JP3735010B2 - 懸垂式削孔機施工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアンカーケーブルや鋼棒といった補強体を法面等に打設する補強土工を行うに際し、長棒状のドリルである削孔ロッドを補強対象の地盤に対して押圧させ、回転、打撃といった駆動を行って前記補強体の打設孔を削孔する削孔機の施工法に関し、特にクレーン等で前記削孔機を懸垂して削孔を行う懸垂式削孔機施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
法面の法勾配が急であったり、土質が良好ではない場合など、斜面の崩壊や滑り現象の発生が予想される際には、補強土工が施工される。この補強土工で一般的なものに、ボルト式補強土工がある。ボルト式補強土工は、例えば地盤中を削孔機により斜めまたは水平、垂直に削孔し、この孔中にアンカーケーブルや鋼棒などの補強体を挿入する工法である。前記孔中にグラウト注入後、補強体を挿入し、定着させることで大きな引抜き抵抗力を得る。係る引抜き抵抗力が法面背面の地山と当該法面とを一体化して補強土工としての主要な役割を担うのである。
【0003】
また、土留め工において施工領域が狭い場合や他の建造物が近接している場合など、通常の切梁や腹起こしなどの支保部材を用いた支保工が採用できない際の切梁の代用、或いは擁壁やダム堤体の滑動・転倒防止用にも上記ボルト式補強土工は用いられる。
【0004】
上述したボルト式補強土工を実際に施工する際には、施工現場が法面上であることが普通で、前記削孔機をそのまま法面上に据付けて削孔作業を行うことは難しい。そこで従来はクレーンが備える単体の吊りフックにワイヤ掛けをし、そのワイヤを削孔機に適宜結び、一点フック支持の吊下を行っていた。これにより削孔機は補強土工を行う法面直上の空中に懸垂された状態で削孔作業を行うこととなっていた。また、ワイヤではなく鋼製パイプ類で削孔機とクレーンのアームとを剛的に結び、鋼製パイプと前記アームとの間に駆動機構などを設けたものもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の削孔機の施工法は削孔機自体が空中に懸垂された状況で削孔作業を行うことについての考慮が不足していた。一般に重量物であり空中での姿勢安定を考慮して設計された装置でもない削孔機を、一点フック支持により懸垂する時点で既に不安定な状況と言える。そのような状況に加えて、削孔機が削孔ロッド等を法面に延伸押圧して削孔作業を開始すれば、当該削孔機はその押圧力の反動で空中を後退することになる。一方、その削孔が停止するなどの削孔状況の変化が生じれば、さきほど後退した削孔機が前進したりと削孔方向に対して前後に揺動することになる。
【0006】
そうなると、空中にあってもともと不安定であり、しかも削孔作業自体により大きく揺動する削孔機の位置をコントロールして適切な削孔位置を維持するのは非常に困難な作業となる。従来の施工法ではこの削孔位置の位置や角度合わせは、削孔位置に配置された作業員の指示の下にクレーンのアームを徐々に動かして行ったり、削孔機を吊下しているワイヤに付けられたレバーブロック(登録商標)を人力で動かして行っていた。しかしながら、クレーンのアームを稼動させたりワイヤを牽引したりする作業では正確な削孔位置や削孔角度を確保し維持するには限界がある。また削孔機に搭乗した作業員による人力でもってレバーブロック(登録商標)を作動させ削孔角度を変えるとしても、作業姿勢が不安定であり、人力による作業速度の限界から作業効率が低くならざるを得なかった。
【0007】
そこで、本発明はこのような従来の課題に着目してなされたもので、削孔機の空中での揺動を抑制し、法面における適正な削孔位置や削孔角度の維持を簡便確実に機械操作のみで達成可能である懸垂式削孔機施工法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するためになされたもので、アンカーケーブルや鋼棒といった補強体を法面等に打設する補強土工を行うに際し、長棒状のドリルである削孔ロッドを補強対象の地盤に対して押圧させ、回転、打撃といった駆動を行って前記補強体の打設孔を削孔する削孔機の施工法であって、削孔方向における当該削孔機の前後端部の夫々の両側に吊下部材を付し、この吊下部材各々を吊下し、前端部両側の吊下部材と、後端部両側の吊下部材とを独立に上下移動可能に制御することを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記吊下部材各々を吊りフックを介して吊下することを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、前記吊下部材がワイヤであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の懸垂式削孔機施工法を示す説明図である。法面Sの法勾配が急である場合には、容易には削孔機10をその法面S上に据付けて削孔作業を行うことは出来ない。そこで以下に、このような急な法面Sに対して本発明の懸垂式削孔機施工法を適用しボルト式補強土工を施工する際の実際手順を詳述する。ボルト式補強土工には鋼棒等の補強体の打設に削孔機10が使用される。この削孔機10は、例えば法面地盤G中を斜めまたは水平、垂直に削孔する長棒状のドリルである削孔ロッド11と、係る削孔ロッド11を駆動する駆動モータ12とを基本構成要素として備えるものであり、その他に、削孔ロッド11を誘導するガイド13や削孔ロッド11を前後進させるフィードモータ14なども付帯させている。本発明の如く、削孔機10を懸垂して使用する際には、当該削孔機10の削孔方向の前後端部に備わった吊下リング15を使用する。この吊下リング15にワイヤなどの吊下部材Wを連結しクレーン20などの重機で削孔機10自体を空中に吊下する際の支点とするのである。
【0012】
上記のような削孔機10を機材ヤード等から補強土工を施す法面S付近まで搬送したら、上述した吊下リング15各々にワイヤWを連結する。この連結したワイヤWの上端を削孔機10の前後端部毎にまとめ、クレーン20の備える2ヶの吊りフック21、22に前後端部毎に掛ける。ここでは説明の便宜上、削孔機前端部のワイヤW1をまとめ掛けする吊りフックを前端吊りフック21、後端部のワイヤW2をまとめ掛けする吊りフックを後端吊りフック22とする。これら各吊りフック21、22にはクレーン20のアーム23端部に備わるローラ24、25とクレーン20本体の駆動機構とが機構的に個別連動するよう設定されており、クレーンオペレータのレバー操作などにより前端、後端各吊りフック21、22毎に上下動させることが可能となっている。
【0013】
削孔作業は削孔機10がクレーン20により法面S上に懸垂された状態で、法面地盤Gに対して削孔機10の前記削孔ロッド11を押圧させることで開始される。削孔ロッド11は、前記駆動モータ12により回転、打撃といった駆動が施されアンカーケーブルなどの補強体の打設孔Hを削孔していく。この削孔作業中に例えば地盤強度が変化して削孔反力も変わり、削孔機10が空中を後退するなどとしても、前記の前端および後端吊りフック21、22を介してワイヤW1、W2を上下させ削孔機10の姿勢を制御することができる。そのため、掘削位置はもちろん、掘削角度θもほぼ一定に保つことが容易である。
【0014】
削孔作業により形成された打設孔H中には鋼棒(例えばタイロッドなど)等の補強体が挿入される。補強体挿入後は、前記打設孔H中にグラウト注入を行う一方、補強体を挿入し定着させる。このことで大きな引抜き抵抗力を得る。係る引抜き抵抗力が法面S背面の地山(法面地盤G)と当該法面Sとを一体化するのである。以後、上記の削孔機10の搬送・据え付け作業と、削孔作業などを適宜繰り返し、法面Sに対するボルト式補強土工は円滑・確実、かつ迅速に行われていくこととなる。
【0015】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明はアンカーケーブルや鋼棒といった補強体を法面等に打設する補強土工を行うに際し、長棒状のドリルである削孔ロッドを補強対象の地盤に対して押圧させ、回転、打撃といった駆動を行って前記補強体の打設孔を削孔する削孔機の施工法であって、削孔方向における当該削孔機の前後端部に吊下部材をそれぞれ付し、この吊下部材各々を吊下し各吊下部材毎に独立に上下移動可能に制御することを特徴とする。また、前記吊下部材各々を吊りフックを介して吊下すると好適であり、更には、前記吊下部材がワイヤであるとより好ましい。
【0016】
従って本発明によれば、吊下部材を介して削孔機を吊下するクレーン等の重機から吊下部材の上下移動を機械的に遠隔制御することが可能となる。このため、法面に対する削孔位置や削孔機の削孔角度(伏角、仰角等)の調整がクレーンオペレータにより簡便かつ確実に実施できる。しかも、削孔機移動中や削孔作業中の揺動も容易に抑制・制御することが出来るから、削孔機の据付け作業も迅速に行われる。例えば従来の一点フック支持により削孔機を懸垂した場合には、ドリフタなどが前後に移動した際に削孔機の重心位置が変化し削孔角度が変わるが、本発明による2点フック支持によれば同様にドリフタが前後移動したとしても削孔機の削孔角度は変わらず安定している。
【0017】
また本発明によれば、法面上の削孔位置に配置され、削孔機の揺動抑制を介助したり、位置決め時の削孔機誘導を行う作業員の手をほとんど煩わすことなく、削孔機の搬送・据付けから削孔作業まで遂行することが可能となる。しかも、このような揺動抑制や適切な削孔位置や削孔角度の維持の点で優れた効果を奏する一方、本発明を実施するに必要となる資材等は、クレーン等の重機に一般に備わる吊下部材(ワイヤ等)や吊りフックだけである。そのため、削孔機の空中での姿勢をコントロールするために複雑でコスト高な機構や剛構造をわざわざ新設する必要など皆無であり、作業効率だけでなく初期投資および運用維持費といったコスト面でも従来の施工法より格段に優れている。
【0018】
しかして本発明は、削孔機の空中での揺動を抑制し、法面における適正な削孔位置や削孔角度の維持を簡便確実に機械操作のみで達成可能である懸垂式削孔機施工法を提供可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の懸垂式削孔機施工法を示す説明図である。
【符号の説明】
10 削孔機
W 吊下部材(ワイヤ)
Claims (3)
- アンカーケーブルや鋼棒といった補強体を法面等に打設する補強土工を行うに際し、長棒状のドリルである削孔ロッドを補強対象の地盤に対して押圧させ、回転、打撃といった駆動を行って前記補強体の打設孔を削孔する削孔機の施工法であって、削孔方向における当該削孔機の前後端部の夫々の両側に吊下部材を付し、この吊下部材各々を吊下し、前端部両側の吊下部材と、後端部両側の吊下部材とを独立に上下移動可能に制御することを特徴とする懸垂式削孔機施工法。
- 前記吊下部材各々を吊りフックを介して吊下することを特徴とする請求項1に記載の懸垂式削孔機施工法。
- 前記吊下部材がワイヤであることを特徴とする請求項1または2に記載の懸垂式削孔機施工法。
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