JP3745278B2 - 帯電部材ならびにそれを用いる帯電装置および電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電部材ならびにそれを用いた帯電装置および電子写真装置に関する。詳しくは、本発明は、複写機、プリンター等において、静電潜像プロセスに用いられる感光体等の潜像保持体を帯電させるのに使用する帯電部材、ならびにこれを用いた帯電装置および電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンター等の電子写真プロセスでは、まず、感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成し、次いで、トナーの付着によるトナー像の形成、紙等の記録媒体へのトナー像の転写により、プリントする方法がとられている。
【0003】
この場合、最初の感光体を帯電させる操作は、コロナ放電方式が一般的に採用されてきた。しかしながら、このコロナ放電方式は6〜10kVもの高電圧印加が必要とされるため、機械の安全保守の観点から好ましくない。また、コロナ放電中にオゾン等の有害物質が発生するため環境上の問題もある。
【0004】
このため、コロナ放電に比べて低い印加電圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質の発生を抑制することができる帯電方式への取り組みがなされてきている。かかる帯電方式の試みとして、電圧を印加した帯電部材を感光体等の被帯電体に所定の圧力で当接させて被帯電体を帯電させる接触方式による方法が提案されている。
【0005】
この接触帯電方式で使用される帯電部材としては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等の弾性体層の表面に、ナイロン、アクリル、ウレタン等の樹脂溶液をディッピング法やスプレー法等により塗布して、塗膜層を形成したものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この接触帯電方式では、帯電部材と被帯電部材が常に接触しているので、従来のワイヤーなどからの放電により非接触で被帯電部材を帯電させるコロナ方式などと比較して、帯電部材の耐久性が問題となりやすい。
【0007】
この接触帯電方式における帯電部材の耐久性には、残留トナー及びトナーに付着している外添剤等が大きく影響している。即ち、転写不良、クリーニング不良により感光ドラム表面に残留したわずかなトナー及びトナーに付着している外添剤等がしだいに帯電部材に付着し、ひどい場合には帯電部材表面に物理的に埋め込まれて固着し、これが帯電不良を引き起こすようである。本来、このような問題に対しては、転写効率、クリーニング効率を向上させて,残留トナーが帯電部材の帯電部分に到達しないようにするのが根本的対策であるが、現状の技術では残留トナー及びトナーに付着している外添剤等を100%排除することは困難である。そこで、帯電部材の表面に残留トナー及びトナーに付着している外添剤等が付着することを防止するため、化学的に防汚性に優れたフッ素系の材料を帯電部材表面にコーティングすることが提案されているが、効果はあるものの必ずしも十分な耐久性が得られていないのが現状である。
【0008】
また、従来帯電部材を構成する導電性弾性体層は、安定な当接を達成する為に低硬度な材料、例えば軟化剤が多量に配合されたゴム、あるいはウレタンフォーム等が用いられてきた。導電性弾性体層を低硬度化することで、帯電部材両端部にかける荷重が一定の場合、当接面積が増大する為、当接圧力が低下する。つまり当接圧力が低下すると、帯電部材の表面に残留トナー及びトナーに付着している外添剤等が物理的に埋め込まれることが軽減できる。
【0009】
しかし、逆に帯電部材自身の変形量が大きくなる為、圧縮による永久変形性が悪化してしまうという現象がどうしても生じてしまい、この圧縮永久変形とのバランスが非常に困難となっている。
【0010】
また、プロセススピードが高速化してくると、当接部分での材料の圧縮/伸張の繰り返しによる材料疲労により、帯電部材の表面の汚れがより顕著になる問題も生じてきた。
【0011】
ここで、特開平11−295962号公報に開示されているように、帯電部材の表面硬度がユニバーサル硬度で10N/mm2 以下で、部材の表面硬度をアスカーC硬度で65度以下とすることで上記問題を解決するものとされているが、実際に追試を行った結果、表面硬度がユニバーサル硬度で10N/mm2 以下のものでは、残留トナー及びトナーに付着している外添剤等の部材表面への物理的な埋め込みが軽減出来ず、汚れが大きい。更に帯電部材の硬度がアスカーCで65度以下の為、帯電部材自身の変形量が大きく、圧縮永久変形性が大きい為、画像上に永久変形による横スジが発生した。
【0012】
また、特開平11−295969号公報に開示されているように、部材表面のユニバーサル硬度を測定する際に、部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))が0.4以上と規定されてはいるが、実際には上記範囲でもユニバーサル硬度が10N/mm2 以下のものでは帯電部材の表面に残留トナー及びトナーに付着している外添剤等が付着することを防止できない。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複写機、プリンター等の静電潜像プロセスに用いた場合でも、トナーの付着による性能劣化を生じることなく長期に亘って安定した性能を発揮することができ、耐久性に優れ、更に高速のプロセスに対応した帯電部材、及び該帯電部材を用いた帯電装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、導電性支持体上に導電性弾性体層を有し、更にその外周に導電性樹脂層を有する帯電部材において、前記導電性樹脂層の表面硬度が、表面から深さ1μmにおけるユニバーサル硬度(HU)で、100<HU<200[N/mm2 ]であり、かつ部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))が0.3<We/(We+Wr)<0.7で、帯電部材硬度をアスカーC硬度で70度以上と調整することにより、トナーの付着による帯電部材の性能低下を生じることなく長期に亘って安定した帯電操作を行うことができることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
即ち、後で詳述するが、上記ユニバーサル硬度によれば、帯電部材表面の極表面範囲で、所望の深さにおける硬度を測定することができ、この場合、トナー及びトナーに付着している外添剤等は、この分だけ部材表面に凹部が形成されることになるが、測定の際は、四角錘あるいは三角錘形状の圧子を一定量侵入させる際に、その侵入量の約10倍以上の厚みが無いとその下層の特性値も影響する為、表面層が非常に薄い場合は真の値を算出することは出来ない。この為表面層の固有の特性を把握する為に、実際の帯電部材で使用する表面層相当の厚みを考慮し、その表面層材料サンプルを別途作製し、圧子の侵入量を1μmと設定することで、本発明を完成したものである。
【0016】
従って、本発明は、導電性支持体上に導電性弾性体層を有し、更にその外周に導電性樹脂層を有する帯電部材において、
(1) 前記導電性樹脂層の表面硬度は、表面から深さ1μmにおけるユニバーサル硬度(HU)で、100<HU<200 [N/mm2 ]であり、前記部材の部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の前記部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))は0.3<We/(We+Wr)<0.7であることを特徴とする帯電部材、及び
(2) 前記帯電部材のアスカーC硬度を70度以上とし、一定荷重による帯電部材の変形を出来る限り小さくすることで、接触部で圧縮/伸張の繰り返しによる材料疲労を低減することを特徴とする帯電部材を提供する。
(3)この帯電部材における好ましい態様は、前記導電性弾性体層が、導電性弾性層1次加硫チューブに該導電性支持体を挿入した後、その導電性弾性層1次加硫チューブを2次加硫せしめて得られたものであり、該導電性樹脂層が、表面層用塗料の塗工膜である。
【0017】
また、本発明は、電子写真装置に用いられる帯電装置において、前記帯電部材を像担持体に接触させた状態で、前記支持体に印加する電圧として直流電圧を用いることを特徴とする帯電装置であって、帯電部材として、上記(1)〜(3)のいずれかを満足する帯電部材を用いることを特徴とする帯電装置を提供する。また、本発明は、(1)〜(3)のいずれかを満足する帯電部材を有していることを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明の帯電部材は、上述のように、表面のユニバーサル硬度と、ローラ硬度を適正化したことにより、トナーの付着,固着による帯電性能の劣化を防止して、耐久性の向上を図り、更に高速プロセスにも対応したものである。
【0019】
このユニバーサル硬度の測定は、市販の硬度測定装置を用いて行うことができ、例えば、表面皮膜物性試験(フィッシャーインストルメンツ製 フィッシャースコープH100V)で測定し、表面層のユニバーサル硬度(HU)を求めることができる。
【0020】
本発明の帯電部材は、上記ユニバーサル硬度を有するものであればよく、その構造や形状に制限はないが、通常は弾性体層上に塗膜等からなる外層を形成した構造とされ、またその形状は被帯電体の潜像保持体と安定的に接触し得、電圧印加によって該潜像保持体に均一に電荷を与えることができるものであればいずれの形状でもよく、例えばロール状、プレート状、ブロック状など、種々の形態とすることができるが、通常はロール状とすることが好ましい。
【0021】
本発明の帯電部材の構造及び形態として、例えば図1に示したように、弾性体層(導電性弾性体層)12を支持体(導電性支持体)11の外周に形成し、該弾性体層12の外側に、表面層13を形成した帯電部材1を例示することができる。この場合、上記支持体11は金属或いはプラスチック製の支持体とすることができ、また帯電部材の形態や帯電部材が用いられる帯電装置の機構などによっては、この支持体11を省略することもできる。
【0022】
上記弾性体層12としては、従来から帯電部材の弾性体層として用いられているゴムや熱可塑性エラストマー等のソリッド体で形成することができる。具体的には、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物、あるいは熱可塑性エラストマーで、その種類としては特に制限はなく、汎用のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどから選ばれる1種あるいは複数種の熱可塑性エラストマーを好適に用いることができる。
【0023】
スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製「ラバロン」、クラレ(株)製「セプトンコンパウンド」等が挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製の「サーモラン」、三井石油化学工業(株)社製の「ミラストマー」、住友化学工業(株)社製の「住友TPE」、アドバンストエラストマーシステムズ社製の「サントプレーン」等として市場より求めることができる。
【0024】
この弾性体層12には、導電剤を添加することにより、所定の導電性を付与することができる。その導電剤としては、特に制限されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi+、Na+、K+等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH4 +塩等の電解質、また、Ca(ClO4)2等のCa2+、Ba2+等の周期律表第2族の金属塩、及びこれらの帯電防止剤が、少なくとも1個以上の水酸基、カルボキシル基、一級ないし二級アミン基等のイソシアネートと反応する活性水素を有する基を持ったものが挙げられる。更には、それら等と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールとその誘導体等の錯体あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体等のイオン導電剤、又はケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。この場合、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常弾性体層12の体積抵抗率が102〜108Ω・cm、好ましくは103〜106Ω・cmとなるように調整される。
【0025】
上記表面層13は、帯電部材表面に形成した際に、該部材表面の硬度を上述したユニバーサル硬度に調整し得るものであればよいが、該部材表面に柔軟性、平滑性を付与し得るものが好ましく用いられる。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが上げられ、有機系、水系のいずれのものも使用することができる。
【0026】
更に、この表面層13は必要に応じて架橋剤等の添加剤を適量添加することができる。この場合、架橋剤としては、所望の架橋効果が得られるものであればいずれのものでもよい。例えば、エポキシ系、オキサゾリン系、メラミン系、イソシアネート系、フェノール系の架橋剤を例示することができる。
【0027】
また、表面層13には、導電剤を添加して導電性を付与又は調整することができ、この場合導電剤としては、特に制限されるものではないが、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物等を用いることができる。
【0028】
更に前記導電剤を有機系溶剤で使用する場合は、分散性を考慮し、導電剤の表面をシランカップリング処理等の表面処理を施すことが好ましい。
【0029】
また上記導電剤の添加量は、所望とする抵抗が得られるように適宜調整することができる。この場合、表面層13の抵抗は、体積抵抗率103 〜1015Ω・cm、特に105 〜1014Ω・cmとすることが好ましく、このような体積抵抗率を達成するように導電剤の添加量を調整することができ、導電剤としてシランカップリング剤により表面処理を施されたアンチモンドープの酸化錫を用いた場合の添加量は、通常、表面層13の0.01〜40質量%、特に5〜20質量%程度とされる。
【0030】
なお、この表面層13には、必要に応じて導電剤以外の無機充填剤、例えば炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカを添加してもよい。更に前記無機充填剤を溶剤系塗料中で使用する場合は、塗料中に分散しやすいように疎水性の表面処理が施されているのが好ましい。また増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の適宜な添加剤を必要に応じて適量添加することができ、この場合添加剤は無機系,有機系のいずれであってもよい。
【0031】
この表面層13の厚さは、特に制限されるものではないが、50μm以下、特に10〜30μmとすることが好ましく、表面層13の厚さが50μmを超えると、表面層13が硬くなって柔軟性が損なわれる場合があり、耐久性が低下して使用によりクラックが発生する虞がある。
【0032】
上記表面層13の形成方法は、特に制限されるものではないが、各成分を含む塗料を調製し、この塗料をディッピング法やスプレー法により塗布して塗膜を形成する方法が好ましく用いられる。この場合、表面層を複数層とする場合には、それぞれの層を形成する塗料を用いてディピングやスプレーを繰り返せばよい。なお、表面層の形成方法は、上記ディッピング法やスプレー法が好ましく採用されるが、これに限定されるものではなく、上述したユニバーサル硬度を逸脱しないものであれば、押し出し成形等により形成されたものであってもよい。
【0033】
本発明の帯電部材は、上述のように、部材表面のユニバーサル硬度を適正化し、トナーの付着,固着を防止して耐久性を向上させたものであるが、特に制限されるものではないが、更に帯電部材のアスカーC硬度を70度以上とすることが好ましく、このようにアスカーC硬度を制御することにより、帯電部材自身の変形量を極力小さく、具体的には20μm以下、好ましくは15μm以下とすることで、導電性樹脂層のユニバーサル硬度(HU)で、100<HU<200 [N/mm2 ]の特性を使用することが可能となる。
【0034】
図2は、本発明の帯電装置を電子写真装置に適用した例を示す。21は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(感光体)である。この感光体21は、図中の矢印が示す時計回りに所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動する。感光体21には、例えばロール状の導電性支持体と該支持体上に無機感光材料または有機感光材料を含有する感光層を少なくとも有する公知の感光体等を採用すればよい。また、感光体21は、感光体表面を所定の極性、電位に帯電させるための電荷注入層を更に有していてもよい。
【0035】
22は帯電部材としての帯電ローラ(導電性ローラ)である。帯電ローラ22と帯電ローラ22に帯電バイアスを印加するバイアス印加電源S1とによって帯電手段が構成されている。帯電ローラ22は、感光体21に所定の押圧力で接触させてあり、本例では感光体21の回転に対して順方向に回転駆動する。この帯電ローラ22に対してバイアス印加電源S1から、所定の直流電圧(本例では−1200Vとする)が印加されることで、感光体21の表面が所定の極性電位(本例では暗部電位−600Vとする)に一様に接触帯電方式のうちのDC帯電方式で帯電処理される。
【0036】
23は露光手段である。この露光手段23には公知の手段を利用することができ、例えばレーザービームスキャナー等を好適に例示することができる。
感光体21の帯電処理面に該露光手段23により目的の画像情報に対応した像露光がなされることにより、感光体帯電面の露光明部の電位(本例では明部電位−350Vとする)が選択的に低下(減衰)して感光体21に静電潜像が形成される。
【0037】
24は反転現像手段である。現像手段24としては公知の手段を利用することができ、例えば本例における現像手段24は、トナーを収容する現像容器の開口部に配設されてトナーを担持搬送するトナー担持体24aと、収容されているトナーを撹拌する撹拌部材24bと、トナー担持体24aのトナーの担持量(トナー層厚)を規制するトナー規制部材24cとを有する構成とされている。現像手段24は、感光体21表面の静電潜像の露光明部に、感光体21の帯電極性と同極性に帯電(本例では現像バイアス−350Vとする)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー像として可視化する。現像方式としては特に制限はなく、既存の方法すべてを用いることができる。既存の方法としては、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式及び磁気ブラシ方式等が存在するが、特にカラー画像を出力する画像形成装置には、トナーの飛散性改善等の目的より、接触現像方式が好ましいといえる。
【0038】
25は転写手段としての転写ローラである。転写ローラ25は公知の手段を利用することができ、例えば金属等の導電性支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなる転写ローラ等を例示することができる。転写ローラ25は、感光体21に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、感光体21の回転と順方向に感光体21の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、バイアス印加電源S2からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定のタイミングで給紙され、その転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラ25により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップ部において感光体21面側のトナー画像が転写材Pの表面側に静電転写される。
【0039】
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体面から分離して、不図示のトナー画像定着手段へ導入されて、トナー画像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。
【0040】
転写残余トナー等の感光体21上の残留物は、ブレード型等のクリーニング手段26により、感光体21上より回収される。
【0041】
また、27は前露光手段である。感光体21に残留電荷が残るような場合には、帯電部材22による一次帯電を行う前に、前露光手段27によって感光体21の残留電荷を除去したほうがよい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
【0043】
[実施例1]
導電性弾性体層の調製
エピクロルヒドリンゴム(商品名:「エピクロマーCG102」:ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム30質量部、研磨性改善のための補強材としての着色グレードカーボン(商品名:「シーストSO」:東海カーボン製)2質量部、酸化亜鉛5質量部、可塑剤DOP 10質量部、下記構造[化1]の過塩素酸4級アンモニウム塩 3質量部、
【0044】
【化1】
【0045】
老化防止剤(2−メルカプトベンズイミダゾール)1質量部をオープンロールで20分間混練し、更に加硫促進剤DM 1質量部、加硫促進剤TS 0.5質量部、加硫剤としてイオウ 1質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
【0046】
これをゴム押出機で、外径15mm、内径5.5mmの円筒形に押出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で、160℃の水蒸気で40分間1次加硫し、導電性弾性体層1次加硫チューブを得た。次に直径6mm、長さ256mmの円柱形の導電性支持体(鋼製 表面工業ニッケルメッキ)の円柱面の軸方向中央部231mmに金属とゴムとの熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20)を塗布し、80℃×30分間乾燥後、120℃×1時間乾燥した。この支持体を前記導電性弾性体基層ゴム1次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブン中で160℃×2時間、2次加硫と接着剤硬化を行い、未研磨品を得た。この未研磨品のゴム部分の両端を突っ切り、ゴム部分の長さを231mmとした後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径12.00mm、中央部12.10mmのクラウン形状で表面の十点平均粗さRz7μm、振れ25μmの導電性弾性体層を有する帯電部材を得た。
【0047】
導電性弾性体層を有する帯電部材をN/N(常温常湿:23℃×55%Rh)環境に24時間放置し、図3に示すように、円筒電極(金属ローラ)31、固定抵抗器32、記録計(レコーダ)33等から構成された電流値測定装置によって導電性弾性体層を有する帯電部材の抵抗測定を行った。この帯電部材の電気抵抗は1.9×105 [Ω]、硬度は74[度](Asker C)であった。
【0048】
表面層の調製
導電性酸化錫粉体(商品名:「SN−100P」:石原産業(株)製)50質量部に、トリフルオロプロピルトリメトキシシランの1%イソプロピルアルコール溶液500質量部と平均粒子径0.8mmのガラスビーズ300質量部を加え、ペイントシェーカーで70時間分散後、分散液を500メッシュの網でろ過し、次にこの溶液をナウターミキサーで撹拌しながら100℃の湯浴で暖め、アルコールを蒸発して乾燥させ、表面にシランカップリング剤を付与し、表面処理導電性酸化錫を得た。
【0049】
更にラクトン変性アクリルポリオール(商品名:「プラクセルDC2009(水酸基価 90KOHmg/g)」:ダイセル化学工業(株)製)163質量部を、437質量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分39質量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対して、前記表面処理導電性酸化錫粉体を54.3質量部、シリコーンオイル(商品名:「SH−28PA」:東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)を0.01質量部、微粒子シリカ(一次粒子径0.02μm)を1.14質量部配合し、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのマヨネーズビンに入れて、ペイントシェーカーを使用し、16.5時間分散した。
【0050】
更にこの分散液370質量部にイソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(IPDI)(商品名:「ベスタナートB1370」:デグサ・ヒュルス製)を29.6質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(HDI)(商品名:「デュラネートTPA−B80E」:旭化成工業(株)製)19.0質量部を混合し、ボールミルで1時間撹拌し、最後に500メッシュの網で溶液をろ過して表面層用塗料を得た。
【0051】
前記表面層用塗料をディッピングにより、前記導電性弾性体層を有する帯電部材の表面に塗工した。引き上げ速度400mm/minで塗工し、30分間風乾後、軸方向を反転し、再度引き上げ速度400mm/minで塗工し、30分間風乾後、オーブンで160℃×1時間乾燥した。このとき膜厚は20μmであった。また、帯電部材のアスカーC硬度は75度であった。こうして完成した帯電部材を実施例1とした。
【0052】
表面層のユニバーサル硬度測定は、先ず前記表面層用塗料を厚さ100μmのアルミニウムシート上にロールコーターを用いて、塗膜を形成し、10分間風乾後、オーブンで160℃×1時間乾燥した。膜厚は30μmであった。この塗膜シートを適当な大きさに切り出し、表面皮膜物性試験(フィッシャーインストルメンツ製 フィッシャースコープH100V)で測定し、表面層のユニバーサル硬度(HU)及び部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))を測定した。ユニバーサル硬度(HU)は184.5、(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))は0.34であった。更に表面層の体積抵抗値は5.3×1014[Ω・cm]であった。
【0053】
帯電部材の評価
上記のようにして得られた帯電部材を用いて、以下に示すようにして評価を行った。
本試験で使用した電子写真式レーザープリンターはA4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、45mm/sec、94mm/secの2モードで画像解像度は600dpiである。
【0054】
感光体はアルミニウム製シリンダーに膜厚18μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。トナーは、ワックスを中心に電荷制御剤と色素等を含有するスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更に表面にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子を外添した。このトナーのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径は6μmである。
【0055】
画像の評価は全て、低温低湿環境(L/L:15℃×10%Rh)で行い、ハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)画像を出力し、15,000枚の連続耐久を実施した。耐久後の帯電部材表面の汚れに起因する帯電ムラが発生しないかどうかを見た。帯電ムラが発生しないものを◎、少し発生したものを○、中程度に発生するものを△、非常にムラが大きかったものを×とした。
【0056】
また、帯電部材を画像形成装置中で使用するときと同じ状態で感光体に当接させ、40℃×95%Rh環境下で30日間放置し、その後常温常湿環境(N/N:23℃×55%Rh)で画像出力し、帯電部材の当接部が画像に表れるかどうかを確認した。画像上全く問題の無いものを○、当接跡が画像上に微妙に見えたものを△、当接跡が画像上にはっきりと見えたものを×とした。
実施例1の帯電部材は、連続耐久及び当接試験でも全く問題なかった。
【0057】
[実施例2]
実施例1と同様の導電性弾性体層及び表面層用塗料を使用した。その際、表面層用塗料の乾燥条件を、オーブンで150℃×1時間に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製した。このときの、帯電部材のアスカーC硬度は74度であった。
【0058】
このとき、表面層のユニバーサル硬度(HU)及び部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))を測定した。ユニバーサル硬度(HU)は143.4、(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))は0.47であった。更に表面層の体積抵抗値は8.0×1014[Ω・cm]であった。
実施例2の帯電部材は、連続耐久及び当接試験でも全く問題なかった。
【0059】
[実施例3]
導電性弾性体層は実施例1と同一のものを使用した。表面層用塗料のアクリルポリオールをラクトン変性アクリルポリオール(商品名:「プラクセルDC2016(水酸基価 81KOHmg/g)」:ダイセル化学工業(株)製)とし、これを164質量部秤量し、436質量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分39質量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対して、前記表面処理導電性酸化錫粉体を54.7質量部、シリコーンオイル(商品名:「SH−28PA」:東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)を0.01質量部、微粒子シリカ(一次粒子径0.02μm)を1.15質量部配合し、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのマヨネーズビンに入れて、ペイントシェーカーを使用し、16.5時間分散した。
【0060】
更にこの分散液330質量部にイソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(IPDI)(商品名:「ベスタナートB1370」:デグサ・ヒュルス製)29.8質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(HDI)(商品名:「デュラネートTPA−B80E」:旭化成工業(株)製)17.2質量部を混合し、ボールミルで1時間撹拌し、最後に500メッシュの網で溶液をろ過して表面層用塗料を得た。その後は実施例1と同様な条件で帯電部材を作製した。
【0061】
このとき、表面層のユニバーサル硬度(HU)及び部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))を測定した。ユニバーサル硬度(HU)は113.5、(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))は0.61であった。更に表面層の体積抵抗値は4.1×1014[Ω・cm]であった。
実施例3の帯電部材は、連続耐久で表面の汚れが少し発生したが、実用上は問題無いレベルであり、当接試験は全く問題なかった。
【0062】
[実施例4]
エピクロルヒドリンゴム(商品名:「エピクロマーCG102」:ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム10質量部、研磨性改善のための補強材としての着色グレードカーボン(商品名:「シーストSO」:東海カーボン製)1質量部、酸化亜鉛5質量部、可塑剤DOP 30質量部、下記構造[化2]
【0063】
【化2】
【0064】
の過塩素酸4級アンモニウム塩 3質量部、老化防止剤(2−メルカプトベンズイミダゾール)1質量部をオープンロールで20分間混練し、更に加硫促進剤DM 1質量部、加硫促進剤TS 0.5質量部、加硫剤としてイオウ 1質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
これを実施例1と同様に作製し、クラウン形状で表面の十点平均粗さRz8μm、振れ40μmの導電性弾性体層基層を有する帯電部材を得た。
【0065】
導電性弾性体層を有する帯電部材をN/N(常温常湿:23℃×55%Rh)の電気抵抗は1.2×105 [Ω]、硬度は69[度](Asker C)であった。
【0066】
これに実施例1の表面層用塗料を用い、帯電部材を作製した。
実施例4の帯電部材は、連続耐久で表面の汚れが少し発生したが実用上は問題無いレベルであり、当接試験では当接跡が画像上に微妙に見えた。
【0067】
[比較例1]
導電性弾性体層は、実施例1で使用したものを用いた。表面層用塗料は非反応型水系ウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス460、第一工業製薬製)77.2質量部、表面未処理シリカ(商品名:Nipsil ER、日本シリカ製)6.0wt%、導電性フィラー(商品名:#7360SB、粒子径28nm、窒素吸着比表面積77m2 /g、DBP吸収量87cm3 /100g)16.8wt%のそれぞれを加えて、均一な分散液として表面層用塗料とした。これをディッピングし、オーブンで80℃×5分間乾燥させた。
【0068】
このとき、表面層のユニバーサル硬度(HU)及び部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))を測定した。ユニバーサル硬度(HU)は2.0、(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))は0.45であった。
更に表面層の体積抵抗値は3.2×1013[Ω・cm]であった。
比較例1の帯電部材は、連続耐久で低速プロセススピード(45mm/sec)で中程度の表面の汚れが中程度あったが、高速プロセススピード(94mm/sec)で表面の汚れがひどく、また当接試験でも当接跡が画像上にはっきり見えた。
【0069】
[比較例2]
導電性弾性体層は、実施例1で使用したものを用いた。
【0070】
表面層用塗料はアクリルポリオールをラクトン変性アクリルポリオール(商品名:「プラクセルDC2016(水酸基価 81KOHmg/g)」:ダイセル化学工業(株)製)とし、これを164質量部秤量し、436質量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分39質量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対して、前記表面処理導電性酸化錫粉体を54.7質量部、シリコーンオイル(商品名:「SH−28PA」:東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)を0.01質量部、微粒子シリカ(一次粒子径0.02μm)を1.15質量部配合し、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのマヨネーズビンに入れて、ペイントシェーカーを使用し、16.5時間分散した。
【0071】
更にこの分散液330質量部にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(HDI)(商品名:「デュラネートTPA−B80E」:旭化成工業(株)製)37.9質量部を混合し、ボールミルで1時間撹拌し、最後に500メッシュの網で溶液をろ過して表面層用塗料を得た。その後は実施例1と同様な条件で帯電部材を作製した。
【0072】
このとき、表面層のユニバーサル硬度(HU)及び部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))を測定した。ユニバーサル硬度(HU)は194.2、(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))は0.28であった。更に表面層の体積抵抗値は2.9×1013[Ω・cm]であった。
比較例2の帯電部材は、当接試験は問題なしだったが、連続耐久において、低速プロセススピード(45mm/sec)で中程度の表面の汚れが中程度あった。また、高速プロセススピード(94mm/sec)では、表面層材がこの変形に追従できない為、クラックが発生し、そのクラックにトナーやトナーの外添剤が付着し、汚れが特にひどかった。
【0073】
[比較例3]
これを比較例2と同様に作製し、クラウン形状で表面の十点平均粗さRz8μm、振れ40μmの導電性弾性体層を有する帯電部材を得た。
【0074】
表面層用塗料は比較例1で使用したものを用いた。
比較例3の帯電部材は、連続耐久において、低速プロセススピード(45mm/sec)は問題無いレベルであったが、高速プロセススピード(94mm/sec)では、汚れがひどい状態であった。また当接試験では、当接跡が画像上にはっきり見えた。
以上の評価を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】
従って本発明の帯電部材によれば、残留トナーの固着を効果的に防止して良好な耐久性を得ることができ、長期に亘って安定した性能を発揮することができる。従って、本発明の帯電部材を用いた帯電装置によれば、良好な帯電操作を長期に亘って安定的に行うことができ、良好な画像を長期に亘って安定的に再現することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電部材である帯電ローラの一例を示す概略図である。
【図2】本発明の帯電装置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の帯電部材である帯電ローラ電流値測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
11 導電性支持体/支持体
12 導電性弾性体層/弾性体層
13 表面層
21 像担持体(電子写真感光体)
22 帯電部材(帯電ローラ)
23 露光手段
24 現像手段
24a トナー担持体
24b 撹拌部分
24c トナー規制部材
25 転写手段
26 クリーニング手段
27 前露光手段
31 円筒電極(金属ローラ)
32 固定抵抗器
33 記録計(レコーダ)
L レーザー光
S1、S2、S3 バイアス印加電源
P 転写材
Claims (5)
- 導電性支持体上に導電性弾性体層を有し、更にその外周に導電性樹脂層を有する帯電部材において、
前記導電性樹脂層の表面硬度は、表面から深さ1μmにおけるユニバーサル硬度(HU)で、100<HU<200 [N/mm2 ]であり、前記部材の部材表面のユニバーサル硬度を測定する際の前記部材表面の変形回復から求められる(弾性エネルギー(We))/((弾性エネルギー(We))+(塑性エネルギー(Wr)))は0.3<We/(We+Wr)<0.7であること
を特徴とする帯電部材。 - 前記帯電部材のアスカーC硬度は70度以上である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記導電性弾性体層が、導電性弾性層1次加硫チューブに該導電性支持体を挿入した後、該導電性弾性層1次加硫チューブを2次加硫せしめて得られたものであり、その導電性樹脂層が、表面層用塗料の塗工膜である請求項1に記載の帯電部材。
- 電子写真装置に用いられる帯電装置において、請求項1〜3の何れか1項に記載の前記帯電部材を像担持体に接触させた状態で、前記支持体に印加する電圧として直流電圧を用いることを特徴とする帯電装置。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の帯電部材を有していることを特徴とする電子写真装置。
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