JP3773823B2 - 被除去物の再利用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造工程で発生した被除去物を含む流体から、被除去物を回収し、再利用する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、産業廃棄物を減らす事は、エコロジーの観点から重要なテーマであり、21世紀へ向けての企業課題である。この産業廃棄物の中には、排水があり、高価な濾過処理装置等で排水をきれいな水として再利用したり、除去できずに残ったものを産業廃棄物として処理している。特に水は、きれいな状態にして川や海等の自然界に戻したり、再利用することがこれからの重要課題である。
【0003】
しかし、濾過処理等の設備費、ランニングコスト等の問題から、これらの装置を採用することが非常に難しく、色々な所で環境問題が発生しており、更にはリサイクルの点からも重要な問題である。
【0004】
一例として、半導体分野に於ける排水処理を以下に説明していく。一般に、金属、半導体、セラミック等の板状体を研削または研磨する際、設備の温度上昇防止、潤滑性向上、研削屑または切削屑の板状体への付着等が考慮され、水等の流体が供給されている。
【0005】
図17〜図23は、Si半導体ウェハの加工工程を説明するものである。図17は、Siの単結晶がインゴット状に引き上げられたものを示す。例えば8インチで2メートルもある。そしてこのインゴット1の不要部分、上・下端部2、3を切断除去し、円柱状のいくつかのブロック4に切断分離する。この時は、図示しないブレードでカットし、水が供給される。(以上第1の研磨・研削工程)
続いて図18の如く、円柱状のブロック4を所定のウェハ径にするため、研削刃5で外周を研削する。ここでも研削刃5、ブロック4の保護を兼ねて、水の供給手段6を介してシャワーリングする。(以上第2の研磨・研削工程)
続いて、図19に示すように、ブロック4には、ウェハの面内結晶方位を示すために、オリエンテーションフラット7と呼ばれる切り欠けが形成される。(以上第3の研磨・研削工程)
続いて、図20、図21に示すように、ブロック4を接着剤で支持台SUBに貼り付け、一枚・一枚のウェハに切断する。図20は、ダイヤモンド粒を貼り付けたブレードソー8でスライシングしている。また図21では、ピアノ線9を張り、ピアノ線に沿ってスラリーのダイヤモンド砥粒を流し、ブロック4をスライシングしている。
【0006】
切断後は、接着剤を薬液で溶かし、ウェハを支持台から剥がし、ウェハとして分離している。(第4の研磨・研削工程)
更には、ウェハの角部が欠けるのを防止するために、面取りが行われ、ウェハラッピングが行われる。例えば図22のラッピング装置を使い、ウェハの表面または/および裏面を機械的化学的に研磨する。(以上第5の研磨・研削工程)
そして不純物の導入、表面の欠陥処理を行い、完全結晶にして、ウェハが出荷される。
【0007】
このウェハは、半導体メーカーにより、所望のICとして作り込まれる。またこのICは、ウェハにマトリックス状に形成され、少なくともICの表面に樹脂、Si窒化膜等の保護膜が被覆される。
【0008】
ウェハは、そのままでは厚くダイシングが難しいため、また裏面の電気抵抗を下げるために、バックラップし、約300μmまで薄くされる。このバックラップ装置が図22に示される。ターンテーブル200の上にウェハ201が取り付けられ、砥石202でウェハ裏面が削られる。符号204は、水を供給するノズル(シャワー)204である。(以上第6の研磨・研削工程)
最後に、図23の様に半導体ウェハがダイシングされる。Wは、半導体ウェハで、DBは、ダイシングブレードである。またSW1、SW2は、ブレードに水をかけるシャワーであり、SW3は、ウェハWに水をかけるためのシャワーである。(以上第7の研磨・研削工程)
以上の様に、半導体の製造工程では、研磨・研削工程が数多く存在し、研磨・研削工程の際に、井戸水、水道水または工業用水等の水、あるいは蒸留水、イオン交換水等の純水を流す手法が取られている。例えばダイシング装置では、ダイシングブレードの温度上昇防止のために、またダイシング屑がウェハに付着するのを防止するために、半導体ウェハ上に純水の流れを作ったり、ブレードに純水が当たるように放水用のノズルが取り付けられている。またバックグラインドでウェハ厚を薄くする際も、同様な理由により純水が流されている。
【0009】
一方、「環境に優しい」をテーマに、前記半導体ウェハの研削屑または研磨屑が混入された排水は、濾過されてきれいな水にして自然界に戻したり、あるいは再利用され、濃縮された排水は、回収されている。
【0010】
このSiを主体とする屑の混入された排水処理には、凝集沈殿法、フィルタ濾過と遠心分離機を組み合わせた方法の二通りがあり、各半導体メーカーで採用している。
【0011】
前者の凝集沈殿法では、凝集剤としてPAC(ポリ塩化アルミニウム)またはAl2(SO4)3(硫酸バンド)等を排水の中に混入させ、Siとの反応物を生成させ、この反応物を取り除くことで、排水の濾過をしていた。
【0012】
後者の、フィルタ濾過と遠心分離を組み合わせた方法では、排水を濾過し、濃縮された排水を遠心分離機にかけて、スラッジとして回収するとともに、排水を濾過してできたきれいな水を自然界に放出したり、または再利用していた。
【0013】
例えば、図24に示すように、ダイシング時に発生する排水は、原水タンク301に集められ、ポンプ302で濾過装置303に送られる。濾過装置303には、セラミック系のフィルタFが装着されているので、濾過された水は、配管304を介して回収水タンク305に送られ、再利用される。または自然界に放出される。
【0014】
一方、濾過装置303は、フィルタFに目詰まりが発生するため、定期的に洗浄が施される。例えば、原水タンク301側のバルブB1を閉め、バルブB3と原水タンクにこれから発生する洗浄水を送付するためのバルブB2が開けられ、回収水タンク305の水で、フィルタFが逆洗浄される。これにより発生した高濃度のSi屑が混入された排水は、原水タンク301に戻される。また濃縮水タンク306の濃縮水は、ポンプ308を介して遠心分離器309へ輸送され、遠心分離器309により汚泥(スラッジ)と分離液に分離される。Si屑から成る汚泥は、汚泥回収タンク310に集められ、分離液は分離液タンク311に集められる。更に分離液が集められた分離液タンク311の排水は、ポンプ312を介して原水タンク301に輸送される。
【0015】
これらの方法は、例えば、Cu、Fe、Al等の金属材料を主材料とする固形物または板状体、セラミック等の無機物から成る固形物や板状体等の研削、研磨の際に発生する屑を回収する際も同様な方法が採用されていた。
【0016】
しかしながら、前者の凝集沈殿法は、凝集剤として化学薬品を使用するため、濾過された水の中に前記化学薬品が投入される。しかしシリコン屑が完全に反応する薬品の量を特定するのは非常に難しく、どうしても薬品が多く投入され未反応の薬品が残る。逆に薬品の量が少ないと、全てのSiの屑が凝集沈降されず、シリコン屑が分離せず残ってしまう。特に、薬品の量が多い場合は、上澄液に薬品が残る。これを再利用する場合、濾過水に薬品が残留するため、化学反応を嫌うものには再利用できない問題があった。例えば薬品の残留した濾過水をウェハ上に流すと、好ましくない反応を引き起こすため、ダイシング時に使用する水として再利用できない問題があった。
【0017】
また薬品とシリコン屑の反応物であるフロックは、あたかも藻の如き浮遊物で生成される。このフロックを形成する条件は、pH条件が厳しく、約pH6〜pH8に維持する必要があり、攪拌機、pH測定装置、凝集剤注入装置およびこれらを制御する制御機器等が必要となる。またフロックを安定して沈降させるには、大きな沈殿槽が必要となる。例えば、3m3/1時間の排水処理能力であれば、直径3メートル、深さ4メートル程度のタンク(約15トンの沈降タンク)が必要となり、全体のシステムにすると約11メートル×11メートル程度の敷地も必要とされる大がかりなシステムになってしまう。
【0018】
しかも沈殿槽に沈殿せず浮遊しているフロックもあり、これらはタンクから外部に流出する恐れがあり、全てを回収する事は難しかった。つまり設備の大きさの点、このシステムによるイニシャルコストが高い点、水の再利用が難しい点、薬品を使う点から発生するランニングコストが高い点等の問題があった。
【0019】
一方、図24の如き、5m3/1時間のフィルタ濾過と遠心分離機を組み合わせた方法では、濾過装置303にフィルタF(UFモジュールと言われ、ポリスルホン系ファイバで構成されたもの、またはセラミックフィルタ)を使用するため、水の再利用が可能となる。しかし、濾過装置303には4本のフィルタFが取り付けられ、フィルタFの寿命から、約50万円/本と高価格なフィルタを、少なくとも年に1回程度、交換する必要があった。しかも濾過装置303の手前のポンプ302は、フィルタFが加圧型の濾過方法であるためモータの負荷が大きく、ポンプ302が高容量であった。また、フィルタFを通過する排水のうち、2/3程度は、原水タンク301に戻されていた。更にはシリコン屑が入った排水をポンプ302で輸送するため、ポンプ302の内壁が削られ、ポンプ302の寿命も非常に短かった。
【0020】
これらの点をまとめると、モータの電気代が非常にかかり、ポンプPやフィルタFの取り替え費用がかかることからランニングコストが非常に大きい問題があった。
【0021】
そのため、本出願人は、図25の如き濾過装置を開発した。これは、特願平11−148351号、特願平11−148352、特願平11−148353号で既に出願されている発明である。
【0022】
これは、原水タンク50の中の濾過装置53は、吸引型のフィルタを採用し、濾過された水は、パイプ56、第1のバルブ58、パイプ60を介して再利用したり、自然界に放出される。このフィルタには、原水タンク50の中に混入された研削屑または研磨屑がトラップされ、この研削屑または研磨屑が自己形成膜となり、第2のフィルタとして機能するものである。この詳細は、図14〜図16で説明するため、ここでは省略する。
【0023】
そして第2のフィルタは、研削屑または研磨屑の集合体であるため、フィルタの下から気泡発生装置54を介して気泡を流すと、気泡の上昇力、気泡の破裂等の外力により、第2のフィルタの表面がリフレッシュされ、長期間の濾過が可能なものである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
図26は、濾過装置に採用される一般的なフィルタを示し、前述した排水の濾過には、必ずこのフィルタが採用される。
【0025】
しかしながら、前記フィルタ濾過法において、半導体材料や金属の濾過される屑の多くは、酸もしくはアルカリに反応して溶解する。この溶解したイオンは、pHによって水酸化物として沈殿したり、ゲル状またはコロイド状物質として水中に存在し、フィルタの目詰まりの原因物質となる。
【0026】
このため、排水の工程で酸、アルカリが混入された場合、反応物が形成され、連続的な濾過によりフィルタの孔71がつまりやすく、頻繁にフィルタの洗浄が必要となったり、もしくは交換が必要と成る場合があった。更には、濾過が困難になるという問題もあった。
【0027】
一般に、ICとして加工された後の研磨・研削工程では、研削屑または研磨屑を流す水として、蒸留水、イオン交換水または純水を使用するため、研削屑または研磨屑の反応物は、生成されず、生成したとしても極微量である。従って、フィルタにトラップされた研削屑または研磨屑は、固形物だけであり必ず隙間が発生し、濾過できる時間は比較的長い。
【0028】
しかし図17〜図21の工程では、研削屑または研磨屑を流す水として、井戸水、水道水、工業用水を採用すると、以下の問題が発生した。つまり前述した水自身が、研削屑または研磨屑に注がれる前から、アルカリ性または酸性に傾いている場合があった。
【0029】
また前述した水が中性で研削屑または研磨屑に注がれたとしても、切断後に接着剤を薬液で溶かしたりする処理が施されるため、何らかの薬液が排水に入る場合がある。そのため、受け皿BLには、研削屑または研磨屑を流す排水と一緒に薬品が混入される場合がある。
【0030】
そして、これらの薬品で研削屑または研磨屑が反応し、水酸化物、ゲル状またはコロイド状の反応物が生成し、フィルタの目詰まりを発生させていた。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題に鑑みてなされ、第1に、pHが調整された排水から分離された被除去物を回収し再利用することで解決するものである。
【0032】
第2に、前記被除去物は、シリコン屑であることで解決するものである。
【0033】
第3に、前記シリコン屑は、結晶インゴットをウェハまで機械加工する工程または半導体ウェハを機械加工する工程で発生することで解決するものである。
【0034】
第4に、前記排水のpHは、中性または弱酸性に調整されることで解決するものである。
【0035】
第5に、回収された前記被除去物を、再融解してインゴットとすることで解決するものである。
【0036】
第6に、前記被除去は、瓦、セメントまたはコンクリートとして再利用されることで解決するものである。
【0037】
第7に、前記被除去物は、シリコンカーバイド、ダイヤモンドまたはジルコニアであることで解決するものである。
【0038】
第8に、不純物が導入された前記被除去物と、前記不純物が導入されていない前記被除去物を分別して回収することで解決するものである。
【0039】
第9に、半固形物にされた被除去物を再溶融して再利用する被除去物の再利用方法であって、前記被除去物は原水タンクの中で高濃度に濃縮された排水から分離されたものであることで解決するものである。
【0040】
第10に、前記被除去物を含む前記排水は縦型のフィルタの表面に形成された自己形成膜によって前記原水タンク内で高濃度に濃縮され、前記被除去物は半固形物として再利用されることで解決するものである。
【0041】
第11に、前記被除去物はシリコン屑であることで解決するものである。
【0042】
第12に、前記被除去物を、再融解してインゴットとすることで解決するものである。
【0043】
第13に、前記被除去は、瓦、セメントまたはコンクリートとして再利用されることで解決するものである。
【0044】
第14に、前記被除去物は、シリコンカーバイド、ダイヤモンドまたはジルコニアであることで解決するものである。
【0045】
第15に、前記排水のpHは、中性または弱酸性に調整されることで解決するものである。
【0046】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
まず本発明の概要を図1〜図9を参照しながら説明する。
【0047】
例えば、シリコンの研磨・研削工程において、接着されたブロックの接着剤を溶かす薬品、またはアニオン界面活性剤やその他のアルカリ成分の薬品が使用される場合がある。この場合、研磨・研削工程に於いて、排水の受け皿BL(図17〜図21を参照)には前記薬品が混入され、このシリコン排水は、pHが弱アルカリ性となる場合がある。
【0048】
この時、排水に混入されている研削屑または研磨屑は、μmオーダーの微粉末であり、このシリコン粉末の表面積は、非常に広く、しかも活性である。そのため、シリコン粉末は溶解し、式1の様に珪酸イオンとなる。アルカリ性が強ければ強いほど、この珪酸イオン量は増加する。その後、式2に示す様に、経時的に珪酸イオンの一部がゲル状またはコロイド状に成り、濾過フィルタの表面を被うことにより、フィルタが目詰まりを起こし、濾過が困難となる場合がある。
【0049】
【数1】
【0050】
【数2】
【0051】
また排水の受け皿BLから流された排水が、中性または酸性であり、シリコン粉末が溶解しない場合であっても、原水タンクまでの経路に於いて、シリコン排水の中にアルカリ性の物質が混入される場合も想定される。この場合、原水タンクの排水のpHは高くなり、水酸基の量は増加し、シリコンが溶解し、珪酸イオンを生成する。さらに珪酸イオンがゲル状もしくはコロイド状のシリカとなる。このゲル状もしくはコロイド状のシリカが、濾過フィルタを目詰まりさせる原因となる。
【0052】
本発明では、この排水がアルカリ性に成っていることに着目し、排水中に酸を加え、水酸基の量を減らすことによって、シリコンの溶解を押さえ、目詰まりを防止できたので、以下にその説明を行う。
【0053】
図1に示すように、ダイシング時に発生する排水(原水)は、原水タンク10に集められる。例えば、図17〜図23に示す研磨・研削装置に取り付けられた排水の受け皿BLから濾過装置11までの排水の経路に、pH調整手段12を設けることで、排水のpHを調整することができる。
【0054】
具体的には、受け皿BLから原水タンク10までの排水のパイプ、または原水タンク10にpH調整手段12が設けられる。
【0055】
pH調整手段12は、pHセンサ13と、酸または/およびアルカリを添加するための注入装置14で構成される。酸は塩酸、硫酸、硝酸等を使用でき、アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用できる。
【0056】
さらにpHセンサ13は、酸アルカリ注入装置14と電気的に連動し、pHの測定値と対応して酸またはアルカリの薬品が投入され、排水を所望のpHに制御できるシステムに成っている。また、薬品が注入された排水は、撹拌手段により撹拌される。例えばパイプの中に酸またはアルカリの薬品が注入される場合は、このパイプの中で薬品が撹拌される手段を設ける必要がある。また原水タンクに薬品が注入される場合は、スクリュー等の攪拌機が必要となる。尚、下から気泡を発生したりすることで、原水タンクの排水が常に撹拌されている場合は、攪拌機を取り付けなくても良い。
【0057】
尚、ここでpH調整手段12から排水に注入される薬品は、アルカリ液または酸性液、排水と溶けてアルカリ性または酸性を示す固形物または粉体、また排水と溶けてアルカリ性または酸性を示す気体が該当する。
【0058】
続いて図2は、研磨・研削装置15に注がれる水のpHを調整するものである。この研磨・研削装置15に注がれる水は、必ずしも純水、蒸留水である必要はない。例えば図17〜図21で採用されるシャワー用の水は、ウェハになった後に、鏡面研磨をするため、ウェハの表面が若干汚染する井戸水、工業用水または水道水でよい。しかしこれらの水は、中性ではなく、酸性またはアルカリ性に傾いている場合が多く、研削屑または研磨屑と反応する場合がある。従って、シャワー16に水が注がれる段階で、水を所望のpHに調整しておいても良い。
【0059】
前述したように、図1や図2の機構で、原水タンク10の中の排水は、より速やかに調整される。そしてpHが調整された排水は、ポンプで引いたり、押し出したりすることにより、濾過装置11に送られる。濾過装置11には、フィル夕が装着されているが、ゲル状もしくはコロイド状の反応物質が生成されないため、目詰まりもなく、濾過された水は、配管を介して回収水タンク等に送られ、再利用される。また固形物の反応が無いため、固形物の再利用も可能となる。
【0060】
シリコン排水の場合は、排水がアルカリ性に成ると、シリコンの溶出が問題となる。よって、中性もしくは弱酸性に制御することで、フィルタの目詰まりを防止できる。
【0061】
続いてシリコン粉末が混ざったアルカリ水溶液による珪酸イオンの溶出について調査したので以下に説明する。図3で示すように、一定のpHの水溶液に一定のシリコン粉末を混ぜ、珪酸イオンの出方について調査した。
【0062】
実験1 シリコン粉末とアルカリ水溶液との反応について(反応時間)
0.01N(0.01規定) NaOH水溶液 5mlを密栓付きポリ容器(100ml)に取り、純水を加えて100mlとする。これにシリコン(99.99%)の粉末(約10μm粒径)100mgを加えたものを5つ用意する。4、8、23、47及び71時間後にそれぞれ0.01N HCl水溶液 5mlを加え、中和した後(71時間後は中和せず)、孔径0.5μmの濾過フィルタで濾過し、濾液中の珪酸イオン量を測定した。尚、測定は、ICP(Inductively coupled plasma)発光分析でシリコンの量を特定したものであり、珪酸イオンの数値の欄は、酸素分が加えられていないシリコンの量である。従ってここの珪酸イオンの量は、このシリコンの量に酸素が加えられた量が正しい値である。
【0063】
アルカリ水溶液に加えられたシリコン粉末は、アルカリと反応して、珪酸イオンを生成するが、酸で中和すると、その反応は止まる。またアルカリとの反応が時間と共に減衰し、0.01N NaOH 5ml/100mlのアルカリと反応するシリコン(99.99%)の粉末(約10μm粒径)では、反応はほぼ71時間で反応はほぼ終了している。また47時間で8〜9割が反応し終わっている。
【0064】
ここで使用した0.01N NaOH 5ml+純水 95ml溶液の理論的なpHは10.7となる。
【0065】
pHは、強酸の場合は、−log[H+]で示され、強アルカリの場合は、14+log[OH−]で示される。
よって14+l og[0.01×5/100]=10.7で表せる。
【0066】
従って、実際の排水のpHが10程度までなら、研磨工程から濾過工程に至るまでの時間が数時間以内では、数mg-Si/Lの珪酸イオンの溶出量である。
【0067】
この珪酸イオンの濃度は通常の水道水に含まれる濃度レベルであり、濾過フィルタは目詰まりを起こす濃度ではなく大きな問題はない。従って、数時間以内にpH調整ができれば、珪酸イオンの溶出は、極微量であり、濾過工程に影響を与えることはない事が判る。
実験2 シリコン粉末とアルカリ水溶液との反応について(最適pH)
0.0 1N NaOH水溶液と0.01N HCl水溶液を数mlを取って混合し、pHメータを使って調整しながら、pH4 、5、6、7、7.5、8、9及び10の水溶液100mlを作成する。これにシリコン(99.99%)の粉末(約10μm粒径)100mgを加える。48時間後に孔径0.5μmの濾過フィルタで濾過し、濾液中の珪酸イオン量を測定した。尚、前記ICP(Inductively coupled plasma)発光分析でシリコンの量を特定したため、珪酸イオンの欄は、シリコンの量が示されている。
【0068】
図5・図6からも判るとおり、pHが酸性側では、珪酸イオンの生成は認められないが、pH8より高いpHで珪酸イオンの溶出が認められる。
【0069】
またアルカリ性を示す塩基の種類により、シリコンの溶解が異なるか調べてみた。図7〜図9に示すように、強塩基としてNaOH、弱酸強塩基としてNa2CO3,NaHCO3の3種類を用意した。まず1,3、5mlを純水で希釈し、100mlとし、pHを測定した。そして100mgのSiをそれぞれに添加し、44時間の後に珪酸イオン濃度を測定した。測定方法は、実験1で説明した様に、0.5μmのフィルタで濾過したのち、この濾過水の中のシリコン量をICP発光分光法で測定した。
【0070】
この3種類の塩基は、図7に示すように、NaOHが一番アルカリ性が強く、その後、NaCO3,NaHCO3の順で弱くなる。また図8も一緒に考慮すると、アルカリ性を強く示す水溶液の方がシリコンの溶出が多かった。
【0071】
しかし図9に示すように、pHと珪酸イオン濃度(シリコンの溶出量)をグラフに示してみると、図6のカーブとほぼ一致した一定のカーブを描くことが判り、珪酸イオンの濃度は、排水のpHに影響されると考えられる。
【0072】
従って、これらのことから、シリコン排水については、弱アルカリ性であるpH8以下に排水を調整することにより、珪酸イオンの溶出を押さえることが出きる。
【0073】
実際には、pH調整に使う試薬の量が最小ですみ、反応性を押さえる意味で、中性に制御することが望ましい。
【0074】
ここで純水1リットルにNaOHが混入し、pH10の排水になったと仮定した場合、NaOHは純水中に0.0001モル存在する。0.0001モルのNaOHは4mgである。これをHClで中和した場合、HClは3.6mg必要である。通常の水道水には、ナトリウム(Na+)イオンや塩化物イオン(Cl-)は、水道水中に数mg/Lの濃度で溶解しており、中和に必要な酸もしくはアルカリを添加しても、水道水に含まれる濃度レベルと同レベルである。研磨工程では、純水だけでなく水道水や地下水も利用されており、工程でアルカリが混入し、pHが高くなっても、中和処理によって、濾過処理後の水は元の水道水とほぼ同じ水質であり、充分再生利用でき、また自然界に放出できるものである。
【0075】
以上の結果から判るように、数時間内にpHの調整ができれば、珪酸イオンの生成量は、水道水に一般的に含まれる不純物の量と同程度であり、しかもpHを中性または酸性側に調整することにより、この珪酸イオンの析出量を0.1mg/L以下に抑えることができる。
【0076】
従って、これらの点が考慮されて、pH調整手段および酸または/アルカリ性の注入器を設け、排水のpHを所望のpHにすることにより、目詰まりの原因の一つであるゲル状もしくはコロイド状のシリカの生成を防止することができる。
【0077】
また金属の研削屑または研磨屑の濾過に於いても、排水のpHを調整することにより、金属の反応を防止でき、この反応物によるフィルタの目詰まりを防止することができる。
【0078】
続いて図10〜図16を参照して具体的な実施の形態を説明していく。
【0079】
第2の実施の形態
図10は、研磨・研削工程で発生した排水が原水タンク50に貯められるもので、この原水タンク50の中に濾過装置53が浸漬される。この濾過装置53は、セラミックのフィルタ、発泡金属から成るフィルタ、ガラス繊維から成るフィルタまたは高分子のフィルタが取り付けられ、加圧されても、吸引されても良い。尚、高分子のフィルタ材料は、ポリオレフィン系、フッ素系またはポリテトラフロロエチレン系等と耐薬品性のある色々な材料がある。また比較的耐薬品性の無い高分子、例えばセルロース系の高分子でも採用可能である。図ではポンプ57により吸引されて濾過されているものを示した。この濾過された濾過水は、センサ67で濾過水の研削屑または研磨屑が常時センシングされ、所望の濃度よりも数値が低い場合は、パイプ60を介して濾過水が再利用されたり、また自然界に放出される。また前記所望の濃度よりも高い場合は、第1のバルブ58により切り替えられ、濾過水がパイプ59を介して原水タンク50に戻されるようになっている。
【0080】
この原水タンク50にある原水52は、常時pH調整手段でコントロールされ、ゲル状もしくはコロイド状の反応物質の生成を防止している。
【0081】
符号13は、pH調整手段12を構成するpHセンサであり、符号14は、酸・アルカリ注入装置である。またATは、スクリュー等から成る撹拌手段である。pHセンサ13は、原水のpHを測定し、この結果が注入装置14にフィードバックされている。例えば、研削屑または研磨屑がシリコンで、原水がアルカリ性に傾いている場合は、注入装置で酸性の物質が注入され、原水52が弱アルカリ性〜酸性、特に弱アルカリ性、中性または弱酸性になるように制御されている。また原水を強酸性に傾けると、シリコンの反応物は極微量生成されるかまたは生成されない。しかし、濾過装置の取り付け金具、フィルタ自身の溶解等を考慮すると、アルカリの薬品を注入し、原水52が中性または弱酸性になるように制御した方が良い。
【0082】
濾過装置53に取り付けられているフィルタには、数μmまたは1μm以下の微細な孔が数多く形成されている。従来では、このフィルタの孔を塞ぐシリコンの反応物が発生していた。しかし、本発明では、原水52のpHを制御しているため、原水に混ざった研削屑または研磨屑の反応物が生成されず、フィルタの目詰まりを防止することができる。
【0083】
実験では、研削屑または研磨屑としてシリコンを採用し、図5に示すように酸性側では、極微量で、無視できる量のシリコンの溶出しか認められなかった。しかし他の半導体材料、金属材料を採用する場合、注意を要する。例えば、これらの反応物質が仮に酸性側で生成し、アルカリ性で生成しない場合は、逆の制御が必要となる。
【0084】
またここでは、pH調整手段12として、アルカリ性または酸性の薬液が注入される注入装置を採用した。しかし原水52に注入される薬品は、水と溶けて酸性またはアルカリ性を示す固形物または粉体、更には水と溶けて酸性またはアルカリ性を示す気体でも良い。
【0085】
このシステムによれば、原水は、従来よりも更に濃縮され、これをバルブ64を介して回収することも可能となる。もちろん、従来例で述べた遠心分離や凝集沈殿でも回収が可能である。
【0086】
特に図17〜図21に於いて、シリコンの研削屑または研磨屑は、不純物が導入されていない単結晶の屑であるため、回収して再利用が可能な材料である。特に研磨工程と異なり、大量に屑が生成されるため、リサイクルする事により、製造コストを大幅に下げることができる。
【0087】
また図17〜図21の不純物の導入されていない研削屑または研磨屑と、不純物が導入されたウェハの研磨屑を、一つのタンクに混ぜると、回収された屑の純度が落ちる。よって、不純物の導入されていない研削屑または研磨屑と、不純物が導入されたウェハの研磨屑を別々のタンクで回収すれば、より効率の高い回収が可能となる。
第3の実施の形態
本実施の形態を図11に示す。この実施の形態は、濾過装置53が入る原水タンク50とpH調整手段12が取り付けられる撹拌タンク50Aを別々にしたものであり、それ以外は、第2の実施の形態と実質的に同じである。
【0088】
図10では、パイプ51から常に排水が供給されるため、原水52を一定のpHに制御するのは、非常に難しい。
【0089】
しかし本実施の形態では、撹拌タンク50Aで所望のpHに調整されてから原水が原水タンク50に供給されるため、pHの制御性がより高まる特徴を有する。尚、撹拌タンク50Aのサイズが原水タンク50よりも小さければ、更に制御性が高まる。また原水タンク50にも撹拌手段AT2を設けても良い。
第4の実施の形態
本実施の形態を図12に示す。図12aは、pH調整手段12の取り付け位置を説明するものであり、図12bは、撹拌手段ATを説明するものである。
【0090】
またそれ以外は、図10と実質同一であるため、ここでは異なる部分のみ説明する。
【0091】
前述したように、研磨・研削工程に於いて、研削屑または研磨屑を流したり、研磨・研削治具の温度上昇を防止するために、水道水、井戸水、工業用水を採用する場合がある。この場合、図10や図11のように、原水52を調整しても良いが、ここでは研磨・研削工程から原水タンク50へ排水を輸送するパイプ51に、pH調整手段12が取り付けられる。具体的にはパイプ51の中にpHセンサ13のセンサ部と注入装置14の注入部が入るように取り付けられても良いし、図12aの様に、パイプ51よりもサイズの大きい調整室RMを取り付け、ここにpH調整手段12を取り付けても良い。
【0092】
この調整室RMは、チャンバーサイズが小さいため、排水のpH調整精度を非常に高くすることができる。また注入装置14から注入された薬品は、図12bに示すように、排水の流れを乱流させる撹拌手段ATが設けられる。例えば調整室の入り口で、pHセンサ13Aを使って排水のpHが測定される。そしてこの測定結果に基づき、注入装置14により薬品が注入された排水は、板状の撹拌手段ATに衝突する。排水が衝突することにより、排水の流路が複数に分離され、撹拌手段の右の空間で撹拌される。そして撹拌された排水が、pHセンサ13Bで再度チェックされることで、精度の高いpH制御が可能となる。
第5の実施の形態
本実施の形態を図13に示す。この濾過手段は、特願平11−148351号で示した手段である。
【0093】
これは、図14,図15で示す濾過装置35から成り、フィルタとして吸引型の高分子フィルタが採用される。また材料としては、第2の実施の形態に於いて説明した材料が採用できるが、ここではポリオレフィン樹脂を採用し、この孔径は、0.25μmである。
【0094】
まず具体的な構造を説明する。図14の符号30aは、見た限り段ボールの様な形状に成っている。0.2mm程度の薄い樹脂シートSHT1、SHT2が重なり、その間に縦方向にセクションSCが複数個設けられ、樹脂シートSHT1、SHT2,セクションSCで囲まれて空間33が設けられる。この空間33の断面は、縦3mm、横4mmから成る矩形であり、別の表現をすると、この矩形断面を持ったストローが何本も並べられ一体化されたような形状である。符号30aは、両側のフィルタ膜FTを一定の間隔で維持しているので、以下スペーサと呼ぶ。
【0095】
このスペーサ30aの薄い樹脂シートSHT1,SHT2の表面には、直径1mmの孔HLがたくさん開けられ、その表面にはフィルタ膜FTが貼り合わされている。よって、フィルタ膜FTで濾過された濾過水は、孔HL、空間33を通り、最終的にはパイプ34から出ていく。
【0096】
またフィルタ膜FTは、スペーサ30aの両面SHT1、SHT2に貼り合わされている。スペーサ30aの両面SHT1,SHT2には、孔HLの形成されていない部分があり、ここに直接フィルタ膜FT1が貼り付けられると、孔HLの形成されていない部分に対応するフィルタ膜FT1は、濾過機能が無く排水が通過しないため、被除去物が捕獲されない部分が発生する。この現象を防止するため、フィルタ膜FTは、複数枚貼り合わされている。一番表側のフィルタ膜FT1は、被除去物を捕獲するフィルタ膜で、このフィルタ膜FT1からスペーサ30aの表面SHT1に向かうにつれて、フィルタ膜FT1の孔よりも大きな孔を有するフィルタ膜が複数枚設けられる。ここではフィルタ膜FT2が一枚貼り合わされている。スペーサ30aの孔HLが形成されていない部分でも、孔の大きなフィルタ膜FT2が設けられてからフィルタ膜FT1が貼り合わされているので、フィルタ膜FT1全面が濾過機能を有するようになり、フィルタ膜FT1全面に被除去物が捕獲され、研削屑または研磨屑から成るフィルタ膜が表裏の全面に形成されることになる。また図面の都合で、フィルタ膜FT1、FT2が矩形状のシートの様に表されているが、実際は袋状に形成されている。
【0097】
次に、袋状のフィルタ膜FT1、FT2、スペーサ30aおよび押さえ手段RGがどのように取り付けられているか、図14a、図14C、図14dで説明する。
【0098】
図14aは、完成体である濾過装置35を示す斜視図であり、図14Cは、図14aのA−A線に示すように、パイプ34頭部からパイプ34の延在方向(縦方向)に切断した図を示し、図14dは、B−B線に示すように、濾過装置35を水平方向に切断し時の断面図である。
【0099】
図14C、図14dを見ると判るように、スペーサ30aは、袋状のフィルタFTに挿入され、フィルタ膜FTも含めて4側辺が押さえ手段RGで挟まれている。そして袋状にとじた3側辺および残りの1側辺は、押さえ手段RGに塗布された接着剤AD1で固定される。また残りの1側辺(袋の開口部)と押さえ手段RGとの間には、空間SPが形成され、空間33に発生した濾過水は、空間SPを介してパイプ34へと吸引される。また押さえ金具RGの開口部OPには、接着剤AD2が全周に渡り設けられ、完全シールされ、フィルタ以外から流体が侵入できない構造になっている。
【0100】
よって空間33とパイプ34は連通しており、パイプ34を吸引すると、フィルタ膜FTの孔、スペーサ30aの孔HLを介して流体が空間33に向かって通過し、空間33からパイプ34を経由して外部へ濾過水を輸送できる構造となっている。またスペーサ30aを構成するシートSHTに於いて、孔HLが形成された領域以外は、フラットな面であるため、フィルタFTの支持部材となり、フィルタFTが常にフラットな面を維持でき、第2のフィルタ膜の破壊を防止する構造になっている。
この濾過装置35の動作を概念的に示したものが図15である。ここでは、パイプ34側をポンプ等で吸引すれば、ハッチング無しの矢印のように、水が流れ濾過されることになる。
【0101】
また第1のフィルタ膜31,32、およびこの膜31、32で捕獲された研削屑または研磨屑の層で第2のフィルタ膜36が形成されることになる。
【0102】
この吸引型の濾過装置のポイントは、研削屑または研磨屑が第1のフィルタ膜31、32表面に捕獲され、残存した層を第2のフィルタ膜36として活用することにある。
【0103】
研削、研磨または粉砕等の機械加工により発生する被除去物は、その大きさ(粒径)が有る程度の範囲で分布し、しかもそれぞれの被除去物の形状が異なっている。また第1のフィルタ膜31、32が浸かっている排水の中で研削屑または研磨屑がランダムに位置している。そして大きな研削屑または研磨屑から小さな研削屑または研磨屑までが不規則に第1のフィルタ孔に移動していく。この時フィルタ孔よりも小さな研削屑または研磨屑16Bは通過するが、フィルタ孔よりも大きな研削屑または研磨屑16Aは捕獲される。そして捕獲された大きな研削屑または研磨屑16Aが第2のフィルタ膜36の初段の層となり、この層がフィルタ孔よりも小さなフィルタ孔を形成し、この小さなフィルタ孔を介して大きな研削屑または研磨屑16Aから小さな研削屑または研磨屑16Bが捕獲されていく。この時、研削屑または研磨屑の形状がそれぞれ異なるために、研削屑または研磨屑の間には、色々な形状の隙間ができ、水はこの隙間を通路として移動し、最終的には濾過される。これは、砂浜の水はけが良いのと非常に似ている。
【0104】
この第2のフィルタ膜36は、大きな研削屑または研磨屑16Aから小さな研削屑または研磨屑16Bをランダムに捕獲しながら徐々に成長し、水(流体)の通路を確保しながら小さな研削屑または研磨屑16Bをトラップする様になる。しかも第2のフィルタ膜36は、層状に残存しているだけで研削屑または研磨屑は容易に移動可能なので、層の付近に気泡を通過させたり、水流を与えたり、音波や超音波を与えたり、機械的振動を与えたり、更にはスキージ等でこすったりする事で、簡単に第2のフィルタ膜36の表層を排水側に移動させることができる。つまり第2のフィルタ膜36のフィルタ能力が低下しても、第2のフィルタ膜36に外力を加えることで、簡単にその能力を復帰させることができるメリットを有する。また別の表現をすれば、フィルタ能力の低下の原因は、主に目詰まりであり、この目詰まりを発生させている第2のフィルタ膜36の表層の被除去物を再度流体中に移動させる事ができ、目詰まりを解消させることができる。
【0105】
本実施の形態で用いた研削屑または研磨屑は、Siウェハのダイシング時に発生する切削屑を用いた。この屑の粒径分布は、図16aに示されるように、およそ0.1μm〜200μmの範囲で分布されている。
【0106】
尚。粒径分布測定装置は、0.1μmよりも小さい粒が検出不能であったため、0.1μmよりも小さい切削屑の分布は示されていない。しかし図16bを観察すると、実際は、これよりも小さいものが含まれていると推察する。実験に依れば、この切削屑が混入された排水を前述した0.25μm孔のポリオレフィン膜より成るフィルタで濾過した際、この切削屑がポリオレフィンより成るフィルタ膜に均一に層状に形成され、0.1μm以下の切削屑まで捕獲することが判った。
【0107】
また図16を見ると2つのピークが存在するが、ピークは1つであっても良い。1μm以下〜数百μmと広い範囲で存在していること、屑の形状が異なることが、水の通路を確保する上で重要である。
【0108】
図13〜図15では、第2のフィルタ膜を取り除く方法、リフレッシュする方法として、気泡の上昇を活用した例を示した。図15の斜線で示す矢印の方向に気泡が上昇し、この気泡の上昇力や気泡の破裂が直接研削屑または研磨屑に外力を与え、また気泡の上昇力や気泡の破裂により発生する水流が研削屑または研磨屑に外力を与える。そしてこの外力により第2のフィルタ膜36の濾過能力は、常時リフレッシュし、ほぼ一定の値を維持することになる。
【0109】
本濾過装置のポイントは、濾過能力の維持にある。つまり第2のフィルタ膜36に目詰まりが発生してその濾過能力が低下しても、前記気泡のように、第2のフィルタ膜36を構成する研削屑または研磨屑を動かす外力を与えることで、第2のフィルタ膜36を構成する研削屑または研磨屑を排水側に動かすことができ、濾過能力を長期にわたり維持させることができる。
【0110】
外力の与え方により二つのタイプがある。ひとつは、完全に第2のフィルタ膜36をこわす(取り除く)方法である。この場合、研削屑または研磨屑は、第1のフィルタ膜に積層されていないので、小さい研削屑または研磨屑がフィルタ膜を通過してしまう。そのため小さな研削屑または研磨屑がトラップされるのを確認するまでは、濾過水を排水(原水)の入った水槽(タンク)に循環させている。また効率的ではないが、小さな被除去物が捕獲されるまで、小さな被除去物が混入された濾過水を別の水槽に移しても良い。
【0111】
二つ目は、第2のフィルタ膜31、32の極表面に形成された膜(目詰まりの原因である被除去物)を移動する方法である。つまり目詰まりの原因である研削屑または研磨屑がフィルタ膜の極表面に捕獲されているので、気泡により発生する外力により捕獲を解除し、常に一定の濾過能力を維持させるている。これは、外力を与えることで第2のフィルタの厚みをほぼ一定にしていると思われる。あたかも研削屑または研磨屑1つ1つが濾過水の入り口に栓をかけており、栓が外力により外れ、外れた所から濾過水が浸入し、また栓が形成されたら再度外力により外すの繰り返しを行っているようなものである。これは、気泡のサイズ、その量、気泡を当てている時間を調整することにより、常に濾過能力を維持できるメリットを有する。
【0112】
尚、濾過能力を維持できれば、外力が常に加わっていても良いし、間欠的に加わっても良い。
【0113】
また本実施の形態に於いて、フィルタ膜は、原水に完全に浸されている必要がある。第2のフィルタ膜は、長時間空気に触れると膜が乾燥し、剥がれたり、崩れたりするからである。また空気に触れている所が少しでも有ると、フィルタ膜は空気を吸引するため、濾過能力が低下するからである。
【0114】
前述したように、本発明の原理から考えると、第2のフィルタ膜36が第1のフィルタ膜31、32に形成されている限り、第1のフィルタ膜31、32は、シート状の高分子膜でもセラミックでも良し、吸引型でも加圧型でも良い。しかし実際採用するとなると、第1のフィルタ膜31、32は、高分子膜で、しかも吸引型が良い。その理由を以下に述べる。
【0115】
まずシート状のセラミックフィルタを作るとなるとかなりコストは上昇し、クラックが発生したら、リークが発生し、濾過ができなくなる欠点を有する。また加圧型であると、排水を加圧する必要がある。例えば図13のタンク50を例に取ると、圧力を加えるのに、タンクの上方は開放型ではなく密閉型でなくてはならない。しかし密閉型であると、気泡を発生させることが難しい。一方、高分子膜は、色々なサイズのシートや袋状のフィルタが安価で手に入る。また柔軟性があるためクラックが発生せず、またシートに凹凸を形成することも容易である。凹凸を形成することで、第2のフィルタ膜がシートに食い付き、排水中での剥離を抑制することができる。しかも吸引型であれば、タンクは開放型のままで良い。
【0116】
また加圧型であると第2のフィルタ膜の形成が難しい。図15に於いて、空間33内の圧力を1と仮定すれば、排水は1以上の圧力をかける必要がある。従ってフィルタ膜に負荷がかかり、更には捕獲された被除去物が高い圧力で固定され、被除去物が移動しにくいと思われる。
【0117】
では高分子膜をフィルタ膜として採用した吸引型のシステムを図13で説明する。
【0118】
図13における符号50は、原水タンクである。このタンク50の上方には、原水供給手段としてパイプ51が設けられている。このパイプ51は、研削屑または研磨屑が混入した流体の通過する所である。例えば、半導体分野で説明すると、図17〜図23で説明した研磨・研削工程に於いて、研削屑または研磨屑が混入された排水(原水)が通過する所である。尚、この排水は、ダイシング装置から流れるシリコン屑が混入された排水として説明していく。
【0119】
原水タンク50に貯められた原水52の中には、濾過装置53が複数個設置される。この濾過装置53の下方には、例えばパイプに小さい孔を開けたような、また魚の水槽に使うばバブリング装置の如き、気泡発生装置54が設けられ、ちょうどフィルタ膜の表面を通過するようにその位置が調整されている。55は、エアーブローである。
【0120】
濾過装置53に固定されたパイプ56は、濾過装置53で濾過された濾過水が通過し、第1のバルブ58を介して原水タンク50側に向かうパイプ59と、再利用(または排水される)側に向かうパイプ60に選択輸送される。また原水タンク50の側壁および底面には、第2のバルブ61、第3のバルブ62、第4のバルブ63および第5のバルブ64が取り付けられている。またパイプ65の先に取り付けられているものは、別途設けられた濾過装置66である。
【0121】
パイプ51から供給された原水52は、原水タンク50に貯められ、濾過装置53により濾過される。この濾過装置に取り付けられたフィルタ膜の表面は、気泡が通過し、気泡の上昇力や破裂により、フィルタ膜にトラップした研削屑または研磨屑を動かし、常にその濾過能力が低下しないように維持されている。
【0122】
またフィルタ膜が新規に取り付けられたり、休日により長期間停止されたり、またはパイプ56にシリコン屑が混入されている場合は、バルブ58を使って、濾過水がパイプ59を介して原水タンク50に循環する様に設計されている。それ以外は、バルブ58は、パイプ60に切り替えられており、濾過水は再利用されたり、自然界に放出される。
【0123】
フィルタ膜を新規に取り付けた場合、フィルタ膜のサイズ、シリコン屑の量、吸引速度によって循環の時間は異なるが、およそ4〜5時間でフィルタ膜の表面に第2のフィルタ膜が形成され、0.1μm以下のシリコン屑まで捕獲できる膜となる。しかしフィルタ膜のサイズの小さいものであれば30分でも良いことが判っている。従って循環時間が判っていれば、タイマーで設定し、所定の時間が経過したら自動的に第1のバルブ58が切り替わるようにしても良い。
【0124】
またセンサ67は、研削屑または研磨屑を常時センシングしている。センサとしては、受光・発光素子の付いた光センサが、常に計測できるため好ましい。発光素子は、発光ダイオードやレーザが考えられる。またセンサ67は、パイプ56の途中あるいはパイプ59の途中に取り付けても良い。
【0125】
一方、原水タンクは、時間とともに濃縮されてくる。そして所望の濃度になった場合、濾過作業を停止し、PAC、またはAl2(SO4)3等を用いて凝集沈殿させ、放置する。するとタンクの中の原水は、だいたい層状に分かれる。つまり上層から下層に従い、やや透明な水から被除去物で全く非透明な液体に分布される。これらをバルブ61〜64を使い分けて回収している。
【0126】
例えば、やや透明でシリコン屑の少ない原水は、第2のバルブ61を開けて、濾過装置66を介して回収する。続いてバルブ62、63を順次開けて原水を回収する。最後には、原水タンクの底に貯まった濃縮スラリーをバルブ64を開けて回収する。
【0127】
例えば、先にバルブ64を開けると、原水の自重によりいっきに濃縮スラリーが流れ、しかも上方の水も出て制御が難しい。そのため、ここでは、61、62、63、64の順にバルブを開けて回収している。
【0128】
ここの凝集沈殿に於いて、排水を一度アルカリ性にしてからpHを下げていき、その後に前記凝集剤を添加していく。本再生システムには、pH調整手段が備えられるため、この凝集沈殿を行う際、薬品の注入手段としても活用できる特徴を有する。
【0129】
以上濃縮水を凝集沈殿法で回収する方法を説明したが、これに限ることはない。例えば、原水52がある濃度になったら、別の濾過装置66(FD)に移しても良い。
【0130】
また濾過装置66を研削屑または研磨屑の回収装置として用いても良い。例えば半導体ウェハのシリコン屑が入った原水タンク50が所定の濃度になったら、凝集沈殿を行わず、濾過装置66(FD)で分離しても良い。分離されたシリコン屑は再度溶融されてウェハ用のSiのインゴットにしても良い。また瓦の材料、セメント、コンクリートの材料等と、色々な分野に再利用が可能である。
【0131】
本発明の特徴は、図1、図2に説明したように、pH調整手段12を設けたことにある。
【0132】
本濾過装置は、研削屑または研磨屑から成る膜をフィルタとして活用しており、また研削屑または研磨屑が個別に分離移動できるSiの如き、硬い物質からなる点にポイントがある。従って気泡等の外力を与えることにより、フィルタの構成物である研削屑または研磨屑が移動可能となる。そしてこの研削屑または研磨屑の移動がフィルタをリフレッシュさせる。しかしパイプの中に流れる排水のpHが例えばアルカリ性に傾いていると、研削屑または研磨屑である固形物が原水タンク50の中で反応し、ゲル状もしくはコロイド状のベトベトした物質を生成させる。
【0133】
このゲル状もしくはコロイド状の物質は、研削屑または研磨屑からなるフィルタの孔を塞ぐと同時に、研削屑または研磨屑の移動を妨害する。前述したように、研削屑または研磨屑が個別に分離可能な状態で存在しているため、フィルタの表面に外力を与えることで、フィルタをリフレッシュできるが、ゲル状もしくはコロイド状のベトベトした物質が研削屑または研磨屑に付着すると、移動が不可能になりリフレッシュ機能が無くなってしまう。
【0134】
しかし、本発明では、pH調整手段をパイプ51または原水タンク50に取り付けることで、原水タンク50の中の原水52を所望のpHに調整することができ、ゲル状もしくはコロイド状の反応物の生成を防止することができる。
【0135】
よって研削屑または研磨屑から成るフィルタの機能を維持することができ、長時間に渡る濾過を可能とする。
【0136】
本実施の形態は、第1のフィルタ31,32の表面に、排水中の研削屑または研磨屑で第2のフィルタ36を形成し、この膜によって排水中の研削屑または研磨屑と水に分離するものである。しかし別途第2のフィルタ36が形成された濾過装置35用意し、この排水に投入し、濾過してもよい。
【0137】
例えば、Siのダイシング屑で第2のフィルタを形成した濾過装置を図17〜図21の工程で生成された排水の中に入れ、濾過しても良い。更には、この濾過装置を使い、Siカーバイドの研削屑または研磨屑が入った排水、研磨ブレードとして使用されるダイヤモンドの粉が排出された排水、ジルコニア等の高価な材料が混入された排水等を濾過しても良い。
【0138】
以上、研削屑または研磨屑としてSiウェハから発生するシリコン屑で説明してきたが、本発明は、実施例の最初に説明したように、色々な固形物の研削屑または研磨屑で応用が可能である。特に研削屑または研磨屑が、周期表の中で、2a族〜7a族、2b族〜7b族の元素のうち少なくとも一つを含む無機固形物であれば、これらのものは本発明を採用することにより殆ど取り除くことができる。
【0139】
【発明の効果】
本発明によれば、排水の中で混入されている固形物と水の反応を防止することにより、ゲル状もしくはコロイド状の反応物質の生成を防止することができ、排水と固形物の分離が可能となる。
【0140】
またこの防止手段としてpH調整手段を採用すけば、排水のpHを所望の値に設定することができ、固形物と水の反応をより防止することができる。
【0141】
また貯留槽に貯められた排水の中は、研削屑または研磨屑がどんどん高濃度になり長時間滞在する。よって貯留槽に供給される排水、更には貯留槽の中の排水を制御することにより、より高濃度になった研削屑または研磨屑と水の反応を防止することができる。
【0142】
更には、濾過装置に導入される排水の経路にpHをモニターするためのセンサーと酸またはアルカリを注入するための手段を設け、フィルタ濾過前に前記排水のpHを制御することにより、固形物から成る研削屑または研磨屑の溶解、沈殿を防止でき、フィルタの目詰まりを未然に防止できる。
【0143】
更に、固形物から成る研削屑または研磨屑をフィルタとして採用し、且つこのフィルタにリフレッシュ機能を備えた濾過装置に於いて、前記pH調整手段を採用すれば、ゲル状もしくはコロイド状の反応物質が生成されない。よって、フィルタを構成する固形物の移動が維持されるので、このフィルタのリフレッシュ機能を維持させることができ、濾過装置の特徴である長期間の濾過を可能にできる。
【0144】
更に、高濃度になった被除去物を回収して、ウェハ用のシリコンのインゴット、瓦、セメントまたはコンクリートとして再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る排水の再生システムを説明する図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る排水の再生システムを説明する図である。
【図3】 アルカリ水溶液中にシリコン粉末を投入した際、時間と共にどれだけ珪酸イオンが生成されるかを説明する図である。
【図4】 図3をグラフにした図である。
【図5】 pHの値により、どれだけ珪酸イオンが生成されるかを説明する図である。
【図6】 図5をグラフにした図である。
【図7】 実験で用意した3種類の塩基に於いて、その濃度とpHを示す図である。
【図8】 図7の濃度に於いて、どれだけ珪酸イオンが生成されるか説明した図である。
【図9】 図7に示される各塩基のpHと珪酸イオンの生成量を説明する図である。
【図10】 排水の再生システムを説明する図である。
【図11】 排水の再生システムを説明する図である。
【図12】 排水の再生システムを説明する図である。
【図13】 排水の再生システムを説明する図である。
【図14】 図10に於いて採用される濾過装置を説明する図である。
【図15】 図11の濾過原理を説明する図である。
本発明の濾過システムと従来型の装置を比較した図である。
【図16】 ダイシング時に発生する排水中のシリコン屑の粒度分布およびその形状・サイズを説明する図である。
【図17】 シリコンインゴットを説明する図である。
【図18】 シリコンブロックを円筒形に研削する工程を説明する図である。
【図19】 ブロックにオリエンテーションフラットを形成する工程を説明する図である。
【図20】 シリコンブロックからウェハに加工する工程を説明する図である。
【図21】 シリコンブロックからウェハに加工する工程を説明する図である。
【図22】 ウェハの研磨工程を説明する図である。
【図23】 ダイシング工程を説明する図である。
【図24】 従来の濾過システムを説明する図である。
【図25】 吸引型の濾過システムを説明する図である。
【図26】 フィルタの目詰まりを説明する図である。
【符号の説明】
10 原水タンク
11 濾過装置
12 pH調整手段
13 pHセンサ
14 注入装置
15 研磨・研削装置
16 シャワー
50 原水タンク
51 パイプ
53 濾過装置
AT 撹拌手段
Claims (8)
- シリコン屑を含む被除去物が混入された流体を第1のフィルタに通過させることで、前記被除去物を含む層状の第2のフィルタを前記第1のフィルタの表面に形成し、前記第2のフィルタを介して前記流体を濾過することにより、前記流体中の前記被除去物を濃縮し、濃縮された前記流体から前記被除去物を回収して、前記被除去物を溶融した後に、再利用する被除去物の再利用方法に於いて、
前記流体をPH調整することにより、前記第2のフィルタに外力を与えた際に、前記第2のフィルタを構成する前記被除去物の移動を容易にし、且つ、前記被除去物の反応を防止することを特徴とする被除去物の再利用方法。 - 前記外力は、気泡の上昇力、水流、音波、超音波振動、機械的振動、スキージによる剥離または攪拌機による攪拌であることを特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。
- 前記被除去物は、結晶インゴットをウェハまで機械加工する工程または半導体ウェハを機械加工する工程で発生するシリコン屑であることを特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。
- 前記排水のPHは、中性または弱酸性に調整されることを特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。
- 回収された前記被除去物を、再融解してインゴットとすることを特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。
- 不純物が導入された前記被除去物と、前記不純物が導入されていない前記被除去物とを分別して回収することを特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。
- 前記被除去物は、半固形物の状態で回収されることを特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。
- 前記被除去物は、高濃度に濃縮された後に回収されることを特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。
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