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JP3735570B2 - 電解質組成物用原料キット、光増感型太陽電池のゲル電解質用電解質組成物、光増感型太陽電池及び光増感型太陽電池の製造方法 - Google Patents

電解質組成物用原料キット、光増感型太陽電池のゲル電解質用電解質組成物、光増感型太陽電池及び光増感型太陽電池の製造方法 Download PDF

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JP3735570B2 JP2001402000A JP2001402000A JP3735570B2 JP 3735570 B2 JP3735570 B2 JP 3735570B2 JP 2001402000 A JP2001402000 A JP 2001402000A JP 2001402000 A JP2001402000 A JP 2001402000A JP 3735570 B2 JP3735570 B2 JP 3735570B2
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solar cell
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智 御子柴
裕康 角野
修二 早瀬
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Toshiba Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質組成物用原料キット、この電解質組成物用原料キットから得られる電解質組成物、並びにこの電解質組成物を用いた光増感型太陽電池と、光増感型太陽電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光増感型太陽電池の一般的な構造が、特開平1−220380に記載されている。この太陽電池は、金属酸化物の微粒子からなる透明半導体層の表面に色素を担持させたものから構成された電極(酸化物電極)と、この電極と対向する透明電極と、前記電極間に介在される液状のキャリア移動層とを備える。このような太陽電池は、キャリア移動層が液状であるため、湿式方式の光増感型太陽電池と呼ばれる。
【0003】
前記光増感型太陽電池は以下の過程を経て動作する。すなわち、透明電極側より入射した光が、透明半導体層表面に担持された色素に到達し、この色素を励起する。励起した色素はすみやかに透明半導体層へ電子を渡す。一方、電子を失うことによって正に帯電した色素は、キャリア移動層から拡散してきたイオンから電子を受け取り電気的に中和される。電子を渡したイオンは透明電極に拡散し、電子を受け取る。この酸化物電極とこれに対向する透明電極をそれぞれ負極、正極とすることにより湿式光増感型太陽電池が作動する。
【0004】
湿式光増感型太陽電池では低分子の溶媒を使用する。この液漏れを防ぐためにシールドを厳重に行う必要がある。しかし、長い年月の間シールドを維持するのは困難であり、溶媒分子の蒸発や液漏れによる溶媒消失によって、素子機能の劣化と環境に対する影響が心配される。このようなことから、液状のキャリア移動層の代わりに、低分子溶媒を含まないイオン伝導性の固体電解質あるいは電子伝導性の固体有機物質などを用いることが提案されている。このような太陽電池は、全固体光増感型太陽電池と呼ばれる。
【0005】
これら固体光増感型太陽電池では、液漏の恐れはないが、エネルギー変換効率が低いという問題点がある。これは、(1)電気抵抗が増加する、(2)表面積が大きいTiO2粒子間への固体電解質の侵入不足によってTiO2と電解質とのコンタクトが不足する、(3)半導体電極と固体伝導材料の熱膨張係数が異なるために熱サイクルにおいて半導体電極と固体伝導材料の接合界面がはがれやすい等に起因すると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光増感型太陽電池において温度上昇時にも高いエネルギー変換効率を得ることが可能な電解質組成物用原料キット及び電解質組成物を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、温度上昇時にも高いエネルギー変換効率が得られる光増感型太陽電池及び光増感型太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電解質組成物用原料キットは、2種類以上の原料を備え、前記2種類以上の原料を混合することによって光増感型太陽電池のゲル電解質用電解質組成物を得るための電解質組成物用原料キットにおいて、
前記2種類以上の原料は、ヨウ素を含有する電解質と、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とを含むことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る光増感型太陽電池のゲル電解質用電解質組成物は、ヨウ素を含有する電解質と、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とを含む混合物であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る光増感型太陽電池は、色素を保持したn型半導体電極と、前記n型半導体電極と対向する対向電極と、前記n型半導体電極と前記対向電極間に介在され、ヨウ素を含む電解質及びゲル化剤を含有するゲル電解質とを具備する光増感型太陽電池において、
前記ゲル化剤は、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物との反応により生成した有機塩を含むことを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る第1の光増感型太陽電池の製造方法は、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物を含む第1の原料組成物を対向電極の表面に塗布する工程と、
色素が保持されているn型半導体電極と、前記第1の原料組成物の塗布面が前記n型半導体電極と対向するように配置された前記対向電極とを備える電池ユニットを組み立てる工程と、
脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物と、ヨウ素を含む電解質とを含有する第2の原料組成物を、前記電池ユニットの前記対向電極と前記n型半導体電極との間隙に注入する工程と、
前記第1の原料組成物と前記第2の原料組成物とを反応させることによりゲル電解質を得る工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る第2の光増感型太陽電池の製造方法は、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物を含む第3の原料組成物を対向電極の表面に塗布する工程と、
色素が保持されているn型半導体電極と、前記第3の原料組成物の塗布面が前記n型半導体電極と対向するように配置された前記対向電極とを備える電池ユニットを組み立てる工程と、
スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、ヨウ素を含む電解質とを含有する第4の原料組成物を、前記電池ユニットの前記対向電極と前記n型半導体電極との間隙に注入する工程と、
前記第3の原料組成物と前記第4の原料組成物とを反応させることによりゲル電解質を得る工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る電解質組成物用原料キット及び電解質組成物の一例について説明する。
【0014】
この電解質組成物用原料キットは、混合すると電解質組成物となる2種類以上の原料を備える。前記2種類以上の原料には、ヨウ素を含有する電解質と、スルホン酸及びカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とが含まれる。前記2種類以上の原料は、互いに混合されていなくても良いし、一部が混合物の状態にあっても良い。混合物が原料キットに含まれる場合、例えば、電解質の一部に前記酸性化合物が溶解もしくは分散された混合物Aと、残りの電解質に前記塩基性化合物が溶解もしくは分散された混合物Bとを備える原料キットを使用することができる。
【0015】
電解質組成物は、ヨウ素を含有する電解質と、前記電解質に溶解もしくは分散され、スルホン酸及びカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、前記電解質に溶解もしくは分散され、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とを含む混合物である。
【0016】
電解質組成物は、前記原料キットの前記2種類以上の原料を混合することにより得られる。混合方法としては、例えば、以下の(a)〜(f)に説明する方法が挙げられる。
【0017】
(a)電解質と、酸性化合物と、塩基性化合物とが互いに混合されていない状態の原料キットを用意する。電解質に酸性化合物と塩基性化合物を溶解もしくは分散させることにより電解質組成物を調製する。
【0018】
(b)電解質の一部に酸性化合物を溶解もしくは分散させることにより原料組成物Aを調製し、残りの電解質に塩基性化合物を溶解もしくは分散させることにより原料組成物Bを調製し、得られた原料組成物Aと原料組成物Bを含む原料キットを保管する。保管された原料組成物Aと原料組成物Bを必要な時に混合し、電解質組成物を得る。
【0019】
(c)基板とこの基板に保持された導電膜とを含む対向電極を用意する。この対向電極の導電膜の表面に、塩基性化合物を含む第1の原料組成物を塗布する。また、電解質に酸性化合物を溶解もしくは分散させ、第2の原料組成物を調製する。色素を保持したn型半導体電極に、対向電極の第1の原料組成物の塗布面を対向させ、n型半導体電極の表面と第1の原料組成物の塗布面との間に、第2の原料組成物を注入することによって、電解質組成物を得る。
【0020】
(d)前述した(c)で説明した第1の原料組成物が塗布された対向電極と、第2の原料組成物とを原料キットとして用意し、それぞれを保管する。色素を保持したn型半導体電極に、対向電極の第1の原料組成物の塗布面を対向させ、n型半導体電極の表面と第1の原料組成物の塗布面との間に、第2の原料組成物を注入することによって、電解質組成物を得る。
【0021】
(e)基板とこの基板に保持された導電膜とを含む対向電極を用意する。この対向電極の導電膜の表面に、酸性化合物を含む第3の原料組成物を塗布する。また、電解質に塩基性化合物を溶解させ、第4の原料組成物を調製する。色素を保持したn型半導体電極に、対向電極の第3の原料組成物の塗布面を対向させ、n型半導体電極の表面と第3の原料組成物の塗布面との間に、第4の原料組成物を注入することによって、電解質組成物を得る。
【0022】
(f)前述した(e)で説明した第3の原料組成物が塗布された対向電極と、第4の原料組成物とを原料キットとして用意し、それぞれを保管する。色素を保持したn型半導体電極に、対向電極の第3の原料組成物の塗布面を対向させ、n型半導体電極の表面と第3の原料組成物の塗布面との間に、第4の原料組成物を注入することによって、電解質組成物を得る。
【0023】
以下、電解質組成物の構成成分について詳しく説明する。
【0024】
(カルボン酸)
カルボン酸としては、1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有するものを使用することができる。具体的には、ぎ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸、N−アセチルグリシン、N−アセチル−β−アラニン、フタル酸およびイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸およびテトラヒドロフタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸等のトリカルボン酸等を例示することができる。
【0025】
また、カルボン酸として、カルボン酸含有高分子化合物を使用しても良い。具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ[カルボキシエチル(メタ)アクリレート]、ポリ[カルボキシプロピル(メタ)アクリレート]等のアルキル(メタ)アクリレート、等を挙げることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーと、このモノマーとラジカル重合可能なメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、スチレン等との重合体等が挙げられる。さらに、ポリマーとしては、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでも良いし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでも良い。コポリマーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマーでも良い。
【0026】
カルボン酸含有高分子化合物の重量平均分子量は、500〜100万の範囲内が好ましい。これは次のような理由によるものである。分子量が100万より大きいと、カルボン酸含有高分子化合物が電解質に溶解しなくなる恐れがある。一方、分子量を500未満にすると、もう一方のゲル化剤である塩基性化合物の分子量によってはゲル化が困難になる恐れがある。より好ましい範囲は、1000〜30万である。
【0027】
なお、使用するカルボン酸の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0028】
カルボン酸は、スルホン酸に比較して酸性度が低いため、n型半導体電極に保持されている色素の分解反応を抑制することができ、スルホン酸を使用する場合と比較して太陽電池の電圧を高くすることができ、太陽電池のエネルギー変換効率を向上することができる。また、カルボン酸は、スルホン酸に比較して電解質への溶解度が高いという利点も有する。
【0029】
また、長鎖アルキル基を骨格または側鎖に有するカルボン酸は、電解質との相溶性が低いため、電解質組成物の特に室温でのゲル化を抑制することができる。室温でのゲル化速度が速いと、高容量化のために電極の反応面積を大きくした際に、電解質組成物を電極に含浸させている途中でゲル化を生じ、含浸がそれ以上進まず、その結果、ゲル電解質の分布が不均一になる恐れがある。室温でのゲル化を抑制することによって、電極の反応面積を大きくした際、電解質組成物を含浸させている途中でゲル化が生じるのを回避することができるため、電極全体に電解質組成を含浸させた後に加熱処理等によってゲル化を促進させることができ、電極の反応面積を大きくしてもゲル電解質の分布を均一にすることが可能になる。なお、長鎖アルキル基を骨格または側鎖に有するカルボン酸を含む電解質組成物のゲル化は、50〜200℃の加熱処理によって促進することが可能である。
【0030】
長鎖アルキル基としては、炭素原子数が8〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基を用いることが望ましい。また、長鎖アルキル基は、分子中に最低一個含まれていれば良く、2個以上でも良い。炭化水素基としては、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘオウタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコサン等の分岐あるいは直鎖状の置換基やコレステロール等のステロイド骨格を有する化合物を用いることができる。
【0031】
長鎖アルキル基を骨格または側鎖に有するカルボン酸の好ましい具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。長鎖脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸およびラウリル酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸およびミリスチン酸等の不飽和脂肪酸、ひまし油、パーム油および大豆油等の天然油脂およびそれらの変性物を例示することができる。また、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸等が挙げられる。
【0032】
(スルホン酸)
スルホン酸は、カルボン酸に比較して耐熱性に優れるという利点を有する。
【0033】
スルホン酸としては、たとえば、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、パーフルオロカーボンスルホン酸などを挙げることができる。使用するスルホン酸の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0034】
(脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類、含窒素複素環化合物)脂肪族アミン類のうちモノアミンに属するものとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン等を挙げることができる。使用する脂肪族アミンの種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0035】
脂環族アミン類のうちモノアミンに属するものとしては、例えば、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等を挙げることができる。使用する脂環族アミンの種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0036】
芳香族アミン類のうちモノアミンに属するものとしては、例えば、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トルイジン、ベンジルアミン、ジフェニルアミン等を挙げることができる。使用する芳香族アミンの種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0037】
脂肪族アミン類のうちのポリアミンに属するものとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N’N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
【0038】
脂環族アミン類ポリアミンとしては、例えば、1,8−ジアミノ−p−メンタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン等を挙げることができる。一方、芳香族アミン類ポリアミンとしては、例えば、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,7−ジアミノフルオレン、9,10−ジアミノフェナントレン等を挙げることができる。
【0039】
さらに、含窒素複素環化合物の含窒素複素環は、不飽和環でも飽和環でもよく、窒素原子以外の原子を有していてもよい。不飽和複素環としては、ピロイル基、イミダゾイル基、ピラゾイル基、イソチアゾイル基、イソオキサゾイル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドイル基、インドイル基、イソアゾイル基、プリニル基、クイノリジニル基、イソクイノイル基、クイノイル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサキニジル基、キノアキサゾリニル基、シノィニル基、フェリジニル基、カルバソール基、カルボリニル基、フェナンチリジニル基、アクチリニル基、ペリミジル基、フェナンシロィニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フィラザニル基、フェノキサジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラリゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルフォリニル基、1−メチルイミダゾイル基、1−エチルイミダゾイル基、1−プロピルイミダゾイル基、ピリジン基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、トリアゾール基等が挙げられる。また飽和複素環としては、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環等が挙げられる。好ましい含窒素複素環は不飽和複素環であり、さらに好ましくはピリジン環またはイミダゾール環である。これらはメチル基等のアルキル基等で置換されていてもよい。ピリジン環を有する化合物によると、n型半導体電極(例えば、n型半導体としてTiO2を用いるもの)の表面に結合した水酸基の数を低減することができるため、太陽電池において高電圧を得ることができる。
【0040】
含窒素複素環化合物の好ましい具体例としては、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリベンズイミダゾール、ビピリジル、ターピリジル、ポリビニルピロール、1,3,5−トリス(3−ジメチルアミノ)プロピルヘキサヒドロ−1,3,5トリアジン、トリス−2アミノエチルアミン、ポリジアリルメチルアミン、ポリアリルジメチルアミン、ポリジメチルアリルアミン、ポリアリルアミン、ポリジメチルアミノエチルメチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート等を挙げることができる。
【0041】
含窒素複素環化合物基を有する化合物としては、例えば、下記化1〜化9に示す構造を有するものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
【化1】
Figure 0003735570
【0043】
【化2】
Figure 0003735570
【0044】
【化3】
Figure 0003735570
【0045】
【化4】
Figure 0003735570
【0046】
【化5】
Figure 0003735570
【0047】
【化6】
Figure 0003735570
【0048】
【化7】
Figure 0003735570
【0049】
【化8】
Figure 0003735570
【0050】
【化9】
Figure 0003735570
【0051】
脂肪族アミンの重合体、脂環族アミンの重合体、芳香族アミンの重合体および含窒素複素環化合物の重合体、それぞれの重量平均分子量は、500〜100万の範囲内にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。分子量が100万より大きいと、各種重合体が電解質に溶解しなくなる恐れがある。一方、分子量を500未満にすると、もう一方のゲル化剤である酸性化合物の分子量によってはゲル化が困難になる恐れがある。より好ましい範囲は、1000〜30万である。重合体としては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでも良いし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでも良い。コポリマーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマーでも良い。
【0052】
長鎖アルキル基を骨格に有する脂肪族アミン類、長鎖アルキル基を側鎖に有する脂環族アミン類、芳香族アミン類または含窒素複素環化合物は、電解質との相溶性が低く、電解質と相分離を生じるため、電解質組成物の室温でのゲル化を抑制することができる。室温でのゲル化を抑制することによって、電極の反応面積を大きくした際、電解質組成物を含浸させている途中でゲル化が生じるのを回避することができるため、電極全体に電解質組成を含浸させた後に50〜200℃の加熱処理等によってゲル化を促進させることができ、電極の反応面積を大きくしてもゲル電解質の分布を均一にすることが可能になる。
【0053】
長鎖アルキル基としては、炭素原子数が8〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基が好ましい。なお、長鎖アルキル基は分子中に最低一個含まれていれば良く、2個以上でも良い。炭化水素基としては、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘオウタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコサン等の分岐あるいは直鎖状の置換基やコレステロール等のステロイド骨格を有する化合物を用いることができる。
【0054】
長鎖アルキル基を有する化合物の好ましい具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。N,N,N’N’−テトラメチル−1,8−ジアミノオクタン、N,N,N’N’−テトラメチル−1,12−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノドデカン、N,N−ジメチルアミノオクタデカン、1−オクタデシルイミダゾール、2−オクタデシルイミダゾール、ビス(N,N,N’N’−テトラデシルアミノ)シクロヘキサン、4,4‘−(N,N,N’N’−テトラドデシルアミノ)ジシクロへキシルメタン、ビス(N,N,N’N’−テトラドデシルアミノ)−m−キシレン等が挙げられる。
【0055】
これら長鎖アルキル基を有するアミン系化合物は、加熱、冷却によって可逆的に溶解、析出を行うことが可能であるという特性を有している。本発明において、加熱とは室温以上、具体的には40℃以上から150℃までを意味し、冷却とは150℃以下、具体的には80℃以下、好ましくは60℃以下の温度範囲を意味する。また、析出とは、これらアミン系化合物が電解質中においてコロイドやミセル、結晶等の形態をとることを意味し、アミン系化合物の反応部位である窒素原子がゲル化剤の一方をなす架橋剤から隔離されている状態であればよい。
【0056】
さらに、これらアミン系化合物の析出により架橋反応が抑制できるならばそれらの大きさはいかなるものでもよいが、電解質を毛細管現象により太陽電池セルに注入する場合、電解質の拡散性を向上させるために、それらのアミン系化合物の平均粒径は100μm以下の範囲内にすることが好ましく、より好ましい平均粒径は30μm以下、さらに好ましい平均粒径は10μm以下である。なお、溶解とは、上述したような形態をとるアミン系化合物が一部分でも電解質に溶解すればよい。さらに、電解質中のアミン系化合物の溶解に由来する吸熱ピークがDSC(示差走査熱量測定)等において確認されればなおよい。
【0057】
また、マイクロカプセル化されたアミン系化合物は、電解質との相溶性が低く、電解質と相分離を生じるため、電解質組成物の室温でのゲル化を抑制することができる。室温でのゲル化を抑制することによって、電極の反応面積を大きくした際、電解質組成物を含浸させている途中でゲル化が生じるのを回避することができるため、電極全体に電解質組成を含浸させた後に50〜200℃の加熱処理等によってゲル化を促進させることができ、電極の反応面積を大きくしてもゲル電解質の分布を均一にすることが可能になる。
【0058】
マイクロカプセル化されたアミン系化合物としては、例えば、エポキシ樹脂中にアミン化合物を分散させ、それにイソシアネート化合物を添加してアミン化合物の表面にウレタンのマイクロカプセルが生成したタイプのものが知られており、旭化成工業(株)からノバキュアの商品名で販売されている。
【0059】
本発明に係る電解質組成物用原料キットおよび電解質組成物においては、酸性化合物及び塩基性化合物のうち少なくとも一方に多官能型化合物を用いることが望ましい。このような構成にすると、酸性化合物と塩基性化合物の中和反応により多官能型化合物に架橋反応を生じさせることができ、架橋した多官能型化合物により電解質組成物をゲル化させることができる。多官能型塩基性化合物と多官能型酸性化合物は、それぞれ、重量平均分子量を500〜100万の範囲内にすることが望ましい。
【0060】
(電解質)
この電解質は、ヨウ素(I2)を含む。
【0061】
前記電解質は、I-とI3 -からなる可逆的な酸化還元対をさらに含むことが好ましい。かかる可逆的な酸化還元対は、たとえば、ヨウ素分子(I)とヨウ化物の混合物から供給することができる。
【0062】
前記酸化還元対は、後述する色素の酸化電位よりも0.1〜0.6V小さい酸化還元電位を示すことが望ましい。色素の酸化電位よりも0.1〜0.6V小さい酸化還元電位を示す酸化還元対は、例えばI-のような還元種が、酸化された色素から正孔を受け取ることができる。この酸化還元対を含有する電解質によって、n型半導体電極と導電膜間の電荷輸送の速度を早くすることができると共に、開放端電圧を高くすることができる。
【0063】
前記電解質は、ヨウ素(I2)とヨウ化物を含むことが望ましい。前記ヨウ化物としては、例えば、アルカリ金属のヨウ化物、有機化合物のヨウ化物、ヨウ化物の溶融塩等を挙げることができる。
【0064】
前記ヨウ化物の溶融塩としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、第4級アンモニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリジウム塩、イソチアゾリジニウム塩、イソオキサゾリジニウム塩等の複素環含窒素化合物のヨウ化物を使用することができる。
【0065】
前記ヨウ化物の溶融塩としては、例えば、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、1,3−ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−イソペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾールアイオダイド、1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウムアイオダイド、1−プロピル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、ピロリジニウムアイオダイド、エチルピリジニウムアイオダイド、ブチルピリジニウムアイオダイド、ヘキシルピリジニウムアイオダイド、トリヘキシルメチルアンモニウムアイオダイド等を挙げることができる。前記ヨウ化物の溶融塩には、前述した種類の中から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
【0066】
(有機溶媒)
前記電解質組成物用原料キット及び前記電解質組成物は、有機溶媒をさらに備えることができる。有機溶媒を含有する電解質組成物は、粘度を下げることができるため、n型半導体電極へ浸透されやすい。また、ゲル電解質のイオン伝導度を大きくすることができる。
【0067】
特に、低粘度であるためにイオン移動度が高いか、または高誘電率であるために有効キャリアー濃度が高いか、あるいはその両方であるために、優れたイオン伝導性を発現できる溶媒を使用するのが望ましい。例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のテトラヒドロフラン類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸トリエステル類、N−メチルピロリドン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、スルホラン等の複素環化合物類、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ニトロメタン等の非プロトン性有機溶媒等が好ましい。これらの溶媒は必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい
電解質組成物用原料キット全体及び電解質組成物全体をそれぞれ100重量%とした際に、有機溶媒の含有量は、65重量%以下にすることが好ましい。有機溶媒の含有量が65重量%を超えると、ゲル電解質の変質が顕著に生じる恐れがあると共に、ゲル化が阻害される可能性がある。有機溶媒の含有量は、1重量%以上、20重量%以下にすることが好ましい。
【0068】
(水)
前記電解質組成物には、水を含有させることもできる。水を含有する電解質組成物は、光増感型太陽電池のエネルギー変換効率をより高くすることができる。
【0069】
前記電解質組成物中の水の含有量は、ヨウ化物の溶融塩と水との合計量を100重量%とした際に10重量%以下にすることが好ましい。水の含有量のさらに好ましい範囲は、ヨウ化物の溶融塩と水との合計量を100重量%とした際に0.01重量%以上、10重量%以下で、最も好ましい範囲は前記合計量100重量%に対して0.5重量%以上、5重量%以下である。
【0070】
次いで、本発明に係る光増感型太陽電池の一例を説明する。
【0071】
この光増感型太陽電池は、光受光面を有する基板と、前記基板の内面に形成される透明導電膜と、前記透明導電膜に形成され、かつ表面に色素が吸着されているn型半導体電極と、前記n型半導体電極と対向する対向基板及び前記対向基板の前記n型半導体電極と対向する面に形成される導電膜を有する対向電極と、前記対向電極の前記導電膜と前記n型半導体電極間に存在するゲル電解質とを具備する。
【0072】
以下、前記ゲル電解質、前記透明導電膜、前記n型半導体電極、前記色素、前記対向基板及び前記導電膜について説明する。
【0073】
1)ゲル電解質
ゲル電解質は、ヨウ素を含む電解質及びゲル化剤を含有する。ゲル化剤は、スルホン酸及びカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とから生成する有機塩を含む。
【0074】
この有機塩の生成反応の一例を下記化10、化11に示す。化10に、ポリメタクリル酸と4,4´−ビピリジルとの反応により生成した有機塩の構造式を示す。
【0075】
【化10】
Figure 0003735570
【0076】
ポリメタクリル酸に対して4,4´−ビピリジルは架橋剤として働き、ポリメタクリル酸間を架橋させることができ、有機塩を得ることができる。この架橋反応は、酸塩基の中和反応に基づくため、触媒が不要である。また、ポリメタクリル酸と4,4´−ビピリジル間の結合は、イオン性結合であるため、有機塩の安定性を向上することができ、ゲル電解質の高温での安定性を高くすることができる。
【0077】
下記化11には、ポリビニルピリジンとアジピン酸との反応により生成した有機塩の構造式を示す。
【0078】
【化11】
Figure 0003735570
【0079】
ポリビニルピリジンに対してアジピン酸は架橋剤として働き、ポリビニルピリジン間を架橋させることができ、有機塩を得ることができる。この架橋反応は、酸塩基の中和反応に基づくため、触媒が不要である。また、ポリビニルピリジンとアジピン酸間の結合は、イオン性結合であるため、有機塩の安定性を向上することができ、ゲル電解質の高温での安定性を高くすることができる。
【0080】
このゲル電解質は、たとえば、前述した(a)〜(f)に説明した方法により電解質組成物を調製した後、この電解質組成物をゲル化させることにより作製される。
【0081】
2)透明導電膜
前記透明導電膜は、可視光領域の吸収が少なく、かつ導電性を有することが好ましい。かかる透明導電膜には、フッ素あるいはインジウムなどがドープされた酸化スズ膜、フッ素あるいはインジウムなどがドープされた酸化亜鉛膜などが好ましい。また、伝導性向上させて抵抗の上昇を防ぐ観点から、前記透明導電膜と併用して低抵抗な金属マトリクスを配線することが望ましい。
【0082】
3)n型半導体電極
n型半導体電極は、可視光領域の吸収が少ない透明な半導体から構成することが望ましい。かかる半導体としては、金属酸化物半導体が好ましい。具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、インジウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンあるいはタングステンなどの遷移金属の酸化物、SrTiO3、CaTiO3、BaTiO3、MgTiO3、SrNb26のようなペロブスカイト、あるいはこれら複合酸化物または酸化物の混合物、GaNなどを挙げることができる。
【0083】
前記n型半導体電極の表面に吸着される色素としては、例えば、ルテニウム−トリス型の遷移金属錯体、ルテニウム−ビス型の遷移金属錯体、オスミウム−トリス型の遷移金属錯体、オスミウム−ビス型の遷移金属錯体、ルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、フタロシアニン、ポルフィリン等を挙げることができる。
【0084】
4)対向基板
この対向基板は、可視光領域の吸収が少なく、かつ導電性を有することが好ましい。かかる基板には、酸化スズ膜、酸化亜鉛膜などが好ましい。
【0085】
5)導電膜
この導電膜は、例えば、白金、金、銀のような金属から形成することができる。
【0086】
この太陽電池は、例えば、以下の(1)または(2)に説明する方法で製造される。
【0087】
(1)混合法
まず、光受光面を有する基板と、前記基板の内面に形成される透明導電膜と、前記透明導電膜に形成され、かつ表面に色素が吸着されているn型半導体電極と、前記n型半導体電極と対向する対向基板及び前記対向基板の前記n型半導体電極と対向する面に形成される導電膜を有する対向電極とを備える電池ユニットを組み立てる。
【0088】
次いで、前述した(a)または(b)に説明する方法で調製された電解質組成物を、前記基板と前記対向基板の間に存在する間隙に注入する。ひきつづき、電池ユニットを密封した後、電解質組成物をゲル化させることにより本発明に係る光増感型太陽電池を得る。
【0089】
(2)分割法
前述した(c)または(d)で説明した原料キットのうち、導電膜に第1の原料組成物が塗布された対向電極を用いて電池ユニットを組み立てる。すなわち、この電池ユニットは、光受光面を有する基板と、前記基板の内面に形成される透明導電膜と、前記透明導電膜に形成され、かつ表面に色素が吸着されているn型半導体電極と、第1の原料組成物が塗布されている面がn型半導体電極と対向するように配置された対向電極とを備えるものである。
【0090】
次いで、前述した(c)または(d)で説明した原料キットのうち、第2の原料組成物を、前記基板と前記対向基板の間に存在する間隙に注入する。ひきつづき、電池ユニットを密封した後、電解質組成物をゲル化させることにより本発明に係る光増感型太陽電池を得る。
【0091】
この(2)の方法によると、第2の原料組成物は、塩基性化合物が含まれていない分、電解質組成物そのものよりも低粘度であるため、基板と対向基板の間に存在する間隙に第2の原料組成物を注入することによって、電極中に電解質を速やかに拡散させることができる。また、(2)の方法においては、対向基板にあらかじめ塗布してあるゲル化成分(塩基性化合物)が、注入したもう一方のゲル化剤(酸性化合物)を含む電解質に徐々に溶け出してゲル化が進行する。その結果、対向電極の導電膜付近でゲル化が集中して生じるため、N型半導体層内部のゲル化の進行度合いを低くすることができ、N型半導体層内部には液体状に近い状態の電解質が保持される。従って、N型半導体層内部には電気化学的に不活性なゲル化成分が少ないかあるいはほとんど存在しなくなるため、N型半導体層内部における電荷の移動を液体状の電解質の場合とほぼ同等にすることができ、太陽電池のエネルギー変換効率を向上することができる。
【0092】
なお、(2)の方法においては、第1の原料組成物の代わりに、前述した(e)、(f)で説明した第3の原料組成物を使用し、また、第2の原料組成物の代わりに、前述した(e)、(f)で説明した第4の原料組成物を使用することができる。
【0093】
(1)及び(2)のいずれの方法においても、ゲル化の際に電池ユニットを加熱することが望ましい。加熱処理の温度は、50〜200℃の範囲内にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。熱処理温度を50℃未満にすると、ゲル化を促進する効果が十分に得られない恐れがある。一方、熱処理温度が200℃を超えると、色素の分解が起こりやすくなる。より好ましい範囲は、70〜150℃である。
【0094】
(作用)
本発明に係る電解質組成物用原料キットは、電解質組成物を得るための2種類以上の原料を備える。前記2種類以上の原料は互いに混合されていないか、もしくは一部が混合物の状態にある。また、前記2種類以上の原料には、ヨウ素を含有する電解質と、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とが含まれる。このような原料キットによれば、ヨウ素を含む電解質の存在下で電解質組成物をゲル化させることができる。
【0095】
すなわち、ゲル化剤となる重合体の合成方法として、少量の触媒の存在下でモノマーをラジカル的またはイオン的な連鎖反応で重合させる方法が知られている。しかしながら、ヨウ素を含む電解質の存在下では、ラジカル発生剤およびアニオン重合開始剤は効力を発揮しないため、連鎖反応的な重合は生じない。このようなモノマーとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。また、他の合成方法として、エステル交換反応に代表されるような小分子副生成物である水、アルコールなどを除去しながら重合がなされる方法がある。ポリエステル、ポリアミドなどがこの方法で合成される。しかしながら、重合反応の際に生成する副生成物は、電解質及び色素分子に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0096】
ところで、前述した酸性化合物と塩基性化合物は、中和反応によって有機塩を生成し、生成した有機塩により電解質組成物をゲル化させることができる。有機塩の生成反応は、酸塩基の中和反応に基づくため、ヨウ素の存在下でも生じ、また、触媒は不要で、さらに、副生成物の生成がない。従って、この有機塩をゲル化剤として含むゲル電解質を備えた太陽電池は、エネルギー変換効率を向上することができる。
【0097】
さらに、有機塩における酸性化合物と塩基性化合物間の結合は、イオン性結合である。よって、この有機塩を含むゲル化剤は、太陽電池を長期間に亘って使用したり、太陽電池の温度が太陽光の照射で50〜70℃程度に上昇した際にも安定であるため、ゲル電解質に相転移が生じるのを回避することができる。その結果、温度上昇時の液漏れを防止することができると共に、温度上昇時も高いエネルギー変換効率を維持することができる。
【0098】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0099】
(実施例1)
平均一次粒径が30nmの高純度酸化チタン(アナターゼ)粉末に硝酸を添加した後、純水とともに混練し、さらに界面活性剤で安定化させたペーストを作製した。ガラス基板上に形成された緻密な部分の上にこのペーストをスクリーン印刷法で印刷し、温度450℃で熱処理を行うことにより、酸化チタン(アナターゼ)粒子からなる厚さ2μmのn型半導体電極を形成した。このスクリーン印刷と熱処理を複数回繰り返し、最終的にフッ素ドープした酸化スズ導電膜2(透明導電膜2)上に厚さ8μmのアナターゼ相からなる酸化チタン粒子3を含むn型半導体電極4を形成した。このn型半導体電極4のラフネスファクターは1500であった。ラフネスファクターは、基板の投影面積に対する、窒素吸着量から求めた。
【0100】
次いで、シス−ビス(シオシアナト)−N,N−ビス(2,2’−ジピリジル−4,4’−ジカルボン酸)−ルテニウム(II)二水和物)の3×10-4M乾燥エタノール溶液(温度約80℃)に4時間浸漬したのち、アルゴン気流中で引き上げることにより、n型半導体電極4表面に色素であるルテニウム錯体を担持させた。
【0101】
白金をつけたフッ素ドープ酸化錫電極6(導電膜6)を形成したガラス基板7(対向電極5)を、直径が30μmのスペーサーを利用して前述のn型半導体電極4を作製した基板1上に設置し、周囲を電解液注入口を残してエポキシ系樹脂8で固めて固定した。
【0102】
得られた光電変換素子ユニットの断面を図1の(a)に示す。
【0103】
1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドに、よう化テトラプロピルアンモニウム0.5M,よう化カリウム0.02M及びヨウ素0.09Mを溶解させ、電解質を調製した。この電解質10gに、多官能型酸性化合物としてポリアクリル酸(分子量250,000)0.2gと単官能型塩基性化合物としてピリジン0.22gを添加し、電解質組成物を得た。
【0104】
図1の(b)、(c)に示すように、光電変換素子ユニットの開口部に注入口9から電解質組成物10を注入し、電解質組成物10をn型半導体電極4に浸透させると共に、n型半導体電極4と酸化スズ電極6(導電膜6)の間に注入した。
【0105】
ひきつづき、図1の(d)に示すように、光電変換素子ユニットの開口部をエポキシ樹脂11で封口した後、30分間60℃のホットプレート上で加熱することにより、光電変換素子、つまり色素増感型太陽電池を製造した。得られた太陽電池の断面を図2に示す。
【0106】
すなわち、ガラス基板1上には、透明導電膜2が形成されている。透明なn型半導体電極4は、前記透明導電膜2上に形成される。この半導体電極4は、微粒子3の集合体であるため、極めて表面積が大きい。また、前記半導体電極4の表面には色素が単分子吸着している。透明半導体電極4の表面は樹脂状構造のように自己相似性を持ったフラクタル形状とすることが可能である。対向電極5は、ガラス基板7と、前記ガラス基板7の表面のうち前記半導体電極4と対向する表面に形成された導電膜6とから構成される。ゲル状電解質10は、前記半導体電極4中の細孔に保持されると共に、前記半導体電極4と前記導電膜6との間に介在される。このような光増感型太陽電池では、前記ガラス基板1側から入射した光12をn型半導体電極4の表面に吸着されている色素が吸収した後、前記色素がn型半導体電極4へ電子を渡すと共に、前記色素がゲル状電解質10にホールを渡すことによって光電変換を行う。
【0107】
(実施例2,3)
ピリジンの代わりに、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン(配合量0.32g)、ポリビニルピリジン(分子量が20,000で、配合量0.29g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0108】
(実施例4〜6)
ポリアクリル酸の代わりにポリメタクリル酸(分子量38,000で、配合量が0.23g)を用い、ピリジンの代わりにメチルイミダゾール(配合量0.23g)、4,4´−ビピリジル(配合量0.43g)、ポリビニルピリジン(分子量が20,000で、配合量が0.29g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0109】
(実施例7)
ポリアクリル酸の代わりにポリスチレンスルホン酸(分子量が460,000、配合量が0.51g)を用い、ピリジンの配合量を0.09gに変更すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0110】
(実施例8,9)
ポリアクリル酸の代わりにポリスチレンスルホン酸(分子量が460,000、配合量が0.51g)を用い、ピリジンの代わりに4,4´−ビピリジル(配合量が0.17g)、ポリビニルピリジン(分子量が60,000、配合量が0.11g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0111】
(実施例10)
以下に説明する電解質組成物を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0112】
前述した実施例1で説明したのと同様な電解質10gに、多官能型塩基性化合物としてポリビニルピリジンン(分子量60,000)0.2gと単官能型酸性化合物としてプロピオン酸0.14gを添加し、電解質組成物を得た。
【0113】
(実施例11〜12)
プロピオン酸の代わりに、アジピン酸(0.28g)、ポリアクリル酸(分子量27,000、配合量が0.13g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例10で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0114】
(実施例13)
ポリビニルピリジンンの代わりにポリビニルイミダゾール(分子量が20,000、配合量が0.2g)を用いること以外は、前述した実施例10で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0115】
(実施例14〜15)
プロピオン酸の代わりに、アジピン酸(0.28g)、ポリアクリル酸(分子量27,000、配合量が0.13g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例13で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0116】
(実施例16)
ルテニウム錯体を担持させたn型半導体電極4と、対向電極5を実施例1で説明したのと同様にして作製した。
【0117】
次いで、多官能型酸性化合物としてポリアクリル酸(和光純薬社製;分子量250,000)1gを水10gに溶解し、得られた溶液(第1の原料組成物)を、対向電極5の導電膜6上にバーコーダーを用いて50μmの厚さで塗布して、電極ごと80℃のオーブンに静置して1時間乾燥させ、導電膜6上に第1の原料組成物層13を形成した。
【0118】
ひきつづき、図3の(a)に示すように、導電膜6の表面に第1の原料組成物層13が塗布された対向電極5を、直径が30μmのスペーサーを介して前述のn型半導体電極4を作製した基板1上に設置し、電解液注入口を残して周囲をエポキシ系樹脂8で固めて固定した。
【0119】
一方、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドに、よう化テトラプロピルアンモニウム0.5M,よう化カリウム0.02M及びヨウ素0.09Mを溶解させ、電解質を調製した。この電解質10gに、単官能型塩基性化合物としてピリジン0.2gを溶解させ、第2の原料組成物を得た。
【0120】
図3の(b)、(c)に示すように、光電変換素子ユニットの開口部に注入口9から第2の原料14を注入し、第2の原料組成物14をn型半導体電極4に浸透させると共に、n型半導体電極4と酸化スズ電極6(導電膜6)の間に注入した。
【0121】
ひきつづき、図3の(d)に示すように、光電変換素子ユニットの開口部をエポキシ樹脂11で封口した後、30分間60℃のホットプレート上で加熱することにより、第1の原料組成物層13と第2の原料組成物14を反応させてゲル電解質15を得て、光電変換素子、つまり色素増感型太陽電池を製造した。
【0122】
(実施例17、18)
ピリジンの代わりに、N,N,N´,N´−テトラエチレンジアミン(0.29g)、ポリビニルピリジン(分子量が20,000、配合量が0.27g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例16で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0123】
(実施例19〜20)
ピリジンの代わりに、脂環式アミン類としてジメチルシクロヘキシルアミン(配合量0.32g)、芳香族アミン類としてN,N‘−ジメチルアニリン(配合量0.31g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例16で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0124】
(実施例21)
ポリアクリル酸の代わりにポリスチレンスルホン酸(分子量が460,000)を用いること以外は、前述した実施例16で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0125】
(実施例22〜23)
ピリジンの代わりに、4,4´−ビピリジル(0.39g)、ポリビニルピリジン(分子量が60,000、配合量が0.27g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例21で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0126】
(実施例24)
ルテニウム錯体を担持させたn型半導体電極と、対向電極を実施例1で説明したのと同様にして作製した。
【0127】
次いで、多官能型塩基性化合物としてポリビニルピリジン(分子量60,000)1gを水10gに溶解し、得られた溶液(第3の原料組成物)を、対向電極の導電膜上にバーコーダーを用いて50μmの厚さで塗布して、電極ごと80℃のオーブンに静置して1時間乾燥させ、導電膜上に第3の原料組成物層を形成した。
【0128】
ひきつづき、導電膜の表面に第3の原料組成物層が塗布された対向電極を、直径が30μmのスペーサーを介して前述のn型半導体電極を作製した基板上に設置し、電解液注入口を残して周囲をエポキシ系樹脂で固めて固定した。
【0129】
一方、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドに、よう化テトラプロピルアンモニウム0.5M,よう化カリウム0.02M及びヨウ素0.09Mを溶解させ、電解質を調製した。この電解質10gに、単官能型酸性化合物としてプロピオン酸0.18gを溶解させ、第4の原料組成物を得た。
【0130】
光電変換素子ユニットの開口部に注入口から第4の原料組成物を注入し、第4の原料組成物をn型半導体電極に浸透させると共に、n型半導体電極と酸化スズ電極(導電膜)の間に注入した。
【0131】
ひきつづき、光電変換素子ユニットの開口部をエポキシ樹脂で封口した後、30分間60℃のホットプレート上で加熱することにより、第3の原料組成物層と第4の原料組成物を反応させてゲル電解質を得て、光電変換素子、つまり色素増感型太陽電池を製造した。
【0132】
(実施例25〜26)
プロピオン酸の代わりに、アジピン酸(0.36g)、ポリアクリル酸(分子量が27,000、配合量が0.18g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例24で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0133】
(比較例1)
実施例1で説明したのと同様な電解質10gに、自己組織化により電解質をゲル化させる化合物であるポリアクリロニトリル0.2gを溶解させることにより、電解質組成物を得た。
【0134】
前述した実施例1で説明したのと同様な光電変換素子ユニットの開口部に注入口から電解質組成物を注入し、電解質組成物をn型半導体電極に浸透させると共に、n型半導体電極と酸化錫電極(導電膜)の間に注入した。
【0135】
ひきつづき、光電変換素子ユニットの開口部をエポキシ樹脂で封口した後、室温でしばらく放置することにより、光電変換素子、つまり色素増感型太陽電池を製造した。
【0136】
(比較例2)
実施例1で説明したのと同様な電解質10gに、自己組織化により電解質をゲル化させる化合物であるポリアクリルアミド(分子量10,000)0.2gを溶解させることにより、電解質組成物を得た。
【0137】
このような電解質組成物を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を製造した。
【0138】
(比較例3)
実施例1で説明したのと同様な電解質10gに、自己組織化により電解質をゲル化させる化合物であるポリアクリル酸(分子量250,000)0.2gを溶解させることにより、電解質組成物を得た。
【0139】
このような電解質組成物を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を製造した。
【0140】
実施例1〜26及び比較例1〜3の太陽電池について、擬似太陽光を100mW/cm2の強度で照射した際のエネルギー変換効率を求め、その結果を下記表1〜3に示す。次いで、実施例1〜26及び比較例1〜3の太陽電池を100℃で1ヶ月間貯蔵した後、擬似太陽光を100mW/cm2の強度で照射した際のエネルギー変換効率を求め、これを貯蔵前のエネルギー変換効率と比較し、低下率を求めた。その結果を下記表1〜3に示す。なお、表1〜3の分子量は、重量平均分子量である。
【0141】
【表1】
Figure 0003735570
【0142】
【表2】
Figure 0003735570
【0143】
【表3】
Figure 0003735570
【0144】
表1〜3から明らかなように、実施例1〜26の太陽電池は、比較例1〜3の太陽電池に比べて、エネルギー変換効率が高く、かつ温度上昇時のエネルギー変換効率の低下幅が小さく、耐久性に優れることがわかる。
【0145】
また、実施例1〜3と実施例16〜18との比較によって、予め対向電極の導電膜に一方のゲル化剤を塗布する方法により得られた太陽電池は、電解質組成物そのものを電池ユニットに注入する太陽電池に比較して、耐久性に優れていることがわかる。
【0146】
さらに、カルボン酸の種類の違いによる特性の差に着目すると、実施例1〜9と実施例16〜23の結果から、ポリアクリル酸>ポリメタクリル酸>ポリスチレンスルホン酸の順番に、耐久性が優れていることがわかる。一方、含窒素複素環化合物としてピリジンを用いる方が、優れた耐久性を得られた。
【0147】
(実施例27〜29)(相分離の効果を実証する実施例)
ピリジンの代わりに、N,N,N´,N´−テトラメチル−1,12−ジアミノドデカン(0.64g)、1,1´−(1,4−オクタデカンジイル)ビス(イミダゾール)(0.97g)、マイクロカプセル型アミン化合物(旭化成社製で、商品名がHX3088で、配合量が0.29g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0148】
得られた実施例27〜29の太陽電池について、擬似太陽光を100mW/cm2の強度で照射した際のエネルギー変換効率を求め、その結果を下記表4に示す。次いで、これら太陽電池を100℃で1ヶ月間貯蔵した後、擬似太陽光を100mW/cm2の強度で照射した際のエネルギー変換効率を求め、これを貯蔵前のエネルギー変換効率と比較し、低下率を求めた。その結果を下記表4に示す。なお、表4には、前述した実施例1の結果を併記する。
【0149】
また、実施例1、27〜29の太陽電池で用いられる電解質組成物を25℃において静置し、電解質組成物の粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間を測定した。その結果を、実施例1についての電解質組成物の粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間を1として下記表4に示す。
【0150】
【表4】
Figure 0003735570
【0151】
表4から明らかなように、実施例27〜29の太陽電池は、エネルギー変換効率と耐久性に優れ、かつ室温でのゲル化速度が実施例1に比べて遅いことがわかる。実施例27〜29のように相分離型アミン化合物を用いた場合、室温における電解質の粘度の上昇は効果的に低減あるいは抑制されるため、このアミン化合物を含む電解質をセル中に充填する際に、電解質がスムーズに浸透する。これにより、セルが大面積化したときに生じる未充填の問題が解消されると同時に、セルを80℃に加熱すれば電解質のゲル化が速やかに進行するために生産性にも優れる。
【0152】
(実施例30〜32)(相分離の効果を実証する実施例)
プロピオン酸の代わりに、オクタデンカンジカルボン酸(配合量0.59g)、ステアリン酸(配合量0.54g)、コール酸(配合量0.77g)をそれぞれ用いること以外は、前述した実施例10で説明したのと同様な構成の色素増感型太陽電池を製造した。
【0153】
得られた実施例30〜32の太陽電池について、擬似太陽光を100mW/cm2の強度で照射した際のエネルギー変換効率を求め、その結果を下記表5に示す。次いで、これら太陽電池を100℃で1ヶ月間貯蔵した後、擬似太陽光を100mW/cm2の強度で照射した際のエネルギー変換効率を求め、これを貯蔵前のエネルギー変換効率と比較し、低下率を求めた。その結果を下記表5に示す。なお、表5には、前述した実施例10の結果を併記する。
【0154】
また、実施例10、30〜32の太陽電池で用いられる電解質組成物を25℃において静置し、電解質組成物の粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間を測定した。その結果を、実施例10についての電解質組成物の粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間を1として下記表5に示す。
【0155】
【表5】
Figure 0003735570
【0156】
表5から明らかなように、実施例30〜32の太陽電池は、エネルギー変換効率と耐久性に優れ、かつ室温でのゲル化速度が実施例10に比べて遅いことがわかる。
【0157】
なお、前述した実施例においては、n型半導体電極側から太陽光を入射させる例を説明したが、対向電極側から太陽光を入射させる構成の太陽電池にも同様に適用することができる。
【0158】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、温度上昇時にも高いエネルギー変換効率が得られる電解質組成物用原料キット、電解質組成物、光増感型太陽電池及び光増感型太陽電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の色素増感型太陽電池の製造工程を示す模式図。
【図2】実施例1の色素増感型太陽電池を示す断面図。
【図3】実施例16の色素増感型太陽電池の製造工程を示す模式図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、
2…透明導電膜、
4…半導体電極、
5…対向電極、
6…導電膜、
7…ガラス基板、
10…ゲル状電解質、
12…入射光。

Claims (5)

  1. 2種類以上の原料を備え、前記2種類以上の原料を混合することによって光増感型太陽電池のゲル電解質用電解質組成物を得るための電解質組成物用原料キットにおいて、
    前記2種類以上の原料は、ヨウ素を含有する電解質と、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とを含むことを特徴とする電解質組成物用原料キット。
  2. 光増感型太陽電池のゲル電解質用電解質組成物であって、
    ヨウ素を含有する電解質と、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物とを含む混合物であることを特徴とする光増感型太陽電池のゲル電解質用電解質組成物。
  3. 色素を保持したn型半導体電極と、前記n型半導体電極と対向する対向電極と、前記n型半導体電極と前記対向電極間に介在され、ヨウ素を含む電解質及びゲル化剤を含有するゲル電解質とを具備する光増感型太陽電池において、
    前記ゲル化剤は、スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物との反応により生成した有機塩を含むことを特徴とする光増感型太陽電池。
  4. スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物を含む第1の原料組成物を対向電極の表面に塗布する工程と、
    色素が保持されているn型半導体電極と、前記第1の原料組成物の塗布面が前記n型半導体電極と対向するように配置された前記対向電極とを備える電池ユニットを組み立てる工程と、
    脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物と、ヨウ素を含む電解質とを含有する第2の原料組成物を、前記電池ユニットの前記対向電極と前記n型半導体電極との間隙に注入する工程と、
    前記第1の原料組成物と前記第2の原料組成物とを反応させることによりゲル電解質を得る工程と
    を具備することを特徴とする光増感型太陽電池の製造方法。
  5. 脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類及び含窒素複素環化合物類よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する塩基性化合物を含む第3の原料組成物を対向電極の表面に塗布する工程と、
    色素が保持されているn型半導体電極と、前記第3の原料組成物の塗布面が前記n型半導体電極と対向するように配置された前記対向電極とを備える電池ユニットを組み立てる工程と、
    スルホン酸およびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種類を含有する酸性化合物と、ヨウ素を含む電解質とを含有する第4の原料組成物を、前記電池ユニットの前記対向電極と前記n型半導体電極との間隙に注入する工程と、
    前記第3の原料組成物と前記第4の原料組成物とを反応させることによりゲル電解質を得る工程と
    を具備することを特徴とする光増感型太陽電池の製造方法。
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