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JP3742291B2 - ブラシレスモータ装置 - Google Patents

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JP3742291B2
JP3742291B2 JP2000291638A JP2000291638A JP3742291B2 JP 3742291 B2 JP3742291 B2 JP 3742291B2 JP 2000291638 A JP2000291638 A JP 2000291638A JP 2000291638 A JP2000291638 A JP 2000291638A JP 3742291 B2 JP3742291 B2 JP 3742291B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は永久磁石を有するロータと三相巻線を有するステータとを備えて構成されるブラシレスモータと、該ブラシレスモータを駆動する駆動装置を具備するブラシレスモータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は従来のブラシレスモータ装置の構成を示す図である。図示するように、ブラシレスモータ装置はブラシレスモータ部Mと駆動装置部Dとからなる。ブラシレスモータ部Mはブラシレスモータ10を具備する。該ブラシレスモータ10は外周に永久磁石11a、11b、11c、11dが配置されたロータ11と、該ロータ11の外周に配置したステータコア(図示せず)と巻線12u、12v、12wを有するステータ12とを具備する。駆動装置部Dはインバータ部21、スイッチング制御部22、磁極位置信号処理部23、回転数制御部24、電流検出部25及びコンバータ部26を具備する。
【0003】
各巻線12u、12v、12wに通電するタイミングは、所定の位置にロータ11の磁極位置を検出する例えばホール素子等からなる磁極位置センサ13を配置し、図2(a)に示すようなロータ11の磁極位置信号波形Hu、Hv、Hwを検出し、該磁極位置信号波形Hu、Hv、Hwから図2(b)に示すようなロータ11の永久磁石11a、11b、11c、11dによる誘起電圧に対して120度の通電タイミングのスイッチング出力信号を形成し、それにより図1のインバータ部21のスイッチング素子T1〜T6をオンオフ駆動していた。即ち、同時通電相数2の120度通電方式であった。
【0004】
上記通電方式におけるロータ11の磁極位置の検出には、上記のようにホール素子等からなる磁極位置センサ13を使用したり、或いはロータ11の回転中に発生する誘起電圧を通電していない相の巻線から検出し、信号処理を行い図2(b)に示すような通電タイミングのスイッチング駆動信号を形成し、インバータ部21のスイッチング素子T1〜T6をオンオフ駆動していた。
【0005】
図2(c)、図2(d)はそれぞれブラシレスモータ10の運転中の巻線端子電圧波形、巻線電流波形を示す。図から明らかなように、通電中の巻線電流波形は正弦波状にならずM字状の波形となり、低力率となるという問題があった。なお、図2(c)、図2(d)にはU相の巻線12uの端子電圧波形、巻線電流波形を示したが、V相、W相の巻線12v、12wの端子電圧波形、巻線電流波形も120度の位相差があるのみで、波形の形状は同じである。上記構成のブラシレスモータ装置には下記のような問題点があった。
【0006】
▲1▼ロータ11の磁極位置を検出するため、磁極位置センサ13を設ける必要があるために磁極位置センサ13自身のコストを必要とし、また磁極位置センサ13の耐熱や耐振動などの特性から磁極位置センサ13の設置環境を制限する必要があった。
【0007】
▲2▼磁極位置センサを設けないで誘起電圧を検出して通電タイミングを決定し、駆動するタイプは、通電する相を決めるための信号を処理する複雑な回路を必要としていた。これらはコストの面や駆動回路を複雑にし故障の原因となるという問題もあった。
【0008】
▲3▼120度の矩形波通電方式においては前述したように通電電流は図2(d)に示すようにM字形の波形となり、高周波成分により鉄損がより多く発生し、また力率は悪く電流を多く流す必要になるために銅損が大きくなり、効率の更なる向上には限界があった。
【0009】
▲4▼その発生トルクはリップルを含むことになる。このリップルは回転制御や位置制御用途において高精度のモータ特性を得ようとする点で問題となっていた。
【0010】
▲5▼ロータ11の永久磁石11a、11b、11c、11dによる磁界方向は等配置しているのに対して120度通電時のステータ磁極は同時通電相数は2であるため、一般的に三相巻線においては通電時、磁極発生位置が等配磁極にならないため反磁界作用が強く働きロータの永久磁石が減磁しやすいという欠点もあった。また、トルクリップルも含むことになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、安価でより高性能のブラシレスモータとその駆動装置を具備するブラシレスモータ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、ステータコアと三相巻線を有するステータと、該ステータコアの中央部に配置され永久磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータと、該ブラシレスモータと、該ブラシレスモータの各巻線に通電するスイッチング素子及び該スイッチング素子のオンオフを制御する制御手段を備えた駆動装置を具備するブラシレスモータ装置であって、
前記ブラシレスモータのステータコアと永久磁石は前記ロータの回転により前記三相巻線の各相間に発生する誘起電圧は120度ずつ位相の異なる正弦波状となるように構成されており、
前記駆動装置は前記ロータの磁極位置に関係なく前記ステータの三相巻線の各相間に運転周波数f0で前記ロータが回転した場合の各相間の誘起電圧V0よりも所定倍率で大きく且つ前記各相の巻線にそれぞれ120度位相が異なる正弦波電流を180度のタイミングで流す電圧V1を前記スイッチング素子のオンオフ制御により通電する機能を具備することを特徴とする。
【0013】
上記のように駆動装置は、三相巻線の各相間に運転周波数f0でロータが回転した場合の各相間の誘起電圧V0よりも大きく且つ各相の巻線にそれぞれに120度位相が異なる正弦波電流を180度のタイミングで流す電圧V1をスイッチング素子のオンオフ制御により印加することにより、追加励磁状態となり、発生するトルクは通常得られるトルクより大きいトルクが得られる。また、各相の巻線には正弦波電流を通電するので、従来の120度の矩形波通電方式とは異なり、高周波成分が少なく鉄損の発生が少なく、更に力率が良くなることにより銅損が少なくなるから効率が向上する。また、ロータの磁極位置を検出する磁極位置センサを設ける必要がないため、該磁極位置センサの設置環境を考慮する必要がない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスモータ装置において、ブラシレスモータは2nのロータ磁極と、3n個又は6n個(n=1,2,3,…)の突極集中巻の巻線を有するステータ磁極歯を具備することを特徴とする。
【0015】
上記のように2nのロータ磁極と3n個又は6n個の突極集中巻の巻線を有するステータ磁極歯を具備するので、三相巻線の各相間に発生する誘起電圧は120度ずつ位相の異なる正弦波状となり、突極性と追加励磁作用により追加励磁トルクを発生させることが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のブラシレスモータ装置において、駆動装置は、ブラシレスモータの始動時に所定時間直流電流を巻線に流した後、徐々に駆動電圧及び駆動周波数を上昇させる機能を具備することを特徴とする。
【0017】
上記のようにブラシレスモータの始動時に所定時間直流電流を巻線に流すことにより、ブラシレスモータのロータの磁極あわせが確実に完了し、その後に徐々に駆動電圧、周波数を上昇(ソフトスタート)させることにより、駆動周波数に対するロータ回転の同期はずれ、いわゆる脱調を起こすことなく加速し、定格運転に入ることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2又は3に記載のブラシレスモータ装置において、駆動装置は、ブラシレスモータの巻線に流れる電流を検出する電流検出手段を具備し、該ブラシレスモータの駆動中に駆動周波数とロータの回転同期ずれの脱調が生じ、その通電電流が正常運転時の通電電流よりも大きくなった場合、駆動周波数を降下させるか又は通電を停止する機能を具備することを特徴とする。
【0019】
上記のように通電電流が正常運転時の通電電流よりも大きくなった場合、駆動周波数を降下させることにより脱調を回避するか又は通電を停止することにより、ブラシレスモータを脱調状態から保護することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2又は3に記載のブラシレスモータ装置において、駆動装置は、ブラシレスモータの各相間に印加する電圧により各相に流れる電流と該電圧の位相を監視する手段を具備し、該電流と電圧の位相差が予め設定した目標値に近づくように印加電圧を増減して位相制御する機能を備えたことを特徴とする。
【0021】
ブラシレスモータは印加する電圧の増減によって通電電流との位相が変動する特性をもっているから、上記のようにブラシレスモータの各相間に印加する電圧により各相に流れる電流と該電圧の位相を監視し、該電流と電圧の位相差が予め設定した目標値に近づくように印加電圧を増減することにより、目標値に近い電流と電圧の位相差で運転することが可能となる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のブラシレスモータ装置において、駆動装置は、位相制御により印加電圧の増減を繰返しても目標の位相差に近づかないことと、電流値が所定の設定値より大きい場合、脱調と判断して駆動周波数を降下させるか又は通電を停止することを特徴とする。
【0023】
上記のように位相制御により印加電圧の増減を繰返しても目標の位相差に近づかないことと、電流値が所定の設定値より大きい場合、脱調と判断して駆動周波数を降下させるか又は通電を停止することにより、ブラシレスモータが脱調状態になったことを確実に検知でき、この脱調状態から回避又は停止させることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のブラシレスモータ装置において、駆動装置は、ブラシレスモータを駆動において出力電流が所定の値を超えた場合、該出力電流と駆動周波数の積が一定になるように該駆動周波数を制御する機能を具備することを特徴とする。
【0025】
上記のように出力電流が所定の値を超えた場合、該出力電流と駆動周波数の積が一定になるように該駆動周波数を制御するので、出力が略一定となる定出力特性領域を持たせることができ、電力を検出するなどの複雑な手段を用いることなくブラシレスモータに加わる負荷を制限させてモータ保護することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図3は本発明に係るブラシレスモータの主要部構成を示す図であり、図4はその巻線の結線状態を示す図である。ステータ12は6スロットのステータコア14の磁極部U1、U2、V1、V2、W1、W2に突極集中巻により巻線12u1、12u2、12v1、12v2、12w1、12w2を巻回して構成している。磁極U1に巻かれた巻線12u1と磁極U2に巻かれた巻線12u2とを直列に接続してU相巻線とし、磁極V1に巻かれた巻線12v1と磁極V2に巻かれた巻線12v2とを直列に接続してV相巻線とし、磁極W1に巻かれた巻線12w1と磁極W2に巻かれた巻線12w2とを直列に接続してW相巻線としている。そしてU相巻線、V相巻線、W相巻線を星型結線に接続している。
【0027】
ステータコア14の中央部に外周に永久磁石11a、11b、11c、11dを設けたロータ11を配置する。ここでは等方性のボンド磁石リング(磁性粒子を樹脂で固めたリング状に形成した磁石)を用い4極に着磁を施している。この結果、等方性の磁気特性によりロータ11が回転することによるU相巻線(巻線12u1と12u2)、V相巻線(巻線12v1と12v2)、W相巻線(巻線12w1と12w2)に発生する誘起電圧波形は正弦波状となる。
【0028】
ロータ11は上記構成に限らず扇状の永久磁石セグメントを貼り付けたり、スキューをかけたり、ロータ内部に埋め込み型とする構成等やステータ巻線側の工夫によりロータが回転する時に巻線に発生する誘起電圧を正弦波状とすることができる。なお、ブラシレスモータは上記構成に限定されるものではなく、2nのロータ磁極と3n個又は6n個(但しn=1,2,3,…)の突極集中巻の巻線を有するステータ磁極歯を具備する構成であればよい。
【0029】
また、突極集中巻は図4からも明らかなようにコイルエンド寸法を最小にでき、使用する巻線の量を減らせるので電流が流れるときに発生するジュール熱、いわゆる銅損を減ずる効果があると共に、製造時に巻線をステータコアに取り付ける作業において省力化を図れ、低価格のブラシレスモータとなる。
【0030】
図5は本発明に係るブラシレスモータ装置の主要構成を示す図である。図示するように、駆動装置部Dはインバータ部21、コンバータ部26、電流検出部27、電圧検出部28、周波数/電圧制御部29及び出力部30を具備する。インバータ部21は6個の半導体スイッチング素子T1〜T6で構成され、U相とV相間、V相とW相間、W相とU相間において発生電圧は互いに120度の位相を持ち、各相への通電電流は180度のタイミングにて正弦波電流の通電を行う。
【0031】
ここでは、図2に示すような磁極位置センサ13およびインバータスイッチング駆動信号を形成するための磁極位置信号処理部23及び回転数制御部24を設けることなく、各相の電流、電圧を検出する電流検出部27、電圧検出部28を設け、その出力により周波数/電圧制御部29でスイッチング制御部22を介してインバータ部の各半導体スイッチング素子T1〜T6をオンオフ制御して、ブラシレスモータ10を回転駆動する。図6(a)は上記駆動装置から出力されるブラシレスモータ10の印加電圧波形、図6(b)はその各相の通電電流Iu、Iv、Iw、図6(c)の▲1▼〜▲5▼はその時におけるステータ巻線磁極とロータ11の位置関係を示す図である。
【0032】
図6(b)の▲1▼〜▲5▼は図6(c)の▲1▼〜▲5▼に対応する。図6(b)に示す正弦波状の電流Iu、Iv、Iwに対して、図6(c)の▲1▼〜▲5▼に示すように連続的にロータ11が回転する。
【0033】
上記突極集中巻においては次のような特徴が得られる。図6における状態で回転しているときに負荷が大きくなっていくと、ブラシレスモータ10のロータ磁極とステータ磁極歯にできる磁極の間にズレが徐々にできてくる。ここで本実施形態例の場合、ロータ11の回転による巻線に発生する誘起電圧V0よりも大きい電圧V1を印加することにより、追加励磁する状態となり、発生するトルクは通常得られる磁石トルクより大きいトルクが得られる。これはここではロータ11にリング磁石を用いているが、ステータが突極集中巻によりその磁極歯が突極性を有するような形状にしたことにより、その突極性と追加励磁作用により追加励磁トルクが発生しているからである。
【0034】
図7は上記磁石トルクと追加励磁トルクと総合トルクの状態を示す図である。同図において、縦軸はトルク値、横軸は電流位相を示す。図示するように、磁石トルクAに対して追加励磁トルクBが発生し、それにより総合トルクCが得られる。ロータの突極性に対するリラクタンストルクの重畳は従来から言われており、ここではその応用となる。
【0035】
本発明の突極集中巻における磁極歯の突極性とは、図6(c)のステータコア14の形状に示すように、ステータコア14とロータ11の磁気ギャップの大きさG0よりもスロット開口部の大きさG1を大きくしたものである。
【0036】
次に、実際の運転動作について説明する。図3に示す構成のブラシレスモータのロータ11を外部の動力により回転させると誘導起電力が巻線12u1、12u2、12v1、12v2、12w1、12w2に発生する。回転数と発生する電圧の関係(V/fレートと呼ぶ)の実測データを図8に示す。図8に示すデータは定格周波数f0でロータ11が回転した場合における誘起電圧V0が得られることを示す。この得られたデータから誘起電圧V0より少し大きい電圧V1を印加電圧として決定する。本実施形態例では定格点において電圧V0の1.2倍を設定している(この電圧V0に対する電圧V1の割合を印加電圧定数と呼ぶ)。
【0037】
始動時にはこのV/fレートにおいて徐々に駆動電圧、周波数を上昇(ソフトスタート)すれば駆動周波数に対するロータ回転の同期はずれ、いわゆる脱調を起こすことなく加速し、定格運転に入ることができる。このときにソフトスタートによりステータ巻線にできる磁極とロータ磁極の同期がとられ、脱調することなく運転できるのであるが、始動時においてより確実な同期を行うために本実施形態例ではソフトスタートを開始する前に前述のモータ巻線に一方向の直流電流を所定の時間かける。これによりブラシレスモータのロータ11の磁極あわせが確実に完了しその後のソフトスタートにモータは確実に加速される。
【0038】
また、この時印加電圧V1を誘起電圧V0の何倍に設定(以下、印加電圧定数とする)するかは所望するトルクと得られる力率のバランスを考慮して決定すればよい。
【0039】
また、図8に示したように印加電圧定数をモータの負荷率に対していつも一定にすると必要なバランスをもった運転が可能となる。図9に示すように本実施形態例における負荷は回転数2500min-1においてトルクが盛り上がる特性をもっているので、予めその回転数での印加電圧定数を1.4倍と高めた電圧を印加すれば、増大したトルクに対して脱調せずに駆動できる。
【0040】
また、図5に示す駆動装置部Dには次のような特徴を持たせている。図5に示すように、電流検出部27と電圧検出部28から得られた信号により、ブラシレスモータ10に通電する電圧と電流の位相を常時監視し位相の制御を行う手段、即ち周波数/電圧制御部29を設けている。これはブラシレスモータ10に印加する電圧の増減によって通電電流との位相が変動する特性を持っているからで、これによれば位相差が予め設定した位相、本実施形態例では90%(位相差無しを100%)になるように駆動することが可能となる。
【0041】
更に上記制御によりブラシレスモータ10の運転中に予期せぬ負荷の増大が生じた場合に対しては、印加電圧及び周波数、又はどちらか一方の増加減を所定時間何度か繰返し行っても予め設定した目標の位相差に近づかないことと、所定の許容電流値より大きくなった場合は、この状態を脱調と判断しブラシレスモータ10の駆動を停止する。本実施形態例では定格電流の250%の過電流値を検出したので定格電流の2倍を基準値としている。
【0042】
脱調が確定した場合は、ブラシレスモータ10の運転を停止するが、その後同様の始動を自動的或いは手動にて行い運転を再開する。本実施形態例ではこのように再始動を行っても前述の脱調が再度確定し、自動的にその動作を繰返して行う回数を3回とし、それでも始動しないときは自動再始動を停止し出力部30からアラームを出力する。
【0043】
また、本発明では次の機能を持たせることができる。図10に示すようにブラシレスモータ10が運転中に何等かの理由により、所定の電流値を超えた場合にその周波数を検出し、電流値との積が一定になるように駆動周波数を低下させる。これにより出力が略一定となる定出力特性領域を持たせることができ、ブラシレスモータ10に加わる負荷を制限させてモータ保護することが可能となる。これによれば電力を検出するなどの複雑な手段は必要なくなる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように各請求項に記載の発明によれば下記のような優れた効果が得られる。
【0045】
請求項1及び2に記載の発明によれば、三相巻線の各相間に運転周波数f0でロータが回転した場合の各相間の誘起電圧V0よりも大きく且つ各相の巻線にそれぞれに120度位相が異なる正弦波電流を180度のタイミングで流す電圧V1を印加することにより、従来の120度の矩形波通電方式とは異なり、高周波成分が少なく鉄損の発生が少なく、更に力率が良くなることにより銅損が少なくり効率が向上する。また、ロータの磁極位置を検出する磁極位置センサを設ける必要がないため、その分安価で、磁極位置センサの設置環境を考慮する必要がない。
【0046】
請求項3に記載の発明によれば、ブラシレスモータの始動時に所定時間直流電流を巻線に流すことにより、ブラシレスモータのロータの磁極あわせが確実に完了し、その後に徐々に駆動電圧、周波数を上昇(ソフトスタート)させることにより、駆動周波数に対するロータ回転の同期はずれ、いわゆる脱調を起こすことなく加速し、定格運転に入ることができる。
【0047】
請求項4に記載の発明によれば、通電電流が正常運転時の通電電流よりも大きくなった場合、駆動周波数を降下させることにより脱調を回避するか又は通電を停止することにより、ブラシレスモータの脱調運転を回避することができる。
【0048】
請求項5に記載の発明によれば、ブラシレスモータは印加する電圧の増減によって通電電流との位相が変動する特性をもっているから、ブラシレスモータの各相間に印加する電圧により各相に流れる電流と該電圧の位相を監視し、該電流と電圧の位相差が予め設定した目標値に近づくように印加電圧を増減することにより、目標値に近い電流と電圧の位相差で運転することが可能となる。
【0049】
請求項6に記載の発明によれば、位相制御により印加電圧の増減を繰返しても目標の位相差に近づかないことと、電流値が所定の設定値より大きい場合、脱調と判断して駆動周波数を降下させるか又は通電を停止することにより、ブラシレスモータが脱調状態になったことを確実に検知でき、この脱調状態から回避又は停止させることができる。
【0050】
請求項7に記載の発明によれば、出力電流が所定の値を超えた場合、該出力電流と駆動周波数の積が一定になるように該駆動周波数を制御するので、出力が略一定となる定出力特性領域を持たせることができ、電力を検出するなどの複雑な手段を用いることなくブラシレスモータに加わる負荷を制限させてモータ保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブラシレスモータ装置の構成例を示す図である。
【図2】図2(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ従来のブラシレスモータ装置の磁極位置信号波形、スイッチング出力信号波形、巻線端子電圧波形、巻線電流波形を示す図である。
【図3】本発明に係るブラシレスモータの主要部構成を示す図である。
【図4】本発明に係るブラシレスモータの巻線の結線状態を示す図である。
【図5】本発明に係るブラシレスモータ装置の構成例を示す図である。
【図6】図6(a)、(b)、(c)はそれぞれ本発明に係るブラシレスモータの印加電圧波形、通電電流波形、ステータ巻線磁極とロータの位置関係を示す図である。
【図7】本発明に係るブラシレスモータの磁石トルク、追加励磁トルク及び総合トルクの状態を示す図である。
【図8】本発明に係るブラシレスモータのロータ回転数と誘起電圧の関係を示す図である。
【図9】本発明に係るブラシレスモータのロータ回転数と誘起電圧の関係を示す図である。
【図10】本発明に係るブラシレスモータの電流と周波数の特性(定出力特性)を示す図である。
【符号の説明】
10 ブラシレスモータ
11 ロータ
12 ステータ
13 磁極位置センサ
14 ステータコア
21 インバータ部
22 スイッチング制御部
23 磁極位置信号処理部
24 回転数制御部
25 電流検出部
26 コンバータ部
27 電流検出部
28 電圧検出部
29 周波数/電圧制御部
30 出力部

Claims (7)

  1. ステータコアと三相巻線を有するステータと、該ステータコアの中央部に配置され永久磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータと、該ブラシレスモータと、該ブラシレスモータの各巻線に通電するスイッチング素子及び該スイッチング素子のオンオフを制御する制御手段を備えた駆動装置を具備するブラシレスモータ装置であって、
    前記ブラシレスモータのステータコアと永久磁石は前記ロータの回転により前記三相巻線の各相間に発生する誘起電圧は120度ずつ位相の異なる正弦波状となるように構成されており、
    前記駆動装置は前記ロータの磁極位置に関係なく前記ステータの三相巻線の各相間に運転周波数f0で前記ロータが回転した場合の各相間の誘起電圧V0よりも所定倍率で大きく且つ前記各相の巻線にそれぞれ120度位相が異なる正弦波電流を180度のタイミングで流す電圧V1を前記スイッチング素子のオンオフ制御により通電する機能を具備することを特徴とするブラシレスモータ装置。
  2. 前記請求項1に記載のブラシレスモータ装置において、
    前記ブラシレスモータは2nのロータ磁極と3n個又は6n個(n=1,2,3,…)の突極集中巻線を有するステータ磁極歯を有することを特徴とするブラシレスモータ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のブラシレスモータ装置において、
    前記駆動装置は、前記ブラシレスモータの始動時に所定時間直流電流を前記巻線に流した後、徐々に駆動電圧及び駆動周波数を上昇させる機能を具備することを特徴とするブラシレスモータ装置。
  4. 請求項1又は2又は3に記載のブラシレスモータ装置において、
    前記駆動装置は、前記ブラシレスモータの巻線に流れる電流を検出する電流検出手段を具備し、該ブラシレスモータの駆動中に駆動周波数と前記ロータの回転同期ずれの脱調が生じ、その通電電流が正常運転時の通電電流よりも大きくなった場合、前記駆動周波数を降下させるか又は通電を停止する機能を具備することを特徴とするブラシレスモータ装置。
  5. 請求項1又は2又は3に記載のブラシレスモータ装置において、
    前記駆動装置は、前記ブラシレスモータの各相間に印加する電圧により各相に流れる電流と該電圧の位相を監視する手段を具備し、該電流と電圧の位相差が予め設定した目標値に近づくように前記印加電圧を増減して位相制御する機能を備えたことを特徴とするブラシレスモータ装置。
  6. 請求項5に記載のブラシレスモータ装置において、
    前記駆動装置は、前記位相制御により前記印加電圧の増減を繰返しても目標の位相差に近づかないことと、前記電流値が所定の設定値より大きい場合、脱調と判断して駆動周波数を降下させるか又は通電を停止することを特徴とするブラシレスモータ装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のブラシレスモータ装置において、
    前記駆動装置は、前記ブラシレスモータを駆動において出力電流が所定の値を越えた場合、該出力電流と駆動周波数の積が一定になるように該駆動周波数を制御する機能を具備することを特徴とするブラシレスモータ装置。
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