JP3765344B2 - 継手装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチール製の机,椅子若しくは棚等の家具、仕切壁のフレーム又は窓枠等を組み立てる場合に使用され、第1被連結部材と筒状の第2被連結部材とをピン継手を用いて連結する継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、特公昭58−47564 号公報に開示された継手装置の組み立て図であり、図中80は正面視が長方形の開口81を有する筒状のフレーム部材である。フレーム部材80の内面には、フレーム部材80の長手方向に平行な4本のレール部82,82,82,82が、正方形の各頂点の位置になるように突設してあり、レール部82,82,82,82で囲まれる部分に正四角柱状の挿入部材51が挿入されるようになっている。また、フレーム部材80の一側面には、開口81から所定距離隔てた位置であって、レール部82,82の間の略中央の位置に、円形の穴83が開設してある。
【0003】
挿入部材51の一側面の略中央には、該一側面に対向する他側面へ貫通する貫通穴52が、挿入部材51の中心軸に直交するように開設してあり、挿入部材51をフレーム部材80のレール部82,82,82,82内へ挿入し、挿入部材51の端面とフレーム部材80の開口部分が略面一になったとき、フレーム部材80の穴83と挿入部材51の貫通穴52とが一致するようになっている。
【0004】
挿入部材51の一端面中央には、挿入部材51の中心軸と同心円状の挿入穴59が、貫通穴52を横切って挿入部材51の他端面近傍に至るまで開設してある。この挿入穴59にスプリング71及び平面視が略T字状のピン継手57をこの順に挿入するようになっている。ピン継手57は、略四角錐台形のヘッド部69の底面中央に円柱状のピン本体67が立設してあり、ピン本体67のヘッド部69近傍は他の部分の直径より小さい直径の括れ部68が設けてある。また、ピン本体67の括れ部68とは反対側の端部近傍の周面には円錐状の凹部70が、該凹部70の中心軸とピン本体67の中心軸とが直交するように設けてある。挿入部材51の挿入穴59内へスプリング71,ピン継手57のピン本体67の順に挿入すると、挿入穴59の底に当接したスプリング71によってピン継手57は、ピン本体67の括れ部68側の端面が挿入部材51の端面から少し突出するように支持される。
【0005】
挿入部材51の貫通穴52には、長方形の開口81の幅寸法より少し短い寸法の円筒状のねじスリーブ53が内嵌されるようになっている。ねじスリーブ53の一端近傍には、その周面を削除した転削部55が設けてあり、転削部55には直径方向に2つのスリット56,56が設けてある。また、ねじスリーブ53の周面の略中央には、ピン継手57及びスプリング71より大きい直径であり、ねじスリーブ53を貫通する横穴54が開設してある。
【0006】
このような継手装置を組み立てるには、貫通穴52にねじスリーブ53を挿入した挿入部材51をフレーム部材80のレール部82,82,82,82内へ、挿入部材51の端面とフレーム部材80の開口部分が面一になるまで挿入して、ねじスリーブ53の転削部55とフレーム部材80の穴83とを一致させる。フレーム部材80の穴83から例えばマイナスのドライバを挿入して転削部55に設けた2つのスリット56,56内にドライバの先端を嵌合させ、該ドライバを操作してねじスリーブ53を回動させ、ねじスリーブ53の横穴54と挿入部材51の挿入穴59とを位置合わせし、挿入穴59内へスプリング71,ピン継手57のピン本体67をこの順に挿入してからドライバを取り外す。そして、ピン継手57のヘッド部69に力を加えて、ピン継手57を挿入穴59内へ少し押し込み、その状態で、先端が円錐形の捻子58をねじスリーブ53内に螺合させ、捻子58先端の周面を、ピン継手57の凹部70の周面に当接させる。
【0007】
このように組み立てた継手装置を用いて、次のようにしてフレーム部材80に他のフレーム部材を連結する。
【0008】
図7は図6に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結した状態を示す平断面図であり、図中92はフレーム部材80に連結する第2フレーム部材である。なお、図中、図6に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。第2フレーム部材92は、円筒状の芯部93の周囲に4つのアングル部94,94,94,94を平面視が略正方形になるように互いに距離を隔てて配し、芯部93の周面と各アングル部94,94,94,94の角部とを連結してなり、平面視が略台形状の4つの溝95,95,95,95が形成されている。
【0009】
そして、前述した如く組み立てた継手装置のヘッド部69を第2フレーム部材92の適宜の溝95内に嵌合し、ねじスリーブ53内に螺合してある捻子58を螺進させる。ピン継手57の凹部70の周面に当接させた捻子58の先端の位置が深くなるに従って、ピン継手57は挿入穴59の奥の方へ摺動し、第2フレーム部材92がフレーム部材80へ引き寄せられ、両フレーム部材80,92が連結される。このとき、ねじスリーブ53の転削部55がフレーム部材80の穴83に内嵌すると共に、捻子58に加えられた締力によって、ねじスリーブ53の端部がフレーム部材80の内面に押し付けられる。これによって、挿入部材51がフレーム部材80に強固に固定され、挿入部材51がフレーム部材80から抜出することが防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の継手装置にあっては、挿入部材51にねじスリーブ53を挿入し、それをフレーム部材80内へ挿入した後に、ねじスリーブ53を回動させて、ねじスリーブ53の横穴54と挿入穴59とを位置合わせして継手装置を組み立てているため、組み立て作業が煩雑であるという問題があった。また、ねじスリーブ53は挿入部材51内に挿入しているだけであるため、ねじスリーブ53と挿入部材51との間にガタが発生する虞がある。更に、フレーム部材を開口が鉛直下方になるように配置した場合、継手装置のフレーム部材への取り付けが困難である。一方、部品点数が多いため、製造コストが高く、また、部品の管理に手間を要するという問題もあった。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはピン継手を挿入する継手本体を、所定距離を隔てて平行に配した2本の柱状の脚部の一端部分を、弾性材からなる連結部で連結してなり、連結部にピン継手を挿入する挿入穴が開設してあり、脚部の外側の部分に他フレーム部材の穴に嵌合する凸部が突設してあり、凸部及び該凸部が突設してある脚部を貫通する捻子穴が開設してある構成にすることによって、組み立て作業を行うことなく、どのような方向に配置されたフレーム部材にも容易に取り付け得ると共に、部品点数が少ない継手装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る継手装置は、柱状部材の一端に、第1被連結部材に係合する係合部を設け、前記柱状部材の側部に、柱状部材の他端側を斜面になした凹部を設けてなるピン継手と、該ピン継手を挿入させる挿入穴が開設してある継手本体とを備え、筒状であり側部に穴が開設してある第2被連結部材に継手本体を内嵌し、挿入穴にピン継手を挿入し、係合部を第1被連結部材に係合して第1被連結部材と第2被連結部材とを連結する継手装置において、前記継手本体は、所定距離を隔てて平行に配した2本の脚部の基端部分を、弾性材からなる連結部で連結してなり、連結部に前記ピン継手を挿入する挿入穴が開設してあり、脚部の外側の部分に第2被連結部材の穴に嵌合する凸部が突設してあり、凸部及び該凸部が突設してある脚部を貫通する捻子穴が開設してあることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る継手装置は、第1発明において、第2被連結部材には2つの穴が対向して開設してあり、前記凸部は、両穴に対応して両脚部の外側の部分にそれぞれ設けてあり、両凸部の少なくとも一方に捻子穴が開設してあることを特徴とする。
【0014】
第3発明に係る継手装置は、第1又は第2発明において、前記捻子穴に螺合する捻子を備えることを特徴とする。
【0015】
継手本体の2本の脚部に外側から内側へ向かう力を加えると、弾性材からなる連結部が屈曲して両脚部の間の寸法が小さくなり、前記力を除去すると、連結部が伸展して両脚部の間の寸法が元に戻る。両脚部を取り囲む寸法と略同じ内径寸法の筒状の第2被連結部材内へ継手本体を、両脚部に前記力を加えて両脚部の間の寸法を小さくした状態で挿入し、前記力を除去する。このとき、脚部の外側の部分に設けた凸部が他フレーム部材の内面に当接するため、それに応じた分だけ、連結部は屈曲している。この継手本体を第2被連結部材内へ押し込むと、凸部と第2被連結部材に開設してある穴とが一致したときに、連結部が伸展して凸部が穴内に嵌合する。
【0016】
このように、継手本体は一体的であるため、組み立て作業を要さず、ガタの発生が防止される。また、継手本体を第2被連結部材内に押し込むだけで、継手本体を第2被連結部材に取り付けることができ、取り付け作業が容易である。一方、第2被連結部材から継手本体を取り出すには、前述した力を再び加える必要があるため、例えば第2被連結部材の開口が鉛直下方であっても、継手本体が第2被連結部材から脱落することが防止される。
【0017】
そして、連結部に開設した挿入穴にピン継手を挿入し、凸部及び脚部を貫通する捻子穴に捻子を螺合して、捻子の先端をピン継手の側部に設けた凹部の斜面に当接し、ヘッド部を第1被連結部材に係合し、捻子に締力を加えて、ピン継手及び第1被連結部材を第2被連結部材側へ引き寄せると共に、両脚部の間の距離を拡げて捻子穴が開設してある脚部を第2被連結部材の内面に当接させることによって第1被連結部材と第2被連結部材とを連結する。このように、継手装置の部品点数は少ないため製造コストが低く、また、部品の管理が容易である。
【0018】
第4発明に係る継手装置は、第1乃至第3発明の何れかにおいて、両脚部の互いに対向する部分にピン継手を案内する溝がそれぞれ設けてあることを特徴とする。
【0019】
両脚部の互いに対向する部分にピン継手を案内する溝が形成してあるため、円柱状のピン継手であってもずれの発生が防止される。また、両脚部は広い面積でピン継手を支持することができ、継手本体にひび又は割れ等が生じることが防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る継手装置を示す斜視図であり、図2は図1に示した継手装置のII−II線による断面図である。継手装置は、後述する第2フレーム部材に係合する金属製のピン継手7、ナイロン系樹脂,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等の合成樹脂を射出成形してなり、ピン継手7が挿入されてそれを支持すると共に筒状のフレーム部材内に挿入する継手本体1と、ピン継手7及び継手本体1をフレーム部材に固定するための捻子8とを備えている。
【0021】
ピン継手7は、略円盤状のヘッド部19の裏面中央に、該ヘッド部19の直径より大きい直径の円柱状のピン本体17が同心状に設けてあり、ピン本体17のヘッド部19に当接する部分はヘッド部19の直径より小さい直径の括れ部18にしてある。また、ヘッド部19とは反対側の端部近傍にも、ヘッド部19の直径より小さい直径の括れ部20が設けてあり、括れ部20のピン本体17の端部側の部分は円錐台状のテーパ21になしてある。
【0022】
継手本体1は、所定距離を隔てて平行に配した略四角柱状の2本の脚部2,2の一端を板状の連結部5で連結してなり、連結部5の周囲にフランジ部15が設けてある。連結部5の中央には、前述したピン本体17の直径と略同じ直径の挿入穴6が開設してあり、両脚部2,2の対向面には、ピン継手7を案内する溝12,12が設けてある。また、脚部2,2の先端近傍であって互いに外側の面には矩形の凸部3,3が、フランジ部15の凸部3,3に対応する部分の幅寸法より僅かに低い高さ寸法になるように突設してあり、一方の凸部3の略中央には、該凸部3及び脚部2を貫通する捻子穴4が開設してある。捻子穴4には捻子8が螺合してあり、捻子8の先端縁部はピン継手7のテーパ21に当接させてある。
【0023】
脚部2,2の連結部5に当接する部分の近傍は、脚部2,2の間の距離を連結部5に向かうにつれて短くして、側面視が略<印状になしてある。この継手本体1にピン継手7を挿入させていない状態で、脚部2,2の先端部分に外側から内側へ向かう押力を加えると、両脚部2,2の略<印状の先端位置を支点にして、板状の連結部5が屈曲して両脚部2,2の間の外側寸法が、前記押力を加えていない場合に比べて小さくなり、押力を除去すると、連結部5が元の状態に戻り、両脚部2,2の間の外側寸法も元の寸法に戻る。このように連結部5は板バネとして作用する。
【0024】
また、脚部2,2の先端近傍も、脚部2,2の間の距離を両脚部2,2の先端に向かうにつれて短くなしてある。この部分の溝12,12の周方向の寸法は他の部分より大きいため、ピン継手7と溝12,12との当接面積が広い。一方、溝12,12の深さは、脚部2,2の基端から先端に向かうに連れて僅かに浅くなしてある。これによって、ピン継手7を溝12,12内へ挿入する場合に、ピン継手7のヘッド部19が連結部5の挿入穴6内へ陥没することが防止される。
【0025】
図3及び図4は、図1に示した継手装置をフレーム部材に取り付ける方法を説明する説明図である。なお、図中、図1及び図2に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。フレーム部材31は開口32が長方形の筒状をしており、フレーム部材31の外径寸法と継手本体1のフランジ部15の外径寸法とは略同じである。また、フレーム部材31の対向する2側面であって、フレーム部材31の開口32から所定距離の位置には、継手本体1の凸部3,3より少し大きい寸法の穴33,33が開設してある。
【0026】
このようなフレーム部材31に継手装置を取り付けるには、継手本体1の脚部2,2の先端に、白抜き矢符で示したように、互いに継手本体1の内側へ向かう押力を加えて連結部5を屈曲させ、両脚部2,2の先端位置を矢符方向へ移動させて両脚部2,2の間の外側寸法を小さくし、その状態で継手本体1の先端をフレーム部材31の開口32内へ挿入させた後、前記押力を除く。この押力を除いた状態であっても、前述した押力を継手本体1に加える前の凸部3,3外面の間の寸法は、フレーム部材31の開口32の寸法より少し大きいため、連結部5は少しだけ屈曲しており、凸部3,3はフレーム部材31の内面に押し付けられている。
【0027】
この継手本体1をフレーム部材31内へ、フランジ部15がフレーム部材31の端部に当接するまで押し込むと、継手本体1の凸部3,3とフレーム部材31の穴33,33とが一致し、連結部5のバネ力によって脚部2,2が元の状態に戻り、凸部3,3がフレーム部材31の穴33,33に嵌合して継手本体1がフレーム部材31に固定される。これによって、フレーム部材31の開口32を鉛直下方に向けた場合でも、継手本体1がフレーム部材31から脱落しない。
【0028】
一方、継手本体1をフレーム部材31から取り外すには、フレーム部材31の穴33,33に嵌合した凸部3,3に前同様の押力を加えつつ、継手本体1を少し引き出して、凸部3,3がフレーム部材31の内面に押し付けられた状態に戻し、前記押力を除いて、継手本体1をフレーム部材31から引き抜く。
【0029】
フレーム部材31に固定した継手本体1の挿入穴6から溝12,12内へ、ピン継手7をヘッド部19とは反対側の端から、ピン継手7のヘッド部19が連結部5から所定長突出する位置まで挿入した後、捻子8を捻子穴4に螺合して、捻子8の先端周縁部をピン継手7のテーパ21に当接させることによって、ピン継手7を固定する。
【0030】
このようにフレーム部材31に取り付けた継手装置にあっては、図4に示したように捻子8を締め付けると、捻子8の先端縁部がピン継手7のテーパ21に沿って括れ部20に当接するまでピン継手7が溝12,12の奥の方へ摺動し、ピン本体17のヘッド部19側の端面と継手本体1の連結部5の表面とが面一になる。そして、更に捻子8を締め付けると、脚部2がフレーム部材31の内面に押し付けられ、ピン継手7及び継手本体1が強固にフレーム部材31に固定される。
【0031】
図5は、図1に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結する方法を説明する説明図であり、(a)は捻子締め付け前の状態を、(b)は捻子締め付け後の状態をそれぞれ示している。なお、図中、図4に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。第2フレーム部材42は、円筒状の芯部43の周囲に4つのアングル部44,44,44,44を平面視が略正方形になるように互いに距離を隔てて配し、芯部43の周面と各アングル部44,44,44,44の角部とを連結してなり、平面視が略台形状の4つの溝45,45,45,45が形成されている。
【0032】
そして、継手装置をフレーム部材31に前述した如く取り付け、図5(a)のように、ピン継手7のヘッド部19を第2フレーム部材42の適宜の溝45内に嵌合させた後、図4に示した如く捻子8を締め付け、捻子8の先端がピン本体17のテーパ21に沿って括れ部20に当接するまでピン継手7が継手本体1の奥の方へ摺動させる。そして、図5(b)のように、ピン本体17のヘッド部19側の端面と継手本体1の連結部の表面とが面一になるまで、第2フレーム部材42をフレーム部材31側へ引き寄せ、両フレーム部材31,42を連結させると共に、脚部2をフレーム部材31の内面に押し付けて、第2フレーム部材42,ピン継手7及び継手本体1をフレーム部材31に強固に固定させる。
【0033】
なお、本実施の形態ではピン継手のヘッド部を円盤状になしてあるが、本発明はこれに限らず、ヘッド部を四角錐台形状又は短冊状等になしてもよいことはいうまでもない。また、2本の脚部は、継手本体を挿入させるフレーム部材の形状に応じて略四角柱状になしてあるが、本発明はこれに限らず、フレーム部材が円筒状である場合は、それに対応して脚部の形状を、正面視が略半円形状にすればよい。更に、本実施の形態では、一方の凸部及び該凸部を突設した脚部を貫通する捻子穴を開設してあるが、本発明はこれに限らず、両方の凸部及び各凸部を突設した脚部を貫通する捻子穴をそれぞれ開設しておき、両捻子穴に捻子を螺合してフレーム部材と第2フレーム部材とを連結するようになしてもよい。また、円柱状のピン継手を用いているが、本発明はこれに限らず、角柱状のピン継手を用いてもよいことはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述した如く、第1、第2及び第3発明に係る継手装置にあっては、継手本体は一体的であるため、組み立て作業を要さず、ガタの発生が防止される。また、継手本体を筒状の第2被連結部材に押し込むだけで、継手本体を第2被連結部材に取り付けることができ、取り付け作業が容易である。一方、第2被連結部材から継手本体を取り出すには、前述した力を再び加える必要があるため、例えば第2被連結部材の開口が鉛直下方であっても、継手本体が第2被連結部材から脱落することが防止される。更に、継手装置の部品点数が少ないため製造コストが低く、部品の管理が容易である。
【0035】
第3発明に係る継手装置にあっては、両脚部の互いに対向する部分にピン継手を案内する溝が形成してあるため、円柱状のピン継手であってもずれの発生が防止される。また、両脚部は広い面積でピン継手を支持することができ、継手本体にひび又は割れ等が生じることが防止される等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る継手装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示した継手装置のII−II線による断面図である。
【図3】図1に示した継手装置をフレーム部材に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図4】図1に示した継手装置をフレーム部材に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図5】図1に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結する方法を説明する説明図である。
【図6】特公昭58−47564 号公報に開示された継手装置の組み立て図である。
【図7】図6に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結した状態を示す平断面図である。
【符号の説明】
1 継手本体
2 脚部
3 凸部
4 捻子穴
5 連結部
6 挿入穴
7 ピン継手
8 捻子
12 溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチール製の机,椅子若しくは棚等の家具、仕切壁のフレーム又は窓枠等を組み立てる場合に使用され、第1被連結部材と筒状の第2被連結部材とをピン継手を用いて連結する継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、特公昭58−47564 号公報に開示された継手装置の組み立て図であり、図中80は正面視が長方形の開口81を有する筒状のフレーム部材である。フレーム部材80の内面には、フレーム部材80の長手方向に平行な4本のレール部82,82,82,82が、正方形の各頂点の位置になるように突設してあり、レール部82,82,82,82で囲まれる部分に正四角柱状の挿入部材51が挿入されるようになっている。また、フレーム部材80の一側面には、開口81から所定距離隔てた位置であって、レール部82,82の間の略中央の位置に、円形の穴83が開設してある。
【0003】
挿入部材51の一側面の略中央には、該一側面に対向する他側面へ貫通する貫通穴52が、挿入部材51の中心軸に直交するように開設してあり、挿入部材51をフレーム部材80のレール部82,82,82,82内へ挿入し、挿入部材51の端面とフレーム部材80の開口部分が略面一になったとき、フレーム部材80の穴83と挿入部材51の貫通穴52とが一致するようになっている。
【0004】
挿入部材51の一端面中央には、挿入部材51の中心軸と同心円状の挿入穴59が、貫通穴52を横切って挿入部材51の他端面近傍に至るまで開設してある。この挿入穴59にスプリング71及び平面視が略T字状のピン継手57をこの順に挿入するようになっている。ピン継手57は、略四角錐台形のヘッド部69の底面中央に円柱状のピン本体67が立設してあり、ピン本体67のヘッド部69近傍は他の部分の直径より小さい直径の括れ部68が設けてある。また、ピン本体67の括れ部68とは反対側の端部近傍の周面には円錐状の凹部70が、該凹部70の中心軸とピン本体67の中心軸とが直交するように設けてある。挿入部材51の挿入穴59内へスプリング71,ピン継手57のピン本体67の順に挿入すると、挿入穴59の底に当接したスプリング71によってピン継手57は、ピン本体67の括れ部68側の端面が挿入部材51の端面から少し突出するように支持される。
【0005】
挿入部材51の貫通穴52には、長方形の開口81の幅寸法より少し短い寸法の円筒状のねじスリーブ53が内嵌されるようになっている。ねじスリーブ53の一端近傍には、その周面を削除した転削部55が設けてあり、転削部55には直径方向に2つのスリット56,56が設けてある。また、ねじスリーブ53の周面の略中央には、ピン継手57及びスプリング71より大きい直径であり、ねじスリーブ53を貫通する横穴54が開設してある。
【0006】
このような継手装置を組み立てるには、貫通穴52にねじスリーブ53を挿入した挿入部材51をフレーム部材80のレール部82,82,82,82内へ、挿入部材51の端面とフレーム部材80の開口部分が面一になるまで挿入して、ねじスリーブ53の転削部55とフレーム部材80の穴83とを一致させる。フレーム部材80の穴83から例えばマイナスのドライバを挿入して転削部55に設けた2つのスリット56,56内にドライバの先端を嵌合させ、該ドライバを操作してねじスリーブ53を回動させ、ねじスリーブ53の横穴54と挿入部材51の挿入穴59とを位置合わせし、挿入穴59内へスプリング71,ピン継手57のピン本体67をこの順に挿入してからドライバを取り外す。そして、ピン継手57のヘッド部69に力を加えて、ピン継手57を挿入穴59内へ少し押し込み、その状態で、先端が円錐形の捻子58をねじスリーブ53内に螺合させ、捻子58先端の周面を、ピン継手57の凹部70の周面に当接させる。
【0007】
このように組み立てた継手装置を用いて、次のようにしてフレーム部材80に他のフレーム部材を連結する。
【0008】
図7は図6に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結した状態を示す平断面図であり、図中92はフレーム部材80に連結する第2フレーム部材である。なお、図中、図6に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。第2フレーム部材92は、円筒状の芯部93の周囲に4つのアングル部94,94,94,94を平面視が略正方形になるように互いに距離を隔てて配し、芯部93の周面と各アングル部94,94,94,94の角部とを連結してなり、平面視が略台形状の4つの溝95,95,95,95が形成されている。
【0009】
そして、前述した如く組み立てた継手装置のヘッド部69を第2フレーム部材92の適宜の溝95内に嵌合し、ねじスリーブ53内に螺合してある捻子58を螺進させる。ピン継手57の凹部70の周面に当接させた捻子58の先端の位置が深くなるに従って、ピン継手57は挿入穴59の奥の方へ摺動し、第2フレーム部材92がフレーム部材80へ引き寄せられ、両フレーム部材80,92が連結される。このとき、ねじスリーブ53の転削部55がフレーム部材80の穴83に内嵌すると共に、捻子58に加えられた締力によって、ねじスリーブ53の端部がフレーム部材80の内面に押し付けられる。これによって、挿入部材51がフレーム部材80に強固に固定され、挿入部材51がフレーム部材80から抜出することが防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の継手装置にあっては、挿入部材51にねじスリーブ53を挿入し、それをフレーム部材80内へ挿入した後に、ねじスリーブ53を回動させて、ねじスリーブ53の横穴54と挿入穴59とを位置合わせして継手装置を組み立てているため、組み立て作業が煩雑であるという問題があった。また、ねじスリーブ53は挿入部材51内に挿入しているだけであるため、ねじスリーブ53と挿入部材51との間にガタが発生する虞がある。更に、フレーム部材を開口が鉛直下方になるように配置した場合、継手装置のフレーム部材への取り付けが困難である。一方、部品点数が多いため、製造コストが高く、また、部品の管理に手間を要するという問題もあった。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはピン継手を挿入する継手本体を、所定距離を隔てて平行に配した2本の柱状の脚部の一端部分を、弾性材からなる連結部で連結してなり、連結部にピン継手を挿入する挿入穴が開設してあり、脚部の外側の部分に他フレーム部材の穴に嵌合する凸部が突設してあり、凸部及び該凸部が突設してある脚部を貫通する捻子穴が開設してある構成にすることによって、組み立て作業を行うことなく、どのような方向に配置されたフレーム部材にも容易に取り付け得ると共に、部品点数が少ない継手装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る継手装置は、柱状部材の一端に、第1被連結部材に係合する係合部を設け、前記柱状部材の側部に、柱状部材の他端側を斜面になした凹部を設けてなるピン継手と、該ピン継手を挿入させる挿入穴が開設してある継手本体とを備え、筒状であり側部に穴が開設してある第2被連結部材に継手本体を内嵌し、挿入穴にピン継手を挿入し、係合部を第1被連結部材に係合して第1被連結部材と第2被連結部材とを連結する継手装置において、前記継手本体は、所定距離を隔てて平行に配した2本の脚部の基端部分を、弾性材からなる連結部で連結してなり、連結部に前記ピン継手を挿入する挿入穴が開設してあり、脚部の外側の部分に第2被連結部材の穴に嵌合する凸部が突設してあり、凸部及び該凸部が突設してある脚部を貫通する捻子穴が開設してあることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る継手装置は、第1発明において、第2被連結部材には2つの穴が対向して開設してあり、前記凸部は、両穴に対応して両脚部の外側の部分にそれぞれ設けてあり、両凸部の少なくとも一方に捻子穴が開設してあることを特徴とする。
【0014】
第3発明に係る継手装置は、第1又は第2発明において、前記捻子穴に螺合する捻子を備えることを特徴とする。
【0015】
継手本体の2本の脚部に外側から内側へ向かう力を加えると、弾性材からなる連結部が屈曲して両脚部の間の寸法が小さくなり、前記力を除去すると、連結部が伸展して両脚部の間の寸法が元に戻る。両脚部を取り囲む寸法と略同じ内径寸法の筒状の第2被連結部材内へ継手本体を、両脚部に前記力を加えて両脚部の間の寸法を小さくした状態で挿入し、前記力を除去する。このとき、脚部の外側の部分に設けた凸部が他フレーム部材の内面に当接するため、それに応じた分だけ、連結部は屈曲している。この継手本体を第2被連結部材内へ押し込むと、凸部と第2被連結部材に開設してある穴とが一致したときに、連結部が伸展して凸部が穴内に嵌合する。
【0016】
このように、継手本体は一体的であるため、組み立て作業を要さず、ガタの発生が防止される。また、継手本体を第2被連結部材内に押し込むだけで、継手本体を第2被連結部材に取り付けることができ、取り付け作業が容易である。一方、第2被連結部材から継手本体を取り出すには、前述した力を再び加える必要があるため、例えば第2被連結部材の開口が鉛直下方であっても、継手本体が第2被連結部材から脱落することが防止される。
【0017】
そして、連結部に開設した挿入穴にピン継手を挿入し、凸部及び脚部を貫通する捻子穴に捻子を螺合して、捻子の先端をピン継手の側部に設けた凹部の斜面に当接し、ヘッド部を第1被連結部材に係合し、捻子に締力を加えて、ピン継手及び第1被連結部材を第2被連結部材側へ引き寄せると共に、両脚部の間の距離を拡げて捻子穴が開設してある脚部を第2被連結部材の内面に当接させることによって第1被連結部材と第2被連結部材とを連結する。このように、継手装置の部品点数は少ないため製造コストが低く、また、部品の管理が容易である。
【0018】
第4発明に係る継手装置は、第1乃至第3発明の何れかにおいて、両脚部の互いに対向する部分にピン継手を案内する溝がそれぞれ設けてあることを特徴とする。
【0019】
両脚部の互いに対向する部分にピン継手を案内する溝が形成してあるため、円柱状のピン継手であってもずれの発生が防止される。また、両脚部は広い面積でピン継手を支持することができ、継手本体にひび又は割れ等が生じることが防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る継手装置を示す斜視図であり、図2は図1に示した継手装置のII−II線による断面図である。継手装置は、後述する第2フレーム部材に係合する金属製のピン継手7、ナイロン系樹脂,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等の合成樹脂を射出成形してなり、ピン継手7が挿入されてそれを支持すると共に筒状のフレーム部材内に挿入する継手本体1と、ピン継手7及び継手本体1をフレーム部材に固定するための捻子8とを備えている。
【0021】
ピン継手7は、略円盤状のヘッド部19の裏面中央に、該ヘッド部19の直径より大きい直径の円柱状のピン本体17が同心状に設けてあり、ピン本体17のヘッド部19に当接する部分はヘッド部19の直径より小さい直径の括れ部18にしてある。また、ヘッド部19とは反対側の端部近傍にも、ヘッド部19の直径より小さい直径の括れ部20が設けてあり、括れ部20のピン本体17の端部側の部分は円錐台状のテーパ21になしてある。
【0022】
継手本体1は、所定距離を隔てて平行に配した略四角柱状の2本の脚部2,2の一端を板状の連結部5で連結してなり、連結部5の周囲にフランジ部15が設けてある。連結部5の中央には、前述したピン本体17の直径と略同じ直径の挿入穴6が開設してあり、両脚部2,2の対向面には、ピン継手7を案内する溝12,12が設けてある。また、脚部2,2の先端近傍であって互いに外側の面には矩形の凸部3,3が、フランジ部15の凸部3,3に対応する部分の幅寸法より僅かに低い高さ寸法になるように突設してあり、一方の凸部3の略中央には、該凸部3及び脚部2を貫通する捻子穴4が開設してある。捻子穴4には捻子8が螺合してあり、捻子8の先端縁部はピン継手7のテーパ21に当接させてある。
【0023】
脚部2,2の連結部5に当接する部分の近傍は、脚部2,2の間の距離を連結部5に向かうにつれて短くして、側面視が略<印状になしてある。この継手本体1にピン継手7を挿入させていない状態で、脚部2,2の先端部分に外側から内側へ向かう押力を加えると、両脚部2,2の略<印状の先端位置を支点にして、板状の連結部5が屈曲して両脚部2,2の間の外側寸法が、前記押力を加えていない場合に比べて小さくなり、押力を除去すると、連結部5が元の状態に戻り、両脚部2,2の間の外側寸法も元の寸法に戻る。このように連結部5は板バネとして作用する。
【0024】
また、脚部2,2の先端近傍も、脚部2,2の間の距離を両脚部2,2の先端に向かうにつれて短くなしてある。この部分の溝12,12の周方向の寸法は他の部分より大きいため、ピン継手7と溝12,12との当接面積が広い。一方、溝12,12の深さは、脚部2,2の基端から先端に向かうに連れて僅かに浅くなしてある。これによって、ピン継手7を溝12,12内へ挿入する場合に、ピン継手7のヘッド部19が連結部5の挿入穴6内へ陥没することが防止される。
【0025】
図3及び図4は、図1に示した継手装置をフレーム部材に取り付ける方法を説明する説明図である。なお、図中、図1及び図2に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。フレーム部材31は開口32が長方形の筒状をしており、フレーム部材31の外径寸法と継手本体1のフランジ部15の外径寸法とは略同じである。また、フレーム部材31の対向する2側面であって、フレーム部材31の開口32から所定距離の位置には、継手本体1の凸部3,3より少し大きい寸法の穴33,33が開設してある。
【0026】
このようなフレーム部材31に継手装置を取り付けるには、継手本体1の脚部2,2の先端に、白抜き矢符で示したように、互いに継手本体1の内側へ向かう押力を加えて連結部5を屈曲させ、両脚部2,2の先端位置を矢符方向へ移動させて両脚部2,2の間の外側寸法を小さくし、その状態で継手本体1の先端をフレーム部材31の開口32内へ挿入させた後、前記押力を除く。この押力を除いた状態であっても、前述した押力を継手本体1に加える前の凸部3,3外面の間の寸法は、フレーム部材31の開口32の寸法より少し大きいため、連結部5は少しだけ屈曲しており、凸部3,3はフレーム部材31の内面に押し付けられている。
【0027】
この継手本体1をフレーム部材31内へ、フランジ部15がフレーム部材31の端部に当接するまで押し込むと、継手本体1の凸部3,3とフレーム部材31の穴33,33とが一致し、連結部5のバネ力によって脚部2,2が元の状態に戻り、凸部3,3がフレーム部材31の穴33,33に嵌合して継手本体1がフレーム部材31に固定される。これによって、フレーム部材31の開口32を鉛直下方に向けた場合でも、継手本体1がフレーム部材31から脱落しない。
【0028】
一方、継手本体1をフレーム部材31から取り外すには、フレーム部材31の穴33,33に嵌合した凸部3,3に前同様の押力を加えつつ、継手本体1を少し引き出して、凸部3,3がフレーム部材31の内面に押し付けられた状態に戻し、前記押力を除いて、継手本体1をフレーム部材31から引き抜く。
【0029】
フレーム部材31に固定した継手本体1の挿入穴6から溝12,12内へ、ピン継手7をヘッド部19とは反対側の端から、ピン継手7のヘッド部19が連結部5から所定長突出する位置まで挿入した後、捻子8を捻子穴4に螺合して、捻子8の先端周縁部をピン継手7のテーパ21に当接させることによって、ピン継手7を固定する。
【0030】
このようにフレーム部材31に取り付けた継手装置にあっては、図4に示したように捻子8を締め付けると、捻子8の先端縁部がピン継手7のテーパ21に沿って括れ部20に当接するまでピン継手7が溝12,12の奥の方へ摺動し、ピン本体17のヘッド部19側の端面と継手本体1の連結部5の表面とが面一になる。そして、更に捻子8を締め付けると、脚部2がフレーム部材31の内面に押し付けられ、ピン継手7及び継手本体1が強固にフレーム部材31に固定される。
【0031】
図5は、図1に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結する方法を説明する説明図であり、(a)は捻子締め付け前の状態を、(b)は捻子締め付け後の状態をそれぞれ示している。なお、図中、図4に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。第2フレーム部材42は、円筒状の芯部43の周囲に4つのアングル部44,44,44,44を平面視が略正方形になるように互いに距離を隔てて配し、芯部43の周面と各アングル部44,44,44,44の角部とを連結してなり、平面視が略台形状の4つの溝45,45,45,45が形成されている。
【0032】
そして、継手装置をフレーム部材31に前述した如く取り付け、図5(a)のように、ピン継手7のヘッド部19を第2フレーム部材42の適宜の溝45内に嵌合させた後、図4に示した如く捻子8を締め付け、捻子8の先端がピン本体17のテーパ21に沿って括れ部20に当接するまでピン継手7が継手本体1の奥の方へ摺動させる。そして、図5(b)のように、ピン本体17のヘッド部19側の端面と継手本体1の連結部の表面とが面一になるまで、第2フレーム部材42をフレーム部材31側へ引き寄せ、両フレーム部材31,42を連結させると共に、脚部2をフレーム部材31の内面に押し付けて、第2フレーム部材42,ピン継手7及び継手本体1をフレーム部材31に強固に固定させる。
【0033】
なお、本実施の形態ではピン継手のヘッド部を円盤状になしてあるが、本発明はこれに限らず、ヘッド部を四角錐台形状又は短冊状等になしてもよいことはいうまでもない。また、2本の脚部は、継手本体を挿入させるフレーム部材の形状に応じて略四角柱状になしてあるが、本発明はこれに限らず、フレーム部材が円筒状である場合は、それに対応して脚部の形状を、正面視が略半円形状にすればよい。更に、本実施の形態では、一方の凸部及び該凸部を突設した脚部を貫通する捻子穴を開設してあるが、本発明はこれに限らず、両方の凸部及び各凸部を突設した脚部を貫通する捻子穴をそれぞれ開設しておき、両捻子穴に捻子を螺合してフレーム部材と第2フレーム部材とを連結するようになしてもよい。また、円柱状のピン継手を用いているが、本発明はこれに限らず、角柱状のピン継手を用いてもよいことはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述した如く、第1、第2及び第3発明に係る継手装置にあっては、継手本体は一体的であるため、組み立て作業を要さず、ガタの発生が防止される。また、継手本体を筒状の第2被連結部材に押し込むだけで、継手本体を第2被連結部材に取り付けることができ、取り付け作業が容易である。一方、第2被連結部材から継手本体を取り出すには、前述した力を再び加える必要があるため、例えば第2被連結部材の開口が鉛直下方であっても、継手本体が第2被連結部材から脱落することが防止される。更に、継手装置の部品点数が少ないため製造コストが低く、部品の管理が容易である。
【0035】
第3発明に係る継手装置にあっては、両脚部の互いに対向する部分にピン継手を案内する溝が形成してあるため、円柱状のピン継手であってもずれの発生が防止される。また、両脚部は広い面積でピン継手を支持することができ、継手本体にひび又は割れ等が生じることが防止される等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る継手装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示した継手装置のII−II線による断面図である。
【図3】図1に示した継手装置をフレーム部材に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図4】図1に示した継手装置をフレーム部材に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図5】図1に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結する方法を説明する説明図である。
【図6】特公昭58−47564 号公報に開示された継手装置の組み立て図である。
【図7】図6に示した継手装置を用いて2つのフレーム部材を連結した状態を示す平断面図である。
【符号の説明】
1 継手本体
2 脚部
3 凸部
4 捻子穴
5 連結部
6 挿入穴
7 ピン継手
8 捻子
12 溝
Claims (4)
- 柱状部材の一端に、第1被連結部材に係合する係合部を設け、前記柱状部材の側部に、柱状部材の他端側を斜面になした凹部を設けてなるピン継手と、該ピン継手を挿入させる挿入穴が開設してある継手本体とを備え、筒状であり側部に穴が開設してある第2被連結部材に継手本体を内嵌し、挿入穴にピン継手を挿入し、係合部を第1被連結部材に係合して第1被連結部材と第2被連結部材とを連結する継手装置において、
前記継手本体は、所定距離を隔てて平行に配した2本の脚部の基端部分を、弾性材からなる連結部で連結してなり、連結部に前記ピン継手を挿入する挿入穴が開設してあり、脚部の外側の部分に第2被連結部材の穴に嵌合する凸部が突設してあり、凸部及び該凸部が突設してある脚部を貫通する捻子穴が開設してあることを特徴とする継手装置。 - 第2被連結部材には2つの穴が対向して開設してあり、前記凸部は、両穴に対応して両脚部の外側の部分にそれぞれ設けてあり、両凸部の少なくとも一方に捻子穴が開設してある請求項1記載の継手装置。
- 前記捻子穴に螺合する捻子を備える請求項1又は2記載の継手装置。
- 両脚部の互いに対向する部分にピン継手を案内する溝がそれぞれ設けてある請求項1乃至3の何れかに記載の継手装置。
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