JP3738673B2 - 車輌用自動操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌の操舵装置に係り、更に詳細には操舵輪を自動的に操舵する自動操舵装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌の自動操舵装置は従来より知られており、自動操舵装置は一般に、操舵輪を操舵する操舵輪操舵手段と、操舵輪の実操舵角を検出する手段と、例えば車輌の現在位置及び車輌の目標停止位置に基づき操舵輪の目標操舵角を演算する手段と、目標操舵角と実操舵角との偏差に基づく目標操舵トルクにて操舵輪操舵手段により操舵輪を操舵する制御手段とを有している。
【0003】
また自動操舵装置の一つとして、例えば特開平8−26129号公報に記載されている如く、アッパステアリングシャフトとロアステアリングシャフトとの間にギヤ比可変装置を有し、自動操舵の目標操舵角速度が基準値未満であるときにはギヤ比可変装置のギヤ比が一定になるようギヤ比可変装置を制御し、自動操舵の目標操舵角速度が基準値以上であるときにはステアリングホイールが回転しないようギヤ比可変装置を制御する自動操舵装置も知られている。
【0004】
上記公開公報に記載された自動操舵装置によれば、自動操舵により操舵輪が比較的急激に操舵される場合にはステアリングホイールの回転が阻止されるので、自動操舵によって操舵輪が比較的急激に操舵されることによりステアリングホイールが急激に回転し、これに起因して運転者の指等に危害が及ぶ虞れを低減することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記公開公報に記載された自動操舵装置に於いては、自動操舵の目標操舵角速度が基準値以上であるときにはステアリングホイールは全く回転しないので、運転者は自動操舵による操舵輪の操舵状況をステアリングホイールの回転により認知することができず、そのため車輌の旋回運動によってしか自動操舵装置が適正に作動しているか否かを判定することができないという問題がある。
【0006】
また上記公開公報に記載された自動操舵装置に於いては、自動操舵の目標操舵角速度が基準値未満であるときには自動操舵による操舵輪の操舵速度に応じた速度にてステアリングホイールが回転するのに対し、自動操舵の目標操舵角速度が基準値以上であるときにはステアリングホイールは全く回転しないので、自動操舵の目標操舵角速度が基準値を横切って変化する際にステアリングホイールの回転が急に停止したりステアリングホイールが急に回転し始めたりすることが避けられず、そのため運転者が違和感を感じるという問題がある。
【0007】
本発明は、ギヤ比可変装置を有し自動操舵の目標操舵角速度が基準値以上であるか否かによってステアリングホイールの回転、非回転が制御されるよう構成された従来の自動操舵装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、自動操舵中にはステアリングホイールが自動操舵による操舵輪の操舵操作についての情報を運転者に適宜に伝達する手段として機能することが好ましいこと、及び自動操舵時に於けるステアリングホイールの回転角度と操舵輪の操舵角の変化量との関係は非自動操舵時とは異なる関係であることが好ましいことに着目し、自動操舵による操舵輪の操舵操作についての情報がステアリングホイールを介して運転者に適正に且つ確実に伝達されるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち操舵輪を操舵する操舵輪操舵手段と、前記操舵輪の実操舵角を求める手段と、前記操舵輪の目標操舵角を設定する手段と、前記実操舵角が前記目標操舵角に対し所望の関係になるよう前記操舵輪操舵手段により前記操舵輪を自動操舵する第一の制御手段と、ステアリングホイールと前記操舵輪操舵手段との間に介装され前記ステアリングホイールの回転角度と前記実操舵角の変化量との関係を変化させる関係可変手段と、非自動操舵時には前記ステアリングホイールの回転角度に対する前記実操舵角の変化量の比が「非自動操舵時の所望の比」になるよう前記関係可変手段を制御する第二の制御手段とを有する車輌用自動操舵装置に於いて、前記第二の制御手段は自動操舵時には前記実操舵角の変化量に対する前記ステアリングホイールの回転角度の比が前記「非自動操舵時の所望の比」とは異なる「自動操舵時の所望の比」になるよう前記関係可変手段を制御することを特徴とする車輌用自動操舵装置によって達成される。
【0009】
上記請求項1の構成によれば、ステアリングホイールの回転角度と操舵輪の実操舵角の変化量との関係を変化させる関係可変手段は、非自動操舵時にはステアリングホイールの回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比が「非自動操舵時の所望の比」になるよう制御され、自動操舵時には操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が「非自動操舵時の所望の比」とは異なる「自動操舵時の所望の比」になるよう制御されるので、自動操舵時にはステアリングホイールの回転が阻止される構成の場合や、自動操舵時にもステアリングホイールの回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比が非自動操舵時と同様に制御される場合に比して、自動操舵による操舵輪の操舵状況に拘わらずステアリングホイールの回転によって運転者に自動操舵による操舵輪の操舵状況を適正に且つ確実に認知させることが可能なり、また自動操舵時に於けるステアリングホイールの回転角度と操舵輪の操舵角の変化量との関係を非自動操舵時とは異なる関係にすることが可能になる。
【0010】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記第二の制御手段は低車速域に於いては高車速域に比して前記実操舵角の変化量に対する前記ステアリングホイールの回転角度の比が小さくなるよう前記関係可変手段を制御するよう構成される(請求項2の構成)。
【0011】
一般に、自動操舵による操舵輪の操舵角及び操舵角速度の大きさは車速が低いほど大きく車速が高いほど小さいので、自動操舵時にはステアリングホイールの回転角度と操舵輪の操舵角の変化量との関係が車速に応じて変化されることが好ましい。
【0012】
請求項2の構成によれば、関係可変手段は低車速域に於いては高車速域に比して操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が小さくなるよう制御されるので、低車速域に於いてステアリングホイールが急激に大きく回転することを防止しつつ自動操舵による操舵輪の操舵状況をステアリングホイールの回転によって運転者に適正に且つ確実に認知させることが可能になる。
【0013】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、運転者による前記ステアリングホイールの操舵操作を検出する手段を有し、自動操舵中に運転者による前記ステアリングホイールの操舵操作が検出されたときには、前記第一の制御手段は自動操舵を中止し、前記第二の制御手段は前記ステアリングホイールの回転角度に対する前記実操舵角の変化量の比が前記「非自動操舵時の所望の比」になるよう前記関係可変手段を制御するよう構成される(請求項3の構成)。
【0014】
請求項3の構成によれば、自動操舵中に運転者によるステアリングホイールの操舵操作が検出されたときには、自動操舵が中止され、関係可変手段はステアリングホイールの回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比が「非自動操舵時の所望の比」になるよう制御されるので、運転者は通常の操舵感覚にて操舵操作することが可能であり、自動操舵が中止されると共に実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が「自動操舵時の所望の比」になるよう制御される場合に比して、運転者が操舵の違和感を感じる虞れを低減することが可能になる。
【0015】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、運転者による前記ステアリングホイールの保舵操作を検出する手段を有し、車輌後退時の自動操舵中に運転者による前記ステアリングホイールの保舵操作が検出されたときには、前記第二の制御手段は前記実操舵角の変化量に対する前記ステアリングホイールの回転角度の比が実質的に0になるよう前記関係可変手段を制御するよう構成される(請求項4の構成)。
【0016】
請求項4の構成によれば、車輌後退時の自動操舵中に運転者によるステアリングホイールの保舵操作が検出されたときには、関係可変手段は操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が実質的に0になるよう制御されるので、自動操舵による車庫入れ時等に於いて運転者が片手でステアリングホイールを持った状態にて後方を視認する場合の如く、運転者の腕がその姿勢の関係から自動操舵に伴うステアリングホイールの回転にそれ以上追従できなくなる状況に於いても、運転者がステアリングホイールを持ち替えたり運転者に無理な姿勢を強いることなく自動操舵を継続することが可能になる。
【0017】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、「自動操舵時の所望の比」は「非自動操舵時の所望の比」の逆数よりも小さいよう構成される(好ましい態様1)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、「自動操舵時の所望の比」は少なくとも車速に応じて変化されるよう構成される(好ましい態様2)。
【0019】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、関係可変手段はステアリングホイールに接続されたアッパステアリングシャフトと操舵輪に駆動接続されたロアステアリングシャフトとの間に設けられ、アッパステアリングシャフトに対し相対的にロアステアリングシャフトを回転させることにより、ステアリングホイールの回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比及び操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比を変化させるよう構成される(好ましい態様3)。
【0020】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、関係可変手段によるアッパステアリングシャフトの回転角度に対するロアステアリングシャフトの回転角度の比の目標値をRvgtとし、ロアステアリングシャフトの回転角度をθaとして、関係可変手段はアッパステアリングシャフトに対し相対的にロアステアリングシャフトをθa(1/Rvgt−1)回転させることにより目標値Rvgtを達成するよう構成される(好ましい態様4)。
【0021】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、ロアステアリングシャフトの回転角度をθaとして、関係可変手段はアッパステアリングシャフトに対し相対的にロアステアリングシャフトをθa回転させることによりステアリングホイールの回転を0にするよう構成される(好ましい態様5)。
【0022】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、第二の制御手段は低車速域に於いては中車速域に比して操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が小さくなるよう関係可変手段を制御し、高車速域に於いては中車速域に比して操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が大きくなるよう関係可変手段を制御するよう構成される(好ましい態様6)。
【0023】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、関係可変手段はステアリングホイールに接続されたアッパステアリングシャフトと操舵輪に駆動接続されたロアステアリングシャフトとの間に設けられ、アッパステアリングシャフトに対し相対的にロアステアリングシャフトを回転させることにより、ステアリングホイールの回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比及び操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比を変化させるよう構成され、車輌後退時の自動操舵中に運転者によるステアリングホイールの保舵操作が検出されたときには、第二の制御手段はアッパステアリングシャフトに対するロアステアリングシャフトの相対回転を相殺するよう関係可変手段を制御することにより、操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比を0にするよう構成される(好ましい態様7)。
【0024】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、第一の制御手段は操舵輪操舵手段により所定の操舵角速度にて操舵輪を操舵するよう構成される(好ましい態様8)。
【0025】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様8の構成に於いて、第一の制御手段は操舵に対する操舵輪と路面との間の抵抗に影響を及ぼす路面状態を検出する手段と、検出された路面状態に応じて所定の操舵角速度を変更する第一の操舵角速度変更手段とを有するよう構成される(好ましい態様9)。
【0026】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様8の構成に於いて、第一の制御手段は操舵に対する操舵輪と路面との間の抵抗に影響を及ぼす車輌状態を検出する手段と、検出された車輌状態に応じて所定の操舵角速度を変更する第二の操舵角速度変更手段とを有するよう構成される(好ましい態様10)。
【0027】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様8乃至10の何れかの構成に於いて、第一の制御手段は操舵輪の実操舵角が目標操舵角に対し所望の関係になると所定の操舵角速度を0に設定するよう構成される(好ましい態様11)。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0029】
図1は電動式パワーステアリング装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌用自動操舵装置の一つの好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【0030】
図1に於て、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の操作に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型の電動式パワーステアリング装置16によりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rを介して操舵される。
【0031】
ステアリングホイール14はアッパステアリングシャフト22A及びロアステアリングシャフト22Bによりステアリングギヤボックス24に駆動接続されており、アッパステアリングシャフト22Aとロアステアリングシャフト22Bとの間にはギヤ比可変装置23が介装されている。ロアステアリングシャフト22Bには歯車減速機構26によりパワーユニット28が駆動接続されており、パワーユニット28は電気モータ30と、歯車減速機構26とモータ30とを選択的に駆動接続する電磁クラッチ32とを有している。
【0032】
かくしてラック・アンド・ピニオン型の電動式パワーステアリング装置16、歯車減速機構26、パワーユニット28等は互いに共働して左右の前輪10FL及び10FRの操舵を補助する操舵アシスト機構を構成すると共に、自動操舵時に左右の前輪を操舵する操舵輪操舵手段を構成している。
【0033】
また図には示されていないが、ギヤ比可変装置23はアッパステアリングシャフト22Aに対し相対的にロアステアリングシャフト22Bを回転駆動する電気モータを含む一般的な構成のものであり、電気モータが駆動されないときにはアッパステアリングシャフト22Aの回転角度に対するロアステアリングシャフト22Bの回転角度の比を1:1に維持するが、電気モータが駆動されることによりアッパステアリングシャフト22Aに対し相対的にロアステアリングシャフト22Bを回転させ、これにより二つのステアリングシャフトの回転角度の比を任意に変更し、ステアリングホイール14の回転角度と左右の前輪10FL及び10FRの操舵角の変化量との間の関係を任意に変化させる関係可変手段として機能するようになっている。
【0034】
図示の実施形態に於ては、アッパステアリングシャフト22Aには該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角θsとして検出する操舵角センサ34及び操舵トルクTを検出するトルクセンサ36が設けられており、ロアステアリングシャフト22Bには該ロアステアリングシャフトの回転角度を左右前輪の実操舵角θaとして検出する操舵角センサ37が設けられており、これらのセンサの出力は電子制御装置38へ供給されるようになっている。
【0035】
また電子制御装置38には車速センサ40により検出された車速Vを示す信号、摩擦係数センサ42より路面の摩擦係数μを示す信号及び自動操舵スイッチ(SW)44より該スイッチがオン状態にあるか否かを示す信号、シフトポジション(SP)センサ46より図には示されていないオートマチックトランスミッションのシフトポジションを示す信号も入力されるようになっている。
【0036】
尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置38は中央処理ユニット(CPU)とリードオンリメモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)と入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。また操舵角センサ34、37及びトルクセンサ36はそれぞれ車輌の左旋回方向への操舵の場合を正として操舵角θs、θa及び操舵トルクTを検出する。更に摩擦係数センサ42は当技術分野に於いて公知の任意の要領にて操舵輪のタイヤと路面との間の摩擦係数μを検知するものであってよい。
【0037】
後述の如く、電子制御装置38は操舵輪の実操舵角が目標操舵角になるようパワーユニット28等により操舵輪を自動操舵する第一の制御手段として機能する。また電子制御装置38は非自動操舵時にはステアリングホイール14の回転角度に対する実操舵角の変化量の比が「非自動操舵時の所望の比」になるようギヤ比可変装置23を制御すると共に、自動操舵時には実操舵角の変化量に対するステアリングホイール14の回転角度の比が「非自動操舵時の所望の比」とは異なる「自動操舵時の所望の比」になるようギヤ比可変装置23を制御する第二の制御手段として機能する。
【0038】
この場合、「非自動操舵時の所望の比」、即ち非自動操舵時に於けるステアリングホイール14の回転角度に対する実操舵角の変化量の所望の比は車速V及び操舵角θsに応じて可変設定され、「自動操舵時の所望の比」、即ち自動操舵時に於ける実操舵角の変化量に対するステアリングホイール14の回転角度の所望の比は車速Vに応じて可変設定され、自動操舵時に於ける実操舵角の変化量に対するステアリングホイール14の回転角度の所望の比は非自動操舵時に於けるステアリングホイール14の回転角度に対する実操舵角の変化量の所望の比の逆数よりも小さく制御される。
【0039】
また自動操舵時に於ける実操舵角の変化量に対するステアリングホイール14の回転角度の比は、低車速域に於いては中車速域に比して小さく、高車速域に於いては中車速域に比して大きくなるよう制御され、また低車速域に於いては車速が低いほど小さくなるよう制御され、高車速域に於いては車速が高いほど大きくなるよう制御され、これにより低車速域に於いてステアリングホイール14が急激に大きく回転することが防止されると共に、高車速域に於いてステアリングホイール14の回転により運転者は自動操舵による操舵状況を的確に把握することができる。
【0040】
また電子制御装置38は自動操舵中に於ける運転者の操舵操作を検出し、自動操舵中に運転者によるステアリングホイール14の操舵操作が検出されたときには、自動操舵を中止し、ステアリングホイール14の回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比が「非自動操舵時の所望の比」になるようギヤ比可変装置23を制御する。
【0041】
更に電子制御装置38は運転者によるステアリングホイール14の保舵操作を検出し、車輌後退時の自動操舵中に運転者によるステアリングホイール14の保舵操作が検出されたときには、操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が0になるようギヤ比可変装置23を制御する。
【0042】
例えばステアリングギヤボックス24等による等価ギヤ比、即ちロアステアリングシャフト22Bの回転角度に対する操舵輪の操舵角の変化量の比をRsg(一定)とし、ギヤ比可変装置23のギヤ比、即ちアッパステアリングシャフト22Aの回転角度に対するロアステアリングシャフト22Bの回転角度の比をRvg(可変)とし、ステアリングホイール14の回転角度及び操舵輪の実操舵角の変化量をそれぞれθsw、θfwとすると、以下の各式が成立する。
【0043】
θsw=θs
θa=Rvgθs
θfw=Rsgθa
=RsgRvgθs
【0044】
よってステアリングホイール14の回転角度θswに対する操舵輪の実操舵角の変化量θfwの比はRsgRvgであり、操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの比は1/(RsgRvg)であり、何れもギヤ比可変装置23のギヤ比Rvgに応じて変化する。
【0045】
従って非自動操舵時に於けるステアリングホイール14の回転角度θswに対する操舵輪の実操舵角の変化量θfwの所望の比をR1(1/20程度の値)とし、これに対応するギヤ比可変装置23の目標ギヤ比をRvgtとすると、所望の比R1は下記の式1により表される。同様に自動操舵時に於ける操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの所望の比をR2とし、これに対応するギヤ比可変装置23の目標ギヤ比をRvgtとすると、所望の比R2は下記の式2により表される。
R1=RsgRvgt ……(1)
R2=1/(RsgRvgt) ……(2)
【0046】
目標ギヤ比Rvgtを達成するためのギヤ比可変装置23の制御量、即ちアッパステアリングシャフト22Aに対するロアステアリングシャフト22Bの相対回転角度をθcとし、ステアリングホイール14の回転角度θswt(=θst)とすると、相対回転角度θcは下記の式3により表される。
【0047】
例えばRsgが1/20であり、操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの所望の比R2が2であるとすると、操舵輪の実操舵角の変化量θfwが5°であるときのロアステアリングシャフト22Bの回転角度θaは100°であり、ステアリングホイール14の回転角度θsw(=θs)は10°である。従ってこの場合のギヤ比可変装置23の目標ギヤ比Rvgtは100/10=10であり、相対回転角度θcは100(1/10−1)=−90°であり、ギヤ比可変装置23によりアッパステアリングシャフト22Aに対しロアステアリングシャフト22Bを−90°回転させれば、所望の比R2を達成することができる。
【0048】
また自動操舵による操舵輪の実操舵角の変化量θfwの如何に拘わらずステアリングホイール14の回転角度θswを0にするためには、自動操舵によるロアステアリングシャフト22Bの回転角度θaがギヤ比可変装置23を介してアッパステアリングシャフト22Aに伝達されないようにすればよく、従って相対回転角度θcを回転角度θaと同一の値に設定すれば、自動操舵による操舵輪の実操舵角の変化量θfwの如何に拘わらずステアリングホイール14の回転を阻止することができる。
【0049】
尚、自動操舵中に於ける運転者によるステアリングホイール14の操舵操作や保舵操作の検出自体は本発明の要旨をなすものではなく、操舵操作や保舵操作は操舵輪の実操舵角、操舵輪の目標操舵角と実操舵角との偏差、自動操舵による操舵トルク、検出操舵トルク、操舵角速度等に基づき当技術分野に於いて公知の任意の要領にて判定されてよい。
【0050】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於ける自動操舵制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0051】
まずステップ10に於いては操舵角θsを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては自動操舵スイッチ44がオン状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。尚制御の開始時にはステップ10に先立ち電磁クラッチ32へ制御信号が出力されることによりクラッチが接続される。
【0052】
ステップ30に於ては自動操舵中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
【0053】
ステップ40に於ては運転者によるステアリングホイールの操舵操作があったか否かの判別、即ち自動操舵による左右前輪の操舵に対し運転者により切り増しの操舵又は切り戻しの操舵が行われたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ70へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
【0054】
ステップ50に於てはギヤ比可変装置23の通常時(非自動操舵時)の制御が行われる。即ちステアリングホイール14の回転角度θswに対する左右の前輪10FL及び10FRの操舵角の変化量θfwの比が「非自動操舵時の所望の比」R1になるようギヤ比可変装置23が制御される。この場合所望の比R1は車速Vの増大につれて漸次小さくなり、操舵角θsの大きさがニュートラル位置より所定の範囲を越えて大きくなるにつれて漸次大きくなるよう車速V及び操舵角θsの大きさに応じて可変制御される。
【0055】
ステップ60に於ては図3に示されたパワーアシスト制御ルーチンに従ってパワーアシスト制御が実行されることにより運転者による操舵が補助され、しかる後ステップ10へ戻る。
【0056】
ステップ70に於ては例えば本願出願人の出願にかかる出願公開前の特願平10−293159号明細書及び図面に記載されている如き駐車支援装置に於ける如く目標操舵角θtが演算される。尚目標操舵角θtの演算自体は本発明の要旨をなものではなく、目標操舵角θtは自動操舵の目的に応じて当技術分野に於いて公知の任意の要領にて演算されてよい。
【0057】
ステップ80に於てはシフトポジションセンサ46よりの信号に基づき車輌が後退中であるか否かの判別、即ちオートマチックトランスミッションのシフトポジションがRレンジにあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ90へ進む。
【0058】
ステップ90に於ては自動操舵による操舵輪の操舵が行われている状況にて運転者によりステアリングホイール14の保舵操作、即ち自動操舵に伴うステアリングホイール14の回転を阻止する操作が行われているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ120へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ100に於いて自動操舵が継続されてもステアリングホイール14が回転しないよう、前述の如くギヤ比可変装置23の相対回転角度θcが自動操舵によるロアステアリングシャフト22Bの回転角度θaと同一の値に設定される。
【0059】
ステップ110に於ては車速Vに基き図4に示されたグラフに対応するマップよりギヤ比可変装置23の目標ギヤ比Rvgtが演算され、ステップ120に於ては自動操舵によるロアステアリングシャフト22Bの回転角度をθaとして上記式3に従って前述の如く目標ギヤ比Rvgtを達成するためのギヤ比可変装置23の相対回転角度θcが演算される。
【0060】
この場合図4より解る如く、目標ギヤ比Rvgtは低車速域に於いては中車速域に比して小さく、高車速域に於いては中車速域に比して大きくなるよう演算され、低車速域及び高車速域の何れに於いても車速Vが高いほど大きくなるよう演算される。
【0061】
ステップ130に於ては図5に示された自動操舵制御ルーチンに従って自動操舵制御が実行され、ステップ150に於てはギヤ比可変装置23の相対回転角度がステップ100又は120に於て設定された相対回転角度θcになるようギヤ比可変装置23が制御され、しかる後ステップ10へ戻る。
【0062】
次に図3を参照して上述のステップ60に於いて実行されるパワーアシスト制御ルーチンについて説明する。
【0063】
まずステップ62に於ては操舵トルクTに基き図6に示されたグラフに対応するマップより基本アシスト量Tabが演算され、ステップ64に於ては車速Vに基づき図7に示されたグラフに対応するマップより車速係数Kvが演算され、ステップ66に於ては車速係数Kvと基本アシスト量Tabとの積としてアシストトルクTaが演算され、ステップ68に於てはアシストトルクTaに対応する制御信号がモータ30へ出力され、これにより運転者に必要な操舵力を軽減するパワーアシストが実行される。
【0064】
次に図5を参照して上述のステップ130に於いて実行される自動操舵制御ルーチンについて説明する。
【0065】
ステップ132に於いては下記の式4に従ってロアステアリングシャフト22Bについて左右前輪の目標操舵角θtと実操舵角θaとの偏差として操舵角偏差Δθが演算される。
Δθ=θt−θa ……(4)
【0066】
ステップ134に於いては路面の摩擦係数μに基づき図8に示されたグラフに対応するマップが選択され、ステップ136に於いては操舵角偏差Δθに基づきステップ134に於いて選択されたマップより所定の操舵角速度としての目標操舵角速度θvtが演算される。尚ステップ134に於いては、図8に示されている如く、路面の摩擦係数μが低いほど目標操舵角速度θvtの大きさが漸次小さくなるようマップが選択される。
【0067】
また目標操舵角速度θvtは、図8に示されている如く、操舵角偏差Δθの大きさが基準値Δθo以上の範囲に於いては一定(最大値目標操舵角速度θvtm)であり、操舵角偏差Δθの大きさが基準値Δθoよりも小さい範囲に於いては操舵角偏差Δθの大きさが小さいほど小さく、操舵角偏差Δθが0であるときには0であるよう設定される。
【0068】
ステップ138に於いては車速Vが高いほど大きさが小さくなるよう車速Vに基づき目標操舵角速度θvtが補正され、ステップ140に於いては例えば実操舵角θaの時間微分値として実操舵角速度θvが演算され、ステップ142に於いては下記の式5に従って目標操舵角速度θvtと実操舵角速度θvとの偏差として操舵角速度偏差Δθvが演算される。
Δθv=θvt−θv ……(5)
【0069】
ステップ144に於いては操舵角速度偏差Δθvに基づき該操舵角速度偏差を0にするための目標操舵トルクTsが演算され、ステップ146に於いては目標操舵トルクTsに基づき該目標操舵トルクに対応する操舵トルクを発生するに必要な目標モータ駆動電流Imtが演算され、該目標モータ駆動電流に対応する駆動電流がモータ30へ出力され、これにより自動操舵が実行され、しかる後ステップ150へ進む。
【0070】
かくして図示の実施形態によれば、非自動操舵時にはステップ20又は30に於いて否定判別が行われ、ステップ50に於いてステアリングホイール14の回転角度θswに対する左右の前輪10FL及び10FRの操舵角の変化量θfwの比が「非自動操舵時の所望の比」R1になるようギヤ比可変装置23が制御され、ステップ60に於てパワーアシスト制御が実行される。
【0071】
これに対し自動操舵時にはステップ20及び30に於いて肯定判別が行われ、運転者の積極的な操舵操作が行われておらず車輌が前進状態にあるときにはステップ40及び80に於いて否定判別が行われ、ステップ110に於て車速Vに応じてギヤ比可変装置23の目標ギヤ比Rvgtが演算され、ステップ120に於ては目標ギヤ比Rvgtを達成するためのギヤ比可変装置23の相対回転角度θcが演算され、ステップ130に於て左右前輪の実操舵角が目標操舵角になるよう自動操舵制御が実行され、ステップ150に於てギヤ比可変装置23の相対回転角度が120に於て設定された相対回転角度θcになるようギヤ比可変装置23が制御され、これにより操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの比が「自動操舵時の所望の比」R2に制御される。
【0072】
また自動操舵中であっても車輌が後退中であるときには、ステップ80に於いて肯定判別が行われ、ステップ90に於て運転者による保舵操作が行われているか否かの判別が行われ、運転者による保舵操作が行われていないときには車輌の前進時と同様上述のステップ110〜150が実行される。
【0073】
従って図示の実施形態によれば、非自動操舵時及び自動操舵時の何れの場合にも共通のギヤ比可変装置23を制御することにより、非自動操舵時にはステアリングホイール14の回転角度θswに対する左右の前輪10FL及び10FRの操舵角の変化量θfwの比を「非自動操舵時の所望の比」R1に制御し、自動操舵時には操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの比を「自動操舵時の所望の比」R2に制御することができ、自動操舵時にステアリングホイール14の回転によって自動操舵による操舵輪の操舵状況を適正に且つ確実に認識させることができ、また操舵輪の実操舵角の変化量θ fw に対するステアリングホイール14の回転角度θ sw の関係を非自動操舵時とは異なる関係にすることができる。
【0074】
これに対し、車輌の後退時に於ける自動操舵中に運転者による保舵操作が行われると、ステップ90に於て肯定判別が行われ、ステップ100に於いてギヤ比可変装置23の相対回転角度θcが自動操舵によるロアステアリングシャフト22Bの回転角度θaと同一の値に設定された後ステップ130及び150が実行され、これにより自動操舵が継続されてもステアリングホイール14が回転しないよう制御される。
【0075】
従って図示の実施形態によれば、車庫入れや駐車のための自動操舵時に運転者が後方視認することによる姿勢の制約から運転者の腕が自動操舵によるステアリングホイール14の回転に追従し得なくなったような場合にも、運転者の腕がステアリングホイールの回転によって移動されることにより運転者に無理な姿勢を強いたり、運転者がステアリングホイールを持ち替えたりすることなく必要な自動操舵を継続することができる。
【0076】
更に自動操舵中に運転者により操舵操作が行われると、ステップ40に於て肯定判別が行われ、ステップ70〜150が実行されずステップ50及び60が実行されることにより、自動操舵が中止され、ステアリングホイール14の回転角度θswに対する左右の前輪10FL及び10FRの操舵角の変化量θfwの比が「非自動操舵時の所望の比」R1になるようギヤ比可変装置23が制御されると共に、パワーアシスト制御が実行される。
【0077】
従って図示の実施形態によれば、運転者は通常の操舵感覚にて車輌の運転操作を行うことができ、自動操舵中に運転者により操舵操作が行われた場合にも操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの比が「自動操舵時の所望の比」R2に制御される場合に生じる違和感を運転者が感じることを確実に防止することができる。
【0078】
特に図示の実施形態によれば、目標ギヤ比Rvgtは低車速域に於いては中車速域に比して小さく、高車速域に於いては中車速域に比して大きくなるよう演算され、低車速域及び高車速域の何れに於いても車速Vが高いほど大きくなるよう演算されるので、自動操舵による操舵輪の操舵角の変化量が大きい低車速域に於いては操舵輪の操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比を小さくして自動操舵によりステアリングホイール14が急激に大きく回転されることを防止することができ、自動操舵による操舵輪の操舵角の変化量が小さい高車速域に於いては操舵輪の操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比を大きくしてステアリングホイールの回転により自動操舵による操舵輪の操舵状況を確実に運転者に認識させることができる。
【0079】
また図示の実施形態によれば、自動操舵中にはステップ70に於いて目標操舵角θtが演算され、ステップ132に於いて目標操舵角θtと実操舵角θaとの偏差Δθが演算され、ステップ134〜136に於いて操舵角偏差Δθ、路面の摩擦係数μ、車速Vに応じて操舵角偏差Δθを0にするための最適の目標操舵角速度θvtが演算され、ステップ138〜146に於いて目標操舵角速度θvtに対応する操舵角速度にて左右の前輪10FL及び10FRが操舵されることにより実操舵角θaが目標操舵角θtに制御される。
【0080】
従って図示の実施形態によれば、目標操舵角速度θvtが操舵角偏差Δθに応じて設定され、操舵角偏差Δθが0でない限り左右の前輪10FL及び10FRは必ず目標操舵角速度θvtに対応する所定の操舵角速度にて操舵されるので、操舵に対する左右の前輪タイヤと路面との間の抵抗の如何に拘わらず操舵角速度が過剰になったり過剰に不足したりすることなく適正な操舵速度にて左右前輪を操舵しそれらの実操舵角を目標操舵角に制御することができる。
【0081】
例えば通常路面での車庫入れ制御の終期の如く操舵に対するタイヤと路面との間の抵抗が大きく且つ実操舵角θaが目標操舵角θtに近い状況に於いて、目標操舵角への実操舵角の到達が遅くなったり、自動操舵のトルクがタイヤと路面との間の抵抗に打ち勝つことができないことに起因して実操舵角を目標操舵角に制御することができなくなることを確実に防止することができる。
【0082】
また例えば低摩擦係数路面での自動操舵制御の初期の如く操舵に対するタイヤと路面との間の抵抗が小さく且つ実操舵角θaが目標操舵角θtとは大きく異なる状況に於いて、自動操舵の操舵角速度θvが過大になることに起因して運転者が違和感を感じることを防止し、また路面の摩擦係数が非常に小さい状況に於いて操舵角の変化が急激過ぎることに起因するステアリングホイールの動きの違和感や過剰操舵や操舵制御のハンチングが生じることを効果的に防止することができる。
【0083】
また図示の実施形態によれば、目標操舵角速度θvtは路面の摩擦係数μが低いほど大きさが小さくなるよう設定されるので、路面の摩擦係数μに応じて目標操舵角速度θvtを最適に可変設定することができ、これにより摩擦係数の高い路面に於ける自動操舵を効率的に行いつつ、摩擦係数の高い路面に於ける過剰の実操舵角変化及びこれに起因するステアリングホイールの動きの違和感や過剰操舵や操舵制御のハンチングを一層効果的に防止することができる。
【0084】
また図示の実施形態によれば、目標操舵角速度θvtは操舵角偏差Δθの大きさが基準値Δθo以上の範囲に於いては、操舵角偏差Δθの大きさに拘わらず一定に設定されるので、操舵角偏差Δθの大きさが大きい領域に於いて実操舵角の変化が過大になることを確実に防止することができる。
【0085】
また図示の実施形態によれば、目標操舵角速度θvtは操舵角偏差Δθの大きさが基準値Δθoよりも小さい範囲に於いては、操舵角偏差Δθの大きさが小さいほど大きさが小さくなるよう設定されるので、操舵角偏差Δθの大きさが小さくなるにつれて実操舵角の変化が穏やかになり、従って操舵角偏差Δθの大きさに拘わらず目標操舵角速度θvtが一定である場合に比して、操舵角偏差Δθの大きさが小さい領域に於ける操舵速度を好ましい速度に制御することができる。
【0086】
また図示の実施形態によれば、目標操舵角速度θvtは車速Vが高いほど大きさが小さくなるよう設定されるので、車速Vが高いほど実操舵角の変化が穏やかになり、従って車速に拘わらず目標操舵角速度θvtが一定である場合に比して、低車速域に於ける効率的な自動操舵を確保しつつ高車速域に於ける実操舵角の急激な変化を防止して車輌の安定性を向上させることができる。
【0087】
また図示の実施形態によれば、操舵角速度θvは目標操舵角速度θvtと実操舵角速度θvとの偏差Δθvに基づき該偏差が0になるようフィードバック制御されるので、操舵角速度θvを確実に目標操舵角速度θvtに制御することができ、また操舵角偏差Δθの大きさが0のときに目標操舵角速度θvtが0に設定され、実操舵角θが目標操舵角θtになるよう制御されることと併せて、二重のフィードバックループにて実操舵角θaを目標操舵角θtに制御することができる。
【0088】
また図示の実施形態によれば、自動操舵のためのトルクの付与は車輌の通常走行時に於ける運転者の操舵負担を軽減するパワーアシストを行う電動式パワーステアリング装置16により達成されるので、電動式パワーステアリング装置16を有効に利用して自動操舵を実現することができる。
【0089】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0090】
例えば上述の実施形態に於いては、目標ギヤ比Rvgtは低車速域に於いては中車速域に比して小さく、高車速域に於いては中車速域に比して大きくなるよう演算され、低車速域及び高車速域の何れに於いても車速Vが高いほど大きくなるようになっているが、目標ギヤ比Rvgtは全車速域に亘り車速Vが高いほど大きくなるよう設定されてもよい。
【0091】
また上述の実施形態に於いては、目標ギヤ比Rvgtは車速Vに応じて可変設定されるようになっているが、自動操舵による操舵輪の実操舵角の変化量θfwが大きいほど操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの所望の比R2が小さくなるよう、自動操舵による操舵輪の実操舵角の変化量θfwに応じて又は車速V及び自動操舵による操舵輪の実操舵角の変化量θfwに応じて可変設定されてもよい。
【0092】
また上述の実施形態に於いては、車輌後退時の自動操舵中に運転者による保舵操作が行われるとステアリングホイール14の回転が阻止されるようになっているが、車輌後退時の自動操舵開始時よりのステアリングホイール14の回転角度θswの大きさが基準値以上になるとステアリングホイール14の回転が阻止されるよう修正されてもよい。
【0093】
また上述の実施形態に於いては、自動操舵中に運転者により操舵操作が行われると、自動操舵が中止されると共に、ステアリングホイール14の回転角度θswに対する左右の前輪10FL及び10FRの操舵角の変化量θfwの比が「非自動操舵時の所望の比」R1になるようギヤ比可変装置23が制御されるようになっているが、自動操舵が継続されると共に、操舵輪の実操舵角の変化量θfwに対するステアリングホイール14の回転角度θswの比が「自動操舵時の所望の比」R2に制御される状況が継続されてもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明の請求項1の構成によれば、自動操舵時にはステアリングホイールの回転が阻止される構成の場合や、自動操舵時にもステアリングホイールの回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比が非自動操舵時と同様に制御される場合に比して、自動操舵による操舵輪の操舵状況に拘わらずステアリングホイールの回転によって運転者に自動操舵による操舵輪の操舵状況を適正に且つ確実に認知させることができ、また自動操舵時に於けるステアリングホイールの回転角度と操舵輪の操舵角の変化量との関係を非自動操舵時とは異なる関係にすることができる。
【0095】
また請求項1の構成によれば、非自動操舵時にステアリングホイールの回転角度に対する操舵輪の実操舵角の変化量の比を「非自動操舵時の所望の比」にするための関係可変手段を使用して自動操舵時に於ける操舵輪の実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が「自動操舵時の所望の比」になるよう制御されるので、「自動操舵時の所望の比」を達成するための特別の手段は不要であり、別途特別の手段を要する構成の場合に比して低廉に自動操舵による操舵輪の操舵状況を運転者に認知させることができる。
【0096】
また請求項2の構成によれば、低車速域に於いてステアリングホイールが急激に大きく回転することを防止しつつ自動操舵による操舵輪の操舵状況をステアリングホイールの回転によって運転者に適正に且つ確実に認知させることができ、請求項3の構成によれば、運転者は通常の操舵感覚にて操舵操作することができ、自動操舵が中止されると共に実操舵角の変化量に対するステアリングホイールの回転角度の比が「自動操舵時の所望の比」になるよう制御される場合に比して、運転者が操舵の違和感を感じる虞れを低減することができ、請求項4の構成によれば、自動操舵による車庫入れ時等に於いて運転者が片手でステアリングホイールを持った状態にて後方を視認する場合の如く、運転者の腕がその姿勢の関係から自動操舵に伴うステアリングホイールの回転にそれ以上追従できなくなる状況に於いても、運転者がステアリングホイールを持ち替えたり運転者に無理な姿勢を強いることなく自動操舵を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式パワーステアリング装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌用自動操舵装置の一つの好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図示の実施形態に於ける自動操舵制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図示の実施形態に於けるパワーアシスト制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】車速Vとギヤ比可変装置の目標目標ギヤ比Rtとの間の関係を示すグラフである。
【図5】図示の実施形態に於ける自動操舵制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】操舵トルクTと基本アシスト量Tabとの間の関係を示すグラフである。
【図7】車速Vと車速係数Kvとの間の関係を示すグラフである。
【図8】操舵角偏差Δθと目標操舵角速度θvtとの間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10FR〜10RL…車輪
16…電動式パワーステアリング装置
22A…アッパステアリングシャフト
22B…ロアステアリングシャフト
23…ギヤ比可変装置
28…パワーユニット
34、37…操舵角センサ
36…トルクセンサ
38…電子制御装置
40…車速センサ
42…摩擦係数センサ
44…自動操舵スイッチ
46…シフトポジションセンサ
Claims (4)
- 操舵輪を操舵する操舵輪操舵手段と、前記操舵輪の実操舵角を求める手段と、前記操舵輪の目標操舵角を設定する手段と、前記実操舵角が前記目標操舵角に対し所望の関係になるよう前記操舵輪操舵手段により前記操舵輪を自動操舵する第一の制御手段と、ステアリングホイールと前記操舵輪操舵手段との間に介装され前記ステアリングホイールの回転角度と前記実操舵角の変化量との関係を変化させる関係可変手段と、非自動操舵時には前記ステアリングホイールの回転角度に対する前記実操舵角の変化量の比が「非自動操舵時の所望の比」になるよう前記関係可変手段を制御する第二の制御手段とを有する車輌用自動操舵装置に於いて、前記第二の制御手段は自動操舵時には前記実操舵角の変化量に対する前記ステアリングホイールの回転角度の比が前記「非自動操舵時の所望の比」とは異なる「自動操舵時の所望の比」になるよう前記関係可変手段を制御することを特徴とする車輌用自動操舵装置。
- 前記第二の制御手段は低車速域に於いては高車速域に比して前記実操舵角の変化量に対する前記ステアリングホイールの回転角度の比が小さくなるよう前記関係可変手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車輌用自動操舵装置。
- 運転者による前記ステアリングホイールの操舵操作を検出する手段を有し、自動操舵中に運転者による前記ステアリングホイールの操舵操作が検出されたときには、前記第一の制御手段は自動操舵を中止し、前記第二の制御手段は前記ステアリングホイールの回転角度に対する前記実操舵角の変化量の比が前記「非自動操舵時の所望の比」になるよう前記関係可変手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車輌用自動操舵装置。
- 運転者による前記ステアリングホイールの保舵操作を検出する手段を有し、車輌後退時の自動操舵中に運転者による前記ステアリングホイールの保舵操作が検出されたときには、前記第二の制御手段は前記実操舵角の変化量に対する前記ステアリングホイールの回転角度の比が実質的に0になるよう前記関係可変手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車輌用自動操舵装置。
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