JP3794604B2 - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、押出成形に適した物性を有するポリオレフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンはその優れた成形性を有することから、射出成型品、押出成型品などの幅広い用途に用いられてきている。ポリオレフィンの中でも、ポリプロピレンは、優れた成形性に加えて、各種用途に適合する優れた樹脂物性を有していることから、近年特に需要を伸ばしている。
たとえば、押出成形による各種形状の押出し成形物、ブロー成形による各種中空成形物、フィルム形成能を利用したフィルム、シートなどその応用は極めて広い。
【0003】
これら、ポリオレフィンの成形品の分野では、これまで新たな市場を開拓するために、また市場の要望に応えるために、種々の改良がなされてきた。その改良は、樹脂製造工程、樹脂同士の混合、添加剤との混合、樹脂の変性処理に及んでいる。例をあげれば、ポリプロピレンの物性を改良する目的で、あるいは溶融時・発泡時の流動性を改良する目的でポリプロピレンを多段階で重合する方法あるいは性質の異なる複数の樹脂を溶融混合する方法が知られており、また同じ流動性を改良する目的で、ポリプロピレンを架橋することも種々行われている。
例えば、2官能性の単量体とラジカル開始剤をポリオレフィンと混合する方法や、成形物に放射線を照射する方法が知られており、また、アルケニルシランとオレフィンの共重合体を含むポリオレフィン粒子と、特定のヒドロシリル化触媒を含むポリオレフィン粒子などを混合溶融成形する方法も試みられている。
【0004】
ポリオレフィン、中でもポリプロピレンの主たる用途である押出し成形においては、種々の改良対象の一つとして、樹脂の溶融時の特性が注目されてきた。樹脂の溶融時特性は、成形時の溶融樹脂の安定性、成形サイクル、成形物の外観及び物性などを左右する重要な要素である。
この課題について上記したような種々の改良努力がなされているものの、更なる改善が望まれている分野である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、押出し成形に適した溶融特性を有する成形用樹脂の開発に鋭意取り組んだ結果本発明に到達した。即ち、本発明は、押出し成形において優れた溶融特性を有する結果、優れた成形性を発揮する樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体と、少なくとも1種のポリα−オレフィンとの混合物、(B)アルケニルシランをグラフトしたポリα−オレフィンおよび(C)アルケニルシランをグラフトしたポリα−オレフィンと、少なくとも1種の他のポリα−オレフィンとの混合物から選ばれた少なくとも1種の、アルケニルシランに由来するケイ素原子を1ppmないし40,000ppm含有するポリα−オレフィン組成物を、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシ化合物の存在下に加熱溶融混練することを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物を提供する。
【0007】
本発明で提供される上記したポリオレフィン樹脂組成物では、ポリα−オレフィンのいずれかが、下記の性質を満たす結晶性ポリプロピレンであるポリオレフィン樹脂組成物が、本発明の好ましい組成物として提供される。
(a)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜50g/10分。
(b)極限粘度[η]8〜13dl/gの高分子量成分の含有量が15〜50重量%。及び
(c)13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.970以上。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下に具体的に説明する。
本発明におけるアルケニルシランは、アルケニル基と、少なくとも一つのSi−H結合を有する化合物である。アルケニル基としては炭素数2ないし8のものが好ましく用いられる。アルケニルシランとしては、例えば下記一般式(II)で表される化合物を挙げることができる。
【化1】
H2C=CH−(CH2)n−SiHpR3−p …… (I)
(式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12の炭化水素残基。)
が例示できる。
【0009】
式(I)で表される化合物の具体的としては、ビニルシラン、アリルシラン、ブテニルシラン、ペンテニルシランを挙げることができる。また、これらの化合物中、一部のSi−H結合のHが塩素で置換された化合物も好適な例として挙げることができる。
【0010】
本発明のα−オレフィンとしては、下記一般式(II)で示される化合物、が例示できる。
【化2】
H2C=CH−R …… (II)
(式中Rは水素または炭素数1〜12の炭化水素残基。)
【0011】
具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素数2〜8の脂肪族α−オレフィン、及びスチレンまたはその誘導体を例示できる。なかでも脂肪族α−オレフィンが好ましい。
【0012】
好ましいモノマーの組み合わせとしては、エチレン/ビニルシラン、エチレン/アリルシラン、エチレン/ブテニルシラン、エチレン/ペンテニルシラン、プロピレン/ビニルシラン、プロピレン/アリルシラン、プロピレン/ブテニルシラン、プロピレン/ペンテニルシラン、ブテンー1/ビニルシラン、ブテンー1/アリルシラン、ブテンー1/ブテニルシラン、ブテンー1/ペンテニルシラン、ペンテン−1/ビニルシラン、ヘキセン/ビニルシラン、4−メチルペンテン−1/ビニルシラン、ヘプテン/ビニルシラン、オクテン/ビニルシランなどを挙げることができるが、なかでもプロピレン/ビニルシランを好ましい例として挙げることができる。
【0013】
本発明のアルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体は、α−オレフィンを重合させてポリα−オレフィンを製造する通常の条件に、適当量のアルケニルシランを添加することにより製造することができる。
【0014】
たとえば、Ziegler-Natta触媒として知られる遷移金属成分と有機金属化合物と必要に応じて電子供与体などの添加物よりなる触媒が使用できる。遷移金属成分は、Ti、V,Zr,Hfなどの遷移金属化合物成分が使用できる。
また、これら遷移金属化合物成分としてメタロセン触媒成分としていられる化合物を選択してもよい。
【0015】
具体的には四塩化チタンを金属アルミニウム、水素あるいは有機アルミニウムで還元して得た三塩化チタンを電子供与性化合物で変性処理したものと有機アルミニウム化合物、さらに必要に応じて含酸素有機化合物などの電子供与性化合物とからなる触媒系、あるいはハロゲン化マグネシウムなどの担体あるいはそれらを電子供与性化合物で処理したものにハロゲン化チタンを担持して得た遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、さらに必要に応じて含酸素有機化合物などの電子供与性化合物とからなる触媒系、あるいは塩化マグネシウムとアルコールの反応物を炭化水素溶媒中に溶解し、ついで四塩化チタンなどの沈殿剤で処理することで炭化水素溶媒に不溶化し、必要に応じてエステル、エーテルなどの電子供与性の化合物で処理し、ついでハロゲン化チタンで処理する方法などによって得られる遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、さらに必要に応じて含酸素有機化合物などの電子供与性化合物とからなる触媒系などが例示される。(例えば、本発明で使用可能な触媒系の種々の例は、以下の文献に記載されている。Ziegler-Natta Catalysts and Polymerization by John Boor Jr. (Academic Press), Journal of Macromolecular Science Reviews in Macromolecular Chemistry and Physics, C24(3) 355-385 (1984)、同C25(1) 578-597(1985))。
あるいは炭化水素溶剤に可溶な遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触媒を用いて重合することもできる。
【0016】
ここで電子供与性化合物としては通常エーテル、エステル、オルソエステル、アルコキシ珪素化合物などの含酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアルコール、アルデヒド、水なども使用可能である。
【0017】
有機アルミニウム化合物としてはトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素が例示される。また上記有機アルミニウムと水または結晶水とを反応することで得られるオリゴマー〜ポリマーであるアルミノキサンも利用できる。
【0018】
これら公知の触媒を用いて、不活性溶媒の存在下または不存在下に、塊状重合法、気相重合法、溶液重合法などで製造することができる。
【0019】
本発明のアルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体の製造は、本発明の目的に応じて、従来公知の条件から適宜選択することができる。
【0020】
アルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体中のアルケニルシラン単位量は、後記する最終的なポリオレフィン樹脂組成物中のアルケニルシラン単位含量を満たすように選択し、調製されるが、通常0.0001ないし30モル%、好ましくは0.001ないし30モル%、さらに好ましくは、0.01ないし20モル%である。
【0021】
また、アルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体の分子量は、とくに限定されるものではないが、135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度で表して、0.2〜10程度、好ましくは 0.5〜5.0である。得られるポリオレフィン樹脂組成物の溶融流動性改良、成形物の物性改良などその改良目的に応じて該共重合体の分子量を適宜選択することができる。たとえば、物性改良を目的とするならば比較的高い分子量(高い極限粘度)を選ぶのが好ましい。
【0022】
アルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体は、αーオレフィンの単独重合体又は共重合体(以下ポリαーオレフィンという)と混合してポリαーオレフィン組成物を調製する。アルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体と混合されるポリαーオレフィンとしては、前記したαーオレフィンの単独重合体又は共重合体を例示できる。具体的には、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンのランダム共重合体もしくはブロック共重合体、エチレンとブテンー1との共重合体、エチレンと4−メチルー1−ペンテンとの共重合体、エチレンとヘキセンとの共重合体、エチレンとオクテンとの共重合体を挙げることができる。なかでも、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンのランダム共重合体、ブロック共重合体が好ましい。使用されるαーオレフィンの単独重合体もしくは共重合体は、前記した触媒を用いて、αーオレフィンを単独重合させるか、又はコモノマーの存在下で共重合させることにより得ることができる。また市販されているポリαーオレフィンを適宜選択することも可能である。使用されるポリαーオレフィンの、230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)は、通常0.01ないし100で、好ましくは0.01ないし50である。
【0023】
得られたアルケニルシランとαーオレフィンとの共重合体とポリαーオレフィンの混合物よりなるポリαーオレフィン組成物は、さらに他の同種または異種の1種または2種以上のポリαーオレフィンと混合してポリαーオレフィン組成物としてもよい。
【0024】
アルケニルシランとαーオレフィンとの共重合体とポリαーオレフィンとの混合よりなるポリαーオレフィン組成物中の混合割合は適宜選択できる。通常アルケニルシランとαーオレフィンとの共重合体1重量部に対して、ポリαーオレフィンの合計量は10000重量部以下となるが、混合割合は、最終的な混合物中のアルケニルシラン単位の含有量が6モル%以下、好ましくは4モル%以下となるように混合割合を選ぶことが望ましい。アルケニルシラン単位をそれに由来するケイ素の量でいうと1ppmないし40000ppm、好ましくは1ppmないし20000ppmが好ましい。ケイ素の量は、蛍光X線によって測定することができる。
【0025】
アルケニルシランとαーオレフィンとの共重合体とポリαーオレフィンとの混合物を調整するにあたって、ポリαーオレフィンとして下記(a)〜(c)の特性を有する結晶性ポリプロピレンを使用することにより溶融特性が改善された樹脂組成物を得ることができ、物性が改善された成形物を得ることができる。
(a)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜50g/10分。
(b)極限粘度[η]8〜13dl/gの高分子量成分の含有量が15〜50重量%。及び
(c)13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.970以上。
【0026】
さらに該結晶性ポリプロピレンが下記(d)の特性を有していることが好ましい。
(d)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布Mw/Mnが6以上かつMz/Mwが4以上。
【0027】
結晶性ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体であってもいいし、プロピレンとエチレンあるいは他のモノマーとの共重合体であってもいい。一般的にはプロピレンの単独重合体が用いられるが、低温衝撃強度が要求される場合にはエチレンとのブロック共重合体を、また透明性を要求される場合にはエチレンとのランダム共重合体を用いると好適な結果が期待できる。
【0028】
本発明における結晶性ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、230℃、2.16kg荷重下で測定して0.01〜50g/10分の範囲内にあるが、好ましくは0.05〜35g/10分である。
また結晶性ポリプロピレンは極限粘度[η]8〜13dl/gの高分子量成分を15〜50重量%含有している。さらに、極限粘度[η]が8.5〜12dl/gの高分子量成分の含有量が15〜45重量%であることが好ましい。
【0029】
本発明における結晶性ポリプロピレンの、13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)は0.970以上あるが、好ましくは0.980〜0.995である。
ここでアイソタクチックペンタッド分率とは、13C−NMRを使用して測定される結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖であり、プロピレンモノマー単位で5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。実際には、13C−NMRスペクトルで測定されるメチル炭素領域の全吸収ピーク中に、mmmmピークが占める分率として求めることができる。
【0030】
本発明における結晶性ポリプロピレンが満たしていればより好ましい性質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布がある。GPC法によって測定された重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で示される値が6以上、好ましくは6〜20であり、同様にGPC法で測定されたZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)で示される値が4以上、好ましくは4〜7である。この範囲を満たすということは、通常のポリプロピレンに比べて高分子量側に分布が広いことを示す。
本発明の結晶性ポリプロピレンは、上記特性を満していればよく、製造方法には特に限定されない。
【0031】
本発明における結晶性ポリプロピレンの製造方法の一例を示せば、分子量の異なるポリプロピレンを別々に製造し、これらを溶融混練して配合するか、分子量の異なるポリプロピレンを多段重合で製造することにより分子量の異なるポリプロピレンを配合するのが好ましい。この際、相対的に低分子量のポリプロピレンと相対的に高分子量のポリプロピレンとを配合した組成物とすることにより物性の改善効果が著しく高くなる。
【0032】
本発明において該結晶性ポリプロピレンを使用する場合、アルケニルシランとα−オレフィンの共重合体、または該共重合体と該結晶性ポリプロピレン以外のポリα−オレフィンの合計量と、結晶性ポリプロピレンの混合割合は、アルケニルシランとα−オレフィンの共重合体、または該共重合体とポリオレフィンの合計量1重量部に対して結晶性ポリプロピレンが1/1000重量部以上、好ましくは1/100重量部ないし1/5重量部である。
【0033】
本発明において該結晶性ポリプロピレンを使用する場合、アルケニルシランとα−オレフィンの共重合体、または該共重合体と該結晶性ポリプロピレン以外のポリα−オレフィンが、[η]が8〜13の高分子量成分を15重量%未満含有するポリα−オレフィンであればより好ましい結果を得ることができる。
【0034】
さらに本発明のポリオレフィン樹脂組成物の溶融特性に注目するならば、高いせん断速度領域での溶融粘度を低く維持しつつ、低いせん断速度領域での溶融粘度をできるだけ高くすることが可能な樹脂組成物を提供することにある。
【0035】
本発明においては、ポリα−オレフィンにアルケニルシランをグラフトしたグラフト重合体をポリα−オレフィン組成物とすることができる。グラフト重合体として、前記したポリαーオレフィンに、従来公知の方法でアルケニルシランをグラフト重合して得たグラフト重合体を使用することができる。ポリαーオレフィンとしては、前記したポリαーオレフィン、即ち前記結晶性ポリプロピレンおよび他のポリαーオレフィンを例示できる。具体的には、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンのランダム共重合体もしくはブロック共重合体、エチレンとブテンー1との共重合体、エチレンと4−メチルー1−ペンテンとの共重合体、エチレンとヘキセンとの共重合体、エチレンとオクテンとの共重合体を挙げることができる。なかでも、プロピレンの単独重合体、およびプロピレンとエチレンのランダム共重合体もしくはブロック共重合体が好ましい。また市販されているポリαーオレフィンを適宜選択することも可能である。グラフト重合されるポリαーオレフィンのMFRは、通常0.01ないし100で、好ましくは0.01ないし50である。
【0036】
本発明では、アルケニルシランを前記結晶性ポリプロピレンにグラフトしたグラフト重合体もしくは該グラフト重合体と他のポリαーオレフィンとの混合物を、ポリαーオレフィン組成物としてもいいし、アルケニルシランを他のポリαーオレフィンに、グラフトしたグラフト重合体と前記結晶性ポリプロピレンの混合物をポリαーオレフィン組成物としてもいい。
【0037】
グラフト重合体、またはグラフト重合体とポリαーオレフィンとの混合物よりなるポリαーオレフィン組成物中のアルケニルシラン単位の量は、6モル%以下、好ましくは4モル%以下であることが望ましい。
【0038】
アルケニルシラン単位をそれに由来するケイ素の量でいうと1ppmないし40000、好ましくは1ppmないし33000ppm、より好ましくは1ppmないし20000となる。ケイ素の量は、前記同様蛍光X線によって測定することができる。
【0039】
グラフ重合されるポリαーオレフィン、もしくはグラフト重合体と混合されるポリαーオレフィンが、前記した結晶性ポリプロピレンであると、溶融特性が改善された樹脂組成物を得ることができ、物性が改善された成形物を得ることができる。
【0040】
本発明では、グラフト重合体がグラフト重合された結晶性ポリプロピレンであることが好ましい。
【0041】
本発明において上記で得られるポリαーオレフィン組成物はアルカリ土類金属のアルコキシ化合物の存在下に加熱溶融混合される。ここでアルカリ金属またはアルカリ土類金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが例示できる。アルコキシ基としては特に限定はないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、sec.−ブトキシ、tert.−ブトキシ、ペンタノキシ、ヘキサノキシ、ヘプタノキシ、オクタノキシ、シクロヘキサノキシなどの炭素数1ないし8のアルコキシ基、あるいはフェノキシ、4ーメチルフェノキシ、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシなどの炭素数6ないし20のアリーロキシ基が例示できる。また、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコールから誘導される置換基を有するアルコキシ基も好ましく例示できる。
【0042】
本発明において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシ化合物の使用量としては触媒量で充分であるが、通常、アルケニルシランとα−オレフィンの共重合体と結晶性ポリプロピレン、または該重合体と結晶性ポリプロピレンおよび他のポリα−オレフィンの混合物とに対し0.00001〜1重量%、好ましくは0.0001〜0.5重量%使用される。
【0043】
本発明において、上記アルケニルシランとα−オレフィンの共重合体、または該重合体とポリオレフィンの混合物と、結晶性ポリプロピレンの混合物をアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシ化合物の存在下に加熱溶融混合する方法としては、上記のすべての成分を混合した後に押出機や二軸混練機に投入し、加熱溶融混練して行われる。接触温度としては150〜300℃程度、接触時間としては0.05〜20分程度である。
【0044】
混合に際し、必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、耐放射線剤、帯電防止剤、結晶造核剤、無機充填剤、滑剤、可塑剤、中和剤、顔料、着色剤などの通常オレフィン系重合体に使用される各種添加剤を添加することももちろん可能である。また、機械物性を改良するためにエラストマー等の副原料を添加することもできる。さらに得られるポリオレフィン樹脂組成物の分子量を調節する目的で、混合に際し、ラジカルを発生する化合物も添加することができ、通常のラジカル発生剤、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化アセチル、過酸化等ラウロイル、過安息香酸、過安息香酸t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンなどの過酸化物類やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物類等を用いることができる。
【0045】
これら化合物の添加量はアルケニルシランとα−オレフィンの共重合体、または該重合体とポリオレフィンの混合物と、結晶性ポリプロピレンの混合物に対して0.00001〜0.1重量%程度である。
【0046】
【実施例】
以下に実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例中の測定方法は下記の通りである。
(1) メルトフローレート(以下MFRと記す):ASTM−D1238(230℃)に準拠した。
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布:重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)を次の条件で測定した。即ち、Waters社製の150C型GPCを用い、ポリマーラボラトリーズ社製PLmlxedBカラムを取り付け、ポリマー濃度0.15重量%のサンプルを400μ1供給した。溶媒はo−ジクロルベンゼンで、測定温度は135℃であった。そしてポリマーラボラトリーズ社製の標準ポリスチレンで作成した検量線からMw、Mn、およびMzを求めた。解析には、Waters社製の解析ソフト(ミレニアム)を使用した。
(3) 引張弾性率:ASTM−D882に準拠した。
(4)溶融粘弾性:樹脂の溶融粘度の測定は円錐円盤形レオメーター(レオロジ社MR−500、円錐角5deg、円盤径20mm)を用い、測定温度150〜250℃、測定角周波数0.1〜100rad/sec.、測定ひずみ1〜10%の線形範囲内で行った。
【0047】
(5)成形性:成形性を評価する装置として、真空・圧空成形機(浅野研究所製、コスミック成形機FK−0331−5)(以下成形機と記す)に可視光半導体レーザー式変位計(レーザー部:KEYENCE製LB−300、出力部:KEYENCE製RD−50)(以下、変位計と記す。)を取り付け、加熱時におけるシートの鉛直方向の変位が逐次的に測定できるように改造した。シートサンプルをセットし、シート上下両面に350℃に設定した可動式セラミックヒーターを移動し、加熱を開始する。シートは熱膨張と軟化により凹凸に波打った後、全体的に柔らかくなり、自重により下に垂れ下がる。加熱が進行すると垂れ戻りと呼ばれるシートが張る現象が現れ、更に加熱を続けるとしばらく張った状態が続き、やがて再び垂れ下がり始め、最終的には溶融して滴下する。この間のシート中央部の変位を変位計で測定し、以下の3つの測定値を成形性の指標とした。なお、シート中央部の変位はシートセット時を0とし、鉛直下方向を正値とした。
(ア)垂れ戻り時間:セラミックヒーターがシート上下両面に移動し、加熱を開始した瞬間を時間0とし、シートが垂れ下がり、その後垂れ戻りによりシート中央部位置が上昇し、最高点に達するまでに要した時間。
(イ)垂れ戻り変位:(ア)の垂れ戻り時間におけるシートの変位。
(ウ)張り時間:(ア)の垂れ戻り時間を0とし、最初のシート位置から30mm垂れ下がるまでに要した時間。
なお、成形性は(ア)の垂れ戻り時間が短いほど、(イ)の垂れ戻り変位が小さいほど、また(ウ)の張り時間が長いほど成形の自由度が大きく、良好と評価する。
【0048】
実施例1
(1)プロピレンとビニルシランの共重合体の調製
1)触媒の調整
直径12mmの剛球9kgの入った内容積4リットルの粉砕用ポットを装備した振動ミルに窒素雰囲気下で塩化マグネシウム300g、ジイソブチルフタレート112mlおよび四塩化チタン60mlを入れ、40時間粉砕した。こうして得た粉砕物300gを5リットルのフラスコに入れ、トルエンで洗浄し及びそのn−ヘキサンで繰り返し洗浄して遷移金属触媒成分を得た。一部をサンプリングしてチタンを分析したところチタン分は2.2wt.%であった。
2)共重合反応
内容積70リットルの重合器に窒素雰囲気下、n−ヘキサン1リットルでスラリーにした上記遷移金属触媒0.70g、プロピルトリエトキシシラン2.08mlおよびトリエチルアルミニウム9.0mlを入れ、プロピレン28.5kg、ビニルシラン0.13kgを加え、水素100Nリットルを圧入した後、70℃で2時間重合した。重合中、系中の水素濃度が一定になるように水素は逐次フィードした。重合後未反応のプロピレンをパージし、パウダーを取り出した後、濾過乾燥して10.2kgの共重合体を得た。
このポリマーの135℃のテトラリン溶液中で測定した極限粘度(以下[η]と記す)は1.33dl/gであり、GPCにより測定した分子量分布Mw/Mnは5.1であった。また、蛍光X線によりケイ素含有量を測定し、ビニルシラン含有量に換算したところ、ビニルシラン単位を0.14mol%含有していた。
【0049】
(2)結晶性ポリプロピレンの調製
1)触媒の調整
無水塩化マグネシウム4.8キログラム、デカン25.0リットルおよび2−エチルヘキシルアルコール23.4リットルを200リットルのオートクレーブに装入し、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。その後、この溶液中に無水フタル酸11.1キログラムを添加し、さらに攪拌混合を行って均一溶液とした。このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、−20℃に保持された200リットル中に1時間かけて全量滴下した。滴下終了後、この混合液の温度を110℃に昇温し、ジイソブチルフタレート2.7リットルを添加した。その後熱濾過にて固体部を採取し、110℃のへキサンにて洗浄した。洗浄は、洗液中の遊離のチタン化合物濃度が0.1ミリモル/リットル以下になるまで充分に行った。以上の方法により固体状チタン触媒成分を得た。
【0050】
2)予備重合触媒成分の調整
内容積200リットルのオートクレーブに、上記固体状チタン触媒成分を250グラム、トリエチルアルミニウム(以下TEAと記す)を32.1グラム、ヘプタン125リットルを装入した。次いで内温を10℃に保ちながらプロピレンを1250グラム装入し、30分間攪拌した後、四塩化チタン18グラムを装入して予備重合触媒成分のスラリーを得た。
【0051】
3)プロピレン多段重合
連続2段法で実施した。即ち、1段目の重合として、内容積500リットルの重合器−1にヘプタンを53リットル/時間、触媒として上記の予備重合触媒成分を8.0グラム/時間、トリエチルアルミニウムを15.2グラム/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン(以下DCPMSと記す)を31グラム/時間の割合で連続的に供給し、温度60℃で実質的に水素の存在しない条件下で、重合器−1の内圧を0.76MPa(7.8kgf/cm2、ゲージ圧)に保つようにプロピレンを連続的に装入した。重合器−1のスラリーをサンプリングし、ポリプロピレンの極限粘度[η]を測定したところ、9.5dl/gであった。
続いて2段目の重合として、内容積500リットルの重合器を4基用い、第1段の重合を行った重合器−1のスラリーを重合器−2へ連続的に送りさらに順次後の重合器に送って重合した。2段目の重合では、ヘプタンを装入しながら、温度70℃で加圧下、気相部の水素濃度を6vol.%に保つようにプロピレンおよび水素を連続的に供給した。重合器を出たスラリーから未反応のモノマーを除去した後、通常の方法でヘプタンを遠心分離し、80℃、9300Pa(70mmHg、ゲージ圧)で10時間乾燥して製品とした。この製品パウダーは78kg/時間の割合で得られた。この製品のMFRは0.5g/10分であった。また物質収支から算出した、最終的に得られたポリプロピレンに占める1段目の重合で生成したポリプロピレンの割合は32wt.%であった。また13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(以下mmmmと記す)は0.983であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布Mw/Mnは9.8、Mz/Mwは4.0であった。
【0052】
(3)ポリオレフィン樹脂組成物の製造および評価
極限粘度[η]が2.90dl/gのポリプロピレンパウダー((株)グランドポリマー製、銘柄名EB)90重量部に対し、上記(1)で得られたプロピレン/ビニルシラン共重合体2.04重量部、上記(2)で得られた結晶性ポリプロピレン10重量部、また触媒としてカリウム−tert.−ブトキシド0.05重量部を添加した後、酸化防止剤としてイルガホス168(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.1重量部、塩酸捕捉剤としてステアリン酸カルシウム0.05重量部を加え、50mmφ単軸押出機を用い、スクリュー回転数70rpm、温度220℃で加熱溶融混練しペレットを得た。このペレットのMFRは0.44g/10分であった。示差走査熱分析計(以下DSCと記す)を用いてこのペレットの結晶化温度(以下Tcと記す)および融点(以下Tmと記す)、また125℃における等温半結晶化時間(以下t1/2と記す)の値を測定したところ、Tcは122.0℃、Tmは163.7℃、t1/2は0.6分であった。またレオメーターを用い、測定温度230℃、測定角周波数0.1〜100rad/sec.、測定ひずみ1〜10%の線形範囲内でこのペレットの溶融粘度の測定を行ったところ、測定角周波数100rad/sec.(高せん断速度領域)における溶融粘度は1120Pa・sで、測定角周波数0.019rad/sec.(低せん断速度領域)における溶融粘度は42000Pa・sであった。
【0053】
次いで上記ペレットを使用し、40mmφ下向きTダイを用い、シリンダ・ダイス温度を230℃、ロール温度を60℃としてエアーナイフ法で厚さ500μmのシートを作成した。このシートの引張弾性率は19000kg/cm2であった。
得られたシートからMD方向500mm、TD方向300mmのサンプルを切り出し、シート成形性の評価を行ったところ、垂れ戻り時間が28秒、垂れ戻り変位が6mm、張り時間が20秒であった。
【0054】
実施例2
実施例1における(2)で得られた結晶性ポリプロピレンを添加しない以外は実施例1と同様にしたところ、得られたペレットのMFRは0.52g/10分、Tcは120.3℃、Tmは162.8℃、t1/2は0.9分であった。測定角周波数100rad/sec.(高せん断速度領域)における溶融粘度は1100Pa・sで、測定角周波数0.019rad/sec.(低せん断速度領域)における溶融粘度は38400Pa・sであった。また、シートの引張弾性率は17200kg/cm2であった。シート成形性の評価では、垂れ戻り時間が25秒、垂れ戻り変位が17mm、張り時間が16秒であった。
【0055】
実施例3
プロピレン/ビニルシラン共重合体5.25重量部を添加する以外は実施例1と全く同様に実施したところ、得られたペレットのMFRは0.48g/10分であり、Tcは123.3℃、Tmは163.7℃、t1/2は0.5分であった。また測定角周波数100rad/sec.における溶融粘度は1070Pa・sで、測定角周波数0.019rad/sec.における溶融粘度は39400Pa・sであった。また、シートの引張弾性率は20100kg/cm2であった。シート成形性の評価では、垂れ戻り時間が27秒、垂れ戻り変位が1mm、張り時間が32秒であった。
【0056】
実施例4
実施例3における(2)で得られた結晶性ポリプロピレンを添加しない以外は実施例3と同様にしたところ、得られたペレットのMFRは0.50g/10分、Tcは121.3℃、Tmは163.3℃、t1/2は0.8分であった。測定角周波数100rad/sec.(高せん断速度領域)における溶融粘度は1080Pa・sで、測定角周波数0.019rad/sec.(低せん断速度領域)における溶融粘度は37600Pa・sであった。また、シートの引張弾性率は18100kg/cm2であった。シート成形性の評価では、垂れ戻り時間が25秒、垂れ戻り変位が12mm、張り時間が16秒であった。
【0057】
比較例
実施例1における(1)で得られたプロピレン/ビニルシラン共重合体および(2)で得られた結晶性ポリプロピレンを添加しない以外は実施例1と同様にしたところ、得られたペレットのMFRは0.53g/10分、Tcは110.0℃、Tmは160.3℃、t1/2は5.0分であった。測定角周波数100rad/sec.(高せん断速度領域)における溶融粘度は1090Pa・sで、測定角周波数0.019rad/sec.(低せん断速度領域)における溶融粘度は35800Pa・sであった。また、シートの引張弾性率は15100kg/cm2であった。シート成形性の評価では、垂れ戻り時間が27秒、垂れ戻り変位が15mm、張り時間が12秒であった。
【0058】
実施例5
(1)ポリプロピレンの調製
重合器−1へ装入する予備重合触媒成分を5.4グラム/時間、トリエチルアルミニウムを10.3グラム/時間、DCPMSを20.9グラム/時間の割合に変更し、重合器−2における気相部の水素濃度を30vol.%とするほかは実施例1に準じてプロピレンの重合を行った。
1段目で重合されたポリプロピレンの[η]は9.4dl/gであり、得られた製品のMFRは4.0g/10分であった。また物質収支から算出した、最終的に得られたポリプロピレンに占める1段目の重合で生成したポリプロピレンの割合は25wt.%であった。またmmmmは0.983であり、Mw/Mnは18.9、Mz/Mwは5.6であった。
【0059】
(2)ポリオレフィン樹脂組成物の製造および評価
結晶性ポリプロピレンとして上記(1)で得られたものを使用する以外は実施例1と同様にしたところ、得られたペレットのMFRは0.53g/10分、Tcは123.0℃、Tmは163.9℃、t1/2は0.5分であった。架橋反応の進行に伴うMFRの若干の低下が観測された。また、Tc、Tmが共に上昇し、t1/2は短くなった。また、シートの引張弾性率は19100kg/cm2であった。シート成形性の評価では、垂れ戻り時間が27秒、垂れ戻り変位が5mm、張り時間が20秒であった。
【0060】
実施例6
プロピレン/ビニルシラン共重合体5.25重量部を添加する以外は実施例5と全く同様に実施したところ、得られたペレットのMFRは0.50g/10分であり、Tcは123.2℃、Tmは163.8℃、t1/2は0.5分であった。実施例3と同様に架橋反応の進行に伴いMFRの低下、Tc、Tmの上昇が観測され、t1/2は短くなった。また、シートの引張弾性率は20000kg/cm2であった。シート成形性の評価では、垂れ戻り時間が27秒、垂れ戻り変位が4mm、張り時間が28秒であった。
実施例1〜6および比較例の結果を表1にまとめた。
【0061】
【表1】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は剛性が高く、すぐれた溶融特性を有するので、成形性に優れており、成形品にすぐれた物性を与え、工業的に価値が高い。
Claims (4)
- (A)アルケニルシランとα−オレフィンとの共重合体と、少なくとも1種のポリα−オレフィンとの混合物、(B)アルケニルシランをグラフトしたポリα−オレフィンおよび(C)アルケニルシランをグラフトしたポリα−オレフィンと、少なくとも1種の他のポリα−オレフィンとの混合物から選ばれた少なくとも1種の、アルケニルシランに由来するケイ素原子を1ppmないし40,000ppm含有するポリα−オレフィン組成物を、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシ化合物の存在下に加熱溶融混練することを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
- 前記ポリα−オレフィンのいずれかが、下記の性質を満たす結晶性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(a)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜50g/10分。
(b)極限粘度[η]8〜13dl/gの高分子量成分の含有量が15〜50重量%。及び
(c)13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.970以上。 - 前記結晶性ポリプロピレンが、さらに下記の特性を有することを特徴とする請求項2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(d)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布Mw/Mnが6以上かつMz/Mwが4以上。 - 他のポリα−オレフィンが、[η]が8〜13の高分子量成分を15重量%未満含有するポリα−オレフィンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
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