JP3720562B2 - 積層物の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂成形品を重合硬化樹脂補強層で補強した浴槽等の所定形状の積層物の製造方法に関し、更に詳しくは、熱可塑性樹脂成形品から成る型を成形型の一部として用い、型のセル内に重合硬化性樹脂原料を注入し、重合硬化させ、この熱可塑性樹脂成形品と一体化させて所定形状の積層物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、型内に重合硬化性樹脂原料を注入充満させ、硬化後離型して得られる重合硬化樹脂成形品や、さらにガラス繊維を含んだ繊維強化重合硬化樹脂(以下、FRPと称す)の成形品が、各種製品として上市されている。
【0003】
また、熱可塑性樹脂成形品を型の一方に用い、もう一方の型と組み合わせてセルを形成し、重合硬化性樹脂原料を注入し、重合硬化させ、その熱可塑性樹脂成形品と一体化する方法が、特開昭51−91965号公報、特開平5−237854号公報、特開平9−57768号公報等に開示されている。ここでは、例えば、外観に優れるアクリル樹脂(熱可塑性樹脂成形品)を表層に用い、裏面をFRPにより補強した構成のバスタブを製造する例などが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した熱可塑性樹脂成形品から成る型を用いて一体化する積層物の製造方法においては、セル内の重合硬化性樹脂原料の硬化反応を十分完了させてから、その積層物を離型している。これは、重合硬化性樹脂原料の硬化が不十分の状態で離型すると、硬化の進行に伴う収縮による変形が生じたり、離型時の型面との擦れ等の接触により積層物の表面が傷つくからである。
【0005】
しかしながら、硬化反応を十分完了させてから離型する工程では、型の占有時間が長く、生産性が低い。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明の目的は、型の占有時間が短く、生産性を向上できる積層物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂成形品から成る型を所定形状の積層物を成形するための型の一部として用い、該型のセル内に重合硬化性樹脂原料を注入し、重合硬化させ、前記熱可塑性樹脂成形品と一体化させて積層物とした後、該積層物を前記熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型から離型する工程を含む積層物の製造方法において、
前記熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型1個に対して、熱可塑性樹脂成形品からなる型および押え具を複数個用意し、
ガラス繊維マットまたは熱可塑性樹脂成形品から成る型に対応する形状に成形したガラス繊維を、重合硬化性樹脂原料を注入するに先立ってセル中に載置しておき、
成形の際に、前記熱可塑性樹脂成形品から成る型を、押え具によって支え、
前記重合硬化性樹脂原料の重合発熱開始から重合発熱ピークまでの時間内に、積層物を前記熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型から離型した後、
該積層物を押え具で支えた状態で重合硬化性樹脂原料の発熱硬化反応を進行させる間に、他の押え具で支えた他の熱可塑性樹脂成形品から成る型と、前記離型後の熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型を用いてセルを形成し、積層物を製造するための前記工程を繰返すことを特徴とする積層物の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の方法により製造される積層物の代表的な例としては、浴槽、洗面ボール、シャワーパン等が挙げられる。以下、代表例としての浴槽について、すなわち、熱可塑性樹脂成形品の所定形状が浴槽形状であるものについて、本発明を説明する。
【0009】
図1は、本発明の製造方法の一実施形態を示す模式的断面図である。
【0010】
図1に示す例においては、ほぼ相似形をなすバスタブ形状(浴槽形状)の2つの型(雌型1と雄型3)を組み合わせることにより、バスタブ形状のセル9を形成し、また、このセル9の外周部をシールパッキン4により密閉している。これら2つの型のうち、雄型3は熱可塑性樹脂成形品から成るものであり、重合硬化性樹脂原料7により形成する補強層と一体化され、バスタブの表層を構成する部材でもある。すなわち、ここで得られる積層物から成るバスタブにおいては、外観に優れる熱可塑性樹脂成形品が表層側になり、その裏面は重合硬化性樹脂原料7により形成した補強層になる。この補強層の厚みは、セル間隔で調整すればよい。さらに、この例では、注入した重合硬化性樹脂原料7によって熱可塑性樹脂成形品から成る型3が変形しないように、型3のセル9とは反対側の面(以下、セル外面と称す)側を押え具10によって支えている。
【0011】
また、雌型1の上側中央部には重合硬化性樹脂原料7を注入するための注入口5が設けられ、その下側両端部には、重合硬化性樹脂原料7を充満させる過程でセル9内の空気を排除するための排気口6が設けられている。
【0012】
このような雌型1としては、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を用いたFRPから成る型、FRPとレジンコンクリート等との積層体から成る型、Ni電鋳の型(FRPの表面にニッケルをコートしたもの)、アルミニウム等の金属から成る型、さらにこれらをリブ構造により補強した型などが挙げられる。
【0013】
熱可塑性樹脂成形品から成る型3は、例えば、熱可塑性樹脂板を、真空成形、圧空成形、プレス成形などの方法により熱成形して得られる。ここで用いる熱可塑性樹脂板としては、アクリル樹脂板、ポリスチレン板、ABS樹脂板、またはこれらの積層板など、熱成形可能な樹脂板が使用できる。真空成形や圧空成形には、プラグなどによる補助成形を行うこともできる。また、これらの樹脂板に予め印刷を施したり、フィルムをラミネートすることもできる。
【0014】
特に、この熱可塑性樹脂板として、熱成形加工性および耐溶剤性に優れたアクリル樹脂板を用いることが好ましい。この好適なアクリル樹脂板としては、例えば、特公平6−70098号公報に記載のように、メタクリル酸メチル単独、または、メタクリル酸メチル60重量%以上とアクリル酸エステル40重量%以下との単量体混合物を、重合開始剤の存在下で重合させてアクリル樹脂板を製造するに当たり、予め単量体全体に対して0.01〜20重量%の連鎖移動剤を添加してシラップを製造し、次いでそのシラップに対して0.02〜1.0重量%の架橋剤を添加して、鋳型中で注型重合させることによって得られるアクリル樹脂板が挙げられる。
【0015】
次に、図1に示す型を用いてバスタブ形状の積層物を製造する方法について説明する。
【0016】
まず、セル9内にガラス繊維プリフォーム8を載置する。このガラス繊維プリフォーム8は、例えば、吹き付けやプレスするなどして型3に対応する形状(ほぼ同形状)に成形したガラス繊維で構成することができる。また、この代わりに、ガラス繊維を織布や不織布などにマット化したガラス繊維マットを用いることもできる。このガラス繊維プリフォーム8やガラス繊維マット(および後に詳述するフィラー)は、主に、積層物の強度を向上させ、かつ耐熱性を向上させるため所望に応じて用いる。その含有量は、セル9内に充填する材料の合計量に対して、10重量%〜90重量%の範囲内とすることが好ましい。
【0017】
また、補強材として一枚または複数に分割したベニヤ板や樹脂板などをセル9内に入れ込み、重合硬化性樹脂7と一体化することも有効である。
【0018】
次に、注入口5から重合硬化性樹脂原料7を注入し、セル9内に充満させる。この重合硬化性樹脂原料7としては、熱可塑性樹脂成形品から成る型3と親和性を有し、重合硬化してかかる熱可塑性樹脂成形品と密着一体化可能なものであればよく、熱可塑性樹脂成形品の種類等に応じて適宜選択すればよい。例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらを変性した樹脂などが挙げられる。このうち、不飽和ポリエステル樹脂としては、オルソフタル酸系、イソフタル酸系、テレフタル酸系またはビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂、およびこれらのアクリル変性不飽和ポリエステル樹脂、ならびに、オルソフタル酸系、イソフタル酸系、テレフタル酸系またはビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂に、アクリル樹脂を添加した樹脂組成物などが用いられる。
【0019】
また、重合硬化性樹脂原料7に補強用フィラーを混合して用いてもよい。この補強用フィラーとして、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維など、従来より知られる各種フィラーを用いることができる。これらは、一種または二種以上を適宜組み合わせて使用できる。また、これらフィラーは、カップリング処理を施して用いることが好ましい。
【0020】
図1に示す例においては、重合硬化性樹脂原料7を充満させる過程で、セル9内の空気が排気口6から排除される。ただし、本発明はこのような方式に限定されない。例えば、型1と型3を組み合わせたセル9の外周部から空気を排気する方式等も採用できる。
【0021】
ここで、重合硬化性樹脂原料7に気泡が残留することがあっても、図1に示すように、熱可塑性樹脂成形品から成る型3を下に配置し、雌型1を上に配置することにより、型3側から型1側に気泡を集め、外観や強度などの性能の低下を防ぐこともできる。
【0022】
次に、セル9内に充填した重合硬化性樹脂原料7を重合硬化し、この重合硬化性樹脂原料7の重合発熱開始から重合発熱ピークまでの時間内に、型1から離型する。離型前の重合硬化反応においては、硬化発熱により熱可塑性樹脂成形品から成る型3が変形することがないように、硬化条件を制御することが望ましい。具体的には、硬化剤量を減らすなどして発熱温度が高くならないようにすればよい。さらに、硬化時に重合硬化性樹脂原料7が発泡しないように、充填する重合硬化性樹脂原料7の脱泡を行うことも有効である。
【0023】
また、離型性を良好にする目的で、あらかじめ型1のセル9を構成する面(重合硬化性樹脂原料7が接する面)に離型剤を塗布したり、その面をテフロン等密着し難い材料でラミネートすることが好ましい。
【0024】
ここで、重合硬化性樹脂原料7の硬化反応がまだ完了していない時点で型1から離型すれば、型1の占有時間は短縮できる。しかし、離型時における重合硬化性樹脂原料7が未硬化で流動性が高いと、その形状が保持されず、良好な積層物は得られない。すなわち、その離型する時点は、重合硬化性樹脂原料7の重合硬化の度合いに大きく影響される。しかしながら、成形中の型内における硬化状態を逐次観察することは困難である。そこで、本発明においては、この離型の時点の基準を、その重合硬化性樹脂原料7の重合発熱開始から重合発熱ピークまでの時間内とすることにより、型に設けられる通常の測温手段などを用い、簡易に適切な離型時を判断できるようにしている。
【0025】
この離型時の具体的な温度については、重合硬化性樹脂原料7の種類、熱可塑性樹脂成形品から成る型3の形状、両型1、3の熱容量など、各種条件に応じて最適な値が異なる。したがって、本発明において、具体的な温度については特に限定は無い。例えば、予めその重合発熱ピークの温度の具体値を調べておき、その具体値以前の温度段階であって、その形状が保持される程度に重合硬化性樹脂原料7の流動性が無い状態の温度時に離型すればよい。ただし、この離型時の温度は、発熱ピーク時よりもある程度前である方が好ましく、具体的には発熱ピーク時の温度よりも約5℃以上低い温度の時点で離型することが好ましい。
【0026】
この離型後、硬化反応が完了していない重合硬化性樹脂原料7は、熱可塑性樹脂成形品から成る型3によって形状が保持され、その変形が防止される。また、さらに熱可塑性樹脂成形品から成る型3自体も変形しないように、型3のセル外面を押え具10によって支え、変形防止をより確実にしている。
【0027】
また、離型時の型1の面との擦れ等の接触による積層物の傷については、本例で得られるバスタブでは、外観に優れる熱可塑性樹脂成形品が表面になり、重合硬化性樹脂原料7により形成した傷のつき易い補強層は裏面になるので、その傷は問題にならない。
【0028】
離型後、この積層物、すなわち熱可塑性樹脂成形品からなる型3と硬化反応途中の重合硬化性樹脂原料7から成る補強層から成る積層物は、押え具10で支えられた状態で、そのまま発熱硬化反応が進行する。
【0029】
押え具10としては、例えば、一体化されたまたは分割された押え具を使用できる。具体的には、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのFRP、アルミニウムなどの金属、木材などで構成される押え具を好適に使用できる。また、固体から成る押え具10の代わりに、気体、液体などの流体を用いて型3を支えることもできる。具体的には、型3側のセル外面に密閉空間を形成し、空気や窒素などの気体、水やシリコンオイルなどの液体により支持する方法がある。また、この押え具10や支持用流体を温調可能な構成にすれば、成形サイクルアップなど、成形性向上の点でも有効である。
【0030】
型3のセル外面を支持する際、型3の形状および寸法が変動した場合、流体による支持は特に問題ないが、固体による加圧は嵌合に問題が生じることがある。この場合は、変形し難いコーナー部などを除き、平面部などの変形し易い部分のみを押え具10により支持することで、型3と押え具10との形状余裕、および得られる積層物の形状安定性を向上させることもできる。
【0031】
さらに、セル外面を一体化された押え具または分割された押え具により支持する場合、押え具10の押え面と、熱可塑性樹脂成形品から成る型3側のセル外面の間を、例えば減圧状態にすることにより密着させ、熱可塑性樹脂成形品から成る型3の面のたわみを矯正することができる。この場合は、押え具10に減圧孔を設けておき、そこから脱気減圧すればよい。
【0032】
以上のような工程に従い、重合硬化性樹脂原料7の重合発熱ピーク前に型1を離型すれば、型1の占有時間が短くなり、その有効利用が可能である。
【0033】
図2は、その離型した型1等を有効に利用すべく、積層物の硬化を完了させる間に、型1等を次の成形に使用する実施形態を示す模式的断面図である。この実施形態においては、予め1個の型1に対して複数個の熱可塑性樹脂成形品から成る型3、3'、および、押え具10、10'を用意しておく。そして、型1、熱可塑性樹脂成形品からなる型3、押え具10を用い、先に述べた工程を一回目の成形として実施し、重合硬化性樹脂原料7の重合発熱ピーク前に型1を離型する。
【0034】
この離型後も、一回目の成形による積層物は、押え具10で支られた状態で、発熱硬化反応が進行する。この反応が進行している間に、離型した型1を、押え具10'で支えた熱可塑性樹脂成形品から成る型3'に対して用い、同様のセルを形成し、二回目の成形を繰返す。これにより、型1やその型締めの装置などの台数を抑えることができ、その占有時間を短縮でき、その結果、生産性を向上できる。
【0035】
以上説明した各実施形態においては、バスタブ(浴槽)形状の例を挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば洗面ボールやシャワーパンなど、各種の立体形状の樹脂成形品の製造に有用である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0037】
[参考例]
図1を用いて説明した工程に従い、以下のようにして、バスタブ形状の積層物を作製した。
【0038】
まず、不飽和ポリエステル樹脂(商品名ユピカ4521P、日本ユピカ(株)製)100重量部に対し、触媒(商品名パーメックN、日本油脂(株)製)1.5重量部を、注入直前にスタティックミキサーにより混合し、重合硬化性樹脂原料7とした。
【0039】
次に、バスタブ形状のFRPから成る雌型1と、アクリル樹脂成形品から成る雄型3の間に、予め成形したガラス繊維プリフォーム8を入れ、型1、3を組み合せ、セル9内の型間隔を補強目標厚さの4mmとし、弾性体のシールパッキン4により密閉した。また、押え具10をアクリル樹脂成形品から成る型3のセル外面に配置して支えた。
【0040】
次に、先に調合した重合硬化性樹脂原料7を注入口5より1kg/cm2の圧力で注入し、セル9内に充満させた。この重合硬化性樹脂原料7は硬化反応により発熱した。25℃から40℃程度まで発熱したところで、発熱ピーク温度(50℃程度)になる前に型1から離型し、押え具10のみで支えた状態にした。
【0041】
このような状態で40分間放置したところ、重合硬化性樹脂原料7は発熱ピーク温度約50℃に達した。この重合硬化反応が十分完了してから、押え具10を取り外し、アクリル樹脂成形品に補強層を一体化した積層物から成るバスタブを得た。
【0042】
本参考例では、重合硬化性樹脂原料7の発熱ピーク温度になる前の硬化が不十分な状態で離型したが、アクリル樹脂成形品自体と押え具10により形状を保持することができ、形状変化の無い良好なバスタブが得られた。また、このバスタブは、外観上も問題無く、JIS A 1718にしたがって性能評価をしたところ、変形やクラックは無く、全ての項目に合格した。
【0043】
[実施例1]
図2に示すように、さらに、もう一組の熱可塑性樹脂成形品からなる型3'および押え具10'を用意した。
【0044】
そして、一回目の成形を参考例と同様の工程で実施し、重合硬化性樹脂原料7の発熱ピーク温度になる前に積層物を型1から離型し、押え具10のみで支えた状態で重合硬化反応を完了させ、一回目の成形によるバスタブを得た。
【0045】
また、一回目の成形における重合硬化反応が進行している間に、一回目の成形で離型した型1や型締め等の装置を、もう一組の熱可塑性樹脂成形品からなる型3'および押え具10'に対して使用し、同様の成形を繰返し、二回目の成形によるバスタブを得た。
【0046】
本実施例では、一回目の成形が完了する前に、型1等を用いて二回目の成形を行なうことができ、その型1等の占有時間を短縮でき、生産効率を向上できた。また、一回目および二回目の成形で得たバスタブは、参考例と同様に形状変化が無く、外観上も問題無く、JIS A 1718にしたがって性能評価をしたところ、変形やクラックは無く、全ての項目に合格した。
【0047】
[比較例1]
図3に示すように、アクリル樹脂成形品から成る型3および押え具10の代わりに、雌型1と同様のFRP製の雄型2を使用したこと以外は、参考例と同様の工程に従い、重合硬化性樹脂原料7の硬化成形物を得ようとした。
【0048】
しかし、重合硬化性樹脂原料7が25℃から40℃まで発熱した時点で、発熱ピーク温度になる前の硬化が不十分な状態で両型1、2から離型したところ、その後の硬化の進行に伴い成形物に反り変形が生じた。さらに、表面である雄型2側に擦り傷が生じ、外観の劣るバスタブとなった。
【0049】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、熱可塑性樹脂成形品を重合硬化樹脂で補強した所定形状の積層物を製造するに当たり、使用する型の占有時間を短縮でき、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施形態を示す模式的断面図である。
【図2】本発明において、離型した型等を有効に利用するための実施形態を示す模式的断面図である。
【図3】比較例1の製造方法を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 雌型
2 雄型
3、3' 熱可塑性樹脂成形品から成る型
4 シールパッキン
5 注入口
6 排気口
7 重合硬化性樹脂原料
8 ガラス繊維プリフォーム
9 セル
10、10' 押え具
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂成形品から成る型を所定形状の積層物を成形するための型の一部として用い、該型のセル内に重合硬化性樹脂原料を注入し、重合硬化させ、前記熱可塑性樹脂成形品と一体化させて積層物とした後、該積層物を前記熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型から離型する工程を含む積層物の製造方法において、
前記熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型1個に対して、熱可塑性樹脂成形品からなる型および押え具を複数個用意し、
ガラス繊維マットまたは熱可塑性樹脂成形品から成る型に対応する形状に成形したガラス繊維を、重合硬化性樹脂原料を注入するに先立ってセル中に載置しておき、
成形の際に、前記熱可塑性樹脂成形品から成る型を、押え具によって支え、
前記重合硬化性樹脂原料の重合発熱開始から重合発熱ピークまでの時間内に、積層物を前記熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型から離型した後、
該積層物を押え具で支えた状態で重合硬化性樹脂原料の発熱硬化反応を進行させる間に、他の押え具で支えた他の熱可塑性樹脂成形品から成る型と、前記離型後の熱可塑性樹脂成形品から成る型以外の型を用いてセルを形成し、積層物を製造するための前記工程を繰返すことを特徴とする積層物の製造方法。
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JPH11235726A JPH11235726A (ja) | 1999-08-31 |
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- 1998-02-23 JP JP04022198A patent/JP3720562B2/ja not_active Expired - Fee Related
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