JP3772545B2 - 建設機械の運転席ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械の上部旋回体に設置した運転室ユニットに関するものであり、特に運転席にキャノピーを設けた小型の油圧ショベル等を構成する建設機械に装着される運転室ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の一種として油圧ショベルがあるが、油圧ショベルは履帯を備えたクローラ式の走行体を備えた下部走行体上に上部旋回体を旋回可能に設置したものからなり、この上部旋回体は旋回フレームを有し、この旋回フレームには、作業機として、ブーム,アーム及びバケット等からなるフロント作業機構を備える構成としている。また、上部旋回体にはオペレータが着座して機械の操作を行うための運転席が設置され、エンジン等の様々な機器類を収納する機械室カバー、さらにはカウンタウエイト等が設けられる。
【0003】
ところで、都市土木等のための油圧ショベルとしては、近年、極めて狭い場所でも円滑に作業を行えるようにするために、小型化の要請は極めて強く、また土木・建設以外の分野、例えば造園等の分野でも油圧ショベルを用いる傾向もあり、油圧ショベルの小型化の要請はさらに強いものとなっている。特に、前述したような作業現場では、周囲に構築物や樹木等が接近していることもあるから、上部旋回体を旋回させた時にこれら構築物,樹木等の障害物と衝突しないようにする必要がある。油圧ショベルにおいて、後方小旋回構造または超小旋回構造のものがあるが、これらは前述した要請に対処するためのものである。油圧ショベルの車幅は履帯の両端間の間隔であるから、この車幅内には障害物が存在しないのが普通である。従って、上部旋回体の旋回時に、この上部旋回体の旋回フレーム、特にその後端部が車幅からはみ出さないようにすれば、つまり旋回半径を車幅内に抑制すれば、周囲の障害物と衝突することはない。
【0004】
ここで、上部旋回体には作業機を構成するフロント作業機構が連結されているが、このフロント作業機構は、常にオペレータの視野に入ることから、障害物と衝突する可能性があれば、何らかの回避行為を行うことができるので、フロント作業機構は必ずしも旋回半径内に位置させる必要はない。後方小旋回構造の油圧ショベルは、フロント作業機構を旋回半径に入るように設定されていないものである。これに対して、超小旋回構造の油圧ショベルはフロント作業機構をある姿勢状態に保持すれば、このフロント作業機構を含めた上部構造全体が車幅内で旋回できる構造となったものである。
【0005】
以上の後方小旋回構造や超小旋回構造の油圧ショベルは、特にミニショベルの分野で多く用いられる構造のものであり、その性質上、上部旋回体が小型化され、その旋回フレームは旋回中心から履帯の側部までの長さを半径とする円形とほぼ一致する円形とするのが一般的である。上部旋回体には、フロント作業機構が連結して設けられるほかに、油圧ショベルを作動させるのに必要な種々の機器類等が設置され、さらに運転席も設けられる。ここで、フロント作業機構は、そのブームが旋回フレームの前方側の部位に連結される関係から、上部旋回体に占める占有面積はさほど大きくはない。
【0006】
上部旋回体には運転席が設置されるが、運転席は、運転席シートの左右両側及び前方に操作レバーや操作ペダル等の操作手段を配置したものであり、さらに機械の作動状態等を表示する表示パネルを設けたコンソールも配置される。このような操作手段及びコンソール等を含めた運転席ユニットとしては、油圧ショベルを作動させる際に、特にフロント作業機構を作動させる際において、オペレータはこのフロント作業機構の全体を有効に視野に入れることができる位置に配置しなければならない。ここで、運転席ユニットはキャブ内に配置するように構成したものと、運転席ユニットそのものは外部に露出した位置に配置し、その上部にキャノピーを設けるように構成したものとがあるが、キャノピー式の方がよりコンパクトなものとなる。
【0007】
一方、油圧ショベルを作動させるのに必要な機器類としては、エンジンと油圧ポンプとがあり(エンジンと油圧ポンプとは連結されて1つのユニットを構成する)、また油圧ポンプからの圧油を制御するコントロールバルブや、フィルタその他の油圧関連機器がある。さらに、これらの間には多数の配管が接続される。作動油タンク及び燃料タンクも上部旋回体に設置され、さらにバッテリも搭載される。そして、フロント作業機構は土砂の掘削を行うためのものであるから、掘削時の抵抗により車両全体のバランスを崩さないようにするために、後方部にはカウンタウエイトも設置される。
【0008】
上部旋回体の上部は、制限された空間しか存在しないことから、運転席ユニットや、機器類等を合理的に配置しなければならない。各種の機器類の大部分は旋回フレーム上に設置した機械室カバー内に配置される。また、上部旋回体における旋回フレームは大きな荷重が作用するフロント作業機構等が設けられていることから、軽量で、しかも十分な強度を持たせるために、上面板と下面板とを用い、これら上下の面板間に2本乃至それ以上の数の梁部材を固着して設けるようにして、所謂ボックス構造とする。また、外周部の上面板と下面板との間には側部カバーを取り付けることによって、全体の見栄えを良くするのが一般的である。従って、旋回フレームの内部も配管を通すスペースとして、また機器類の配置スペースとして利用することができる。
【0009】
フロント作業機構は旋回フレームの前方に連結して設けられる関係から、掘削時の抵抗により車両全体のバランスを崩さないようにするために、旋回フレームの後部位置にカウンタウエイトが設置される。カウンタウエイトを旋回フレームと同じ厚みとして、旋回フレームの延長部として構成すると、カウンタウエイトの上部も収納スペースとして利用できる。ただし、カウンタウエイトが小型になるために、重量が不足することになる。従って、カウンタウエイトの上部位置には機器類における最も大型で重量のあるエンジン及びこのエンジンに連結した油圧ポンプを設置することによって、カウンタウエイトとしての機能をも発揮させるようにする。エンジン及び油圧ポンプ以外の機器類や作動油タンクや燃料タンクからなるタンク類等は、機械室カバー内や、旋回フレーム内に形成された空間内に適宜配置されることになる。
【0010】
以上のことから、上部旋回体における各部の配置としては、フロント作業機構及びカウンタウエイトと、エンジン及び運転席ユニットは初期的に定まることになり、それ以外の機器や部品等は、上部旋回体上及び上部旋回体を構成する旋回フレームの内部におけるスペースに適宜配置されることになる。前述したミニショベル等にあっては、上部旋回体は狭いことから、無駄なスペースをなくし、最小限の機器なり部品なり等を設置するようになし、機械の操作に関連のないようなものはできるだけ省くようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、オペレータは運転席シートに着座して油圧ショベルの操作を行うが、作業は長時間にわたること等から、オペレータは様々な品物を運転席ユニットに持ち込むことが多い。例えば、たばこ等の嗜好品や食品、財布その他の身の回り品であり、また特に近年普及している携帯電話等が持ち込まれる。さらに、操作マニュアルや作業指示書等の書類も持ち込まれる場合もある。しかしながら、上部旋回体にはこれらの物品を収納する場所が必ずしも設けられないのが一般的である。しかしながら、居住性等の観点からは、これらの物品収納場所を確保するのは意義のあることであり、この点を考慮して、物品収納場所を設ける構成としたものが、例えば特開平8−92999号公報に示されている。この公知のものにあっては、運転席シートの下部にボックスを設けて、このボックス内に物品を収納させるようにしている。
【0012】
しかしながら、運転席シートの下から物品を取り出すのは面倒もあり、また迅速に取り出すことができないこともある。特に、油圧ショベルを作動させている間に、例えば携帯電話を取り出そうとすると、機械の操作がおろそかになる等というように、運転席シートの下部に物品収納部を設けるのは必ずしも最良とは言えない。また、キャノピー式の運転席ユニットにあっては、特に冬場等寒冷時で快適な作業を行えるようにするためには暖房する必要があるが、ヒータは運転席シートの下部にしか設置できないことになり、ヒータを設けると、運転席シート下に収納用のボックスを設けることができないことになる。運転席シートの左右に設けられる操作レバーはコントロールボックスから突出するように設けられており、またコンソールも設置されているから、これらの上を物品の仮置き場所として用いることもできるが、キャノピー式の運転席にあっては、周囲が開放されていることから、身の回り品等を運転席の周囲に物品を置いたりすると、塵埃や雨水等で汚損されたり、また強風等で吹き飛ばされる等のおそれがある。このために、油圧ショベルに持ち込んだ物品はオペレータの身につけておく以外にはなく、従って持ち込める物品の数や種類が限定されるだけでなく、操作手段の操作の邪魔になる等といった問題点がある。従って、運転席ユニットでの居住性という場合、オペレータによる持ち込み物品をどのようにして収納できるか、という点も極めて重要なものとなる。
【0013】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、上部旋回体の旋回フレームにおいて、オペレータの持ち込み物品を有効に収納でき、しかもそれらの取り出し容易となし、もって居住性の高い運転席ユニットを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、左右の履帯を有する下部走行体上に旋回可能に設置した上部旋回体を構成する旋回フレームの前方部位に作業機を装着すると共に運転席を設け、この旋回フレームは、少なくとも後方部が旋回中心を中心とする円弧状に形成されており、この円弧の半径は前記履帯の両端部の間隔及び全長の半分以下の寸法となし、またエンジンその他の機器類を収納する機械室カバーを前記旋回フレームの後部側から運転席シートの左右に回り込むように配置し、かつ前記旋回フレームの一側の側部に所定のスペースを形成して前記運転席シートへの乗降部とした建設機械であって、前記運転席シートは前記作業機を構成するブームの旋回フレームへの取付位置から前記昇降部側に所定距離だけ片寄せた位置に設置し、前記運転席シートに隣接した位置には操作手段が配設され、この運転席シートの前記乗降部側とは反対側の部位と前記機械室カバーとの間には、前記運転席シートに近い側に表示パネルを上部に形成したコンソールを配置し、またこのコンソールより幅広で長尺の収納ボックスを設けて、この収納ボックスの側面に前記コンソールを固定する構成としたことをその特徴とするものである。
【0015】
ここで、作業機は旋回フレームに俯仰動作可能に設けたブームと、このブームの先端に上下方向に回動可能に設けたアームと、このアームの先端に設けたフロントアタッチメントとから構成し、運転席シートはブームの旋回フレームへの取付位置から乗降部側に所定距離だけ片寄せた位置に設置する構成とすることができ、これによって運転席に着座しているオペレータはフロントアタッチメントの位置を容易に確認できるようになる。また、収納ボックスはコンソールより幅広で長尺のボックス形状となし、この収納ボックスの側面にコンソールを固定する構成とすれば、旋回フレームの揺れによりコンソールが大きく振動するのを防止できることになる。さらに、収納ボックスは隔壁により上下2段のチャンバを有するものとなし、上段チャンバはオペレータの持ち込み物品を収納する底浅のもので、開閉蓋は施錠可能なものとなし、下段チャンバは上段チャンバより広い収納空間となし、前面部側に開閉扉を設ける構成とするのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明においては、後方小旋回式の油圧ショベルとして構成されるものである。
【0017】
而して、図1乃至図3において、1は下部走行体を示し、この下部走行体1は、左右の履帯2,2を有するものであり、これら左右の履帯2はトラックフレーム3に設けられており、このトラックフレーム3,3はセンタフレーム4により連結されている。そして、センタフレーム4には旋回装置5を介して上部旋回体6が設置されている。上部旋回体6は旋回フレーム7を有するものである。旋回フレーム7には、フロント作業機構8、運転席ユニット9、機械室カバー10、カウンタウエイト11、運転席ユニット9の上部を覆うキャノピー12等が設けられている。
【0018】
旋回フレーム7はその後部に連結したカウンタウエイト11を含めて、その全周のうちフロント作業機構8の取付部を除いた大半の部位が円弧形状となっており、図3に示したように、この円弧は旋回装置5による旋回中心を中心とした半径Rを有するものである。一方、左右の履帯2,2における両端間の間隔はBとなっており、また履帯2の全長がLとなっている。そして、これら半径Rと、間隔B及び全長Lの寸法関係としては、B≧2Rであり、かつL≧2Rとなっている。これによって、旋回フレーム7はその旋回位置の如何に拘らず、常に履帯2,2により囲まれた範囲内に位置する、後方小旋回構造となっている。
【0019】
フロント作業機構8は旋回フレーム7に連結したスイングポスト13に俯仰動作可能に連結したブーム14と、このブーム14の先端に上下方向に回動可能に連結したアーム15と、このアーム15の先端に上下方向に回動可能となったフロントアタッチメントとしてのバケット16とから構成される。なお、ブーム14は、スイングポスト13への連結側であるロアブームとアーム15への連結側のアッパブームとの2分割したオフセットタイプのものとして構成したものもあるが、図示したものは単一のブームで構成したものが示されている。そして、これらブーム14,アーム15及びバケット16はそれぞれ油圧シリンダで駆動されるようになっている。以上の構成を有するフロント作業機構8は、土砂の掘削等を行う作業機であるが、この油圧ショベルには、さらに他の作業機として、下部走行体1側にブレード17が設けられている。このブレード17はセンタフレーム4に支持されており、整地等の作業を行うためのものである。そして、ブレード17は油圧シリンダで昇降駆動できるようになっている。
【0020】
フロント作業機構8は土砂の掘削等の作業を行うために設けられているが、土砂の掘削時には大きな抵抗が車体に作用することから、その時の重量バランスを取るために、旋回フレーム7の後方位置、つまりフロント作業機構8を装着した部位とは反対側の位置に、この旋回フレーム7とほぼ同じ高さ位置となるようにカウンタウエイト11が設置されている。旋回フレーム7において、機械室カバー10は、カウンタウエイト11の上部位置を含み、運転席ユニット9の設置部を除くほぼ全体を覆うカバーである。機械室カバー10の内部には、図示は省略するが、最も大型の機器としてエンジンと、このエンジンに連結した油圧ポンプとからなるユニットが収納されるが、このユニットはカウンタウエイト11と同様の機能をも発揮させるため等の点から、カウンタウエイト11の上部を含む後部カバー部10a内に配置される。そして、キャノピー12におけるポスト12aはこの後部カバー部10aの上に立設される。
【0021】
機械室カバー10は、また、旋回フレーム7における一方側の側部、具体的には右側の側部に形成した右側部カバー部10bを有し、この右側部カバー部10aの外側側面は旋回フレーム7の側面とほぼ連続するようになっている。そして、この右側部カバー部10b内には所定の機器類等が設置される。一方、後部カバー部10aの左側に突出する左側部カバー部10cにも所定の機器が設置されている。以上の機械室カバー10の内部には様々な機器類等が設置されるが、基本的には、エンジン及び油圧ポンプのユニットが後部カバー部10a内に収納されるが、これら以外の機器の配置レイアウトは、このユニットを基準として、それぞれ合理的な位置に配置される。
【0022】
運転席ユニット9は、オペレータが着座してフロント作業機構8等の操作を行うためのものであるので、この運転席ユニット9の位置はフロント作業機構8との相対位置関係に基づいて設定される。運転席ユニット9をフロント作業機構8の直後に位置させると、ブーム14が邪魔になって、バケット16による掘削箇所の確認が困難になる。ただし、運転席ユニット9を片寄せ過ぎると、フロント作業機構8の全体を斜め前方に見ることになるので、制御性の観点からはやはり望ましくはない。従って、運転席ユニット9をやや斜め方向に見る位置に配置するのが望ましい。ただし、運転席ユニット9の右側には右側部カバー部10bが大きく張り出しているので、この方向に運転席ユニット9を片寄せることはできない。
【0023】
ところで、オペレータが運転席ユニット9に乗り降りするには、旋回フレーム7に足掛かりとなる部位を形成するのが望ましい。勿論、運転席ユニット9の前方側にはあるスペースが存在することから、この運転席ユニット9の前方のスペースを左側に延在させただけでも、オペレータの乗り降りは可能になるが、周囲に障害物等が存在している場合には、乗り降りが困難になる。機械室カバー10における左側部カバー10cを旋回フレーム7の外周縁部にまで延在させず、この旋回フレーム7の周縁部に多少の間隔を持たせて、運転席ユニット9への乗り降りの際におけるステップとする乗降部7aとして機能させるように構成している。また、これと共に左側部カバー10cには手すり18を設けている。これによって、手すり18を手で把持すると共に、乗降部7aを足掛かりにすれば、オペレータは容易かつ安全に運転席ユニット9に乗り降りできるようになる。
【0024】
上部旋回体6を拡大して示した図4から明らかなように、運転席ユニット9はオペレータが着座する運転席シート19を含むが、オペレータは運転席シート19に着座して操作手段を操作することによって、車両の走行、上部旋回体6の旋回、フロント作業機構8及びブレード17からなる作業機の作動を制御する。従って、運転席ユニット9には、運転席シート19の左右両側に操作レバー20を設けたコントロールボックス21が旋回フレーム7から立設されており、また運転席シート19の前方にも操作レバー22や操作ペダル23が設けられる。さらに、コンソール24が右側のコントロールボックス21の外側に配置される。このコンソール24は、内部に電気回路基板等が設けられ、その上部に表示パネル24aを設けたもので、オペレータはこのコンソール24の表示パネル24aにより油圧ショベルの作動状況等を把握できる。
【0025】
前述のように構成した運転席ユニット9にオペレータが乗降するには、手すり18と乗降部7aとによりオペレータの姿勢を安定させることができるので、必ずしも乗降部7aはそれほど広いスペースを必要とはしない。従って、乗降部7aの機能を格別犠牲にすることなく、運転席ユニット9をフロント作業機構8の直後の位置から左方向に変位させることは可能である。つまり、運転席ユニット9はオペレータが乗り降りする左方向にある程度自由度を持っており、この方向にある程度変位した位置に配置することは可能である。
【0026】
ところで、油圧ショベルを操作するオペレータは、身の回り品等を携帯して油圧ショベルに搭乗する場合が多い。従って、これらの持ち込み物品の収納部を設けることは、オペレータ自身が身軽に操作できるようになり、かつ所望の物品を自由に持ち込めるから、居住性の観点からは極めて好ましい。前述したような物品を収納する機構としては、まずキャノピー式の油圧ショベルであることから、閉鎖可能な収納部としなければならない。また、オペレータが運転席シート19に着座した状態でも、容易に取り出したり、また収納させたりできるようにしなければならない。
【0027】
而して、上部旋回体6における運転席ユニット9の位置としては、フロント作業機構8が最も見易い位置とするのが望ましい。ただし、フロント作業機構8の直後の位置に運転席シート19を配置すると、かえってバケット16を視野に入れることができなくなる。従って、フロント作業機構8をある程度斜め前方に見る位置に運転席シート19が配置されるのが望ましい。前述したように、運転席ユニット9の配置には多少の自由度があることから、乗降部7a側に片寄せるように配置する。そこで、図4に示したように、運転席ユニット9を構成する運転席シート19をフロント作業機構8の後方位置から乗降部7a側に片寄せて、これにより形成されるスペースに収納ボックス25を配置している。収納ボックス25は具体的にはコンソール24と右側部カバー部10bとの間の位置に配置される。そして、この収納ボックス25の上端面はコンソール24とほぼ同じ高さ位置となっている。収納ボックス25は、図5乃至図7に示したように、上端部が開閉可能な方形ボックス構造となっており、周壁部は旋回フレーム7にボルト止め等で固定されると共に、機械室カバー10を構成する右側部カバー部10bにも連結することによって、強固に固定している。収納ボックス25は、内部に隔壁26が設けられており、この隔壁26により上段チャンバ25aと下段チャンバ25bとに区画形成されている。
【0028】
前述したオペレータが持ち込む身の回り品等の収納部は、上段チャンバ25aが利用される。従って、運転席シート19に着座したオペレータがこの上段チャンバ25aから容易に品物を取り出したり、また収納させたりできるようにするために、図7に示したように底の浅いものとする。この上段チャンバ25aの底を構成する隔壁26の高さ位置は、運転席シート19に着座した状態で、オペレータが手を伸ばせば容易にこの隔壁26にまで触れることができる位置とする。このように、上段チャンバ25aの上部が開放可能となっているが、このために開閉蓋27が収納ボックス25の上部に設けられる。この開閉蓋27は右側部カバー部10b側に向けて開閉するものであり、これにより運転席シート19側が広く開口することになり、品物等の取り出し、収納がさらに便利になる。これによって、例えば携帯電話を上段チャンバ25a内に収納させた場合において、呼び出し音が鳴動すると、オペレータは作業を中断することなく、迅速かつ確実に携帯電話を取り出すことができる。また、上段チャンバ25aには、財布等の貴重品も収納される場合がある。そこで、開閉蓋27には図示しない施錠機構を設けて、施錠可能な構成としている。
【0029】
このように、物品収納部を収納ボックス25に設けることによって、運転席シート19の下部側には格別の機構を設ける必要がなくなることから、この部位に暖房用のヒータを設けることができるようになる結果、寒冷時における作業に暖房が可能になるので、キャノピー式の油圧ショベルにおける運転席ユニット9でのオペレータの居住性の向上が図られる。
【0030】
上段チャンバ25aは底の浅いものであるために、隔壁26により区画形成された下段チャンバ25bは、従って広い収納スペースを有している。この下段チャンバ25bにおける収納部は、工具類やグリースガン等、さらにはロープその他の適宜の部材を収納するために利用される。ただし、これらには泥等が付着して汚損されている可能性があり、旋回フレーム7上に載置した上で、収納ボックス25に収納させたり取り出したりすると、旋回フレーム7上に汚損物が飛散することになる。そこで、図8に示したように、この収納ボックス25の前面に上下方向に開閉する開閉扉28を設ける。これによって、車両の前方側から直接収納ボックス25における下段チャンバ25bでの出し入れが可能になり、旋回フレーム7の汚損防止が図られる。なお、開閉扉28は施錠可能なものとしても良いが、収納されるものとの関係で必ずしも施錠できるようにする必要はない。
【0031】
ところで、収納ボックス25に隣接した位置に配設されるコンソール24は、細長いボックス形状のものであり、内部に電気回路基板や電気部品等が収納されている。しかも、その上面には表示パネル24aが設けられている関係等から、その重心位置は比較的上方に位置することになる。従って、振動がコンソール24に伝達されると、その上部側が大きく揺れるようになる。一方、収納ボックス25は、できるだけ収納スペースを広くするという観点から、コンソール24と右側部カバー部10bとの間のスペースを最大限に利用するために、コンソール24より幅及び長さ寸法が大きくなっており、しかも堅牢性を確保するために比較的厚手の鋼板で形成され、かつ極めて安定的に固定されている。
【0032】
以上のことから、収納ボックス25の側面部をコンソール24の支持部材として機能させるために、コンソール24を収納ボックス25の側面に固定して、それらをユニット化する構成としている。これによって、コンソール24の安定化が図られ、車両全体の振動等で大きく揺れることがなくなる。
【0033】
コンソール24の収納ボックス25への固定は、その底部をブラケット30により収納ボックス25の側面に固定的に保持させると共に、コンソール24の側面と収納ボックス25の側面との接合部に複数のボルト31を止着する。この結果、コンソール24を安定的に保持でき、振動の低減等が図られて、その内部に装着された電気回路基板や電気部品その他を有効に保護できる。また、コンソール24には、ブレード操作用の操作レバー32及びアクセルレバー33が装着されており、これらのレバーの操作を行うに当っても、コンソール24が安定的に保持されていると、その操作性が良好になる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上のように、後方小旋回構造の上部旋回体の旋回フレームにおいて、各種の機器を合理的に配置した上で、運転席ユニットに持ち込まれる物品等を収納して、円滑かつ容易に取り出せる位置に収納可能な物品収納箇所を確保し、もってオペレータの居住性を高めることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の運転席ユニットを設置した油圧ショベルをフロント作業機構を省略して示す正面図である。
【図2】フロント作業機構を装着した状態での図1の右側面図である。
【図3】フロント作業機構を装着した状態での図1の平面図である。
【図4】運転席ユニットの配置部とその周辺に設置されている部材を拡大して示す平面図である。
【図5】収納ボックスとコンソールとのユニットの連結構造を示す側面図である。
【図6】図5の左側面図である。
【図7】収納ボックスとコンソールとのユニットを斜め側方から見た外観図であって、コンソールに設けた操作レバーを省略して示した図である。
【図8】収納ボックスとコンソールとのユニットを斜め前方から見た外観図であって、コンソールに設けた操作レバーを省略して示した図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 6 上部旋回体
7 旋回フレーム 7a 乗降部
8 フロント作業機構 9 運転席ユニット
12 キャノピー 19 運転席シート
20 操作レバー 21 コントロールボックス
24 コンソール 25 収納ボックス
25a 上段チャンバ 25b 下段チャンバ
26 隔壁 27 開閉蓋
28 開閉扉
Claims (1)
- 左右の履帯を有する下部走行体上に旋回可能に設置した上部旋回体を構成する旋回フレームの前方部位に作業機を装着すると共に運転席を設け、この旋回フレームは、少なくとも後方部が旋回中心を中心とする円弧状に形成されており、この円弧の半径は前記履帯の両端部の間隔及び全長の半分以下の寸法となし、またエンジンその他の機器類を収納する機械室カバーを前記旋回フレームの後部側から運転席シートの左右に回り込むように配置し、かつ前記旋回フレームの一側の側部に所定のスペースを形成して前記運転席シートへの乗降部とした建設機械において、
前記運転席シートは前記作業機を構成するブームの旋回フレームへの取付位置から前記昇降部側に所定距離だけ片寄せた位置に設置し、
前記運転席シートに隣接した位置には操作手段が配設され、
この運転席シートの前記乗降部側とは反対側の部位と前記機械室カバーとの間には、前記運転席シートに近い側に表示パネルを上部に形成したコンソールを配置し、またこのコンソールより幅広で長尺の収納ボックスを設けて、この収納ボックスの側面に前記コンソールを固定する
構成としたことを特徴とする建設機械の運転席ユニット。
Priority Applications (1)
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