JP3805221B2 - 歪み補償装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば異なる周波数を有する複数のキャリア信号から成る送信信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する歪み補償装置や、このような歪み補償装置を備えた増幅装置や、このような増幅装置を備えた基地局装置や中継増幅装置などに関し、特に、それぞれの周波数を有するキャリア信号に対応して周波数特性の影響を低減させることで歪み補償の精度を向上させることなどを実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば広帯域符号分割多元接続(W−CDMA:Wide band-Code Division Multiple Access)方式を移動通信方式として採用する移動通信システムに備えられた基地局装置(CDMA基地局装置)では、物理的に遠く離れた移動局装置(CDMA移動局装置)の所まで送信した無線信号を到達させる必要があるため、送信対象となる信号を増幅器(アンプ)で大幅に増幅して送信出力することが必要となる。
【0003】
しかしながら、増幅器はアナログデバイスであるため、その入出力特性は非線形な関数となる。特に、飽和点と呼ばれる増幅限界以降では、増幅器に入力される信号の電力が増大しても出力される信号の電力がほぼ一定となる。そして、この非線形な出力によって非線形歪みが発生させられる。
【0004】
このため、増幅前の送信信号では希望信号帯域外の信号成分が帯域制限フィルタによって低レベルに抑えられるが、増幅器通過後の信号では非線形歪みが発生して例えば隣接チャネルなどの希望信号帯域外へ信号成分が漏洩する。例えば、基地局装置では上記のように送信電力が高いために、このような隣接チャネルへの漏洩電力の大きさが厳しく規定されており、こうしたことから、このような隣接チャネル漏洩電力(ACP:Adjacent Channel leak Power)をいかにして削減するかが大きな問題となっている。
【0005】
次に、上記のような隣接チャネル漏洩電力を削減するものとして、従来の基地局装置に備えられるプリディストーション技術を用いた歪み補償付き送信電力増幅部の構成例や動作例を示す。
図13〜図16のそれぞれには、プリディストーションによる歪み補償付き送信電力増幅部の構成例を示してあり、以下で、それぞれについて説明する。
【0006】
図13に示した送信電力増幅部では、まず、増幅対象となる送信信号が歪み補償部41に入力されて、当該歪み補償部41により当該信号に対してプリディストーションによる歪み補償特性の歪みが与えられ、その後、当該信号が送信電力の増幅部42により増幅されて出力される。
【0007】
ここで、歪み補償特性としては、例えば増幅部42で信号を増幅する際に発生する振幅−位相平面における非線形特性の逆特性が用いられ、一般的には、入力信号の電力を指標として発生するAM(Amplitude Modulation)−AM変換及びAM−PM(Phase Modulation)変換の逆特性が用いられる。すると、増幅部42に入力される送信信号に対して予め当該増幅部42の非線形特性の逆特性を有する歪みが歪み補償部41により与えられるため、当該送信信号を増幅部42で増幅する際に発生する歪みを補償することができ、これにより、増幅部42から出力される信号は歪みなく入力信号を増幅した信号となる。
なお、歪み補償部41は、例えば歪み補償特性を有するダイオードなどを用いて構成される。
【0008】
図14に示した送信電力増幅部では、増幅対象となる送信信号が歪み補償部51及び電力検出部53に入力されて、当該信号の電力が電力検出部53により検出されて当該検出結果が制御部54に出力され、当該検出結果に基づく歪み補償特性の歪みが歪み補償部51により当該信号に対して与えられるように当該歪み補償部51が制御部54により制御され、また、当該制御部54からの制御信号に従って歪み補償部51により当該信号に対して歪みが与えられた後に、当該信号が増幅部52により増幅されて出力される。
【0009】
ここで、歪み補償部51は、例えば、入力される信号がアナログ信号である場合には、信号を減衰させる減衰器(アッテネータ:ATT)や信号の位相を変化させる位相器を用いて構成され、また、入力される信号がデジタル信号である場合には、デジタル信号の振幅や位相を変化させるベクトル演算器を用いて構成される。
また、電力検出部53により信号の電力を検出する方法としては、例えば包絡線検波を行う方法や、包絡線検波と同等な処理をプロセッサで行う方法などの種々な方法を用いることができる。
【0010】
また、制御部54は、例えばDSP(Digital Signal Processor)を用いて構成され、歪み補償特性の歪みを与えるためのAM−AM変換及びAM−PM変換に関する参照テーブル(LUT:Look Up Table)を有する。そして、制御部54は、例えば、同図に示した送信電力増幅部の入力信号がアナログ信号である場合には、当該入力信号の電力に対応した減衰器の制御情報及び位相器の制御情報などを歪み補償部51に対して出力し、また、当該入力信号がデジタル信号である場合には、当該入力信号の電力に対応した補償ベクトル情報などを歪み補償部51に対して出力する。
【0011】
また、制御部54は、例えば、同図に示した送信電力増幅部の入力信号がアナログ信号である場合には、電力検出部53からアナログ信号として入力される電力検出結果をデジタル化するA/D(Analog to Digital)変換器や、歪み補償部51に対するデジタル制御信号をアナログ化して当該歪み補償部51へ出力するD/A(Digital to Analog)変換器を有する。
【0012】
図15に示した送信電力増幅部では、上記図14に示したものと同様な機能を有する歪み補償部61や増幅部62や電力検出部63や制御部65から成る構成に、フィードバックループを形成する復調部64を備えた構成となっている。この送信電力増幅部では、歪み補償部61及び電力検出部63に入力される送信信号が制御部65にも入力され、また、増幅部62から出力される信号の一部が復調部64に入力されて、当該信号の一部が当該復調部64により直交復調され、当該直交復調結果が制御部65に入力される。
【0013】
また、この送信電力増幅部では、制御部65に入力される送信信号と直交復調結果とが当該制御部65により比較されて増幅部62で発生した歪み成分が検出され、当該検出される歪み成分が小さくなるように参照テーブルの内容が当該制御部65により更新させられる。このような参照テーブルの更新により、例えば経年変化や温度変化により生じる増幅部62の非線形特性の変化に適応することが可能となり、すなわち、アダプティブなプリディストーションを行うことが可能となる。
【0014】
図16に示した送信電力増幅部では、上記図14に示したのと同様な機能を有する歪み補償部71や増幅部72や電力検出部73や制御部75から成る構成に、フィードバックループを形成するフィルタ部74を備えた構成となっている。この送信電力増幅部では、増幅部72から出力される信号の一部がフィルタ部74に入力されて、増幅部72で発生する歪み成分が漏洩する帯域の信号のみが当該信号の一部から当該フィルタ部74により抽出され、当該抽出された歪み成分が制御部75に入力される。
【0015】
また、この送信電力増幅部では、制御部75に入力される歪み成分が小さくなるように参照テーブルの内容が当該制御部75により更新させられる。このような参照テーブルの更新により、例えば経年変化や温度変化により生じる増幅部72の非線形特性の変化に適応することが可能となり、すなわち、アダプティブなプリディストーションを行うことが可能となる。
ここで、フィルタ部74は、例えば、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)やミキサや可変周波数発振器などを用いて構成される。
【0016】
また、以下で、広帯域信号の歪み補償に関する従来の技術例を紹介する。
例えば、特公平7−101819号公報(文献1と言う)に記載された「多周波同時増幅器における歪補償回路」では、周波数の異なる多数の無線周波の入力信号を合成した合成信号を広帯域低歪み増幅器により増幅するに際して、算出したスプリアス成分の周波数の歪み成分を増幅信号から検出し、検出される歪み成分が最小となるように前記合成信号に発生させる歪み成分を制御することが行われている。
なお、後述する本発明との差異の一つとして、この文献1には、入力信号のレベルに基づいて歪み補償を制御する構成については何ら記載されていない。
【0017】
また、例えば、特開2000−223961号公報(文献2と言う)に記載された「フィードフォワード増幅器及びその増幅方法」では、各周波数帯域の信号を各プリディストーション回路により歪み補償し、歪み補償後の各周波数帯域の信号を合成し、合成した信号を主増幅器により増幅するに際して、フィードフォワード方式により主増幅器で発生する歪み成分を検出し、検出した歪み成分を増幅信号から除去することが行われている。
なお、上記と同様に、後述する本発明との差異の一つとして、この文献2には、入力信号のレベルに基づいて歪み補償を制御する構成については何ら記載されていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例で示したように、従来においては、歪み補償付き電力増幅部の種々な構成が検討等されていた。
しかしながら、例えば上記図14〜上記図16に示したような歪み補償の構成では、入力信号が歪み補償部を経て増幅部から出力されるまでの間に存在する周波数特性と、電力検出部に存在する周波数特性との間の差異が原因となって、歪み補償特性すなわち入力信号の電力に対するAM−AM変換及びAM−PM変換が一意に定まらないために、歪み補償性能の限界を制約してしまうといった不具合があった。
【0019】
ここで、図17を参照して、このような不具合を具体的に説明する。
同図には、上記のような周波数特性の例として、歪み補償部に入力される信号の振幅の周波数特性の一例を(a)として示してあり、この場合に増幅部(AMP)から出力される信号の振幅の周波数特性の一例を(b)として示してある。なお、同図中のグラフの横軸は周波数を示しており、縦軸は振幅のゲインを示している。
【0020】
同図に示されるように、例えば歪み補償部に入力される信号の振幅の周波数特性が直線的であっても、増幅部から出力される信号の振幅の周波数特性は直線的にはならずに非線形となってしまう。このような非線形性は、例えば増幅部のドライブアンプや電力増幅器などのような様々な構成要素が有する周波数特性によって発生する。そして、このような非線形性が原因となって、歪み補償部に入力される送信信号の電力と例えば歪みを発生する電力増幅器に入力される信号の電力とが異なってしまい、歪み補償を精度よく行うことができなくなってしまう。
【0021】
特に、W−CDMA方式を採用する基地局装置などでは、増幅部で増幅される送信信号に異なる周波数を有する複数のキャリア信号が含まれる場合があり、このような場合には、増幅対象となる信号の周波数帯域がより一層広くなるため、周波数特性が顕著に現れてしまい、当該周波数特性の影響を除去して歪み補償を精度よく行うことができないといった不具合があった。
なお、同図では、振幅の周波数特性の例を示したが、位相などの周波数特性についても同様な非線形性が発生する。
【0022】
また、上記文献2に記載された「フィードフォワード増幅器及びその増幅方法」では、各周波数帯域の信号を各プリディストーション回路により歪み補償するものと解されるが、この文献2では、このような歪み補償をどのようにして制御すればよいのかといった点については何ら記載されておらず、このような歪み補償を現実に効率的に動作させるためには、当該制御に係る構成などを検討することが必要であった。
【0023】
つまり、この文献2によれば、例えば広帯域の信号に含まれる各周波数帯域の信号毎に複数のプリディストーション部により歪み補償するようなことは考えられたとも解されるが、この場合に、どのようにして各プリディストーション部を制御するのがよいのかについては検討されていなかった。そこで、後述する本発明では、このような点を検討することにより、例えば各プリディストーション部に対応した各周波数帯域の信号毎に電力レベルを検出して制御するのと比べて、これら複数の周波数帯域の信号が結合された信号つまり増幅対象となる信号全体の電力レベルを検出して制御する方が、例えば制御に係る構成を簡易とすることが可能であり、例えば制御に係る構成の実現を容易とすることが可能であり、例えば制御の精度を向上させることも可能であるなどといった考えに到達した。
【0024】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償するに際して、増幅対象となる信号のレベルに基づく制御を行う構成において、歪み補償性能の限界を制約する周波数特性の影響を低減させて、歪み補償の性能を向上させることができる歪み補償装置などを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る歪み補償装置では、次のようにして、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、信号レベル検出手段が増幅対象となる信号のレベルを検出し、歪み補償手段が当該検出結果に基づいて当該信号に含まれる複数の周波数帯域の信号の各周波数帯域の信号毎に歪みを補償する。
【0026】
従って、増幅対象となる信号に含まれる各周波数帯域の信号毎に歪みが補償されるため、例えば増幅対象となる信号が広帯域の信号であっても、周波数特性の影響を低減させて歪み補償を行うことができ、且つ、増幅対象となる信号全体のレベルに基づいて各周波数帯域の信号毎が歪み補償されるため、例えば簡易な構成により歪み補償の精度を確保することができ、これらにより、歪み補償の性能を向上させることができる。
【0027】
なお、例えば複数の周波数帯域の信号が増幅対象となる信号に含まれるような場合には個別の周波数帯域の信号毎に電力などのレベルを検出して歪み補償を行うことは現実的には非常に困難であると考えられ、そこで、本発明では、これら複数の周波数帯域の合成電力などのレベルつまり増幅対象となる信号全体のレベルに基づいて個別の周波数帯域毎の歪み補償を行うこととした。このような本発明の構成においては、増幅器で増幅されるのは増幅対象となる信号全体であることなどに鑑みれば、歪み補償の性能を向上させることが十分に実現される。
【0028】
ここで、周波数帯域としては、例えば幅を有さない周波数帯域、つまり或る一点の値を示す周波数が用いられてもよい。
また、増幅対象となる信号としては、種々な信号が用いられてもよく、本発明は、例えばマルチキャリアの送信信号のように広帯域の信号が用いられるのに適している。
また、増幅対象となる信号としてマルチキャリアの信号が用いられるような場合には、例えば当該マルチキャリア信号の周波数帯域を各キャリアの周波数毎に分割して各分割周波数帯域毎に歪み補償を行うのが好ましいが、例えば分割された1つの周波数帯域の中に複数のキャリアが含まれてもよく、要は、増幅対象となる信号の周波数帯域を分割した各周波数帯域毎に歪み補償が行われればよい。本発明では、増幅対象となる信号の総電力のレベルのように周波数帯域分割されていない状態での信号のレベルを指標として、2以上に分割された各周波数帯域毎に歪み補償が行われる。
【0029】
また、歪み補償装置に入力される増幅対象となる信号の周波数帯域としては、特に限定はなく、例えば無線周波数(RF:Radio Frequency)帯域の信号や、中間周波数(IF:Intermediate Frequency)帯域の信号や、ベースバンド(BB:Base Band)帯域の信号などの任意の周波数帯域の信号が用いられてもよい。
【0030】
また、歪み補償装置に入力される増幅対象となる信号としては、例えば直交変調などが施された或いは施されるようなアナログ信号が用いられてもよく、或いは、例えばI成分及びQ成分の複素信号から成るようなデジタル信号が用いられてもよい。また、これらに対応して、歪み補償としては、例えばアナログプリディストーションのようにアナログ処理が用いられてもよく、或いは、例えばデジタルプリディストーションのようにデジタル処理が用いられてもよい。
【0031】
また、歪み補償を行う方法としては、種々な方法が用いられてもよく、例えば減衰器(ATT)や位相器を用いてアナログ信号に対して振幅歪みや位相歪みを与えるような方法や、例えば複素乗算器を用いて歪み逆特性を有するベクトルをデジタル信号に対して乗算するような方法などを用いることができ、また、例えば歪み補償処理を制御するための情報を固定的に記憶する固定テーブルを用いる方法や、或いは、例えば歪み補償処理を制御するための情報を更新するためのフィードバックループなどを備えてアダプティブプリディストーションを実行する方法などを用いることもできる。
【0032】
また、増幅器としては、種々なものが用いられてもよく、例えば単数の増幅器が用いられてもよく、或いは、複数の増幅器が用いられてもよい。
また、増幅器で発生する歪みを補償する程度としては、当該歪みをゼロに低減させるのが好ましいが、実用上で有効であれば、種々な歪み補償の精度が用いられてもよい。
【0033】
また、信号レベル検出手段により検出するレベルとしては、種々なレベルが用いられてもよく、例えば電力のレベルや振幅のレベルなどを用いることができる。
また、信号レベル検出手段によるレベル検出は、種々な周波数帯域の状態にある信号を用いて行われてもよく、例えばRF帯域やIF帯域やBB帯域などの任意の周波数帯域の信号を用いてレベルを検出することが可能である。
【0034】
また、上記のように、本発明では、増幅対象となる信号には複数の周波数帯域の信号が含まれており、これら各周波数帯域の信号毎に歪みが補償される。このため、例えば増幅対象となる信号全体をまとめて歪み補償する場合と比べて、まとめて歪み補償する周波数帯域の幅が小さくなることにより、歪み補償における周波数特性の影響を低減させることができる。
【0035】
また、信号を増幅する増幅器で発生する歪みは、通常、当該信号のレベルに応じて変化するため、本発明では、当該レベルの検出結果に基づいて歪み補償を行っており、これにより、歪み補償の精度を向上させている。
【0036】
また、本発明に係る歪み補償装置では、一構成例として、次のようにして、歪み補償を行う。
すなわち、周波数帯域分割手段が増幅対象として入力される信号を複数の周波数帯域の信号へ分割し、信号レベル検出手段が増幅対象として入力される信号のレベルを検出し、歪み補償手段は複数のプリディストーション手段とプリディストーション制御手段とを用いて構成されて、複数のプリディストーション手段が周波数帯域分割手段により分割された各周波数帯域の信号毎に歪みを発生させ、これに際してプリディストーション制御手段が信号レベル検出手段の検出結果に基づいて各プリディストーション手段による歪みの発生を制御し、また、周波数帯域結合手段が歪み補償手段により歪み補償された複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する。
【0037】
従って、増幅対象として入力される信号に含まれる各周波数帯域の信号毎にプリディストーションによる歪み補償を行うことができ、また、当該歪み補償後にこれら複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合信号を増幅器へ出力することができる。なお、増幅器では入力される結合信号が増幅され、プリディストーション手段により発生させられた歪み(プリディストーション歪み)と当該増幅器で発生する歪みとが互いに打ち消されることにより、全体として歪みがゼロに或いは小さく低減させられる。
【0038】
ここで、複数の周波数帯域の信号へ分割する場合の当該複数としては、種々な数が用いられてもよく、通常は、当該数が大きいほど歪み補償における周波数特性の影響を小さくすることができると考えられる。
また、複数の周波数帯域の信号へ分割する仕方としては、例えばそれぞれが同じ幅を有する複数の周波数帯域の信号へ分割する仕方などを用いることができる。
また、本発明では、例えば、これら分割された複数の信号を結合して、分割前と同じ周波数帯域を有する信号へ戻すことが行われる。
【0039】
また、複数のプリディストーション手段の当該複数としては、特に限定はなく、例えば前記分割の数と同じ数が用いられる。
また、周波数帯域結合手段から増幅器へ出力される結合信号としては、例えば増幅対象となる信号としてアンテナから無線送信される送信信号が用いられるような場合には、通常は、RF帯域の結合信号が用いられる。
【0040】
また、上記のような本発明に係る歪み補償装置では、例えば周波数帯域結合部において処理対象となる信号の周波数帯域を変換する構成とすることもでき、これにより、各処理部において処理対象となる信号をそれぞれの処理に適した周波数帯域の信号として処理することが可能となる。
一例として、本発明に係る歪み補償装置では、上記のような構成において、周波数帯域結合手段は、歪み補償後信号周波数帯域変換手段により歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域の信号をそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換し、そして、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する。
他の例として、本発明に係る歪み補償装置では、上記のような構成において、周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された複数の周波数帯域の信号を結合し、そして、歪み補償後信号周波数帯域変換手段により当該結合結果を異なる周波数帯域の信号へ変換し、その後、当該変換により得られる信号を増幅器へ出力する。
【0041】
また、本発明に係る歪み補償装置では、他の構成例として、次のようにして、歪み補償を行う。
すなわち、入力信号結合手段が増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号を結合し、信号レベル検出手段が入力信号結合手段による結合結果の信号のレベルを検出し、歪み補償手段は複数のプリディストーション手段とプリディストーション制御手段とを用いて構成されて、複数のプリディストーション手段が増幅対象として入力される各周波数帯域に対応した信号毎に歪みを発生させ、これに際してプリディストーション手段が信号レベル検出手段の検出結果に基づいて各プリディストーション手段による歪みの発生を制御し、また、周波数帯域結合手段が歪み補償手段により歪み補償された複数の周波数帯域に対応した複数の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する。
【0042】
従って、複数の周波数帯域に対応した複数の信号が増幅対象として入力される場合に、これら複数の信号を結合した結合信号のレベルに基づいて歪み補償を制御することができ、また、当該歪み補償後にこれら複数の信号を結合して当該結合信号を増幅器へ出力することができる。
【0043】
ここで、複数周波数帯域に対応した複数の信号としては、例えば互いに異なる周波数帯域の信号が用いられてもよく、或いは、以下に示すように例えば入力される段階において同一の周波数帯域の信号が用いられてもよい。
【0044】
すなわち、本発明に係る歪み補償装置では、増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号が同一の周波数帯域の信号として入力される場合には、入力信号結合手段は、入力される各周波数帯域に対応した信号を入力信号周波数帯域変換手段によりそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換した後に、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合し、また、周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域に対応した信号を歪み補償後信号周波数帯域変換手段によりそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換した後に、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する。
【0045】
従って、例えば信号処理の都合上などから、複数の周波数帯域に対応した複数の信号が同一の周波数帯域の信号として入力される場合において、これら複数の信号を結合した結合信号のレベルに基づいて歪み補償を行うことができ、また、歪み補償後の複数の信号を結合した結合信号を増幅器へ出力することができる。
【0046】
また、複数の周波数帯域に対応した複数の信号として互いに異なる周波数帯域の信号が用いられる場合に、周波数帯域結合部において信号の周波数帯域をアップコンバートなどする構成例を示す。
一例として、本発明に係る歪み補償装置では、増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号がそれぞれ異なる周波数帯域の信号として入力される場合に、周波数帯域結合手段は、歪み補償後信号周波数帯域変換手段により歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域に対応した信号をそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換し、そして、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する。
他の例として、本発明に係る歪み補償装置では、増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号がそれぞれ異なる周波数帯域の信号として入力される場合に、周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域に対応した信号を結合し、そして、歪み補償後信号周波数帯域変換手段により当該結合結果を異なる周波数帯域の信号へ変換し、その後、当該変換により得られる信号を増幅器へ出力する。
【0047】
また、本発明に係る歪み補償装置では、次のようにして、デジタル処理を行う。
すなわち、各プリディストーション手段が歪みを発生させた信号としてI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号を出力し、直交変調手段が各プリディストーション手段から出力されるI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号から直交変調結果となるアナログ信号を生成し、周波数帯域結合手段が直交変調手段により生成される複数のプリディストーション手段に対応した複数のアナログ信号についての結合結果を取得して当該結合結果を増幅器へ出力する。
【0048】
従って、例えば増幅対象として入力される信号がI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号から構成されるような場合においても、デジタル処理により歪み補償を行った後に、当該歪み補償後の結合信号をアナログ信号として増幅器へ出力することができる。
なお、本発明の構成は、例えばコストや回路規模などの実現性の点に関して、特に、デジタルプリディストーションなどを行う歪み補償装置を構成するのに有効なものであると考えられる。
【0049】
ここで、I成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号から直交変調結果となるアナログ信号を生成する仕方としては、例えばI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号をアナログ化した後にアナログ直交変調する仕方や、或いは、例えばI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号をデジタル直交変調した後に当該デジタル直交変調結果をアナログ化する仕方を用いることができる。
【0050】
また、本発明に係る歪み補償装置では、アダプティブプリディストーションの一構成例として、次のようにして、歪み補償を行う。
すなわち、信号復調手段が増幅器から出力される信号から増幅対象となる信号に対応した信号を復調し、また、プリディストーション制御手段は、信号レベルとプリディストーション手段の制御態様とを対応付けて記憶する制御態様記憶手段を有しており、当該制御態様記憶手段の記憶内容に基づいて信号レベル検出手段の検出結果に対応付けられた制御態様により各プリディストーション手段による歪みの発生を制御し、また、当該プリディストーション制御手段は歪み検出手段と制御態様記憶内容変更手段とを有しており、歪み検出手段が増幅対象となる信号と信号復調手段により復調された信号とから増幅器で発生した歪みを検出し、制御態様記憶内容変更手段が当該歪み検出手段により検出される歪みが小さくなるように制御態様記憶手段の記憶内容を変更する。
【0051】
従って、増幅対象となる信号全体のレベルに基づいて当該信号に含まれる各周波数帯域の信号毎に歪み補償を行う構成において、増幅器から出力される信号に含まれる歪みが小さくなるように信号レベルと制御態様との対応付けの内容が変更されるため、例えば経年変化や温度変化などにより増幅器などの非線形特性の変化があったような場合においても、精度のよい歪み補償が行われることを保証することができる。
【0052】
ここで、信号復調に用いられる増幅器から出力される信号としては、通常、増幅器から出力される信号の一部が分配されて用いられ、当該信号の他の部分は増幅信号として後段の処理部などへ出力される。
また、増幅対象となる信号に対応した信号としては、例えば増幅対象となる信号と同じ周波数帯域の信号が復調され、この場合、当該復調信号には増幅器で発生した歪みが含まれる一方、増幅器で増幅される前の増幅対象となる信号には当該歪みが含まれないため、これらに基づいて増幅器で発生した歪みを検出することが可能である。
【0053】
また、制御態様記憶手段としては、例えば情報を記憶するメモリが用いられる。
また、信号レベルとプリディストーション手段の制御態様との対応付けとしては、例えば、信号レベル検出手段により検出される信号レベルと、当該信号レベルが検出された場合にプリディストーション制御手段を制御するのに用いる制御態様とを対応付けたものが用いられる。
【0054】
また、歪み検出手段により検出される歪みが小さくなるようにする態様としては、当該歪みが最小となるようにするのが好ましいが、実用上で有効であれば、他の態様が用いられてもよい。
また、制御態様記憶手段の記憶内容を変更する仕方としては、例えばメモリに記憶された情報の内容を書き換えるような態様が用いられる。
また、このような情報内容を書き換える態様としては、例えば当該情報内容の全部を書き換える態様や、或いは、当該情報内容の一部を書き換えるような態様を用いることもできる。
【0055】
一例として、本発明に係る歪み補償装置では、信号復調手段が各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の信号毎を復調し、歪み検出手段が信号復調手段により復調される各周波数帯域の信号毎に関して増幅器で発生した歪みを検出し、制御態様記憶内容変更手段が信号復調手段により復調される各周波数帯域の信号毎に対応した制御態様記憶手段の記憶内容部分を変更する。
従って、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域毎に対応して制御態様記憶手段の記憶内容部分が変更されるため、より精度の高い歪み補償を実現することができる。
【0056】
ここで、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の信号毎を復調する仕方としては、例えば複数の復調器を用いて各周波数帯域の信号毎を同時に復調するような仕方や、或いは、例えば1つの復調器を用いて各周波数帯域の信号毎を時分割で復調するような仕方を用いることができる。
また、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の信号毎としては、例えば、各プリディストーション手段で処理される周波数帯域と同一の周波数帯域を有する信号が復調されるのが好ましい。
【0057】
また、本発明に係る歪み補償装置では、アダプティブプリディストーションの他の構成例として、次のようにして、歪み補償を行う。
すなわち、歪み抽出手段が増幅器から出力される信号から当該増幅器で発生した歪みを抽出し、また、プリディストーション制御手段は、信号レベルとプリディストーション手段の制御態様とを対応付けて記憶する制御態様記憶手段を有しており、当該制御態様記憶手段の記憶内容に基づいて信号レベル検出手段の検出結果に対応付けられた制御態様により各プリディストーション手段による歪みの発生を制御し、また、当該プリディストーション制御手段は制御態様記憶内容変更手段を有しており、当該制御態様記憶内容変更手段が歪み抽出手段により抽出される歪みが小さくなるように制御態様記憶手段の記憶内容を変更する。
【0058】
従って、増幅対象となる信号全体のレベルに基づいて当該信号に含まれる各周波数帯域の信号毎に歪み補償を行う構成において、増幅器から出力される信号に含まれる歪みが小さくなるように信号レベルと制御態様との対応付けが変更されるため、例えば経年変化や温度変化などにより増幅器などの非線形特性の変化があったような場合においても、精度のよい歪み補償が行われることを保証することができる。
【0059】
ここで、歪みの抽出に用いられる増幅器から出力される信号としては、通常、増幅器から出力される信号の一部が分配されて用いられ、当該信号の他の部分は増幅信号として後段の処理部などへ出力される。
また、歪み抽出手段としては、例えば所定の周波数帯域の信号を抽出するフィルタを用いることができる。
【0060】
また、上記と同様に、制御態様記憶手段の記憶内容を変更する態様としては、例えば当該記憶内容の全部を変更する態様や、或いは、当該記憶内容の一部を変更するような態様を用いることもできる。
【0061】
一例として、本発明に係る歪み補償装置では、歪み抽出手段が各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の歪み毎を抽出し、制御態様記憶内容変更手段が歪み抽出手段により抽出される各周波数帯域の歪み毎が小さくなるように当該各周波数帯域の歪み毎に対応した制御態様記憶手段の記憶内容部分を変更する。
従って、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域毎に対応して制御態様記憶手段の記憶内容部分が変更されるため、より精度の高い歪み補償を実現することができる。
【0062】
ここで、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の歪み毎を抽出する仕方としては、例えば複数のフィルタを用いて各周波数帯域の歪み毎を同時に抽出するような仕方や、或いは、例えば1つのフィルタを用いて各周波数帯域の歪み毎を時分割で抽出するような仕方を用いることができる。
また、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の歪み毎としては、例えば、各プリディストーション手段で処理される周波数帯域の中で増幅対象となる信号と比べて低周波領域側にあって歪み成分が多い周波数帯域の歪みや、或いは、当該信号と比べて高周波領域側にあって歪み成分が多い周波数帯域の歪みなどが抽出されるのが好ましい。
【0063】
また、以上に示したような歪み補償装置は、例えば携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの移動通信システムで用いられる基地局装置や中継増幅装置などに備えられる送信機に適用するのに好適なものである。
一例として、本発明に係る送信機は、移動通信システムで用いられ、以上に示したような歪み補償装置を備え、送信対象となるマルチキャリアの信号を増幅する増幅器で発生する歪みを当該歪み補償装置により歪み補償する。
【0064】
なお、このような送信機で用いられる通信方式としては、種々な通信方式が用いられてもよく、本発明は、例えばW−CDMA方式などのCDMA方式ばかりでなく、TDMA(Time Division Multiple Access)方式やFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式などに適用することも可能なものである。
【0065】
次に、図11を参照して、本発明に係る各周波数帯域毎の歪み補償の一例を具体的に説明する。
なお、ここでは、例えば上記図14などに示したような歪み補償付き送信電力増幅部に本発明を適用した場合を例とする。
この場合、本発明では、例えば、歪み補償付き送信電力増幅部で増幅する送信信号の瞬時的な総電力のレベルを測定或いは計算し、周波数帯域分割された各信号毎の歪み補償特性に基づいて取得される当該総電力レベルに対応した歪み補償のための制御量に従って当該周波数帯域分割された各信号毎に対して減衰器及び位相器の組や或いはベクトル演算器などを用いて歪み補償特性(歪み逆特性)の歪みを与え、その後、当該歪み補償特性の歪みが与えられた複数の信号を結合して増幅部へ出力する。すると、増幅部の出力では、当該増幅部で発生する非線形歪みと前記歪み補償特性の歪みとが相殺されることにより、当該増幅部で発生する歪みが低減させられる。
【0066】
このように、本発明では、送信信号を周波数帯域分割したそれぞれの周波数帯域の信号毎に個別に歪み補償が行われるため、各周波数帯域毎に異なる振幅特性や位相特性や相互変調特性などといった周波数特性の影響を低減させること或いは好ましい態様として除去することができ、これにより、歪み補償の精度を向上させることができる。
【0067】
なお、図1において、増幅部4の出力までの周波数特性が直線的であるとみなすことができる場合には、歪み補償特性はそれぞれの分割周波数帯域で等しくなり、更に、複数の周波数帯域信号に関する加法則が成立することから、各周波数帯域毎に歪み補償された信号を結合すると、図1の増幅部4に入力される信号は、図14の増幅部52に入力される信号と等しくなる。
【0068】
一方、本願発明に係る場合の例として、図1において、増幅部4の出力までの周波数特性が直線的ではなく非直線的である場合には、それぞれの分割周波数帯域の歪み補償を行う機能の間で位相やゲインの特性が異なることが生じ得ることから、それぞれの分割周波数帯域の歪み補償を行う機能毎に個別のAM−AM変換及びAM−PM変換の逆特性が歪み補償特性として用いられる。
【0069】
図11(a)〜同図(d)には、それぞれ異なる分割周波数帯域f1、f2、f3、fn(ここでは、nは4以上の複数を示す。また、f1〜fnは各分割周波数帯域の中心周波数の値を示す。)の歪み補償を行う機能について、AM−AM変換に関する歪み逆特性の一例を示してある。なお、同図(a)〜同図(d)中のグラフの横軸は増幅対象となる送信信号の総電力のレベルを示しており、縦軸は振幅の制御量を示してある。同図(a)〜同図(d)に示されるように、各周波数帯域f1、f2、f3、fn毎に歪み補償に用いる歪み補償特性(歪み逆特性)が異なっており、各周波数帯域f1、f2、f3、fn毎に周波数特性の影響を低減させるのに適した歪み補償特性が用いられる。
【0070】
なお、マルチキャリア伝送では複数の周波数に対応した複数のキャリアの信号を合成した信号を送信し、当該合成信号が増幅対象となり、当該合成信号の電力レベルが上記図11(a)〜同図(d)中のグラフの横軸に示されることとなる。そして、このような合成信号の電力に基づいて、当該合成信号を増幅器で増幅する際に発生する歪みが補償されるように、各分割周波数帯域毎に歪み補償することが行われる。
【0071】
次に、図12を参照して、本発明に係る歪み補償装置に入力される信号の入力時における周波数帯域の態様例を示す。
まず、増幅対象となる信号全体の電力レベルを検出する場合や、歪み補償後の信号を増幅器へ出力するような場合には、例えば同図(a)に示される信号のように、複数の周波数帯域に対応した複数の信号がそれぞれ異なる周波数帯域f1、f2、…、fm(ここでは、mは3以上の複数を示す。また、f1〜fmは各周波数帯域の中心周波数の値を示す。)を有することが必要となる。なお、同図(a)〜同図(d)中のグラフの横軸は周波数(f)を示しており、これらの各グラフでは信号のスペクトルの例を示してある。
【0072】
上記のことに関して、例えば同図(b)に示されるように複数の周波数帯域に対応した複数の信号がそれぞれ異なる周波数帯域f1、f2、f3、…の信号として入力されるような場合には、これら複数の信号を結合することにより同図(a)に示したような信号を得ることができるが、例えば同図(c)に示されるように複数の周波数帯域に対応した複数の信号が同一の周波数帯域f1’(ここで、f1’は周波数帯域の中心周波数の値を示す。)の信号として入力されるような場合には、このまま結合しただけでは同図(a)に示したような信号を得ることができない。
【0073】
そこで、同図(c)に示されるような信号が入力される場合には、例えば同図(d)に示されるように、各周波数帯域に対応した信号毎に異なる周波数帯域へのアップコンバートなどを行って、当該各周波数帯域に対応した信号の周波数帯域をそれぞれ異なる周波数帯域f1’、f2’、f3’、…(ここで、f2’、f3’、…は、f1’と同様に、各周波数帯域の中心周波数の値を示す。)へ周波数変換することが必要となる。なお、例えば増幅対象となる信号としてIF帯域の信号やBB帯域の信号が入力されるような場合には、このような可能性が高いと考えられる。また、それぞれ異なる周波数帯域f1’、f2’、f3’、…としては、種々な周波数帯域が用いられてもよく、例えば0、5、10、15、…[MHz]といった周波数を中心周波数とする周波数帯域や、例えば90、95、100、105、…[MHz]といった周波数を中心周波数とする周波数帯域や、例えば2.1125、2.1175、2.1225、2,1275、…[MHz]といった周波数を中心周波数とする周波数帯域などの任意の周波数帯域を用いることができる。
【0074】
なお、複数の周波数帯域に対応した複数の信号を同一の周波数帯域の状態のままで結合した場合に検出される当該結合信号の電力レベルと、上記のようにそれぞれ異なる周波数帯域へ変換した後に結合した場合に検出される当該結合信号の電力レベルとは、通常、異なる。
【0075】
このように、本来では異なる周波数帯域f1〜fmの信号が歪み補償の段階では同一の周波数帯域の信号として入力されるような場合には、上記のように入力信号結合手段や周波数帯域結合手段に周波数帯域変換手段を備えることが必要となり、逆に、異なる周波数帯域f1〜fmの信号が異なる周波数帯域のまま入力されるような場合には、このような周波数帯域変換手段は必ずしも必要とはならない。
【0076】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
なお、以下の実施例では、本発明に係る歪み補償装置を備えた増幅装置を例として示す。また、以下の実施例で示す増幅装置は、例えばW−CDMA方式を用いて無線通信を行う基地局装置などに備えられて、マルチキャリアの送信信号を増幅部により増幅し、これに際して、当該増幅部で発生する歪みを補償する。
また、以下の実施例では、nは2以上の複数を示すとする。
【0077】
まず、本発明の第1実施例に係る増幅装置を説明する。
図1には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、周波数帯域分割部1と、n個のプリディストーション(PD)部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5と、制御部6とが備えられている。
【0078】
本例では、増幅対象となるマルチキャリアの送信信号が周波数帯域分割部1及び電力検出部5に入力される。
周波数帯域分割部1は、入力される送信信号をn個の周波数帯域f1〜fn(ここで、f1〜fnは各周波数帯域の中心周波数の値を示し、以下も同様である。)の信号へ分割し、分割した各周波数帯域f1〜fnの信号を当該各周波数帯域f1〜fnに対応した各プリディストーション部PD1〜PDnへ出力する。ここで、周波数帯域分割部1は、例えば各周波数帯域f1〜fnの信号を抽出するバンドパスフィルタや、或いは、これと同等な機能を信号処理により実現するプロセッサなどを用いて構成されている。また、好ましい態様として、n個の周波数帯域f1〜fnとしては、例えばマルチキャリアの送信信号に含まれる各キャリアの周波数に対応している。
【0079】
歪み補償部2に備えられた各プリディストーション部PD1〜PDnは、後述する制御部6から入力される制御信号に従って、周波数帯域分割部1から入力される各分割周波数帯域f1〜fnの信号毎に対して歪みを与えることによりプリディストーションによる歪み補償を行い、当該歪み補償後の各分割周波数帯域f1〜fnの信号毎を周波数帯域結合部3へ出力する。
【0080】
周波数帯域結合部3は、歪み補償部2に備えられた複数のプリディストーション部PD1〜PDnから入力される複数の信号を結合し、当該結合信号を増幅部4へ出力する。なお、具体的には、結合信号は、例えば周波数帯域分割部1に入力された信号の周波数帯域と同一の周波数帯域を有しており、本例では、各分割周波数帯域f1〜fnを結合した周波数帯域を有する。ここで、周波数帯域結合部3は、例えばカプラや、或いは、これと同等な機能を信号処理により実現するプロセッサなどを用いて構成されている。
【0081】
増幅部4は、周波数帯域結合部3から入力される結合信号を増幅し、当該増幅信号をアンテナ系(図示せず)などに対して出力する。
また、電力検出部5は、例えば包絡線検波により、入力される送信信号の電力のレベルを検出し、当該検出結果を制御部6へ出力する。
【0082】
制御部6は、例えば電力検出部5から入力される信号電力の検出結果と各プリディストーション部PD1〜PDnを制御するための制御情報とを対応付けて格納する参照テーブルをメモリに記憶しており、電力検出部5から入力される検出結果に対応した制御情報を当該参照テーブルから読み出して、当該制御情報の内容を示す制御信号を各プリディストーション部PD1〜PDnへ出力する。ここで、制御情報としては、例えば当該制御情報に対応付けられた電力の信号が入力される場合に各プリディストーション部PD1〜PDnにより当該信号に対して増幅器で発生する歪みの逆特性の歪みを与えることができるような情報が設定される。
【0083】
なお、本例や上記図1では、説明の便宜上から、制御部6が周波数帯域分割数nと同数であるn個の制御信号のそれぞれを各プリディストーション部PD1〜PDnに対して出力する構成としたが、例えばn個のプリディストーション部PD1〜PDnを制御するための情報を示す1つの制御信号を制御部6から歪み補償部2に対して出力するなどの他の構成が用いられてもよい。
【0084】
以上のように、本例の増幅装置では、異なる周波数を有する複数のキャリア信号が送信信号として入力される場合に、当該送信信号を増幅する増幅部4で発生する歪みを補償するに際して、当該送信信号の電力を指標として、当該送信信号に対して2以上に分割された各周波数帯域毎に歪み補償が行われる。
従って、本例の増幅装置では、送信信号の電力に基づいて各分割周波数帯域の信号毎が歪み補償されることにより、歪み補償の精度を向上させることや、周波数特性の影響を低減させて歪み補償を行うことができる。
【0085】
ここで、本例では、増幅部4を構成する増幅器が歪み補償対象となる増幅器に相当しており、また、電力検出部5の機能により信号レベル検出手段が構成されており、歪み補償部2に備えられた複数のプリディストーション部PD1〜PDnの機能や制御部6の機能により歪み補償手段が構成されている。
また、本例では、周波数帯域分割部1の機能により周波数帯域分割手段が構成されており、周波数帯域結合部3の機能により周波数帯域結合手段が構成されており、複数のプリディストーション部PD1〜PDnの機能により複数のプリディストーション手段が構成されており、制御部6の機能によりプリディストーション制御手段が構成されている。
【0086】
次に、本発明の第2実施例に係る増幅装置を説明する。
図2には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分として、複数のプリディストーション部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5と、制御部6とが備えられており、また、本例では、入力信号結合部11が備えられている。なお、本例の増幅装置では、上記第1実施例の図1に示した周波数帯域分割部1の機能は備えられていない。また、説明の便宜上から、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図1に示したものと同じ符号を付してある。また、図2中の“a1”及び“b1”については後述する他の実施例の説明で用いる。
【0087】
本例の増幅装置では、増幅対象となるマルチキャリアの送信信号がそれぞれのキャリア信号毎に独立に入力される構成であり、具体的には、例えば各周波数帯域f1〜fnの信号毎が当該各周波数帯域f1〜fnに対応した各プリディストーション部PD1〜PDnに入力され、また、これら複数の入力信号が入力信号結合部11に入力される。
【0088】
入力信号結合部11は、例えば周波数帯域結合部3と同様な機能を有しており、入力される全ての信号を結合し、当該結合信号を電力検出部5へ出力する。ここで、入力信号結合部11は、例えばカプラや、或いは、これと同等な機能を信号処理により実現するプロセッサなどを用いて構成されている。
【0089】
また、本例の電力検出部5は、入力信号結合部11から入力される結合信号の電力レベルを検出し、当該検出結果を制御部6へ出力する。
また、本例のように各プリディストーション部PD1〜PDnに対応したn個の信号が入力される構成では、歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や制御部6の構成や動作は、例えば上記第1実施例で示したものと同様となる。
【0090】
以上のように、本例の増幅装置では、増幅対象となる信号が複数の周波数帯域に対応した複数の信号として入力されるような場合においても、例えば上記第1実施例で述べたのと同様な効果を得ることができる。
ここで、本例では、入力信号結合部の機能により入力信号結合手段が構成されている。
【0091】
次に、本発明の第3実施例に係る増幅装置を説明する。
図3には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分として、周波数帯域分割部1と、複数のプリディストーション部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5とが備えられており、また、本例では、復調部12と、フィードバック制御を行う機能を有した制御部13とが備えられている。なお、説明の便宜上から、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図1に示したものと同じ符号を付してある。
【0092】
本例の増幅装置では、増幅対象となるマルチキャリアの送信信号が周波数帯域分割部1及び電力検出部5に入力されるとともに、制御部13にも入力される。また、増幅部4から出力される信号の一部が取得されて復調部12に入力される。
復調部12は、入力される信号を復調することにより、例えば増幅対象となるマルチキャリア信号の周波数帯域f1〜fnに対応した信号を復調し、当該復調結果を制御部13へ出力する。
【0093】
制御部13は、例えば上記第1実施例で述べたのと同様に、電力検出部5から通知される信号レベルと各プリディストーション部PD1〜PDnの制御態様とを対応付ける参照テーブルをメモリに記憶しており、当該参照テーブルの内容に基づく制御態様で各プリディストーション部PD1〜PDnを制御する。
【0094】
また、制御部13は、本例の増幅装置の入力部から入力される増幅対象となるマルチキャリア信号と復調部12から入力される復調信号とを比較して例えばこれら両信号の差分を増幅部4で発生した歪み成分として検出する機能を有しており、このようにして検出される歪み成分が小さくなるように参照テーブルの内容を更新することにより、フィードバックによるアダプティブプリディストーションを行う。
また、周波数帯域分割部1や歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や電力検出部5の構成や動作は、例えば上記第1実施例で示したものと同様となる。
【0095】
以上のように、本例の増幅装置では、例えば上記第1実施例で述べたのと同様な効果を得ることができるとともに、例えば経年変化や温度変化による各処理部の非線形特性の変化に適応することが可能となる。
【0096】
ここで、本例では、復調部12の機能により信号復調手段が構成されており、制御部13が参照テーブルを記憶する機能により制御態様記憶手段が構成されており、制御部13が増幅部4で発生した歪みを検出する機能により歪み検出手段が構成されており、制御部13が当該歪み検出結果に基づいて参照テーブルの内容を変更する機能により制御態様記憶内容変更手段が構成されている。
【0097】
次に、本発明の第4実施例に係る増幅装置を説明する。
図4には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、上記第3実施例の図3に示したものと同様な機能を有する構成部分として、複数のプリディストーション部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5と、復調部12と、制御部13とが備えられており、また、本例では、入力信号結合部14が備えられている。なお、本例の増幅装置では、上記第3実施例の図3に示した周波数帯域分割部1の機能は備えられていない。また、説明の便宜上から、上記第3実施例の図3に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図3に示したものと同じ符号を付してある。また、図4中の“a2”及び“b2”については後述する他の実施例の説明で用いる。
【0098】
本例の増幅装置では、増幅対象となるマルチキャリアの送信信号がそれぞれのキャリア信号毎に独立に入力される構成であり、具体的には、例えば各周波数帯域f1〜fnの信号毎が当該各周波数帯域f1〜fnに対応した各プリディストーション部PD1〜PDnに入力され、また、これら複数の入力信号が入力信号結合部14に入力される。
【0099】
入力信号結合部14は、例えば周波数帯域結合部3と同様な機能を有しており、入力される全ての信号を結合し、当該結合信号を電力検出部5及び制御部13へ出力する。ここで、入力信号結合部14は、例えばカプラや、或いは、これと同等な機能を信号処理により実現するプロセッサなどを用いて構成されている。
【0100】
また、本例の電力検出部5は、入力信号結合部14から入力される結合信号の電力レベルを検出し、当該検出結果を制御部13へ出力する。
また、本例の制御部13は、入力信号結合部14から入力される結合信号と復調部12から入力される復調信号とに基づいて増幅部4で発生した歪みを検出する。
また、本例のように各プリディストーション部PD1〜PDnに対応したn個の信号が入力される構成では、歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や復調部12の構成や動作は、例えば上記第3実施例で示したものと同様となる。
【0101】
以上のように、本例の増幅装置では、増幅対象となる信号が複数の周波数帯域に対応した複数の信号として入力されるような場合においても、例えば上記第3実施例で述べたのと同様な効果を得ることができる。
【0102】
次に、本発明の第5実施例に係る増幅装置を説明する。
図5には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分として、周波数帯域分割部1と、複数のプリディストーション部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5とが備えられており、また、本例では、フィルタ部15と、フィードバック制御を行う機能を有した制御部16とが備えられている。なお、説明の便宜上から、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図1に示したものと同じ符号を付してある。
【0103】
本例の増幅装置では、増幅部4から出力される信号の一部が取得されてフィルタ部15に入力される。
フィルタ部15は、入力される信号から、増幅器で発生する歪み成分が漏洩する周波数帯域の信号のみを抽出し、抽出した信号を制御部16へ出力する。
【0104】
制御部16は、例えば上記第1実施例で述べたのと同様に、電力検出部5から通知される信号レベルと各プリディストーション部PD1〜PDnの制御態様とを対応付ける参照テーブルをメモリに記憶しており、当該参照テーブルの内容に基づく制御態様で各プリディストーション部PD1〜PDnを制御する。
【0105】
また、制御部16は、フィルタ部15から入力される信号を歪み成分の信号とみなして当該信号が小さくなるように参照テーブルの内容を更新することにより、フィードバックによるアダプティブプリディストーションを行う。
また、周波数帯域分割部1や歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や電力検出部5の構成や動作は、例えば上記第1実施例で示したものと同様となる。
【0106】
以上のように、本例の増幅装置では、例えば上記第1実施例で述べたのと同様な効果を得ることができるとともに、例えば経年変化や温度変化による各処理部の非線形特性の変化に適応することが可能となる。
【0107】
ここで、本例では、フィルタ部15が増幅部4で発生する歪み成分を含む周波数帯域の信号を抽出する機能により歪み抽出手段が構成されており、制御部16が参照テーブルを記憶する機能により制御態様記憶手段が構成されており、制御部16がフィルタ部15により抽出される歪みが小さくなるように参照テーブルの内容を変更する機能により制御態様記憶内容変更手段が構成されている。
【0108】
次に、本発明の第6実施例に係る増幅装置を説明する。
図6には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、上記第5実施例の図5に示したものと同様な機能を有する構成部分として、複数のプリディストーション部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5と、フィルタ部15と、制御部16とが備えられており、また、本例では、上記第2実施例に示したものと同様な機能を有する構成部分として、入力信号結合部11が備えられている。
【0109】
なお、本例の増幅装置では、上記第5実施例の図5に示した周波数帯域分割部1の機能は備えられていない。また、説明の便宜上から、上記第5実施例の図5に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図5に示したものと同じ符号を付してあり、上記第2実施例の図2に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図2に示したものと同じ符号を付してある。また、図6中の“a3”及び“b3”については後述する他の実施例の説明で用いる。
【0110】
本例の増幅装置では、増幅対象となるマルチキャリアの送信信号がそれぞれのキャリア信号毎に独立に入力される構成であり、具体的には、例えば各周波数帯域f1〜fnの信号毎が当該各周波数帯域f1〜fnに対応した各プリディストーション部PD1〜PDnに入力され、また、これら複数の入力信号が入力信号結合部11に入力される。
【0111】
入力信号結合部11は、例えば周波数帯域結合部3と同様な機能を有しており、入力される全ての信号を結合し、当該結合信号を電力検出部5へ出力する。
また、本例の電力検出部5は、入力信号結合部11から入力される結合信号の電力レベルを検出し、当該検出結果を制御部16へ出力する。
また、本例のように各プリディストーション部PD1〜PDnに対応したn個の信号が入力される構成では、歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4やフィルタ部15や制御部16の構成や動作は、例えば上記第5実施例で示したものと同様となる。
【0112】
以上のように、本例の増幅装置では、増幅対象となる信号が複数の周波数帯域に対応した複数の信号として入力されるような場合においても、例えば上記第5実施例で述べたのと同様な効果を得ることができる。
【0113】
次に、本発明の第7実施例に係る増幅装置を説明する。
本例では、デジタルプリディストーションにより歪み補償を行う場合に増幅装置に備えられる構成部分の構成例を示す。なお、本例の構成は、他の任意の実施例で示す増幅装置に適用することが可能なものである。
【0114】
図7には、本例の増幅装置に備えられる歪み補償部と周波数帯域結合部との間の構成部分の一構成例を示してあり、この構成部分では、各プリディストーション部A1〜Anと周波数帯域結合部21との間にそれぞれ、I成分のデジタル信号を処理するためのD/A変換器B1I〜BnIと、Q成分のデジタル信号を処理するためのD/A変換器B1Q〜BnQと、アナログ信号を処理する直交変調部C1〜Cnとが備えられている。
【0115】
各プリディストーション部A1〜Anは、入力される各周波数帯域f1〜fnのデジタル信号に対してデジタル処理により歪み補償特性の歪みを与え、当該歪みが与えられたデジタル信号として、I成分のデジタル信号をI成分用のD/A変換器B1I〜BnIへ出力するとともに、Q成分のデジタル信号をQ成分用のD/A変換器B1Q〜BnQへ出力する。
【0116】
I成分用の各D/A変換器B1I〜BnIは、各プリディストーション部A1〜Anから入力されるI成分のデジタル信号をI成分のアナログ信号へ変換して各直交変調部C1〜Cnへ出力する。
同様に、Q成分用の各D/A変換器B1Q〜BnQは、各プリディストーション部A1〜Anから入力されるQ成分のデジタル信号をQ成分のアナログ信号へ変換して各直交変調部C1〜Cnへ出力する。
【0117】
各直交変調部C1〜Cnは、I成分用の各D/A変換器B1I〜BnIから入力されるI成分のアナログ信号及びQ成分用の各D/A変換器B1Q〜BnQから入力されるQ成分のアナログ信号を直交変調し、当該直交変調結果となるアナログ信号を周波数帯域結合部21へ出力する。
周波数帯域結合部21は、複数の直交変調部C1〜Cnから入力されるアナログ信号を結合し、当該結合結果を増幅部(図示せず)へ出力する。
【0118】
また、図8には、本例の増幅装置に備えられる歪み補償部と周波数帯域結合部との間の構成部分の他の構成例を示してあり、この構成部分では、各プリディストーション部A1〜Anと周波数帯域結合部21との間にそれぞれ、デジタル直交変調部D1〜Dnと、D/A変換器E1〜Enとが備えられている。なお、各プリディストーション部A1〜An及び周波数帯域結合部21の構成や動作は例えば上記図7に示したものと同様であり、図8では、説明の便宜上から、これらに上記図7に示したものと同じ符号を付してある。
【0119】
各プリディストーション部A1〜Anは、入力される各周波数帯域f1〜fnのデジタル信号に対してデジタル処理により歪み補償特性の歪みを与え、当該歪みが与えられたデジタル信号として、I成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号を各デジタル直交変調部D1〜Dnへ出力する。
【0120】
各デジタル直交変調部D1〜Dnは、各プリディストーション部A1〜Anから入力されるI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号をデジタル直交変調し、当該直交変調結果のデジタル信号を各D/A変換器E1〜Enへ出力する。
各D/A変換器E1〜Enは、各デジタル直交変調器D1〜Dnから入力される直交変調結果のデジタル信号を直交変調結果のアナログ信号へ変換して周波数帯域結合器21へ出力する。
周波数帯域結合部21は、複数のD/A変換器E1〜Enから入力されるアナログ信号を結合し、当該結合結果を増幅部(図示せず)へ出力する。
【0121】
以上のように、上記図7や上記図8に示した構成を用いることにより、デジタルプリディストーションによる歪み補償を実現することができる。
ここで、本例では、例えば上記図7に示した構成ではI成分用のD/A変換器B1I〜BnIの機能及びQ成分用のD/A変換器B1Q〜BnQの機能及び直交変調部C1〜Cnの機能により直交変調手段が構成されており、また、例えば上記図8に示した構成ではデジタル直交変調器D1〜Dnの機能及びD/A変換器E1〜Enの機能により直交変調手段が構成されている。
【0122】
次に、本発明の第8実施例に係る増幅装置を説明する。
図9には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分として、複数のプリディストーション部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5とが備えられており、また、本例では、歪み補償部2及び制御部33へ出力を行う周波数帯域分割部31と、周波数帯域別に復調可能な復調部32と、フィードバック制御を行う機能を有した制御部33とが備えられている。なお、説明の便宜上から、上記第1実施例の図1に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図1に示したものと同じ符号を付してある。
【0123】
周波数帯域分割部31は、入力される送信信号をn個の周波数帯域f1〜fnの信号へ分割し、分割した各周波数帯域f1〜fnの信号を当該各周波数帯域f1〜fnに対応した各プリディストーション部PD1〜PDnへ出力するとともに、これら複数の周波数帯域f1〜fnの分割信号を制御部33へ出力する。
また、増幅部4から出力される信号の一部が取得されて復調部32に入力される。
【0124】
復調部32は、例えば各プリディストーション部PD1〜PDnの周波数帯域f1〜fnと同じ周波数帯域毎に、入力される信号を復調する機能を有しており、各周波数帯域f1〜fn毎の当該復調結果を制御部33へ出力する。なお、復調部32の構成としては、例えば各周波数帯域f1〜fnに対応した複数の復調器を備えてこれら複数の復調器により複数の周波数帯域f1〜fnに対応した信号を同時に復調して当該復調結果を制御部33へ出力するような構成や、例えば1つの復調器を備えて当該復調器により復調する周波数帯域を所定の時間間隔毎に各周波数帯域f1〜fnへ切り替えて当該復調結果を制御部33へ出力するような構成を用いることができる。
【0125】
制御部33は、例えば上記第1実施例で述べたのと同様に、電力検出部5から通知される信号レベルと各プリディストーション部PD1〜PDnの制御態様とを対応付ける参照テーブルをメモリに記憶しており、当該参照テーブルの内容に基づく制御態様で各プリディストーション部PD1〜PDnを制御する。
【0126】
また、制御部33は、例えば各周波数帯域f1〜fn毎に、周波数帯域分割部31から入力される増幅対象となる信号と復調部32から入力される復調信号とを比較して例えばこれら両信号の差分を増幅部4で発生した各周波数帯域f1〜fnの歪み成分毎として検出する機能を有しており、このようにして検出される歪み成分が小さくなるように当該各周波数帯域f1〜fnに対応した参照テーブルの内容部分を更新することにより、フィードバックによるアダプティブプリディストーションを行う。
また、歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や電力検出部5の構成や動作は、例えば上記第1実施例で示したものと同様となる。
【0127】
以上のように、本例の増幅装置では、例えば上記第1実施例で述べたのと同様な効果を得ることができるとともに、例えば経年変化や温度変化による各処理部の非線形特性の変化に適応することが可能となり、また、各周波数帯域f1〜fn毎にプリディストーションによる歪み補償が行われることに対応して、当該各周波数帯域f1〜fnの信号毎を復調部32により復調して当該各周波数帯域f1〜fnの歪み毎を制御部33により検出し、当該検出結果に基づいて当該各周波数帯域f1〜fn毎に対応した参照テーブルの内容部分を更新することが行われるため、歪み補償の精度をより向上させることが可能となる。
【0128】
次に、本発明の第9実施例に係る増幅装置を説明する。
図10には、本例の増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、上記第8実施例の図9に示したものと同様な機能を有する構成部分として、複数のプリディストーション部PD1〜PDnを有した歪み補償部2と、周波数帯域結合部3と、増幅部4と、電力検出部5と、復調部32と、制御部33とが備えられており、また、本例では、上記第4実施例の図4に示したものと同様な機能を有する構成部分として、入力信号結合部14が備えられている。
【0129】
なお、本例の増幅装置では、上記第8実施例の図9に示した周波数帯域分割部31の機能は備えられていない。また、説明の便宜上から、上記第8実施例の図9に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図9に示したものと同じ符号を付してあり、上記第4実施例の図4に示したものと同様な機能を有する構成部分には当該図4に示したものと同じ符号を付してある。また、図10中の“a4”及び“b4”については後述する他の実施例の説明で用いる。
【0130】
本例の増幅装置では、増幅対象となるマルチキャリアの送信信号がそれぞれのキャリア信号毎に独立に入力される構成であり、具体的には、例えば各周波数帯域f1〜fnの信号毎が当該各周波数帯域f1〜fnに対応した各プリディストーション部PD1〜PDnに入力され、また、これら複数の入力信号が入力信号結合部14及び制御部33に入力される。
【0131】
入力信号結合部14は、例えば周波数帯域結合部3と同様な機能を有しており、入力される全ての信号を結合し、当該結合信号を電力検出部5及び制御部33へ出力する。
また、本例の電力検出部5は、入力信号結合部14から入力される結合信号の電力レベルを検出し、当該検出結果を制御部33へ出力する。
【0132】
また、本例の制御部33は、本例の増幅装置の入力部から入力される各周波数帯域f1〜fnの信号毎と復調部32から入力される各周波数帯域f1〜fnの復調信号毎とに基づいて増幅部4で発生した各周波数帯域f1〜fnの歪み毎を検出する。
また、本例のように各プリディストーション部PD1〜PDnに対応したn個の信号が入力される構成では、歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や復調部32の構成や動作は、例えば上記第8実施例で示したものと同様となる。
【0133】
以上のように、本例の増幅装置では、増幅対象となる信号が複数の周波数帯域に対応した複数の信号として入力されるような場合においても、例えば上記第8実施例で述べたのと同様な効果を得ることができる。
【0134】
次に、本発明の第10実施例に係る増幅装置を説明する。
なお、本例の増幅装置の概略的な構成は、例えば上記第5実施例の図5に示したものと同様であり、本例では、説明の便宜上から、当該図5に示したものに付した符号と同じ符号を用いて、上記第5実施例の場合と異なる構成や動作を詳しく説明する。
【0135】
本例のフィルタ部15は、例えば各プリディストーション部PD1〜PDnの周波数帯域f1〜fnに対応した周波数帯域毎に、入力される信号から、増幅部4で発生した歪み成分を抽出し、抽出した各周波数帯域の歪み成分毎を制御部16へ出力する。なお、フィルタ部15の構成としては、例えば各周波数帯域f1〜fnに対応した複数のフィルタを備えてこれら複数のフィルタにより複数の周波数帯域f1〜fnに対応した歪み成分を同時に抽出して当該抽出結果を制御部16へ出力するような構成や、例えば1つのフィルタを備えて当該フィルタにより抽出する周波数帯域(例えば、通過帯域)を所定の時間間隔毎に各周波数帯域f1〜fnへ切り替えて当該抽出結果を制御部16へ出力するような構成を用いることができる。
【0136】
また、各プリディストーション部PD1〜PDnの周波数帯域f1〜fnに対応した周波数帯域としては、例えば各キャリア信号と比べて低域側の歪み成分が多い周波数帯域や、例えば各キャリア信号と比べて高域側の歪み成分が多い周波数帯域を用いることができ、具体的には、例えば各プリディストーション部PD1〜PDnの周波数帯域f1〜fnの中で当該周波数帯域f1〜fnに含まれる増幅対象となる信号(本例では、キャリア信号)の周波数帯域部分以外の隣接した周波数帯域部分などを用いることができる。
【0137】
制御部16は、例えば上記第5実施例で述べたのと同様に、電力検出部5から通知される信号レベルと各プリディストーション部PD1〜PDnの制御態様とを対応付ける参照テーブルをメモリに記憶しており、当該参照テーブルの内容に基づく制御態様で各プリディストーション部PD1〜PDnを制御する。
【0138】
また、本例の制御部16は、例えば各周波数帯域f1〜fn毎に、フィルタ部15から入力される歪み成分が小さくなるように当該各周波数帯域f1〜fnに対応した参照テーブルの内容部分を更新することにより、フィードバックによるアダプティブプリディストーションを行う。なお、具体的には、本例の制御部16は、例えばフィルタ部15の或る通過帯域により得られる歪み成分の抽出結果に基づいて、当該通過帯域を含む周波数帯域f1〜fnに対応したプリディストーション部PD1〜PDnに関する参照テーブルの内容部分を変更することや、或いは、当該通過帯域に近い周波数帯域に対応した参照テーブルの内容部分を更新することなどを行う。
また、周波数帯域分割部1や歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や電力検出部5の構成や動作は、例えば上記第5実施例で示したものと同様となる。
【0139】
以上のように、本例の増幅装置では、例えば上記第1実施例で述べたのと同様な効果を得ることができるとともに、例えば経年変化や温度変化による各処理部の非線形特性の変化に適応することが可能となり、また、各周波数帯域f1〜fn毎にプリディストーションによる歪み補償が行われることに対応して、当該各周波数帯域f1〜fn毎に対応した歪み成分をフィルタ部15により抽出し、当該抽出結果に基づいて当該各周波数帯域f1〜fn毎に対応した参照テーブルの内容部分を更新することが行われるため、歪み補償の精度をより向上させることが可能となる。
【0140】
次に、本発明の第11実施例に係る増幅装置を説明する。
なお、本例の増幅装置の概略的な構成は、例えば上記第6実施例の図6に示したものと同様であり、本例では、説明の便宜上から、当該図6に示したものに付した符号と同じ符号を用いて、上記第6実施例の場合と異なる構成や動作を詳しく説明する。
【0141】
本例では、上記第10実施例で示したのと同様に、フィルタ部15や制御部16により、各プリディストーション部PD1〜PDnに対応した各周波数帯域の歪み成分毎が小さくなるように各プリディストーション部PD1〜PDnによる歪み補償を制御する。
また、歪み補償部2や周波数帯域結合部3や増幅部4や電力検出部5や入力信号結合部11の構成や動作は、例えば上記第6実施例で示したものと同様となる。
【0142】
以上のように、本例の増幅装置では、増幅対象となる信号が複数の周波数帯域に対応した複数の信号として入力されるような場合においても、例えば上記第10実施例で述べたのと同様な効果を得ることができる。
【0143】
次に、本発明の第12実施例に係る増幅装置を説明する。
本例では、例えば上記第2実施例や上記第4実施例や上記第6実施例や上記第9実施例や上記第11実施例に示した増幅装置において、複数の周波数帯域f1〜fnに対応した複数の信号が同一の周波数帯域の信号として入力されるような場合の構成例を示す。なお、このような場合は、例えばIF帯域の信号やBB帯域の信号が入力されて歪み補償されるようなときに生じ易いと考えられ、本例では、IF帯域或いはBB帯域の信号が入力されるとする。
【0144】
本例では、例えば上記第2実施例の図2や上記第4実施例の図4や上記第6実施例の図6や上記第9実施例の図10や上記第11実施例の図6に示した入力信号結合部11、14及び周波数帯域結合部3のそれぞれに、入力されるIF帯域或いはBB帯域の信号の周波数帯域をRF帯域へ変換するアップコンバータ部を備える。ここで、アップコンバータ部としては、例えば、所定の周波数の信号を発振する発振器と、当該所定の周波数の信号とアップコンバート対象となる信号とを混合するミキサと、当該混合結果から必要な周波数帯域の信号をアップコンバート結果として抽出するバンドパスフィルタを用いて構成することなどができる。
【0145】
また、本例のように複数の周波数帯域f1〜fnに対応した複数の信号が同一の周波数帯域の信号として入力される場合には、例えば上記図12を用いて説明したように、これら複数の信号の周波数帯域を互いに異なる周波数帯域へ変換する機能が上記したアップコンバータ部に備えられる。
【0146】
具体的には、上記図2中に示した“a1”の点の信号や“b1”の点の信号や、上記図4中に示した“a2”の点の信号や“b2”の点の信号や、上記図6中に示した“a3”の点の信号や“b3”の点の信号や、上記図10中に示した“a4”の点の信号や“b4”の点の信号は、例えば上記図12(a)に示したようなスペクトルの信号であることが必要であり、電力検出部5では例えば増幅部4で増幅される信号の包絡線の電力を検出することが必要である。
【0147】
なお、本例では、複数の周波数帯域f1〜fnに対応した複数の信号が同一の周波数帯域の信号として入力されることから、上記したアップコンバータ部としてはこれらの各信号を個別に周波数変換することが可能な構成が用いられ、そして、当該周波数変換後の信号が結合される構成が用いられるが、例えば複数の周波数帯域f1〜fnに対応した複数の信号が互いに異なる周波数帯域を有してIF帯域或いはBB帯域の信号として入力されるような場合には、必ずしもこのような構成ばかりでなく、例えばこれら複数の信号が結合された後に当該結合信号を一括して周波数変換するようなアップコンバータ部の構成を用いることもできる。
【0148】
また、他の構成として、例えば上記第1実施例の図1や上記第3実施例の図3や上記第5実施例の図5や上記第8実施例の図9や上記第10実施例の図5において、増幅対象となる信号としてIF帯域やBB帯域の信号が入力されるような場合には、例えばこれらの図に示した周波数帯域結合部3には、入力される複数の信号をRF帯域の信号へ変換するアップコンバータ部が備えられ、当該アップコンバータ部を用いて取得されるRF帯域の結合信号が増幅部4へ出力される。
【0149】
以上のように、本例の増幅装置では、例えば複数の周波数帯域に対応した複数の信号が同一の周波数帯域の信号として入力されるような場合や、或いは、増幅対象となる信号がIF帯域やBB帯域の信号として入力されるような場合においても、プリディストーションによる歪み補償を実現することができる。なお、RF帯域の信号を一旦IF帯域の信号やBB帯域の信号へダウンコンバートした後に、当該IF帯域の信号や当該BB帯域の信号を増幅対象として本例の増幅装置に入力して処理するような場合にも、本例の構成を適用することが可能である。
【0150】
ここで、本例では、入力信号結合部に備えられるアップコンバータ部の機能により入力信号周波数帯域変換手段が構成されており、周波数帯域結合部に備えられるアップコンバータ部の機能により歪み補償後信号周波数帯域変換手段が構成されている。
【0151】
なお、本発明に係る歪み補償装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0152】
また、本発明に係る歪み補償装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0153】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る歪み補償装置などによると、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償するに際して、増幅対象となる信号のレベルを検出し、当該検出結果に基づいて当該信号に含まれる複数の周波数帯域の信号の各周波数帯域の信号毎に歪みを補償するようにしたため、例えば増幅対象となる信号が広帯域の信号であっても、周波数特性の影響を低減させて歪み補償を行うことができ、且つ、増幅対象となる信号全体のレベルに基づいて各周波数帯域の信号毎が歪み補償されるため、例えば簡易な構成により歪み補償の精度を確保することができ、これらにより、歪み補償の性能を向上させることができる。
【0154】
また、本発明に係る歪み補償装置では、上記のように増幅対象となる信号全体のレベルに基づいて当該信号に含まれる各周波数帯域の信号毎に歪み補償を行う構成において、例えばフィードバックを用いたアダプティブプリディストーションにより、増幅器から出力される信号に含まれる歪みが小さくなるように信号レベルと歪み補償の制御態様との対応付けの内容を変更するようにしたため、例えば経年変化や温度変化などにより非線形特性の変化があったような場合においても、精度のよい歪み補償が行われることを保証することができる。
【0155】
また、本発明に係る歪み補償装置では、上記のようにアダプティブプリディストーションを行う構成において、例えば各プリディストーション部に対応した各周波数帯域に対応した歪み成分毎が小さくなるように信号レベルと歪み補償の制御態様との対応付けの内容を変更するようにしたため、より精度の高い歪み補償を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図2】 本発明の第2実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図3】 本発明の第3実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図4】 本発明の第4実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図5】 本発明の第5実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図6】 本発明の第6実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図7】 本発明の第7実施例に係るデジタルプリディストーションを行う場合に備えられる処理部の一構成例を示す図である。
【図8】 本発明の第7実施例に係るデジタルプリディストーションを行う場合に備えられる処理部の他の構成例を示す図である。
【図9】 本発明の第8実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図10】 本発明の第9実施例に係る増幅装置の構成例を示す図である。
【図11】 歪み逆特性を有するAM−AM変換の一例を示す図である。
【図12】 アップコンバートの一例を説明するための図である。
【図13】 従来例に係るプリディストーションによる歪み補償付き送信電力増幅部の構成例を示す図である。
【図14】 従来例に係るプリディストーションによる歪み補償付き送信電力増幅部の構成例を示す図である。
【図15】 従来例に係るプリディストーションによる歪み補償付き送信電力増幅部の構成例を示す図である。
【図16】 従来例に係るプリディストーションによる歪み補償付き送信電力増幅部の構成例を示す図である。
【図17】 歪み補償部の入力と増幅部の出力の周波数特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、31・・周波数帯域分割部、 2・・歪み補償部、
PD1〜PDn、A1〜An・・プリディストーション(PD)部、
3、21・・周波数帯域結合部、 4・・増幅部、 5・・電力検出部、
6、13、16、33・・制御部、 11、14・・入力信号結合部、
12、32・・復調部、 15・・フィルタ部、
B1I〜BnI、B1Q〜BnQ、E1〜En・・D/A変換器、
C1〜Cn、D1〜Dn・・直交変調部、
Claims (14)
- 信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する歪み補償装置において、
複数の周波数帯域の信号を含む増幅対象となる信号の全体のレベルを検出する信号レベル検出手段と、
複数の周波数帯域の各周波数帯域毎に異なる歪み補償特性を用いて、前記検出された前記増幅対象となる信号の全体のレベルに基づいて当該信号に含まれる複数の周波数帯域の信号の各周波数帯域の信号毎に歪みを補償する歪み補償手段と、
を備えたことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項1に記載の歪み補償装置において、
増幅対象として入力される信号を複数の周波数帯域の信号へ分割する周波数帯域分割手段と、
歪み補償手段により歪み補償された複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する周波数帯域結合手段と、を備え、
信号レベル検出手段は、増幅対象として入力される信号のレベルを検出し、
歪み補償手段は、周波数帯域分割手段により分割された各周波数帯域の信号毎に歪みを発生させる複数のプリディストーション手段と、信号レベル検出手段の検出結果に基づいて各プリディストーション手段による歪みの発生を制御するプリディストーション制御手段とを用いて構成された、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項2に記載の歪み補償装置において、
周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域の信号をそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換する歪み補償後信号周波数帯域変換手段を有し、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項2に記載の歪み補償装置において、
周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された複数の周波数帯域の信号を結合し、当該結合結果を異なる周波数帯域の信号へ変換する歪み補償後信号周波数帯域変換手段を有し、当該変換により得られる信号を増幅器へ出力する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項1に記載の歪み補償装置において、
増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号を結合する入力信号結合手段と、
歪み補償手段により歪み補償された複数の周波数帯域に対応した複数の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する周波数帯域結合手段と、を備え、
信号レベル検出手段は、入力信号結合手段による結合結果の信号のレベルを検出し、
歪み補償手段は、増幅対象として入力される各周波数帯域に対応した信号毎に歪みを発生させる複数のプリディストーション手段と、信号レベル検出手段の検出結果に基づいて各プリディストーション手段による歪みの発生を制御するプリディストーション制御手段とを用いて構成された、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項5に記載の歪み補償装置において、
増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号は同一の周波数帯域の信号として入力され、
入力信号結合手段は、入力される各周波数帯域に対応した信号をそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換する入力信号周波数帯域変換手段を有し、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合し、
周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域に対応した信号をそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換する歪み補償後信号周波数帯域変換手段を有し、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項5に記載の歪み補償装置において、
増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号はそれぞれ異なる周波数帯域の信号として入力され、
周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域に対応した信号をそれぞれ異なる周波数帯域の信号へ変換する歪み補償後信号周波数帯域変換手段を有し、当該変換により得られる複数の周波数帯域の信号を結合して当該結合結果を増幅器へ出力する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項5に記載の歪み補償装置において、
増幅対象として入力される複数の周波数帯域に対応した複数の信号はそれぞれ異なる周波数帯域の信号として入力され、
周波数帯域結合手段は、歪み補償手段により歪み補償された各周波数帯域に対応した信号を結合し、当該結合結果を異なる周波数帯域の信号へ変換する歪み補償後信号周波数帯域変換手段を有し、当該変換により得られる信号を増幅器へ出力する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の歪み補償装置において、
各プリディストーション手段は、歪みを発生させた信号としてI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号を出力し、
各プリディストーション手段から出力されるI成分のデジタル信号及びQ成分のデジタル信号から直交変調結果となるアナログ信号を生成する直交変調手段を備え、
周波数帯域結合手段は、直交変調手段により生成される複数のプリディストーション手段に対応した複数のアナログ信号についての結合結果を取得して当該結合結果を増幅器へ出力する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の歪み補償装置において、
増幅器から出力される信号から増幅対象となる信号に対応した信号を復調する信号復調手段を備え、
プリディストーション制御手段は、信号レベルとプリディストーション手段の制御態様とを対応付けて記憶する制御態様記憶手段を有し、当該制御態様記憶手段の記憶内容に基づいて信号レベル検出手段の検出結果に対応付けられた制御態様により各プリディストーション手段による歪みの発生を制御し、
また、当該プリディストーション制御手段は、増幅対象となる信号と信号復調手段により復調された信号とから増幅器で発生した歪みを検出する歪み検出手段と、当該歪み検出手段により検出される歪みが小さくなるように制御態様記憶手段の記憶内容を変更する制御態様記憶内容変更手段とを有する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項10に記載の歪み補償装置において、
信号復調手段は、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の信号毎を復調し、
歪み検出手段は、信号復調手段により復調される各周波数帯域の信号毎に関して増幅器で発生した歪みを検出し、
制御態様記憶内容変更手段は、信号復調手段により復調される各周波数帯域の信号毎に対応した制御態様記憶手段の記憶内容部分を変更する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の歪み補償装置において、
増幅器から出力される信号から当該増幅器で発生した歪みを抽出する歪み抽出手段を備え、
プリディストーション制御手段は、信号レベルとプリディストーション手段の制御態様とを対応付けて記憶する制御態様記憶手段を有し、当該制御態様記憶手段の記憶内容に基づいて信号レベル検出手段の検出結果に対応付けられた制御態様により各プリディストーション手段による歪みの発生を制御し、
また、当該プリディストーション制御手段は、歪み抽出手段により抽出される歪みが小さくなるように制御態様記憶手段の記憶内容を変更する制御態様記憶内容変更手段を有する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 請求項12に記載の歪み補償装置において、
歪み抽出手段は、各プリディストーション手段に対応した各周波数帯域の歪み毎を抽出し、
制御態様記憶内容変更手段は、歪み抽出手段により抽出される各周波数帯域の歪み毎が小さくなるように当該各周波数帯域の歪み毎に対応した制御態様記憶手段の記憶内容部分を変更する、
ことを特徴とする歪み補償装置。 - 移動通信システムで用いられる送信機であって、
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の歪み補償装置を備え、送信対象となるマルチキャリアの信号を増幅する増幅器で発生する歪みを当該歪み補償装置により歪み補償する、
ことを特徴とする送信機。
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