JP3803119B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の制動時の車輪ロックを防止するアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアンチスキッド制御装置としては、例えば特開平2−3564号公報に記載されているものが知られている。
この従来例には、車輪の速度を検出する車輪速度センサと、マスタシリンダと前記車輪のホイールシリンダとの間に設けられ、前記ホイールシリンダのブレーキ圧力を制御する圧力制御手段と、マスタシリンダのブレーキ圧力のみを検出する圧力検出手段と、車輪にスリップが発生したことを判断すると共に、車輪にスリップが発生したと判断すると圧力制御手段に対して前記ホイールシリンダのブレーキ圧力の制御を指令するスリップ制御手段と、このスリップ制御手段によって指令され、前記圧力制御手段によって前記ホイールシリンダのブレーキ圧力の制御が行われたとき、前記ホイールシリンダのブレーキ圧力の変化量を演算して、その変化量から前記ホイールシリンダのブレーキ圧力を推定する圧力推定手段と、この圧力推定手段によって推定される前記ホイールシリンダのブレーキ圧力と前記圧力検出手段によって検出されるマスタシリンダのブレーキ圧力とを比較する比較手段と、この比較手段によって行われる比較の結果、マスタシリンダのブレーキ圧力がホイールシリンダのブレーキ圧力より小さくなったときに、前記圧力制御手段手段によるホイールシリンダのブレーキ圧力の制御を終了させる終了手段とを備えていると共に、圧力推定手段で推定されるホイールシリンダのブレーキ圧力に基づいて減圧後の増圧量を規定するようにした簡易型アンチスキッド制御装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のアンチスキッド制御装置にあっては、圧力推定手段でホイールシリンダのブレーキ圧力を推定し、推定したホイールシリンダ圧に基づいてアンチスキッド制御終了の判断及び増圧量の規定等を行うように構成されているため、ホイールシリンダ圧の推定値が実際値に対して大きくずれると制御に与える影響が大きいことに鑑みて、推定ホイールシリンダ圧の初期値を圧力検出手段で検出した実際のマスタシリンダ圧に設定するようにしており、マスタシリンダ圧を検出する圧力検出手段に異常が発生したときには、推定ホイールシリンダ圧の初期値が狂って制御精度が大幅に低下することになり、最悪時には推定ホイールシリンダ圧の演算が不能となる場合が生じるという未解決の課題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、マスタシリンダ圧を複数の推定手段を使用して推定することにより、ホイールシリンダ圧の推定精度の低下を確実に防止することができるできるアンチスキッド制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るアンチスキッド制御装置は、図1の基本構成図に示すように、マスタシリンダからのマスタシリンダ圧をもとに制御対象車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御するアクチュエータと、前記制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記制動用シリンダに対する制動用シリンダ圧を検出又は推定する制動用シリンダ圧検出又は推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度、前記車体速度推定手段の推定車体速度、前記制動用シリンダ圧検出又は推定手段の制動用シリンダ圧に基づいて前記アクチュエータを制御する制動圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置において、制動開始状態を検出する制動開始状態検出手段と、該制動開始状態検出手段で制動開始状態を検出したときに、予め設定された単位時間当たりの最大昇圧量から、昇圧量が最大となるマスタシリンダ圧及び前回のマスタシリンダ圧との偏差に補正係数を乗じた値を減算して求めた値と前回のマスタシリンダ圧とを加算して前記マスタシリンダの第1の推定マスタシリンダ圧を算出する第1のマスタシリンダ圧推定手段と、前記車体速度推定手段で推定した推定車体速度の所定時間当たりの変化量に定数を乗算した値を初期値に加算した値と前記マスタシリンダ圧の最大値との何れか小さい値を前記マスタシリンダの第2の推定マスタシリンダ圧として算出する第2のマスタシリンダ圧推定手段と、前記制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過するまでの間に前記第1のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧及び前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧の何れか大きい値を選択し、前記制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過したときに前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧を選択するマスタシリンダ圧選択手段とを備え、前記制動圧制御手段は、前記最初の減圧状態となる前の増圧時に前記マスタシリンダ圧選択手段の選択値を参照して目標制動用シリンダ圧を決定し、当該目標制動用シリンダ圧と前記制動用シリンダ圧とが一致するように前記アクチュエータを制御するように構成されていることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に係るアンチスキッド制御装置は、図2の基本構成図に示すように、マスタシリンダからのマスタシリンダ圧をもとに制御対象車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御するアクチュエータと、前記制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記制動用シリンダに対する制動用シリンダ圧を検出又は推定する制動用シリンダ圧検出又は推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度、前記車体速度推定手段の推定車体速度、前記制動用シリンダ圧検出又は推定手段の制動用シリンダ圧に基づいて前記アクチュエータを制御する制動圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置において、制動開始状態を検出する制動開始状態検出手段と、該制動開始状態検出手段で制動開始状態を検出したときに、予め設定された単位時間当たりの最大昇圧量から、昇圧量が最大となるマスタシリンダ圧及び前回のマスタシリンダ圧との偏差に補正係数を乗じた値を減算して求めた値と前回のマスタシリンダ圧とを加算して前記マスタシリンダの第1の推定マスタシリンダ圧を算出する第1のマスタシリンダ圧推定手段と、前記車体速度推定手段で推定した推定車体速度の所定時間当たりの変化量に定数を乗算した値を初期値に加算した値と前記マスタシリンダ圧の最大値との何れか小さい値を前記マスタシリンダの第2の推定マスタシリンダ圧として算出する第2のマスタシリンダ圧推定手段と、該第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧に所定圧を加算して前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧を推定する第3のマスタシリンダ圧推定手段と、前記制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過するまでの間に第1のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧及び前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧の何れか大きい値を選択し、前記制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過したときに前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧を選択し、非制動状態で前記第3のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧を選択するマスタシリンダ圧選択手段とを備え、前記制動圧制御手段は、前記最初の減圧状態となる前の増圧時に前記マスタシリンダ圧選択手段の選択値を参照して目標制動用シリンダ圧を決定し、当該目標制動用シリンダ圧と前記制動用シリンダ圧とが一致するように前記アクチュエータを制御するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
【作用】
請求項1に係るアンチスキッド制御装置においては、ブレーキスイッチのオン状態等によって制動開始状態を検出したときに、第1のマスタシリンダ圧推定手段によって、予め設定された単位時間当たりの最大昇圧量から、昇圧量が最大となるマスタシリンダ圧及び前回のマスタシリンダ圧との偏差に補正係数を乗じた値を減算して求めた値と前回のマスタシリンダ圧とを加算して第1の推定マスタシリンダ圧を算出することにより、特に急制動時のマスタシリンダ圧を推定することができ、また、第2のマスタシリンダ圧推定手段によって推定車体速度の所定時間当たりの変化量に定数を乗算した値を初期値に加算した値とマスタシリンダ圧の最大値との何れか小さい値を第2の推定マスタシリンダ圧として算出することにより、緩制動時のマスタシリンダ圧に近似させることができ、これらをマスタシリンダ圧選択手段で、制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過するまでの間であるときに第1のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧及び前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧の何れか大きい値を選択し、制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過したときに第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧を選択する。
【0009】
また、請求項2に係るアンチスキッド制御装置においては、上記作用に加えて、第3のマスタシリンダ圧推定手段で、第2のマスタシリンダ圧推定手段のマスタシリンダ圧推定値に所定値を加算した値を推定マスタシリンダ圧とすることにより、特に非制動状態及び制動開始検出手段に異常が生じた場合にマスタシリンダ圧を高精度で推定する。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図3は本発明の一実施例を示すブロック図である。
図中、1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後輪であって、後輪1RL,1RRにエンジンEGからの回転駆動力が変速機T、プロペラシャフトPS及びディファレンシャルギヤDGを介して伝達され、各車輪1FL〜1RRには、それぞれ制動用シリンダとしてのホイールシリンダ2FL〜2RRが取付けられ、さらに前輪1FL,1FRにこれらの車輪回転数に応じたパルス信号PFL,PFRを出力する車輪速度検出手段としての車輪速センサ3FL,3FRが取付けられ、プロペラシャフトPSに後輪の平均回転数に応じたパルス信号PR を出力する車輪速度検出手段としての車輪速センサ3Rが取付けられている。
【0012】
各前輪側ホイールシリンダ2FL,2FRには、ブレーキペダル4の踏込みに応じて前輪側及び後輪側の2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧が前輪側アクチュエータ6FL,6FRを介して個別に供給されると共に、後輪側ホイールシリンダ2RL,2RRには、マスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチュエータ6Rを介して供給され、全体として3センサ3チャンネルシステムに構成されている。
【0013】
アクチュエータ6FL〜6Rのそれぞれは、図4に示すように、マスタシリンダ5に接続される油圧配管7とホイールシリンダ2FL〜2RRとの間に介装された電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に接続された電磁流出弁9、油圧ポンプ10及び逆止弁11の直列回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油圧配管に接続されたアキュムレータ12とを備えている。
【0014】
そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの電磁流入弁8、電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号PFL〜PR と、ブレーキペダル4の踏込みを検出するブレーキスイッチ14からのブレーキペダル踏込時にオン状態となるブレーキスイッチ信号BSとが入力されるコントローラCRからの液圧制御信号EV、AV及びMRによって制御される。
【0015】
コントローラCRは、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号PFL〜PR が入力され、これらと各車輪1FL〜1RRの回転半径とから車輪の周速度でなる車輪速度VwFL〜VwR を演算する車輪速演算回路15FL〜15Rと、これら車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速度VwFL〜VwR が入力され、これらに対して時間制限フィルタ処理を行う車輪速フィルタ18FL〜18Rと、車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速度VwFL〜VwR 及び車輪速フィルタ18FL〜18Rのフィルタ出力VfFL〜VfR が入力され、これらに基づいて推定車体速度VX 及び車体速度勾配VXKを算出し、且つ第1〜第3の推定マスタシリンダ圧PMC1 〜PMC3 及び目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R を算出すると共に、推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR を算出し、両ホイールシリンダ圧が一致するようにアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EV,AV,MRを出力するマイクロコンピュータ20とを備えており、マイクロコンピュータ20から出力される制御信号が駆動回路22aFL〜22aR 、22bFL〜22bR 、22cFL〜22cR を介してアクチュエータ6FL〜6Rに供給される。
【0016】
ここで、車輪速フィルタ18FL〜18Rの夫々は、図5に示すように、車輪速演算回路15i(i=FL,FR,R)からの車輪速度Vwi を車輪速サンプリング値VS として保持するサンプルホールド回路181と、オペアンプで構成され入力電圧Eを積分する積分回路182と、この積分回路182の積分出力Ve とサンプルホールド回路181の車輪速サンプリング値VS とを加算してフィルタ出力Vfi を算出する加算回路183と、車輪速度Vwi がフィルタ出力Vfi に対して予め設定した所定の不感帯幅内即ちVfi −1km/h<Vwi <Vfi +1km/hであるか否かを検出し、Vfi −1km/h<Vwi <Vfi +1km/hであるときに出力C1 及びC2 を共に低レベルとし、Vwi ≧Vfi +1km/hであるときに、出力C1 を高レベルとし、Vwi ≦Vfi −1km/hであるときに出力C2 を高レベルとする不感帯検出回路184と、この不感帯検出回路184で車輪速度Vwi が不感帯内となったとき及びイグニッションスイッチのオン信号IGが入力されたときに、前記サンプルホールド回路181で車輪速度Vwi を保持させると共に、積分回路182をリセットするリセット信号SRを出力するリセット回路185と、車体速度Vwi が不感帯幅内にあるとき及び不感帯幅外となってからオフディレータイマ186で設定された所定時間T3 の間積分入力電圧Eとして零電圧を積分回路182に供給し、Vwi >Vfi +1km/hとなってから所定時間T3 経過後に非アンチスキッド制御中は+0.4Gに対応する負の電圧を、アンチスキッド制御中は+10Gに対応する負の電圧をそれぞれ積分入力電圧Eとして積分回路182に供給し、さらにVwi <Vfi −1km/hとなってから所定時間T3 経過後に−1.2Gに対応する正の電圧を積分入力電圧Eとして積分回路182に供給する選択回路187とを備えている。
【0017】
また、マイクロコンピュータ20は、図3に示すように、例えばA/D変換機能を有する入力インタフェース回路20a、出力インタフェース回路20d、演算処理装置20b及び記憶装置20cを少なくとも有し、演算処理装置20bでフィルタ出力Vfi に基づいて車体速度勾配VXk及び推定車体速度VX を算出し、推定車体速度VX をもとに目標車輪速度Vw* を算出すると共に、車輪速度VwFL〜VwR を微分して車輪加速度VwFL′〜VwR ′を算出し、車輪速度VwFL〜VwR 、車輪加速度VwFL′〜VwR ′及び目標車輪速度Vw* に基づいて目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R を算出し、且つブレーキスイッチ14がオン状態となったときに所定関数で第1の推定マスタシリンダ圧を算出し、推定車体速度の変化量とホイールシリンダ圧との相関関数で第2の推定マスタシリンダ圧を算出し、さらに第2の推定マスタシリンダ圧に所定値を加算して第3の推定マスタシリンダ圧を算出し、これらを制動状態に応じて選択して推定マスタシリンダ圧PMCを決定し、推定マスタシリンダ圧PMC、車体速度勾配VXk及びアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号AV,EVをもとに推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR を算出し、これら推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR と目標シリンダ圧P* FL〜P* R とが一致するようにアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号AVFL〜AVR ,EVFL〜EVR ,MRFL〜MRR を出力する。
【0018】
次に、上記実施例の動作をマイクロコンピュータ20の制御処理を示す図6〜図10を伴って説明する。
図6の制御処理は所定時間(例えば10msec) 毎のメインプログラムに対するタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS0で、圧力センサ13F及び13Rのマスタシリンダ圧検出値PMCF 及びPMCR と、各車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速度VwFL〜VwR と、各車輪速フィルタ18FL〜18Rのフィルタ出力VfFL〜VfR とを読込むと共に、車輪速度VwFL〜VwR を微分して車輪加速度VwFL′〜VwR ′を算出し、これらを記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶する。
【0019】
次いで、ステップS1に移行して、フィルタ出力VfFL〜VfR をもとに車体速度勾配VXk及び推定車体速度VX を算出する車体速度演算処理を実行し、次いでステップS2に移行して、ブレーキスイッチ14のオン・オフ状態等に基づいてマスタシリンダ5のマスタシリンダ圧を推定する推定マスタシリンダ圧PMCを算出する推定マスタシリンダ圧演算処理を実行し、次いでステップS3に移行して、推定マスタシリンダ圧PMCと前回のアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EVFL〜EVE ,AVFL〜AVR とをもとに各ホイールシリンダ2FL〜2RRの現在のホイールシリンダ圧を推定する推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR を算出する推定ホイールシリンダ圧演算処理を実行する。
【0020】
次いで、ステップS4に移行して、下記(1)式の演算を行って目標車輪速度Vw* を算出してこれを記憶装置20cに形成した目標車輪速度記憶領域に更新記憶する。
Vw* =0.8VX …………(1)
次いで、ステップS4aに移行して、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より小さいか否かを判定し、Vw* <Vwi であるときには、ステップS4bに移行して目標車輪減速度Vw* ′を“0”に設定してこれを記憶装置20cに形成した目標車輪減速度記憶領域に更新記憶し、Vw* ≧Vwi であるときには、ステップS4cに移行して下記(2)式の演算を行って目標車輪減速度Vw* ′を算出する。
【0021】
Vw* ′=−Vw0 ′ …………(2)
ここで、Vw0 ′は予め設定された設定値である。
次いで、ステップS5に移行して、各ホイールシリンダ2FL〜2Rに対する目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R を算出する目標ホイールシリンダ圧演算処理を実行する。
【0022】
次いで、ステップS6に移行して、推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR と目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R との偏差に応じたアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EV,AV,MRを決定し、これを出力するアクチュエータ制御処理を実行してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0023】
ここで、ステップS2の車体速度推定処理は、図7に示すように、先ず、ステップS7で、ブレーキスイッチ14のブレーキスイッチ信号BSがオフ状態であるか否かを判定し、これがオフ状態であるときには非制動状態であると判断してステップS8に移行し、下記(3)式に示すように、フィルタ出力VfFL, VfFR及びVfR のうち最も小さい値をセレクトロー車輪速度VwL として算出する。
【0024】
次いで、ステップS9に移行して、算出したセレクトロー車輪速度VwL を推定車体速度VX として設定しこれを記憶装置20cに形成した推定車体速度記憶領域に更新記憶し、次いでステップS10に移行して、車体速度勾配VXKとして予め設定された後述する推定ホイールシリンダ圧演算処理における上限値制御マップの設定勾配VXK2 以上の値でなる設定値VXK0 を設定し、これを記憶装置20cに形成した車体速度勾配記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して、図6におけるステップS2の推定マスタシリンダ圧演算処理に移行する。
【0025】
VX =MIN(VfFL, VfFR,VfR ) …………(3)
一方、ステップS7の判定結果が、ブレーキスイッチ信号BSがオン状態であるときには、制動状態であると判断してステップS11に移行し、下記(4)式に示すように、フィルタ出力VfFL, VfFR及びVfR の何れか大きい値をセレクトハイ車輪速度VwH として選択し、これを記憶装置20cに形成したセレクトハイ車輪速度記憶領域に更新記憶する。
【0026】
VX =MAX(VfFL, VfFR,VfR ) …………(4)
次いで、ステップS12に移行して、セレクトハイ車輪速度VwH を微分してセレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′を算出する。
次いで、ステップS13に移行して、セレクトハイ車輪加減速度VwH ′が予め設定した設定減速度−DS に達する制動状態となったか否かを表す制動状態フラグF1が“1”であるか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには非制動状態である判断してステップS14に移行する。
【0027】
このステップS14では、セレクトハイ車輪加減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下であるか否かを判定し、設定減速度−DS より大きいときには制動初期状態であると判断してそのままS15に移行して、セレクトハイ車輪速度VwH を推定車体速度VX として記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶してから車体速度推定処理を終了してステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行し、設定減速度−DS 以下となったときにはステップS16に移行する。
【0028】
このステップS16では、現在のセレクトハイ車輪速度VwH を初期サンプリング車輪速度Vs0 として記憶装置20cに形成した初期値記憶領域に更新記憶し、次いでステップS17に移行して経過時間を計数するタイマTを“0”にクリアし、次いでステップS18に移行して制動状態フラグFを“1”にセットしてから前記ステップS15に移行する。
【0029】
一方、前記ステップS13の判定結果が、制動状態フラグFが“1”にセットされているものであるときには、ステップS18aに移行して、車体速度勾配演算のための経過時間を計数するタイマのカウント値Tを“1”だけインクリメントしてからステップS19に移行する。
このステップS19では、後述するアクチュエータ制御処理においてアンチスキッド制御中を表す制御フラグASが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“1”にセットされているときには、ステップS20に移行する。
【0030】
このステップS20では、アンチスキッド制御処理を開始した後の処理状態を表す制御フラグF2を“1”にセットし、次いでステップS21に移行して、減速開始状態を表す制御フラグF3が“1”にセットされているか否かを判定し、制御フラグF3が“0”にリセットされているときには、ステップS21aに移行して、制御フラグF4が“1”にセットされているか否かを判定し、F4=1であるときにはそのままステップS22に移行し、F4=0であるときにはステップS21bに移行して、セレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が正であるか否かを判定し、VwH ′≦0であるときにはそのまま後述するステップS29に移行し、VwH ′>0であるときにはステップS21cに移行して制御フラグF4を“1”にセットしてから後述するステップS29に移行する。
【0031】
ステップS22では、前述したステップS14と同様にセレクト車輪減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下であるか否かを判定し、VwH ′>−DS であるときにはそのまま後述するステップS29に移行し、VwH ′≦−DS であるときには、ステップS23に移行して、現在のセレクトハイ車輪速度VwH を現在サンプリング車輪速度Vs(n) として記憶装置20cの現在値記憶領域に更新記憶する。
【0032】
次いで、ステップS24に移行して、現在サンプリング車輪速度Vs(n) 及び初期サンプリング車輪速度Vs0 に基づいて下記(5)式の演算を行って車体速度勾配VXkP を算出する。
VXkP =(Vs0 −Vs(n) )/T+VXOF …………(5)
ここで、Tは前回のサンプリング時からの経過時間、VXOF は車体速度勾配不足による推定車体速度のずれを補償するオフセット値である。
【0033】
次いで、ステップS25に移行して、算出した車体速度勾配VXKP を車体速度勾配VXKとして設定し、これを記憶装置20cに形成した車体速度勾配記憶領域に更新記憶し、次いでステップS26に移行して減速開始状態を表す制御フラグF3を“1”にセットすると共に、制御フラグF4を“0”にリセットしてから前述したステップS15に移行する。
【0034】
一方、ステップS19での判定で、アンチスキッド制御中フラグASが“0”にリセットされているときには、ステップS27に移行して、制御フラグF2が“1”にセットされているか否かを判定する。この判定は、アンチスキッド制御を開始した後であるか否かを判定するものであり、制御フラグF2が“0”にリセットされているときには、アンチスキッド制御を開始する直前であると判断してステップS29に移行する。
【0035】
このステップS29では、セレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX より小さいか否かを判定し、VwH <VX であるときには、ステップS30に移行して現在の推定車体速度VX から記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶されている車体速度勾配VXkにサンプリング時間Δtを乗じた値を減算した値を新たな推定車体速度VX として記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6のステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行し、VwH ≧VX であるときにはステップS31に移行して、制御フラグF3を“0”にリセットしてから前記ステップS15に移行する。
【0036】
さらに、前記ステップS21の判定結果が制御フラグF3が“1”にセットされているときには前記ステップS29に移行し、前記ステップS27の判定結果が、制御フラグF2が“1”にセットされているときには、ステップS33に移行して、各制御フラグF1,F2,F3及びF4を夫々“0”にリセットし、次いでステップS34に移行して、現在のセレクトハイ車輪速度VwH を推定車体速度VX として設定してから車体速度推定処理を終了して図6におけるステップS2の推定マスタシリンダ圧演算処理に移行する。
【0037】
また、前記ステップS29の判定結果がVwH ≧VX であるときには前記ステップS31に移行する。
この図7の処理が推定車体速度算出手段に対応している。
さらに、図6におけるステップS2のマスタシリンダ圧推定値演算処理は、図8に示すように、先ず、ステップS2aでブレーキスイッチ14のブレーキ信号BSがオン状態であるか否かを判定し、オフ状態であるときには非制動状態であると判断してステップS2bに移行して、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 を“0”に設定すると共に、この第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が最大値に達してからの経過時間CTを“0”にクリアしてから後述するステップS2gに移行し、ブレーキ信号BSがオン状態であるときには制動状態であると判断してステップS2cに移行する。
【0038】
このステップS2cでは、下記(6)式にしたがって、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 を算出する。
PMC1(n)=PMC1(n-1)+(ΔPMC−K1 |PC −PMC1(n-1)|)……(6)
ここで、ΔPMCは予め設定される単位時間当たりの最大昇圧量、K1 は昇圧量ΔPMCの補正係数、PC は予め設定されたマスタシリンダ圧の昇圧量が最大となるマスタシリンダ圧である。
【0039】
次いで、ステップS2dに移行して、ステップS2cで算出した第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が最大値PMAX 以上であるか否かを判定し、PMC1 <PMAX であるときにはステップS2gにジャンプし、PMC1 ≧PMAX であるときには、ステップS2eに移行して経過時間CTが所定値CT0 に達したか否かを判定し、CT=CT0 であるときにはそのままステップS2gにジャンプし、CT<CT0 であるときにはステップS2fに移行して経過時間CTを“1”だけインクリメントしてからステップS2gに移行する。
【0040】
ステップS2gでは、演算繰り返し周期を表す周期タイマTMが“0”であるか否かを判定し、TM>0であるときにはステップS2hに移行して、周期タイマTMの値を“1”だけデクリメントしてからサブルーチン処理を終了して図6におけるステップS3のホイールシリンダ圧推定値演算処理に移行し、TM=0であるときにはステップS2iに移行する。
【0041】
このステップS2iでは、推定車体速度VX として、図7の処理で算出した推定車体速度VX と所定値例えば5km/hとを比較して何れか大きい値を選択し、これを記憶装置20cに形成した現在推定車体速度記憶領域に更新記憶する。
次いで、ステップS2jに移行して、下記(7)式の演算を行って所定時間当たりの車体速度変化量ΔV(m) を算出し、この車体速度変化量ΔV(m) が“0”以上である定速走行状態又は加速状態であるか否かを判定し、ΔV(m) ≧0であるときには定速走行状態又は加速状態であると判断してステップS2kに移行し、第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 を初期値P2Iに設定すると共に、第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 を第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 に初期値P2Iより大きい値でなる所定オフセット値ΔPMC3 を加算した値とし、これらを夫々記憶装置20cに形成した第2の推定マスタシリンダ圧記憶領域及び第3の推定マスタシリンダ圧記憶領域に更新記憶してから後述するステップS2oに移行し、ΔV(m) <0であるときには減速状態である判断してステップS2mに移行する。
【0042】
ΔV(m) =V(m-2) −V(m) …………(7)
このステップS2mでは、下記(8)式に従って第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 を算出し、さらに下記(9)式に示すように、算出した第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 と最大値PMAX とを比較して何れか小さい方を選択することにより、第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 を決定し、これを第2のマスタシリンダ圧記憶領域に更新記憶する。
【0043】
PMC2(m)=P2I+K2 ・ΔV(m) ・KV …………(8)
PMC2(m)=min〔PMC2(m),PMAX 〕 …………(9)
ここで、K V は定数である。
次いで、ステップS2nに移行して、下記(10)式にしたがって第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 を算出し、これを第3のマスタシリンダ圧記憶領域に更新記憶する。
【0044】
PMC3(m)=PMC2(m)+ΔPMC3 …………(10)
次いで、ステップS2oに移行して、前回値記憶領域に記憶されている前回の推定車体速度VX1を前々回の推定車体速度VX2として前々回推定車体速度記憶領域に更新記憶すると共に、現在の推定車体速度VX を前回の推定車体速度VX1として前回推定車体速度記憶領域に更新記憶し、さらに周期タイマTMを所定値例えば“12”に設定してからステップS2pに移行する。
【0045】
このステップS2pでは、後述する図11のアクチュエータ制御処理においてアンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされているか否かを判定し、AS=1であるときには、アンチスキッド制御中であると判断してステップS2qに移行して下記(11)の演算を行って推定マスタシリンダ圧PMCを算出し、これを記憶装置20cに形成した推定マスタシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6におけるステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行する。
【0046】
PMC(m) =min〔(PMC(m-1) +K3 ・ΔT),PMAX 〕 ……(11)
ここで、K3 は定数、ΔTはサンプリング時間である。
一方、ステップS2pの判定結果が、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされているときには、ステップS2rに移行して、ブレーキスイッチ14のブレーキ信号BSがオン状態であるか否かを判定し、ブレーキ信号BSがオフ状態であるときには、ステップS2sに移行して、前述した第3の推定マスタシリンダ圧記憶領域に記憶されている第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 を推定マスタシリンダ圧PMCとして設定し、これを推定マスタシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6におけるステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行し、ブレーキ信号BSがオン状態であるときにはステップS2tに移行する。
【0047】
このステップS2tでは、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が最大値PMAX に達してからの経過時間CTが設定値CT0 未満であるか否かを判定し、CT<CT0 であるときには、ステップS2uに移行して、下記(12)式に示すように、推定マスタシリンダ圧PMCとして第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 及び第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 とを比較して何れか大きい方を設定し、これを推定マスタシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6におけるステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行する。
【0048】
PMC(m) =max〔PMC1 ,PMC2 〕 …………(12)
一方、ステップS2tの判定結果が、CT≧CT0 であるときには、ステップS2vに移行して、推定マスタシリンダ圧PMCとして第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 を設定し、これを推定マスタシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6におけるステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行する。
【0049】
さらにまた、 図6におけるステップS3のホイールシリンダ圧推定値演算処理は、図9に示すように、先ずステップS41で、後述するアクチュエータ制御処理における前回のアクチュエータ制御信号を読込み、次いでステップS42に移行して、読込んだアクチュエータ制御信号の状態からホイールシリンダ2j(j=FL,FR,RL,RR)が増圧状態、減圧状態、保持状態の何れであるかを判定し、増圧状態であるときには、ステップS43に移行し、記憶装置20cに形成された推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) を読出し、これと今回マスタシリンダ圧PMCとをもとに記憶装置20cに予め記憶されたこのステップS43内に図示した推定増圧量算出制御マップを参照して推定増圧量ΔPiAを算出する。ここで、推定増圧量算出制御マップは、マスタシリンダ圧PMCを一定としたときに前回ホイールシリンダ圧Pi (n-1) の増加によって推定増圧量ΔPiAが増加し、且つマスタシリンダ圧PMCの増加によって推定増加量ΔPiAの最大値が増加するように設定されている。
【0050】
次いで、ステップS44に移行して、下記(13)式に示すように、推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) と推定増圧量ΔPiAとを加算して今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) を算出する。
Pi (n) =Pi (n-1) +ΔPiA …………(13)
次いで、ステップS45に移行して、下記(14)式に示すように、算出した今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) と現在のマスタシリンダ圧PMCとを比較し、何れか小さい値を今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) として前記推定ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6のステップS4 の処理に移行する。
【0051】
Pi (n) =min{Pi (n) ,PMC} …………(14)
また、ステップS42の判定結果が、ホイールシリンダ2j(j=FL,FR,RL,RR)が保持状態であるときには直接前記ステップS46に移行し、減圧状態であるときにはステップS48に移行して推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) を読出し、これをもとに記憶装置20cに予め記憶された前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) と推定減圧量ΔPiDとの関係を表す図9のステップS48内に図示の制御マップを参照して推定減圧量ΔPiDを算出してからステップS49に移行する。ここで、推定減圧量算出制御マップは、前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) の増加に比例して推定減圧量ΔPiDが増加するように設定されている。
【0052】
ステップS49では、下記(15)式に示すように、推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) から推定減圧量ΔPiDを減算して今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) を算出する。
Pi (n) =Pi (n-1) −ΔPiD…………(15)
次いで、ステップS50に移行して、下記(16)式に示すように、算出した今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) と“0”とを比較し、何れか大きい値を今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) として前記推定ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6のステップS4の処理に移行する。
【0053】
Pi (n) =max{Pi (n) ,0}…………(16)
この図9の処理が制動用シリンダ圧推定手段に対応している。
さらに、図6におけるステップS5の目標ホイールシリンダ圧演算処理は、図10に示すように、先ず、ステップS51で、車輪速度Vwi 、目標車輪速度Vw* 、車輪加減速度Vwi ′及び目標車輪加減速度Vw* ′に基づいて下記(17)式の演算を行うことにより、比例・微分制御(PD制御)による目標増減圧量ΔP* i を算出し、これを記憶装置20cの目標増減圧量記憶領域に更新記憶する。
【0054】
ΔP* i =K 11 (Vwi −Vw* ) +K 12 (Vwi ′−Vw* ′)……(15)
この(15)式において、右辺第1項が比例制御項であり、右辺第2項が微分制御項であり、K 11 は比例ゲイン、K 12 は微分ゲインである。
次いで、ステップS52に移行して、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より大きく且つ目標増減圧量ΔP* i が正であるか否かを判定し、Vw* >Vwi且つΔP* i >0であるときには、ステップS53に移行して、目標増減圧量ΔP* i を"0"として目標増減圧量記憶領域に更新記憶してからステップS55に移行し、そうでないときにはステップS54に移行する。
【0055】
このステップS54では、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi 以上で且つ目標増減圧量ΔP* i が負であるか否かを判定し、Vw* ≦Vwi 且つΔP* i <0であるときには前記ステップS53に移行し、そうでないときにはステップS55に移行する。
このステップS55では、後述するアクチュエータ制御処理における目標シリンダ圧P* i と実際のシリンダ圧Pi との誤差を監視する周期を表す変数mが“1”であるか否かを判定し、m≠1であるときにはそのままサブルーチン処理を終了して図6のステップS6のアクチュエータ制御処理に移行し、m=1であるときにはステップS56に移行する。
【0056】
このステップS56では、下記(18)式に示すように、“0”と推定ホイールシリンダ圧Pi に目標増減圧量ΔP* i を加算した加算値(Pi +ΔP* i )とを比較し、何れか大きい値を目標ホイールシリンダ圧P* i として算出し、次いでステップS57に移行して、下記(19)式に示すように、マスタシリンダ圧PMCと目標ホイールシリンダ圧P* i とを比較して、何れか小さい値を目標ホイールシリンダ圧P* i として決定し、これを記憶装置20cの目標ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図7におけるステップS6のアクチュエータ制御処理に移行する。
【0057】
P* i =max(0,Pi +ΔP* i )…………(18)
P* i =min(PMC,P* i ) …………(19)
さらにまた、図6におけるステップS6のアクチュエータ制御処理は、図11に示すように、先ず、ステップS61で前述した目標シリンダ圧演算処理で算出された目標シリンダ圧P* FLがマスタシリンダ圧PMCと一致しているか否かを判定し、両者が一致しているときには、ステップS62に移行して、アンチスキッド制御中を表すアンチスキッド制御フラグASを“0”にリセットし、次いでステップS63に移行して、出力する制御信号の保持時間を表す増減圧時間TP を“1”に設定し、次いでステップS64に移行して目標シリンダ圧P* FLと実際のシリンダ圧PFLとの誤差を監視する周期を表す緩増減圧周期mを“1”に設定してからステップS65に移行する。
【0058】
このステップS65では、増減圧時間TP が正であるか、“0”であるか、さらには負であるかを判定し、TP >0であるときには、ステップS66に移行して増減圧時間TP から“1”を減算した値を新たな増減圧時間TP とし、これを記憶装置20cに形成した増減圧時間記憶領域に更新記憶し、次いでステップS67に移行して共に論理値“0”の制御信号EVi 及びAVi を増圧信号として駆動回路22ai 及び22bi に出力してからサブルーチン処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0059】
また、ステップS65の判定結果がTP =0であるときには、ステップS68に移行して論理値“1”の制御信号EVi 及び論理値“0”の制御信号AVi を保持信号として駆動回路22ai 及び22bi に出力してからサブルーチン処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
さらに、ステップS65の判定結果がTP <0であるときには、ステップS69に移行してアンチスキッド制御フラグASを“1”にセットし、次いでステップS70に移行して、増減圧時間TP に“1”を加算した値を新たな増減圧時間TP としてこれを増減圧時間記憶領域に更新記憶し、次いでステップS71に移行して、共に論理値“1”の制御信号EVi 及びAVi を駆動回路22ai 及び22bi に出力してからサブルーチン処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0060】
また、前記ステップS61の判定結果が目標シリンダ圧P* FLとマスタシリンダ圧PMCとが不一致であるときには、ステップS72に移行し、緩増減圧周期mから“1”を減算した値を新たな緩増減圧周期mとして緩増減圧周期記憶領域に更新記憶してからステップS73に移行する。
このステップS73では、変数mが正であるか否かを判定し、m>0であるときには直接前記ステップS65に移行し、m≦0であるときには、ステップS74に移行する。
【0061】
このステップS74では、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧検出値Pi との誤差Perr (=P* i −Pi )を算出してからステップS75に移行する。このステップS75では、誤差Perr が零を含む正であるか負であるかを判定し、Perr ≧0であるときにはステップS76に移行して誤差Perr を基準値P0 で除算した値を四捨五入する下記(20)式に従って増減圧時間TP を算出してからステップS78に移行する。
【0062】
TP =INT(Perr /P0 ) …………(20)
また、ステップS75の判定結果がPerr <0であるときには、ステップS77に移行して、誤差Perr に定数K乗じた値を推定ホイールシリンダ圧Pi と基準値P0 との和で除算した値を四捨五入する下記(21)式に従って増減圧時間TP を算出してからステップS78に移行する。
【0063】
TP =INT{K・Perr /(Pi +P0 )} …………(21)
ステップS78では、増減圧時間TP が“0”である否かを判定し、TP =0であるときには、ステップS79に移行して緩増減圧周期mを“1”に設定しこれを緩増減圧周期記憶領域に更新記憶してから前記ステップS65に移行し、TP ≠0であるときにはステップS80に移行して緩増圧周期mを所定値m0 に設定しこれを増減圧周期記憶領域に更新記憶してから前記ステップS65に移行する。
【0064】
ここで、図11の処理がアクチュエータ制御手段に対応している。
したがって、図12に示すように、時点t0 で車両が乾燥した舗装路等の高摩擦係数路を非制動状態且つ高速で定速走行しているものとすると、ブレーキスイッチ14がオフ状態であるので、図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS7からステップS8〜S10に移行することにより、車輪速度VwFL〜VwR のフィルタ出力VfFL〜VfR のうちの最も小さい値をセレクトロー車輪速度VwL として選択し、選択されたセレクトロー車輪速度VwL を推定車体速度VX として推定車体速度記憶領域に更新記憶すると共に、車体速度勾配VXKとして設定値VXK0 を設定し、これを車体速度勾配記憶領域に更新記憶する。このように、セレクトロー車輪速度VwL を推定車体速度VX として設定することにより、駆動輪となる後輪1RL及び1RRでスリップを生じて車輪速度VwR が増加した場合でも、車体速度に対応している非駆動輪となる前輪1FL及び1FRの車輪速度VwFL及びVwFRの何れか小さい方が選択され、駆動輪でのスリップの影響を受けない正確な推定車体速度VX を算出することができる。
【0065】
次いで、図8の推定マスタシリンダ圧演算処理が実行されると、ブレーキスイッチ14のブレーキ信号BSが図12(c)に示すようにオフ状態であるので、ステップS2aからステップS2bに移行して、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が図12(b)で実線図示の特性曲線L1 で示すように“0”に設定されると共に、この第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が最大値PMAX に達してからの経過時間CTを“0”にクリアしてからステップS2gに移行し、周期タイマTMが“0”であるものとすると、ステップS2iに移行し、そのときの推定車体速度VX と設定速度5km/hとを比較して、何れか大きい値即ちVX が判定用車体速度VX0として採用される。
【0066】
この状態では、車両が定速走行しているので、現在の判定用車体速度VX0と前々回の判定用車体速度VX2とは略等しいので、両者の差値で表される車体速度変化量ΔV(m) が“0”以上となり、ステップS2jからステップS2kに移行して、第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 が図12bで破線図示の特性曲線L2 で示すように初期値P2Iに設定されると共に、第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 が図12(b)で一点鎖線図示の特性曲線L3 で示すように第2の推定マスタシリンダPMC2 にオフセット値ΔPMC3 を加算した値となる。
【0067】
そして、この状態では、アンチスキッド制御フラグASが図12(d)に示すように“0”にリセットされていると共に、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が最大値PMAX に達してからの経過時間CTが図12(e)に示すように“0”であるので、ステップS2p,S2rを経てステップS2sに移行して、第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 が図12(f)に示すように、推定マスタシリンダ圧PMCとして設定される。
【0068】
この状態から時点t1 でブレーキペダル4を踏込んで急制動状態とすると、図8の推定マスタシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS2aからステップS2cに移行することになり、前述した(6)式に従って第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が算出されることにより、この第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が図12(b)で実線図示のように上昇する。このとき、(6)式における右辺第2項では、図14に示すように、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が“0”から圧力PC に増加するまでの間はK1 |PC −PMC(n-1) |が比較的大きい値αから徐々に小さい値となって圧力PC で“0”となり、その後は最大値PMAX に達するまで徐々に増加するので、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 はその勾配が最初が緩やかに上昇し圧力PC に達したときに最大となり、その後は緩やかに下降することになり、急制動時における実際のマスタシリンダ圧に追従した値となり、最大値PMAX に達するとこの最大値PMAX 維持される。
【0069】
一方、第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 及び第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 は、共に周期タイマTMが“0”となる毎に算出されるため、第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 は、図12(b)で破線図示のように、推定車体速度VX が図12(a)に示すように減少することに伴う推定車体速度変化量ΔV(m) に応じてステップ状に増加し、これに伴って第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 は第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 にオフセット量ΔPMC3 を加算した値であるので、図12(b)で一点鎖線図示のようにステップ状に増加する。
【0070】
この時点t1 では、ブレーキ信号BSが図12(c)に示すようにオン状態であるので、ステップS2pからステップS2rを経てステップS2tに移行し、経過時間CTが図12(e)に示す如く“0”を維持しているので、ステップS2uに移行して推定マスタシリンダ圧PMCとして図12(f)に示すように第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 と第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 の何れか大きい方即ち第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が選択される。
【0071】
その後、時点t2 で図12(d)に示すようにアンチスキッド制御フラグASが“1”にセットされると、ステップS2pからステップS2qに移行するので、推定マスタシリンダ圧PMCが図12(f)に示すように前回値に所定値K3 ・ΔT分だけ上昇することになり、一定の勾配で上昇し、時点t4 で最大値PMAX に達すると以後この最大値PMAX に維持される。
【0072】
一方、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が最大値PMAX に達する時点t3 を越えると、以後第8図の処理が実行される毎に経過時間CTがインクリメントされることにより、この経過時間CTが図12(e)に示すように一定勾配で増加し、例えば時点t4 で設定値CT0 に達し、その後この値が維持される。
その後、時点t5 で推定車体速度VX が図12(a)に示すように“0”近傍の値となると、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされてステップS2pからステップS2rに移行し、ブレーキ信号BSが図12(c)に示すようにオン状態を継続しているので、ステップS2tに移行し、CT≧CT0 であるので、ステップS2vに移行することにより、推定マスタシリンダ圧PMCとして第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 が設定されることにより、図12(f)に示すように僅かに低下し、その後推定車体速度VX が“0”即ち停車状態となる時点t5 でブレーキ信号BSがオフ状態となることにより、ステップS2pからステップS2rを経てステップS2sに移行することにより、前述した時点t0 と同様に推定マスタシリンダ圧PMCとして第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 が設定される。
【0073】
この結果、高摩擦係数路での急制動時には、推定マスタシリンダ圧PMCが、図12(f)に示すように、実際の急制動時のマスタシリンダ圧変化に追従した値となり、マスタシリンダ圧を高精度で推定することができる。
一方、高摩擦係数路で、緩制動を行った場合には、図13(a)に示すように、推定車体速度VX の減少量が少なくなり、これに応じて図13(b)で破線図示のように第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 の増加分が少なくなると共に、第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 の増加分も少なくなる。さらに、アンチスキッド制御フラグASが“1”にセットされる時点が遅れることになるため、制動開始時点t11で前述した急制動時と同様に推定マスタシリンダ圧PMCとして図13(f)に示すように第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が設定され、その後時点t12で第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が最大値PMAX に達することにより、経過時間CTが図13(e)に示すようにインクリメント開始され、その後時点t13で経過時間CTが設定値CT0 に達すると、ステップS2p,S2r,S2tを経てステップS2vに移行して、推定マスタシリンダ圧PMCとして第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 が設定されることにより、図13(f)に示すように一旦低下し、その後時点t14でアンチスキッド制御フラグASが図13(d)に示すように“1”にセットされるので、ステップS2pからステップS2qに移行して、推定マスタシリンダ圧PMCが一定勾配で増加され、時点t15で最大値PMAX に達することにより、この最大値PMAX に維持される。
【0074】
このように、緩制動時には、推定マスタシリンダ圧PMC は一旦第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 が選択されることにより急増するが、経過時間CTが設定値CT0 に達すると推定車体速度に応じた第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 が選択されることにより、推定マスタシリンダPMCを緩制動時の実際のマスタシリンダ圧に近似することができる。
【0075】
なお、降雨路、凍結路、雪路等の低摩擦係数路で制動状態とした場合には、上述した緩制動時と同様に推定車体速度の減少量が少なくなるので、緩制動時と同様の動作が得られる。
このように、図8の推定マスタシリンダ圧演算処理で、実際のマスタシリンダ5のシリンダ圧を高精度に推定する推定マスタシリンダ圧PMCが算出されることにより、図15に示すように、高摩擦係数路で時点t0 で定速走行しているものとすると、図9の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されると、車両が非制動状態であるので、後述するアクチュエータ制御処理でアクチュエータ6iに対する制御信号EVi,AVi,MRi を共に論理値“0”とする増圧信号を出力しているので、ステップS42からステップS43に移行し、定速走行状態を継続していることにより、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) が零であり、ブレーキペダル4を踏込んでいないので、今回のマスタシリンダ圧PMCF,PMCR も零であるので、推定増圧量ΔPiAも零となり、したがって、ステップS44,S45で算出される今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) も零となる。
【0076】
さらに、図6のステップS4で算出される目標車輪速度Vw* は図15(a)に示すように推定車体速度VX の80%であるため、セレクトロー車輪速度VwS より低くなり、したがって、実際の車輪速度Vwi より低い値となるので、ステップS4aからステップS4cに移行して目標車輪減速度Vw* ′が図15(b)に示すように所定値−Vw0 ′に設定される。
【0077】
この結果、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS51で算出される目標増減圧量ΔP* i は、図15(c)に示すように、Vw* ≦Vwi であり、車輪加減速度Vwi ′が零、目標車輪減速度Vw* ′が負の所定値−Vw0 ′であることにより、正の値となる。このため、ステップS54からステップS54bに移行し、保持状態を表す制御フラグFH が“0”にリセットされているので、そのままステップS55に移行し、これによって図10の許容最大減圧量算出処理が実行されたときに、減圧フラグFG が“0”にリセットされているので、許容最大減圧量ΔP′i1を算出することなく処理を終了してステップS56に移行する。
【0078】
このステップS56では、後述するアクチュエータ制御処理で緩増減圧周期mが“1”にセットされていることにより、ステップS57に移行して、推定ホイールシリンダ圧Pi が零であるが目標増減圧量ΔP* i が正の値であることにより、目標ホイールシリンダ圧P* i としてPi +ΔP* i =ΔP* i が選択されるが、ステップS58でマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が零であることにより、最終的に目標ホイールシリンダ圧P* i は零に設定され、これが目標ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶される。
【0079】
次いで、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i 及びマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が共に零であることにより、両者が一致するため、ステップS61からステップS62に移行して、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされ、次いでステップS63及びS64で増減圧時間TP 及び緩増減圧周期mが共に“1”に設定される。
【0080】
そして、ステップS65でTP >0であるので、ステップS66に移行して、増減圧時間TP が零となり、次いでステップS67に移行して、共に論理値“0”の制御信号EVi 及びAVi を増圧信号としてアクチュエータ6iに出力することにより、前輪及び後輪側のホイールシリンダ2FL,2FR及び2RL,2RRがマスターシリンダ5と連通状態となっている。このとき、ブレーキペダル4を踏込んでいないので、マスターシリンダ5から出力されるシリンダ圧力は零となっているので、各ホイールシリンダ2FL〜2RRのシリンダ圧力も零となっており、制動力を発生することはなく、非制動状態を継続する。
【0081】
この定速走行状態から、時点t1 でブレーキペダル4を踏込んで制動状態とすると、図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS7からステップS11に移行することにより、セレクトハイ車輪速度VwH が算出され、これに基づいて車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX の算出が行われることになり、制動時の車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX の算出を正確に行うことができる。
【0082】
すなわち、制動直後では制御フラグF1が“0”にリセットされていることにより、ステップS13からステップS14に移行し、セレクトハイ車輪速度VwH の減速度VwH ′が設定減速度−DS に達していないので、ステップS15に移行して、車体速度勾配VXKとして予め設定された設定値VXK2 より大きな値の所定値VXK0 を設定し、次いでステップS15に移行してセレクトハイ車輪速度VwH をそのまま推定車体速度VX として設定し、これを推定車体速度記憶領域に更新記憶する。
【0083】
一方、図9の推定ホイールシリンダ圧演算処理においては、マスタシリンダ圧PMCF,PMCR が急増することにより、これと前回推定ホイールシリンダ圧Pi とによって推定増圧量ΔPiAが決定されるが、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi が零であるので、推定増圧量ΔPiAはマスタシリンダ圧PMCF,PMCR のみに依存する値となり、今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) がマスタシリンダ圧PMCF,PMCR に一致することになる。
【0084】
このため、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、車輪加減速度Vwi ′が負方向に増加するが、目標増減圧量ΔP* i は図15(c)に示すように依然として正の値を継続し、且つ推定ホイールシリンダ圧Pi が増加したことにより、ステップS56で算出される目標ホイールシリンダ圧P* i がマスタシリンダ圧PMCF,PMCR より大きな値となるが、ステップS57でマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が目標ホイールシリンダ圧P* i として決定され、これが目標ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶される。
【0085】
したがって、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i とマスタシリンダ圧PMCF,PMCR とが一致するので、アクチュエータ6iに対する増圧状態を継続する。このため、各車輪1iの車輪速度Vwi が図15(a)に示すように、時点t1 から減少し始める。なお、図15では、説明を簡単にするために、各車輪1iが同時に減速を開始し、それらの車輪速度Vwi が互いに等しく、したがってセレクトハイ車輪速度VwH と車輪速度VwFL, VwFR及びVwR とが一致しているものとして表されている。
【0086】
その後、時点t2 でセレクトハイ車輪速度VwH の減速度VwH ′が設定減速度−DS に達すると、図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS14からステップS16〜S18に移行して、この時点でのセレクトハイ車輪速度VwH が初期サンプリング車輪速度Vs0 として初期値記憶領域に更新記憶され、且つ経過時間Tが“0”にクリアされると共に、制御フラグF1が“1”にセットされ、次いでステップS15に移行して、推定車体速度VX をセレクトハイ車輪速度VwH に維持する。
【0087】
このため、次に図7の車体速度推定処理が実行されたときに、制御フラグF1が“1”にセットされていることにより、ステップS13からステップS18aに移行して、カウント値Tが“1”だけインクリメントされ、次いでステップS19に移行し、図11のアクチュエータ制御処理においてアンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされた状態が維持されていることにより、ステップS27に移行し、制御フラグF2が“0”にリセットされているので、ステップS29に移行し、セレクトハイ車輪速VwH が推定車体速度VX から“1”を減算した値より小さいので、ステップS30に移行して、現在の推定車体速度VX (=VwH )から設定値VXK0 に設定された車体速度勾配VXKにサンプリング時間Δtを乗じた値を減算した値を、新たな推定車体速度VX として更新記憶する。したがって、推定車体速度VX は図15(a)で破線図示のように、設定値VXK0 の勾配で順次減少することになり、これに応じて目標車輪速度Vw* も減少し、さらに車輪加減速度Vwi ′も図15(b)に示すように負方向に増加する。
【0088】
したがって、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔP* i が、図15(c)に示すように、減少し始め時点t3 で零となり、その後負方向に増加する。
この間、図7の車体速度推定処理が実行される毎に、ステップS13,S19,S27〜S31の処理を行うので、推定車体速度VX が車体速度勾配VXK0 分づつ減少される状態を継続する。
【0089】
そして、時点t3 で、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、目標増減圧量ΔP* i が零となることにより、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi とが等しい値となって、目標ホイールシリンダ圧P* i の増加が停止される。このように、目標ホイールシリンダ圧P* i の増加が停止されるが、マスタシリンダ圧PMCF PMCR は、図15(d)で破線図示のように増加を継続するので、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i とマスタシリンダ圧PMCF,PMCR とが不一致となり、このためステップS61からステップS72に移行し、前回の処理時に増減圧周期mが“1”に設定されているので、この増減圧周期mから“1”を減算するので、増減圧周期mが“0”となる。このため、ステップS73からステップS74に移行して、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi との誤差Perr を算出したときに、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi とが等しいので、誤差Perr は“0”となるため、ステップS75からステップS76に移行して、前記(20)式の演算を行うことにより、増減圧時間TP が“0”に設定され、これに応じてステップS78からステップS79に移行して、増減圧周期mが“1”にセットされてからステップS65を経てステップS68に移行する。この結果、論理値“1”の制御信号EVi 及び論理値“0”の制御信号AVi が保持信号としてアクチュエータ6iに出力され、これに応じて流入弁8が閉状態となると共に、流出弁9は閉状態を維持するので、ホイールシリンダ2iとマスターシリンダ5との間が遮断されて、ホイールシリンダ2iのシリンダ圧が一定値に維持される保持モードとなる。
【0090】
このように、ホイールシリンダ2iのシリンダ圧が一定値に保持される保持モードとなると、図9の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS42から直接ステップS46に移行することになり、全体の推定ホイールシリンダ圧Pi が保持される。一方、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔP* i が図15(c)に示すように、負方向に増加することになるが、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi 以下の状態を継続しているので、ステップS54からステップS53に移行して、目標増減圧量ΔP* i が“0”に制限され、前回の図11のアクチュエータ制御処理において、緩増減圧周期mが“1”にセットされているので、ステップS55からステップS56に移行して、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) を保持する現在の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) をそのまま目標ホイールシリンダ圧P* i として設定し、且つマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が増加状態を継続していることから設定された目標ホイールシリンダ圧P* i がそのまま更新記憶される。
【0091】
このため、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、前回の処理時と同様に、ステップS68に移行して、アクチュエータ6iの保持モードが継続される。
その後、車輪速度Vwi が減少して、時点t4 で目標車輪速度Vw* より小さい値となると、図6の処理が実行されたときには、そのステップS4aからステップS4bに移行して、目標車輪減速度Vw* ′が“0”に設定される。この状態で、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されると、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔP* i は、図15(c)に示すように、負方向への増加を継続しており、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より大きくなるので、ステップS52,S54,S55を経てステップS56に移行し、目標ホイールシリンダ圧P* i が推定ホイールシリンダ圧Pi から目標増減圧量ΔP* i を減算した値に設定される。
【0092】
このため、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、ステップS74で算出する誤差Perr が負の値となるため、ステップS75からステップS77に移行して、前記(21)式の演算を行って減圧を表す負の増減圧時間TP が設定され、次いでステップS78からステップS80に移行して、緩増減圧周期mが所定値m0 に設定してからステップS65を経てステップS69に移行し、アンチスキッド制御フラグASを“1”にセットし、ついでステップS70に移行して、増減圧時間TP に“1”を加算した値を新たな増減圧時間TP として更新記憶し、次いでステップS71に移行して共に論理値“1”の制御信号EVi 、AVi 及びMRi を減圧信号としてアクチュエータ6iに出力する。このため、アクチュエータ6iの流入弁8が閉状態を維持するが、流出弁9が開状態となると共に、ポンプ10が回転駆動されて、ホイールシリンダ2i内の作動油がマスタシリンダ5側に排出され、これによってホイールシリンダ2iのシリンダ圧が図15(d)に示すように減圧開始される。
【0093】
このように減圧状態となると、図9の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS42からステップS48に移行して、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) に基づいて推定減圧量ΔPiDが算出され、次いでステップS49で前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) から推定減圧量ΔPiDを減算した値が今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) として設定され、これが更新記憶される。
【0094】
一方、アンチスキッド制御フラグASが“1”にセットされたことにより、図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS18aで経過時間Tをインクリメントし、ステップS19からステップS20に移行して制御フラグF2が“1”にセットされ、次いでステップS21に移行して、制御フラグF3が“0”にリセットされていることにより、ステップS21aに移行し、制御フラグF4が“0”にリセットされているので、ステップS21bに移行し、セレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が負であるのでステップS29に移行して、セレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX より小さいので、ステップS30に移行して、推定車体速度VX から車体速度勾配VXKを減算した値を新たな推定車体速度VX として更新記憶する。
【0095】
この減圧状態を継続することにより、図15(a)に示すように、車輪速度Vwi が回復することになり、時点t5 で、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、目標増減圧量ΔP* i が図15(c)に示すように、再度“0”となり、これに応じて目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi とが一致することになるため、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときにステップS74で算出される誤差Perr が“0”となるため、ステップS75からステップS76に移行して増減圧時間TP が“0”に設定され、これによってステップS65からステップS68に移行して、アクチュエータ6iが減圧モードから保持モードに転換し、これによってホイールシリンダ2iのシリンダ圧が図15(d)に示すように、一定値に保持される。
【0096】
この保持モードとなると、前述したように、図9の推定ホイールシリンダ圧演算処理で推定ホイールシリンダ圧Pi が保持され、且つ図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理では、目標増減圧量ΔP* i が図15(c)に示すように、正方向に増加しているが、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より大きいので、ステップS52からステップS53に移行して、目標増減圧量ΔP* i が“0”に制限され、これによって目標ホイールシリンダ圧P* i が前回値に保持される。
【0097】
その後、時点t6 で、目標車輪速度Vw* と車輪速度Vwi とが一致すると、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときにステップS52からステップS54,S55を経てステップS56に移行し、このときの目標増減圧量ΔP* i が図15(c)で正方向の大きな値となっているので、目標ホイールシリンダ圧P* i が推定ホイールシリンダ圧Pi より大きな値に設定され、これが更新記憶される。
【0098】
したがって、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、そのステップS74で算出される誤差Perr が正の値となることにより、前述した時点t1 〜t3 間の増圧状態と同様に推定ホイールシリンダ圧Pi が増加する。このとき、ステップS76で算出される正の値の増圧時間TP は比較的短い時間となるので、推定ホイールシリンダ圧Pi は図15(d)に示すように、ステップ状に増加する。そして、この状態でTp >0であるので、ステップS78からステップS80に移行して緩増圧周期mが所定値m0 に設定される。
【0099】
そして、車輪速度Vwi の回復により、車輪速フィルタ18iから出力されるフィルタ出力Vfi が車輪速度Vwi と略一致すると、この状態では制御信号MRi が論理値“1”であることにより、選択回路187でオフディレータイマ186で設定された遅延時間が経過した後に「+10g」に対応する電圧が選択され、これが積分回路182に供給されることにより、フィルタ出力Vfi は図15(a)で一点鎖線図示のように、急峻に増加し、これがセレクトハイ車輪速度VwH として選択されているので、図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS21bからステップS21cに移行して制御フラグF4が“1”にセットされる。このため、次に図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS21aからステップS22に移行し、セレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下となったか否かを判定し、VwH ′>−DS であるので、ステップS29に移行して、前述した推定車体速度VX の減算処理を継続する。
【0100】
その後、時点t7 でセレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX 以上となると、図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS21a,S22を経てステップS29に移行し、VwH ≧VX であるので、ステップS31に移行して、制御フラグF3を“0”にリセットしてからステップS15に移行して、このときのセレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX として設定され、これによって推定車体速度VX が増加する。
【0101】
一方、ホイールシリンダ2iの増圧によって車輪速度Vwi は、図15(a)に示すように、再度減少し始め、時点t8 でセレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下となると、図7の車体速度推定処理が実行されたときに、ステップS22からステップS23に移行して、現在値記憶領域に現在のセレクトハイ車輪速度VwH が今回サンプリング車輪速度Vs(n) として更新記憶される。そして、ステップS24で前記(5)式の演算を行って車体速度勾配VXKP が算出され、これがステップS25で車体速度勾配VXKとして車体速度勾配記憶領域に更新記憶され、次いでステップS26で制御フラグF3が“1”にセットされ且つ制御フラグF4が“0”にリセットされる。このとき、ステップS24で算出される車体速度勾配VXKP は、図15(d)に示すように、実際の車体速度の減少度に応じて値となるので、設定値VXK0 より小さい値となる。
【0102】
この状態では、図9の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、前回の制御信号が増圧状態であり、しかも前回の推定ホイールシリンダ圧Pi が比較的大きな値であり、且つマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が大きな値を継続しているので、推定増圧量ΔPiAも所定値となるため、図15(d)に示すように、推定ホイールシリンダ圧Pi が保持と増圧を繰り返す緩増圧状態となる。
【0103】
この緩増圧状態を繰り返して、時点t9 で図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔP* i が“0”となることにより、前述した時点t3 と同様に保持状態となり、次に図9の処理が実行されたときにステップS54からステップS53に移行して、目標増減圧量ΔP* i を“0”の状態に保持する。
【0104】
その後、時点t10で、目標車輪速度Vw* より車輪速度Vwi が小さくなると、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS54からステップS55を経てステップS56に移行し、前述した時点t4 と同様に減圧状態となり、以後時点t11で保持状態、時点t12で緩増圧状態、時点t13で保持状態、時点t14で減圧状態が繰り返されて、推定車体速度VX が減少し、
その後、ブレーキペダル4の踏込みを解除して、非制動状態とすると、前述したように推定マスタシリンダ圧PMCとして第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 が設定されて急減するので、図10の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* として推定マスタシリンダ圧PMCが設定される。
【0105】
このため、図11のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i とマスタシリンダ圧PMCF,PMCR とが一致することにより、ステップS61からステップS62に移行して、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされ、且つ増減圧時間TP が“1”にセットされると共に、緩増減圧時間mが“1”にセットされ、ステップS65からステップS66,S67に移行して、アクチュエータ6iに対して増圧信号が出力され、ホイールシリンダ2iとマスタシリンダ5とが常に連通状態となる通常状態に復帰する。
【0106】
このように、上記実施例によると、マスタシリンダ5のシリンダ圧をブレーキスイッチ14のブレーキ信号BSがオン状態となったときに、所定の単位時間当たりの昇圧量に基づいて算出する第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 と、推定車体速度VX の変化量とブレーキ量との相関関係により算出する第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 と、この第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 に所定のオフセット量ΔPMC3 を加算した第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 とを個別に算出し、これらを車両の制動状態に応じて選択するようにしたので、マスタシリンダ5のマスタシリンダ圧を高精度で推定することができ、マスタシリンダ圧を検出する圧力センサを省略することができると共に、圧力センサを用いた場合でもこれが異常となったときに代替えすることができ、何れの場合でも良好なアンチスキッド制御を行うことができる。
【0107】
また、非制動状態で第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 を推定マスタシリンダ圧PMCとして選択することにより、ブレーキスイッチ14に異常が発生して、ブレーキペダル4を踏込んだ制動時にもオフ状態を継続する場合に、第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 がそのまま推定マスタシリンダ圧PMCとして採用されるので、良好なアンチスキッド制御を行うことができる。
【0108】
なお、上記実施例では、車輪速演算回路15FL〜15Rの出力側に車輪速フィルタ18FL〜18Rを接続し、これらのフィルタ出力に基づいて車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX を算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車輪速フィルタ18FL〜18Rを省略して、車輪速演算回路15FL〜15Rから出力される車輪速度VwFL〜VwR に基づいて車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX を算出するようにしてもよく、或いは前後加速度センサを設けて車両の前後方向加速度を検出し、車輪速度を初期値としてこれから前後方向加速度の積分値を減算することにより、推定車体速度を算出するようにしてもよい。
【0109】
また、上記実施例では、ホイールシリンダ圧を推定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ホイールシリンダ圧を圧力センサで直接検出するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、第1乃至第3の推定マスタシリンダ圧PMC1 〜PMC3 を算出し、これらを制動状態に応じて選択する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第3の推定マスタシリンダ圧PMC3 の算出を省略して、第1の推定マスタシリンダ圧PMC1 及び第2の推定マスタシリンダ圧PMC2 とを制動状態に応じて選択するようにしても、多少推定精度が低下するが実質的に問題のないアンチスキッド制御を行うことができる。
【0110】
さらにまた、上記実施例では、制動開始状態検出手段としてブレーキスイッチ14を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マスターシリンダの圧力を検出する圧力スイッチや、ブレーキペダル4からマスタシリンダ5に至る機械的伝達系の動きを検出するセンサを設けるようにしてもよい。
【0111】
また、上記実施例では、後輪側の車輪速度を共通の車輪速センサ3Rで検出するようにした3チャンネルアンチスキッド制御装置について説明したが、これに限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサを設け、これに応じて左右のホイールシリンダに対して個別のアクチュエータを設ける所謂4チャンネルのアンチスキッド制御装置にも本発明を適用し得ることは言うまでもない。
【0112】
さらにまた、上記実施例では、コントローラCRとしてマイクロコンピュータ20を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、比較回路、演算回路、論理回路、関数発生器等の電子回路を組み合わせて構成することもできる。
なおさらに、上記実施例では、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず前輪駆動車や4輪駆動車にも適用することができる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、第1のマスタシリンダ圧推定手段によって、ブレーキスイッチのオン状態等によって制動開始状態を検出したときに、予め設定された単位時間当たりの最大昇圧量から、昇圧量が最大となるマスタシリンダ圧及び前回のマスタシリンダ圧との偏差に補正係数を乗じた値を減算して求めた値と前回のマスタシリンダ圧とを加算して第1の推定マスタシリンダ圧を算出することにより、特に急制動時のマスタシリンダ圧を推定することができ、また、第2のマスタシリンダ圧推定手段によって、推定車体速度の所定時間当たりの変化量に定数を乗算した値を初期値に加算した値とマスタシリンダ圧の最大値との何れか小さい値を第2のマスタシリンダ圧として算出することにより、緩制動時のマスタシリンダ圧に近似させることができ、これらをマスタシリンダ圧選択手段で、制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過するまでの間であるときに第1のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧及び前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧の何れか大きい値を選択し、制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過したときに第2のマスタシリンダ圧推定手段を選択することにより、制動状態に応じたマスタシリンダ圧を推定することが可能となり、マスタシリンダ圧を検出する圧力センサを省略したり、圧力センサを有する場合でも、そのフェールセーフ時の代替えようとして採用することができ、何れにしても良好なアンチスキッド制御を行うことができるという効果が得られる。
【0114】
また、請求項2に係る発明によれば、上記請求項1の発明の効果に加えて、第2の推定マスタシリンダ圧に所定量を加算して第3の推定マスタシリンダ圧を算出するので、制動開始状態検出手段に異常が生じて第1の推定マスタシリンダ圧を算出できないときでも、推定マスタシリンダ圧を算出することができ、より確実にアンチスキッド制御を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に対応するアンチスキッド制御装置の概略構成を示す基本構成図である。
【図2】請求項2に対応するアンチスキッド制御装置の概略構成を示す基本構成図である。
【図3】本発明のアンチスキッド制御装置の一実施例を示すブロック図である。
【図4】図2のアンチスキッド制御装置に適用し得るアクチュエータの一例を示す構成図である。
【図5】図2のアクチュエータ制御装置に適用し得る車輪速フィルタの一例を示すブロック図である。
【図6】図2に示すアンチスキッド制御装置で実行されるアンチスキッド制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図6の車体速度推定処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図8】図6の推定マスタシリンダ圧演算処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図9】図6の推定ホイールシリンダ圧演算処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図10】図6の目標ホイールシリンダ圧演算処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図11】図6のアクチュエータ制御処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の急制動時のマスタシリンダ圧推定動作の説明に供するタイムチャートである。
【図13】本発明の緩制動時のマスタシリンダ圧推定動作の説明に供するタイムチャートである。
【図14】マスタシリンダ圧と補正量との関係を示す特性線図である。
【図15】本発明の制動動作の説明に供するタイムチャートである。
【符号の説明】
1FL〜1RR 車輪
2FL〜2RR ホイールシリンダ
3FL〜3R 車輪速センサ
4 ブレーキペダル
5 マスタシリンダ
6FL〜6R アクチュエータ
CR コントローラ
15FL〜15R 車輪速演算回路
18FL〜18R 車輪速フィルタ
20 マイクロコンピュータ
Claims (2)
- マスタシリンダからのマスタシリンダ圧をもとに制御対象車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御するアクチュエータと、前記制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記制動用シリンダに対する制動用シリンダ圧を検出又は推定する制動用シリンダ圧検出又は推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度、前記車体速度推定手段の推定車体速度、前記制動用シリンダ圧検出又は推定手段の制動用シリンダ圧に基づいて前記アクチュエータを制御する制動圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置において、
制動開始状態を検出する制動開始状態検出手段と、該制動開始状態検出手段で制動開始状態を検出したときに、予め設定された単位時間当たりの最大昇圧量から、昇圧量が最大となるマスタシリンダ圧及び前回のマスタシリンダ圧との偏差に補正係数を乗じた値を減算して求めた値と前回のマスタシリンダ圧とを加算して前記マスタシリンダの第1の推定マスタシリンダ圧を算出する第1のマスタシリンダ圧推定手段と、前記車体速度推定手段で推定した推定車体速度の所定時間当たりの変化量に定数を乗算した値を初期値に加算した値と前記マスタシリンダ圧の最大値との何れか小さい値を前記マスタシリンダの第2の推定マスタシリンダ圧として算出する第2のマスタシリンダ圧推定手段と、前記制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過するまでの間に前記第1のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧及び前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧の何れか大きい値を選択し、前記制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過したときに前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧を選択するマスタシリンダ圧選択手段とを備え、前記制動圧制御手段は、前記最初の減圧状態となる前の増圧時に前記マスタシリンダ圧選択手段の選択値を参照して目標制動用シリンダ圧を決定し、当該目標制動用シリンダ圧と前記制動用シリンダ圧とが一致するように前記アクチュエータを制御するように構成されていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。 - マスタシリンダからのマスタシリンダ圧をもとに制御対象車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御するアクチュエータと、前記制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記制動用シリンダに対する制動用シリンダ圧を検出又は推定する制動用シリンダ圧検出又は推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度、前記車体速度推定手段の推定車体速度、前記制動用シリンダ圧検出又は推定手段の制動用シリンダ圧に基づいて前記アクチュエータを制御する制動圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置において、
制動開始状態を検出する制動開始状態検出手段と、該制動開始状態検出手段で制動開始状態を検出したときに、予め設定された単位時間当たりの最大昇圧量から、昇圧量が最大となるマスタシリンダ圧及び前回のマスタシリンダ圧との偏差に補正係数を乗じた値を減算して求めた値と前回のマスタシリンダ圧とを加算して前記マスタシリンダの第1の推定マスタシリンダ圧を算出する第1のマスタシリンダ圧推定手段と、前記車体速度推定手段で推定した推定車体速度の所定時間当たりの変化量に定数を乗算した値を初期値に加算した値と前記マスタシリンダ圧の最大値との何れか小さい値を前記マスタシリンダの第2の推定マスタシリンダ圧として算出する第2のマスタシリンダ圧推定手段と、該第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧に所定圧を加算して前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧を推定する第3のマスタシリンダ圧推定手段と、前記制動制御手段が最初の減圧状態となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過するまでの間に第1のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧及び前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧の何れか大きい値を選択し、前記制動制御手段が最初の減圧状態 となる前の制動状態であり、且つ前記第1のマスタシリンダ圧推定手段で推定したマスタシリンダ圧が最大値に達してから所定時間が経過したときに前記第2のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧を選択し、非制動状態で前記第3のマスタシリンダ圧推定手段の推定マスタシリンダ圧を選択するマスタシリンダ圧選択手段とを備え、前記制動圧制御手段は、前記最初の減圧状態となる前の増圧時に前記マスタシリンダ圧選択手段の選択値を参照して目標制動用シリンダ圧を決定し、当該目標制動用シリンダ圧と前記制動用シリンダ圧とが一致するように前記アクチュエータを制御するように構成されていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
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