JP3773968B2 - 砂型鋳造方法及び減圧枠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂型(生型)鋳造方法及び該方法の実施に使用される減圧枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、砂型による鋳造は、砂型を上型と下型とにより構成し、この砂型に形成されたキャビティに注湯することにより行われる。
これらの砂型鋳造においては、注湯圧により或いは注湯後に発生するガスにより、下砂型に対して上砂型が浮き上がってしまうのを防止するために、上砂型上に重りを載置することが行われている。また、注湯により発生するガスは、鋳造品に巣を生じさせる等不良品発生の原因となるので、このガスを砂型外へ排出する必要がある。
【0003】
従来、上砂型に設けたガス抜孔に、吸引管を介してガス吸引ポンプを接続し、鋳造時に発生するガスを前記ポンプにより強制的に吸引して砂型外に排出する方法が提案されている(特開昭57−160565号公報参照)。
また、砂型上に載置する重りの下面に、吸引空間を形成し、該空間に通じる吸引口に複数本のガス吸引ホースを介して吸引ポンプを接続し、強制的に脱ガスを行う装置が提案されている(実開昭61−12562号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術では、注湯により発生するガスを完全に吸引除去することができず、したがって、ガスによる製品欠陥を完全に無くすることができないほか、押湯や揚りを減少させることができない。また、重りが不可欠で、製品の大きさによりその大きさ(重量)を選択する必要があるなどの問題がある。
【0005】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ガスの吸引排出・湯流れを良好にし、歩留りの向上、砂通気度管理の省略、型張り及びガス欠陥の低減、さらに凝固速度の均一化を図ることができる砂型鋳造方法及び減圧枠を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明方法は、砂型に上下開放の減圧枠を外嵌し、減圧枠上に合成樹脂等からなるシート又はフィルム状被覆体を被冠した後、前記減圧枠内の空気を吸引排出して減圧状態とし、前記被覆体を介して砂型上面に大気圧を作用させ、減圧状態のままで砂型内に注湯を行い、注湯によって発生したガスを減圧枠外に排出するものである。
【0007】
本発明方法によれば、砂型に外嵌した減圧枠内の空気を、吸引ポンプにより吸引排出することにより、減圧枠内の圧力が低下して被覆体が砂型上面全体に吸着され、砂型上面に大気圧が被覆体を介して均等に作用して、重りの機能を発揮する。減圧枠内の砂型を減圧状態に保持したまま注湯を行うと、湯流れが非常によく、発生したガスは強制的に万遍なく排出される。
【0008】
また、本発明方法は、注湯後製品が所定温度に冷却するまでの間、減圧枠内を減圧状態に保持するものである。
この場合、砂型内は、注湯完了後も減圧状態に保持されているので、注入された溶融金属の冷却速度即ち凝固速度が速くかつ均一に凝固され、所定温度に達すると減圧状態から解放される。
【0009】
そして、本発明減圧枠は、四周に二重壁からなる空洞を備え、内側壁内面に多数の凸条を備えると共に各凸条間に複数の吸引孔を前記空洞と連通状に備え、前記外側壁に空洞内に連通する吸引口を備えている。
従って、砂型の略全側面が減圧枠に接触しないので、該側面全面がガス吸引孔を介してガス吸引口に連通し、砂型全体から空気,ガスが効果的にかつ迅速に吸引除去され、注湯の流れが非常に良くかつ冷却速度が速くなり、製品の寸法精度並びに品質が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基き説明する。
図1は、本発明方法を連続鋳造を行う砂型鋳造方法に採用した例を示し、図2,図3は、本発明方法の実施に最適な減圧枠を示している。
図1において、1は型枠であって搬送コンベヤ2上に複数個が互いに直列に載置され、図中左から右へ矢印で示す方向に間欠送りされ、搬送コンベヤ2が停止している間に、型枠1内に鋳物砂3が投入され、かつ木型4がセットされて砂型5が造形される。
【0011】
砂型5が完成すると、次のステーションに送られ、ここで、木型4が抜き取られ、型枠1が除去される。砂型5がさらに送られて次のステーションで停止すると、減圧枠6が外嵌され、続いて砂型5の上面にその全体を覆うように、ビニール製のシート又はフィルム状被覆体7が被せられ、減圧枠6内の空気が吸引手段(図示省略)(例えば吸引用真空ポンプ)により吸引排出され、減圧状態になり、前記被覆体7が砂型5の上面全面に吸着され、砂型5上面全体に大気圧が均等に作用する。
【0012】
砂型5が注湯ステーションに移動して停止すると、減圧状態のままで注湯即ち溶融金属が注湯口8から注入され、砂型5内のキャビティーに溶融金属が注入される。この注湯によって発生したガスは、吸引手段により減圧枠6から排出される。
そして、減圧枠6内は、製品が所定の温度に冷却されるまでの間、減圧状態が保持され、冷却速度即ち凝固速度が速くかつ均一で効率よく冷却される。このようにして、製品9が所定温度になると、減圧状態が解放され、続いて減圧枠6が取り除かれ、型ばらしの後、湯道10等が除去されて製品9が完成する。
【0013】
前記減圧枠6は、図2、図3に示すように、上下が解放された方形枠形で、四周が内側壁11と外側壁12により二重壁とされると共に空洞13が形成されている。前記内側壁11は、上端開口よりも下端開口が広くなる傾斜状でかつ外側壁12よりも上下端が夫々短くされ、上下隔壁14,15により内外側壁11,12が接続されている。
【0014】
そして、前記内側壁11の内面全面には、上下方向に延びる多数の山形凸条16が設けられ、該凸条16間の谷間17に上下方向任意の間隔で、空気・ガス等の吸引孔18が前記空洞13に連通状に複数設けられている。また、外側壁12には、1又は複数の吸引口19が、前記空洞13に連通状に設けられており、該吸引口19には、図外の吸引手段(真空ポンプ)が吸引ホースを介して接続される。
【0015】
減圧枠6の内側壁11内面に凸条16を設けることにより、砂型5の外側面のほとんど全部が吸引孔18に連通することになり、空気・ガス等を砂型5全体から万遍なく吸引排出することができ、減圧効果が格段に向上する。また、内側壁11を下開きに傾斜させることにより、砂型5への外嵌・除去作業が容易になる。
【0016】
上記実施形態によれば、押湯・揚りを低減できるので、製品の歩留りを大幅に向上することができ、減圧吸引により金属溶融の流れが良好で、湯廻・湯境い不良を低減させ、良品質の薄肉製品を得ることができ、従来のようにガスが砂型内に溜まって巣ができる恐れがないので、砂通気度管理の省略による試験工数の低減を図ることができる。
【0017】
しかも、砂型上面に大気圧を作用させることができるため、従来の重りが不要となり、寸法精度の向上、型張りの減少を図りうるほか、ガス欠陥即ち、巣・ピンホール欠陥をなくすことができ、凝固速度を均一化できるので冷し金が不要となる。
本発明の上記実施形態は、連続砂型鋳造方法について説明したが、発砲ポリスチレン製の消失模型を用いて成形した砂型による鋳造方法(フルモールド法)に採用することができ、さらには、非連続鋳造方法にも採用可能であることは勿論である。
【0018】
さらに、本発明に係る減圧枠は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明方法は、上述のように、砂型に上下開放の減圧枠を外嵌し、減圧枠上に合成樹脂等からなるシート又はフィルム状被覆体を被冠した後、前記減圧枠内の空気を吸引排出して減圧状態とし、前記被覆体を介して砂型上面に大気圧を作用させ、減圧状態のままで砂型内に注湯を行い、注湯によって発生したガスを減圧枠外に排出することを特徴とするものであるから、ガスの吸引排出・湯流れを良好にし、製品歩留りの向上、砂通気度管理の省略、型張り及びガス欠陥の低減、さらには凝固速度の均一化を図り、良品質の鋳造製品を製造することができるうえ、重り及びその管理等を不要にすることができる。
【0020】
また、本発明方法は、注湯後製品が所定温度に冷却するまでの間、減圧枠内を減圧状態に保持することを特徴とするものであるから、ガス欠陥を無くしうるばかりでなく、冷却速度を速くして凝固速度を均一にし、冷し金を無くすことができる。
そして、本発明減圧枠は、四周に二重壁からなる空洞を備え、内側壁内面に多数の凸条を備えると共に各凸条間に複数の吸引孔を前記空洞と連通状に備え、前記外側壁に空洞内に連通する吸引口を備えていることを特徴とするものであるから、砂型内の空気はもとより、注湯によって発生するガスを万遍なく効果的に吸引排出して減圧状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施形態を示す概略工程図である。
【図2】 本発明減圧枠の一実施形態を示す平面図である。
【図3】図2の一部破断正面図である。
【符号の説明】
5 砂型
6 減圧枠
7 シート又フィルム状被覆体
9 製品
11 内側壁
12 外側壁
13 空洞
16 山形凸条
18 吸引孔
19 吸引口
Claims (3)
- 型枠を間隔をおいて搬送コンベヤ上に載置し、その型枠を搬送コンベヤで間欠送りしながらその型枠内に鋳物砂を投入し、かつ砂型を造形し、搬送コンベヤ上の砂型から型枠を除去した後に砂型に上下開放の減圧枠を外嵌し、搬送コンベヤ上の砂型及び減圧枠の上面の全体を覆うように合成樹脂等からなるシート又はフィルム状被覆体を被冠した後、前記減圧枠を介してその内部の砂型の空気を吸引排出して減圧状態とし、前記被覆体を介して砂型上面に大気圧を作用させ、前記減圧状態のままで砂型内のキャビティーに注湯を行い、注湯によって発生したガスを減圧枠外に排出することを特徴とする砂型鋳造方法。
- 請求項1に記載の砂型鋳造方法において、上下方向に伸びる山形凸条を内側壁内面に多数条備えると共に各山形凸条間に砂型の外側面に通じる複数の吸引孔を備える減圧枠を介して砂型を減圧状態にすることを特徴とする砂型鋳造方法。
- 四周に二重壁からなる空洞を備え、内側壁内面に砂型の外側面に対面する多数の山形凸条を備えると共に各山形凸条間に複数の吸引孔を前記空洞と連通状に備え、外側壁に空洞内に連通する吸引口を備えていることを特徴とする減圧枠。
Priority Applications (1)
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JP17240395A JP3773968B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 砂型鋳造方法及び減圧枠 |
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JP17240395A JP3773968B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 砂型鋳造方法及び減圧枠 |
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JPH0919754A JPH0919754A (ja) | 1997-01-21 |
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JP17240395A Expired - Lifetime JP3773968B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 砂型鋳造方法及び減圧枠 |
Country Status (1)
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JP2015097517A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | 伊藤鉄工株式会社 | 樹木の根元保護盤及びその鋳造方法 |
-
1995
- 1995-07-07 JP JP17240395A patent/JP3773968B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0919754A (ja) | 1997-01-21 |
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