JP3755389B2 - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のボアをそれぞれ形成する複数のシリンダライナが鋳ぐるまれた内燃機関のシリンダブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、別体に形成した円筒状のシリンダライナを金属材料にて鋳ぐるむことにより形成される内燃機関のシリンダブロックとして、例えば、シリンダライナの外周面に螺旋状或いは円周状の溝を形成したものや、その外周面をショットピーニング加工等により荒らして同外周面に凹凸を形成したもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のシリンダブロックでは、機関運転時に高温にさらされるシリンダライナの上端部とシリンダブロックの界面の接合力が充分でないため、シリンダライナ上端部側でボアが大きく変形してしまうとともに、シリンダライナが燃焼室側へ倒れ込むライナ倒れ込みが発生するおそれがあった。
【0004】
ボアが大きく変形すると、ピストンリングの摺動面であるシリンダライナ内面(ボア壁)とピストンリングのフリクションが増えて燃費が低下し、エンジンの性能が低下してしまう。
【0005】
また、ライナ倒れ込みが発生すると、シリンダライナとシリンダブロック間に空気層ができ、シリンダライナとシリンダブロック間での熱伝導率が低下してしまう。これにより、ピストンリングの摺動面であるシリンダライナ内面(ボア壁)の温度を充分低下させることができず、エンジンオイルの消費が増えてしまう。
【0006】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたもので、機関運転時のライナ倒れ込みの防止及びボア変形の低減を図ってエンジンオイル消費及び燃費を低減し、エンジン性能の向上を図った内燃機関のシリンダブロックの提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
【0010】
請求項1に係る発明は、複数のボアをそれぞれ形成する複数のシリンダライナが鋳ぐるまれた内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記シリンダブロックと接触する前記シリンダライナの上端面を、同シリンダライナの外周面側から内周面側へ下り傾斜となる傾斜面に形成したことを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、シリンダライナの上端面を傾斜面にしたことにより、シリンダライナ上端部とシリンダブロックとの界面での接触面積が増大し、その界面での摩擦力が増大するので、シリンダライナとシリンダブロックの接合力が増大する。
【0012】
こうした接合力の増大に加えて、前記傾斜面を、シリンダライナの外周面側から内周面側へ下り傾斜となる傾斜面にしたことにより、シリンダライナ上端部に押し下げ力が作用すると、その傾斜面の角度に応じてその上端部をシリンダブロック側へ押す分力が発生する。したがって、その分力と、前記面積の増大によるシリンダライナとシリンダブロックの接合力とにより、機関運転時のライナ倒れ込みをより一層防止することができるとともに、ボアの変形をより一層低減することができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記傾斜面に、所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸が形成されていることを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、シリンダライナの傾斜面に所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸を形成することにより、前記界面での接触面積がより増大するので、その界面での摩擦力がより増大する。これとともに、溝或いは凹凸の各々がシリンダブロックに対するシリンダライナのずれをロックする(阻止する)ので、シリンダライナがシリンダブロックに対してよりずれにくくなって前記接合力がより増大する。したがって、機関運転時のライナ倒れ込みをより一層防止することができるとともに、ボアの変形をより一層低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関のシリンダブロックを、多気筒内燃機関、例えば4気筒内燃機関に適用した各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用された内燃機関11の部分断面図である。ここで、内燃機関11はシリンダブロック12およびシリンダヘッド13を備えている。このシリンダブロック12のアッパ部12a内部にはシリンダライナ14が鋳ぐるまれていることによりボア15が形成されている。このボア15内にはピストン16が上下動可能に配置されている。シリンダブロック12のロア部12bはクランクケースを形成している。
【0024】
シリンダライナ14は、図1及び図2に示すように、例えば遠心鋳造で製造された鋳鉄製の円筒体であり、シリンダブロック12全体がAl合金によるダイカスト法にて鋳造される際に同シリンダブロック12に鋳ぐるまれている。このシリンダライナ(鋳鉄ライナ)14は、シリンダブロック(アルミブロック)12内部にドライライナとしてウォータジャケット17とはシリンダブロック12の隔壁18にて隔てられるように鋳ぐるまれている。
【0025】
第1実施形態では、シリンダライナ14の上端部19を、同上端部19とシリンダブロック12との界面での接触面積を増大させる形状とするために、シリンダライナ14の上端面を、同ライナ14の外周面14a側からその内周面14b側へ下り傾斜となる傾斜面20に面取り加工により形成してある。
【0026】
本実施形態の具体例としての実施例1〜3と、比較例1,2とを、図8の表及び図9のグラフにそれぞれ示してある。図8の表では、各実施例及び各比較例における、鋳鉄ライナ14が燃焼室側へ倒れ込むライナ倒れ込みの有無と、ボア変形量とを示してある。
【0027】
ライナ倒れ込みの有無については、各実施例或いは各比較例の鋳鉄ライナ14をボア径がφ82のアルミブロック12に鋳ぐるんだ後、同ブロック12をシリンダヘッド13に組み付けた状態で、恒温槽にて加熱(200℃で8時間加熱)し、この後アルミブロック12を冷却したときの測定結果を示してある。また、ボア変形量については、前記加熱後にアルミブロック12を冷却した状態で、ボア15の内径を内径測定装置で測定した結果を示してある。また、ボア変形量については、図9のグラフにおいても棒グラフで示してある。
【0028】
[ 実施例1〜3]
実施例1は、図3及び図8に示すように、シリンダライナ14を、その傾斜面20の角度(内面取り角度)を10°に形成したものである。
【0029】
実施例2は、図4(a)及び図8に示すように、シリンダライナ14を、その傾斜面20の角度を45°に形成したものである。
実施例3は、図4(b)及び図8に示すように、シリンダライナ14を、その傾斜面20の角度を20°に形成するとともに、その傾斜面に深さが0.2mmの溝30を形成したものである。
【0030】
[ 比較例1,2,5]
比較例1のシリンダライナ14は、遠心鋳造で製造した鋳鉄ライナで、図7及び図8に示すように、その上端面は平坦面であり、その上端面の角部を大きなアールに形成したものである。
【0031】
比較例2のシリンダライナは、図8に示すように、その上端面を上記実施例1と同様の傾斜面に形成し、その傾斜面の角度を5°にしたものである。
比較例5のシリンダライナは、図8に示すように、その上端面を上記実施例1と同様の傾斜面に形成し、その傾斜面の角度を5°に形成するとともに、その傾斜面に深さが0.05mmの溝(ピッチが0.5mm程度のレコード溝の如き溝)を形成したものである。
【0032】
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)比較例1のように、シリンダライナ14の上端面に実施例1〜3のような傾斜面20を形成していないものでは、上記恒温槽での加熱によりライナ倒れ込みが発生し、また、ボア変形量(ボア15の直径変化量)も80μと大きい(図8,9参照)。
【0033】
一方、比較例2のように、シリンダライナ14の上端面に実施例1〜3のような傾斜面20を形成してあるが、その角度が5°程度の小さいものでは、ライナ倒れ込みの発生は有るが、ボア変形量は60μであり、比較例1より低減する(図8,9参照)。
【0034】
一方、比較例5のように、比較例2のように角度の小さい傾斜面に、溝を形成してあるが、同溝の深さが0.05mm程度の小さいものでは、シリンダブロック12とシリンダライナ14との間での滑りを抑えることができない。このため、ボア変形量は比較例2と同じ60μとなり、その溝を設けたことによる効果がない(図8,9参照)。
【0035】
これに対して、実施例1,2,3のように、シリンダライナ14の上端面に傾斜面20を形成し、同傾斜面20の角度を10°,45°,20°にしたものでは、ライナ倒れ込みの発生は無く、ボア変形量も15μ〜30μであり比較例1、2及び3に比べて大幅に少なくなる。
【0036】
このように、シリンダライナ14の上端面を、適度の角度の傾斜面20に形成することにより、シリンダライナの上端部19とシリンダブロック12との界面の面積が増大する。このため、上端部19に作用する応力が緩和されるとともに、その界面の摩擦力が増大するので、シリンダライナとシリンダブロックの接合力が増大する。
【0037】
これにより、機関運転時に、シリンダライナ14が燃焼室側(ボア15側)へ倒れ込むのが抑制されるとともに、シリンダライナ14の上端部19でのボア15の変形が抑制される。したがって、機関運転時のライナ倒れ込みを防止することができるとともに、ボアの変形を低減することができる。これにより、エンジン性能及びオイル消費が向上する。
【0038】
(2)実施例1〜3のように、シリンダライナ14の傾斜面20を、同ライナ14の外周面14a側からその内周面14b側へ下り傾斜となる面にしたことにより、シリンダライナ14の上端部19に押し下げ力(シリンダヘッド13の締結力)が作用すると、その傾斜面20の角度に応じてその上端部19をシリンダブロック12側へ押す分力が発生する。この分力と、前記面積の増大によるシリンダライナ14とシリンダブロック12の接合力とにより、機関運転時のライナ倒れ込みをより一層防止することができるとともに、ボアの変形をより一層低減することができる。
【0039】
(3)実施例3のように、シリンダライナ14の傾斜面20に深さが0.2mmの溝30を形成したものでは、ボア変形量が15μになり、他の実施例2,3に比べて小さくなる傾向が見られる。
【0040】
このように、シリンダライナ14の傾斜面20に所定の深さの溝30を形成することにより、その傾斜面の表面積がより大きくなるとともに、溝30の各々がシリンダブロック12とシリンダライナ14をロックする(係合する)。このため、前記界面の摩擦力がより増大し、シリンダライナ14とシリンダブロック12の接合力がより増大する。これにより、ライナ倒れ込みをより一層抑制することができるとともに、シリンダライナ14の上端部でのボアの変形をより一層抑制することができる。
【0041】
なお、溝30の深さは、0.2mm以上にするのが好ましい。その深さが0.2mmより小さいと、ライナ倒れ込み及びボアの変形を抑制する充分な効果が得られない。
【0042】
(4)傾斜面20の角度は、10°〜45°の範囲内の値に設定するのが好ましい。その角度が10°より小さいと、シリンダライナ14とシリンダブロック12の接合力が小さすぎるからである。一方、その角度が45°より大きいと、傾斜面20の加工が困難になるとともに、ピストン16が上昇した位置でピストンリングと摺接するシリンダライナ14が存在しなくなるからである。
【0043】
傾斜面20の角度を10°〜45°の範囲内の値に設定することにより、図8及び図9の実施例1,2,3の場合のように、ライナ倒れこみを無くすことができ、ボア変形量を充分小さくすることができ、また、傾斜面20の加工が比較的容易である。
【0044】
(5)傾斜面20の角度は、20°〜45°の範囲内の値に設定するのがより好ましい。その理由は、傾斜面20の角度をその範囲内の値に設定することにより、図8及び図9の実施例2,3の場合のように、ボア変形量を実施例1の場合よりも小さくすることができるとともに、傾斜面20の加工がより容易になるからである。
【0045】
[ 第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図5に基づいて説明する。
本実施形態では、シリンダライナ14の上端部19を、同上端部19とシリンダブロック12との界面での接触面積を増大させる形状とするために、シリンダライナの14の水平な上端面に、所定の深さの溝30を形成してある。
【0046】
[ 実施例4]
本実施形態の具体例としての実施例4と、比較例3とを、図8の表及び図9のグラフにそれぞれ示してある。実施例4のシリンダライナ14は、図5及び図8に示すように、水平な上端面に、深さが0.2mmの溝(ピッチが0.5mm程度のレコード溝のような溝)30を形成したものである。
【0047】
[ 比較例3]
比較例3のシリンダライナは、実施例4と同様に、水平な上端面に溝を形成したものであり、その溝の深さを0.05mmにしたものである。
【0048】
以上説明した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(6)比較例3のように、シリンダライナの水平な上端面に、溝を形成してあるが、同溝の深さが0.05mm程度の小さいものでは、シリンダブロック12とシリンダライナ14との間での滑りを抑えることができない。このため、比較例3のボア変形量は上記比較例5よりも少ない70μとなり、その溝を設けたことによる効果がない(図8,9参照)。
【0049】
これに対して、実施例4のように、シリンダライナ14の水平な上端面に、深さが0.2mmの溝30を形成したものでは、シリンダライナ14の上端部19とシリンダブロック12との界面での接触面積が増大する。これとともに、溝30の各々がシリンダブロック12とシリンダライナ14をロックする(係合する)ので、その界面の摩擦力がより増大し、シリンダライナ14とシリンダブロック12の接合力がより増大する。したがって、機関運転時のライナ倒れ込みをより一層防止することができるとともに、ボア変形をより一層低減することができる。
【0050】
[ 第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図6に基づいて説明する。
本実施形態では、シリンダライナ14の上端部19を、同上端部19とシリンダブロック12との界面での接触面積を増大させる形状とするために、シリンダライナ14の上端部19に、同シリンダライナ14の外周面14aから突出した鍔40を形成したものである。
【0051】
[ 実施例5,6]
本実施形態の具体例としての実施例5,6と、比較例4とを、図8の表及び図9のグラフにそれぞれ示してある。
【0052】
実施例5のシリンダライナ14は、図6(a)に示すように、シリンダライナ14の上端部19に、同シリンダライナ14の外周面14aから突出した鍔40を形成したものである。その鍔40の大きさ(シリンダライナ14の外周面14aからの突出長さ)Lは、ライナ14の肉厚に対して(肉厚比で)1.0以上の大きさにするのが好ましい。
【0053】
実施例6のシリンダライナ14は、図6(b)に示すように、シリンダライナ14の上端部19に、同シリンダライナ14の外周面14aから突出した鍔40を形成するとともに、同鍔40の上面及びシリンダライナ14の上端面にわたって深さが0.2mmの溝30を形成したものである。その鍔40の大きさ(シリンダライナ14の外周面14aからの突出長さ)Lは、実施例5と同じ大きさである。
【0054】
[ 比較例4]
比較例4のシリンダライナは、シリンダライナ14の上端部19に、同シリンダライナ14の外周面14aから突出した鍔を形成したものであり、その鍔の大きさは、実施例5の半分に(シリンダライナ14の肉厚に対して肉厚比で0.5に)したものである。
【0055】
以上説明した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(7)比較例4では、実施例5の鍔40と同様の鍔をシリンダライナ14の上端部19に形成してあるが、その鍔の大きさが実施例5の半分しかないものでは、シリンダブロック12とシリンダライナ14との間での滑りを抑えることができない。このため、ライナ倒れ込みが発生し、また、ボア変形量も70μと大きい(図8,9参照)。
【0056】
これに対して、実施例5及び実施例6のように、シリンダライナ14の上端部19に、同ライナ14の外周面14aからの突出長さLがシリンダライナ14の肉厚に対して肉厚比で1.0以上の鍔40を形成したものでは、ライナ倒れ込みが無く、ボア変形量も30μと小さい。
【0057】
このように、シリンダライナ14の上端部19に、同ライナ14の肉厚に対して(肉厚比で)1.0以上の大きさの鍔40を形成することにより、その上端部19とシリンダブロック12との界面での接触面積が増大する。このため、上端部19に作用する応力が緩和されるとともに、その界面の摩擦力が増大するので、シリンダライナ14とシリンダブロック19の接合力が増大する。
【0058】
これにより、機関運転時に、シリンダライナ14が燃焼室側へ倒れ込むのが抑制されるとともに、シリンダライナ14の上端部19でのボア15の変形が抑制される。したがって、機関運転時のライナ倒れ込みを防止することができるとともに、ボア変形を低減することができる。これにより、エンジン性能及びオイル消費が向上する。
【0059】
(8)実施例6のように、シリンダライナ14の上端部19に、前記肉厚比で1.0以上の大きさの鍔40を形成するとともに、同鍔40の上面及びシリンダライナ14の上端面にわたって深さが0.2mmの溝30を形成したものでは、ボア変形量は25μとなり、実施例5よりもボア変形量を小さくすることができる。
【0060】
このように、実施例5と同じ鍔40の上端面に深さが0.2mmの溝30を形成することにより、鍔40の上端面の表面積がより大きくなるとともに、溝30の各々がシリンダブロック12とシリンダライナ14をロックする(係合する)。このため、前記界面の摩擦力がより増大し、シリンダライナ14とシリンダブロック12の接合力がより増大する。これにより、ライナ倒れ込みをより一層抑制することができるとともに、シリンダライナ14の上端部でのボアの変形をより一層抑制することができる。
【0061】
なお、溝30の深さは、0.2mm以上にするのが好ましい。その深さが0.2mmより小さいと、ライナ倒れ込み及びボアの変形を抑制する充分な効果が得られない。
【0062】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、各実施形態は以下に示すようにその構成を変更して実施することもできる。
・上記第1実施形態の実施例3において、シリンダライナ14の傾斜面20に深さが0.2mmの溝30を形成してあるが、傾斜面20に粗さが0.2mmの凹凸を形成してもよい。
【0063】
・上記第2実施形態の実施例4において、シリンダライナ14の水平な上端面に深さが0.2mmの溝30を形成してあるが、その上端面に粗さが0.2mmの凹凸を形成してもよい。
【0064】
・上記第3実施形態の実施例6において、シリンダライナ14の水平な上端面及び鍔40の上面にわたって深さが0.2mmの溝30を形成してあるが、その上端面及び上面にわたって粗さが0.2mmの凹凸を形成してもよい。
【0065】
・上記各実施形態において、シリンダライナ14を鋳鉄製ライナとしているが、シリンダライナ14をアルミ粉末合金製のライナにしてもよい。
・上記各実施形態において、本発明に係る内燃機関のシリンダブロックを、4気筒内燃機関に適用したが、そのシリンダブロックを4気筒以外の多気筒内燃機関、例えば6気筒内燃機関にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における内燃機関の部分断面図。
【図2】 第1実施形態のシリンダライナとシリンダブロックを示す断面図。
【図3】 図2のA部の拡大図で、実施例1のシリンダライナを示す部分断面図。
【図4】 (a)は実施例2のシリンダライナを示す部分断面図、(b)は実施例3のシリンダライナを示す部分断面図。
【図5】 実施例4のシリンダライナを示す部分断面図。
【図6】(a)は実施例5のシリンダライナを示す部分断面図、(b)は実施例6のシリンダライナを示す部分断面図。
【図7】 比較例1のシリンダライナを示す部分断面図。
【図8】 各実施例及び比較例のライナ倒れ込みの有無及びボア変形量を表で示した図。
【図9】各実施例及び比較例のボア変形量を示すグラフ。
【符号の説明】
11…内燃機関、12…シリンダブロック、13…シリンダヘッド、14…シリンダライナ、14a…外周面、14b…内周面、15…ボア、16…ピストン、17…ウォータジャケット、18…隔壁、19…上端部、20…傾斜面、30…溝、40…鍔。
Claims (2)
- 複数のボアをそれぞれ形成する複数のシリンダライナが鋳ぐるまれた内燃機関のシリンダブロックにおいて、
前記シリンダブロックと接触する前記シリンダライナの上端面を、同シリンダライナの外周面側から内周面側へ下り傾斜となる傾斜面に形成したことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。 - 前記傾斜面に、所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のシリンダブロック。
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