JP3780316B2 - 感光体および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機感光層上にアモルファスシリコンカーバイドからなる表面保護層を触媒CVD法より形成してなる感光体ならびに画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機半導体材からなる感光層により構成した、いわゆるOPC感光体(有機感光体)は高い帯電性が得られ、暗減衰が小さく、さらに長波長に対し優れた光感度が得られるという点で幅広く使用されている。しかも、OPC感光体を使用するに当って、それを加熱するヒーターを使用しないという利点もある。
【0003】
しかしながら、このOPC感光体においては、その表面の硬度が小さく、耐久性に劣るという課題がある。
【0004】
この課題を解消するために、有機感光層上に炭素又は炭素を主成分とする高い硬度の耐磨耗性の被膜を積層する技術が提示されている(特公平7−27268号、特公平7−122757号、特開平1−86158号、特開平1−227161号、特許第2818881号、特許第2818882号および特許第2979070号参照)。
【0005】
このように有機感光層の上に無機質材から表面保護層を被覆するに当たっては、下記のような特性が求められる。
【0006】
▲1▼可視光透過率が高い(有機感光層への入射光量が充分に確保できる)。 ▲2▼表面に傷を受けない程度の高硬度を有する。 ▲3▼有機感光層との接着性に優れ、複写機内での実使用において、機械的接触あるいは温湿度の変化等により剥離しない。 ▲4▼無害である。 ▲5▼有機感光層との電気的整合性に優れ、残留電位、メモリー現象、さらには不整合界面での電荷の横流れ(画像流れ)が発生しない。▲6▼高温高湿の条件下において、画像品位が劣化せず、所謂、画像流れが発生しない。 ▲7▼有機感光層は、耐熱性に乏しい化合物からなることで、その上の被膜を常温及至100℃にておこない、有機感光層を熱劣化させない。
【0007】
最近のかかる特性の要求に対し、さまざまな技術開発がおこなわれている。たとえば、酸素原子を含有する炭化水素化合物を用いることで、そのプラズマ有機重合膜が得られることから、それでもって有機感光層上に表面保護層として積層し、これによって接着性、電気的整合性ならびに耐環境性を高める技術が提案されている(特公平7−27268号参照)。
【0008】
また、上記のように酸素原子を含有させる代わりにハロゲン原子を含有させても同等の効果が得られることが提案されている(特公平7−122757号参照)。
【0009】
さらに有機感光層上の表面保護層を、ハロゲン原子と酸素原子とを含有してなる非晶質炭化水素膜でもって構成し、これにより、耐湿性を改善した技術が提示されている(特開平1−86158号参照)。
【0010】
同公報によれば、非晶質炭化水素膜中に含有されるハロゲン原子の量は、全構成原子に対して0.01原子%〜50原子%、酸素原子の量は、0.01〜20原子%である。また、硬度については有機感光層が5B〜B、非晶質炭化水素膜が4H程度である。
【0011】
また、有機感光層上に、1原子%以下の窒素と2原子%以上の弗素を含有するアモルファス構造のダイヤモンド状炭素からなる表面保護層を積層し、撥水性を高める技術や(特許第2979070号参照)、表面の酸素濃度が1原子%以下である有機感光層の上に、水素を30原子%以下含有する炭素又は炭素を主成分とする表面保護層を積層し、これら保護層と有機系感光層との接着性を高める技術が提案されている(特許第2818882号参照)。
【0012】
触媒CVD法の技術については、a−Si系膜を形成する技術が提案されている(特許第3145536号参照)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような有機感光層上に表面保護層を積層した感光体を実際使用してみると、当初予定していた感光体特性は得られず、長期間にわたって使用すると帯電の低下が発生し、かぶりと呼ばれる画像不良が発生していた。
【0014】
本発明者は上記事情に鑑みて鋭意研究に努めたところ、有機感光層上にアモルファスシリコンカーバイドからなる表面保護層を触媒CVD法により積層することで電位特性の劣化の無い高耐久性の感光体が得られることを見出した。
【0015】
本発明は上記知見により完成されたものであり、その目的は優れた耐刷性が得られ、さらに電位特性のバラツキがなくなった高耐久性、高性能ならびに高信頼性の感光体ならびに画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の感光体は、導電性支持体上に有機感光層とアモルファスシリコンカーバイドからなる表面保護層とを順次積層した感光体であって、前記表面保護層を触媒CVD法により成膜したことを特徴とする。
【0017】
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、この感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して光照射する露光手段と、これら帯電手段と露光手段とにより感光体表面に形成された静電潜像に対してトナー像を感光体の表面に形成する現像手段と、上記トナー像を被転写材に転写する転写手段と、転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを配設したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図でもって説明する。
図1は本発明の感光体の断面図である。図2は本発明の感光体を搭載したプリンタ−構成の画像形成装置である。
【0019】
図1の電子写真感光体1において、2は導電性基板、3は有機感光層、4は表面保護層である。
【0020】
導電性基板2と各層を詳述する。
(導電性基板2について)
導電性基板2は銅、黄銅、SUS、Al、Niなどの金属導電体、あるいはガラス、セラミックなどの絶縁体の表面に導電性薄膜を被覆したものなどがある。この導電性基板2はシート状、ベルト状もしくはウェブ状可とう性導電シートでもよく、このようなシートにはSUS、Al、Niなどの金属シート、あるいはポリエステル、ナイロン、ポリイミドなどの高分子樹脂フィルムの上にAl、Niなどの金属もしくは酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)などの透明導電性材料や有機導電性材料を蒸着などにより被覆して導電処理したものを用いる。
【0021】
(有機感光層3の具体的な構成例)
感光層には、有機感光体として、電荷輸送剤を電荷発生剤とともに同一の感光層中に分散させた単層型感光層と、電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層とがある。
【0022】
まず、有機観光体の単層型の感光層は、電荷発生剤、電荷輸送剤および結着樹脂を適当な有機溶媒に溶解または分散した塗工液を、塗布などの手段によって導電性基体上に塗布し、乾燥させることで形成される。かかる単層型の感光層は、層構成が簡単で生産性に優れている。
【0023】
電荷輸送剤としては、電子輸送剤および正孔輸送剤のうちのいずれか一方または両方が使用でき、とくに上記両輸送剤を併用した単層型の感光層は、単独の構成で正負いずれの帯電にも対応できるという利点がある。
【0024】
電子輸送剤および正孔輸送剤としては、それぞれ電荷発生剤とのマッチングがよく、電荷発生剤で発生した電子または正孔を引き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。
【0025】
また、電子輸送剤と正孔輸送剤とが共存する系では、両者が電荷移動錯体を形成して、感光層全体での電荷輸送能の低下を引き起こし、感光体の感度が低下するのを防止すべく、両輸送剤の組合せについても配慮する必要がある。つまり、両輸送剤を、正孔輸送および電子輸送が効率よく起こる高濃度で同一層中に含有させても、層中で電荷移動錯体が形成されず、正孔輸送剤は正孔を、電子輸送剤は電子を、それぞれ効率よく輸送できる、電子輸送材と正孔輸送剤との組合せを選択するのが望ましい。
【0026】
一方、積層型の感光層は、まず導電性基体上に、蒸着または塗布などの手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層を形成し、ついでこの電荷発生層上に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗工液を、塗布などの手段によって塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成することで構成される。また、上記とは逆に、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷発生層を形成してもよい。
【0027】
ただし、電荷発生層は、電荷輸送層に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成するのが好ましい。
【0028】
積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の種類によって、正負いずれかの帯電型となるかが選択される。
【0029】
たとえば、上記の如く、帯電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した層構成において、電荷輸送層の電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用した場合には、感光層は負帯電型となる。この場合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。電荷発生層に含有させる電子輸送剤としては、電荷発生剤とのマッチングがよく、電荷発生剤で発生した電子を引き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。
【0030】
一方、上記の層構成において、電荷発生層の電荷輸送剤として電子輸送剤を使用した場合には、感光層は正帯電型となる。この場合、電荷発生層には正孔輸送剤を含有させてもよい。
【0031】
[単層型の感光層]
単層型の感光層は電子輸送剤と電荷発生剤と結着樹脂とを含有する単一の層であり、正負いずれの帯電にも対応できるが、負極性コロナ放電を用いる必要のない正帯電型で使用するのが好ましい。この単層型は、層構成が簡単で生産性に優れていること、感光層の被膜欠陥が発生するのを抑制できること、層間の界面が少ないので光学的特性を向上できること等の利点を有する。
【0032】
また、電子輸送剤とともに電子受容体を含有させた単層型の感光層3においては、電子輸送性能をより一層向上することができ、より高感度の感光体を得ることができる。
【0033】
単層型の感光層において、電子輸送剤は結着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の範囲にて、好適には10〜80重量部にて含有するのがよい。電子輸送剤が10重量部未満の場合、残留電位が高くなり、感度が不十分になる虞があり、500重量部を越える場合は結晶化の可能性があり、感光体としての性能が十分発揮されない。
【0034】
[積層型の感光層]
一方、積層型は電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とをこの順で、あるいは逆の順で積層したものである。
【0035】
電荷発生層は電荷輸送層に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成するのが好ましい。
【0036】
積層型の感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との形成順序と、電荷輸送層中で使用する電荷輸送剤の種類とによって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。たとえば、導電性基板の上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した層構成において、電荷輸送層中に電子輸送剤としてキノン誘導体のような電子輸送剤を使用したときは、正帯電型の感光体になる。この場合、電荷発生層には正孔輸送剤や電子輸送剤を含有させてもよい。ここで、前記電荷輸送層に電子受容体を含有させた場合は、電子輸送性が向上するため、より高感度の積層型の感光体が得られる。
【0037】
なお、上記の層構成において、電荷輸送層中の電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用したときは負帯電型の感光体になる。この場合、電荷発生層には電子輸送剤や電子受容体を含有させてもよい。
【0038】
積層型の感光層においては、電荷発生剤と結着樹脂を含む電荷発生層と、電子輸送剤を含む電荷輸送層から構成される。積層型における電子輸送剤の配合割合は、単層型の場合と同様の理由で、結着樹脂100重量部に対して10〜500重量部、好適には25〜100重量部がよい。
【0039】
前述のように、感光体1は、単層型および積層型のいずれにも適用できるが、とくに正負いずれの帯電型にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、層を形成する際の皮膜欠陥を抑制できること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の観点から、単層型が好ましい。
【0040】
つぎに感光層に用いられる種々の材料について説明する。
《電荷発生剤》
種々のフタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、スクアリリウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン染料、キノンイムン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素、アンサンスロン系顔料、ピリリウム塩、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料等の有機光導電材料、セレン、テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウム等の無機光導電材料があげられ、単独または2種類以上を混合して使用できる。
【0041】
《正孔輸送剤》
高い正孔輸送能を有する主々の化合物、たとえば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系の化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、スチルベン系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等があげられる。
【0042】
正孔輸送剤は1種のみを用いるほか、2種以上を混合して用いてもよい。また、ポリビニルカルバゾール等の成膜性を有する正孔輸送剤を用いる場合には、結着樹脂は必ずしも必要でない。
【0043】
《電子輸送剤》
電子輸送剤としては、高い電子輸送能を有する種々の化合物、たとえば、ナフトキノン系化合物、ピラゾリン系化合物、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレンシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等があげられる。
【0044】
《結着樹脂》
感光層に使用されている従来周知の樹脂を使用することができる。たとえば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
【0045】
さらに感光層には、前記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、たとえば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、たとえばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
【0046】
単層型の感光層において、電荷発生剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すればよい。電荷輸送剤として、電子輸送剤を含有させる場合は、結着樹脂100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部の割合で配合すればよい。また、正孔輸送剤を含有させる場合、正孔輸送剤の割合を結着樹脂の100重量部に対して5〜500重量部、好ましくは25〜200重量部とすればよい。さらにまた、単層型感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
【0047】
一方、積層型の感光層において、電荷発生層を構成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で使用することができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部の割合で配合するとよい。電荷発生層に正孔輸送剤あるいは電子輸送剤を含有させる場合は、それらの割合を結着樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部とするとよい。
【0048】
電荷輸送層を構成する電荷輸送剤と結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しない範囲で種々の割合で使用することができるが、光照射により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に対して、電荷輸送剤を10〜500重量部、好ましくは25〜100重量部の割合で配合するとよい。電荷輸送層に正孔輸送剤を含有させる場合は、正孔輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは10〜80重量部とすればよい。
【0049】
単層型においては、導電性基板と感光層との間に、また積層型においては、導電性基板と電荷発生層との間、導電性基板2と電荷輸送層との間または電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層を形成してもよい。
【0050】
[感光層の成膜方法]
このような構成の感光層の形成方法を述べると、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂を適当な溶剤とともに、公知の方法、たとえばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
【0051】
分散液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0052】
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0053】
(表面保護層4の構成)
表面保護層4については、主としてアモルファスシリコンカーバイドからなり、さらに窒素や酸素、弗素などを添加してもよい。そして、本発明によれば、このアモルファスシリコンカーバイド層を触媒CVD法にて形成する点が特徴である。なお、この触媒CVD法は特許第3145536号公報に記載された技術を用いればよい。
【0054】
従来の感光体によれば、有機感光層上に表面保護層を積層する際に、表面保護層をプラズマCVD法にて作製すると、表面保護層の形成に際し発生するプラズマ等により有機感光層の表層部分の結合が切断され、その表面が劣化し、そして、電位が低下するなどの特性劣化が発生していた。また、表面保護層の膜応力が大きくなり、下地の有機感光層との密着が悪くなり、剥離・クラックが発生していた。
【0055】
これに対し、本発明のように表面保護層4を触媒CVD法にて形成することで、上述したような表面の劣化が小さくなったり、もしくはその劣化がなくなり、しかも、表面保護層4の膜応力が小さくなることで、有機感光層との密着性が向上し、その結果、剥離・クラックが発生しない高帯電能の感光体が得られる。
【0056】
そのための原料ガスとしては、水素化珪素ガス、炭化水素ガスおよび酸素化合物ガス、弗素化合物ガス等が用いる。また、キャリアガスとしては一般に常用される水素ガスあるいはアルゴンガス等が用いる。さらに、抵抗値の調整用に若干のドーピングガスを添加してもよく、そのためのガスとして、B2H6等のガスを用いればよい。
【0057】
上記水素化珪素ガスにはモノシラン、ジシラン等がある。また、炭化水素ガスには飽和炭化水素として、たとえばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、ネオヘキサン、ジメチルブタン、メチルヘキサン、エチルペンタン、ジメチルペンタン、トリプタン、メチルヘプタン、ジメチルヘキサン、トリメチルペンタン、イソナノン等がある。
【0058】
また、触媒CVD法に用いる触媒体については、Ta、W、Moから選択される触媒元素にて構成する。
【0059】
成膜条件は、たとえば真空度13.3Pa、基板温度50℃、触媒体(フィラメント24)の温度2200℃である。
【0060】
表面保護層4の膜厚については、0.1〜2.5μmが好適である。膜厚が0.1μm未満になると、膜削れによる耐久性が確保できなくなり、また、下地の影響を受ける。一方、膜厚が2.5μmを超えると、光透過率が悪化し、残留電位が発生する。
【0061】
本発明によれば、触媒体をTa、W、Moから選択される触媒元素にて成し、触媒体温度を、たとえば2200℃にまでに高めることで、触媒体を蒸発させ、そして、薄膜層中に触媒体の元素を取り込んでいる。
【0062】
かくして本発明によれば、かかる触媒CVD法により、少ないドーピングガス(B2H6等のガス)を添加するだけで、所望の電気特性の成膜体を安価に得ることができた。また、触媒CVD法にて成膜を行なったことで、プラズマのダメージを受けなくなり、これにより、膜の内部応力が小さくなり、剥れにくい膜を形成できた。
【0063】
画像形成装置の構成
図2は本発明の感光体を搭載したプリンター構成の画像形成装置5であり、1は感光体であり、この感光体1の周面にコロナ帯電器6と、その帯電後に光照射する露光器7(LEDヘッド)と、トナー像を感光体1の表面に形成するためのトナー8を備えた現像機9、そのトナー像を被転写材10に転写する転写器11と、その転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段12と、その転写後に残余静電潜像を除去する除電手段13とを配設した構成である。また、14は被転写材10に転写されたトナー像を熱もしくは圧力により固着するための定着器である。
【0064】
このカールソン法はつぎの(1)〜(6)の各プロセスを繰り返し経る。
(1)感光体1の周面をコロナ帯電器6により帯電する。
(2)露光器7により画像を露光することにより、感光体1の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形成する。
(3)この静電潜像を現像機9により現像する。この現像により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感光体表面に付着し、可視化する。
(4)感光体表面のトナー像を紙などの被転写材10の裏面よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、これにより、画像を被転写材10の上に得る。
(5)感光体表面の残留トナーをクリーニング手段12により機械的に除去する。
(6)感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段13により残余の静電潜像を除去する。
【0065】
なお、画像形成装置5はプリンターの構成であるが、露光器7に代えて原稿からの反射光を通すレンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機の構成の画像形成装置となる。
【0066】
また、この画像形成装置5には通常の乾式現像を用いているが、その他、湿式現像に使用される液体現像剤にも適用される。
【0067】
【実施例】
(例1)
純度99.9%のAlからなる円筒状の基板(外径30mm、長さ254mm)の上に感光層3を塗布形成し、正帯電のレーザープリンタ用にする。この感光層3は下記のとおりにて成膜した。
【0068】
電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン5重量部および結着樹脂としてポリカーボネイト100重量部、溶媒としてテトラヒドロフラン800重量部、正孔輸送剤として化1のジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン100重量部をボールミルにて50時間混合、分散させて単層感光体用の塗布液を作製した。
【0069】
【化1】
【0070】
そして、この塗布液をアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、100℃で1時間乾燥させて、膜厚25μmの感光層3を形成させ、単層型とした。
【0071】
つぎに表面保護層4として、触媒CVD法(触媒体:Ta)でもって表1に示す成膜条件により5000Åの厚みでシリコンカーバイド(SiC)からなるアモルファス層を成膜形成した。
【0072】
【表1】
【0073】
かくして得られた感光体について、90秒間の帯電電位変化および感度・残留電位をQuality Engineering Associates、Inc.製の感光体特性の評価装置(PDT1000)にて評価を行った。さらに図2に示す画像形成装置5(京セラ株式会社製エコシスLS−1700改造機、乾式現像:トナー平均粒径8.0μm)に搭載し、30万枚のランニングテストをおこない、画質を測定したところ、かぶりやスジ等がなく、実用上支障のない良好な結果が得られた。
【0074】
(例2)
つぎに(例1)に示す感光体を作製するに当り、感光層3をまったく同一の構成にして、さらに表面保護層4については、プラズマCVD法でもって表2に示す成膜条件により5000Åの厚みでシリコンカーバイド(SiC)からなるアモルファス層を成膜形成した。
【0075】
【表2】
【0076】
そして、これら本発明の感光体(例1)と従来の感光体に対し、90秒後の電位低下量、画質(かぶり)ならびに外観を測定し観察したところ、表3に示すような結果が得られた。
【0077】
画質(かぶり)の評価は〇と×の2とおりに区分し、〇印はかぶりの全くない正常な画像である場合、×印は全面にかぶりが発生している画像である場合を示す。
【0078】
外観の評価は〇と×の2とおりに区分し、〇印は膜の剥れや剥離がまったく発生しなかった場合であり、×印は膜の剥れや剥離が認められた場合である。
【0079】
【表3】
【0080】
同表から明らかなとおり、プラズマCVD法にて表面保護層を積層した場合には、感光体特性の劣化および剥離が確認された。これは、有機感光層表面にて、各種結合がプラズマにより切断されることにより生じる劣化が原因である。
【0081】
この有機感光層表面の劣化による各種結合が切断されることで、電荷のトラップが増加され、徐々に帯電を低下させる要因となっている。そして、電位が低下していくことで、画像にかぶりが発生する。
【0082】
また、膜の剥離については、プラズマCVD法にて作製された表面保護層によれば、膜自体の応力が大きくなり、下地の有機感光層3および/または導電性基板2が収縮し、そのために密着性が劣化し、これに起因したものと考えられる。
【0083】
(例3)
上記の成膜によれば、ドラム状基板を用いたが、これに代えて、つぎに平板状基板を用いて、基板のソリを評価した。
【0084】
このように平板状基板を用いて表面保護層4を成膜する場合の触媒CVD装置の構成を図3に示す。なお、成膜条件は(例1)に示すとおりである。
同図にて、20は真空容器であり、この真空容器20の内部に支持体21が配置され、この支持体21の上に被成膜用基板22を配設する。そして、23はガス導入部であり、ガス導入部23と被成膜用基板22との間に、触媒体であるフィラメント24を配している。
【0085】
そして、半導体ガスを導入すると、ガス導入部23より噴出し、フィラメント24を通して被成膜用基板22上に成膜される。
【0086】
そして、図4に示すごとく、AF45ガラスからなる基板25(40mm×10mm×厚み0.1mm)の上にアモルファスシリコンカーバイド層を触媒CVD法(触媒体:Ta)により形成する。この層は表1に示す成膜条件により20μmの厚みでアモルファスシリコンカーバイド層を成膜形成した。そして、ソリ量から測定した。
【0087】
同図によれば、基板25の端部を基板支持体28に固定し、そして、この基板25の上にアモルファスシリコンカーバイド層(薄膜層)を成膜して、ソリ量δを測定した。
【0088】
かくして得られた本発明の平板状の感光体について、その内部応力(4.2×107N/m2)をソリ量から測定したところ、表4に示すような結果が得られた。
【0089】
同様に基板25の上に(例2)に示すごとく、アモルファスシリコンカーバイド層をプラズマCVD法により成膜して、ソリ量δを測定し、内部応力を求めたところ、表4に示すような結果が得られた
【0090】
【表4】
【0091】
同表から明らかなとおり、触媒CVD法にて作製された膜は、プラズマCVD法にて作製された膜より内部応力が約1桁小さくなっており、密着性が向上したことがわかる。
【0092】
なお、本発明は上記の実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の変更や改良等はなんら差し支えない。たとえば、上記によれば、触媒体としてTaを用いたが、これに代えてW、Moの各触媒元素を用いても本発明の作用効果を奏することを実験により確認した。
【0093】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、アモルファスシリコンカーバイドからなる表面保護層を触媒CVD法により成膜したことで、優れた耐刷性が得られ、さらに電位特性のバラツキがなくなった高耐久性、高性能、高信頼性の感光体ならびに画像形成装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の画像形成装置の概略図である。
【図3】触媒CVD装置の概略を示す図である。
【図4】抵抗体のソリ量の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・感光体
2・・・導電性基板
3・・・感光層
4・・・表面保護層
5・・・画像形成装置
6・・・コロナ帯電器
7・・・露光器
9・・・現像機
11・・・転写器
12・・・クリーニング手段
13・・・除電手段
14・・・定着器
Claims (2)
- 導電性支持体上に有機感光層とアモルファスシリコンカーバイドからなる表面保護層とを順次積層した感光体であって、前記表面保護層を触媒CVD法により成膜したことを特徴とする感光体。
- 請求項1の感光体と、この感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して光照射する露光手段と、これら帯電手段と露光手段とにより感光体表面に形成された静電潜像に対してトナー像を感光体の表面に形成する現像手段と、上記トナー像を被転写材に転写する転写手段と、転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを配設した画像形成装置。
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