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JP3807224B2 - パティキュレートフィルタ - Google Patents

パティキュレートフィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばディーゼルエンジンの排気中に含まれる浮遊粒子状物質である煤に代表されるパティキュレートマター(Particulate Matter以下特に断らない限り「PM」という。)の捕集を行うパティキュレートフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンは経済性に優れている反面、排気中に含まれるPMの除去が重要な課題となっている。このため、大気中にPMが放出されないようにディーゼルエンジンの排気系にPM捕集を行うパティキュレートフィルタを設ける技術が周知である(特開平9−262414号公報参照)。
【0003】
このパティキュレートフィルタは、耐熱性金属繊維からなるN枚(Nは二以上の偶数とする)のフィルタ機能を有する不織布と、不織布と同じ枚数備えられ、不織布よりも幅寸法で幾分小さめで、かつ波形の縦断面を呈するが故に一般に波板と称する耐熱性金属板とを基本的に備える。
【0004】
また、パティキュレートフィルタを形成するには、概略次のようにする。
【0005】
不織布の上に波板を同じ向きで一枚ずつ交互に重ね合わせて行き長形状積層材を形成し、その後、長形状積層材をロール巻きして円柱状に形成する(以下、長形状積層材を円柱状に形成したものを「円柱状積層体」という)。
【0006】
なお、円柱状積層体の形状は、波板の有する剛性によりその円柱形状が維持される。すなわち波板は円柱状積層体の骨材として機能する。
【0007】
そして、当該円柱状積層体は、その半径方向において隣接し合う不織布同士の先端を溶接によって閉塞する目留め部と、同じく隣接する不織布同士の先端を開放したままにする非目留め部とが交互に形成される。
【0008】
詳述すると、円柱状積層体をその一端側から見たときに不織布の間に位置する波板が不織布によって閉塞されて見えない目留め部と、開放されている故、前記波板が見える非目留め部とに交互に形成してある。そして、他端側でも目留め部と非目留め部とを交互に形成してある。しかし、一端側と他端側とでは、目留め部と非目留め部の形成箇所が異なる。
【0009】
すなわち、円柱状積層体の一端側で目留めのされた隣接する一組の不織布同士については他端側では目留めをせず、一端側で目留めのされなかった別に隣接する一組の不織布同士については他端側で目留めを行う。
【0010】
その結果、前記円柱状積層体には、不織布で囲繞された一端閉鎖他端開放の空間内に波板を入れた部位(以下「層部」)が幾層にも旋回状態で形成される。そして、このような円柱状積層体を、排気通路の内径とほぼ同径で両端が開口した耐熱性金属製容器に入れ、この耐熱性金属製容器の内面と前記円柱状積層体の外周面とをそれらの適所で溶着し、これにより前記耐熱性金属製容器に前記円柱状積層体が固定されてパティキュレートフィルタが形成される。なお、振動に対する耐久性を確保するため、円柱状積層体と耐熱性金属容器との間には極力隙間が無いように形成されている。
【0011】
また、不織布と波板との接合には溶着、ろう付け、または拡散接合が用いられている。拡散接合とは、接合しようとする2つの金属、すなわち不織布および波板を重ね合わせ、加圧した状態で適切な温度に加熱保持して接合することをいう。
【0012】
そして、排気通路をパティキュレートフィルタに取り付けた状態において、排気通路をパティキュレートフィルタに向けて流れてきた排気は、不織布のうち排気上流側の非目留め部から、前記層部内に入り、その後、排気通路の下流に向けて流れる。この層部内の下流側は、溶接によって目留めがされており、当該部分では不織布の繊維同士の間にできる極微少隙間が閉ざされている。したがって、行き場の無くなった排気は、下流側で目留めがされた層部から、この層部に隣接しかつ下流側が非目留め部である別の層部に向けて流入する。その際、不織布の極微少隙間にPMを捕集し、これにより排気からPMを除去する。
【0013】
PMが除去されて前記別の層部に流入した排気は、前記別の層部にあってはその下流側が非目留め部であって開放されているため、その後、大気中に放出される。
【0014】
一方、前記パティキュレートフィルタによるPMの捕集量が多くなると、フィルタの目詰まりが起きることがある。この目詰まりは不織布の極微少隙間が捕集されたPMによって閉塞されることにより発生する。目詰まりが発生すると、排気がフィルタを通過するときの抵抗が増大して、排気通路内の排気の圧力が増大し、この圧力でフィルタが毀損する虞れがある。
【0015】
フィルタに捕集されたPMは、内燃機関が高回転高負荷の状態では、排気温度が高いために排気の熱で燃焼減量されるが、内燃機関が低回転低負荷の状態では、排気温度が低いためにPMは燃焼するに至らず不織布に堆積することとなる。
【0016】
そこで、捕集されたPMを排気熱や電気ヒータ熱等の利用により定期的に燃焼減量し、これにより目詰まりを防止し、パティキュレートフィルタによるPM捕集に支障がでないようにする技術が公知である。これをパティキュレートフィルタの再生という。
【0017】
また、前記パティキュレートフィルタは、波板及び不織布の表面に触媒を坦持させることで、PMの捕集以外にHC、CO等の浄化も行うことができる。このようにすると、パティキュレートフィルタと触媒コンバータの一体化が実現でき、触媒コンバータを別途設置する必要をなくすことができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PMを減量するために燃料噴射や、排気絞り弁等により排気の温度を上昇させる方法を用いると燃費の悪化や加速性能の悪化を招き、また、電気ヒータ等を利用してフィルタを直接加熱する方法を用いると、フィルタ内部が均等に加熱されない等の問題が起こり、さらには装置の大型化、複雑化を招くことになる。
【0019】
一方、不織布に触媒を坦持させHC、CO等の浄化を行うには、排気と不織布との接触面積を増大させることが不可欠となり、このため不織布の表面に多孔質物質等を付着させることが行われている。しかし、不織布に多孔質物質等を付着させる過程で不織布の空隙に多孔質物質等が入り込み空隙を狭めたり閉塞させたりすることがある。
【0020】
すると、内燃機関から排出された排気が空隙を通過するときの抵抗が大きくなり、フィルタ上流側の排気の圧力が上昇するとともに、不織布にこの排気の圧力が印加されることとなり、不織布の変形や毀損を誘発する虞れがある。
【0021】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、外部からの加熱によらずとも触媒の酸化反応熱によりPMを燃焼して、不織布の目詰まりを防止し、パティキュレートフィルタの変形、毀損等を防止する技術を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のパティキュレートフィルタは、前記課題を解決するために次の手段を採用する。
【0023】
即ち、内燃機関の排気通路に設けられ排気中に含まれるパティキュレートマターを捕集するパティキュレートフィルタにおいて、
金属からなり酸化触媒が担持されない不織布と、
表面に酸化触媒が坦持された金属板と、
を具備し、
前記不織布が往復するように複数回折曲させ、前記排気通路の上流に向かって開放する上流開放部及び下流側で閉塞する下流閉塞部を有する袋状の上流側開放袋状部と、
下流に向かって開放する下流開放部及び上流側で閉塞する上流閉塞部を有する袋状の下流側開放袋状部と、
が複数形成され、前記上流側開放袋状部を構成する前記不織布に接触しつつ前記金属板が設置され該金属板に担持される酸化触媒における酸化反応により前記不織布の温度を上昇させることを特徴とする。
【0024】
また、本発明においては、前記下流側開放袋状部を構成する前記不織布に接触しつつ前記金属板を設置することができる。
【0025】
ここで、「不織布」は、糸の形態を経ずに、繊維シートを機械的・化学的・熱的に処理し、接着剤や繊維自身の融着力で接合して作られる布である。
【0026】
金属板には剛性の高い例えば波板を用いるのが好適である。
【0027】
このように構成されたパティキュレートフィルタにおいては、金属板に坦持された触媒により排気中の一酸化炭素CO、炭化水素HC、SOF(Soluble Organic Fraction:可溶な有機的留分)の酸化反応が起こり、金属板の温度が上昇する。金属板に接触している不織布は金属からなり、熱伝導性が高いので金属板の酸化反応で発生した熱が不織布全体に伝熱し、不織布全体の温度が上昇する。また、金属板に坦持された触媒の酸化反応熱により、排気の温度も上昇するので、この温度上昇した排気が不織布を通過することによっても不織布の温度が上昇する。
【0028】
この酸化反応熱により内燃機関が低回転低負荷時の排気温度が低いときにも、煤が燃焼する温度まで不織布の温度を上昇させ、煤を減量することができる。
【0029】
また、金属板にのみ触媒を坦持させるので多孔質物質等の付着による不織布の目詰まりを防止することができる。
【0030】
更に、下流側開放袋状部にも上流側開放袋状部と同様に酸化触媒を坦持した金属板を接触しつつ設置すると、上流側開放袋状部の内側に設置された金属板で酸化反応しなかった排気中の一酸化炭素CO、炭化水素HC、SOFの酸化反応を起こすことができ不織布の温度をより上昇させることができる。
【0031】
このように、不織布及び金属板は高温となるため、使用する材料には耐熱性に優れた金属を用いるのが好適である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面に基づいて説明する。
[第1の実施の形態]
図1aは、本実施の形態に係るパティキュレートフィルタ1を排気通路7の上流側から見た図、また図1bは、フィルタ1を排気の流通方向に切断したときの断面図である。
【0033】
パティキュレートフィルタ1は、例えばディーゼルエンジンの排気通路7に設置され、排気中に含まれる浮遊粒子状物質である煤に代表されるPMの捕集を主として行う捕集器である。
【0034】
フィルタ1は、耐熱性金属繊維からなる不織布5、耐熱性金属からなる波板2、金属製内筒3、金属製外筒4から構成される。
【0035】
不織布5は、排気通路7の上流に向かって開放している上流側開放端5a及び下流側で閉塞する下流側閉塞端5bを有する上流側に開放した上流側開放袋状部5cと、下流に向かって開放する下流側開放端5d及び上流側で閉塞する上流側閉塞端5eを有する下流側に開放した下流側開放袋状部5fと、が交互に形成されるように複数回折曲され内筒3内側に接合される。
【0036】
ここで折り曲げられた部分は、不織布5を折曲してできる明確な節目に限らず、折り目のない状態で折り曲げることによってある程度の幅をもってできる側部を包含する。
【0037】
波板2は、上流側開放端5a及び下流側閉塞端5bを構成する不織布5の折り曲げ幅に合わせて波の高さが形成される。波板2は、波の山及び谷の頂点が不織布5と接触し、且つ、波板2の波の波長方向が上流側開放端5aを構成する不織布5の折り目と平行になるように上流側開放袋状部5cに狭入される。
【0038】
波板2には例えば板厚0.05mmのFe−Cr−Al合金が利用でき、平面板を複数回折曲して複数の波形断面を有するように形成されている。
【0039】
この波板2の表面には、アルミナのスラリーを塗布または浸漬して数μm乃至数十μmの厚さからなる酸化触媒坦持層を形成し、坦持層に白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh等の酸化触媒金属が坦持される。
【0040】
坦持された酸化触媒は、排気中に含まれる一酸化炭素CO、炭化水素HC、SOFを酸化する働きを有する。
【0041】
不織布5は、耐熱性金属からなり、不織布5の繊維相互間には例えば70パーセント程度の空隙があり、この空隙を内燃機関から排出された排気が通過する。
【0042】
前記空隙は排気に含まれる煤等の大きさよりも小さいため、排気中に含まれる煤等の微粒子は空隙を通過できずに不織布に捕集される。
【0043】
この不織布5にも白金等の酸化触媒を坦持させるとHC、CO等の浄化を行うことが可能となる。しかし、このときに不織布5に何等の加工も施さずに単に酸化触媒を坦持させるだけでは、不織布5と排気との接触面積が小さく十分な排気浄化の効果を得ることはできない。そこで、排気との接触面積を増大させることが必要不可欠となり、このため不織布5の表面にアルミナ等の多孔質物質をコーティングさせる必要がある。しかし、アルミナをコーティングさせる過程で不織布5の空隙にアルミナが入り込み空隙を狭めたり閉塞させたりすることがある(図3参照のこと)。そこで、本実施の形態では、不織布5には酸化触媒を坦持させずに波板2のみに多孔質物質であるアルミナのコーティングを施し、酸化触媒を坦持させることとした。
【0044】
内筒3はフェライト系ステンレス鋼からなり、両開口端を有する円形筒状で内部に不織布5が接合される。
【0045】
排気通路7は円形の中空管からなり、外側に張り出した継手個所7aを有し、排気通路7同士がこの継手個所7aで継ぎ合わされている。
【0046】
外筒4は両開口端を有する円形筒状で、一端に外側に張り出したフランジ4aが形成されている。この外筒4の外径は排気通路7の継手個所7aにおける内径よりも若干小さく外筒4は排気通路7に内嵌される。
【0047】
一方、上流側開放袋状部5cは複数存在し、上流側開放端5aにおける不織布5の折り目方向の長さが夫々異なるため、必要とされる波板2の波の波長方向の長さが異なる。そこで、この長さに合わせて形成された波板2を上流開放袋状部5c毎に用意する必要がある。そして総ての上流側開放袋状部5cに波板2を狭入する。
【0048】
このように波板2を不織布5に接触させつつ設置すると、波板2に坦持された酸化触媒による酸化反応熱が不織布5に容易に伝熱するようになり、波板2の温度の上昇とともに不織布5の温度も上昇することとなる。
【0049】
また、内筒3の外径は外筒4の内径よりも若干小さく、内筒3は外筒4に内嵌される。そして、外筒4と内筒3との外周を溶着して接合することにより、排気が不織布5を通らずに内筒3と外筒4との間隙を通過して大気中へ放出されることを防止している。
【0050】
また、フィルタ1を通過する排気が総て不織布5の空隙間を通過しなければ排気中の煤等を大気中へ放出することになる。そこで、不織布5の周囲を内筒3内側に溶着させ、排気通路7を流れる排気は総て不織布5の空隙を通過させるようにしている。
【0051】
外筒4は、フランジ4aが形成されていない他端を継手個所7aよりも上流側に向けて排気通路7に内嵌され、継ぎ手箇所7aでフランジ4aが挟持される。フランジ4aと継手個所7aとの間には断熱性の高いセラミックファイバーシート6が挟入され、フィルタ1の熱が排気通路7に伝熱しフィルタ1の温度が低下することを防止している。
【0052】
このようにして波板2に触媒を坦持させると、パティキュレートフィルタと触媒コンバータの一体化が実現でき、触媒コンバータを別途設置する必要をなくすことができる。
【0053】
また、酸化触媒の酸化反応熱によりフィルタに付着した煤等を燃焼することもできるため、煤等の減量を目的とする燃料増加や電気ヒータ等の加熱手段の必要もなくなる。
【0054】
次に、このような構成の実施の形態に係るパティキュレートフィルタ1の作用効果を述べる。
【0055】
内燃機関から排出された排気中にはPMと呼ばれる粒子状物質が含有されている。このPMは、煤等の不溶分または未燃燃料成分等の可溶分(SOF)からなる。ここで、SOFは煤等に比較し、酸化・燃焼温度が例えば200℃程度低いことが知られている。
【0056】
排気がフィルタを通過するときに、排気中に含まれるPMは不織布5によって捕集され、PMは不織布5の表面又は内部に堆積することになる。不織布5に多量のPMが堆積すると、不織布5の空隙はPMにより狭められ、ついには閉塞されてしまい、排気がフィルタ1を通過するときの抵抗が増大される。すると内燃機関から排出された排気は行き場がなくなり、不織布5上流の排気通路7内の排気の圧力を増大させる。この圧力によりフィルタ1の変形や毀損が誘発されることがある。
【0057】
従って、フィルタ1が目詰まりを起こす前にこのPMを減量する必要が生じる。PMを減量する方法の一つに、内燃機関の出力とはならない排気行程等に燃料噴射を行い、この燃料を燃焼させることにより排気を高温にして不織布5に堆積したPMを燃焼減量する副噴射(ポスト噴射)が知られている。しかし、この方法では例えば600℃近傍の高温の排気を不織布5に数十秒間送ることが必要とされるが、実走行中にこの状態を維持することは困難である。
【0058】
また、他には電気ヒータ等によりフィルタ1を直接加熱する方法も知られているが、ヒータ等の設置により装置が大型化したり、フィルタ1内部を均等に加熱できない等の問題がある。
【0059】
そこで、本実施の形態に係るフィルタ1においては、波板2の表面に酸化触媒である白金を坦持させ、その酸化反応熱で不織布5の温度を上昇させPMが燃焼減量されるようにした。
【0060】
折曲により袋状となった上流開放袋状部5cに設置された波板2には、上流側開放端5aが排気通路7の上流を向いてい開口している。このために、不織布5を通過する前の排気が波板2に接触することとなる。排気中に含まれるHC、CO、SOFは波板2に坦持された酸化触媒により酸化され酸化反応熱を発生する。この酸化反応熱は波板2及び排気に伝熱し、夫々の温度を上昇させる。温度が上昇した排気はそのまま下流の不織布5へ向かって流れ、不織布5の空隙を通過し大気中へ放出される。この排気が不織布5の空隙を通過するときに、排気の熱が不織布5に伝熱し不織布5の温度が上昇する。
【0061】
また、温度の上昇した波板2には不織布5が接触しているため、波板2の熱が不織布5に効率よく伝熱する。不織布5は金属繊維からなり熱伝導率が大きいために、熱伝導により不織布5全体の温度が上昇する。また、不織布5に伝熱した熱はさらに内筒3、外筒4へと伝熱するが、外筒4のフランジと排気通路7との結合部には断熱材であるセラミックファイバーシート6が挟持されており、熱が排気通路7へ伝熱してフィルタの温度が低下することを防止している。
【0062】
このように不織布5の温度が上昇すると、堆積しているPMは高温のために燃焼し減量される。
【0063】
尚、SOFが酸化触媒により酸化、燃焼する温度は、煤のそれよりも例えば200℃程度低いため、SOFの酸化、燃焼による温度上昇を煤の酸化、燃焼に利用することができる。
【0064】
以上のように、本実施の形態では、PMを燃焼させるために燃料噴射や排気絞りによる負荷の増大等を用いずに排気の温度を上昇させているため、燃費や加速性能を悪化させることがない。そして、車両が例えば40km/h程度の低速、軽負荷で走行中の排気の温度が低い(例えば270℃〜300℃)ときでも、不織布温度を再生可能領域(例えば430℃以上)にまで上昇させることができ、不織布5に捕集された煤を燃焼させ減量させることができる。
【0065】
また、波板2に坦持された酸化触媒により内燃機関から排出されるHC、COを浄化することができる。
【0066】
さらに、波板2は不織布5に挟持され、不織布5と接触しているので、波板2の酸化反応熱による加熱はヒータ等によるフィルタ1外部からの加熱に比べ、不織布5を均等に且つ迅速に加熱することができる。そのため、内燃機関始動直後においても不織布5を早期に昇温させ、煤を早期に減量することができる。
【0067】
また、図2は車両の走行状態と不織布5の温度との関係を表したものであるが、車両が減速等をして内燃機関が低回転低負荷のときの排気温度が低い状態になると、今度は不織布5の熱が排気に伝熱し、一般には不織布5の温度も低下してしまう。しかし、触媒を坦持した波板2を配置することにより、酸化反応熱が不織布5に伝熱し不織布5の温度を高温のまま保持することができる。
【0068】
以上の効果によっても煤を完全に減量できない場合は、例えば80〜100km/hで走行中の軽負荷時に、内燃機関の排気行程で燃料を噴射して排気温度を上昇させるポスト噴射を併用すれば少量の燃料で堆積した煤を減量させることができる。
[第2の実施の形態]
この実施の形態では、第1の実施の形態に加え図4に示されるように、排気通路7の下流側に開口した下流側開放袋状部5fにも、酸化触媒を坦持した波板2を第1の実施の形態同様に狭入するものである。こうすると、上流側の波板2で酸化しなかったHC、CO、SOFが下流側の波板2で酸化されることになるので排気の浄化率を向上させることができる。さらに、下流側の波板2で発生した酸化反応熱が不織布5へ伝熱するので、より早期に不織布5を昇温させ、煤を減量させることができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明に係るパティキュレートフィルタによれば、触媒の酸化反応熱によりフィルタ内に堆積した煤を燃焼し減量することができる。
【0070】
また、金属板に触媒を坦持しているために排気中の一酸化炭素CO、炭化水素HCを減量することができる。
【0071】
不織布と金属板とを接触させているため、電気ヒータ等の外部からの加熱に比べ均等にかつ迅速に不織布を昇温することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るパティキュレートフィルタを排気通路上流から見た図である。図1(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るパティキュレートフィルタを排気の流通方向に切断して示す断面図である。
【図2】運転状況による不織布温度の変化を示す図である。
【図3】不織布の間隙に付着したアルミナを示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るパティキュレートフィルタを排気の流通方向に切断して示す断面図である。
【符号の説明】
1 パティキュレートフィルタ(捕集器)
2 波板
3 内筒
4 外筒
5 不織布
6 セラミックファイバーシート
7 排気通路

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ排気中に含まれるパティキュレートマターを捕集するパティキュレートフィルタにおいて、
    金属からなり酸化触媒が担持されない不織布と、
    表面に酸化触媒が坦持された金属板と、
    を具備し、
    前記不織布が往復するように複数回折曲させ、前記排気通路の上流に向かって開放する上流開放部及び下流側で閉塞する下流閉塞部を有する袋状の上流側開放袋状部と、
    下流に向かって開放する下流開放部及び上流側で閉塞する上流閉塞部を有する袋状の下流側開放袋状部と、
    が複数形成され、前記上流側開放袋状部を構成する前記不織布に接触しつつ前記金属板が設置され該金属板に担持される酸化触媒における酸化反応により前記不織布の温度を上昇させることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
  2. 前記下流側開放袋状部を構成する前記不織布に接触しつつ前記金属板が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のパティキュレートフィルタ。
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