JP3789236B2

JP3789236B2 - Vehicle disc brake

Info

Publication number: JP3789236B2
Application number: JP27005198A
Authority: JP
Inventors: 竹徳土屋
Original assignee: Nissin Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date: 1998-09-24
Filing date: 1998-09-24
Publication date: 2006-06-21
Anticipated expiration: 2018-09-24
Also published as: JP2000097260A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や自動二・三輪車等の走行車両に搭載されるディスクブレーキに係り、詳しくは、ピンスライド型のキャリパボディを用いた車両用ディスクブレーキに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ピンスライド型のキャリパボディを用いた車両用ディスクブレーキとして、例えば、特開平１０−１１０７５５号公報に示されるものがある。
このディスクブレーキには、ブリッジ部の両端に作用部と反作用部とを連結したキャリパボディを、ディスクロータの一側部で車体に固設したキャリパブラケットに一対のスライドピンを介して片持ちで支持し、このキャリパボディをスライドピンの案内にてディスク軸方向へスライドするようにしたピンスライド型のキャリパボディが用いられており、制動時には、キャリパボディの反作用部と反作用部との間に設けた一対の摩擦パッドをディスクロータ方向へ押動し、両摩擦パッドのライニングをディスクロータの両側面に摺接させて制動作用が行なわれる。
【０００３】
作用部側の摩擦パッドは、ディスク回入側と回出側とをキャリパブラケットのパッド受け部に係止し、また反作用部側の摩擦パッドは、裏板背面の一対の突起を、反作用部のディスク回入側と回出側との反力爪に穿設した嵌合孔に嵌合し、さらに裏板の背面中央の突部に係着した棒状のパッドスプリングの両端を反力爪のディスク内周側に係止して、反作用部側の摩擦パッドをキャリパボディの反作用部で支持する構造としたことにより、キャリパブラケットの小型・軽量化を図っている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成にあっては、キャリパボディが、前述の如く、作用部側のみをキャリパブラケットに支持される片持ち式であるため、作用部側の摩擦パッドに発生した制動トルクが、支持剛性力の高いキャリパブラケットに直接支承されるのに対し、反作用部側の摩擦パッドに発生した制動トルクは、キャリパブラケットから離れたキャリパボディの反作用部に作用する。
【０００５】
特に、車両前進方向の制動トルクは、車両後退方向の制動トルクに較べてかなり大きいために、キャリパボディに反作用部をディスク回出方向へ大きく撓ませるという挙動を生じ、キャリパボディのスライド性を損ったり、摩擦パッドのライニングがディスクロータの側面に片当たりして、ライニングに偏摩耗を生じる虞がある。この対策として、反作用部側の剛性力を高めるために反力爪を厚く肉盛りすると、キャリパボディが重く大型なものとなり、キャリパブラケットを小型・軽量化した効果がなくなる。
【０００６】
さらに、摩擦パッドの組付けに、突起と嵌合孔との嵌合を用いるキャリパボディの反作用部側では、製造誤差を吸収して、摩擦パッドの組付け性を容易に行なうために、少なくとも一方の嵌合孔が突起よりも大径に形成されるため、制動時の反作用部側の摩擦パッドが、嵌合孔と突起との間隙分をディスク回出方向へ引き摺られて、ブレーキ鳴きや振動音の発生を招くこととなる。
【０００７】
本発明は、このような実情を背景にしてなされたもので、その目的とするところは、キャリパボディとキャリパブラケットの小型・軽量化を図りながら、制動トルクによるキャリパボディの変形を極力防止して、キャリパボディのスライド性を良好に維持し、さらにライニングの偏摩耗と摩擦パッドの振動並びにブレーキ鳴きの発生を極力抑えることのできる車両用ディスクブレーキを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段を、図面の符号を括弧書きで付記して表すと以下の通りである。なお、本明細書において、ディスク回入側及び回出側は、車両前進時についてである。ディスクロータ（２）の両側部に対向配置される作用部（４ａ）と反作用部（４ｂ）とを、前記ディスクロータ（２）の外側を跨ぐブリッジ部（４ｃ）で連結してキャリパボディ（４）を構成し、該キャリパボディ（４）が、ディスク周方向の両側部をキャリパブラケット（３）に一対のスライドピン（５，６）を介してディスク軸方向へ移動可能に支持されるピンスライド型であって、前記作用部（４ａ）と反作用部（４ｂ）との間に、一対の摩擦パッド（７，８）をディスクロータ（２）を挟んで対向配置し、前記反作用部（４ｂ）のディスク回入側及び回出側の反力爪（４ｅ，４ｆ）にそれぞれ形成された嵌合孔（４ｇ，４ｈ）を、反作用部側の摩擦パッド（８）のディスク回入側及び回出側にそれぞれ突設した突起（１４ｄ，１４ｅ）よりも大径に形成し、ディスク回入側の嵌合孔（４ｇ）とディスク回入側の突起（１４ｄ）との嵌合及びディスク回出側の嵌合孔（４ｈ）とディスク回出側の突起（１４ｅ）との嵌合にて反作用部側の摩擦パッド（８）を前記反作用部（４ｂ）に係着した車両用ディスクブレーキにおいて、前記一対の摩擦パッド（７，８）うち、作用部側の摩擦パッド（７）に発生する車両前進走行時の制動トルクを前記キャリパブラケット（３）の作用部側に形成した車両前進走行時のディスク回出側のトルク受け段部（３ｇ）で支承せしめ、反作用部側の摩擦パッド（８）に発生する車両前進走行時の制動トルクを前記キャリパブラケット（３）の反作用部側に形成した車両前進走行時のディスク回出側のトルク受け段部（３ｈ）で支承せしめ、前記作用部側の摩擦パッド（７）に発生する車両後退走行時の制動トルクを前記キャリパブラケット（３）の作用部側に形成した車両前進走行時のディスク回入側のトルク受け段部（３ｆ）で支承せしめ、前記ディスク回入側の嵌合孔（４ｇ）をディスク回出側の嵌合孔（４ｈ）よりもディスク半径方向外方に偏位して設け、前記ディスク回入側の嵌合孔（４ｇ）は前記ディスク回出側の嵌合孔（４ｈ）よりも、前記ディスクロータの回転中心（Ｏ１）と前記キャリパボディ（４）のディスク周方向中心を通るキャリパ中心線（ＣＬ１）寄りにあって、ディスク回入側及び回出側の前記突起（１４ｄ，１４ｅ）のピッチ（Ｐ１）が、ディスク回入側及び回出側の前記嵌合孔（４ｇ，４ｈ）のピッチ（Ｐ２）よりも長く設定し、前記ディスク回入側の嵌合孔（４ｇ）と前記ディスク回入側の突起（１４ｄ）とを、前記ディスクロータ（２）の回転中心（Ｏ１）を支点に、前記ディスク回入側の嵌合孔（４ｇ）の中心（Ｏ２）を通る半径（Ｒ）で描かれた円周（Ｃ）と、該ディスク回入側の嵌合孔（４ｇ）のディスク回入側の壁面との交点（Ｐ）で当接させて、前記反作用部側の摩擦パッド（８）に発生する車両後退走行時の制動トルクを、前記反作用部（４ｂ）に支承せしめることを特徴としている。
【０００９】
本発明によれば、反作用部側の摩擦パッドに発生する車両前進方向の制動トルクは、摩擦パッドからキャリパブラケットへ直接伝達され、キャリパボディの反作用部には伝わらない。従って、キャリパボディには、車両前進方向の制動トルクによる反作用部の撓み変形がなくなるので、キャリパボディをディスク軸方向へ良好にスライドさせることができるようになり、摩擦パッドのライニングにも偏摩耗が生じにくくなる。さらに、車両前進走行時のディスク回入側では、キャリパブラケットがディスクロータを反作用部側へ跨がないために、キャリパブラケットがその分小さく軽量なものとなる。
【００１０】
一方、反作用部側の摩擦パッドに発生する車両後退方向の制動トルクは、突起と嵌合孔との嵌合を通してキャリパボディの反作用部に伝わるが、車両後退方向の制動トルクは、車両前進方向の制動トルクに較べて小さいために、反作用部の撓み変形は極力小さなものに抑えられる。
【００１１】
また、車両前進方向の制動トルクでは、反作用部側の摩擦パッドが、ディスク回出側をキャリパブラケットに押し付けられ、またキャリパボディの反作用部が、回転モーメントによってディスク回出側へ偏位することで、ディスク回入側の突起が嵌合孔に押し付けられる。従って、反作用部側の摩擦パッドは、ディスク回入側とディスク回出側との長いスパンで拘束されるので、制動時おける反作用部側の摩擦パッドの挙動が抑えられ、反作用部側の摩擦パッドの振動とブレーキ鳴きの発生が極力抑制される。さらに、反作用部側の摩擦パッドの挙動が抑えられることで、この摩擦パッドに突起と嵌合孔とで嵌合するキャリパボディの挙動も抑制されることとなる。
【００１２】
さらに、反作用部側の摩擦パッドに生じた車両後退方向の制動トルクが、嵌合孔の中心Ｏ２を通る円周Ｃから、交点Ｐでキャリパボディの反作用部へ接線方向に作用するので、摩擦パッドに余分な動きがなくなり、車両後退方向の制動トルクがキャリパボディの反作用部へ即座に伝わって、車両後退走行時の制動操作に、初期制動力が速やかに立ち上がるようになる。また、突起と嵌合孔とのこじりがなくなるので、こじり音の発生とこれらの損耗の防止が図れる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一形態例を図面に基づいて説明する。
【００１５】
図中、図１はディスクブレーキの背面図、図２は同じく正面図、図３は同じく一部断面平面図、図４は図２のIV−IV断面図、図５は図１のＶ−Ｖ断面図、図６は図４のVI−VI断面図である。また、図中矢印Ａは、車両前進走行時のディスクロータの回転方向を、図中矢印Ｂは、車両後退走行時のディスクロータの回転方向をそれぞれ示しており、さらに以下の説明で用いるディスク回入側と回出側とは、特にことわりを述べない限り、車両が前進走行で、ディスクロータが矢印Ａ方向に回転する場合を示すものとする。
【００１６】
ディスクブレーキ１は、ディスクロータ２の一側部にキャリパブラケット３が車体に固設され、該キャリパブラケット３に、ピンスライド型のキャリパボディ４が、リバースピン５とコレットピン６とを介してディスク軸方向へ移動可能に支持されており、キャリパボディ４の作用部４ａと反作用部４ｂとの間には、一対の摩擦パッド７，８がディスクロータ２を挟んで対向配置されている。
【００１７】
キャリパブラケット３は、略角Ｕ字状の板体をディスクロータ２の一側面に沿って配設され、車両前進走行時のディスク回入側と回出側にディスク半径方向外側へ向けて並設される第１腕３ａと第２腕３ｂの基部には、それぞれ車体取付け用のめねじ孔３ｃが穿設されている。ディスク回出側の第２腕３ｂには、ディスクロータ２の外側をディスク軸と平行に跨ぐキャリパ支持腕３ｄが延設されており、ディスクロータ２の他側部側へ延びたキャリパ支持腕３ｄの先端には、第３腕３ｅが第２腕３ｂと同一高さに設けられている。
【００１８】
キャリパブラケット３の第１腕３ａと第２腕３ｂにはトルク受け段部３ｆ，３ｇが対向して設けられ、第３腕３ｅに第２腕３ｂと略同形のトルク受け段部３ｈが設けられている。第１腕３ａには、ディスクロータ２の外周縁と略交差する位置にめねじ孔１０が貫通して設けられ、該めねじ孔１０に、前述のリバースピン５が反ディスクロータ方向へディスク軸と平行に突設されており、ディスクロータ２の外周縁よりもディスク半径方向外側に位置するキャリパ支持腕３ｄに、ディスク軸と平行な有底のピン孔１１が、ディスクロータ２の一側面側に開口して設けられている。
【００１９】
キャリパボディ４は、ディスクロータ２の両側部に対向配置される上述の作用部４ａ及び反作用部４ｂと、ディスクロータ２の外側を跨いでこれらをつなぐブリッジ部４ｃとからなっている。作用部４ａの中央には、有底のシリンダ孔２０がディスクロータ２側に開口して設けられており、該シリンダ孔２０にコップ状のピストン２１が液密且つ移動可能に収容され、該ピストン２１とシリンダ孔２０の底壁４ｄとの間に、液圧室２２が画成される。シリンダ孔２０の底壁４ｄには、ユニオン孔２３が液圧室２２に連通して設けられており、別途の図示しない液圧マスタシリンダで昇圧した作動液をユニオン孔２３から液圧室２２に導入して、ピストン２１を押動するようになっている。
【００２０】
反作用部４ｂには、ピストン差し込み用の間隙２４を挟んだディスク回入側と回出側に、一対の反力爪４ｅ，４ｆがディスク半径方向内側へ向けて並設されており、該反力爪４ｅ，４ｆに円形の嵌合孔４ｇ，４ｈが貫通形成されている。作用部側の摩擦パッド７は、シリンダ孔２０から突出するピストン２１の先端とディスクロータ２の一側面との間に、また反作用部側の摩擦パッド８は、反力爪４ｅ，４ｆとディスクロータ２の他側面との間にそれぞれ配設される。ブリッジ部４ｃの中央には天井開口部２５が形成されており、該天井開口部２５を通して、ディスクロータ２と摩擦パッド７，８のライニング１２，１２との摺接で発生した制動熱を放散し、またライニング１２，１２の摩耗具合を目視できるようにしている。
【００２１】
作用部４ａのディスク回入側と回出側には、車体取付け腕４ｉ，４ｊがディスクロータ２の一側面に沿って突設されており、ディスク回入側の車体取付け腕４ｉの先端には、ピン孔２６がディスク軸と平行に貫通して設けられ、またディスク回出側の車体取付け腕４ｊの先端には、前述のコレットピン６が、固定ボルト２７を用いてディスク軸と平行に突設されている。ディスク回入側のピン孔２６には、キャリパブラケット３の第１腕３ａに突設したリバースピン５がスリーブ２８を介して、またディスク回出側のコレットピン６は、キャリパ支持腕３ｄのピン孔１１に、それぞれ移動可能に内挿され、キャリパボディ４は、これらのピン５，６とピン孔１１，２６の相対移動によって、ディスク軸方向へスライド可能に案内される。
【００２２】
摩擦パッド７，８は、ディスクロータ２の側面に摺接するライニング１２と、該ラニング１２を保持する金属製の裏板１３，１４とからなっており、反作用部側の摩擦パッド８の裏板１４の背面には、鳴き防止用のシム板１５が係着されている。作用部側の摩擦パッド７は、裏板１３のディスク回入側と回出側に耳片１３ａ，１３ｂが突設されており、摩擦パッド７は、耳片１３ａ，１３ｂを、キャリパブラケット３の第１，第２腕３ａ，３ｂのトルク受け段部３ｆ，３ｇに、それぞれパッドリテーナ１６を介して支持されている。
【００２３】
反作用部側の摩擦パッド８は、裏板１４のディスク回入側とディスク回出側とに耳片１４ａ，１４ｂが設けられ、裏板１４の背面に３つの突起１４ｃ，１４ｄ，１４ｅが一直線上に突設されている。中央の小矩形突起１４ｃには、パッドスプリング１７が圧入やカシメ等の固定手段を用いて取付けられており、反作用部側の摩擦パッド８は、ディスク回出側の耳片１４ｂを、キャリパブラケット３の第３腕３ｅのトルク受け段部３ｈにパッドリテーナ１６を介して支持し、ディスク回入側と回出側の円形突起１４ｄ，１４ｅを反力爪４ｅ，４ｆの嵌合孔４ｇ，４ｈに嵌合させながら、パッドスプリング１７の両翼片１７ａ，１７ａを、反力爪４ｅ，４ｆに係着して取付けされている。
【００２４】
反力爪４ｅ，４ｆの嵌合孔４ｇ，４ｈは、反作用部側の摩擦パッド８の突起１４ｄ，１４ｅよりも大径に形成されており、摩擦パッド８の耳片１４ｂを、上述のようにキャリパブラケット３のトルク受け段部３ｈに支持した状態では、ディスク回出側の反力爪４ｆの嵌合孔４ｈが、ディスク回出側の突起１４ｅの中心と合致するよう設定されている。
【００２５】
また、ディスク回入側の反力爪４ｅの嵌合孔４ｇが、ディスク回出側の反力爪４ｆの嵌合孔４ｈよりも長さＬ１分ディスク半径方向外方に偏位して設けられ、さらにディスク回入側の嵌合孔４ｇは、ディスク回出側の嵌合孔４ｈよりもキャリパ中心線ＣＬ１寄りにあって、摩擦パッド８の突起１４ｄ，１４ｅのピッチＰ１が、反力爪４ｅ，４ｆの嵌合孔４ｇ，４ｈのピッチＰ２よりも長く設定されている。なお、キャリパ中心線ＣＬ１は、図１に示唆されているように、ディスクロータの回転中心Ｏ１と前記キャリパボディ４のディスク周方向中心を通る線である。
【００２６】
これにより、ディスク回入側の反力爪４ｅの嵌合孔４ｇと摩擦パッド８のディスク回入側の突起１４ｄとは、ディスクロータ２の回転中心Ｏ１を支点に、嵌合孔４ｇの中心Ｏ２を通る半径Ｒで描かれた円周Ｃと、嵌合孔４ｇのディスク回入側の壁面との交点Ｐで当接する。
【００２７】
本形態例は、以上のように構成されており、運転者の制動操作によって、キャリパボディ４の液圧室２２に昇圧した作動液が供給されると、ピストン２１がシリンダ孔２０を開口部方向へ前進して、作用部４ａ側の摩擦パッド７を押動し、該摩擦パッド７のライニング１２をディスクロータ２の一側面へ押圧する。次にこの反作用によって、キャリパボディ４がリバースピン５及びコレットピン６の案内にて作用部４ａ方向へ移動し、反作用部４ｂの反力爪４ｅ，４ｆが反作用部４ｂ側の摩擦パッド８を押動し、該摩擦パッド８のライニング１２をディスクロータ２の他側面へ押圧して、制動作用が行なわれる。
【００２８】
上述の制動時に、摩擦パッド７，８には、ライニング１２とディスクロータ２との摺接によって制動トルクが発生し、摩擦パッド７，８は、この制動トルクによって、ディスクロータ２の回転と同じ矢印Ａ方向またはＢ方向へ引摺られる。このうち、ディスクロータ２が矢印Ａ方向へ回転する車両前進走行時の制動では、作用部４ａ側の摩擦パッド７が、裏板１３の耳片１３ｂを第２腕３ｂのトルク受け段部３ｇに、また反作用部４ｂ側の摩擦パッド８が、ディスク回出側の裏板１４の耳片１４ｂをキャリパ支持腕３ｄ先端のトルク受け段部３ｈにそれぞれ支承され、摩擦パッド７，８の制動トルクがキャリパブラケット３に伝達されて行く。
【００２９】
さらに、ディスクロータ２が矢印Ｂ方向へ回転する車両後退走行時の制動では、作用部４ａ側の摩擦パッド７が、裏板１３の耳片１３ａを第１腕３ａのトルク受け段部３ｆに支承され、該摩擦パッド７の制動トルクがキャリパブラケット３に伝達されて行き、また反作用部４ｂ側の摩擦パッド８が、裏板１４の突起１４ｄと反力爪４ｅの嵌合孔４ｇとの交点Ｐでの当接嵌合によって支承され、該摩擦パッド８の制動トルクが、反力爪４ｅを通してキャリパボディ４に伝達されて行く。
【００３０】
このように本形態例は、反作用部側の摩擦パッド８に発生する車両前進方向の制動トルクが、トルク受け段部３ｈからキャリパブラケット３へ直接伝達され、キャリパボディ４の反作用部４ｂには伝わらないので、キャリパボディ４には、車両前進方向の制動トルクによって反作用部４ｂが撓み変形することがなくなる。これにより、キャリパボディ４は、ディスク軸方向のスライド性が良好に維持され、さらに摩擦パッド７，８のライニング１２，１２に偏摩耗が生じなくなる。また、キャリパ支持腕３ｄは、車両前進走行時のディスク回出側にのみ設けられ、ディスク回入側では、キャリパ支持腕がディスクロータ２を反作用部側へ跨がないので、キャリパブラケット３がその分小さく軽量なものとなる。
【００３１】
さらに、車両前進方向の制動トルクでは、反作用部側の摩擦パッド８が、ディスク回出側の耳片１４ｂをトルク受け段部３ｈに押し付けられ、また反作用部４ｂが、回転モーメントによってディスク回出側へ偏位することで、ディスク回入側の突起１４ｄが嵌合孔４ｇに押し付けられるので、反作用部側の摩擦パッド８は、ディスク回入側とディスク回出側との長いスパンで拘束されることとなり、制動時おける摩擦パッド８の挙動が抑えられるので、摩擦パッド８の振動とブレーキ鳴きの発生が極力抑制される。さらに、このようにして摩擦パッド８の挙動が抑えられることで、摩擦パッド８に突起１４ｄと嵌合孔４ｇとで嵌合するキャリパボディ４の挙動も抑制されることとなる。
【００３２】
また、反作用部側の摩擦パッド８に発生する車両後退方向の制動トルクは、突起１４ｄと嵌合孔４ｇとの嵌合を通して反作用部４ｂの反力爪４ｅに伝わるが、車両後退方向の制動トルクは、車両前進方向の制動トルクに較べて小さいために、反作用部４ｂの撓み変形を極力小さく抑えることができ、剛性力を高めるために反力爪４ｅを肉盛りして、キャリパボディ４の重量を増加したり大型化しないで済む。車両後退走行時における反力爪４ｆの嵌合孔４ｈと反作用部側の摩擦パッド８の突起１４ｅとの嵌合は、反作用部側の摩擦パッド８が車両後退方向の制動によって、ディスクロータ２の外側へ浮き上がるのを防止して、制動力を高めるのに役立つ。
【００３３】
特に、車両後退走行時のディスク回出側に配した突起１４ｄと嵌合孔４ｇとを、予め円周Ｃ上の交点Ｐで当接させたことにより、反作用部側の摩擦パッド８に生じた車両後退方向の制動トルクが、嵌合孔４ｇの中心Ｏ２を通る円周Ｃから、交点Ｐで反作用部４ｂの反力爪４ｅへ接線方向に伝わるので、反作用部側の摩擦パッド８に余分な動きなくなり、車両後退方向の制動トルクが反力爪４ｅからキャリパボディ４へ即座に伝わるので、車両後退走行時の制動操作に、初期制動力が速かに立ち上るようになる。さらに、突起１４ｄと嵌合孔４ｇとのこじりがなくなるので、これらの損耗とこじり音の発生とを有効に防止することができる。
【００３４】
尚、上述の形態例では、リバースピンを車両前進走行時のディスク回入側に、同じく車両前進走行時のディスク回出側にコレットピンをそれぞれ配して説明したが、本発明は、キャリパボディがピンスライド式であればよく、スライドピンが特定の形式であることにこだわるものではない。
【００３６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反作用部側の摩擦パッドに発生する車両前進方向の制動トルクは、摩擦パッドからキャリパブラケットへ直接伝達され、キャリパボディの反作用部には伝わらないので、キャリパボディには、車両前進方向の制動トルクによる反作用部の撓み変形がなくなる。これにより、キャリパボディをディスク軸方向へ良好にスライドさせることができるようになり、摩擦パッドのライニングにも偏摩耗が生じにくくなる。さらに、車両前進走行時のディスク回入側では、キャリパブラケットがディスクロータを反作用部側へ跨がないために、キャリパブラケットをその分小さく軽量にすることができる。
【００３７】
さらに、反作用部側の摩擦パッドに発生する車両後退方向の制動トルクは、突起と嵌合孔との嵌合を通してキャリパボディの反作用部に伝わるが、車両後退方向の制動トルクは、車両前進方向の制動トルクに較べて小さいために、反作用部の撓み変形は極力小さなものに抑えられ、キャリパボディに悪影響を与えることが少ない。
【００３８】
また、反作用部側の摩擦パッドが、車両前進方向の制動トルクによって、ディスク回出側がキャリパブラケットに押し付けられ、またキャリパボディの反作用部が、回転モーメントによってディスク回出側へ偏位することで、ディスク回入側の突起が嵌合孔に押し付けられ、反作用部側の摩擦パッドは、ディスク回入側とディスク回出側との長いスパンで拘束されるので、制動時おける反作用部側の摩擦パッドの挙動が抑えられ、摩擦パッドの振動とブレーキ鳴きの発生が極力抑制される。さらに、反作用部側の摩擦パッドの挙動が抑えられることで、この摩擦パッドに突起と嵌合孔とで嵌合するキャリパボディの挙動も抑制される。
【００３９】
さらに、反作用部側の摩擦パッドに生じた車両後退方向の制動トルクが、嵌合孔の中心Ｏ２を通る円周Ｃから交点Ｐを通して、キャリパボディの反作用部へ接線方向に作用するので、摩擦パッドに余分な動きがなくなり、車両後退方向の制動トルクがキャリパボディの反作用部へ即座に伝わって、車両後退走行時の制動操作に、初期制動力が速やかに立ち上がるようになる。また、突起と嵌合孔とのこじりがなくなるので、これらの損耗とこじり音の発生とを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一形態例を示すディスクブレーキの背面図
【図２】本発明の一形態例を示すディスクブレーキの正面図
【図３】本発明の一形態例を示すディスクブレーキの一部断面平面図
【図４】本発明の一形態例を示す図２のIV−IV断面図
【図５】本発明の一形態例を示す図１のＶ−Ｖ断面図
【図６】本発明の一形態例を示す図４のVI−VI断面図
【符号の説明】
１…ディスクブレーキ
２…ディスクロータ
３…キャリパブラケット
３ａ…第１腕
３ｂ…第２腕
３ｄ…キャリパ支持腕
３ｆ，３ｇ，３ｈ…トルク受け段部
４…ピンスライド型のキャリパボディ
４ａ…作用部
４ｂ…反作用部
４ｅ，４ｆ…反力爪
４ｇ，４ｈ…嵌合孔
５…リバースピン（本発明のスライドピン）
６…コレットピン（本発明のスライドピン）
７…作用部側の摩擦パッド
８…反作用部側の摩擦パッド
１２…摩擦パッド７，８のライニング
１３，１４…摩擦パッド７，８の裏板
１３ａ，１３ｂ，１４ａ，１４ｂ…裏板１３，１４の耳片
１４ｄ…嵌合孔４ｇに嵌合する突起
１４ｅ…嵌合孔４ｈに嵌合する突起
１１，２６…ピン孔
１７…パッドスプリング
２１…ピストン
２２…液圧室
Ａ…車両前進走行の場合のディスクロータ２の回転方向
Ｂ…車両後退走行の場合のディスクロータ２の回転方向
Ｌ１…嵌合孔４ｆ，４ｇのディスク半径方向の偏位量
Ｐ…円周Ｃと嵌合孔４ｇのディスク回入側の壁面との交点
Ｐ１…摩擦パッド８の突起１４ｄ，１４ｅのピッチ
Ｐ２…反力爪４ｆ，４ｇの嵌合孔４ｇ，４ｈのピッチ
Ｏ１…ディスクロータ２の回転中心
Ｏ２…嵌合孔４ｇの中心
Ｒ…ディスクロータ２の回転中心Ｏ１を支点とする嵌合孔４ｇの中心Ｏ２を通る半径
Ｃ…半径Ｒで描かれた円周
ＣＬ１…キャリパ中心線[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a disc brake mounted on a traveling vehicle such as an automobile or a motorcycle or a three-wheeled vehicle, and more particularly to a vehicle disc brake using a pin slide type caliper body.
[0002]
[Prior art]
As a vehicle disc brake using a pin slide type caliper body, for example, there is one disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-110755.
In this disc brake, a caliper body in which an action portion and a reaction portion are connected to both ends of the bridge portion is supported in a cantilever manner via a pair of slide pins on a caliper bracket fixed to the vehicle body on one side of the disc rotor. In addition, a pin slide type caliper body is used in which the caliper body is slid in the disk axial direction by the guide of the slide pin. At the time of braking, it is provided between the reaction part and the reaction part of the caliper body. A pair of friction pads are pushed toward the disk rotor, and the lining of both friction pads is brought into sliding contact with both side surfaces of the disk rotor to perform a braking action.
[0003]
The friction pad on the action part side locks the disk insertion side and the extraction side to the pad receiving part of the caliper bracket, and the friction pad on the reaction part side connects the pair of protrusions on the back of the back plate to the reaction part. The reaction force claw disc is attached to both ends of the rod-shaped pad spring that is fitted into the fitting hole formed in the reaction force claw on the disk entry side and the delivery side, and is further engaged with the protrusion at the center of the back of the back plate. The caliper bracket is reduced in size and weight by engaging the inner periphery and supporting the friction pad on the reaction part side with the reaction part of the caliper body.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In such a configuration, since the caliper body is a cantilever type in which only the action part side is supported by the caliper bracket as described above, the braking torque generated in the friction pad on the action part side is supported by the support rigidity. While it is directly supported by the caliper bracket having a high force, the braking torque generated in the friction pad on the reaction portion side acts on the reaction portion of the caliper body away from the caliper bracket.
[0005]
In particular, since the braking torque in the vehicle forward direction is considerably larger than the braking torque in the vehicle reverse direction, the caliper body behaves to bend the reaction part greatly in the disk unwinding direction, and the slide performance of the caliper body is impaired. Otherwise, the lining of the friction pad may come into contact with the side surface of the disk rotor, causing uneven wear on the lining. As a countermeasure, if the reaction force claws are thickly thickened to increase the rigidity on the reaction part side, the caliper body becomes heavy and large, and the effect of reducing the caliper bracket in size and weight is lost.
[0006]
Furthermore, on the reaction part side of the caliper body that uses the fitting of the protrusion and the fitting hole for assembling the friction pad, at least one of them is necessary to absorb the manufacturing error and facilitate the assembling of the friction pad. Since the fitting hole is formed with a larger diameter than the protrusion, the friction pad on the reaction part side during braking is dragged in the disc feed direction by the gap between the fitting hole and the protrusion, causing brake noise and vibration. Sound will be generated.
[0007]
The present invention has been made in the background of such circumstances, and its purpose is to prevent the caliper body from being deformed by braking torque as much as possible while reducing the size and weight of the caliper body and the caliper bracket. Another object of the present invention is to provide a disc brake for a vehicle that can maintain the slidability of the caliper body satisfactorily and can suppress the occurrence of uneven lining wear, friction pad vibration and brake squeal as much as possible.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
Means for achieving the above object are expressed as follows by adding the reference numerals in the drawings in parentheses. In this specification, the disk entry side and the delivery side are for when the vehicle moves forward. An action part (4a) and a reaction part (4b) arranged opposite to both sides of the disk rotor (2) are connected by a bridge part (4c) straddling the outside of the disk rotor (2) to connect the caliper body (4 The caliper body (4) is supported by the caliper bracket (3) so that the caliper body (4) can move in the disc axial direction via a pair of slide pins (5, 6). A pair of friction pads (7, 8) are disposed between the action part (4a) and the reaction part (4b) so as to face each other with the disk rotor (2) interposed therebetween, and the reaction part (4b) The fitting holes (4g, 4h) formed in the reaction force claws (4e, 4f) on the disk insertion side and the extraction side of the disk are respectively connected to the disk insertion side and the extraction of the friction pad (8) on the reaction part side. Protrusions (14d, 14e) The fitting hole (4g) on the disk inlet side and the protrusion (14d) on the disk inlet side and the fitting hole (4h) on the disk outlet side and the disk outlet side In the vehicle disc brake in which the friction pad (8) on the reaction part side is engaged with the reaction part (4b) by fitting with the protrusion (14e) of the pair of friction pads (7, 8), the action The braking torque generated during the forward travel of the vehicle generated in the friction pad (7) on the portion side is formed at the torque receiving step portion (3g) on the disk delivery side during forward travel of the vehicle formed on the action portion side of the caliper bracket (3). Torque receiving step portion on the disk delivery side at the time of forward traveling of the vehicle in which braking torque at the time of forward traveling of the vehicle generated on the friction pad (8) on the reaction portion is supported and formed on the reaction portion side of the caliper bracket (3). (3h) Torque receiving step (3f) on the disk entry side during forward travel of the vehicle, in which braking torque during reverse travel of the vehicle generated on the friction pad (7) on the working portion side is formed on the action portion side of the caliper bracket (3). The disc insertion side fitting hole (4g) is offset from the disc delivery side fitting hole (4h) outward in the radial direction of the disc, and the disc insertion side fitting is performed. The hole (4g) is closer to the caliper center line (CL1) passing through the center of rotation of the disk rotor (O1) and the disk circumferential direction of the caliper body (4) than the fitting hole (4h) on the disk delivery side. In this case, the pitch (P1) of the protrusions (14d, 14e) on the disk inlet side and the outlet side is the pitch (P2) of the fitting holes (4g, 4h) on the disk inlet side and the outlet side. Set longer than the The fitting hole (4g) and the protrusion (14d) on the disk entry side are centered on the rotation center (O1) of the disk rotor (2), and the center of the fitting hole (4g) on the disk entry side. The circumference (C) drawn with a radius (R) passing through (O2) and the intersection (P) of the disk insertion side wall surface of the disk insertion side fitting hole (4g) , When the vehicle is traveling backward, generated in the friction pad (8) on the reaction part side System of Dynamic torque is supported on the reaction part (4b).
[0009]
The present invention According to the above, the braking torque in the vehicle forward direction generated in the friction pad on the reaction part side is directly transmitted from the friction pad to the caliper bracket and is not transmitted to the reaction part of the caliper body. Accordingly, since the caliper body is free from bending deformation of the reaction portion due to the braking torque in the vehicle forward direction, the caliper body can be satisfactorily slid in the disk axial direction, and the friction pad lining also has uneven wear. It becomes difficult to occur. Furthermore, since the caliper bracket does not straddle the disc rotor to the reaction portion side on the disk entry side when the vehicle is traveling forward, the caliper bracket is correspondingly smaller and lighter.
[0010]
On the other hand, the braking torque in the vehicle reverse direction generated in the friction pad on the reaction portion side is transmitted to the reaction portion of the caliper body through the fitting between the protrusion and the fitting hole. Since it is smaller than the braking torque, the deformation of the reaction part can be suppressed to a minimum.
[0011]
Also, With the braking torque in the vehicle forward direction, the friction pad on the reaction part side is pressed against the caliper bracket on the disk delivery side, and the reaction part of the caliper body is displaced to the disk delivery side by the rotational moment, The protrusion on the turn-in side is pressed against the fitting hole. Accordingly, since the friction pad on the reaction part side is restrained by a long span between the disk inlet side and the disk outlet side, the behavior of the friction pad on the reaction part side during braking is suppressed, and the friction pad on the reaction part side is suppressed. Vibration and brake squeal are suppressed as much as possible. Furthermore, by suppressing the behavior of the friction pad on the reaction part side, the behavior of the caliper body fitted to the friction pad by the protrusion and the fitting hole is also suppressed.
[0012]
further The braking torque in the vehicle reverse direction generated on the friction pad on the reaction part side acts tangentially from the circumference C passing through the center O2 of the fitting hole to the reaction part of the caliper body at the intersection P. There is no excess movement, and the braking torque in the vehicle reverse direction is immediately transmitted to the reaction part of the caliper body, so that the initial braking force quickly rises up in the braking operation when the vehicle is traveling backward. In addition, since there is no twisting between the protrusion and the fitting hole, it is possible to prevent the generation of a twisting noise and wear of these. .
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0015]
1 is a rear view of the disc brake, FIG. 2 is also a front view, FIG. 3 is a partially sectional plan view, FIG. 4 is a sectional view taken along line IV-IV in FIG. 2, and FIG. Sectional drawing and FIG. 6 are VI-VI sectional views of FIG. An arrow A in the figure indicates the rotational direction of the disk rotor during forward traveling of the vehicle, and an arrow B in the figure indicates the rotational direction of the disk rotor during backward traveling of the vehicle. Unless otherwise specified, the entry side and the return side indicate the case where the vehicle is traveling forward and the disk rotor rotates in the direction of arrow A.
[0016]
In the disc brake 1, a caliper bracket 3 is fixed to the vehicle body on one side of the disc rotor 2, and a pin slide type caliper body 4 is connected to the caliper bracket 3 via a reverse pin 5 and a collet pin 6. A pair of friction pads 7 and 8 are disposed opposite to each other with the disc rotor 2 interposed between the action portion 4 a and the reaction portion 4 b of the caliper body 4.
[0017]
The caliper bracket 3 is provided with a substantially U-shaped plate body along one side surface of the disk rotor 2, and is arranged side by side toward the outer side in the disk radial direction on the disk inlet side and the outlet side during forward traveling of the vehicle. Female screw holes 3c for mounting the vehicle body are formed in the base portions of the first arm 3a and the second arm 3b. A caliper support arm 3d is provided on the second arm 3b on the disk delivery side so as to extend outside the disk rotor 2 in parallel with the disk axis. The caliper support arm 3d extends to the other side of the disk rotor 2. The third arm 3e is provided at the same height as the second arm 3b.
[0018]
The first arm 3a and the second arm 3b of the caliper bracket 3 are provided with torque receiving step portions 3f and 3g opposite to each other, and the third arm 3e is provided with a torque receiving step portion 3h having substantially the same shape as the second arm 3b. ing. The first arm 3a is provided with a female screw hole 10 at a position substantially intersecting with the outer peripheral edge of the disk rotor 2, and the reverse pin 5 is inserted into the female screw hole 10 in the direction opposite to the disk rotor. And a caliper support arm 3d located on the outer side in the radial direction of the disk with respect to the outer peripheral edge of the disk rotor 2, and a bottomed pin hole 11 parallel to the disk axis is provided on one side of the disk rotor 2 The opening is provided.
[0019]
The caliper body 4 includes the above-described action part 4 a and reaction part 4 b that are arranged to face both sides of the disk rotor 2, and a bridge part 4 c that bridges the outside of the disk rotor 2 and connects them. A bottomed cylinder hole 20 is provided in the center of the action portion 4a so as to open toward the disk rotor 2, and a cup-shaped piston 21 is accommodated in the cylinder hole 20 so as to be liquid-tight and movable. A hydraulic chamber 22 is defined between 21 and the bottom wall 4 d of the cylinder hole 20. A union hole 23 is provided in the bottom wall 4d of the cylinder hole 20 so as to communicate with the hydraulic pressure chamber 22, and hydraulic fluid pressurized by a separate hydraulic master cylinder (not shown) is transferred from the union hole 23 to the hydraulic pressure chamber 22. The piston 21 is introduced and pushed.
[0020]
In the reaction portion 4b, a pair of reaction force claws 4e and 4f are arranged in parallel on the disk insertion side and the extraction side with the gap 24 for inserting the piston between them inward in the disk radial direction. Circular fitting holes 4g and 4h are formed through the claws 4e and 4f. The friction pad 7 on the action part side is between the tip of the piston 21 protruding from the cylinder hole 20 and one side surface of the disk rotor 2, and the friction pad 8 on the reaction part side is the reaction force claws 4e, 4f and the disk rotor. 2 between the other side surfaces. A ceiling opening 25 is formed in the center of the bridge portion 4c, and the braking heat generated by the sliding contact between the disk rotor 2 and the linings 12 and 12 of the friction pads 7 and 8 is dissipated through the ceiling opening 25. In addition, the wear of the linings 12 and 12 can be visually checked.
[0021]
Car body mounting arms 4i and 4j are projected along one side surface of the disk rotor 2 on the disk entry side and the delivery side of the action portion 4a, and at the tip of the vehicle body attachment arm 4i on the disk entry side. The pin hole 26 is provided in parallel with the disk shaft, and the above-described collet pin 6 protrudes in parallel with the disk shaft using a fixing bolt 27 at the tip of the vehicle body mounting arm 4j on the disk delivery side. It is installed. A reverse pin 5 projecting from the first arm 3a of the caliper bracket 3 is inserted into the pin hole 26 on the disk inlet side via a sleeve 28, and a collet pin 6 on the disk outlet side is a pin of the caliper support arm 3d. The caliper body 4 is inserted into the holes 11 so as to be movable, and the caliper body 4 is guided to be slidable in the disk axial direction by the relative movement of the pins 5 and 6 and the pin holes 11 and 26.
[0022]
The friction pads 7 and 8 include a lining 12 that is in sliding contact with the side surface of the disk rotor 2 and metal back plates 13 and 14 that hold the running 12, and the back plate 14 of the friction pad 8 on the reaction portion side. A shim plate 15 for preventing squeal is attached to the back surface of the squeal. The friction pad 7 on the working portion side is provided with ear pieces 13 a and 13 b projecting from the disk insertion side and the extraction side of the back plate 13, and the friction pad 7 connects the ear pieces 13 a and 13 b to the caliper bracket 3. The torque receiving steps 3f and 3g of the first and second arms 3a and 3b are supported via pad retainers 16, respectively.
[0023]
The friction pad 8 on the reaction portion side is provided with ear pieces 14a, 14b on the disk insertion side and the disk extraction side of the back plate 14, and three protrusions 14c, 14d, 14e on the back surface of the back plate 14 in a straight line. Projected to A pad spring 17 is attached to the central small rectangular projection 14c by using a fixing means such as press-fitting or caulking, and the friction pad 8 on the reaction part side connects the ear piece 14b on the disk delivery side to the caliper bracket 3. Is supported by a torque retainer step 3h of the third arm 3e via a pad retainer 16, and the circular protrusions 14d, 14e on the disk insertion side and the extraction side are fitted into the fitting holes 4g, 4h of the reaction force claws 4e, 4f. While being fitted, both wing pieces 17a, 17a of the pad spring 17 are attached to the reaction force claws 4e, 4f.
[0024]
The fitting holes 4g and 4h of the reaction force claws 4e and 4f are formed to have a larger diameter than the protrusions 14d and 14e of the friction pad 8 on the reaction part side, and the ear pieces 14b of the friction pad 8 are formed as described above. In a state of being supported by the torque receiving step 3h of the caliper bracket 3, the fitting hole 4h of the reaction force claw 4f on the disk delivery side is set to coincide with the center of the protrusion 14e on the disk delivery side.
[0025]
Also, the fitting hole 4g of the reaction force claw 4e on the disk entry side is longer than the fitting hole 4h of the reaction force claw 4f on the disk delivery side by a length L1 in the disk radial direction. Outside Further, the fitting hole 4g on the disk entry side is closer to the caliper center line CL1 than the fitting hole 4h on the disk delivery side, and the pitch of the protrusions 14d and 14e of the friction pad 8 is provided. P1 is set longer than the pitch P2 of the fitting holes 4g and 4h of the reaction force claws 4e and 4f. The caliper center line CL1 is a line passing through the rotation center O1 of the disk rotor and the disk circumferential direction center of the caliper body 4 as suggested in FIG. .
[0026]
Thereby, the fitting hole 4g of the reaction force claw 4e on the disk entry side and the protrusion 14d on the disk entry side of the friction pad 8 have the center O2 of the fitting hole 4g with the rotation center O1 of the disk rotor 2 as a fulcrum. Abutting at an intersection P between a circumference C drawn with a radius R passing through and a wall surface of the fitting hole 4g on the disk entry side Do .
[0027]
The present embodiment is configured as described above, and when the pressurized hydraulic fluid is supplied to the hydraulic chamber 22 of the caliper body 4 by the driver's braking operation, the piston 21 opens the cylinder hole 20 toward the opening. The friction pad 7 on the acting portion 4 a side is pushed and the lining 12 of the friction pad 7 is pressed against one side surface of the disk rotor 2. Next, due to this reaction, the caliper body 4 moves in the direction of the action part 4a by the guide of the reverse pin 5 and the collet pin 6, and the reaction force claws 4e, 4f of the reaction part 4b push the friction pad 8 on the reaction part 4b side. It moves and presses the lining 12 of the friction pad 8 against the other side of the disk rotor 2 to perform a braking action.
[0028]
During the braking described above, a braking torque is generated on the friction pads 7 and 8 by the sliding contact between the lining 12 and the disk rotor 2, and the friction pads 7 and 8 have the same arrow as the rotation of the disk rotor 2 due to this braking torque. Dragged in A direction or B direction. Among them, in braking during forward traveling of the vehicle in which the disc rotor 2 rotates in the direction of arrow A, the friction pad 7 on the side of the action portion 4a causes the ear piece 13b of the back plate 13 to be a torque receiving step portion 3g of the second arm 3b. Further, the friction pad 8 on the reaction portion 4b side is supported by the torque receiving step 3h at the tip of the caliper support arm 3d by the ear piece 14b of the back plate 14 on the disk delivery side, and the braking torque of the friction pads 7 and 8 is increased. It is transmitted to the caliper bracket 3.
[0029]
Further, in braking during reverse running of the vehicle in which the disk rotor 2 rotates in the direction of arrow B, the friction pad 7 on the action portion 4a side supports the ear piece 13a of the back plate 13 on the torque receiving step portion 3f of the first arm 3a. Then, the braking torque of the friction pad 7 is transmitted to the caliper bracket 3, and the friction pad 8 on the reaction portion 4b side is at the intersection P between the protrusion 14d of the back plate 14 and the fitting hole 4g of the reaction force claw 4e. The braking torque of the friction pad 8 is transmitted to the caliper body 4 through the reaction force claw 4e.
[0030]
Thus, in this embodiment, the braking torque in the vehicle forward direction generated at the friction pad 8 on the reaction portion side is the torque receiving step. Part 3 Since it is directly transmitted from h to the caliper bracket 3 and not transmitted to the reaction portion 4b of the caliper body 4, the reaction portion 4b does not bend and deform in the caliper body 4 due to braking torque in the vehicle forward direction. As a result, the caliper body 4 maintains good slidability in the disk axial direction, and uneven wear does not occur on the linings 12, 12 of the friction pads 7, 8. Further, the caliper support arm 3d is provided only on the disk delivery side during forward traveling of the vehicle. On the disk entry side, the caliper support arm does not straddle the disk rotor 2 to the reaction part side, so that the caliper bracket 3 Smaller and lighter.
[0031]
Further, in the braking torque in the vehicle forward direction, the friction pad 8 on the reaction part side presses the ear piece 14b on the disk delivery side against the torque receiving step part 3h, and the reaction part 4b is moved to the disk delivery side by the rotational moment. Since the protrusion 14d on the disk entry side is pressed against the fitting hole 4g by deviating to the side, the friction pad 8 on the reaction part side is restrained by a long span between the disk entry side and the disk delivery side. In other words, since the behavior of the friction pad 8 during braking is suppressed, the vibration of the friction pad 8 and the occurrence of brake squeal are suppressed as much as possible. Further, by suppressing the behavior of the friction pad 8 in this way, the behavior of the caliper body 4 fitted to the friction pad 8 by the protrusion 14d and the fitting hole 4g is also suppressed.
[0032]
Further, the braking torque in the vehicle reverse direction generated in the friction pad 8 on the reaction portion side is transmitted to the reaction force claw 4e of the reaction portion 4b through the fitting between the protrusion 14d and the fitting hole 4g. Is smaller than the braking torque in the vehicle forward direction, so that the bending deformation of the reaction portion 4b can be suppressed as small as possible, and the reaction force claw 4e is built up to increase the rigidity and the weight of the caliper body 4 is increased. There is no need to increase or increase the size. The fitting between the fitting hole 4h of the reaction force claw 4f and the protrusion 14e of the friction pad 8 on the reaction part side when the vehicle is traveling backward causes the friction pad 8 on the reaction part side to brake the disk rotor 2 by braking in the vehicle reverse direction. It helps to raise the braking force by preventing it from floating outward.
[0033]
In particular, the protrusion 14d and the fitting hole 4g arranged on the disk delivery side when the vehicle is traveling backward are brought into contact with the intersection P on the circumference C in advance, and are generated in the friction pad 8 on the reaction part side. Since the braking torque in the vehicle reverse direction is transmitted tangentially from the circumference C passing through the center O2 of the fitting hole 4g to the reaction force claw 4e of the reaction portion 4b at the intersection P, an excess is applied to the friction pad 8 on the reaction portion side. Since the vehicle stops moving, the braking torque in the vehicle reverse direction is immediately transmitted from the reaction force claw 4e to the caliper body 4, so that the initial braking force quickly rises in the braking operation when the vehicle is traveling backward. Further, since the protrusion 14d and the fitting hole 4g are not twisted, it is possible to effectively prevent the wear and the generation of the twisting noise.
[0034]
In the above-described embodiment, the reverse pin is disposed on the disk insertion side when the vehicle is traveling forward, and the collet pin is disposed on the disk ejection side when the vehicle is traveling forward. It is sufficient if the is a pin slide type, and the slide pin is not particular about a specific type.
[0036]
【The invention's effect】
As explained above, The present invention According to the above, the braking torque in the vehicle forward direction generated in the friction pad on the reaction part side is directly transmitted from the friction pad to the caliper bracket and is not transmitted to the reaction part of the caliper body. The bending deformation of the reaction part due to the braking torque is eliminated. As a result, the caliper body can be satisfactorily slid in the disk axial direction, and uneven wear is less likely to occur in the lining of the friction pad. Furthermore, since the caliper bracket does not straddle the disc rotor to the reaction portion side on the disk entry side during forward traveling of the vehicle, the caliper bracket can be made smaller and lighter accordingly.
[0037]
Further, the braking torque in the vehicle reverse direction generated in the friction pad on the reaction portion side is transmitted to the reaction portion of the caliper body through the fitting between the protrusion and the fitting hole, but the braking torque in the vehicle reverse direction is transmitted in the vehicle forward direction. Since the torque is smaller than the braking torque, the deformation of the reaction portion is suppressed to a minimum and the caliper body is hardly adversely affected.
[0038]
Ma Anti The friction pad on the action side is pressed against the caliper bracket by the braking torque in the forward direction of the vehicle, and the reaction part of the caliper body is displaced to the disk delivery side by the rotational moment, thereby The protrusion on the entry side is pressed against the fitting hole, and the friction pad on the reaction part side is restrained by a long span between the disk entry side and the disk delivery side, so the behavior of the friction pad on the reaction part side during braking And the occurrence of friction pad vibration and brake squeal are minimized. Furthermore, since the behavior of the friction pad on the reaction portion side is suppressed, the behavior of the caliper body that is fitted to the friction pad by the protrusion and the fitting hole is also suppressed.
[0039]
More Anti The braking torque in the vehicle reverse direction generated in the friction pad on the action part side acts tangentially to the reaction part of the caliper body from the circumference C passing through the center O2 of the fitting hole to the reaction part of the caliper body. Thus, the braking torque in the reverse direction of the vehicle is immediately transmitted to the reaction part of the caliper body, so that the initial braking force quickly rises in the braking operation when the vehicle is traveling backward. Further, since the protrusion and the fitting hole are not twisted, it is possible to prevent the wear and the generation of the twisting noise.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a rear view of a disc brake showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a front view of a disc brake showing an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a partial sectional plan view of a disc brake showing an embodiment of the present invention.
4 is a cross-sectional view taken along the line IV-IV in FIG. 2 showing an embodiment of the present invention.
5 is a cross-sectional view taken along the line VV in FIG. 1 showing an embodiment of the present invention.
6 is a cross-sectional view taken along the line VI-VI in FIG. 4 showing an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 ... Disc brake
2 ... Disc rotor
3 ... caliper bracket
3a ... first arm
3b ... second arm
3d ... caliper support arm
3f, 3g, 3h ... Torque receiving step
4. Pin slide type caliper body
4a ... action part
4b ... Reaction part
4e, 4f ... Reaction force nails
4g, 4h ... fitting hole
5. Reverse pin (slide pin of the present invention)
6 ... Collet pin (slide pin of the present invention)
7. Friction pad on working side
8 ... Friction pad on reaction side
12 ... Lining of friction pads 7 and 8
13, 14 ... Back plates of friction pads 7, 8
13a, 13b, 14a, 14b ... ear pieces of the back plates 13, 14
14d: Protrusions that fit into the fitting holes 4g
14e: Protrusions that fit into the fitting holes 4h
11, 26 ... Pin hole
17 ... Pad spring
21 ... Piston
22 ... Hydraulic chamber
A: Direction of rotation of the disc rotor 2 when the vehicle is traveling forward
B: Direction of rotation of the disc rotor 2 when the vehicle is traveling backward
L1: Deviation amount in the disk radial direction of the fitting holes 4f and 4g
P: Intersection of the circumference C and the wall surface on the disk entry side of the fitting hole 4g
P1: Pitch of the protrusions 14d and 14e of the friction pad 8
P2: Pitch of the fitting holes 4g, 4h of the reaction force claws 4f, 4g
O1 ... Rotation center of disk rotor 2
O2 ... center of the fitting hole 4g
R: Radius passing through the center O2 of the fitting hole 4g with the rotation center O1 of the disk rotor 2 as a fulcrum
C ... Circumference drawn with radius R
CL1 ... caliper center line

Claims

A caliper body is formed by connecting an action portion and a reaction portion arranged opposite to both sides of the disc rotor by a bridge portion that extends outside the disc rotor, and the caliper body has calipers on both sides in the circumferential direction of the disc. A pin slide type supported by a bracket via a pair of slide pins so as to be movable in the disk axial direction, and a pair of friction pads are disposed oppositely across the disk rotor between the action part and the reaction part. The fitting holes formed in the reaction force claw on the disk insertion side and the rotation side of the reaction part when the vehicle is traveling forward are respectively connected to the disk insertion side and rotation of the reaction part side friction pad when the vehicle is traveling forward. Formed with a larger diameter than the protrusions respectively protruding on the exit side, the engagement between the disk insertion side fitting hole during the forward traveling of the vehicle and the disk insertion side protrusion during the forward traveling of the vehicle and the front of the vehicle A vehicle disc brake friction pad of the reacting portion side is engaged with the reacting portion at the fitting of the disk rotation exit side fitting hole and the vehicle forward running time of the disk rotation exit side of the projection at the time of running,
Among the pair of friction pads, the braking torque generated during the forward travel of the vehicle generated in the friction pad on the action portion side is supported by the torque receiving step portion on the disk delivery side during the forward travel of the vehicle formed on the action portion side of the caliper bracket. The braking torque generated during the forward travel of the vehicle generated in the friction pad on the reaction portion side is supported by the torque receiving step portion on the disk delivery side during forward travel of the vehicle formed on the reaction portion side of the caliper bracket. The braking torque generated when the vehicle moves backward is supported by the torque receiving step portion on the disk insertion side when the vehicle moves forward, which is formed on the working portion side of the caliper bracket.
The disk-advancing-side fitting hole at the time of forward traveling of the vehicle is provided to be deviated outwardly in the radial direction of the disk with respect to the disk-advancing-side fitting hole at the time of forward traveling of the vehicle. The fitting hole on the turn-in side is closer to the caliper center line passing through the center of rotation of the disk rotor and the center of the disk in the circumferential direction of the caliper body than the fitting hole on the disk feed-out side during forward traveling of the vehicle, The pitch between the protrusion on the disk entry side during forward travel of the vehicle and the protrusion on the disk delivery side during forward travel of the vehicle is set to the pitch between the fitting hole on the disk introduction side during forward travel of the vehicle and the forward travel of the vehicle. Set longer than the pitch with the mating hole on the disk delivery side of
The disk insertion side at the time of forward traveling of the vehicle, with the fitting hole on the side of disk insertion at the time of forward traveling of the vehicle and the protrusion on the side of disk insertion at the time of forward traveling of the vehicle as a fulcrum. The circumference drawn by the radius passing through the center of the fitting hole of the disc and the intersection of the fitting hole on the disc insertion side during forward traveling of the vehicle with the wall surface on the disc insertion side during forward traveling of the vehicle Te, the vehicle disc brake, characterized in that the braking dynamic torque when the vehicle backward travel occurring friction pad of the reacting portion side, allowed to support the reaction section.