改良された。更に、予期せぬ効果としてテープのカッピングがなくなった。

Claims (4)

  1. 非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁性微粉末と結合剤を含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記結合剤は少なくともポリウレタン樹脂(A)とポリエーテルポリエステルウレタン樹脂(B)を含み、該ポリウレタン樹脂(A)は環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオールからなるポリオールをポリウレタン樹脂中に0〜50重量%含むとともに、環状構造を有するジオール及びまたは、これらのジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量100〜400の短鎖ジオールを15〜50重量%含み、前記環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオールおよび前記短鎖ジオールから得られたエーテル基をポリウレタン樹脂全体に対して1.0〜5.0mmol/g含むポリウレタン樹脂であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 非磁性支持体上に非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤を含む下層とその上に強磁性粉末と結合剤を含む上層を設けた磁気記録媒体において、前記上層及び/又は下層の結合剤は少なくともポリウレタン樹脂(A)とポリエーテルポリエステルウレタン樹脂(B)を含み、該ポリウレタン樹脂(A)は環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量500〜5000のジオールをポリウレタン樹脂中に0〜50重量%含むとともに、環状構造を有するジオール及びまたは、これらのジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量100〜400の短鎖ジオールを15〜50重量%含み、前記環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加したジオール及び前記短鎖ジオールから得られたエーテル基をポリウレタン樹脂全体に対して1.0〜5.0mmol/g含むポリウレタン樹脂であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 前記環状構造を有するジオールとして下記から選ばれるジオールを用いることを特徴とした請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
    Figure 0003815748
  4. ポリエーテルポリエステルウレタン樹脂(B)がガラス転移温度Tgが−85℃〜0℃と40℃〜200℃の2つをもつことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
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