JP3774735B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄剤組成物、更に詳しくは、酸性アミノ酸と中性アミノ酸とからなるジペプチドの、N−長鎖アシル化物(塩)(A)と前記と同じ酸性アミノ酸のN−長鎖アシル化物(塩)および前記と同じ中性アミノ酸のN−長鎖アシル化物(塩)(B)とを特定の重量比で含有することを特徴とする、皮膚に対する刺激が少なく、泡立ちに優れ、毛髪洗浄の際のすすぎ時の指通り、乾燥後の皮膚や毛髪の保湿感に優れた洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シャンプー、洗顔フォーム、台所用洗剤など、皮膚および毛髪に接触する機会の多い洗浄剤は、刺激が低いということが重要視される。例えば、洗浄剤で多用されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩や、アルキルベンゼンスルホン酸塩は、毛髪や皮膚への刺激性が高く、また、すすぎ時の毛髪のきしみ感、使用後の皮膚のつっぱり感などの使用感も満足のいくものではない。
【0003】
皮膚や毛髪に対する作用が穏和な洗浄剤としては、従来からN−長鎖アシルグルタミン酸、N−長鎖アシルアラニン等のN−アシルアミノ酸や、天然タンパク質を加水分解して得られるペプチドを高級脂肪酸でアシル化したN−長鎖アシルペプチドなどが知られている。
【0004】
N−長鎖アシルアラニンなどのN−長鎖アシル中性アミノ酸は、中性からアルカリ性で優れた泡性能を有し、洗髪時のすすぎの際、きしみ感が少なく指通りが良好であるものの、弱酸性領域においては結晶が析出するなど液性が保ちにくく泡立ちも著しく低下する。
【0005】
一方、N−長鎖アシルグルタミン酸などのN−長鎖アシル酸性アミノ酸は、弱酸性領域においても溶状安定性に優れると共に、皮膚や毛髪に対する洗浄乾燥後の保湿感にも優れている。しかし、泡立ちや泡安定性が十分でなくまた洗髪におけるすすぎの際のきしみ感や、指どおりといった使用感に問題があった。
【0006】
また、N−長鎖アシル加水分解ペプチドにおいては、特異臭があり、液体洗浄剤に配合すると濁りがでるなどの欠点を有しており、使用感も満足のいくものではない。
【0007】
近年、洗浄剤組成物に求められる性能が多様化する中、低刺激性に加え、泡立ち、保湿感、すすぎ感など、使用感の更に優れた洗浄剤が非常に重要視されており、より付加価値の高い洗浄剤組成物の開発が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前項記載の従来技術の背景下に、本発明は、皮膚に対する刺激が少なく、泡立ちに優れ、更に毛髪洗浄の際のすすぎ時の指通り、洗浄乾燥後の皮膚や毛髪の保湿感に優れる洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記記載の目的を達成すべく鋭意研究の結果、(A)酸性アミノ酸と中性アミノ酸からなるジペプチド構造を有するN−長鎖アシルジペプチド(塩)と(B)N−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)およびN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)とを特定の比率で含有する洗浄剤組成物が前項記載の特性を有する優れた洗浄剤組成物となることを見いだし、このような知見に基づいて本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)および/または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチドまたはその塩(A)と
【化3】
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素原子数7〜21の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Xは酸性アミノ酸残基を示し、Yは中性アミノ酸残基を示し、M1およびM2はそれぞれ独立に水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミン、塩基性アミノ酸またはアンモニウムを示し、そしてM1およびM2はそれらが1価イオンのときはn=1で、2価イオンのときはn=2である。)
下記一般式(3)および(4)でそれぞれ表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩およびN−長鎖アシル中性アミノ酸またはその塩(B)とを、
【化4】
(式中、R3およびR4はそれぞれ独立に炭素原子数7〜21の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Xは前記と同じ酸性アミノ酸残基を示し、Yは前記と同じ中性アミノ酸残基を示し、M3およびM4はそれぞれ独立に水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミン、塩基性アミノ酸またはアンモニウムを表し、そしてM3およびM4はそれらが1価イオンのときはn=1で、2価イオンのときはn=2である。)
重量比で(A)/(B)=0.05/100〜20/100の割合で含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明に係わる酸性アミノ酸と中性アミノ酸からなるジペプチド構造を有するN−長鎖アシルジペプチドまたはその塩は、下記一般式(1)または(2)で表すことができる。
【0013】
【化5】
【0014】
式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素原子数7〜21の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Xは酸性アミノ酸残基を示し、Yは中性アミノ酸残基を示し、M1およびM2はそれぞれ独立に水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミン、塩基性アミノ酸またはアンモニウムを表し、そしてM1およびM2はそれらが1価イオンのときはn=1で、2価イオンのときはn=2である。
【0015】
また、N−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩およびN−長鎖アシル中性アミノ酸またはその塩は、それぞれ、下記一般式(3)および(4)で表すことができる。
【0016】
【化6】
【0017】
式中、R3およびR4はそれぞれ独立に炭素原子数7〜21の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Xは前記と同じ酸性アミノ酸残基を示し、Yは前記と同じ中性アミノ酸残基を示し、M3およびM4はそれぞれ独立に水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミン、塩基性アミノ酸またはアンモニウムを表し、そしてM3およびM4はそれらが1価イオンのときはn=1で、2価イオンのときはn=2である。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物に用いる上記一般式(1)または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチド(塩)および一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)のXは酸性アミノ酸残基を示すが、このような残基を与える酸性アミノ酸としてはグルタミン酸、アスパラギン酸などを挙げることができる。また、このようなN−長鎖アシルジペプチド(塩)およびN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)は、ラセミ体および光学活性体のいずれでもよい。
【0019】
また、本発明の洗浄剤組成物に用いる上記一般式(1)または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチド(塩)および一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)のYは中性アミノ酸残基を示すが、このような残基を与える中性アミノ酸としてはグリシン、アラニン、β−アラニン、ザルコシン、N−メチル−β−アラニン、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、シスチン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリンおよびヒドロキシプロリンなどを挙げることができるが、好ましくはグリシン、アラニン、β−アラニン、ザルコシン、N−メチル−β−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニンおよびフェニルアラニンであり、そして特に好ましいのはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびスレオニンである。このようなN−長鎖アシルジペプチド(塩)およびN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)は、ラセミ体および光学活性体のいずれでもよい。
【0020】
前記一般式(1)または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチド塩のR1およびR2、前記一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)のR3ならびに前記一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸塩のR4は、それぞれ独立に炭素原子数7〜21の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示すが、これらのアルキル基またはアルケニル基を含む長鎖アシル残基R1CO−,R2CO−、R3CO−およびR4CO−は、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、椰子油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、およびこれらを含む混合脂肪酸等の炭素原子数8〜22の脂肪酸より導入することができる。
【0021】
前記一般式(1)または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチド塩のM1およびM2、前記一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩のM3ならびに前記一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸塩のM4の塩基成分としては、それぞれ独立に、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、テトラキス(2−ヒドロキシイソプロピル)エチレンジアミンなどの有機アミン;リジン、オルニチン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸;またはアンモニウム等を挙げることができる。また、一般式(1)〜(3)の化合物は、本来カルボキシル基を2個有し、そのうち1個は上記M1、M2、M3との塩を形成することができるが、他の1個も上記の塩基成分との塩を形成していてもよいことはもちろんである。上記の塩基成分は2種以上の組合せであってもよい。
【0022】
前記一般式(1)または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチドとしては、N−長鎖アシルグルタミルグリシン、N−長鎖アシルグリシルグルタミン酸、N−長鎖アシルグルタミルアラニン、N−長鎖アシルアラニルグルタミン酸、N−長鎖アシルグルタミルスレオニン、N−長鎖アシルスレオニルグルタミン酸、N−長鎖アシルグルタミルバリン、N−長鎖アシルバリルグルタミン酸、N−長鎖アシルグルタミルロイシン、N−長鎖アシルロイシルグルタミン酸、N−長鎖アシルグルタミルイソロイシン、N−長鎖アシルイソロイシルグルタミン酸、N−長鎖アシルアスパラチルグリシン、N−長鎖アシルグリシルアスパラギン酸、N−長鎖アシルアスパラチルアラニン、N−長鎖アシルアラニルアスパラギン酸、N−長鎖アシルアスパラチルスレオニン、N−長鎖アシルスレオニルアスパラギン酸、N−長鎖アシルアスパラチルバリン、N−長鎖アシルバリルアシパラギン酸、N−長鎖アシルアスパラチルロイシン、N−長鎖アシルロイシルアスパラギン酸、N−長鎖アシルアスパラチルイソロイシン、N−長鎖アシルイソロイシルアスパラギン酸などを好ましく用いられるものとして挙げることができる。酸性アミノ酸のカルボキシル基を介するペプチド結合は、いずれのカルボキシル基を介するものでもよく、すなわち、アスパラギン酸ではαおよびβカルボキシル基のいずれを介するものでもよく、またグルタミン酸ではαおよびγカルボキシル基のいずれを介するものでもよい。また、これらのN−長鎖アシルジペプチドは、ラセミ体および光学活性体のいずれでもよい。
【0023】
一般式(1)または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチドまたはその塩は、例えば、酸性アミノ酸と中性アミノ酸からなるジペプチドを製造した後、アルカリ水溶液中で脂肪酸ハライドによりアシル化する方法により容易に製造することができる。ジペプチドの製造方法としては、ペプチド化学における通常の方法によることができる。また、N−長鎖アシルアミノ酸とカルボキシル保護アミノ酸とをDCCなどの縮合剤を用いて縮合した後カルボキシル保護基を選択的に除去する方法、N−長鎖アシルアミノ酸を酸クロライドなどのハロゲン化剤により酸ハロゲン化物に変換した後、アミノ酸と縮合反応させる方法によっても容易に製造することができる。ジペプチドにおける酸性アミノ酸と中性アミノ酸の光学活性体に関する組合せは、L体とL体、L体とD体、D体とL体およびD体とD体のいずれでもよいことはもちろんである。
【0024】
一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)および一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)は、アミノ酸と脂肪酸ハライドをアルカリ水溶液中で縮合させるショッテン・バウマン(Schotten Baumann)反応を用いる方法が一般的であり、例えば特公昭46−8685、特公昭48−35058および特公昭51−38681に記載の方法に準じて製造することができる。アシル化すべきアミノ酸は、L体、D体およびラセミ体のいずれでもよいことはもちろんである。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物は、大別して2種類の有効成分(AおよびB)を特定の割合で含有することを特徴とするものである。
【0026】
有効成分のー(成分A)は、酸性アミノ酸と中性アミノ酸とからなるジペプチドのN−長鎖アシル化物またはその塩、すなわち、一般式(1)または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチドおよびその塩の1種以上である。すなわち、成分Aとしては、一般式(1)で表されるN−長鎖アシルジペプチドおよびその塩並びに一般式(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチドおよびその塩の全体の中から選ばれる1種以上である。従って、成分Aは、一般式(1)で表される化合物のうちからのみ、一般式(2)で表される化合物のうちからのみ、ならびに一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物の両者から選ばれることができる。
【0027】
有効成分の他(成分B)は、N−長鎖アシルアミノ酸(塩)で、これはN−長鎖アシル酸性アミノ酸およびその塩(すなわち、一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸およびその塩)から選ばれる1種以上とN−長鎖アシル中性アミノ酸およびその塩(すなわち、一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸およびその塩)から選ばれる1種以上とからなる。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物におけるN−長鎖アシルジペプチド(塩)(成分A)とN−長鎖アシルアミノ酸(塩)(成分B)の割合は、重量比で(A)/(B)=0.05/100〜20/100であり、好ましくは0.1/100〜10/100である。0.05/100未満の場合は十分な使用感が得られず、一方、20/100を越えると使用感が低下するほか、コスト的に不利となる。
【0029】
成分Bのうち、一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)の一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)に対する割合は、重量比で通常(3)/(4)=5/95〜95/5であるが、弱酸性領域で用いる場合、溶状安定性を高める上でN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)の割合が大きい方がよく、好ましくは60/40〜95/5である。95/5を越える場合、または5/95未満の場合、使用感の低下を招く。
【0030】
一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)と一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)を併用して配合した洗浄剤組成物は、各々の単独使用の場合に生ずる欠点をある程度補い合う。例えば、N−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)とN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)の適度な配合により弱酸性領域での泡立ちが改善される(後掲第3表参照)。しかし、更に一般式(1)で表されるN−長鎖アシルジペプチド(塩)または/および一般式(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチド(塩)を加えることで、すすぎ時のきしみ感、指通り、保湿感が大きく向上し、コンディショニング効果に非常に優れた洗浄剤組成物とすることができる。また、これらN−長鎖アシルジペプチド(塩)は他の成分に比較し非常に少量の添加でも十分なコンディショニング効果を発揮する。
【0031】
本発明の洗浄剤におけるN−長鎖ジペプチド(塩)(成分A)およびN−長鎖アシルアミノ酸(塩)(成分B)の合計の含有量は、通常1重量%以上であり、好ましくは3〜80重量%である。合計の含有量が1%未満であると、使用時に満足な使用感が得られない。
【0032】
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の界面活性剤をも含有させることができる。このような界面活性剤には特別の制限はなく、通常洗浄剤組成物に使われる界面活性剤であれば、単独であるいは以上2種以上を組み合わせて本発明の洗浄剤組成物に添加あるいは併用することができる。このような界面活性剤の例としては、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルタウリン塩、スルホコハク酸系界面活性剤などの陰イオン型界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、高級油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イミダゾリン系界面活性剤などの両性イオン型界面活性剤;アルキルサッカライド系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、高級脂肪酸アルカーノルアミド、アミンオキシドなどの非イオン型界面活性剤;塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、N−アシルアルギニン低級アルキルエステルピロリドンカルボン酸塩などのカチオン型界面活性剤;等を挙げることができる。また、本発明の洗浄剤組成物の必須成分(成分B)以外の、N−アシル酸性アミノ酸(塩)およびN−アシル中性アミノ酸(塩)を差し支えない範囲で適宜配合することもできる。
【0033】
本発明の洗浄剤組成物には、また、通常用いられているような、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどの保湿剤;グリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどの乳化剤;流動パラフィン、ワセリン、スクワランなどの炭化水素;イソプロピルミリステート、ミリスチン酸オクチルドデシルなどのエステル類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;アクリル酸系ポリマーなどのアニオンポリマー;各種シリコン誘導体;カチオン化グアーガムなどのカチオンポリマー;パラペン誘導体などの防腐剤;ラウリルジメチルアミンオキシドなどの増泡剤;香料;色素;粘度調整剤;パール化剤;酸化防止剤;殺菌剤;抗炎症剤;紫外線吸収剤;pH調整剤;生薬などの薬剤;等を適宜配合することができる。
【0034】
本発明の洗浄剤組成物の、洗浄剤として最も効果が高い剤型は、液状、ペースト状、ゲル状等であるが、固形状や粉末状にしても十分機能が発揮される。本発明の洗浄剤組成物をこれらの剤型に調製するのには、特別の制限はなく、従来公知の方法に適宜準ずることができる。
【0035】
本発明の洗浄剤組成物の用途としては、台所用洗浄剤、シャンプー、ボディーシャンプー、洗顔フォーム、洗濯用洗浄剤等、使用目的に応じて各種用途に用いることができるが、特にシャンプー、ボディーシャンプー、洗顔フォーム等に適している。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0037】
なお、以下の実施例および比較例における評価試験は、次のようにして行った。
【0038】
(a)泡立ちの評価:
蒸留水で界面活性剤の合計濃度が0.5重量%でかつクエン酸でpHを5.9に調整した水溶液を調製した。その50gを採り、350ml容の家庭用ミキサー(岩谷産業(株)製)により5秒間攪拌し、静置1分後の泡の体積(ml)を測定することにより泡量を下記第1表に示す基準により評価した。
【0039】
【表1】
【0040】
(b)使用感の評価:
蒸留水で界面活性剤の合計濃度が約20重量%の水溶液を調製し、男女各10人のパネラーにより毛髪洗浄および手洗い時の官能評価を行った。洗髪試験におけるすすぎ時の指通り、乾燥後の保湿感(髪)および手洗い試験における乾燥後の保湿感(手)を下記第2表に示す基準に基づき評価した。結果は20人のパネラーの平均値によった。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例1〜2および比較例1〜4:
下記第3表に示す種々の組成で洗浄剤ストック溶液を作成した。表中、数値は重量%を表し、残量は精製水により全量を100重量%としたことを示す。これらのストック溶液から、前記(a)に記載の泡立ち評価用水溶液を調製して泡立ちの評価を行った。結果も同表に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
上表に示す結果から、本発明の洗浄剤組成物(実施例)及び比較例組成物において、弱酸性領域での泡立ちはN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)とN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)との配合比を適当な割合とすることにより改善されることが分かる。
【0045】
実施例3〜7および比較例5〜10:
下記第4表に示す種々の組成で洗浄剤供試液(界面活性剤の合計濃度が前記のように約20重量%。表中、数値は重量%を表し、残量は精製水により全量を100重量%としたことを示す(第5表においても同じ))を作成し、同表に示す種々の項目についての使用感を検査した。結果も同表に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
上表に示す結果から、本発明の洗浄剤組成物(実施例)は、乾燥後の保湿感(手および髪)およびすすぎ時の指通りのいずれの項目についても、比較例に較べて使用感に優れるものであることが分かる。
【0048】
実施例8〜11および比較例11〜14:
下記第5表に示す種々の組成で洗浄剤供試液を作成し、同表に示す種々の項目についての使用感を検査した。結果も同表に示す。
【0049】
【表5】
【0050】
上表に示す結果から、本発明の洗浄剤組成物(実施例)は、乾燥後の保湿感(手および髪)およびすすぎ時の指通りのいずれの項目についても、比較例に較べて使用感に優れるものであることが分かる。
【0051】
実施例12(ヘアシャンプー)
下記第6表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0052】
【表6】
【0053】
上記ヘアシャンプーは、泡立ち、乾燥後の髪の保湿感及びすすぎ時の指どおりに優れるものであった。
【0054】
実施例13(ヘアシャンプー)
下記第7表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0055】
【表7】
【0056】
上記ヘアシャンプーは実施例12におけるものと同様に優れるものであった。
【0057】
実施例14(ヘアシャンプー)
下記第8表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0058】
【表8】
【0059】
上記ヘアシャンプーは実施例12におけるものと同様に優れるものであった。
【0060】
実施例15(ヘアシャンプー)
下記第9表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0061】
【表9】
【0062】
上記ヘアシャンプーは実施例12におけるものと同様に優れるものであった。
【0063】
実施例16
下記第10表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0064】
【表10】
【0065】
上記ヘアシャンプーは実施例12におけるものと同様に優れるものであった。
【0066】
実施例17
下記第11表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0067】
【表11】
【0068】
上記ヘアシャンプーは実施例12におけるものと同様に優れるものであった。
【0069】
実施例18
下記第12表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0070】
【表12】
【0071】
上記ヘアシャンプーは実施例12におけるものと同様に優れるものであった。
【0072】
実施例19
下記第13表に示す組成でヘアシャンプーを試作した。
【0073】
【表13】
【0074】
上記ヘアシャンプーは実施例12におけるものと同様に優れるものであった。
【0075】
実施例20
下記第14表に示す組成でボディシャンプーを試作した。
【0076】
【表14】
【0077】
上記ボディシャンプーは、泡立ち、皮膚の保湿感に優れるものであった。
【0078】
実施例21
下記第15表に示す組成で洗顔料を試作した。
【0079】
【表15】
【0080】
上記洗顔料は、泡立ち、皮膚の保湿感に優れるものであった。
【0081】
実施例22
下記第16表に示す組成で洗顔料を試作した。
【0082】
【表16】
【0083】
上記洗顔料は、泡立ち、皮膚の保湿感に優れるものであった。
【0084】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤組成物は、皮膚に対する刺激が少ない上に、泡立ちに優れ、毛髪洗浄の際のすすぎ時の指通りがよく、また、毛髪および皮膚洗浄において乾燥後の保湿感に優れたものである。
Claims (5)
- 下記一般式(1)および/または(2)で表されるN−長鎖アシルジペプチドまたはその塩(A)と
下記一般式(3)および(4)でそれぞれ表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩およびN−長鎖アシル中性アミノ酸またはその塩(B)とを、
重量比で(A)/(B)=0.05/100〜20/100の割合で含有することを特徴とする洗浄剤組成物。 - 該一般式(3)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(塩)の該一般式(4)で表されるN−長鎖アシル中性アミノ酸(塩)に対する割合が、重量比で(3)/(4)=5/95〜95/5であることを特徴とする請求項1記載の洗浄剤組成物。
- 酸性アミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸であることを特徴とする請求項1または2記載の洗浄剤組成物。
- 中性アミノ酸がグリシン、アラニン、β−アラニン、ザルコシン、N−メチル−β−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニンまたはフェニルアラニンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
- 中性アミノ酸がグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンまたはスレオニンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
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