JP3801739B2 - 偽造防止用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、有価証券等の偽造防止用紙に係るものであり、詳しくは、スレッドが間欠的に紙の窓部から表面側に露出した、スレッド露出窓付きの偽造防止用紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のカラー複写機の精度向上に伴い、当該複写機を使用して有価証券等を偽造することが社会問題となっている。従来、これを防止する手段の一つとして、特開平8−311800号は、スレッドを使用した偽造防止用紙を開示している。
【0003】
この偽造防止用紙は、2層以上の紙層で構成され、最外部に位置する紙層が窓部を有し、最外部に位置する紙層とその下に位置する紙層の間に虹彩色光沢を有するスレッドが挿入されており、スレッドが窓部に露出しているという構造を有する。
【0004】
その製造方法は以下のようなものである。最初にスレッドを製造する。このスレッドは、例えば、合成樹脂フィルムに真珠顔料等の着色液を塗工することによりホログラム層を得、さらにそのホログラム層の上にバインダーを塗工し、その後スリッター等を使用して帯状に形成する。その外観はホログラムであり虹彩色の光沢を有する。尚、このバインダーは、紙層との密着のために必要である。
【0005】
次に、2槽構造の円網抄紙機の1槽目では円網シリンダーの上網に用紙の窓部に相当する部分の網目を塞ぐ細工をする。この細工は、上網に樹脂を部分的に塗工したり、所定の形状の樹脂板を貼合したり、金属板を貼合する等で行なう。2槽目では何等の細工を施さない円網シリンダー上網を使用する。
【0006】
1槽目で形成した紙層(湿紙)を毛布に転写し、これに2槽目で形成した紙層を重ね抄き合わせる。このとき1槽目で形成した紙層と2槽目で形成した紙層の間であって、窓部に位置するように、スレッドを繰り出して挿入する。
【0007】
このようにして形成した紙匹を、シリンダードライヤーやヤンキードライヤー等の抄紙機の乾燥ゾーンにおいて熱を加え乾燥する。乾燥初期には紙匹には多量の水分が含まれているので、スレッドの塗工層に塗工した熱水可溶性のバインダーが膨潤し、その極一部が溶解し、紙層と強固に密着する。ついで用紙に表面平滑性を付与するために、マシンカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を適宜行い完成する。
【0008】
上記の偽造防止用紙は、カラー複写機により複写すると、その複写物にはスレッドの虹彩色の光沢が全く異なる色として複写されるため偽造を防止することができるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の偽造防止用紙は、円網とコーチロール部のニップにおいて湿紙の状態の紙層の間にスレッドを挿入する一体製造法を前提とするため、当該偽造防止用紙の窓部側表面に様々な機能を有するコーティング層を設けることができないという問題点があった。
【0010】
例えば、印刷適性やプリンタ適性を向上するための表面サイズ剤のコーティング層や、自動改札用切符等に用いられる磁性材料の磁性層等を、当該偽造防止用紙の窓側表面に設けようとすると、窓部に露出するスレッドに外添サイズ剤や磁性材料が付着してしまい、スレッドの光沢が損なわれてしまう。従って、上記の偽造防止の効果を得られないのである。
【0011】
本発明は、上記のように、窓部にスレッドを有する偽造防止用紙であって、当該用紙に偽造防止機能以外の印刷適性を始めとする様々な機能を実現することができる偽造防止用紙を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、完成した紙や合成樹脂フィルム等から成る第1シート及び第2シートを用い、この第1シートはその表面に予め必要なコーティング層を設けたものであり、この第1シート及び第2シートの間にスレッドを挟み接着剤により貼り合せた構造に特徴がある。
【0013】
本発明の偽造防止用紙は、予め必要なコーティング層を有する第1シートや第2シートを適宜選択することにより、スレッドの光沢を維持したままコーティング層を表面に設けることができ、偽造防止機能以外の印刷適性を始めとする様々な機能を実現することができる。
【0014】
ここで、コーティング層とは、公知のコーティングの一切を含む。その内の幾つかを列挙するならば、印刷紙のコート層、プリペイドカードの磁性層、感圧記録紙の発色剤層、感熱記録紙の感熱記録層、感熱転写紙の断熱層、さらに、機能的には補助的ではあるが、隠蔽層、保護層、防水層、乾燥促進層等があり、これら数種のコート層を積層した多層コートもここにいうコーティング層に含まれる。
【0015】
本発明によれば、例えば、保護層と磁性層を多層コートした合成樹脂製シートを打ち抜き、窓部を設けることにより、第1シートとすることができるため、スレッドを抄き込むことを前提とする従来の偽造防止用紙では実現不可能な合成樹脂製シートを用いた偽造防止用紙を得ることができる。
【0016】
本発明の偽造防止用紙では、その第1シートは透かし入り紙であって差し支えない。
【0017】
ここで透かしとは、公知の透かしの一切を含み、例えば、ウォーターマーク、ケミカルウォーターマーク、プレスマーク等をいう。
【0018】
スレッドに透かしを併用することにより、さらに偽造防止の効果を高めることができる。さらに、透かし部分、即ち、白透かしにおいては白く透き通っている部分の下に延在するスレッドが浮き出すように配置すると、透かしの確認を容易にすることができる。
【0019】
本発明に係る偽造防止用紙では、その第2シートの外側表面にコーティング層を設けることができる。
【0020】
本発明によれば、第2シートにおいても偽造防止以外の機能を発揮することができる。
【0021】
本発明に係る偽造防止用紙は、その第2シートを透かし入り紙で構成させることができる。
【0022】
本発明によれば、第2シートにおいても透かしを用いて偽造防止の効果を高めることができる。
【0023】
本発明に係る偽造防止用紙は、窓部を設けた第1シートと、該窓部を設けた第1シートの裏面に配置した光沢のあるスレッドと、該スレッドの裏面に配置した第2シートとから成り、該第2シートは透明フィルムの外側表面に窓部を設けた紙を接着剤により接着した複合シートであり、該第1シートと該スレッドと該第2シートとは接着剤により貼り合せられ、該スレッドは該第1シートの窓部に露出し、また、該スレッドは第2シートの窓部に該透明フィルムを通して視認可能に配置したというものである。
【0024】
本発明によれば、第1シートの窓部にスレッドが露出しており、また、第2シートの窓部においては、透明フィルムを通してスレッドが視認可能であり、偽造防止用紙の表裏両面において偽造防止を図ることができる。
【0025】
この種の偽造防止用紙は、窓部を設けた第1シートと、該窓部を設けた第1シートの裏面に配置する光沢のあるスレッドと、該スレッドの裏面に配置する第2シートとを夫々巻取ロールから供給し、次に第2シートのスレッド側面に接着剤を塗布し、次にスレッドが該窓部に露出する位置に配置し、第1シートとスレッドと第2シートを貼り合せることで製造できる。
【0026】
本発明によれば、スレッド表面への接着剤の付着を防止することができ、さらに、接着剤の塗布は第2シートのスレッド側の表面のみに施せば済むため製造工程を少なくすることができ製造コストを低廉にすることができる。
【0027】
尚、貼り合せの方法は、ウエットラミネータであるかドライラミネータであるかを問わない。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係る偽造防止用紙の一例を図1及び図2を参照して説明する。符号50は、乗車券用の偽造防止用紙であり、窓部54を設けた熱転写記録紙である第1シート51と、該第1シートの裏面に配置したスレッド52と、該スレッドの裏面に配置した複合紙である第2シート53から成る。
【0029】
第1シート51は、紙56の表面に熱転写性受容層55をコーティングした坪量47g/m2の熱転写記録紙である。窓部54を打抜き機により形成した後、ロールAに巻き取る。
【0030】
第2シート53は、厚さ38μmの透明ポリエステルフィルム57を、外側表面に窓部58と磁気記録層59aを有する磁気記録紙59へ接着剤約5g/m2のウレタン系接着剤により接着した複合シートである。この第2シート53は、ロールBに巻き取る。
【0031】
図1に例示する偽造防止用紙は、ドライラミネータ接着法により製造する。即ち、最初に、第2シート53の透明ポリエステルフィルム57の表面に、接着パン61からアプリケーターロール62を介して溶剤型ウレタン系接着剤を約5g/m2塗工する。次に、この第2シート53をドライヤーパート65を通して乾燥する。最後に、一対のプレスローラ63、64により、ロールAから供給した第1シート51及びボビンCから供給したスレッド52を第2シート53に圧着し完成する。完成した偽造防止用紙は、ロールDに巻き取られる。
【0032】
図1に示す偽造防止用紙は、スレッド52は第1シート51の窓部54に露出し、また、スレッド52は第2シート53の窓部58に透明ポリエステルフィルム57を通して視認可能に配置したというものである。
【0033】
本発明に係る偽造防止用紙は、第1シートの窓部にスレッドが露出しており、また、第2シートの窓部においては、透明フィルムを通してスレッドが視認可能であり、偽造防止用紙の表裏両面において偽造防止を図ることができる。
【0034】
尚、図1に示すように第1シート51の窓部54と第2シート58の窓部の位置を一致させておくと、スレッド53が両窓部54、58により形成された透明窓に掛け渡されているように見える。これは、美観に優れると共に、そのような透明窓をコピー等により作成することは不可能であるため偽造防止効果が極めて大きいという利点がある。
【0035】
付言すらならば、上記透明窓は、従来の抄き合わせる偽造防止用紙では、実現不可能である。即ち、第1に透明フィルムを抄き合わせることが不可能であり、また、もし透明フィルムを無理に抄き合わせても該フィルムに紙繊維が付着し、透明窓の透明を確保できないからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る偽造防止用紙の断面説明図である。
【図2】 図1に示す偽造防止用紙のドライラミネーター接着法を示す説明図である。
【符号の説明】
51 第1シート
52 スレッド
53 第2シート
54、58 窓部
60 ドライラミネータ装置
Claims (3)
- 窓部を備え、外側表面にコーティング層を有する第1シートと、該窓部を設けた第1シートの裏面に配置した光沢のあるスレッドと、該スレッドの裏面に配置され、外側表面にコーティング層を有する第2シートとから成り、該第2シートは透明フィルムの外側表面に窓部を設けた紙を接着剤により接着した複合シートであり、該第1シートと該スレッドと該第2シートとは接着剤により貼り合せられ、該スレッドは該第1シートの窓部に露出し、また、該スレッドは第2シートの窓部に該透明フィルムを通して視認可能に配置した偽造防止用紙。
- 第1シートが透かし入り紙である請求項1記載の偽造防止用紙。
- 第2シートが透かし入り紙である請求項1記載の偽造防止用紙。
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