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JP3721936B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体 Download PDF

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JP3721936B2 JP2000120544A JP2000120544A JP3721936B2 JP 3721936 B2 JP3721936 B2 JP 3721936B2 JP 2000120544 A JP2000120544 A JP 2000120544A JP 2000120544 A JP2000120544 A JP 2000120544A JP 3721936 B2 JP3721936 B2 JP 3721936B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、透明性、剛性及び成形時の加工性に優れ、かつ、成形体にした場合に外観が良好なポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリプロピレンは三塩化チタン系触媒を用いて製造されてきたが、三塩化チタン系触媒を用いて製造されたポリプロピレンは、その立体規則性が低く、剛性が低いものであった。近年、ポリプロピレンの立体規則性を向上させ、剛性を高めるために、Ti−Mg系触媒が開発され、高立体規則性で、高剛性であるポリプロピレンが得られるようになってきた。
しかし、従来の三塩化チタン系触媒を用いて得られるポリプロピレンに比べて、Ti−Mg系触媒を用いて得られるポリプロピレンは、その分子量分布が狭く、溶融張力が低いものである。溶融張力が低い場合、加工性が不充分であること、例えば、シートをバンク成形加工する時に形成されるバンクの形状安定性が低いこと等の問題が生じる。
【0003】
そこで、ポリプロピレンの溶融張力を高めることが必要とされるが、従来から、溶融張力を高める方法としては、ポリプロピレンにポリエチレンをブレンドしたポリプロピレン組成物を用いる方法が知られている。例えば、特開昭50−8848号公報には、ポリプロピレンに低密度ポリエチレンをブレンドした押出しコーティング用ポリプロピレン組成物が記載されている。しかし、低密度ポリエチレンをブレンドした場合、剛性が低下したり、ポリプロピレンへ屈折率の異なるポリエチレンが混入することにより透明性が低下する等の問題があった。
【0004】
一方、特開平8−291205号公報には、Ti−Mg系触媒を用いて2段重合により製造された溶融張力に優れるプロピレン系重合体が記載されている。しかし、同特許公開公報の実施例10〜12に記載されているとおり、成形体には肌荒れ、斑点があり、その外観が不充分なものであった。また、2段重合等によるポリプロピレン重合体の製造の経費が高価であるため、2段重合等で製造されたポリプロピレン重合体を単独で用いて成形体等の製品を得ることは、その製品の価格をさらに高価にすることとなるので、2段重合等で製造されたポリプロピレン重合体の使用量の削減が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、透明性、剛性及び成形時の加工性に優れ、かつ、成形体にした場合に外観が良好なポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる実状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定のプロピレン系重合体(I)及び特定のプロピレン系重合体(II)からなる特定のポリプロピレン系樹脂組成物を用いることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記(式1)の関係を満足し、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が2.0〜5.0であるポリプロピレン系重合体(I)80.0〜98.0重量%と、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記(式2)を満足するポリプロピレン系重合体(II) 2.00〜20.0 重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、該ポリプロピレン系樹脂組成物全体の分子量分布(Mw/Mn)が3.0〜5.0であり、170℃におけるメルトテンション(MT(170))が3.8以上であり、かつ、下記(式3)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物。
MT(190)<7.52×MFR(-0.576) (式1)
MT(190)≧7.52×MFR(-0.576) (式2)
MT(170)−MT(190)≧1.4 (式3)
に係るものである。
また、本発明は、上記ポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるポリプロピレン系重合体(I)とは、プロピレン単独重合体、プロピレン系ランダム共重合体である。ポリプロピレン系重合体(I)として、好ましくは、プロピレン系ランダム共重合体である。
【0008】
プロピレン系ランダム共重合体とは、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体及びプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体である。
【0009】
プロピレン系ランダム共重合体として用いることができるプロピレン−エチレンランダム共重合体とは、プロピレンとエチレンを共重合して得られるランダム共重合体であり、プロピレン連鎖に、エチレンがランダムに結合したものである。プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体とは、プロピレンと少なくとも1種のα−オレフィンを共重合して得られるランダム共重合体であり、プロピレン連鎖に、少なくとも1種のα−オレフィンがランダムに結合したものである。プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体とは、プロピレンとエチレンと少なくとも1種のα−オレフィンを共重合して得られるランダム共重合体であり、プロピレン連鎖に、エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンがランダムに結合したものである。
【0010】
α−オレフィンとは、炭素数4〜20個からなるオレフィンであり、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。
好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンである。
また、これらのα−オレフィンは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体等が挙げられ、好ましくはプロピレン−1−ブテンランダム共重合体又はプロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体である。
プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体等が挙げられ、好ましくはプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体である。
【0012】
本発明で用いられるポリプロピレン系重合体(I)は、その190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が、MT(190)<7.52×MFR(-0.576)(式(1))の関係を満足するものであり、好ましくは、MT(190)<7.52×MFR(-0.576)−0.5(式(1−1))の関係を満足するものである。
【0013】
ポリプロピレン系重合体(I)の230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に制限はないが、好ましくは、0.2〜10g/10分であり、さらに好ましくは0.4〜5.0g/10分である。
【0014】
ポリプロピレン系重合体(I)の分子量分布(Mw/Mn)は、3.0〜5.0であり、好ましくは、3.0〜4.5である。分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満である場合、本願明細書記載のポリプロピレン系樹脂組成物を用いて得られる成形体の外観が不良であることがあり、5.0を超えた場合、剛性が不充分であることがある。
【0015】
本発明記載のポリプロピレン系重合体(II)とは、プロピレン単独重合体、プロピレン系ランダム共重合体である。プロピレン系ランダム共重合体としては、前述のプロピレン系ランダム共重合体を挙げることができる。
【0016】
本発明で用いられるポリプロピレン系重合体(II)における、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が、MT(190)≧7.52×MFR(-0.576)(式(2))の関係を満足するものであり、好ましくは、MT(190)≧7.52×MFR(-0.576)+0.90(式(2−1))の関係を満足するものである。
【0017】
ポリプロピレン系樹脂組成物におけるポリプロピレン系重合体(I)及びポリプロピレン系重合体(II)の含有量は、ポリロピレン系重合体(I)が80.0〜98.0重量%(ポリプロピレン系重合体(II)が2.00〜20.0重量%)であり、好ましくはポリプロピレン系重合体(I)が80.0〜95.0重量%(ポリプロピレン系重合体(II)は5.00〜20.0重量%)であり、さらに好ましくはポリプロピレン系重合体(I)が80.0〜90.0重量%(ポリプロピレン系重合体(II)が10.0〜20.0重量%)である。ポリプロピレン系重合体(I)が98.0重量%を超えた(プロピレン系重合体(II)が2.0重量%未満の)場合、シート成形時のバンク形状が不良となりシート成形性が悪化することがあり、また、プロピレン系重合体(I)が80.0重量%未満の(プロピレン系重合体(II)が20重量%を超えた)場合、成形体の外観が不充分であることがある。
【0018】
本願明細書に記載のポリプロピレン系樹脂組成物の分子量分布(Mw/Mn)は3.0〜5.0である。ポリプロピレン系樹脂組成物の分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満である場合、その組成物を用いて得られる成形体の外観が不充分なことがあり、5.0を超えた場合、剛性が低下することがある。
【0019】
本願明細書に記載のポリプロピレン系樹脂組成物の170℃におけるメルトテンション(MT(170))は、3.8以上であり、好ましくは4.0以上である。MT(170)が3.8未満である場合、その組成物を用いて得られる成形体の外観が悪化することがある。
【0020】
さらに、170℃におけるメルトテンション(MT(170))は、190℃におけるメルトテンション(MT(190))より1.4以上大きいものであり、好ましくは1.6以上大きいものである。170℃におけるメルトテンション(MT(170))と190℃におけるメルトテンション(MT(190))の差が1.4未満である場合、その組成物を用いて得られる成形体の外観が悪化することがある。
【0021】
本発明で用いるプロピレン系重合体(I)及び(II)の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般に公知の触媒を用いて製造する方法を挙げることができる。例えば、公知のプロピレンの立体規則性重合用触媒を用いる方法が挙げられる。
【0022】
プロピレンの立体規則性重合用触媒としては、例えば、マグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等のからなるTi−Mg系触媒が挙げられる。またこれら固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分を組み合わせた触媒も挙げられる。好ましくは、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機アルミニウム化合物及び電子供与性化合物からなる触媒が挙げられる。例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒が挙げられる。また、分子量分布がTi−Mg系触媒よりも狭いメタロセン系触媒を用いても、ポリプロピレン系重合体(II)を例えば多段重合により製造することで、ポリプロピレン系樹脂組成物全体の分子量分布(Mw/Mn)を適宜調整して、本発明の目的を達成することができる。
【0023】
プロピレン重合体(I)及び(II)の重合方法としては、特に限定されるものではなく、不活性溶媒の存在下で行われる溶媒重合法、液状のモノマーの存在下で行われる塊状重合法や実質上液状の媒体の不存在下で行われる気相重合法等が挙げられる。好ましくは気相重合法である。
また、1段の重合方法や2段以上の多段重合の方法が挙げられ、好ましくは、多段重合の方法である。
【0024】
特にポリプロピレン系重合体(II)の重合方法としては、2段以上の多段重合の方法が好ましい。例えば、プロピレンを主成分とするモノマーを重合して極限粘度が5.0dl/g以上の結晶性プロピレン系重合体成分(A)を製造する少なくとも一つの工程と、プロピレンを主成分とするモノマーを重合して極限粘度が3.0dl/g未満の結晶性プロピレン系重合体成分(B)を製造する少なくとも一つの工程からなる連続した重合方法が挙げられ、そして、この多段重合の方法により得られるポリプロピレン系重合体における、結晶性プロピレン系重合体成分(A)が0.05重量%以上25重量%未満であり、結晶性プロピレン系重合体成分(B)が75.0重量%以上99.5重量%未満であり、かつ、この多段重合の方法により得られるポリプロピレン系重合体の極限粘度が3.0dl/g未満であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.0未満であるようにする重合方法が挙げられる。
【0025】
結晶性プロピレン系重合体(A)及び(B)とは、結晶性のポリプロピレンである限り、特に制限はないが、結晶性ポリプロピレンの結晶性の指標としては例えば、融点、結晶融解熱量などが用いられ、融点は120℃〜176℃、結晶融解熱量は60J/g〜120J/gの範囲にあるものが好ましい。
【0026】
本願明細書に記載のポリプロピレン系樹脂組成物におけるポリプロピレン(I)とポリプロピレン系重合体(II)を配合する方法としては、例えば、溶融ブレンドする方法や成形時にペレットブレンドする方法等が挙げられる。
また、本願明細書に記載のポリプロピレン系樹脂組成物の混錬方法としては、公知の混練機を使用する方法が挙げられ、例えば単軸混練押出機、多軸混練押出機やバンバリーミキサー等を用いる方法が挙げられる。
【0027】
本願明細書に記載のポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲でポリエチレンやゴム等の他の樹脂を配合しても良い。
【0028】
また、本願明細書に記載のポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、気泡防止剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤等の各種助剤、及び、染色剤等を配合しても良い。
【0029】
また、本願明細書記載ののポリプロピレン樹脂組成物には、透明性を発現させるために、各種造核剤を配合しても良い。造核剤としては特に制限はないが、例えば、有機リン酸金属塩、ソルビトール系造核剤、安息香酸の各種金属塩が挙げられ、加工時の安定性の点で、好ましくは有機リン酸金属塩であり、具体的には、ビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d,g][1,2,3]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩等が挙げられる。
【0030】
本願明細書記載の成形体は、本願明細書記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形して得られる成形体である。成形方法は特に限定されることはなく、押出成形、射出成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、インフレーション成形、モールドスタンピング成形等の公知の成形方法が挙げられ、これらの成形法に応じて押出成形体、射出成形体、ブロー成形体、押出ブロー成形体、射出ブロー成形体、インフレーション成形体、モールドスタンピング成形体等が得られる。成形方法としては押出成形法または射出成形法が好ましく、それぞれ押出成形体、射出成形体が得られる。
【0031】
本願明細書に記載の成形体である押出成形体の形状および製品種類は特に限定されることはなく、例えば、シート、フィルム、パイプ、ホース、電線被覆、フィラメント等が挙げられ、好ましくはシート、フィルムであり、さらに好ましくはシートである。
【0032】
【実施例】
以下実施例により、本発明を具体的に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例に用いた評価方法について以下に記載する。
【0033】
(1)物性測定及び成形加工性評価用試料の調整方法
(1−1)ペレット化
ポリプロピレン系重合体(I)とポリプロピレン系(II)を、溶融温度220℃で溶融混練し、ペレットを作成した。
(1−2)熱プレス成形
230℃で5分予熱後、230℃、50Kgf/cm2で5分間プレスの後、30℃、50Kg/cm2で5分間冷却プレスして熱プレス成形品を作成した。
(1−3)シート加工
ダイス部設定温度210℃のT−ダイ式押出機でタッチロール方式にて厚さ0.4mmのシートを得た。冷却ロール温度はタッチロールを40℃、第1フロントロールを70℃とした。
【0034】
(2)物性測定
(2−1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(2−2)分子量分布(Mw/Mn)
G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、下記条件で測定した。
機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製)
カラム:Shodex M/S 80
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン
サンプル濃度:5mg/8mL
検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。この条件で測定された標準ポリスチレン(NBS706:Mw/Mn=2.0)のMw/Mnは1.9〜2.0であった。
(2−3)メルトテンション(MT、単位:g)
東洋精機社製溶融張力測定機を用い、下記条件にて測定した。
オリフィス:L/D=4 (D=2mm)
予熱:10分
押出速度:5.7mm/分
引取速度:15.6m/分
測定温度:170℃、190℃
【0035】
(2−4)曲げ弾性率(単位:MPa)
前述に記載の熱プレス成形の方法により得られた成形品を用いて、ASTM D747−58Tに従い、東洋精機社製自動読み取り型オルゼン式スティフネステスターにて測定した。
(2−5)ヘイズ(単位:%)
前述に記載の熱プレス成形の方法により得られた成形品を用いて、ASTM D−1003に従い測定した。
【0036】
(3)成形加工性評価
(3−1)加工性
前述に記載のシート加工の方法により得られたシートを用いて、シート加工におけるバンク形状を目視により、4段階(A,B,C,D)に評価した。
(3−2)シート表面の評価
前述に記載のシート加工の方法により得られた厚さ0.4mmのシートの表面を目視により、4段階(A,B,C,D)に評価した。
【0037】
(試料)
ポリプロピレン系共重合体(I)として住友ノーブレンFH3211AG(住友化学工業株式会社製)を用い、ポリプロピレン系共重合体(II)として住友ノーブレンEL80F1(住友化学工業株式会社製)を用いた。
また、比較試料としてとして住友ノーブレンW101C(住友化学工業株式会社製)及び住友ノーブレンD101(住友化学工業株式会社製)を用いた。
表1に、それぞれの190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)、7.52×MFR(-0.576)の値および分子量分布(Mw/Mn)を示した。
【0038】
(参考試料)
参考試料として、結晶性プロピレン系重合体(A)及び結晶性プロピレン系重合体(B)からなるポリプロピレン系重合体として、参考例1〜3を使用した。参考例1〜3における結晶性プロピレン系重合体(A)及び(B)それぞれの極限粘度及び含有量を表2に示した。
参考例1〜3と住友ノーブレンEL80F1、住友ノーブレンW101C及び住友ノーブレンD101について、それぞれの230℃におけるメルトフローレート(MFR)、190℃におけるメルトテンション(MT(190))および7.52×MFR(-0.576)の値を表3に示した。
【0039】
また、参考例1〜3と住友ノーブレンEL80F1、住友ノーブレンW101C及び住友ノーブレンD101について、それぞれの230℃におけるメルトフローレート(MFR)と190℃におけるメルトテンション(MT(190))の関係を図1に示し、その図1中に、MT(190)=7.52×MFR(-0.576)の関係を破線で示した。
【0040】
実施例1
住友ノーブレンFH3211AG 95重量%と住友ノーブレンEL80F1 5重量%とをブレンドして、組成物を得た。得られた組成物の物性を表4に、曲げ弾性率と透明性(ヘイズ)を表5に、および加工性を表6に示した。
【0041】
実施例2
住友ノーブレンFH3211AG 90重量%と住友ノーブレンEL80F1 10量%をブレンドして、組成物を得た。得られた組成物の物性を表4に、曲げ弾性率と透明性(ヘイズ)を表5に、および加工性を表6に示した。
【0042】
比較例1
住友ノーブレンFH3211AGを単独で用いた。住友ノーブレンFH3211AGの物性を表4に、曲げ弾性率と透明性(ヘイズ)を表5に、および加工性を表6に示した。
【0043】
比較例2
住友ノーブレンFH3211AG 95重量%と住友ノーブレンW101C 5重量%をブレンドして、組成物を得た。得られた組成物の物性を表4に、曲げ弾性率と透明性(ヘイズ)を表5に、および加工性を表6に示した。
【0044】
比較例3
住友ノーブレンFH3211AG 95重量%と住友ノーブレンD101 5重量%をブレンドして、組成物を得た。得られた組成物の物性を表4に、曲げ弾性率と透明性(ヘイズ)を表5に、および加工性を表6に示した。
【0045】
【表1】
ポリプロピレン系重合体
Figure 0003721936
【0046】
【表2】
参考試料
Figure 0003721936
【0047】
【表3】
試料の物性
Figure 0003721936
【0048】
【表4】
ポリプロピレン系樹脂組成物の物性
Figure 0003721936
【0049】
【表5】
曲げ弾性率と透明性(ヘイズ)
Figure 0003721936
【0050】
【表6】
加工性
Figure 0003721936
バンク形状
A:バンク表面が平滑
B:バンク表面に微細な凹凸が観られる
C:バンク表面に凹凸が観られる
D:バンク表面がTD方向に波打つ
シート表面
A:シート表面が平滑
B:ミミズ模様の微細な凹凸が観られる
C:ミミズ模様状の浅い凹凸が観られる
D:ミミズ模様状の大きな凹凸が多数観られる
【0051】
以上の結果から、実施例1及び2は、ポリプロピレン系重合体(I)として本発明の要件を満足する住友ノーブレンFH3211AGとポリプロピレン系重合体(II)として本発明の要件を満足する住友ノーブレンEL80F1からなる本発明の要件を満足するポリプロピレン系樹脂組成物であり、剛性(曲げ弾性率)、透明性(ヘイズ)、加工性(バンク形状)及び外観(シート表面)に優れるものであることが分かる。
【0052】
これに対して、比較例1は、ポリプロピレン系重合体(II)を用いないものであって、剛性、加工性及び外観が劣るものである。
比較例2及び3は、それぞれポリプロピレン系重合体(II)として本発明の要件である式(2)を満足しない住友ノーブレンW101C、住友ノーブレンD101を用い、それからなる組成物は本発明の要件であるMT(170)と式(3)を満足しないものであり、加工性と外観が劣るものである。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、透明性、剛性とバンク成形での加工性に優れ、かつ、特にシートにしたときの外観が良好なポリプロピレン系樹脂組成物および成形体が提供される
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)と190℃におけるメルトテンション(MT(190))の関係を示し、図中の破線は、MT(190)=7.52×MFR(-0.576)の関係を示す。

Claims (6)

  1. 190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記(式1)の関係を満足し、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が3.0〜5.0であるポリプロピレン系重合体(I)80.0〜98.0重量%と、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記(式2)を満足するポリプロピレン系重合体(II)2.0〜20.0重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、該ポリプロピレン系樹脂組成物全体の分子量分布(Mw/Mn)が3.0〜5.0であり、170℃におけるメルトテンション(MT(170))が3.8以上であり、かつ、下記(式3)を満足することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
    MT(190)<7.52×MFR(-0.576) (式1)
    MT(190)≧7.52×MFR(-0.576) (式2)
    MT(170)−MT(190)≧1.4 (式3)
  2. ポリプロピレン系重合体(I)が、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記(式1−1)の関係を満足し、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が3.0〜4.5であり、その含有量が80.0〜90.0重量%であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
    MT(190)≦7.52×MFR(-0.576)−0.5 (式1−1)
  3. ポリプロピレン系重合体(II)が、190℃におけるメルトテンション(MT(190))と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記(式2−1)の関係を満足し、その含有量が10〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
    MT(190)≧7.52×MFR(-0.576)+0.90 (式2−1)
  4. ポリプロピレン系樹脂組成物の分子量分布(Mw/Mn)が3.0〜4.5であり、170℃におけるメルトテンション(MT(170))が4.0以上であり、かつ、下記(式3−1)を満足することを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
    MT(170)−MT(190)≧ 1.6(式3−1)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
  6. 成形体がシートであることを特徴とする請求項5記載の成形体。
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