JP3756696B2 - 孔版原紙製版装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基台上に載置された印刷用紙に対し、製版された孔版原紙を介して押圧板を押し付けて印刷を行う孔版印刷装置にかかり、特に剛性の枠体を備えた孔版原紙組立体に対して適した位置に製版を行うようにした孔版原紙製版装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に知られている孔版印刷装置として、図9に示すものがある。この孔版印刷装置は、印刷用紙101が載置される台座102を有した基台103と、基台103に対して回動自在に軸支された押圧板104とを有している。押圧板104には、基台103に対面し得る側に製版された孔版原紙組立体1が取り付けられる。そして、台座102上に印刷用紙101を載置し、インクを載せた孔版原紙組立体1を取り付けた押圧板104を基台103に向けて回動させ、孔版原紙組立体1の孔版原紙4部分を印刷用紙101に押し付けることにより印刷を行う。
【0003】
上記の孔版印刷装置に用いられる孔版原紙組立体1は、図9に示すように、所定の厚さと剛性を有する略矩形状の枠体3を基体としている。枠体3の一方の面には、孔版原紙4が貼り付けられている。孔版原紙4は、熱可塑性樹脂フィルムに多孔性支持体を貼り合わせて構成された感熱孔版原紙である。また、枠体3の他方の面には、インク不通過性のバックシート5が固定されている、バックシート5は、枠体3と略同一の外形をなしている。バックシート5は、その一短縁辺が、対応する枠体3の一短縁辺に固定されている。
【0004】
このように構成された孔版原紙組立体1において、枠体3は、その剛性により孔版印刷装置の押圧板104の支持部105への取り付けの時の位置決めを行う。また、枠体3は、その厚さにより、孔版原紙4上に載せられる所望のインク量を十分に得ると共に、このインクの外部へのはみ出しを防止する。なお、孔版原紙4上に載せられる所望のインク量とは、多枚数の印刷を行うために必要な量である。
また、バックシート5は、孔版原紙4上に載せられたインクを覆い、インクの漏れを防止する。
【0005】
上記孔版原紙4に製版を行う孔版原紙製版装置としては、ハロゲンランプ,キセノンランプ,フラッシュランプなどによる閃光照射や赤外線照射、レーザ光線などのパルス的照射、あるいはサーマルヘッドなどの熱をコントロールすることにより、所望の穿孔画像を孔版原紙上に形成するものがある。この中で外部からの電気信号を熱に変換して製版する、所謂デジタル方式での製版としては、レーザ光線,サーマルヘッドによる製版が挙げられる。
【0006】
デジタル方式での製版は、写真などのカラー画像や、パソコン,ワープロなどで作成した画像の製版に適している。特にカラー画像の場合には、カラー原稿をシアン,マゼンタ,イエローの三色に色分解した各色毎の製版を行うため、デジタル方式の製版が好適である。
【0007】
そして、一般に孔版原紙に対してデジタル方式(サーマルヘッド)での製版を行う場合、サーマルヘッドに対し孔版原紙を相対移動させる。一般的には、固定されたサーマルヘッドと対向する搬送ローラを有し、搬送ローラの回転駆動と共に、サーマルヘッドと搬送ローラの間に孔版原紙を挟みながら送る。これにより孔版原紙に所望の製版圧がかかって製版が行われる。
【0008】
ところが、上記の如く孔版印刷装置に用いられる孔版原紙組立体1に対して製版を行う場合、剛性を有した枠体3があるため、サーマルヘッドと搬送ローラとによる孔版原紙4の挟み込みが良好に行われない。特に、枠体3近傍の孔版原紙4に対して十分な製版圧がかからず、適宜製版を行うことができなかった。
【0009】
このため、従来では、バックシート5を有した枠体3から、孔版原紙4を分離し、孔版原紙4のみに製版を行った後、枠体3に孔版原紙4を取り付けて孔版原紙組立体1を構成してから印刷を行うようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の孔版原紙製版装置では、製版の後、枠体3への孔版原紙4の取り付けが人手の作業となるので、枠体3と孔版原紙4との間の位置精度が損なわれることとなる。このため、製版時に印刷用紙101の位置に対応するように孔版原紙4への画像の位置決めを行ったとしても、枠体3に対して孔版原紙4に製版された画像位置がズレるおそれがある。即ち、孔版印刷装置側に枠体3を以て位置決めを行っても、その位置は、印刷用紙101に対応するように孔版原紙4に位置決めした画像の正確な位置ではなくなってしまう。
特に、多版刷りであるフルカラー印刷のように、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された複数の孔版原紙4を用いる場合には、上述の位置ズレによって、印刷時に印刷用紙101に対する各孔版原紙4間での位置ズレが発生して鮮明なフルカラー画像が得られないこととなる。
【0011】
このような位置ズレに対し、孔版印刷装置側に対して以下の位置決め機能をもたせている。この機能は、印刷用紙101が載置される台座102を移動調整可能に構成し、一版目終了後に一版目の印刷用紙を台座載置し、一版目上に位置決めされた透明シート(不図示)を置いて二版目を印刷し、二版目が印刷された透明シートの画像に対して、一版目の画像位置が重なるように台座102を移動させる。同様に二版目と三版目との位置決めも行う。
ところが、印刷時において、上記作業を行うことは、操作者にとって不便な作業である。また、上記作業は、ある程度の慣れがないと煩雑な操作である。
【0012】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、孔版原紙組立体に対し所望とする位置に正確に製版を行うことができる孔版原紙製版装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1に記載の孔版原紙製版装置は、剛性を有する略矩形状の枠体と、該枠体の一方の面に貼り付けられる孔版原紙とを有した孔版原紙組立体と、
該孔版原紙組立体が所定方向に挿入できように前記孔版原紙組立体の厚み分を案内する如く形成された第一の挿入路と、
該第一の挿入路の奥方に設けられ、前記第一の挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体の挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記第一の挿入路内の側部に設けられ、前記第一の挿入路内に挿入されている時の前記孔版原紙組立体を挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記第一の挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記孔版原紙組立体を挿入方向と反する方向に搬送して前記第一の挿入路から排出する第一の搬送ローラと、
該第一の搬送ローラと対向して配設され、前記孔版原紙組立体の搬送とともに前記孔版原紙への製版を行う書き込み手段と、
前記第一の搬送ローラと前記書き込み手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記孔版原紙組立体の挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記第一の搬送ローラと前記書き込み手段とを近接させた間で前記孔版原紙を挟持して前記孔版原紙組立体を書き込み開始の基準位置として保持する第一の保持手段と、
剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板と、透明性を有する紙葉体からなり該載置板の一方の面に固定され、前記載置板との間で原稿を保持するカバーシートとを有する原稿ホルダーと、
該原稿ホルダーが所定方向に挿入できように前記原稿ホルダーの厚み分を案内する如く形成された第二の挿入路と、
該第二の挿入路の奥方に設けられ、前記第二の挿入路内に挿入された前記原稿ホルダーの挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記第二の挿入路内の側部に設けられ、前記第二の挿入路内に挿入されている時の前記原稿ホルダーを挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記第二の挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記原稿ホルダーを挿入方向と反する方向に搬送して前記第二の挿入路から排出する第二の搬送ローラと、
該第二の搬送ローラと対向して配設され、前記原稿ホルダーの搬送とともに前記原稿ホルダーにある原稿の読み取りを行う読み取り手段と、
前記第二の搬送ローラと前記読み取り手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記原稿ホルダーの挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記第二の搬送ローラと前記読み取り手段とを近接させた間で前記原稿ホルダーを挟持して前記原稿ホルダーを読み取り開始の基準位置として保持する第二の保持手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の孔版原紙製版装置は、請求項1に記載の孔版原紙製版装置において、
前記第一の搬送ローラと前記第二の搬送ローラが、共通の回転軸に固定されて、共通の駆動機構によって駆動され、
前記第一の保持手段と前記第二の保持手段が、前記書き込み手段と前記読み取り手段とを共に連動して前記第一の搬送ローラと前記第二の搬送ローラとに近接あるいは離間するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の孔版原紙製版装置は、剛性を有する略矩形状の枠体と、該枠体の一方の面に貼り付けられる孔版原紙とを有した孔版原紙組立体と、
剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板と、透明性を有する紙葉体からなり該載置板の一方の面に固定され、前記載置板との間で原稿を保持するカバーシートとを有する原稿ホルダーと、
前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーが所定方向に挿入できように前記孔版原紙組立体および前記原稿ホルダーの厚み分を案内する如く形成された共通の挿入路と、
該挿入路の奥方に設けられ、前記挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーの挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記挿入路内の側部に設けられ、前記挿入路内に挿入されている時の前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーを挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーを挿入方向と反する方向に搬送して前記挿入路から排出するように併設された一対の搬送ローラと、
該搬送ローラの一方と対向して配設され、前記孔版原紙組立体の搬送とともに前記孔版原紙への製版を行う書き込み手段と、
前記搬送ローラの他方と対向して配設され、前記原稿ホルダーの搬送とともに前記原稿ホルダーにある原稿の読み取りを行う読み取り手段と、
前記一方の搬送ローラと書き込み手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記挿入路に挿入された前記孔版原紙組立体の挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記一方の搬送ローラに対し、前記書き込み手段を近接させた間で前記孔版原紙を挟持して前記孔版原紙組立体を書き込み開始の基準位置として保持する第一の保持手段と、
前記他方の搬送ローラと読み取り手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記挿入路に挿入された前記原稿ホルダーの挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記他方の搬送ローラに対し、前記読み取り手段を近接させた間で前記原紙ホルダーを挟持して前記原稿ホルダーを読み取り開始の基準位置として保持する第二の保持手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の孔版原紙製版装置の実施の形態を示す斜視図、図2は同孔版原紙製版装置の横断面図(平面視)、図3は同孔版原紙製版装置の縦断面図(側面視)、図4は同孔版原紙製版装置の縦断面図(正面視)である。
【0018】
本発明の孔版原紙製版装置は、上述した従来例にて説明した孔版原紙組立体1に対して製版を行うものであり、孔版原紙組立体1に対して画像を書き込む書き込み部Aと共に、孔版原紙組立体1に書き込むべき画像を読み取るように、原稿ホルダー2に保持された所望の原稿を読み取る読み取り部Bを兼備している。
【0019】
最初に、孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2について説明する。
孔版原紙組立体1は、図1に示すように、所定の厚さと剛性を有する略矩形状の枠体3を基体としている。枠体3は、厚紙などからなる。
枠体3の一方の面には、孔版原紙4が貼り付けられている。孔版原紙4は、ポリエチレンテレフタレートフィルムや塩化ビニリデンフィルム、ポリエステル、ポリプロピレンフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムに、天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれらを混抄した薄葉紙、不織布、紗などによって構成された多孔性支持体を貼り合わせて構成された感熱孔版原紙である。そして、この孔版原紙4の多孔性支持体側が枠体3の一方の面に貼り付けられる。
枠体3の他方の面には、インク不通過性のバックシート5が固定されている、バックシート5は、枠体3の厚みを介して、枠体3の中央開口部3aから望む孔版原紙4を覆うように、枠体3と略同一の外形をなしている。バックシート5は、その一短縁辺が、対応する枠体3の一短縁辺に固定され、他短縁辺が、対応する枠体3の他短縁辺側に略一致して開閉自在とされている。
【0020】
原稿ホルダー2は、図1に示すように、所定の厚さと剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板6を基体としている。載置板6は、厚紙や合成樹脂板などからなる。この載置板6の一方の面には、略矩形状の枠線7が印刷されている。枠線7は、孔版原紙組立体1において枠体3の中央開口部分3aから望む孔版原紙4の外形と略同じ外形をなしている。即ち、枠線7は、孔版原紙組立体1の孔版原紙4に書き込まれる有効な画像領域をなす。
【0021】
載置板6の一方の面には、透明性を有する紙葉体からなるカバーシート8が固定されている。カバーシート8は、枠線7を覆う外形を有し、載置板6と略同一の幅(短辺)をなしている。カバーシート8は、その一短縁辺が、載置板6の中途部分に固定され、他短縁辺が、対応する載置板6の他短縁辺側に略一致して開閉自在とされている。
【0022】
また、載置板6の一方の面には、枠線7とともに検出用パターン7aが印刷されている。この検出パターン7aは、枠線7のカバーシート8が固定された近傍であって、短縁方向の両側部にそれぞれ形成されて対をなしている。この検出用パターン7aは、例えば三角形状をなしている。
【0023】
所望の原稿9は、載置板6の枠線7内において、読み取られるべき面を表側にして載置される。そしてその上からカバーシート8にて覆われて保持される。
【0024】
以下、本発明の孔版原紙製版装置を説明する。
まず、孔版原紙組立体1に画像情報を書き込む書き込み部Aについて図1乃至図4を以て説明する。
書き込み部Aは、図1、図2及び図4における右側に配されている。この書き込み部Aは、孔版原紙組立体1が挿入される第一の挿入路10を有している。第一の挿入路10の手前側には、孔版原紙組立体1が枠体3の短縁辺側から挿入できるように挿入口11が形成されている。挿入口11には、孔版原紙組立体1の枠体3の短縁辺を受け入れる側幅を有し、且つ、枠体3の両面を受け入れ安いように、徐々に狭まるように上下に対向した各傾斜部11aを有している。
【0025】
第一の挿入路10の上側および下側には、それぞれ孔版原紙組立体1の挿入方向に沿って形成された上下複数のリブ片12が延設されている。上下各リブ片12は、延出した端部が対向し、その間に所定の間隔を有している。この間隔は、孔版原紙組立体1の枠体3の厚み分が通れる間隔である。ゆえに、孔版原紙組立体1は、上下のリブ片12の延出した端部によって案内されて第一の挿入路10に挿入される。
【0026】
第一の挿入路10の奥方には、先端位置決め部13が設けられている。この先端位置決め部13は、第一の挿入路10に挿入された孔版原紙組立体1の挿入先端1aが当接する部位である。本実施の形態での先端位置決め部13は、第一の挿入路10の奥方にて、前記リブ片12と直交するように略垂直に延設されたリブ14の一部に対し、挿入口11側に向かって突出する如く膨出形成されている。なお、図1及び図2において、先端位置決め部13は単一の構成であるが、一様な突出状態で膨出されているものが複数ある構成であってもよい。
【0027】
第一の挿入路10の側部には、側縁位置決め部15が設けられている。側縁位置決め部15は、当接部15aと押圧部15bとを有している。当接部15aと押圧部15bは、第一の挿入路10に挿入された孔版原紙組立体1の両側部にそれぞれ対向して設けられている。
当接部15aは、孔版原紙組立体1の一側縁が当接し得る部位である。本実施の形態での当接部15aは、第一の挿入路10の一側部にて、前記リブ片12と平行するように略垂直に延設されたリブ16の一部に対し、挿入口11側に向かって突出する如く膨出形成されている。
【0028】
また、押圧部15bは、孔版原紙組立体1の他側縁が当接し得る部位であって、該他側縁を孔版原紙組立体1の挿入方向と交わる方向に押し付ける部位である。本実施の形態での押圧部15bは、第一の挿入路10の他側部にて、当接部15aと対向する如く基端が固定された設けられた板バネからなる。そして、この板バネの先端を湾曲させて、第一の挿入路10内に突出するように形成されている。ゆえに、第一の挿入路10に挿入された孔版原紙組立体1は、他側縁が押圧部15bによって進行方向と交わる一方向に押し付けられ、一側縁が押圧部15bと対向する当接部15aに当接して両側方にズレることなく第一の挿入路10内を進退する。また、対をなす当接部15aと押圧部15bは、第一の挿入路10内に複数設けられていることが好ましい。本実施の形態では、二箇所に設けられている。
【0029】
このように、第一の挿入路10内において、挿入された孔版原紙組立体1は、上下方向(面方向)が各リブ片12の間で案内され、且つ、両側方向が側縁位置決め部15によって位置決めされる。さらに、第一の挿入路10内における孔版原紙組立体1は、挿入先端が先端位置決め部13に当接することで挿入方向が位置決めされ、その状態で止まる。
また、第一の挿入路10の奥方には、孔版原紙組立体1が挿入されたか否かを検出する為に、タッチセンサ34が設けられている。
【0030】
また、第一の挿入路10内には、その内部にて、上述の如く位置決めされた孔版原紙組立体1を挿入口11から後退させる如く排出する第一の搬送ローラ17と、この搬送中に孔版原紙組立体1の孔版原紙4に製版を行う書き込み手段18が設けられている。
【0031】
第一の搬送ローラ17は、第一の挿入路10内の挿入口11近傍に設けられている。この第一の搬送ローラ17は、位置決めされた孔版原紙組立体1の後端側であり、枠体2内の孔版原紙4のみに接触し得るように、孔版原紙組立体1の下面側に配されている。第一の搬送ローラ17は、孔版原紙組立体1の挿入方向に直交する回転軸19に固定されている。
【0032】
回転軸19は、回転自在に支持され、駆動モータ20及び駆動モータ20の出力軸の回転を減速して伝達する複数の歯車21からなる駆動機構により、図3中時計廻り反対方向に回転駆動される。第一の搬送ローラ17は、この回転軸19の回転によって同方向に回転する。
【0033】
書き込み手段18は、第一の搬送ローラ17の上方にて、位置決めされた孔版原紙組立体1を第一の搬送ローラ17との間に介するように、第一の搬送ローラ17と対向して配されている。書き込み手段18は、サーマルヘッド22を構成している。サーマルヘッド22は両側方向に長尺な略短冊板状であり、孔版原紙組立体1の挿入方向に直交して設置されている。サーマルヘッド22の下面には、孔版原紙の両側方向(短片方向)と平行に並んだ複数の発熱体を備えた処理面22aが形成されており、この処理面22aが孔版原紙4と接触して孔版原紙4を加熱穿孔する。
【0034】
また、書き込み手段18としてのサーマルヘッド22は、処理面22aを第一の搬送ローラ17に対向させ、処理面22aと第一の搬送ローラ17との間が近接あるいは離間するように第一の保持手段23によって支持されている。
【0035】
以下、第一の保持手段23を説明する。
サーマルヘッド22の上面には、長尺の支持板24が固定されている。この支持板24は、その上方に支軸25を延設している。支軸25は対をなし、サーマルヘッド22の長手方向に併設されている。
【0036】
支持板24は、昇降板26に取り付けられている。昇降板26は、支持板24と同様に長尺に形成され、各支軸25を遊挿する通し穴27が設けられている。そして、通し穴27に支軸25を通し、支軸25の先端を抜止めすることにより、昇降板26に対し、支持板24が支軸25を介して摺動可能に取り付けられる。また、支持板24と昇降板26の間には、支軸25に巻かれた圧縮コイルバネ28が介在されて、互いに離間する方向に付勢されている。
【0037】
昇降板26は、支持軸29に支持されている。支持軸29は、上記第一の搬送ローラ17を固定する回転軸19に対して併設され、回転軸19の上方に回転可能に支持されている。支持軸29には、昇降板26の長手方向の両端部近傍に位置する二箇所にプーリ30が固定されている。各プーリ30には、上方からコイルバネ31が架け廻されている。コイルバネ31の各端部は、昇降板26の長手方向の両端部に固定されている。これにより、昇降板26は、支持軸26にコイルバネ31を介して吊設される。
【0038】
また、支持軸29には、各プーリ30間に同形状の一対の板カム32が固定されている。各板カム32の外周は、コイルバネ31に引き上げられた昇降板26の上面に接触している。
【0039】
支持軸29を回転させることにより、各板カム32が回転すると、板カム32の小径部が昇降板26に接触している時は、昇降板26がコイルバネ31に引き上げられて上方に位置する。また、板カム32の大径部が昇降板26に接触する時は、昇降板26がコイルバネ31のバネ力に抗して下方に移動する。
この支持軸29の回転は、装置外に引き出されている支持軸29の一端に固定された操作レバー33の操作による。
【0040】
即ち、昇降板26の昇降により、サーマルヘッド22を固定する支持板24も昇降することとなる。昇降板26の下降に伴って支持板24が下降すると、サーマルヘッド22の処理面22aが第一の搬送ローラ17の外周に近接して接触する。昇降板26のさらなる下降に伴って支持板24がさらに下降すると、支持板24が昇降板26との間に介在された圧縮コイルバネ28のバネ力によって押されてサーマルヘッド22を適宜第一の搬送ローラ17に押し付けることとなる(図6参照)。
逆に、昇降板26が上昇すると、サーマルヘッド22の処理面22aが第一の搬送ローラ17から離間する。このように、第一の保持手段23は、操作レバー33の操作によって、サーマルヘッド22の処理面22aと第一の搬送ローラ17との間を近接あるいは離間する。
【0041】
このような第一の挿入路10内において、上述の如く孔版原紙組立体1が位置決めされている時、第一の保持手段23によってサーマルヘッド22が下降して第一の搬送ローラ17に近接すると、孔版原紙組立体1の後端側にて孔版原紙4が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟まれることとなる。この状態から、第一の搬送ローラ17を駆動すると、孔版原紙組立体1が第一の挿入路10から排出され始め、ある所定の排出が実行されると孔版原紙4への書き込みを開始することが可能となる。即ち、孔版原紙組立体1が位置決めされ、第一の保持手段23によって孔版原紙組立体1が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟持された時が書き込み開始の基準位置となる。
【0042】
次に、原紙ホルダー2に保持された原稿9の画像情報を読み取る読み取り部Bについて図1乃至図4を以て説明する。
読み取り部Bは、図1、図2及び図4における左側に配されている。この読み取り部Bは、原稿ホルダー2が挿入される第二の挿入路40を有している。第二の挿入路40の手前側には、原稿ホルダー2がその短縁辺側から挿入できるように挿入口41が形成されている。挿入口41には、原稿ホルダー2の短縁辺を受け入れる側幅を有し、且つ、原稿ホルダー2の両面を受け入れ易いように、徐々に狭まるように上下に対向した各傾斜部41aを有している。
【0043】
第二の挿入路40の上側および下側には、それぞれ原稿ホルダー2の挿入方向に沿って形成された上下複数のリブ片42が延設されている。上下各リブ片42は、延出した端部が対向し、その間に所定の間隔を有している。この間隔は、原稿ホルダー2の厚み分が通れる間隔である。ゆえに、原稿ホルダー2は、上下のリブ片42の延出した端部に案内されて第二の挿入路40に挿入される。
【0044】
第二の挿入路40の奥方には、先端位置決め部43が設けられている。この先端位置決め部43は、第二の挿入路40に挿入された原稿ホルダー2の挿入先端2aが当接する部位である。本実施の形態での先端位置決め部43は、第二の挿入路40の奥方にて、前記リブ片42と直交するように略垂直に延設されたリブ44の一部に対し、挿入口41側に向かって突出する如く膨出形成されている。なお、図1および図2において、先端位置決め部43は単一の構成であるが、一様な突出状態で膨出されているものが複数ある構成であってもよい。
【0045】
第二の挿入路40の側部には、側縁位置決め部45が設けられている。側縁位置決め部45は、当接部45aと押圧部45bとを有している。当接部45aと押圧部45bは、第二の挿入路40に挿入された原稿ホルダー2の両側部にそれぞれ対向して設けれている。
当接部45aは、原稿ホルダー2の一側縁が当接し得る部位である。本実施の形態での当接部45aは、第二の挿入路40の一側部にて、前記リブ片42と平行するように略垂直に延設されたリブ46の一部に対し、挿入口41側に向かって突出する如く膨出形成されている。
【0046】
また、押圧部45bは、原稿ホルダー2の他側縁が当接し得る部位であって、該他側縁を原稿ホルダー2の挿入方向と交わる方向に押し付ける部位である。本実施の形態での押圧部45bは、第二の挿入路40の他側部にて、当接部45aと対向する如く基端が固定された設けられた板バネからなる。そして、この板バネの先端を湾曲させて、第二の挿入路40内に突出するように形成されている。ゆえに、第二の挿入路40に挿入された原稿ホルダー1は、他側縁が押圧部45bによって進行方向と交わる一方向に押し付けられ、一側縁が押圧部45bと対向する当接部45aに当接して両側方にズレることなく第二の挿入路40内を進退する。また、対をなす当接部45aと押圧部45bは、第二の挿入路40内に複数設けられていることが好ましい。本実施の形態では、二箇所に設けられている。
【0047】
このように、第二の挿入路40内において、挿入された原稿ホルダー2は、上下方向(面方向)が各リブ片42の間で案内され、且つ、両側方向が側縁位置決め部45によって位置決めされる。さらに、第二の挿入路40内における原稿ホルダー2は、挿入先端が先端位置決め部43に当接することで挿入方向が位置決めされ、その状態で止まる。
【0048】
また、第二の挿入路40内には、その内部にて、上述の如く位置決めされた原稿ホルダー2を挿入口41から後退させる如く排出する第二の搬送ローラ47と、この搬送中に原稿ホルダー2の原稿9の画像情報の読み取りを行う読み取り手段48が設けられている。
【0049】
第二の搬送ローラ47は、第二の挿入路40内の挿入口41近傍に設けられている。この第二の搬送ローラ47は、位置決めされた原稿ホルダー2の後端側に接触し得るように、原稿ホルダー2の下面側に配されている。第二の搬送ローラ47は、上記第一の搬送ローラ17が固定された回転軸19に共に固定されている。
【0050】
第二の搬送ローラ47は、駆動モータ20および複数の歯車21からなる上記駆動機構による回転軸19の回転によって、図3中時計廻り反対方向に回転する。
【0051】
読み取り手段48は、第二の搬送ローラ47の上方にて、位置決めされた原稿ホルダー2を第二の搬送ローラ47との間に介するように、第二の搬送ローラ47と対向して配されている。読み取り手段48は、原稿ホルダー2の原稿9の画像をライン毎に読み取るためのCCDセンサからなる密着型イメージセンサ52を構成している。イメージセンサ52は両側方向に長尺な略短冊板状であり、原稿ホルダー2の挿入方向に直交して配置されている。イメージセンサ52は、その長手方向に複数個のドット列として配置された素子を有している。イメージセンサ52の各素子は、原稿ホルダー2側と接触する読取面52a上に焦点が位置するように配列がなされている。
【0052】
また、読み取り手段48としてのイメージセンサ52は、読取面52aを第二の搬送ローラ47に対向させ、読取面52aと第二の搬送ローラ47との間が近接あるいは離間するように第二の保持手段53によって支持されている。
【0053】
以下、第二の保持手段53を説明する。
この第二の保持手段53は、上述した第一の保持手段23と同様に構成されている。ゆえに、第二の保持手段53の構成には、第一の保持手段23と同じ符号を付して説明する。
【0054】
イメージセンサ52の上面には、長尺の支持板24が固定されている。この支持板24は、その上方に支軸25を延設している。支軸25は対をなし、イメージセンサ52の長手方向に併設されている。
【0055】
支持板24は、昇降板26に取り付けられている。昇降板26は、支持板24と同様に長尺に形成され、各支軸25を遊挿する通し穴27が設けられている。そして、通し穴27に支軸25を通し、支軸25の先端を抜止めすることにより、昇降板26に対し、支持板24が支軸25を介して摺動可能に取り付けられる。また、支持板24と昇降板26の間には、支軸25に巻かれた圧縮コイルバネ28が介在されて、互いに離間する方向に付勢されている。
【0056】
昇降板26は、支持軸29に支持されている。支持軸29は、上記第二の搬送ローラ47を固定する回転軸19に対して併設され、回転軸19の上方に回転可能に支持されている。支持軸29には、昇降板26の長手方向の両端部近傍に位置する二箇所にプーリ30が固定されている。各プーリ30には、上方からコイルバネ31が架け廻されている。コイルバネ31の各端部は、昇降板26の長手方向の両端部に固定されている。これにより、昇降板26は、支持軸26にコイルバネ31を介して吊設される。
【0057】
また、支持軸29には、各プーリ30間に同形状の一対の板カム32が固定されている。各板カム32の外周は、コイルバネ31に引き上げられた昇降板26の上面に接触している。
【0058】
支持軸29を回転させることにより、各板カム32が回転すると、板カム32の小径部が昇降板26に接触している時は、昇降板26がコイルバネ31に引き上げられて上方に位置する。また、板カム32の大径部が昇降板26に接触する時は、昇降板26がコイルバネ31のバネ力に抗して下方に移動する。
この支持軸29の回転は、装置外に引き出されている支持軸29の一端に固定された操作レバー33の操作による。
【0059】
即ち、昇降板26の昇降により、イメージセンサ52を固定する支持板24も昇降することとなる。昇降板26の下降に伴って支持板24が下降すると、イメージセンサ52の読取面52aが第二の搬送ローラ47の外周に近接して接触する。昇降板26のさらなる下降に伴って支持板24がさらに下降すると、支持板24が昇降板26との間に介在された圧縮コイルバネ28のバネ力によって押されてイメージセンサ52を適宜第二の搬送ローラ47に押し付けることとなる(図6参照)。
逆に、昇降板26が上昇すると、イメージセンサ52の読取面52aが第二の搬送ローラ47から離間する。このように、第二の保持手段53は、操作レバー33の操作によって、イメージセンサ52の読取面52aと第二の搬送ローラ47との間を近接あるいは離間する。
【0060】
このような第二の挿入路40内において、上述の如く原稿ホルダー2が位置決めされている時、第二の保持手段53によってイメージセンサ52が下降して第二の搬送ローラ47に近接すると、原稿ホルダー2の後端側が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟まれることとなる。この状態から、第二の搬送ローラ47を駆動すると、原稿ホルダー2が第二の挿入路40から排出され始め、ある所定の排出が実行されると原稿9の読み取りを開始することが可能となる。即ち、原稿ホルダー2が位置決めされ、第二の保持手段53によって原稿ホルダー2が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟持された時が読み取り開始の基準位置となる。
【0061】
以下、上記構成の孔版原紙製版装置の各動作を説明する。
まず、孔版原紙組立体1を第一の挿入路10に挿入する。
この際、孔版原紙4側を上面、即ちサーマルヘッド22が当接する側に向けるとともに、下面のバックシート5を、枠体3からの離れるように捲っておく(図1参照)。
【0062】
そして、上記の如く孔版原紙組立体1において、バックシート5が開閉できる他短縁辺側を挿入先端1aとして、第一の挿入路10の挿入口11に挿入し、孔版原紙組立体1が止まるまで押し入れる。
【0063】
孔版原紙組立体1が第一の挿入路10に対して止まるまで押し入れられた時、孔版原紙組立体1は、図5に示すように、枠体3の他短縁辺側である挿入先端1aが先端位置決め部13に当接するとともに、側縁位置決め部15の押圧部15bに押圧された枠体3の一側縁が当接部15aに当接している位置決め状態にある。
【0064】
次に、原稿ホルダー2を第二の挿入路40に挿入する。
この際、上面のカバーシート8を捲り、載置板6の枠線7内に原稿9を載置し、そのうえからカバーシート8を被せておく(図1参照)。
【0065】
そして、上記の如く原稿ホルダー2において、カバーシート8が開閉できる他短縁辺側を挿入先端2aとして、第二の挿入路40の挿入口41に挿入し、原稿ホルダー2が止まるまで押し入れる。
【0066】
原稿ホルダー2が第二の挿入路40に対して止まるまで押し入れられた時、原稿ホルダー2は、図5に示すように、載置板6の他短縁辺側である挿入先端2aが先端位置決め部43に当接するとともに、側縁位置決め部45の押圧部45bに押圧された載置板6の一側縁が当接部45aに当接している位置決め状態にある。
【0067】
上記の如く孔版原紙組立体1と原稿ホルダー2を位置決め状態とした後、操作レバー33を操作する。
そして、操作レバー33の操作により、支持軸29が回転し、図6に示すように、第一の保持手段23および第二の保持手段53が作動してサーマルヘッド22を第一の搬送ローラ17に近接させるとともに、イメージセンサ52を第二の搬送ローラ47に近接させる。
【0068】
サーマルヘッド22が第一の搬送ローラ17に近接すると、これらの間で孔版原紙組立体1の後端部側の孔版原紙4を挟み込む。またイメージセンサ52が第二の搬送ローラ47に近接すると、これらの間で原稿ホルダー2の後端部側を挟みこむ。この際、孔版原紙組立体1側では、タッチセンサ34によって孔版原紙組立体1があることを検出する。また原稿ホルダー2側では、イメージセンサ52が載置板6に形成された一対の検出用パターン7aを読み込んでいることで原稿ホルダー2があることを検出する。
【0069】
続いて、駆動機構を作動させて回転軸を回転させることで、第一の搬送ローラ17および第二の搬送ローラ47が回転し、それぞれ孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2を搬送して各挿入口11,41から排出し始める。ある所定の排出が実行されると、イメージセンサ52側では、原稿9の画像の読み取りが行われ、これと同時にサーマルヘッド22側では、先に読み取った画像における孔版原紙2への書き込みが行われる。
【0070】
なお、孔版原紙組立体1において、これを第一の挿入路10に挿入する際、表裏面や挿入方向を誤るおそれがある。このような場合を想定し、本発明では、図5に示すように、孔版原紙組立体1の挿入先端1aの一側に切欠部1bを設けている。そして、第一の挿入路10の奥方には、切欠部1bに対応して嵌め込まれる凸部35を設けている。このようにすれば、孔版原紙組立体1の表裏面や挿入方向を誤挿入した場合、切欠部1bのない部位が凸部35に当接して孔版原紙組立体1がタッチセンサ34まで届かず、装置側では未挿入として認識される為、これら誤挿入を防止することができる。また、上記切欠部1bと凸部35は、誤挿入の他、切欠部1bの有無によって異なる種類の孔版原紙組立体1の誤挿入をも防止することが可能である。
【0071】
また、原稿ホルダー2において、これを第二の挿入路10に挿入する際に、表裏の面や挿入方向を誤った場合、イメージセンサ52が載置板6に形成された一対の検出用パターン7aを読み込むことができない。このため、装置側では未挿入として認識されるので、これら誤挿入を防止することができる。
【0072】
さらに、上記の如く、孔版原紙組立体1と原稿ホルダー2のそれぞれの後挿入を防止することにより、孔版原紙組立体1の第二の挿入路40への誤挿入、原稿ホルダー2の第一の挿入路10への誤挿入も防止することが可能である。
【0073】
ところで、上述した孔版原紙製版装置において、カラー画像を印刷するための製版を行う場合、シアン,マゼンタ,イエローの色分解が行われた製版をすることとなる。本実施の形態における孔版原紙製版装置では、単色の製版を含め、各製版を実施することが可能である。
以下、カラー画像を得るための図7に例示する操作パネルに従って、各製版動作を説明する。
【0074】
操作パネル60は、図1に示すように本装置の平面部分に配されている。この操作パネル60は、図7の如く、製版設定キー61、読取設定キー62、スタートキー63の操作キーがある。
また、製版設定キー61の領域には、多色用製版(単版)を示す単版ランプ61aと、フルカラー用製版(分版)を示すシアンランプ61b、マゼンタランプ61c、イエローランプ61dがある。
また、読取設定キー62の領域には、文字モードを示す文字・イラストランプ62aと、写真・カラーイラストモードを示す現像写真ランプ62b、その他カラーランプ62cがある。
また、スタートキー63の領域には、スタートランプ63aがある。
【0075】
まず、電源投入時では、単版ランプ61aと文字・イラストランプ62aが点灯する。この状態で、孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2を第一の挿入路10および第二の挿入路40にセットして、スタートキー63を押下すれば、単版の製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0076】
次に、上記電源投入時の設定から、製版設定キー61を押下する。これにより製版の設定がフルカラー用製版のモードに切り替わり、単色ランプ61aが消灯して、シアンランプ61bが点灯する。また、読取設定キー62の領域では、文字・イラストランプ62aが消灯して、現像写真ランプ62bが点灯する。即ち、本製版装置の読み取り部B側では、シアン,マゼンタ,イエローの色分解をする読み取りを行うように設定が切り替わり、最初は色分解したうちのシアンの画像データを読み取る設定となる。
この状態で、孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2をそれぞれセットして、スタートキー63を押下すれば、シアンの製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0077】
シアンの製版が終了後、製版設定キー61の領域においてシアンランプ61bが消灯して、マゼンタランプ61cが点灯し、マゼンタの画像データを読み取る設定となる。
この状態で、新たな孔版原紙組立体1およびシアンの製版で使用した原稿ホルダー2をそれぞれセットして、スタートキー63を押下すれば、マゼンタの製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0078】
マゼンタの製版が終了後、製版設定キー61の領域においてマゼンタランプ61cが消灯して、イエローランプ61dが点灯し、イエローの画像データを読み取る設定となる。
この状態で、新たな孔版原紙組立体1および先と同じ原稿ホルダー2をそれぞれセットして、スタートキー63を押下すれば、イエローの製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0079】
また、上記電源投入時の設定から、読取設定キー62を押下しても、製版の設定が上述のフルカラー用製版のモードに切り替わる。
さらに、続けて読取設定キー62を押下すれば、その他カラーモードとなり、シアンランプ61bが点灯するとともに、その他カラーランプ62cが点灯する。このモードも本製版装置の読み取り部B側では、シアン,マゼンタ,イエローの色分解をする読み取りを行う設定である。
【0080】
したがって、上述した孔版原紙製版装置では、孔版原紙組立体1を第一の挿入路10内に位置決めして挿入し、且つ、原稿9を保持する原稿ホルダー2を第二の挿入路40内に位置決めして挿入するようにしている。また、位置決めされた状態が読み取り開始の基準位置であり、且つ、書き込み開始の基準位置とされており、孔版原紙組立体1に関しては、枠体3内の孔版原紙4のみに第一の搬送ローラ17が当接するようにしている。これにより、枠体3を備えた孔版原紙組立体1への製版を適宜行うことが可能であり、さらに、原稿ホルダー2に保持された原稿9の読み取りと、孔版原紙組立体1の孔版原紙4への書き込み位置を正確にすることが可能となる。
【0081】
特に、フルカラー画像をえるための製版に関しては、原稿ホルダー2に保持した原稿9の位置が変わらず、且つ、原稿ホルダー2の位置決めが正確に行われていることと、孔版原紙組立体1の位置決めが正確に行われていることから、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された製版を正確な位置に行うことが可能であるため、従来のように孔版印刷装置側に煩雑な位置合せの機能と作用を必要とせずに印刷を行うことが可能となる。
【0082】
なお、上述した実施の形態では、孔版原紙製版装置として、書き込み部Aと読み取り部Bとを別々に備えた構成であるが、他の実施の形態として書き込み部Aと読み取り部Bを共用した構成も考えられる。その構成を図8に示す。
また、図8では、上述した実施の形態において同一あるいは同等の構成には、同符号を付す。
【0083】
図8に示すように、他の実施の形態としての孔版原紙製版装置は、上述した実施の形態での第一の挿入路10と第二の挿入路40が共通の挿入路70をなし、上下のリブ片12(42)により孔版原紙組立体1あるいは原稿ホルダー2をそれぞれ挿入できるようになっている。また、挿入路70内でのそれぞれの位置決めに関しては上述した実施の形態と同様に共通の先端位置決め部13(43)、共通の側縁位置決め部15(45)により位置決めされる。
【0084】
挿入路70内には、その内部にて、位置決めされた孔版原紙組立体1を挿入口71から後退させる如く排出する第一の搬送ローラ17と、この搬送中に孔版原紙組立体1の孔版原紙4に製版を行う書き込み手段18(サーマルヘッド22)が設けられている。また、書き込み手段18としてのサーマルヘッド22は、処理面22aを第一の搬送ローラ17に対向させ、処理面22aと第一の搬送ローラ17との間が近接あるいは離間するように第一の保持手段23によって支持されている。
これら第一の搬送ローラ17、書き込み手段18(サーマルヘッド22)、第一の保持手段23に関する構成は上述した実施の形態と同様である。
【0085】
挿入路70内には、その内部にて、位置決めされた原稿ホルダー2を挿入口71から後退させる如く排出する第二の搬送ローラ47と、この搬送中に原稿ホルダー2の原稿9の画像情報の読み取りを行う読み取り手段48(イメージセンサ52)が設けられている。
【0086】
第二の搬送ローラ47は、第一の搬送ローラ17を固定する回転軸19とは別の回転軸19’に固定されて第一の搬送ローラ17と対をなすように併設されている。この第二の搬送ローラ47は、図8では第一の搬送ローラ17の手前側である挿入口71近傍に設けられている。また、第二の搬送ローラ47は、回転軸19’に対し、駆動モータ20および複数の歯車21からなる駆動機構による第一の搬送ローラ17側の回転軸19の回転が伝達されて、図8中時計廻り反対方向に回転する。回転軸19から回転軸19’への回転の伝達は、例えば、図8に示すように、回転軸19と回転軸19’の間に架け廻された環状のベルト72による。
【0087】
読み取り手段48としてのイメージセンサ52は、読取面52aを第二の搬送ローラ47に対向させ、読取面52aと第二の搬送ローラ47との間が近接あるいは離間するように第二の保持手段53によって支持されている。
これら読み取り手段48(イメージセンサ52)、第二の保持手段53に関する構成は上述した実施の形態と同様である。
【0088】
このような挿入路70内において、孔版原紙組立体1が位置決めされている時、第一の保持手段23によってサーマルヘッド22が下降して第一の搬送ローラ17に近接すると、孔版原紙組立体1の後端側にて孔版原紙4が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟まれることとなる。この状態から、第一の搬送ローラ17を駆動すると、孔版原紙組立体1が挿入路70から排出され始め、ある所定の排出が実行されると孔版原紙4への書き込みを開始することが可能となる。即ち、孔版原紙組立体1が位置決めされ、第一の保持手段23によって孔版原紙組立体1が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟持された時が書き込み開始の基準位置となる。
【0089】
また、挿入路70内において、原稿ホルダー2が位置決めされている時、第二の保持手段53によってイメージセンサ52が下降して第二の搬送ローラ47に近接すると、原稿ホルダー2の後端側が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟まれることとなる。この状態から、第二の搬送ローラ47を駆動すると、原稿ホルダー2が挿入路70から排出され始め、ある所定の排出が実行されると原稿9の読み取りを開始することが可能となる。即ち、原稿ホルダー2が位置決めされ、第二の保持手段53によって原稿ホルダー2が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟持された時が読み取り開始の基準位置となる。
【0090】
以下、他の実施の形態での孔版原紙製版装置の各動作を説明する。
まず、原稿ホルダー2を挿入路70に挿入する。
この際、上面のカバーシート8を捲り、載置板6の枠線7内に原稿9を載置し、そのうえからカバーシート8を被せておく(図1参照)。
【0091】
そして、上記の如く原稿ホルダー2において、カバーシート8が開閉できる他短縁辺側を挿入先端2aとして、挿入路70の挿入口71に挿入し、原稿ホルダー2が止まるまで押し入れる。原稿ホルダー2が挿入路70に対して止まるまで押し入れられた時、原稿ホルダー2は位置決め状態にある。
【0092】
原稿ホルダー2を位置決め状態とした後、第二の保持手段53側の操作レバー33を操作する。この操作レバー33の操作により、支持軸29が回転し、第二の保持手段53が作動してイメージセンサ52を第二の搬送ローラ47に近接させる。
【0093】
イメージセンサ52が第二の搬送ローラ47に近接すると、これらの間で原稿ホルダー2の後端部側を挟みこむ。この際、イメージセンサ52が載置板6に形成された一対の検出用パターン7aを読み込んでいることで原稿ホルダー2があることを検出する。
【0094】
続いて、駆動機構を作動させて回転軸を回転させることで、第一の搬送ローラ17および第二の搬送ローラ47が回転し、原稿ホルダー2を搬送して各挿入口71から排出し始める。ある所定の排出が実行されると、イメージセンサ52にて原稿9の画像の読み取りが行われる。読み取られた画像情報は、不図示の記憶手段にて記憶される。
【0095】
次に、原稿ホルダー2が排出された後、孔版原紙組立体1を挿入路70に挿入する。
この際、孔版原紙4側を上面、即ちサーマルヘッド22が当接する側に向けるとともに、下面のバックシート5を、枠体3からの離れるように捲っておく(図1参照)。
【0096】
そして、上記の如く孔版原紙組立体1において、バックシート5が開閉できる他短縁辺側を挿入先端1aとして、挿入路70の挿入口71に挿入し、孔版原紙組立体1が止まるまで押し入れる。孔版原紙組立体1が挿入路70に対して止まるまで押し入れられた時、孔版原紙組立体1は位置決め状態にある。
【0097】
孔版原紙組立体1を位置決め状態とした後、第一の保持手段23側の操作レバー33を操作する。この操作レバー33の操作により、支持軸29が回転し、第一の保持手段23が作動してサーマルヘッド22を第一の搬送ローラ17に近接させる。
【0098】
サーマルヘッド22が第一の搬送ローラ17に近接すると、これらの間で孔版原紙組立体1の後端部側の孔版原紙4を挟み込む。
【0099】
続いて、駆動機構を作動させて回転軸を回転させることで、第一の搬送ローラ17および第二の搬送ローラ47が回転し、孔版原紙組立体1を搬送して各挿入口71から排出し始める。ある所定の排出が実行されると、サーマルヘッド22にて、記憶手段に記憶された画像情報における孔版原紙2への書き込みが行われる。
【0100】
なお、上述した他の実施の形態での孔版原紙製版装置において、カラー画像を印刷するための製版を行う場合、原稿ホルダー2を挿入した原稿9の画像読み取り時に、シアン,マゼンタ,イエローの色分解を行う。そして、その後の各孔版原紙組立体1の挿入時に、シアン,マゼンタ,イエローの各製版をそれぞれ行う。
【0101】
また、原稿9を読み取る際の記憶手段への記憶は、シアン,マゼンタ,イエローの各画像情報をまとめて記憶し、その後各孔版原紙組立体1への製版を行うようにする。あるいは、シアン,マゼンタ,イエローの各画像情報毎に原稿ホルダー2の挿入を行って各色毎に記憶し、その間に孔版原紙組立体1への各色毎の製版を行うようにしてもよい。
【0102】
したがって、他の実施の形態での孔版原紙製版装置では、書き込み部Aと読み取り部Bが共通の挿入路70に配されているため、装置の小型化を図ることができる。
【0103】
そして、この構成において、上述の実施の形態での効果と同様に、枠体3を備えた孔版原紙組立体1への製版を適宜行うことが可能であり、さらに、原稿ホルダー2に保持された原稿9の読み取りと、孔版原紙組立体1の孔版原紙4への書き込み位置を正確にすることが可能となる。
【0104】
また、特に、フルカラー画像を得るための製版に関し、原稿ホルダー2に保持した原稿9の位置が変わらず、且つ、原稿ホルダー2の位置決めが正確に行われていることと、孔版原紙組立体1の位置決めが正確に行われていることから、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された製版を正確な位置に行うことが可能であるため、従来のように孔版印刷装置側に煩雑な位置合せの機能と作用を必要とせずに印刷を行うことが可能となる。
【0105】
なお、上述した全ての実施の形態における孔版原紙製版装置では、位置決めされた孔版原紙組立体1が、サーマルヘッド22と第一の搬送ローラ17との間で挟まれた書き込み開始の基準位置から、ある所定の排出が実行されると書き込みが開始されると説明しているが、これに限らず、上記書き込み開始の基準位置から孔版原紙組立体1が排出されると共に書き込みを開始するようにしてもよい。このように、書き込み開始の基準位置は、サーマルヘッド22、第一の搬送ローラ17および孔版原紙組立体1の各位置関係が、孔版原紙組立体1を排出できる状態にあり、また、孔版原紙組立体1の孔版原紙4に対して書き込み(製版)が可能とされている状態にある位置となる。
【0106】
さらに、読み取り開始の基準位置についても同様に、位置決めされた原稿ホルダー2が、イメージセンサ52と第二の搬送ローラ47との間で挟まれた読み取り開始の基準位置から、ある所定の排出が実行されると読み取りが開始されると説明しているが、これに限らず、上記読み取り開始の基準位置から原稿ホルダー2が排出されると共に読み取りを開始するようにしてもよい。このように、読み取り開始の基準位置は、イメージセンサ52、第二の搬送ローラ47および原稿ホルダー2の各位置関係が、原稿ホルダー2を排出できる状態にあり、また、原稿ホルダー2にある原稿9の読み取りが可能とされている状態にある位置となる。
【0107】
また、上述した全ての実施の形態における孔版原紙製版装置では、孔版原紙組立体1に対して画像を書き込む書き込み部Aと共に、孔版原紙組立体1に書き込むべき画像を読み取るように、原稿ホルダー2に保持された所望の原稿を読み取る読み取り部Bを兼備しているが、読み取り部Bを別にして外部からの画像情報を取り込むようにした書き込み部Aのみの構成であってもよい。
この構成であっても、孔版原紙組立体1の正確な位置決めをし、正確な製版を行うことが可能である。
【0108】
また、上述した全ての実施の形態において、挿入路10,40,70の奥方の上部を覆う外筐カバー80(図1、図3、図8参照)を透明性の材料にて形成することが好ましい。このようにすれば、孔版原紙組立体1や原稿ホルダー2が挿入され、且つ、各先端位置決め部13,43へ当接された状態の確認を目視で行うことが可能となる。また、前記カバー80を透明性の材料にて形成しなくても、各先端位置決め部13,43の周囲が目視できるように窓部(不図示)を開口さたり、該窓部にかかる部分だけを透明性の材料にするようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による孔版原紙製版装置は、孔版原紙組立体を挿入路内に位置決めして挿入し、この位置決めした状態を書き込み開始の基準位置とするとともに、孔版原紙組立体に対して孔版原紙に搬送ローラが当接するようにしている。これにより、枠体を備えた孔版原紙組立体への製版を正確な位置に行うことができる。
【0110】
請求項1に記載の孔版原紙製版装置は、孔版原紙組立体を第一の挿入路内に位置決めして挿入し、且つ、原稿を保持する原稿ホルダーを第二の挿入路内に位置決めして挿入するようにしている。また、それぞれの位置決めされた状態が読み取り開始の基準位置であり、且つ、書き込み開始の基準位置とされており、孔版原紙組立体に対して孔版原紙に第一の搬送ローラが当接するようにしている。これにより、枠体を備えた孔版原紙組立体への製版を正確な位置に行うことができ、さらに、原稿ホルダーに保持された原稿の読み取りも、孔版原紙組立体に対応した位置に正確に行うことができる。
【0111】
請求項2に記載の孔版原紙製版装置は、請求項1に記載の孔版原紙製版装置において、第一の搬送ローラと第二の搬送ローラを共通の回転軸で共通の駆動機構によって駆動し、且つ、第一の保持手段と第二の保持手段が、書き込み手段と読み取り手段とを共に連動するように構成しているため、孔版原紙組立体と原稿ホルダーの位置決めおよび搬送(読み取り,書き込み)を同時に行うことができる。また、各搬送ローラの駆動機構の構成および各保持手段の構成を簡素化して、装置の小型化を図ることができる。
【0112】
請求項3に記載の孔版原紙製版装置は、孔版原紙組立体と原紙ホルダーを共通の挿入路に挿入して位置決めするようにしているため、請求項1にかかる効果に加え、装置の小型化を図ることができる。
【0113】
各請求項に記載の孔版原紙製版装置は、特に、フルカラー画像を得るための製版に関し、原稿ホルダーに保持した原稿の位置が変わらずに保持され、且つ、原稿ホルダーの位置決めが正確に行われていることと、孔版原紙組立体の位置決めが正確に行われていることから、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された製版を正確な位置に行うことができる。これにより、孔版印刷装置側に煩雑な位置合せの機能と作用を必要とせずに印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の孔版原紙製版装置の実施の形態を示す斜視図。
【図2】同孔版原紙製版装置の横断面図(平面視)。
【図3】同孔版原紙製版装置の縦断面図(側面視)。
【図4】同孔版原紙製版装置の縦断面図(正面視)。
【図5】同孔版原紙製版装置の使用状態を示す横断面図(平面視)。
【図6】同孔版原紙製版装置の使用状態を示す縦断面図(側面視)。
【図7】同孔版原紙製版装置の操作パネルを示す図。
【図8】本発明の孔版原紙製版装置の他の実施の形態を示す縦断面図(側面視)。
【図9】一般的な孔版印刷装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1…孔版原紙組立体、2…原稿ホルダー、3…枠体、4…孔版原紙、6…載置板、8…カバーシート、9…原稿、10…第一の挿入路、13…先端位置決め部、15…側縁位置決め部、17…第一の搬送ローラ、18…書き込み手段、19…回転軸、23…第一の保持手段、40…第二の挿入路、43…先端位置決め部、45…側縁位置決め部、47…第二の搬送ローラ、48…読み取り手段、53…第二の保持手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基台上に載置された印刷用紙に対し、製版された孔版原紙を介して押圧板を押し付けて印刷を行う孔版印刷装置にかかり、特に剛性の枠体を備えた孔版原紙組立体に対して適した位置に製版を行うようにした孔版原紙製版装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に知られている孔版印刷装置として、図9に示すものがある。この孔版印刷装置は、印刷用紙101が載置される台座102を有した基台103と、基台103に対して回動自在に軸支された押圧板104とを有している。押圧板104には、基台103に対面し得る側に製版された孔版原紙組立体1が取り付けられる。そして、台座102上に印刷用紙101を載置し、インクを載せた孔版原紙組立体1を取り付けた押圧板104を基台103に向けて回動させ、孔版原紙組立体1の孔版原紙4部分を印刷用紙101に押し付けることにより印刷を行う。
【0003】
上記の孔版印刷装置に用いられる孔版原紙組立体1は、図9に示すように、所定の厚さと剛性を有する略矩形状の枠体3を基体としている。枠体3の一方の面には、孔版原紙4が貼り付けられている。孔版原紙4は、熱可塑性樹脂フィルムに多孔性支持体を貼り合わせて構成された感熱孔版原紙である。また、枠体3の他方の面には、インク不通過性のバックシート5が固定されている、バックシート5は、枠体3と略同一の外形をなしている。バックシート5は、その一短縁辺が、対応する枠体3の一短縁辺に固定されている。
【0004】
このように構成された孔版原紙組立体1において、枠体3は、その剛性により孔版印刷装置の押圧板104の支持部105への取り付けの時の位置決めを行う。また、枠体3は、その厚さにより、孔版原紙4上に載せられる所望のインク量を十分に得ると共に、このインクの外部へのはみ出しを防止する。なお、孔版原紙4上に載せられる所望のインク量とは、多枚数の印刷を行うために必要な量である。
また、バックシート5は、孔版原紙4上に載せられたインクを覆い、インクの漏れを防止する。
【0005】
上記孔版原紙4に製版を行う孔版原紙製版装置としては、ハロゲンランプ,キセノンランプ,フラッシュランプなどによる閃光照射や赤外線照射、レーザ光線などのパルス的照射、あるいはサーマルヘッドなどの熱をコントロールすることにより、所望の穿孔画像を孔版原紙上に形成するものがある。この中で外部からの電気信号を熱に変換して製版する、所謂デジタル方式での製版としては、レーザ光線,サーマルヘッドによる製版が挙げられる。
【0006】
デジタル方式での製版は、写真などのカラー画像や、パソコン,ワープロなどで作成した画像の製版に適している。特にカラー画像の場合には、カラー原稿をシアン,マゼンタ,イエローの三色に色分解した各色毎の製版を行うため、デジタル方式の製版が好適である。
【0007】
そして、一般に孔版原紙に対してデジタル方式(サーマルヘッド)での製版を行う場合、サーマルヘッドに対し孔版原紙を相対移動させる。一般的には、固定されたサーマルヘッドと対向する搬送ローラを有し、搬送ローラの回転駆動と共に、サーマルヘッドと搬送ローラの間に孔版原紙を挟みながら送る。これにより孔版原紙に所望の製版圧がかかって製版が行われる。
【0008】
ところが、上記の如く孔版印刷装置に用いられる孔版原紙組立体1に対して製版を行う場合、剛性を有した枠体3があるため、サーマルヘッドと搬送ローラとによる孔版原紙4の挟み込みが良好に行われない。特に、枠体3近傍の孔版原紙4に対して十分な製版圧がかからず、適宜製版を行うことができなかった。
【0009】
このため、従来では、バックシート5を有した枠体3から、孔版原紙4を分離し、孔版原紙4のみに製版を行った後、枠体3に孔版原紙4を取り付けて孔版原紙組立体1を構成してから印刷を行うようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の孔版原紙製版装置では、製版の後、枠体3への孔版原紙4の取り付けが人手の作業となるので、枠体3と孔版原紙4との間の位置精度が損なわれることとなる。このため、製版時に印刷用紙101の位置に対応するように孔版原紙4への画像の位置決めを行ったとしても、枠体3に対して孔版原紙4に製版された画像位置がズレるおそれがある。即ち、孔版印刷装置側に枠体3を以て位置決めを行っても、その位置は、印刷用紙101に対応するように孔版原紙4に位置決めした画像の正確な位置ではなくなってしまう。
特に、多版刷りであるフルカラー印刷のように、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された複数の孔版原紙4を用いる場合には、上述の位置ズレによって、印刷時に印刷用紙101に対する各孔版原紙4間での位置ズレが発生して鮮明なフルカラー画像が得られないこととなる。
【0011】
このような位置ズレに対し、孔版印刷装置側に対して以下の位置決め機能をもたせている。この機能は、印刷用紙101が載置される台座102を移動調整可能に構成し、一版目終了後に一版目の印刷用紙を台座載置し、一版目上に位置決めされた透明シート(不図示)を置いて二版目を印刷し、二版目が印刷された透明シートの画像に対して、一版目の画像位置が重なるように台座102を移動させる。同様に二版目と三版目との位置決めも行う。
ところが、印刷時において、上記作業を行うことは、操作者にとって不便な作業である。また、上記作業は、ある程度の慣れがないと煩雑な操作である。
【0012】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、孔版原紙組立体に対し所望とする位置に正確に製版を行うことができる孔版原紙製版装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1に記載の孔版原紙製版装置は、剛性を有する略矩形状の枠体と、該枠体の一方の面に貼り付けられる孔版原紙とを有した孔版原紙組立体と、
該孔版原紙組立体が所定方向に挿入できように前記孔版原紙組立体の厚み分を案内する如く形成された第一の挿入路と、
該第一の挿入路の奥方に設けられ、前記第一の挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体の挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記第一の挿入路内の側部に設けられ、前記第一の挿入路内に挿入されている時の前記孔版原紙組立体を挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記第一の挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記孔版原紙組立体を挿入方向と反する方向に搬送して前記第一の挿入路から排出する第一の搬送ローラと、
該第一の搬送ローラと対向して配設され、前記孔版原紙組立体の搬送とともに前記孔版原紙への製版を行う書き込み手段と、
前記第一の搬送ローラと前記書き込み手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記孔版原紙組立体の挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記第一の搬送ローラと前記書き込み手段とを近接させた間で前記孔版原紙を挟持して前記孔版原紙組立体を書き込み開始の基準位置として保持する第一の保持手段と、
剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板と、透明性を有する紙葉体からなり該載置板の一方の面に固定され、前記載置板との間で原稿を保持するカバーシートとを有する原稿ホルダーと、
該原稿ホルダーが所定方向に挿入できように前記原稿ホルダーの厚み分を案内する如く形成された第二の挿入路と、
該第二の挿入路の奥方に設けられ、前記第二の挿入路内に挿入された前記原稿ホルダーの挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記第二の挿入路内の側部に設けられ、前記第二の挿入路内に挿入されている時の前記原稿ホルダーを挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記第二の挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記原稿ホルダーを挿入方向と反する方向に搬送して前記第二の挿入路から排出する第二の搬送ローラと、
該第二の搬送ローラと対向して配設され、前記原稿ホルダーの搬送とともに前記原稿ホルダーにある原稿の読み取りを行う読み取り手段と、
前記第二の搬送ローラと前記読み取り手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記原稿ホルダーの挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記第二の搬送ローラと前記読み取り手段とを近接させた間で前記原稿ホルダーを挟持して前記原稿ホルダーを読み取り開始の基準位置として保持する第二の保持手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の孔版原紙製版装置は、請求項1に記載の孔版原紙製版装置において、
前記第一の搬送ローラと前記第二の搬送ローラが、共通の回転軸に固定されて、共通の駆動機構によって駆動され、
前記第一の保持手段と前記第二の保持手段が、前記書き込み手段と前記読み取り手段とを共に連動して前記第一の搬送ローラと前記第二の搬送ローラとに近接あるいは離間するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の孔版原紙製版装置は、剛性を有する略矩形状の枠体と、該枠体の一方の面に貼り付けられる孔版原紙とを有した孔版原紙組立体と、
剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板と、透明性を有する紙葉体からなり該載置板の一方の面に固定され、前記載置板との間で原稿を保持するカバーシートとを有する原稿ホルダーと、
前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーが所定方向に挿入できように前記孔版原紙組立体および前記原稿ホルダーの厚み分を案内する如く形成された共通の挿入路と、
該挿入路の奥方に設けられ、前記挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーの挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記挿入路内の側部に設けられ、前記挿入路内に挿入されている時の前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーを挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーを挿入方向と反する方向に搬送して前記挿入路から排出するように併設された一対の搬送ローラと、
該搬送ローラの一方と対向して配設され、前記孔版原紙組立体の搬送とともに前記孔版原紙への製版を行う書き込み手段と、
前記搬送ローラの他方と対向して配設され、前記原稿ホルダーの搬送とともに前記原稿ホルダーにある原稿の読み取りを行う読み取り手段と、
前記一方の搬送ローラと書き込み手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記挿入路に挿入された前記孔版原紙組立体の挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記一方の搬送ローラに対し、前記書き込み手段を近接させた間で前記孔版原紙を挟持して前記孔版原紙組立体を書き込み開始の基準位置として保持する第一の保持手段と、
前記他方の搬送ローラと読み取り手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記挿入路に挿入された前記原稿ホルダーの挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記他方の搬送ローラに対し、前記読み取り手段を近接させた間で前記原紙ホルダーを挟持して前記原稿ホルダーを読み取り開始の基準位置として保持する第二の保持手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の孔版原紙製版装置の実施の形態を示す斜視図、図2は同孔版原紙製版装置の横断面図(平面視)、図3は同孔版原紙製版装置の縦断面図(側面視)、図4は同孔版原紙製版装置の縦断面図(正面視)である。
【0018】
本発明の孔版原紙製版装置は、上述した従来例にて説明した孔版原紙組立体1に対して製版を行うものであり、孔版原紙組立体1に対して画像を書き込む書き込み部Aと共に、孔版原紙組立体1に書き込むべき画像を読み取るように、原稿ホルダー2に保持された所望の原稿を読み取る読み取り部Bを兼備している。
【0019】
最初に、孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2について説明する。
孔版原紙組立体1は、図1に示すように、所定の厚さと剛性を有する略矩形状の枠体3を基体としている。枠体3は、厚紙などからなる。
枠体3の一方の面には、孔版原紙4が貼り付けられている。孔版原紙4は、ポリエチレンテレフタレートフィルムや塩化ビニリデンフィルム、ポリエステル、ポリプロピレンフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムに、天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれらを混抄した薄葉紙、不織布、紗などによって構成された多孔性支持体を貼り合わせて構成された感熱孔版原紙である。そして、この孔版原紙4の多孔性支持体側が枠体3の一方の面に貼り付けられる。
枠体3の他方の面には、インク不通過性のバックシート5が固定されている、バックシート5は、枠体3の厚みを介して、枠体3の中央開口部3aから望む孔版原紙4を覆うように、枠体3と略同一の外形をなしている。バックシート5は、その一短縁辺が、対応する枠体3の一短縁辺に固定され、他短縁辺が、対応する枠体3の他短縁辺側に略一致して開閉自在とされている。
【0020】
原稿ホルダー2は、図1に示すように、所定の厚さと剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板6を基体としている。載置板6は、厚紙や合成樹脂板などからなる。この載置板6の一方の面には、略矩形状の枠線7が印刷されている。枠線7は、孔版原紙組立体1において枠体3の中央開口部分3aから望む孔版原紙4の外形と略同じ外形をなしている。即ち、枠線7は、孔版原紙組立体1の孔版原紙4に書き込まれる有効な画像領域をなす。
【0021】
載置板6の一方の面には、透明性を有する紙葉体からなるカバーシート8が固定されている。カバーシート8は、枠線7を覆う外形を有し、載置板6と略同一の幅(短辺)をなしている。カバーシート8は、その一短縁辺が、載置板6の中途部分に固定され、他短縁辺が、対応する載置板6の他短縁辺側に略一致して開閉自在とされている。
【0022】
また、載置板6の一方の面には、枠線7とともに検出用パターン7aが印刷されている。この検出パターン7aは、枠線7のカバーシート8が固定された近傍であって、短縁方向の両側部にそれぞれ形成されて対をなしている。この検出用パターン7aは、例えば三角形状をなしている。
【0023】
所望の原稿9は、載置板6の枠線7内において、読み取られるべき面を表側にして載置される。そしてその上からカバーシート8にて覆われて保持される。
【0024】
以下、本発明の孔版原紙製版装置を説明する。
まず、孔版原紙組立体1に画像情報を書き込む書き込み部Aについて図1乃至図4を以て説明する。
書き込み部Aは、図1、図2及び図4における右側に配されている。この書き込み部Aは、孔版原紙組立体1が挿入される第一の挿入路10を有している。第一の挿入路10の手前側には、孔版原紙組立体1が枠体3の短縁辺側から挿入できるように挿入口11が形成されている。挿入口11には、孔版原紙組立体1の枠体3の短縁辺を受け入れる側幅を有し、且つ、枠体3の両面を受け入れ安いように、徐々に狭まるように上下に対向した各傾斜部11aを有している。
【0025】
第一の挿入路10の上側および下側には、それぞれ孔版原紙組立体1の挿入方向に沿って形成された上下複数のリブ片12が延設されている。上下各リブ片12は、延出した端部が対向し、その間に所定の間隔を有している。この間隔は、孔版原紙組立体1の枠体3の厚み分が通れる間隔である。ゆえに、孔版原紙組立体1は、上下のリブ片12の延出した端部によって案内されて第一の挿入路10に挿入される。
【0026】
第一の挿入路10の奥方には、先端位置決め部13が設けられている。この先端位置決め部13は、第一の挿入路10に挿入された孔版原紙組立体1の挿入先端1aが当接する部位である。本実施の形態での先端位置決め部13は、第一の挿入路10の奥方にて、前記リブ片12と直交するように略垂直に延設されたリブ14の一部に対し、挿入口11側に向かって突出する如く膨出形成されている。なお、図1及び図2において、先端位置決め部13は単一の構成であるが、一様な突出状態で膨出されているものが複数ある構成であってもよい。
【0027】
第一の挿入路10の側部には、側縁位置決め部15が設けられている。側縁位置決め部15は、当接部15aと押圧部15bとを有している。当接部15aと押圧部15bは、第一の挿入路10に挿入された孔版原紙組立体1の両側部にそれぞれ対向して設けられている。
当接部15aは、孔版原紙組立体1の一側縁が当接し得る部位である。本実施の形態での当接部15aは、第一の挿入路10の一側部にて、前記リブ片12と平行するように略垂直に延設されたリブ16の一部に対し、挿入口11側に向かって突出する如く膨出形成されている。
【0028】
また、押圧部15bは、孔版原紙組立体1の他側縁が当接し得る部位であって、該他側縁を孔版原紙組立体1の挿入方向と交わる方向に押し付ける部位である。本実施の形態での押圧部15bは、第一の挿入路10の他側部にて、当接部15aと対向する如く基端が固定された設けられた板バネからなる。そして、この板バネの先端を湾曲させて、第一の挿入路10内に突出するように形成されている。ゆえに、第一の挿入路10に挿入された孔版原紙組立体1は、他側縁が押圧部15bによって進行方向と交わる一方向に押し付けられ、一側縁が押圧部15bと対向する当接部15aに当接して両側方にズレることなく第一の挿入路10内を進退する。また、対をなす当接部15aと押圧部15bは、第一の挿入路10内に複数設けられていることが好ましい。本実施の形態では、二箇所に設けられている。
【0029】
このように、第一の挿入路10内において、挿入された孔版原紙組立体1は、上下方向(面方向)が各リブ片12の間で案内され、且つ、両側方向が側縁位置決め部15によって位置決めされる。さらに、第一の挿入路10内における孔版原紙組立体1は、挿入先端が先端位置決め部13に当接することで挿入方向が位置決めされ、その状態で止まる。
また、第一の挿入路10の奥方には、孔版原紙組立体1が挿入されたか否かを検出する為に、タッチセンサ34が設けられている。
【0030】
また、第一の挿入路10内には、その内部にて、上述の如く位置決めされた孔版原紙組立体1を挿入口11から後退させる如く排出する第一の搬送ローラ17と、この搬送中に孔版原紙組立体1の孔版原紙4に製版を行う書き込み手段18が設けられている。
【0031】
第一の搬送ローラ17は、第一の挿入路10内の挿入口11近傍に設けられている。この第一の搬送ローラ17は、位置決めされた孔版原紙組立体1の後端側であり、枠体2内の孔版原紙4のみに接触し得るように、孔版原紙組立体1の下面側に配されている。第一の搬送ローラ17は、孔版原紙組立体1の挿入方向に直交する回転軸19に固定されている。
【0032】
回転軸19は、回転自在に支持され、駆動モータ20及び駆動モータ20の出力軸の回転を減速して伝達する複数の歯車21からなる駆動機構により、図3中時計廻り反対方向に回転駆動される。第一の搬送ローラ17は、この回転軸19の回転によって同方向に回転する。
【0033】
書き込み手段18は、第一の搬送ローラ17の上方にて、位置決めされた孔版原紙組立体1を第一の搬送ローラ17との間に介するように、第一の搬送ローラ17と対向して配されている。書き込み手段18は、サーマルヘッド22を構成している。サーマルヘッド22は両側方向に長尺な略短冊板状であり、孔版原紙組立体1の挿入方向に直交して設置されている。サーマルヘッド22の下面には、孔版原紙の両側方向(短片方向)と平行に並んだ複数の発熱体を備えた処理面22aが形成されており、この処理面22aが孔版原紙4と接触して孔版原紙4を加熱穿孔する。
【0034】
また、書き込み手段18としてのサーマルヘッド22は、処理面22aを第一の搬送ローラ17に対向させ、処理面22aと第一の搬送ローラ17との間が近接あるいは離間するように第一の保持手段23によって支持されている。
【0035】
以下、第一の保持手段23を説明する。
サーマルヘッド22の上面には、長尺の支持板24が固定されている。この支持板24は、その上方に支軸25を延設している。支軸25は対をなし、サーマルヘッド22の長手方向に併設されている。
【0036】
支持板24は、昇降板26に取り付けられている。昇降板26は、支持板24と同様に長尺に形成され、各支軸25を遊挿する通し穴27が設けられている。そして、通し穴27に支軸25を通し、支軸25の先端を抜止めすることにより、昇降板26に対し、支持板24が支軸25を介して摺動可能に取り付けられる。また、支持板24と昇降板26の間には、支軸25に巻かれた圧縮コイルバネ28が介在されて、互いに離間する方向に付勢されている。
【0037】
昇降板26は、支持軸29に支持されている。支持軸29は、上記第一の搬送ローラ17を固定する回転軸19に対して併設され、回転軸19の上方に回転可能に支持されている。支持軸29には、昇降板26の長手方向の両端部近傍に位置する二箇所にプーリ30が固定されている。各プーリ30には、上方からコイルバネ31が架け廻されている。コイルバネ31の各端部は、昇降板26の長手方向の両端部に固定されている。これにより、昇降板26は、支持軸26にコイルバネ31を介して吊設される。
【0038】
また、支持軸29には、各プーリ30間に同形状の一対の板カム32が固定されている。各板カム32の外周は、コイルバネ31に引き上げられた昇降板26の上面に接触している。
【0039】
支持軸29を回転させることにより、各板カム32が回転すると、板カム32の小径部が昇降板26に接触している時は、昇降板26がコイルバネ31に引き上げられて上方に位置する。また、板カム32の大径部が昇降板26に接触する時は、昇降板26がコイルバネ31のバネ力に抗して下方に移動する。
この支持軸29の回転は、装置外に引き出されている支持軸29の一端に固定された操作レバー33の操作による。
【0040】
即ち、昇降板26の昇降により、サーマルヘッド22を固定する支持板24も昇降することとなる。昇降板26の下降に伴って支持板24が下降すると、サーマルヘッド22の処理面22aが第一の搬送ローラ17の外周に近接して接触する。昇降板26のさらなる下降に伴って支持板24がさらに下降すると、支持板24が昇降板26との間に介在された圧縮コイルバネ28のバネ力によって押されてサーマルヘッド22を適宜第一の搬送ローラ17に押し付けることとなる(図6参照)。
逆に、昇降板26が上昇すると、サーマルヘッド22の処理面22aが第一の搬送ローラ17から離間する。このように、第一の保持手段23は、操作レバー33の操作によって、サーマルヘッド22の処理面22aと第一の搬送ローラ17との間を近接あるいは離間する。
【0041】
このような第一の挿入路10内において、上述の如く孔版原紙組立体1が位置決めされている時、第一の保持手段23によってサーマルヘッド22が下降して第一の搬送ローラ17に近接すると、孔版原紙組立体1の後端側にて孔版原紙4が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟まれることとなる。この状態から、第一の搬送ローラ17を駆動すると、孔版原紙組立体1が第一の挿入路10から排出され始め、ある所定の排出が実行されると孔版原紙4への書き込みを開始することが可能となる。即ち、孔版原紙組立体1が位置決めされ、第一の保持手段23によって孔版原紙組立体1が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟持された時が書き込み開始の基準位置となる。
【0042】
次に、原紙ホルダー2に保持された原稿9の画像情報を読み取る読み取り部Bについて図1乃至図4を以て説明する。
読み取り部Bは、図1、図2及び図4における左側に配されている。この読み取り部Bは、原稿ホルダー2が挿入される第二の挿入路40を有している。第二の挿入路40の手前側には、原稿ホルダー2がその短縁辺側から挿入できるように挿入口41が形成されている。挿入口41には、原稿ホルダー2の短縁辺を受け入れる側幅を有し、且つ、原稿ホルダー2の両面を受け入れ易いように、徐々に狭まるように上下に対向した各傾斜部41aを有している。
【0043】
第二の挿入路40の上側および下側には、それぞれ原稿ホルダー2の挿入方向に沿って形成された上下複数のリブ片42が延設されている。上下各リブ片42は、延出した端部が対向し、その間に所定の間隔を有している。この間隔は、原稿ホルダー2の厚み分が通れる間隔である。ゆえに、原稿ホルダー2は、上下のリブ片42の延出した端部に案内されて第二の挿入路40に挿入される。
【0044】
第二の挿入路40の奥方には、先端位置決め部43が設けられている。この先端位置決め部43は、第二の挿入路40に挿入された原稿ホルダー2の挿入先端2aが当接する部位である。本実施の形態での先端位置決め部43は、第二の挿入路40の奥方にて、前記リブ片42と直交するように略垂直に延設されたリブ44の一部に対し、挿入口41側に向かって突出する如く膨出形成されている。なお、図1および図2において、先端位置決め部43は単一の構成であるが、一様な突出状態で膨出されているものが複数ある構成であってもよい。
【0045】
第二の挿入路40の側部には、側縁位置決め部45が設けられている。側縁位置決め部45は、当接部45aと押圧部45bとを有している。当接部45aと押圧部45bは、第二の挿入路40に挿入された原稿ホルダー2の両側部にそれぞれ対向して設けれている。
当接部45aは、原稿ホルダー2の一側縁が当接し得る部位である。本実施の形態での当接部45aは、第二の挿入路40の一側部にて、前記リブ片42と平行するように略垂直に延設されたリブ46の一部に対し、挿入口41側に向かって突出する如く膨出形成されている。
【0046】
また、押圧部45bは、原稿ホルダー2の他側縁が当接し得る部位であって、該他側縁を原稿ホルダー2の挿入方向と交わる方向に押し付ける部位である。本実施の形態での押圧部45bは、第二の挿入路40の他側部にて、当接部45aと対向する如く基端が固定された設けられた板バネからなる。そして、この板バネの先端を湾曲させて、第二の挿入路40内に突出するように形成されている。ゆえに、第二の挿入路40に挿入された原稿ホルダー1は、他側縁が押圧部45bによって進行方向と交わる一方向に押し付けられ、一側縁が押圧部45bと対向する当接部45aに当接して両側方にズレることなく第二の挿入路40内を進退する。また、対をなす当接部45aと押圧部45bは、第二の挿入路40内に複数設けられていることが好ましい。本実施の形態では、二箇所に設けられている。
【0047】
このように、第二の挿入路40内において、挿入された原稿ホルダー2は、上下方向(面方向)が各リブ片42の間で案内され、且つ、両側方向が側縁位置決め部45によって位置決めされる。さらに、第二の挿入路40内における原稿ホルダー2は、挿入先端が先端位置決め部43に当接することで挿入方向が位置決めされ、その状態で止まる。
【0048】
また、第二の挿入路40内には、その内部にて、上述の如く位置決めされた原稿ホルダー2を挿入口41から後退させる如く排出する第二の搬送ローラ47と、この搬送中に原稿ホルダー2の原稿9の画像情報の読み取りを行う読み取り手段48が設けられている。
【0049】
第二の搬送ローラ47は、第二の挿入路40内の挿入口41近傍に設けられている。この第二の搬送ローラ47は、位置決めされた原稿ホルダー2の後端側に接触し得るように、原稿ホルダー2の下面側に配されている。第二の搬送ローラ47は、上記第一の搬送ローラ17が固定された回転軸19に共に固定されている。
【0050】
第二の搬送ローラ47は、駆動モータ20および複数の歯車21からなる上記駆動機構による回転軸19の回転によって、図3中時計廻り反対方向に回転する。
【0051】
読み取り手段48は、第二の搬送ローラ47の上方にて、位置決めされた原稿ホルダー2を第二の搬送ローラ47との間に介するように、第二の搬送ローラ47と対向して配されている。読み取り手段48は、原稿ホルダー2の原稿9の画像をライン毎に読み取るためのCCDセンサからなる密着型イメージセンサ52を構成している。イメージセンサ52は両側方向に長尺な略短冊板状であり、原稿ホルダー2の挿入方向に直交して配置されている。イメージセンサ52は、その長手方向に複数個のドット列として配置された素子を有している。イメージセンサ52の各素子は、原稿ホルダー2側と接触する読取面52a上に焦点が位置するように配列がなされている。
【0052】
また、読み取り手段48としてのイメージセンサ52は、読取面52aを第二の搬送ローラ47に対向させ、読取面52aと第二の搬送ローラ47との間が近接あるいは離間するように第二の保持手段53によって支持されている。
【0053】
以下、第二の保持手段53を説明する。
この第二の保持手段53は、上述した第一の保持手段23と同様に構成されている。ゆえに、第二の保持手段53の構成には、第一の保持手段23と同じ符号を付して説明する。
【0054】
イメージセンサ52の上面には、長尺の支持板24が固定されている。この支持板24は、その上方に支軸25を延設している。支軸25は対をなし、イメージセンサ52の長手方向に併設されている。
【0055】
支持板24は、昇降板26に取り付けられている。昇降板26は、支持板24と同様に長尺に形成され、各支軸25を遊挿する通し穴27が設けられている。そして、通し穴27に支軸25を通し、支軸25の先端を抜止めすることにより、昇降板26に対し、支持板24が支軸25を介して摺動可能に取り付けられる。また、支持板24と昇降板26の間には、支軸25に巻かれた圧縮コイルバネ28が介在されて、互いに離間する方向に付勢されている。
【0056】
昇降板26は、支持軸29に支持されている。支持軸29は、上記第二の搬送ローラ47を固定する回転軸19に対して併設され、回転軸19の上方に回転可能に支持されている。支持軸29には、昇降板26の長手方向の両端部近傍に位置する二箇所にプーリ30が固定されている。各プーリ30には、上方からコイルバネ31が架け廻されている。コイルバネ31の各端部は、昇降板26の長手方向の両端部に固定されている。これにより、昇降板26は、支持軸26にコイルバネ31を介して吊設される。
【0057】
また、支持軸29には、各プーリ30間に同形状の一対の板カム32が固定されている。各板カム32の外周は、コイルバネ31に引き上げられた昇降板26の上面に接触している。
【0058】
支持軸29を回転させることにより、各板カム32が回転すると、板カム32の小径部が昇降板26に接触している時は、昇降板26がコイルバネ31に引き上げられて上方に位置する。また、板カム32の大径部が昇降板26に接触する時は、昇降板26がコイルバネ31のバネ力に抗して下方に移動する。
この支持軸29の回転は、装置外に引き出されている支持軸29の一端に固定された操作レバー33の操作による。
【0059】
即ち、昇降板26の昇降により、イメージセンサ52を固定する支持板24も昇降することとなる。昇降板26の下降に伴って支持板24が下降すると、イメージセンサ52の読取面52aが第二の搬送ローラ47の外周に近接して接触する。昇降板26のさらなる下降に伴って支持板24がさらに下降すると、支持板24が昇降板26との間に介在された圧縮コイルバネ28のバネ力によって押されてイメージセンサ52を適宜第二の搬送ローラ47に押し付けることとなる(図6参照)。
逆に、昇降板26が上昇すると、イメージセンサ52の読取面52aが第二の搬送ローラ47から離間する。このように、第二の保持手段53は、操作レバー33の操作によって、イメージセンサ52の読取面52aと第二の搬送ローラ47との間を近接あるいは離間する。
【0060】
このような第二の挿入路40内において、上述の如く原稿ホルダー2が位置決めされている時、第二の保持手段53によってイメージセンサ52が下降して第二の搬送ローラ47に近接すると、原稿ホルダー2の後端側が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟まれることとなる。この状態から、第二の搬送ローラ47を駆動すると、原稿ホルダー2が第二の挿入路40から排出され始め、ある所定の排出が実行されると原稿9の読み取りを開始することが可能となる。即ち、原稿ホルダー2が位置決めされ、第二の保持手段53によって原稿ホルダー2が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟持された時が読み取り開始の基準位置となる。
【0061】
以下、上記構成の孔版原紙製版装置の各動作を説明する。
まず、孔版原紙組立体1を第一の挿入路10に挿入する。
この際、孔版原紙4側を上面、即ちサーマルヘッド22が当接する側に向けるとともに、下面のバックシート5を、枠体3からの離れるように捲っておく(図1参照)。
【0062】
そして、上記の如く孔版原紙組立体1において、バックシート5が開閉できる他短縁辺側を挿入先端1aとして、第一の挿入路10の挿入口11に挿入し、孔版原紙組立体1が止まるまで押し入れる。
【0063】
孔版原紙組立体1が第一の挿入路10に対して止まるまで押し入れられた時、孔版原紙組立体1は、図5に示すように、枠体3の他短縁辺側である挿入先端1aが先端位置決め部13に当接するとともに、側縁位置決め部15の押圧部15bに押圧された枠体3の一側縁が当接部15aに当接している位置決め状態にある。
【0064】
次に、原稿ホルダー2を第二の挿入路40に挿入する。
この際、上面のカバーシート8を捲り、載置板6の枠線7内に原稿9を載置し、そのうえからカバーシート8を被せておく(図1参照)。
【0065】
そして、上記の如く原稿ホルダー2において、カバーシート8が開閉できる他短縁辺側を挿入先端2aとして、第二の挿入路40の挿入口41に挿入し、原稿ホルダー2が止まるまで押し入れる。
【0066】
原稿ホルダー2が第二の挿入路40に対して止まるまで押し入れられた時、原稿ホルダー2は、図5に示すように、載置板6の他短縁辺側である挿入先端2aが先端位置決め部43に当接するとともに、側縁位置決め部45の押圧部45bに押圧された載置板6の一側縁が当接部45aに当接している位置決め状態にある。
【0067】
上記の如く孔版原紙組立体1と原稿ホルダー2を位置決め状態とした後、操作レバー33を操作する。
そして、操作レバー33の操作により、支持軸29が回転し、図6に示すように、第一の保持手段23および第二の保持手段53が作動してサーマルヘッド22を第一の搬送ローラ17に近接させるとともに、イメージセンサ52を第二の搬送ローラ47に近接させる。
【0068】
サーマルヘッド22が第一の搬送ローラ17に近接すると、これらの間で孔版原紙組立体1の後端部側の孔版原紙4を挟み込む。またイメージセンサ52が第二の搬送ローラ47に近接すると、これらの間で原稿ホルダー2の後端部側を挟みこむ。この際、孔版原紙組立体1側では、タッチセンサ34によって孔版原紙組立体1があることを検出する。また原稿ホルダー2側では、イメージセンサ52が載置板6に形成された一対の検出用パターン7aを読み込んでいることで原稿ホルダー2があることを検出する。
【0069】
続いて、駆動機構を作動させて回転軸を回転させることで、第一の搬送ローラ17および第二の搬送ローラ47が回転し、それぞれ孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2を搬送して各挿入口11,41から排出し始める。ある所定の排出が実行されると、イメージセンサ52側では、原稿9の画像の読み取りが行われ、これと同時にサーマルヘッド22側では、先に読み取った画像における孔版原紙2への書き込みが行われる。
【0070】
なお、孔版原紙組立体1において、これを第一の挿入路10に挿入する際、表裏面や挿入方向を誤るおそれがある。このような場合を想定し、本発明では、図5に示すように、孔版原紙組立体1の挿入先端1aの一側に切欠部1bを設けている。そして、第一の挿入路10の奥方には、切欠部1bに対応して嵌め込まれる凸部35を設けている。このようにすれば、孔版原紙組立体1の表裏面や挿入方向を誤挿入した場合、切欠部1bのない部位が凸部35に当接して孔版原紙組立体1がタッチセンサ34まで届かず、装置側では未挿入として認識される為、これら誤挿入を防止することができる。また、上記切欠部1bと凸部35は、誤挿入の他、切欠部1bの有無によって異なる種類の孔版原紙組立体1の誤挿入をも防止することが可能である。
【0071】
また、原稿ホルダー2において、これを第二の挿入路10に挿入する際に、表裏の面や挿入方向を誤った場合、イメージセンサ52が載置板6に形成された一対の検出用パターン7aを読み込むことができない。このため、装置側では未挿入として認識されるので、これら誤挿入を防止することができる。
【0072】
さらに、上記の如く、孔版原紙組立体1と原稿ホルダー2のそれぞれの後挿入を防止することにより、孔版原紙組立体1の第二の挿入路40への誤挿入、原稿ホルダー2の第一の挿入路10への誤挿入も防止することが可能である。
【0073】
ところで、上述した孔版原紙製版装置において、カラー画像を印刷するための製版を行う場合、シアン,マゼンタ,イエローの色分解が行われた製版をすることとなる。本実施の形態における孔版原紙製版装置では、単色の製版を含め、各製版を実施することが可能である。
以下、カラー画像を得るための図7に例示する操作パネルに従って、各製版動作を説明する。
【0074】
操作パネル60は、図1に示すように本装置の平面部分に配されている。この操作パネル60は、図7の如く、製版設定キー61、読取設定キー62、スタートキー63の操作キーがある。
また、製版設定キー61の領域には、多色用製版(単版)を示す単版ランプ61aと、フルカラー用製版(分版)を示すシアンランプ61b、マゼンタランプ61c、イエローランプ61dがある。
また、読取設定キー62の領域には、文字モードを示す文字・イラストランプ62aと、写真・カラーイラストモードを示す現像写真ランプ62b、その他カラーランプ62cがある。
また、スタートキー63の領域には、スタートランプ63aがある。
【0075】
まず、電源投入時では、単版ランプ61aと文字・イラストランプ62aが点灯する。この状態で、孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2を第一の挿入路10および第二の挿入路40にセットして、スタートキー63を押下すれば、単版の製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0076】
次に、上記電源投入時の設定から、製版設定キー61を押下する。これにより製版の設定がフルカラー用製版のモードに切り替わり、単色ランプ61aが消灯して、シアンランプ61bが点灯する。また、読取設定キー62の領域では、文字・イラストランプ62aが消灯して、現像写真ランプ62bが点灯する。即ち、本製版装置の読み取り部B側では、シアン,マゼンタ,イエローの色分解をする読み取りを行うように設定が切り替わり、最初は色分解したうちのシアンの画像データを読み取る設定となる。
この状態で、孔版原紙組立体1および原稿ホルダー2をそれぞれセットして、スタートキー63を押下すれば、シアンの製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0077】
シアンの製版が終了後、製版設定キー61の領域においてシアンランプ61bが消灯して、マゼンタランプ61cが点灯し、マゼンタの画像データを読み取る設定となる。
この状態で、新たな孔版原紙組立体1およびシアンの製版で使用した原稿ホルダー2をそれぞれセットして、スタートキー63を押下すれば、マゼンタの製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0078】
マゼンタの製版が終了後、製版設定キー61の領域においてマゼンタランプ61cが消灯して、イエローランプ61dが点灯し、イエローの画像データを読み取る設定となる。
この状態で、新たな孔版原紙組立体1および先と同じ原稿ホルダー2をそれぞれセットして、スタートキー63を押下すれば、イエローの製版を行う(スタートランプ63a点灯)。
【0079】
また、上記電源投入時の設定から、読取設定キー62を押下しても、製版の設定が上述のフルカラー用製版のモードに切り替わる。
さらに、続けて読取設定キー62を押下すれば、その他カラーモードとなり、シアンランプ61bが点灯するとともに、その他カラーランプ62cが点灯する。このモードも本製版装置の読み取り部B側では、シアン,マゼンタ,イエローの色分解をする読み取りを行う設定である。
【0080】
したがって、上述した孔版原紙製版装置では、孔版原紙組立体1を第一の挿入路10内に位置決めして挿入し、且つ、原稿9を保持する原稿ホルダー2を第二の挿入路40内に位置決めして挿入するようにしている。また、位置決めされた状態が読み取り開始の基準位置であり、且つ、書き込み開始の基準位置とされており、孔版原紙組立体1に関しては、枠体3内の孔版原紙4のみに第一の搬送ローラ17が当接するようにしている。これにより、枠体3を備えた孔版原紙組立体1への製版を適宜行うことが可能であり、さらに、原稿ホルダー2に保持された原稿9の読み取りと、孔版原紙組立体1の孔版原紙4への書き込み位置を正確にすることが可能となる。
【0081】
特に、フルカラー画像をえるための製版に関しては、原稿ホルダー2に保持した原稿9の位置が変わらず、且つ、原稿ホルダー2の位置決めが正確に行われていることと、孔版原紙組立体1の位置決めが正確に行われていることから、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された製版を正確な位置に行うことが可能であるため、従来のように孔版印刷装置側に煩雑な位置合せの機能と作用を必要とせずに印刷を行うことが可能となる。
【0082】
なお、上述した実施の形態では、孔版原紙製版装置として、書き込み部Aと読み取り部Bとを別々に備えた構成であるが、他の実施の形態として書き込み部Aと読み取り部Bを共用した構成も考えられる。その構成を図8に示す。
また、図8では、上述した実施の形態において同一あるいは同等の構成には、同符号を付す。
【0083】
図8に示すように、他の実施の形態としての孔版原紙製版装置は、上述した実施の形態での第一の挿入路10と第二の挿入路40が共通の挿入路70をなし、上下のリブ片12(42)により孔版原紙組立体1あるいは原稿ホルダー2をそれぞれ挿入できるようになっている。また、挿入路70内でのそれぞれの位置決めに関しては上述した実施の形態と同様に共通の先端位置決め部13(43)、共通の側縁位置決め部15(45)により位置決めされる。
【0084】
挿入路70内には、その内部にて、位置決めされた孔版原紙組立体1を挿入口71から後退させる如く排出する第一の搬送ローラ17と、この搬送中に孔版原紙組立体1の孔版原紙4に製版を行う書き込み手段18(サーマルヘッド22)が設けられている。また、書き込み手段18としてのサーマルヘッド22は、処理面22aを第一の搬送ローラ17に対向させ、処理面22aと第一の搬送ローラ17との間が近接あるいは離間するように第一の保持手段23によって支持されている。
これら第一の搬送ローラ17、書き込み手段18(サーマルヘッド22)、第一の保持手段23に関する構成は上述した実施の形態と同様である。
【0085】
挿入路70内には、その内部にて、位置決めされた原稿ホルダー2を挿入口71から後退させる如く排出する第二の搬送ローラ47と、この搬送中に原稿ホルダー2の原稿9の画像情報の読み取りを行う読み取り手段48(イメージセンサ52)が設けられている。
【0086】
第二の搬送ローラ47は、第一の搬送ローラ17を固定する回転軸19とは別の回転軸19’に固定されて第一の搬送ローラ17と対をなすように併設されている。この第二の搬送ローラ47は、図8では第一の搬送ローラ17の手前側である挿入口71近傍に設けられている。また、第二の搬送ローラ47は、回転軸19’に対し、駆動モータ20および複数の歯車21からなる駆動機構による第一の搬送ローラ17側の回転軸19の回転が伝達されて、図8中時計廻り反対方向に回転する。回転軸19から回転軸19’への回転の伝達は、例えば、図8に示すように、回転軸19と回転軸19’の間に架け廻された環状のベルト72による。
【0087】
読み取り手段48としてのイメージセンサ52は、読取面52aを第二の搬送ローラ47に対向させ、読取面52aと第二の搬送ローラ47との間が近接あるいは離間するように第二の保持手段53によって支持されている。
これら読み取り手段48(イメージセンサ52)、第二の保持手段53に関する構成は上述した実施の形態と同様である。
【0088】
このような挿入路70内において、孔版原紙組立体1が位置決めされている時、第一の保持手段23によってサーマルヘッド22が下降して第一の搬送ローラ17に近接すると、孔版原紙組立体1の後端側にて孔版原紙4が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟まれることとなる。この状態から、第一の搬送ローラ17を駆動すると、孔版原紙組立体1が挿入路70から排出され始め、ある所定の排出が実行されると孔版原紙4への書き込みを開始することが可能となる。即ち、孔版原紙組立体1が位置決めされ、第一の保持手段23によって孔版原紙組立体1が第一の搬送ローラ17とサーマルヘッド22の間に挟持された時が書き込み開始の基準位置となる。
【0089】
また、挿入路70内において、原稿ホルダー2が位置決めされている時、第二の保持手段53によってイメージセンサ52が下降して第二の搬送ローラ47に近接すると、原稿ホルダー2の後端側が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟まれることとなる。この状態から、第二の搬送ローラ47を駆動すると、原稿ホルダー2が挿入路70から排出され始め、ある所定の排出が実行されると原稿9の読み取りを開始することが可能となる。即ち、原稿ホルダー2が位置決めされ、第二の保持手段53によって原稿ホルダー2が第二の搬送ローラ47とイメージセンサ52の間に挟持された時が読み取り開始の基準位置となる。
【0090】
以下、他の実施の形態での孔版原紙製版装置の各動作を説明する。
まず、原稿ホルダー2を挿入路70に挿入する。
この際、上面のカバーシート8を捲り、載置板6の枠線7内に原稿9を載置し、そのうえからカバーシート8を被せておく(図1参照)。
【0091】
そして、上記の如く原稿ホルダー2において、カバーシート8が開閉できる他短縁辺側を挿入先端2aとして、挿入路70の挿入口71に挿入し、原稿ホルダー2が止まるまで押し入れる。原稿ホルダー2が挿入路70に対して止まるまで押し入れられた時、原稿ホルダー2は位置決め状態にある。
【0092】
原稿ホルダー2を位置決め状態とした後、第二の保持手段53側の操作レバー33を操作する。この操作レバー33の操作により、支持軸29が回転し、第二の保持手段53が作動してイメージセンサ52を第二の搬送ローラ47に近接させる。
【0093】
イメージセンサ52が第二の搬送ローラ47に近接すると、これらの間で原稿ホルダー2の後端部側を挟みこむ。この際、イメージセンサ52が載置板6に形成された一対の検出用パターン7aを読み込んでいることで原稿ホルダー2があることを検出する。
【0094】
続いて、駆動機構を作動させて回転軸を回転させることで、第一の搬送ローラ17および第二の搬送ローラ47が回転し、原稿ホルダー2を搬送して各挿入口71から排出し始める。ある所定の排出が実行されると、イメージセンサ52にて原稿9の画像の読み取りが行われる。読み取られた画像情報は、不図示の記憶手段にて記憶される。
【0095】
次に、原稿ホルダー2が排出された後、孔版原紙組立体1を挿入路70に挿入する。
この際、孔版原紙4側を上面、即ちサーマルヘッド22が当接する側に向けるとともに、下面のバックシート5を、枠体3からの離れるように捲っておく(図1参照)。
【0096】
そして、上記の如く孔版原紙組立体1において、バックシート5が開閉できる他短縁辺側を挿入先端1aとして、挿入路70の挿入口71に挿入し、孔版原紙組立体1が止まるまで押し入れる。孔版原紙組立体1が挿入路70に対して止まるまで押し入れられた時、孔版原紙組立体1は位置決め状態にある。
【0097】
孔版原紙組立体1を位置決め状態とした後、第一の保持手段23側の操作レバー33を操作する。この操作レバー33の操作により、支持軸29が回転し、第一の保持手段23が作動してサーマルヘッド22を第一の搬送ローラ17に近接させる。
【0098】
サーマルヘッド22が第一の搬送ローラ17に近接すると、これらの間で孔版原紙組立体1の後端部側の孔版原紙4を挟み込む。
【0099】
続いて、駆動機構を作動させて回転軸を回転させることで、第一の搬送ローラ17および第二の搬送ローラ47が回転し、孔版原紙組立体1を搬送して各挿入口71から排出し始める。ある所定の排出が実行されると、サーマルヘッド22にて、記憶手段に記憶された画像情報における孔版原紙2への書き込みが行われる。
【0100】
なお、上述した他の実施の形態での孔版原紙製版装置において、カラー画像を印刷するための製版を行う場合、原稿ホルダー2を挿入した原稿9の画像読み取り時に、シアン,マゼンタ,イエローの色分解を行う。そして、その後の各孔版原紙組立体1の挿入時に、シアン,マゼンタ,イエローの各製版をそれぞれ行う。
【0101】
また、原稿9を読み取る際の記憶手段への記憶は、シアン,マゼンタ,イエローの各画像情報をまとめて記憶し、その後各孔版原紙組立体1への製版を行うようにする。あるいは、シアン,マゼンタ,イエローの各画像情報毎に原稿ホルダー2の挿入を行って各色毎に記憶し、その間に孔版原紙組立体1への各色毎の製版を行うようにしてもよい。
【0102】
したがって、他の実施の形態での孔版原紙製版装置では、書き込み部Aと読み取り部Bが共通の挿入路70に配されているため、装置の小型化を図ることができる。
【0103】
そして、この構成において、上述の実施の形態での効果と同様に、枠体3を備えた孔版原紙組立体1への製版を適宜行うことが可能であり、さらに、原稿ホルダー2に保持された原稿9の読み取りと、孔版原紙組立体1の孔版原紙4への書き込み位置を正確にすることが可能となる。
【0104】
また、特に、フルカラー画像を得るための製版に関し、原稿ホルダー2に保持した原稿9の位置が変わらず、且つ、原稿ホルダー2の位置決めが正確に行われていることと、孔版原紙組立体1の位置決めが正確に行われていることから、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された製版を正確な位置に行うことが可能であるため、従来のように孔版印刷装置側に煩雑な位置合せの機能と作用を必要とせずに印刷を行うことが可能となる。
【0105】
なお、上述した全ての実施の形態における孔版原紙製版装置では、位置決めされた孔版原紙組立体1が、サーマルヘッド22と第一の搬送ローラ17との間で挟まれた書き込み開始の基準位置から、ある所定の排出が実行されると書き込みが開始されると説明しているが、これに限らず、上記書き込み開始の基準位置から孔版原紙組立体1が排出されると共に書き込みを開始するようにしてもよい。このように、書き込み開始の基準位置は、サーマルヘッド22、第一の搬送ローラ17および孔版原紙組立体1の各位置関係が、孔版原紙組立体1を排出できる状態にあり、また、孔版原紙組立体1の孔版原紙4に対して書き込み(製版)が可能とされている状態にある位置となる。
【0106】
さらに、読み取り開始の基準位置についても同様に、位置決めされた原稿ホルダー2が、イメージセンサ52と第二の搬送ローラ47との間で挟まれた読み取り開始の基準位置から、ある所定の排出が実行されると読み取りが開始されると説明しているが、これに限らず、上記読み取り開始の基準位置から原稿ホルダー2が排出されると共に読み取りを開始するようにしてもよい。このように、読み取り開始の基準位置は、イメージセンサ52、第二の搬送ローラ47および原稿ホルダー2の各位置関係が、原稿ホルダー2を排出できる状態にあり、また、原稿ホルダー2にある原稿9の読み取りが可能とされている状態にある位置となる。
【0107】
また、上述した全ての実施の形態における孔版原紙製版装置では、孔版原紙組立体1に対して画像を書き込む書き込み部Aと共に、孔版原紙組立体1に書き込むべき画像を読み取るように、原稿ホルダー2に保持された所望の原稿を読み取る読み取り部Bを兼備しているが、読み取り部Bを別にして外部からの画像情報を取り込むようにした書き込み部Aのみの構成であってもよい。
この構成であっても、孔版原紙組立体1の正確な位置決めをし、正確な製版を行うことが可能である。
【0108】
また、上述した全ての実施の形態において、挿入路10,40,70の奥方の上部を覆う外筐カバー80(図1、図3、図8参照)を透明性の材料にて形成することが好ましい。このようにすれば、孔版原紙組立体1や原稿ホルダー2が挿入され、且つ、各先端位置決め部13,43へ当接された状態の確認を目視で行うことが可能となる。また、前記カバー80を透明性の材料にて形成しなくても、各先端位置決め部13,43の周囲が目視できるように窓部(不図示)を開口さたり、該窓部にかかる部分だけを透明性の材料にするようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による孔版原紙製版装置は、孔版原紙組立体を挿入路内に位置決めして挿入し、この位置決めした状態を書き込み開始の基準位置とするとともに、孔版原紙組立体に対して孔版原紙に搬送ローラが当接するようにしている。これにより、枠体を備えた孔版原紙組立体への製版を正確な位置に行うことができる。
【0110】
請求項1に記載の孔版原紙製版装置は、孔版原紙組立体を第一の挿入路内に位置決めして挿入し、且つ、原稿を保持する原稿ホルダーを第二の挿入路内に位置決めして挿入するようにしている。また、それぞれの位置決めされた状態が読み取り開始の基準位置であり、且つ、書き込み開始の基準位置とされており、孔版原紙組立体に対して孔版原紙に第一の搬送ローラが当接するようにしている。これにより、枠体を備えた孔版原紙組立体への製版を正確な位置に行うことができ、さらに、原稿ホルダーに保持された原稿の読み取りも、孔版原紙組立体に対応した位置に正確に行うことができる。
【0111】
請求項2に記載の孔版原紙製版装置は、請求項1に記載の孔版原紙製版装置において、第一の搬送ローラと第二の搬送ローラを共通の回転軸で共通の駆動機構によって駆動し、且つ、第一の保持手段と第二の保持手段が、書き込み手段と読み取り手段とを共に連動するように構成しているため、孔版原紙組立体と原稿ホルダーの位置決めおよび搬送(読み取り,書き込み)を同時に行うことができる。また、各搬送ローラの駆動機構の構成および各保持手段の構成を簡素化して、装置の小型化を図ることができる。
【0112】
請求項3に記載の孔版原紙製版装置は、孔版原紙組立体と原紙ホルダーを共通の挿入路に挿入して位置決めするようにしているため、請求項1にかかる効果に加え、装置の小型化を図ることができる。
【0113】
各請求項に記載の孔版原紙製版装置は、特に、フルカラー画像を得るための製版に関し、原稿ホルダーに保持した原稿の位置が変わらずに保持され、且つ、原稿ホルダーの位置決めが正確に行われていることと、孔版原紙組立体の位置決めが正確に行われていることから、シアン,マゼンタ,イエローに色分解された製版を正確な位置に行うことができる。これにより、孔版印刷装置側に煩雑な位置合せの機能と作用を必要とせずに印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の孔版原紙製版装置の実施の形態を示す斜視図。
【図2】同孔版原紙製版装置の横断面図(平面視)。
【図3】同孔版原紙製版装置の縦断面図(側面視)。
【図4】同孔版原紙製版装置の縦断面図(正面視)。
【図5】同孔版原紙製版装置の使用状態を示す横断面図(平面視)。
【図6】同孔版原紙製版装置の使用状態を示す縦断面図(側面視)。
【図7】同孔版原紙製版装置の操作パネルを示す図。
【図8】本発明の孔版原紙製版装置の他の実施の形態を示す縦断面図(側面視)。
【図9】一般的な孔版印刷装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1…孔版原紙組立体、2…原稿ホルダー、3…枠体、4…孔版原紙、6…載置板、8…カバーシート、9…原稿、10…第一の挿入路、13…先端位置決め部、15…側縁位置決め部、17…第一の搬送ローラ、18…書き込み手段、19…回転軸、23…第一の保持手段、40…第二の挿入路、43…先端位置決め部、45…側縁位置決め部、47…第二の搬送ローラ、48…読み取り手段、53…第二の保持手段。
Claims (3)
- 剛性を有する略矩形状の枠体と、該枠体の一方の面に貼り付けられる孔版原紙とを有した孔版原紙組立体と、
該孔版原紙組立体が所定方向に挿入できように前記孔版原紙組立体の厚み分を案内する如く形成された第一の挿入路と、
該第一の挿入路の奥方に設けられ、前記第一の挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体の挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記第一の挿入路内の側部に設けられ、前記第一の挿入路内に挿入されている時の前記孔版原紙組立体を挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記第一の挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記孔版原紙組立体を挿入方向と反する方向に搬送して前記第一の挿入路から排出する第一の搬送ローラと、
該第一の搬送ローラと対向して配設され、前記孔版原紙組立体の搬送とともに前記孔版原紙への製版を行う書き込み手段と、
前記第一の搬送ローラと前記書き込み手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記孔版原紙組立体の挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記第一の搬送ローラと前記書き込み手段とを近接させた間で前記孔版原紙を挟持して前記孔版原紙組立体を書き込み開始の基準位置として保持する第一の保持手段と、
剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板と、透明性を有する紙葉体からなり該載置板の一方の面に固定され、前記載置板との間で原稿を保持するカバーシートとを有する原稿ホルダーと、
該原稿ホルダーが所定方向に挿入できように前記原稿ホルダーの厚み分を案内する如く形成された第二の挿入路と、
該第二の挿入路の奥方に設けられ、前記第二の挿入路内に挿入された前記原稿ホルダーの挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記第二の挿入路内の側部に設けられ、前記第二の挿入路内に挿入されている時の前記原稿ホルダーを挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記第二の挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記原稿ホルダーを挿入方向と反する方向に搬送して前記第二の挿入路から排出する第二の搬送ローラと、
該第二の搬送ローラと対向して配設され、前記原稿ホルダーの搬送とともに前記原稿ホルダーにある原稿の読み取りを行う読み取り手段と、
前記第二の搬送ローラと前記読み取り手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記原稿ホルダーの挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記第二の搬送ローラと前記読み取り手段とを近接させた間で前記原稿ホルダーを挟持して前記原稿ホルダーを読み取り開始の基準位置として保持する第二の保持手段と、
を備えたことを特徴とする孔版原紙製版装置。 - 前記第一の搬送ローラと前記第二の搬送ローラが、共通の回転軸に固定されて、共通の駆動機構によって駆動され、
前記第一の保持手段と前記第二の保持手段が、前記書き込み手段と前記読み取り手段とを共に連動して前記第一の搬送ローラと前記第二の搬送ローラとに近接あるいは離間するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の孔版原紙製版装置。 - 剛性を有する略矩形状の枠体と、該枠体の一方の面に貼り付けられる孔版原紙とを有した孔版原紙組立体と、
剛性を有する略矩形状の板体からなる載置板と、透明性を有する紙葉体からなり該載置板の一方の面に固定され、前記載置板との間で原稿を保持するカバーシートとを有する原稿ホルダーと、
前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーが所定方向に挿入できように前記孔版原紙組立体および前記原稿ホルダーの厚み分を案内する如く形成された共通の挿入路と、
該挿入路の奥方に設けられ、前記挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーの挿入先端を突き当てて位置決めする先端位置決め部と、
前記挿入路内の側部に設けられ、前記挿入路内に挿入されている時の前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーを挿入方向と交わる一方向に押し付け位置決めする側縁位置決め部と、
前記挿入路内の挿入口近傍に設けられ、前記挿入路内に挿入された前記孔版原紙組立体あるいは前記原稿ホルダーを挿入方向と反する方向に搬送して前記挿入路から排出するように併設された一対の搬送ローラと、
該搬送ローラの一方と対向して配設され、前記孔版原紙組立体の搬送とともに前記孔版原紙への製版を行う書き込み手段と、
前記搬送ローラの他方と対向して配設され、前記原稿ホルダーの搬送とともに前記原稿ホルダーにある原稿の読み取りを行う読み取り手段と、
前記一方の搬送ローラと書き込み手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記挿入路に挿入された前記孔版原紙組立体の挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記一方の搬送ローラに対し、前記書き込み手段を近接させた間で前記孔版原紙を挟持して前記孔版原紙組立体を書き込み開始の基準位置として保持する第一の保持手段と、
前記他方の搬送ローラと読み取り手段との間が近接あるいは離間するように構成し、前記挿入路に挿入された前記原稿ホルダーの挿入先端が前記先端位置決め部に付き当てられている状態にある時、前記他方の搬送ローラに対し、前記読み取り手段を近接させた間で前記原紙ホルダーを挟持して前記原稿ホルダーを読み取り開始の基準位置として保持する第二の保持手段と、
を備えたことを特徴とする孔版原紙製版装置。
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