JP3743187B2 - フォトレジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠紫外線(エキシマレーザー等を含む)、電子線、X線又は放射光のような高エネルギーの放射線によって作用するリソグラフィーなどに適したフォトレジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路の高集積化に伴い、クォーターミクロンのパターン形成が要求されるようになっている。かかる要求に対し、64M DRAM及び256M DRAMの製造を可能とするエキシマレーザーリソグラフィーが注目されている。このエキシマレーザーリソグラフィープロセスに適したレジストとして、酸触媒及び化学増幅効果を利用した、いわゆる化学増幅型フォトレジストの採用が進みつつある。化学増幅型フォトレジストは、放射線の照射部で酸発生剤から発生した酸を触媒とする反応により、照射部のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させるものであり、これによってポジ型又はネガ型のパターンを与える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そして、半導体集積回路の高集積化に見合う加工寸法の微細化が急速に進行するなかで、上記のような化学増幅型レジストに対する微細加工の要求も非常に高くなっている。また、レジストパターンの微細化の進行とともに、レジストパターン形状に対する要求も非常に厳しくなってきており、矩形に近いパターンを与えるものが求められている。
【0004】
さらに、フォトレジストは通常、照射される放射線に対して透明性に優れることが要求されるが、フォトリソグラフィーは様々な基板上で行われ、照射光に対して反射率の高い基板では、反射光によるプロファイルの細りやパターン倒れなどが問題となる。そこで基板からの反射光によるフォトレジストの不必要な露光を避けるべく、表面に反射防止膜を設けた基板の採用が必要になることもある。しかしながら、反射防止膜を設けた基板の上にフォトレジスト膜を形成してフォトリソグラフィーを行う場合、当該反射防止膜の性質により、プロファイルが裾引き形状(フォトレジストパターンの反射防止膜との界面が広がった状態)になったり、ネッキング形状(フォトレジストパターンの反射防止膜との界面が細くくびれた状態)になったりするという問題がある。
【0005】
また、一般にフォーカスマージンの広い、すなわち焦点が多少移動してもマスク原版に忠実なパターンを形成しうるフォトレジストが望まれる。特に極微細パターンを形成しようとする場合には、反射光によるパターン倒れなどを防ぐために上記の反射防止膜を設けることが多く、このような反射防止膜を設けた基板上でも、フォーカスマージンの広いフォトレジストが望まれる。しかしながら、従来のフォトレジスト組成では、フォーカスマージンにも限界があった。
【0006】
本発明の目的は、感度、解像度、耐熱性、残膜率、塗布性、プロファイルなどの諸性能に優れ、特にパターン形状に優れたフォトレジスト組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、反射防止膜を設けた基板に対しても、フォーカスマージンが広く、かつ矩形に近い良好なパターンプロファイルを与えるフォトレジスト組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定の樹脂を用いることにより、優れた性能を有するフォトレジスト組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、下式(I)、(II)及び (III)
【0010】
【0011】
(式中、R1 、R2 、R3 、R11、R12、R13、R21、R22及びR23は互いに独立に、水素又は炭素数1〜4のアルキルを表し、R14、R15及びR16の一つは脂肪族炭化水素残基を表し、残りは互いに独立に、水素若しくは脂肪族炭化水素残基を表すか、又はR14、R15及びR16のうち二つ若しくは三つが一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに炭化水素環を形成し、Rは酸の作用により解裂する基を表す)
で示される各構造単位を一分子中に有する樹脂を含有するフォトレジスト組成物にある。この樹脂をフォトレジストの一成分として含有させることにより、特にパターン形状の矩形性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明でいうフォトレジストとは、基板上に薄膜を形成し、選択的に放射線照射(露光)及び現像を行ってパターンを形成するために用いられる感放射線性被膜材料であり、一般に、バインダーとしての樹脂成分を含有し、その樹脂自体が感放射線性の基を含むか、又はその樹脂とは別に感放射線性の成分を含有している。フォトレジストには、放射線照射部が現像液に溶解し、未照射部がパターンとして残るポジ型のものと、放射線未照射部が現像液に溶解し、照射部が硬化してパターンとして残るネガ型のものとがあり、これらいずれに対しても、上記式(I)、(II)及び(III) で示される各構造単位を有する樹脂を適用しうるが、この樹脂は特に、酸発生剤を含有し、放射線照射部でその酸発生剤から発生した酸の触媒作用を利用する、いわゆる化学増幅型フォトレジストのバインダー樹脂として有効である。
【0013】
化学増幅型フォトレジストは、樹脂成分と酸発生剤を含有し、放射線照射部で酸発生剤から酸を発生させ、その触媒作用を利用するものである。化学増幅型のポジ型フォトレジストは、放射線照射部で発生した酸が、その後の熱処理(post exposure bake:以下、PEBと略すことがある)によって拡散し、樹脂等の保護基を脱離させるとともに酸を再生成することにより、その放射線照射部をアルカリ可溶化する。化学増幅型ポジ型フォトレジストには、樹脂成分がアルカリ可溶性であり、かかる樹脂成分及び酸発生剤に加えて、酸の作用により解裂しうる保護基を有し、それ自体ではアルカリ可溶性樹脂に対して溶解抑止能を持つが、酸の作用により上記保護基が解裂した後はアルカリ可溶性となる溶解抑止剤を含有するものと、樹脂成分が酸の作用により解裂しうる保護基を有し、それ自体ではアルカリに不溶又は難溶であるが、酸の作用により上記保護基が解裂した後はアルカリ可溶性になるものとがある。また化学増幅型のネガ型フォトレジストは通常、樹脂成分がアルカリ可溶性であり、この樹脂成分及び酸発生剤に加えて、架橋剤を含有するものである。化学増幅型ネガ型フォトレジストにおいては、放射線照射部で発生した酸がPEBによって拡散し、架橋剤に作用して、その放射線照射部のバインダー樹脂を硬化させる。また、化学増幅型のポジ型又はネガ型フォトレジストとして、酸発生剤に相当する基、すなわち光の作用により解裂して酸を発生する基が、樹脂の側鎖に付いているものもある。
【0014】
前記式(I)、(II)及び(III) で示される各構造単位を有する樹脂は、特に式(III) で示される構造単位の存在によりアルカリ現像液に対する溶解抑止能を持ち、その中の基Rが酸の作用により解裂するので、この構造単位を比較的多くした場合、その樹脂自体はアルカリに不溶又は難溶であるが、酸の作用により式(III) 中の基Rが解裂した後はアルカリ可溶性になる。したがってこの樹脂は、化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の樹脂成分として特に有用である。
【0015】
式(I)における水酸基、式(II)における基−OC(=O)CR14R15R16及び式(III) における基−ORのベンゼン環上の位置は任意であるが、ベンゼン環の樹脂基体につながる位置に対してp−位にあるのが一般的である。これらの式において、R1 、R2 、R3 、R11、R12、R13、R21、R22及びR23は、水素又は炭素数1〜4のアルキルであるが、それぞれ水素又はメチルであるのが好ましい。原料事情などからすると、R1 、R2 、R11、R12、R21及びR22がそれぞれ水素であり、そしてR3 、R13及びR23がそれぞれ水素又はメチルであるのが有利である。
【0016】
式(II)中、R14、R15及びR16の一つは脂肪族炭化水素残基、そして残りの二つはそれぞれ水素又は脂肪族炭化水素残基であることができ、これらの脂肪族炭化水素残基には、アルキル、アルケニル、アルキニルなどが包含されるが、一般にはアルキルが有利である。脂肪族炭化水素残基の炭素数は、例えば20程度と比較的大きくてもよいが、一般には炭素数1〜4程度で十分である。 また、R14、R15及びR16のうち二つ又は三つが一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに炭化水素環を形成することもできる。R14、R15、R16及びこれらが結合する炭素原子で環を形成する場合は架橋多環となり、R14、R15及びR16のうちの二つ並びにこれらが結合する炭素原子で環を形成する場合は単環となるが、環を構成する炭素数は5〜10程度である。なかでも、R14、R15及びR16のうち二つ又は三つがアルキル、特にメチルである場合や、それらのうち二つが一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに環を形成したものが有利である。−C(=O)CR14R15R16に相当する基として具体的には、イソブチリル、ピバロイル、シクロヘキシルカルボニル、シクロペンチルカルボニルなどが挙げられる。
【0017】
また式(III) 中、Rは酸の作用により解裂する基であり、アルカリ現像液に対して溶解抑止能を持つが、酸に対して不安定な公知の各種保護基であることができる。例えば、tert−ブトキシカルボニルやtert−ブトキシカルボニルメチル、さらには、1−エトキシエチル、1−メトキシエチル、1−プロポキシエチル、1−イソプロポキシエチル、1−tert−ブトキシエチル、1−イソブトキシエチル、1−ブトキシエチル、1−ペンチロキシエチル、1−シクロペンチロキシエチル、1−ヘキシロキシエチル、1−シクロヘキシロキシエチル、1−ヘプチロキシエチル、1−シクロヘプチロキシエチル、1−メトキシプロピル、1−エトキシプロピル及び1−メトキシ−1−メチルエチルのような1−アルコキシアルキル基、テトラヒドロ−2−ピラニル、6−メトキシテトラヒドロ−2−ピラニル、6−エトキシテトラヒドロ−2−ピラニル、テトラヒドロ−2−フリル、5−メトキシテトラヒドロ−2−フリル及び5−エトキシテトラヒドロ−2−フリルのような環状飽和エーテルの2−残基などが挙げられる。これらの保護基のなかでも、特に、1−アルコキシアルキル基又は環状飽和エーテルの2−残基が好ましい。このような好ましい保護基Rは、具体的には下式(IIIa)で表すことができる。
【0018】
【0019】
式中、R24は水素又は炭素数1〜4のアルキルを表し、 R25は炭素数1〜4のアルキルを表し、R26はアルキル若しくはシクロアルキルを表すか、又はR25とR26が一緒になってアルキレン鎖を形成し、このアルキレン鎖はアルコキシで置換されてもよい。
【0020】
式(IIIa)において、R26がアルキルの場合、その炭素数は比較的大きくてもよく、例えば20程度の炭素数をとることもできるが、一般には低級アルキル、例えば炭素数1〜4程度で十分である。R26がシクロアルキルの場合は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどがこれに該当する。R25とR26が一緒になってアルキレン鎖を形成する場合の例としては、トリメチレンやテトラメチレン(それぞれ、R25が結合する炭素原子及びR26が結合する酸素原子とともに、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成する)、また炭素数4〜10程度のアルキレン鎖であって途中で分岐したものなどが挙げられ、これらのアルキレン鎖には、メトキシやエトキシなど、炭素数1〜4程度のアルコキシが置換していてもよい。式(IIIa)で示される基のなかでも好ましいものとして、R24が水素であり、R25及びR26がそれぞれアルキルであるもの、例えば、1−エトキシエチルや1−エトキシプロピルを挙げることができる。
【0021】
本発明において、式(I)、(II)及び(III) で示される各構造単位の好ましい割合は、フォトレジストの種類によって変動するが、一般には、式(II)で示される構造単位の割合は1〜30モル%の範囲から、また式(III) で示される構造単位の割合は10〜70モル%の範囲から、フォトレジストの種類に適した値が選択される。化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の樹脂成分として用いる場合、好ましい割合は通常、式(II)の構造単位が2〜20モル%程度の範囲、さらには5モル%以上、また15モル%以下程度、そして式(III) の構造単位が15〜50モル%程度の範囲にある。式(III) 中のRが1−エトキシエチルや1−エトキシプロピルのような1−アルコキシアルキルである場合、樹脂中におけるその構造単位の好ましい割合は、15モル%以上、また40モル%以下、さらには35モル%以下程度である。この場合、式(II)の構造単位と式(III) の構造単位は合計で、樹脂全体のうち45モル%以下程度にするのが好ましい。
【0022】
前記式(I)、(II)及び(III) の各構造単位を有する樹脂は、例えば、下式(IV)、(V)及び(VI)
【0023】
【0024】
(式中、R1、R2、R3、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R22、R23及びRは先に定義したとおりである)
で示されるそれぞれの置換スチレン系化合物をモノマーとする共重合によって、得ることができる。
【0025】
また別法として、式(I)で示される構造のポリビニルフェノール類に、下式 (VII)
【0026】
【0027】
(式中、R14、R15及びR16は先に定義したとおりであり、 Xはハロゲンを表す)
で示される酸ハライド及び、式(III) 中の基Rに導くための化合物を、任意の順序で反応させることにより、製造することもできる。一般にはこの方法が有利である。この方法を採用した場合は、式(II)中のR11及び式(III) 中のR21は式(I)中のR1 と同じになり、同様にR12及びR22はR2 と、またR13及びR23はR3 と、それぞれ同じになる。
【0028】
上記した式(III) 中の基Rに導くための化合物とは、例えば、Rがtert−ブトキシカルボニルである場合には、二炭酸ジ−tert−ブチルがこれに該当し、Rがtert−ブトキシカルボニルメチルである場合には、クロロ酢酸tert−ブチルがこれに該当し、そしてRが前記式(IIIa)で示される基である場合には、下式(VIII)の不飽和エーテル化合物がこれに該当する。
【0029】
【0030】
式中、R24は先に定義したとおりであり、R26はアルキル若しくはシクロアルキルを表し、R27及びR28は互いに独立に、水素若しくはアルキルを表すが、両者の合計炭素数は0〜3であるか、又はR26とR27が一緒になってアルキレン鎖を形成し、このアルキレン鎖はアルコキシで置換されてもよい。
【0031】
式(I)で示されるポリビニルフェノール類として、代表的には、ポリビニルフェノール及びポリイソプロペニルフェノールが挙げられる。また、式(VII) で示される酸ハライドとしては、イソブチリルクロリド、ピバロイルクロリド、シクロヘキサンカルボニルクロリド、シクロペンタンカルボニルクロリドなどが挙げられる。
【0032】
式(VII) の酸ハライドは、ポリビニルフェノール類を構成する式(I)の単位のうち、式(II)の単位に変換するのに必要な量用いればよく、例えば、ポリビニルフェノール類中の水酸基のうち、1〜30%を式(II)中のエステルに変換したい場合は、ポリビニルフェノール類中の水酸基に対して0.01〜0.3当量の範囲で式(VII) の酸ハライドを用いればよい。式(II)の単位、具体的にはそのエステル部分の定量には、極めて煩雑な操作が必要になるが、実験によれば、ポリビニルフェノール類に対して式(VII) の酸ハライドを作用させた場合、酸ハライドの量があまり多くなければほぼ定量的に反応するので、酸ハライドの仕込み量をもって、式(II)の構造単位に変換された量とみなすことができる。
【0033】
不飽和エーテル類を表す式(VIII)において、R27R28C=に相当する部分は、ポリビニルフェノール類中の水酸基に付加して式(IIIa)中の基R25に相当するアルキルとなる。また式(VIII)において、R26とR27が一緒になってアルキレン鎖を形成する場合、このアルキレン鎖及び同じ式中にあるR28の合計炭素数は、式(IIIa)中のR25とR26とで形成されるアルキレン鎖の炭素数より1だけ小さくなる。式(VIII)で示される不飽和エーテル化合物の具体例としては、エチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、 sec−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチル1−プロペニルエーテル、メチル1−プロペニルエーテル、メチルイソプロペニルエーテル、エチル2−メチル−1−プロペニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、4,5−ジヒドロ−2−メチルフラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピランなどが挙げられる。
【0034】
式(VIII)で示される不飽和エーテル化合物は、ポリビニルフェノール類を構成する式(I)の単位のうち、下式(IIIb)
【0035】
【0036】
(式中、R1 、R2 、R3 、R14、R15及びR16は先に定義したとおりである)の単位に変換するのに必要な量用いればよい。例えば、ポリビニルフェノール類を構成する式(I)の単位のうち、10〜50モル%を式(IIIb)の単位に変換したい場合は、ポリビニルフェノール類中の水酸基に対して0.1〜0.5当量の範囲で、又はそれよりやや多めに、式(VIII)の不飽和エーテル化合物を用いればよい。この反応は必ずしも定量的に進まないので、式(IIIa)で示される基の導入率は、分析により決定される。
【0037】
ポリビニルフェノール類と酸ハライドとの反応は、式(I)で示される構造のポリビニルフェノール類を適当な溶媒に溶解し、塩基性触媒の存在下、式(VII) の酸ハライドを加えることによって、行うことができる。
【0038】
この反応で用いる溶媒としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールモノ又はジエーテル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及びジイソプロピルエーテルのようなエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、プロピオン酸メチル及びプロピオン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン及びメチルイソブチルケトンのようなケトン類、キシレン及びトルエンのような芳香族炭化水素類などを挙げることができる。溶媒の量は、原料樹脂であるポリビニルフェノール類に対し、1〜100重量倍程度の範囲から、適宜選択される。
【0039】
また、塩基性触媒としては、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−、3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミンのような1級アミン類;ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン及びジフェニルアミンのような2級アミン類;トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン及びN,N−ジメチルアニリンのような3級アミン類;エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンのようなジアミン類;イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール及びビピリジンのような不飽和環状アミン類などが用いられる。塩基性触媒の使用量は、酸ハライドに対して1〜100モル倍程度の範囲から、適当な値が選択される。
【0040】
この反応は常圧下で進行するが、減圧又は加圧下で行ってもよく、また通常、溶媒又は酸ハライドの沸点以下の温度で1〜96時間程度行われる。反応終了後は、抽出や晶析など、通常の後処理操作を施すことにより、式(I)及び(II)の構造単位を有する樹脂を溶液として得るか、又は固体として単離することができる。
【0041】
さらに、ポリビニルフェノール類と前記式(VIII)で示される不飽和エーテル化合物との反応は、適当な溶媒中、酸触媒の存在下で行うことができる。この反応でも、上記酸ハライドとの反応において例示したのと同様の溶媒を用いることができる。溶媒の量は、原料樹脂に対して1〜100重量倍程度の範囲から適宜選択される。
【0042】
この反応に用いる酸触媒としては、塩酸及び硫酸のような無機酸、トリエチルアミン塩酸塩及びピリジン塩酸塩のような無機酸のアミン塩、蓚酸のような有機カルボン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、n−プロパンスルホン酸及びn−ブタンスルホン酸のような有機スルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩及びp−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩のような有機スルホン酸のアミン塩などが挙げられる。酸触媒の使用量は、式(VIII)の不飽和エーテル化合物に対して0.001〜100モル%程度の範囲から、適当な値が選択される。
【0043】
この反応は常圧下で進行するが、減圧又は加圧下で行ってもよく、また通常、不飽和エーテル化合物の沸点以下の温度で1〜96時間程度行われる。反応終了後は、抽出や晶析など、通常の後処理操作を施すことにより、式(I)の単位の一部が式(IIIb)の単位に変換された樹脂を溶液として得るか、又は固体として単離することができる。
【0044】
以上説明したような、ポリビニルフェノール類に対する式(VII) で示される酸ハライドの反応、及び式(III) 中の基Rに導くための化合物、例えば、式(VIII)で示される不飽和エーテルの反応を、任意の順序で行うことにより、式(I)、(II)及び(III) の各構造単位を有する樹脂を得ることができるが、一般には、ポリビニルフェノール類に対して、式(VII) で示される酸ハライドを先に反応させ、次いで式(III) 中の基Rに導くための化合物を反応させるのが有利である。
【0045】
こうして、式(II)で示される単位及び式(III) で示される単位が任意の割合で導入された樹脂を得ることができ、これをそのままフォトレジストの樹脂成分として用いることができるほか、式(II)で示される単位及び式(III) で示される単位の導入率のうち、一方又は双方がそれぞれ異なる複数の樹脂を用意し、それらを混合して、保護基導入率を調整することもできる。後者の場合は、保護基導入率が比較的近いものを組み合わせるのが有利である。また、上記のようにして得られる樹脂は、フォトレジストの樹脂成分として、単独で用いることも、他の樹脂と組み合わせて用いることもできるが、そのフォトレジストを構成する樹脂成分全体のうち、50重量%以上とするのが適当である。
【0046】
併用されうる他の樹脂としては、各種のアルカリ可溶性樹脂や、そのフェノール性水酸基が、アルカリ現像液に対して溶解抑止能を持ち、酸に対しては不安定な基で部分的に保護された樹脂などがある。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリイソプロペニルフェノール樹脂、ビニルフェノールとアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、イソプロペニルフェノール、スチレン又はα−メチルスチレンとの共重合体、イソプロペニルフェノールとアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレン又はα−メチルスチレンとの共重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、透明性を向上させるために部分的に水素添加されていてもよい。また、アルカリに可溶な範囲で、フェノール核にアルキルやアルコキシなどが導入されていてもよい。さらに、これらのアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基を保護するための基は、先に式(III) 中のRとして例示した各種の基であることができる。
【0047】
化学増幅型フォトレジストとする場合は、上記のような樹脂に加えて、通常は酸発生剤が用いられる。この酸発生剤は、その物質自体に、又はその物質を含むレジスト組成物に、放射線を照射することによって、酸を発生する各種の化合物であることができ、もちろん、2種以上の化合物の混合物として用いることもできる。例えば、オニウム塩、有機ハロゲン化合物、ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物、ジスルホン系化合物、オルトキノンジアジド化合物、スルホン酸系化合物などが挙げられる。オニウム塩には、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などがあり、これらオニウム塩を構成する陰イオンとしては、p−トルエンスルホネートイオン(p-CH3C6H4SO3 -)、トリフルオロメタンスルホネートイオン(CF3SO3 -)、テトラフルオロボレートイオン(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF6 -)などが挙げられる。有機ハロゲン化合物には、各種のハロアルキルトリアジン化合物などが包含される。ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物は、ジアゾメタンにアリールスルホニルやアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニルなどが合計2個置換した化合物である。ジスルホン系化合物は、−SO2SO2−を有する化合物である。オルトキノンジアジド化合物には、1,2−ベンゾキノンジアジド−(2)−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−(2)−4−又は−5−スルホン酸エステルなどがある。またスルホン酸系化合物には、アルキルスルホン酸のエステル、ハロアルキルスルホン酸のエステル、アリールスルホン酸のエステル、カンファースルホン酸のエステルなどがあり、これらのエステルを構成するアルコール成分としては、ピロガロール、2−又は4−ニトロベンジルアルコール、2,6−ジニトロベンジルアルコール、N−ヒドロキシイミド化合物、オキシム系化合物などが挙げられる。 本発明においては、酸発生剤として、オニウム塩、ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物、ジスルホン系化合物、スルホン酸系化合物などが好ましく用いられる。
【0048】
酸発生剤となるオニウム塩として、具体的には例えば、p−トリルジフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネート、 p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。同じくジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物として、具体的には例えば、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタンなどが挙げられる。同じくジスルホン系化合物として、具体的には例えば、ジフェニル ジスルホン、ジ−p−トリル ジスルホン、フェニル p−トリル ジスルホン、フェニル p−メトキシフェニル ジスルホンなどが挙げられる。また、スルホン酸系化合物として、具体的には例えば、N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(メチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、α−(p−トリルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
【0049】
これらのなかでも、ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物、とりわけビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンのようなビス(シクロアルキルスルホニル)ジアゾメタンは、それを酸発生剤として含有するフォトレジスト組成物が、良好な解像性を示し、矩形に近いプロファイルを与えることから、好ましく用いられる。一方で、オニウム塩、例えばp−トリルジフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネートは、放射線の作用により解裂して、強い酸、例えばp−トルエンスルホン酸を発生し、フォトレジスト組成物の感度を高めることができるため、重要である。
【0050】
また、一般に化学増幅型のポジ型フォトレジストにおいては、有機塩基化合物をクェンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良できることが知られており、本発明においても、このような有機塩基化合物を配合するのが好ましい。ここで用いる有機塩基化合物の具体例としては、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−、3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミンのような1級アミン類;ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン及びジフェニルアミンのような2級アミン類;トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン及びN,N−ジメチルアニリンのような3級アミン類;テトラブチルアンモニウムヒドロキシドのような4級アンモニウム塩; エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンのようなジアミン類;イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール及びビピリジンのような不飽和環状アミン類などが挙げられる。これらの有機塩基化合物は、それぞれ単独で、又は2種類以上混合して使用することができる。本発明においては特に、3級アミンの使用が好ましい。これらの有機塩基化合物のなかでは、基板上に形成されたレジスト膜のプリベーク後も、このレジスト膜中に残存して効果を発揮するよう、プリベークの温度で蒸発しないもの、具体的には150℃以上の沸点を有するものが好ましい。
【0051】
本発明において、樹脂成分とともに酸発生剤を配合して、化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物とする場合、その好ましい組成比は、この組成物中の全固形分重量を基準に、樹脂成分が50〜98重量%、より好ましくは75〜98重量%の範囲、酸発生剤が0.05〜20重量%、より好ましくは0.2〜20重量%の範囲である。また、有機塩基化合物をクェンチャーとして配合する場合は、全固形分重量を基準に0.001〜10重量%の範囲で用いるのが好ましい。このクェンチャー量を上記範囲内で多めに設定することにより、プロファイルの荒れ(ラフネス)を改良することができ、さらには解像性を向上させ、フォーカスマージンを広げることができる。このような効果は、組成物中の全固形分量を基準に、クェンチャーを0.2重量%以上とした場合に顕著となる。
【0052】
一方で、クェンチャー量を多くした場合は、放射線の作用で発生した酸がそのクェンチャーに捕捉され、感度が低下する。これを改良するため、酸発生剤としてジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物、例えばビス(シクロアルキルスルホニル)ジアゾメタンを用いた場合には、別の酸発生剤としてオニウム塩、例えばp−トリルジフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネートやp−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートを併用するのが有効である。このように、酸発生剤として、ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物とオニウム塩を併用することにより、クェンチャーの増量によるラフネスの改良、解像性の向上及びフォーカスマージンの拡大が達成でき、さらには感度の低下を抑えることができる。これら2種の酸発生剤を併用する場合は、ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物とオニウム塩との重量比を100:1〜50程度の範囲とするのが有利である。
【0053】
本発明のフォトレジスト組成物はまた、必要に応じて、溶解抑止剤、増感剤、染料、接着性改良剤、基板依存性改良剤、保水剤など、この分野で慣用されている各種の添加物を含有することもできる。レジストを塗布する基板の種類によっては現像により除去されるべき部分が薄く基板上に残ることがあるので、コハク酸イミドなどの基板依存性改良剤を少量配合して、このような薄皮の残存を調整することができる。また、化学増幅型フォトレジストで酸を発生させるには、水分の存在が必要になるが、保水剤の添加により、酸を効率的に発生させることができる。これらの添加剤を用いる場合、それらの量は合計で、組成物中の全固形分重量に対して20重量%程度までである。
【0054】
このフォトレジスト組成物は通常、全固形分濃度が10〜50重量%となるように、上記各成分を溶剤に混合してレジスト溶液が調製され、シリコンウェハなどの基体上に塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解するものであればよく、この分野で通常用いられているものであることができる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールモノ又はジエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのようなラクトン類、キシレンのような芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0055】
基体上に塗布されたレジスト膜からは、その後通常、プリベーク、パターニング露光、PEB、アルカリ現像液による現像の各工程を経て、パターンが形成される。
【0056】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
【0057】
合成例1
(1a) ポリビニルフェノールの部分ピバロイル化
フラスコに、ポリ(p−ビニルフェノール)100g(p−ビニルフェノール単位として0.83モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.2kgを仕込んで攪拌し、樹脂を溶解させた。溶解後、60℃、20Torrの条件で減圧蒸留して、524gの溶媒を留去した。この樹脂溶液に、トリエチルアミン12.6g(0.12モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.15当量)を加えた。その溶液を50℃に加熱した後、ピバロイルクロリド10.4g(0.083モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.1当量)を滴下した。50℃で3時間撹拌した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート224g、メチルイソブチルケトン800g及び0.5%蓚酸水溶液608gを加えて分液した。この有機層に0.5%蓚酸水溶液608gを加えて分液する操作を2回行い、洗浄した。さらに、得られた有機層をイオン交換水608gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮し、樹脂溶液388gを得た。
【0058】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、29.3%であった。この樹脂は、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基のうち約10%がピバロイル化されている。
【0059】
(1b) 部分ピバロイル化ポリビニルフェノールのさらに部分1−エトキシエチル化
フラスコに、上記(1a)で得られた樹脂溶液85.2g(元のp−ビニルフェノール単位として0.19モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.023g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート315gを仕込んで攪拌し、65℃、20Torrの条件で減圧濃縮した。濃縮で得られた159gの樹脂溶液を20℃に冷却した後、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテル5.9g(0.082モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.42当量)を10分かけて滴下した。25℃で3時間撹拌後、メチルイソブチルケトン141g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47g及びイオン交換水118gを加えて分液した。得られた有機層を、イオン交換水118gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを137g加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液91gを得た。
【0060】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、28.7%であった。また、核磁気共鳴(NMR)分光計によりポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシエチル化されたものの割合を求めたところ、36.9%であった。
【0061】
(1c) 部分ピバロイル化ポリビニルフェノールの別途の部分1−エトキシエチル化
フラスコに、前記(1a)で得られた樹脂溶液85.2g(元のp−ビニルフェノール単位として0.19モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.013g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート315gを仕込んで攪拌し、65℃、20Torrの条件で減圧濃縮した。濃縮で得られた157gの樹脂溶液を20℃に冷却した後、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテル3.2g(0.045モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.23当量)を10分かけて滴下した。25℃で3時間撹拌後、メチルイソブチルケトン138g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46g及びイオン交換水115gを加えて分液した。得られた有機層をイオン交換水115gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを156g加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液85gを得た。
【0062】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、30.6%であった。また、NMR分光計により、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシエチル化されたものの割合を求めたところ、20.8%であった。
【0063】
(1d) 1−エトキシエチル化率の調整
上記(1b)で得られた樹脂溶液2.61gと上記(1c)で得られた樹脂溶液7.39gを混合し、固形分濃度30.1%相当の樹脂溶液10gを得た。この樹脂は次式の各構造単位からなるものであって、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基のうち、ピバロイル化率約10%、1−エトキシエチル化率25%に相当し、これを樹脂R1とする。
【0064】
【0065】
合成例2
(2a) ポリビニルフェノールの部分シクロヘキシルカルボニル化
フラスコに、ポリ(p−ビニルフェノール)100g(p−ビニルフェノール単位として0.83モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.2kgを仕込んで攪拌し、樹脂を溶解させた。溶解後、60℃、20Torrの条件で減圧蒸留して、467gの溶媒を留去した。この樹脂溶液にトリエチルアミン12.6g(0.12モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.15当量)を加えた。その溶液を50℃に加熱した後、シクロヘキサンカルボニルクロリド12.2g(0.083モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.1当量)を滴下した。50℃で3時間撹拌した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート167g、メチルイソブチルケトン800g及び0.5%蓚酸水溶液608gを加えて分液した。この有機層に0.5%蓚酸水溶液608gを加えて分液する操作を2回行い、洗浄した。さらに、得られた有機層をイオン交換水608gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮し、樹脂溶液379gを得た。
【0066】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、29.9%であった。この樹脂は、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基のうち約10%がシクロヘキシルカルボニル化されている。
【0067】
(2b) 部分シクロヘキシルカルボニル化ポリビニルフェノールのさらに部分1−エトキシエチル化
フラスコに、上記(2a)で得られた樹脂溶液83.8g(元のp−ビニルフェノール単位として0.19モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.023g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート316gを仕込んで攪拌し、65℃、20Torrの条件で減圧濃縮した。濃縮で得られた151gの樹脂溶液を20℃に冷却した後、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテル5.8g(0.08モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.42当量)を10分かけて滴下した。25℃で3時間撹拌した後、メチルイソブチルケトン141g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55g及びイオン交換水118gを加えて分液した。得られた有機層をイオン交換水118gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを122g加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液87gを得た。
【0068】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、30.7%であった。また、NMR分光計により、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシエチル化されたものの割合を求めたところ、36.8%であった。
【0069】
(2c) 部分シクロヘキシルカルボニル化ポリビニルフェノールの別途の部分1−エトキシエチル化
フラスコに、前記(2a)で得られた樹脂溶液83.8g(元のp−ビニルフェノール単位として0.19モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.012g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート316gを仕込んで攪拌し、65℃、20Torrの条件で減圧濃縮した。濃縮で得られた157gの樹脂溶液を20℃に冷却した後、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテル3.2g(0.044モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.23当量)を10分かけて滴下した。25℃で3時間撹拌後、メチルイソブチルケトン138g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32g及びイオン交換水115gを加えて分液した。得られた有機層をイオン交換水115gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを95g加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液92gを得た。
【0070】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、28.0%であった。また、NMR分光計により、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシエチル化されたものの割合を求めたところ、18.3%であった。
【0071】
(2d) 1−エトキシエチル化率の調整
上記(2b)で得られた樹脂溶液3.62gと上記(2c)で得られた樹脂溶液6.38gを混合し、固形分濃度29.0%相当の樹脂溶液10gを得た。この樹脂は次式の各構造単位からなるものであって、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基のうち、シクロヘキシルカルボニル化率約10%、1−エトキシエチル化率25%のものに相当し、これを樹脂R2とする。
【0072】
【0073】
合成例3
(3a) ポリビニルフェノールの部分1−エトキシエチル化
フラスコに、ポリ(p−ビニルフェノール)40.0g(p−ビニルフェノール単位として0.33モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.052g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート480gを仕込んで攪拌し、65℃、20Torrの条件で減圧濃縮した。濃縮で得られた194gの樹脂溶液を20℃に冷却した後、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテル13.2g(0.18モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.55当量)を10分かけて滴下した。25℃で3時間撹拌した後、メチルイソブチルケトン320g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート87g及びイオン交換水200gを加えて分液した。得られた有機層を、イオン交換水200gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを330g加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を158g得た。
【0074】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、30.0%であった。また、NMR分光計により、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシエチル化されたものの割合を求めたところ、41.6%であった。この樹脂を樹脂RX1 とする。
【0075】
(3b) ポリビニルフェノールの別途の部分1−エトキシエチル化
フラスコに、ポリ(p−ビニルフェノール)40.0g(p−ビニルフェノール単位として0.33モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.033g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート480gを仕込んで攪拌し、65℃、20Torrの条件で減圧濃縮した。濃縮で得られた152gの樹脂溶液を20℃に冷却した後、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテル8.4g(0.12モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.35当量)を10分かけて滴下した。25℃で3時間撹拌した後、メチルイソブチルケトン320g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート128g、及びイオン交換水200gを加えて分液した。得られた有機層をイオン交換水200gで3回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを300g加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を159g得た。
【0076】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、27.6%であった。また、NMR分光計により、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシエチル化されたものの割合を求めたところ、21.9%であった。この樹脂を樹脂RX2 とする。
【0077】
(3c) 1−エトキシエチル化率の調整
上記(3a)で得られた樹脂RX1 の溶液6.65gと上記(3b)で得られた樹脂RX2 の溶液3.35gを混合し、固形分濃度29.2%相当の樹脂溶液10gを得た。この樹脂は次式の各構造単位からなるものであって、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち、1−エトキシエチル化率35%に相当し、これを樹脂RXとする。
【0078】
【0079】
実施例1
合成例1の(1d)で得られた樹脂R1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を樹脂の固形分換算で13.5部、酸発生剤としてビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.5部、メチルジオクチルアミン0.02部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用い、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが合計で69部となるように混合し、溶解した。この溶液を孔径0.1μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過して、レジスト液を調製した。
【0080】
常法により洗浄したシリコンウェハに、スピンコーターを用いて、上記レジスト液を乾燥後の膜厚が0.72μmとなるように塗布した。次いでこのシリコンウェハを、ホットプレート上にて90℃で90秒間プリベークした。プリベーク後の塗膜を、パターンを有するクロムマスクを介して、露光波長248nmのKrFエキシマレーザーステッパー〔(株)ニコン製の“NSR-1755 EX8A”、NA=O.45〕を用い、露光量を段階的に変化させて露光処理した。露光後のウェハをホットプレート上にて100℃で90秒間加熱してPEBを行い、露光部の脱保護基反応を行った。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液で現像して、ポジ型パターンを得た。
【0081】
形成されたパターンを電子顕微鏡で観察したところ、76mJ/cm2 の露光量で0.24μmの微細パターンをプロファイルよく解像していた。このパターンはトップに丸みがなく、ほぼ矩形であった。76mJ/cm2 は、0.25μmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量(実効感度)に相当し、0.24μmは、実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースの最小寸法(解像度)に相当する。
【0082】
実施例2
実施例1で用いた樹脂R1の溶液に代えて、合成例2の(2d)で得られた樹脂R2のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を用いた以外は、実施例1と同様の実験を行った。その結果、86mJ/cm2 の露光量で0.24μmの微細パターンをプロファイルよく解像していた。このパターンもトップに丸みがなく、ほぼ矩形であった。
【0083】
比較例1
実施例1で用いた樹脂R1の溶液に代えて、合成例3の(3c)で得られた樹脂RXのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を用いた以外は、実施例1と同様の実験を行った。その結果、63mJ/cm2 の露光量で0.24μmのパターンを解像していたものの、パターンのトップが丸くなっており、プロファイルが良好とはいえなかった。
【0084】
合成例4
(4a) ポリビニルフェノールの部分ピバロイル化
10分間窒素置換した丸底フラスコに、ポリ(p−ビニルフェノール)1.3kg(ビニルフェノール単位として10.82モル)及びアセトン5.2kgを仕込み、攪拌して溶解させた後、トリエチルアミン164.2g(1.623モル)を加えて35〜40℃に加熱した。この樹脂溶液に、ピバロイルクロリド130.5g(1.082モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.1当量)を約10分かけて滴下した。40℃で約3時間攪拌した後、メチルイソブチルケトン10.4kgを加え、0.5%蓚酸水溶液による洗浄を3回行った。得られた有機層をさらにイオン交換水で洗浄し、分液する操作を5回行った。この有機層から溶媒を留去して濃縮し、4.994kgの樹脂溶液を得た。
【0085】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、27.5%であった。この樹脂は、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち約10%がピバロイルエステル化されている。
【0086】
(4b) 部分ピバロイル化ポリビニルフェノールのさらに部分1−エトキシエチル化
10分間窒素置換したフラスコに、上記(4a)で得られた樹脂溶液150g(元のp−ビニルフェノール単位として0.32モル)、 メチルイソブチルケトン138.7g、及びp−トルエンスルホン酸1水和物0.012gを仕込んで攪拌した。 この溶液の温度を約20℃に調整した後、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテル7.5g(0.104モル)を約10分かけて滴下した。25℃以下に保って約3時間攪拌した後、メチルイソブチルケトン165gを加え、次いでイオン交換水で洗浄し、分液する操作を4回行った。 この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを濃縮後の溶液の3重量倍加え、次に蒸留してメチルイソブチルケトンを共沸留去することにより、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液167.5gを得た。
【0087】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、28.7%であった。また、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシエチル化されたものの割合をNMR分光計を用いて測定したところ、22.3%であった。この樹脂を樹脂R41 とする。
【0088】
(4c) 部分ピバロイル化ポリビニルフェノールの別途の部分1−エトキシエチル化
エチルビニルエーテルの使用量を変えて、上記(4b)に準じた操作を行った。なお、(4a)で得た樹脂溶液の使用量を変更した場合は、それに合わせて他の原料や溶媒の量も変更した。また、エチルビニルエーテル添加後の攪拌時間も適宜変更した。得られた樹脂溶液の固形分濃度、及び各樹脂におけるポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうちの1−エトキシエチル化率を、上記(4b)で得た樹脂R41 の値とともに表1に示した。
【0089】
【表1】
【0090】
実施例3
合成例4の(4b)又は(4c)で得た樹脂R41〜R47の各溶液を固形分換算で表2に示す割合で混合して、平均保護率が同表に示す値となるように調合した。それぞれの樹脂(固形分13.5部)に、酸発生剤としてビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンを0.5部、クェンチャーとしてトリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミンを0.01部、別のクェンチャーとしてテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを0.01部、保水剤としてポリプロピレングリコールを0.135部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを樹脂溶液からの持ち込み分を含めて合計80部混合した。この溶液を孔径0.1μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過して、レジスト液を調製した。
【0091】
常法により洗浄したシリコンウェハに、 Brewer Sciense 社製の有機反射防止膜用組成物である“DUV-42”(中性)を塗布してベークし、膜厚600Åの反射防止膜を形成させた。そこにスピンコーターを用いて、上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.52μmとなるように塗布した。次いでこのシリコンウェハを、ホットプレート上にて90℃で90秒間プリベークした。プリベーク後の塗膜を、ライン/スペースの幅の比が1/1.5のセミデンスパターンを有するクロムマスクを介して、露光波長248nmのKrFエキシマレーザーステッパー〔(株)ニコン製の“NSR-2205 EX12B”、NA=O.55、σ=0.8〕を用い、露光量を段階的に変化させて露光処理した。露光後のウェハを、ホットプレート上にて100℃で90秒間加熱してPEBを行い、露光部の脱保護基反応を行った。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液で現像して、ポジ型パターンを得た。
【0092】
形成されたパターンを電子顕微鏡で観察し、以下のようにして実効感度、焦点深度及びプロファイルを評価し、その結果を表2に示した。
【0093】
実効感度: ライン幅0.18μm(スペース幅はその1.5倍の0.27μm)のセミデンスラインアンドスペースパターンの断面が正確に1:1.5となるときの最少露光量で表示した。
焦点深度: 焦点の位置を上下に移動させて実効感度の露光量で露光したときに、ライン幅0.18μm、スペース幅0.27μmのセミデンスラインアンドスペースパターンが1:1.5で解像する焦点の範囲で表示した。焦点深度が1μm 以上あれば、フォーカスマージンが広い、すなわち良好といわれている。
プロファイル: 実効感度の露光量で形成されたライン幅0.18μm、スペース幅0.27μmのセミデンスラインアンドスペースパターンの断面形状で判断した。
【0094】
【表2】
【0095】
実施例4
合成例4の(4c)で得た樹脂R48の溶液及び樹脂R49の溶液をそれぞれ固形分換算で4.385部及び9.115部の割合で混合し、平均ピバロイル化率が10%、平均1−エトキシエチル化率が20%で、固形分量が13.5部の樹脂溶液とした。この樹脂溶液に、酸発生剤としてビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンを0.5部、別の酸発生剤としてp−トリルジフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネートを0.05部、クェンチャーとしてトリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミンを0.01125部、別のクェンチャーとしてテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを0.03375部、保水剤としてポリプロピレングリコールを0.135部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを樹脂溶液からの持ち込み分を含めて合計85部混合した。この溶液を孔径0.1μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過して、レジスト液を調製した。
【0096】
このレジスト液を用いて、実施例3と同様の方法で試験を行った。その結果、実効感度は40mJ/cm2 、焦点深度は1.8μmであり、プロファイルはほぼ矩形であった。
【0097】
実施例5
合成例4に準じて合成した2種類の樹脂を混合して、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基のピバロイル化率10%、1−エトキシエチル化率20%の樹脂を調製した。この樹脂を固形分換算で13.5部用いたこと及び表3に示すクェンチャーを用いたこと以外は、実施例3と同様の実験を行い、結果を合わせて表3に示した。なお表3では、クェンチャーを以下の略号で表示する。
【0098】
クェンチャーの種類
TMEA:トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
DCMA:メチルジシクロヘキシルアミン
【0099】
【表3】
【0100】
合成例5
(5a) ポリビニルフェノールの部分ピバロイル化
フラスコに、ポリ(p−ビニルフェノール)1.2kg(p−ビニルフェノール単位として10.0モル)及びアセトン6.0kgを仕込んで攪拌し、樹脂を溶解させた。溶解後、トリエチルアミン151.6g(1.5モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.15当量)を加えた。その溶液を35℃に加熱した後、ピバロイルクロリド120.4g(1.0モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.1当量)を滴下した。35℃で3時間撹拌後、酢酸エチル6kg及び0.5%蓚酸水溶液4kgを加えて分液した。この有機層に0.5%蓚酸水溶液4kgを加えて分液する操作を2回行い、洗浄した。得られた有機層に酢酸エチル6kgを加えた。さらに、得られた有機層をイオン交換水3kgで5回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して、溶液の量が2.8kgになるまで濃縮し、次に酢酸エチル7.2kgを加えた後、再び溶媒を留去して濃縮し、樹脂溶液4.5kgを得た。
【0101】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、31.0%であった。この樹脂は、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基のうち約10%がピバロイル化されている。
【0102】
(5b) 部分ピバロイル化ポリビニルフェノールのさらに部分1−エトキシプロピル化
フラスコに、上記(5a)で得られた樹脂溶液1.5kg(元のp−ビニルフェノール単位として3.6モル)、10−カンファースルホン酸0.21g及び酢酸エチル1.2kgを仕込んで攪拌し、35℃まで昇温した。そこに、滴下ロートを用いて、エチル1−プロペニルエーテル194.5g(2.26モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.63当量)を20分かけて滴下した。35℃で3時間撹拌後、酢酸エチル929g及びイオン交換水929gを加えて分液した。得られた有機層を、イオン交換水929gで4回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを2.1kg加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液1.62kgを得た。
【0103】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、33.8%であった。また、NMR分光計により、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシプロピル化されたものの割合を求めたところ、26.1%であった。
【0104】
(5c) 部分ピバロイル化ポリビニルフェノールの別途の部分1−エトキシプロピル化
フラスコに、上記(5a)で得られた樹脂溶液1.5kg(元のp−ビニルフェノール単位として3.6モル)、10−カンファースルホン酸0.21g及び酢酸エチル1.2kgを仕込んで攪拌し、35℃まで昇温した。そこに、滴下ロートを用いて、エチル1−プロペニルエーテル166g(1.93モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基に対して0.53当量)を20分かけて滴下した。35℃で3時間撹拌後、酢酸エチル929g及びイオン交換水929gを加えて分液した。得られた有機層を、イオン交換水929gで4回水洗分液した。この有機層から溶媒を留去して濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを2.3kg加えてさらに溶媒を留去することにより溶媒置換し、樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液1.46kgを得た。
【0105】
この樹脂溶液の固形分濃度を加熱質量減量法により求めたところ、36.8%であった。また、NMR分光計により、ポリ(p−ビニルフェノール)中の水酸基のうち1−エトキシプロピル化されたものの割合を求めたところ、18.4%であった。
【0106】
(5d) 1−エトキシプロピル化率の調整
上記(5b)で得た樹脂溶液と上記(5c)で得た樹脂溶液とを、重量比で2.22:7.78の割合で混合し、固形分濃度36.1%相当の樹脂溶液を得た。この樹脂は、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸基のうち、ピバロイル化率約10%、1−エトキシエチル化率約20%に相当し、これを樹脂R5とする。
【0107】
実施例6
樹脂を、合成例5の(5d)で得た樹脂R5に変えた以外は、実施例3と同様の実験を行った。その結果、実効感度は28mJ/cm2 、焦点深度は1.5μmであり、プロファイルはほぼ矩形であった。
【0108】
実施例7
樹脂を、合成例5の(5d)で得た樹脂R5に変えた以外は、実施例4と同様の実験を行った。その結果、実効感度は44mJ/cm2 、焦点深度は1.8μmであり、プロファイルはほぼ矩形であった。
【0109】
実施例8
樹脂を、合成例5の(5d)で得た樹脂R5に変えた以外は、実施例5と同様の実験を行った。その結果を表4に示す。表4中のクェンチャーの種類を表す略号は、実施例5で説明したとおりである。
【0110】
【表4】
【0111】
実施例9
合成例4の(4c)で得た樹脂R48 及び樹脂R49 、合成例3の(3a)で得た樹脂RX1 並びに同(3b)で得た樹脂RX2 の各溶液を、それぞれ固形分換算で表5に示す割合で混合して、平均保護率が同表に示す値となるように調合した。それぞれの樹脂溶液(固形分13.5部)に、酸発生剤としてビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンを0.2部、別の酸発生剤としてビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタンを0.1部、 クェンチャーとしてメチルジシクロヘキシルアミンを0.01部、別のクェンチャーとしてテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを0.006部、保水剤としてポリプロピレングリコールを0.135部、基板依存性改良剤としてコハク酸イミドを0.01部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを樹脂溶液からの持ち込み分を含めて合計65部混合した。この溶液を孔径0.1μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0112】
常法により洗浄したシリコンウェハに、スピンコーターを用いて、上記レジスト液を乾燥後の膜厚が0.66μmとなるように塗布した。次いでこのシリコンウェハを、ホットプレート上にて90℃で60秒間プリベークした。プリベーク後の塗膜を、コンタクトホールのパターンを有するクロムマスクを介して、露光波長248nmのKrFエキシマレーザーステッパー〔(株)ニコン製の“NSR-2205 EX12B”、NA=O.55、σ=0.8〕を用い、露光量を段階的に変化させて露光処理した。用いたマスクは、それ自身は方形の透光部を有するが、現像後のレジスト露光部が図1に示すような円柱状のホール1となり、そのまわりの未露光部が像2として残る形のパターンを与え、ホール1の直径aと隣接するホール壁間の最短距離bとの比(ピッチa:b)が1:2のものである。上記の露光後、ウェハをホットプレート上にて105℃で60秒間加熱してPEBを行い、露光部の脱保護基反応を行った。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液で現像して、ポジ型パターンを得た。
【0113】
形成されたパターンを電子顕微鏡で観察し、以下のようにして実効感度、焦点深度及びプロファイルを評価し、その結果を表5に示した。
【0114】
実効感度: ホール径0.25μmのコンタクトホールを、ピッチa:b=1:2で形成するのに必要な最少露光量で表示した。
焦点深度: 焦点の位置を上下に移動させて実効感度の露光量で露光したときに、ホール径0.25μmのコンタクトホールを、ピッチa:b=1:2で正確に解像する焦点の範囲で表示した。焦点深度が1μm 以上あれば、フォーカスマージンが広い、すなわち良好といわれている。
プロファイル: 実効感度の露光量で形成されたホール径0.25μmのコンタクトホールパターンの断面形状で判断した。
【0115】
【表5】
【0116】
【発明の効果】
本発明により、前記式(I)、(II)及び(III) で示される各構造単位を有する樹脂を用いたフォトレジスト組成物は、高エネルギー放射線の露光領域において、優れた解像性及び優れたプロファイルを与える。また、有機反射防止膜を設けた基板上でも、優れたプロファイルを与え、フォーカスマージンも広い。したがって、この組成物を用いることにより、高精度の微細なフォトレジストパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9で形成したコンタクトホールパターンの一部のみを拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1……ホール(露光、現像によりレジストが除去される部分)、
2……未露光で、レジスト層として残る部分、
a……ホールの径、
b……ホールとホールの間隔。
Claims (11)
- 下式(I)、(II)及び(III)
(式中、R1、R2、R3、R11、R12、R13、R21、R22及びR23は互いに独立に、水素又は炭素数1〜4のアルキルを表し、R14、R15及びR16の一つは脂肪族炭化水素残基を表し、残りは互いに独立に、水素若しくは脂肪族炭化水素残基を表すか、又はR14、R15及びR16のうち二つ若しくは三つが一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに炭化水素環を形成し、式 (III) 中のRは、下式 (IIIa)
(式中、R 24 は水素又は炭素数1〜4のアルキルを表し、R 25 は炭素数1〜4のアルキルを表し、R 26 はアルキル若しくはシクロアルキルを表すか、又はR 25 とR 26 が一緒になってアルキレン鎖を形成し、このアルキレン鎖はアルコキシで置換されてもよい)で示され、酸の作用により解裂する基を表す)で示される各構造単位を一分子中に有する樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。 - R1、R2、R11、R12、R21及びR22が水素であり、R3 、R13及びR23が互いに独立に水素又はメチルである請求項1記載の組成物。
- 式(II)中のR14、R15及びR16がそれぞれメチルである請求項1又は2記載の組成物。
- 樹脂中の式(II)で示される構造単位が1〜30モル%である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 樹脂中の式(III)で示される構造単位が10〜50モル%である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- さらに酸発生剤を含有し、化学増幅型でポジ型に作用する請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 酸発生剤がジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物を含有する請求項6記載の組成物。
- ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物がビス(シクロアルキルスルホニル)ジアゾメタンである請求項7記載の組成物。
- 酸発生剤がさらにオニウム塩を含有する請求項7又は8記載の組成物。
- オニウム塩がp−トリルジフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネート及びp−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートから選ばれる請求項9記載の組成物。
- さらに有機塩基化合物を含有する請求項6〜10のいずれかに記載の組成物。
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