JP3714874B2 - 射出発泡成形性の良好な熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形性、発泡性、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題に注目が集まっており、素材開発においても、軽量でCO2 削減などの省エネルギー化に寄与し、リサイクルが容易で、焼却処理せざるをえない場合でも有害ガス等を発生しない素材が求められている。また社会の高齢化に伴い、車の内・外装材から机、冷蔵庫等の生活用品に到るまで、柔軟で転倒などしてぶつかった場合でも衝撃の少ない素材が求められている。
このような要望に対応したクッション材料が種々開発されている。成形物においては、発泡させることによってクッション性が増すことが可能である。
【0003】
特に自動車内装用のクッション材料としては、インストルメントパネルやドアートリムが挙げられる。架橋発泡ポリウレタン、架橋発泡ポリプロピレン、架橋発泡ポリエチレン、架橋発泡ポリ塩化ビニル、非架橋発泡ポリ塩化ビニル等の発泡体に、絞付き可塑化ポリ塩化ビニル、ファブリック、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の表皮材を熱融着や接着剤でラミネートしたものが使用されてきた。内装材の製造方法としては、パウダースラッシュ成形或いは真空成形によりポリ塩化ビニル製シートを予備賦形した後、基材とポリ塩化ビニルの間にイソシアナートを混ぜた液状ウレタンを流し込み架橋同時発泡成形する方法や、射出圧縮成形によりポリ塩化ビニルと架橋発泡ポリプロピレンとの積層物に硬質基材樹脂を射出圧縮機一体成形する方法が知られている。
【0004】
しかしながら、このような方法で作製したクッション材料は、架橋物や接着剤を含みまた異材質をラミネートしたものもありリサイクルが難しく、工程が多岐にわたるため製造工程でのバリ等が発生し、廃棄物が多量に発生するという問題があった。企業ではゼロエミッションが常識となる現在、従来の様な工法で製造する事は困難になりつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの問題を解決するため、一工程で成形物を製造でき、かつロスが極めて少ない射出発泡成形方法により直接発泡成形体を得る方法が検討されてきた。特開平8−207074号公報には、スピーカーコーンのような高剛性発泡成形体を得ることを目的として、発泡剤を含む樹脂を金型内に高速射出充填した後、金型を開いて発泡させることにより発泡成形を行う、いわゆるキャビティームーブ法が提案されている。また、特開平9−157426号公報には、発泡剤を配合した発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマーをキャビティームーブ法により射出発泡成形するオレフィン系熱可塑性エラストマー射出発泡成形体の製造方法が提案されている。このようにキャビティームーブ法を用いることで、従来発泡させることが難しかった樹脂でも比較的容易に発泡させることができるようになった。しかしインストルメントパネルやドアートリムの様な大型部品は特に流動性が要求される。非架橋である熱可塑性エラストマーの発泡性を向上させる為には成形温度領域でガス圧保持をするために粘稠にならざるをえない。つまり一般的には流動性が悪化する方向である。また柔軟にするためには架橋ゴム、部分架橋ゴム、非架橋ゴム等ゴム成分を添加する必要がある。しかしゴムの添加により流動性と発泡性が阻害されてしまう。流動性、発泡性、柔軟性は一般的には背反する。
【0006】
熱可塑性エラストマーの中でもスチレン系熱可塑性エラストマーが比較的発泡性がよく、検討がなされている。しかしベタツキが発生し易く、またサンオイル等を吸油し易く膨潤変形する等の問題が残り値段も高価なことから、オレフィン系熱可塑性エラストマーを主体で配合設計する必要があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、動的架橋により製造されたオレフィン系熱可塑性エラストマーに対して、一定の成分を添加することにより流動性、発泡性、柔軟性を兼ね備えることに着目し、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)(A)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、1〜30〔g/10分〕のポリプロピレン樹脂10〜60重量部、(B)エチレン系共重合体ゴム40〜90重量部、および(C)軟化剤0〜50重量部(成分(A)、(B)および(C)の合計量は100重量部)を含む混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)100重量部に対し、
(D)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、80〜120〔g/10分〕のポリプロピレン樹脂1〜20重量部、(E)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定したメルトフローレートが、0.5〜10〔g/10分〕のプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム1〜20重量部、および(F)軟化剤1〜30重量部を添加して得られる熱可塑性エラストマー(II)100重量部と、
(G)エチレン・α−オレフィン共重合体10〜100重量部と、
(H)スチレン系熱可塑性エラストマー1〜50重量部とを混合して得られる射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
【0009】
(2)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、5〜100〔g/10分〕である前記(1)に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
(3)前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)を製造する際に使用する架橋剤が有機過酸化物である前記(1)に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
【0010】
(4)前記(G)エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンの炭素数が6以上かつコモノマーとしてのα−オレフィンの含有量が重量比で20%以上50%未満であり、ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定したメルトフローレートが、0.5〜10〔g/10分〕、密度が0.80g/cm3以上0.90g/cm3未満である前記(1)に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
【0011】
(5)前記(H)スチレン系熱可塑性エラストマーはスチレン含有量が重量比で10〜50%であるスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物をベースとした、JIS−K6301によるJIS−A硬度が30〜95である前記(1)に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物は、(A)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、1〜30〔g/10分〕のポリプロピレン樹脂と、(B)エチレン系共重合体ゴム、および必要に応じて(C)軟化剤とを含む混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)に対し、(D)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、80〜120〔g/10分〕のポリプロピレン樹脂と、(E)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定したメルトフローレートが、0.5〜10〔g/10分〕のプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム、および(F)軟化剤を添加して得られる熱可塑性エラストマー(II)と、(G)エチレン・α−オレフィン共重合体と、(H)スチレン系熱可塑性エラストマーとを混合して得られる。
【0013】
[(A)ポリプロピレン樹脂]
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂は、プロピレンを主成分とする重合体であり、例えば、
(1)プロピレン単独重合体、
(2)プロピレンと10モル%以下のプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、
(3)プロピレンと30モル%以下のプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体
が挙げられる。プロピレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。前記重合体中にこれらのα−オレフィンは、1種単独でも2種以上が含まれていてよい。(A)ポリプロピレン樹脂は単独で用いることもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0014】
前記(A)ポリプロピレン樹脂は、射出発泡成形に供する熱可塑性エラストマー組成物が得られる点で、ASTM D1238に準じ、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が1〜30〔g/10分〕であり、さらには3〜30〔g/10分〕の範囲にあることが好ましい。
【0015】
本発明の組成物において、(A)ポリプロピレン樹脂の含有量は、動的架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーの成分である(A)ポリプロピレン樹脂、後述の(B)エチレン系共重合体ゴムおよび(C)軟化剤の合計量((A)+(B)+(C))100重量部に対し、10〜60重量部、好ましくは10〜50重量部である。(A)ポリプロピレン樹脂を前記範囲で用いると、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)が得られる。
【0016】
[(B)エチレン系共重合体ゴム]
本発明で用いられる(B)エチレン系共重合体ゴムは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを主成分とする弾性共重合体ゴムであり、好ましくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴム、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと非共役ジエンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴムが挙げられる。
【0017】
前記α−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で、または2種以上混合して用いられる。
(B)エチレン系共重合体ゴムにおけるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのモル比は、通常55/45〜85/15であり、好ましくは60/40〜83/17である。
【0018】
前記非共役ジエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン(例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン)、エチリデンノルボルネン(例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン)等が挙げられる。
【0019】
前記エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴム、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴムのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は10〜250であることが好ましく、特に30〜150の範囲にあることが好ましい。前記エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴムでは、ヨウ素価は25以下が好ましい。
【0020】
本発明の組成物において、(B)エチレン系共重合体ゴムの含有量は、動的架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーの成分である(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン系共重合体ゴムおよび後述の(C)軟化剤の合計量((A)+(B)+(C))100重量部に対し、40〜90重量部、好ましくは40〜80重量部である。(B)エチレン系共重合体ゴムを前記範囲で用いると、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)が得られる。
【0021】
また、本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、ゴム成分として、(B)エチレン系共重合体ゴムの他に、(B)エチレン系共重合体ゴム以外のゴム、例えばスチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、ニトリルゴムおよびそれらの水添品、ブチルゴム、天然ゴム、シリコーンゴム等を用いることができる。ここで、「水添品」とは、水素添加処理をして、二重結合の全部または一部を飽和させたものをいう。
【0022】
[(C)軟化剤]
本発明においては、(C)軟化剤を必要に応じて用いることができる。軟化剤は(B)エチレン系共重合体ゴムに油展してもよいし、油展せずに後から加えてもよい。
軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;トール油;蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその金属塩;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、液状チオコール等が挙げられる。
【0023】
本発明に用いられる(C)軟化剤としては、前記(C)軟化剤の中でも、プロセスオイル、特にパラフィン系プロセスオイルが好ましい。
本発明の組成物において、(C)軟化剤の含有量は、動的架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーの成分である(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン系共重合体ゴムおよび(C)軟化剤の合計量((A)+(B)+(C))100重量部に対し、0〜50重量部、好ましくは0〜45重量部である。(C)軟化剤を前記範囲で用いると、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)が得られる。
【0024】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)には、前記成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、耐電防止剤、着色剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。
熱可塑性エラストマー(I)の製造方法は、前記(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン系共重合体ゴムおよび(C)軟化剤、および必要に応じて前記添加剤を、前記特定の割合で配合し、架橋する方法により行うことができる。熱可塑性エラストマー(I)の架橋は、有機過酸化物により、すなわち有機過酸化物の存在下で動的な熱処理により行われるのが好ましい。
【0025】
前記有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
【0026】
これらの中で、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレートが好ましい。中でも、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンが特に好ましい。
【0027】
有機過酸化物の配合量は、(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン系共重合体ゴムおよび(C)軟化剤の合計量((A)+(B)+(C))100重量部に対し、0.02〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。有機過酸化物の配合量が前記範囲であると、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)が得られる。
【0028】
前記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、N,N’−m−フェニレンジマレイミド等のペルオキシ架橋用助剤;あるいはジビニルベンゼン;トリアリルシアヌレート;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー;あるいはビニルブチラート、ビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマー等を配合してもよい。これらの成分は、単独でも、2種以上を併用してもよい。有機過酸化物による架橋処理に際し、前記化合物を用いることにより、架橋反応を、均一かつ穏やかに進ませることができる。
【0029】
前記化合物の中でも、ジビニルベンゼンが特に好ましい。ジビニルベンゼンは取り扱いやすく、前記被架橋処理物の主成分である(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン系共重合体ゴムとの相溶性が良好であり、かつ有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性とのバランスに優れ、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)が得られる。
【0030】
前記のような架橋助剤または多官能性ビニルモノマー等の化合物は、(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン系共重合体ゴムおよび(C)軟化剤の合計量((A)+(B)+(C))100重量部に対し、通常5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部となるような量で用いられる。架橋助剤または多官能性ビニルモノマー等の化合物の配合量が前記範囲であると、得られる熱可塑性エラストマー(I)中に架橋助剤または多官能性ビニルモノマー等の化合物が、未反応のまま残存することがないため、加工成形の際に熱履歴による物性変化が生じることがない。
【0031】
上述の動的な熱処理は、前記各成分を有機過酸化物の存在下で、融解状態で混練することにより行われる。この動的な熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサー、ニーダー等)、一軸または二軸押出機などの混練装置を用いて行われるが、非開放型の混練装置中で行われることが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行うことが好ましい。各成分は、それぞれ別々に混練装置に入れてもよいが、一部を混合してから混練装置に入れてもよく、全部を混合してから入れてもよい。
【0032】
混練は、使用する有機過酸化物の半減期が1分未満となる温度で行うのが好ましい。すなわち混練温度は150〜280℃が好ましく、特に170〜240℃が好ましい。混練時間は、1〜20分間、特に1〜5分間が好ましい。また、混練の際に加えられる剪断力は、通常剪断速度で10〜104sec-1、特に、102〜104sec-1の範囲にあるのが好ましい。
【0033】
[(D)ポリプロピレン樹脂]
本発明の必須成分である(D)ポリプロピレン樹脂は、プロピレンを主成分とする重合体であり、例えば、
(1)プロピレン単独重合体、
(2)プロピレンと10モル%以下のプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、
(3)プロピレンと30モル%以下のプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体
が挙げられる。プロピレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。前記重合体中にこれらのα−オレフィンは、1種単独でも2種以上が含まれていてよい。(D)ポリプロピレン樹脂は単独で用いることもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0034】
前記(D)ポリプロピレン樹脂は、ASTM D1238に準じ、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が80〜120〔g/10分〕であり、さらには80〜100〔g/10分〕の範囲にあることが好ましい。
【0035】
本発明の組成物において、前記(D)ポリプロピレン樹脂の含有量は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)100重量部に対して、1〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部である。(D)ポリオレフィン樹脂の含有量を前記範囲とすると、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうる熱可塑性エラストマー(II)が得られる。
【0036】
[(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム]
本発明の必須成分である(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、プロピレンと他の炭素数2〜20のα−オレフィンとの無定形ランダムな共重合体ゴムであって、このような無定形ランダムな弾性共重合体ゴムとしては、具体的には、以下のようなプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムが挙げられる。
【0037】
(1)プロピレン・エチレン共重合体ゴム
〔プロピレン/エチレン(モル比)=約90/10〜50/50〕
(2)プロピレン・ブテン共重合体ゴム
〔プロピレン/ブテン(モル比)=約90/10〜50/50〕
【0038】
前記(1)、(2)の(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定したメルトフローレートが、0.5〜10[g/10分]、特に0.8〜10の範囲にあるのが好ましい。前記(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、単独で、また、2種以上を併用してもよい。
【0039】
本発明の組成物において、前記(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムの含有量は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)100重量部に対して、1〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部である。(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムの含有量を前記範囲とすると、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうる熱可塑性エラストマー(II)が得られる。
【0040】
[(F)軟化剤]
本発明の必須成分である(F)軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその金属塩;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、液状チオコール等が挙げられる。本発明に用いられる(F)軟化剤としては、前記(F)軟化剤の中でもプロセスオイル、特にパラフィン系プロセスオイルが好ましい。
【0041】
本発明の組成物において、前記(F)軟化剤の含有量は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)100重量部に対して、1〜30重量部であり、好ましくは1〜20重量部である。(F)軟化剤の含有量を前記範囲とすると、射出発泡成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しうる熱可塑性エラストマー(II)が得られる。
本発明の熱可塑性エラストマー(II)には、前記成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、耐電防止剤、着色剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。
【0042】
本発明において熱可塑性エラストマー(II)は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)と、(D)ポリプロピレン樹脂、(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム、および(F)軟化剤を前記特定の割合で配合し、さらに必要に応じてその他の添加剤を配合して、有機過酸化物の非存在下で動的な熱処理を施すことにより製造することが好ましい。
【0043】
前記動的な熱処理は、前記各成分を融解状態で混練することにより行うことができる。使用する混練装置は、ミキシングロール、インテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサー、ニーダー等)、一軸または二軸押出機などの混練装置を用いて行われるが、非開放型の混練装置中で行われることが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行うことが好ましい。各成分は、それぞれ別々に混練装置に入れてもよいが、一部を混合してから混練装置に入れてもよく、全部を混合してから入れてもよい。
【0044】
混練温度は、150〜280℃が好ましく、特に170〜240℃が好ましい。混練時間は、1〜20分間、特に1〜5分間が好ましい。また、混練の際に加えられる剪断力は、通常剪断速度で10〜104sec-1、特に、102〜104sec-1の範囲にあるのが好ましい。
【0045】
[(G)エチレン・α−オレフィン共重合体]
本発明の必須成分である(G)エチレン・α−オレフィン共重合体としては、具体的には該エチレン・α−オレフィン共重合体のDSCによる最高融解ピーク温度Tm(℃)は、60〜100℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。前記Tmが100℃を越えると、柔軟性に欠けることがある。一方、前記Tmが前記数値範囲内にあると、前記欠点がない上、低温で加工できるので、省エネルギーである点で好ましい。
【0046】
前記エチレン・α−オレフィン共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数6以上のものが好ましく、炭素数6〜20のものがより好ましい。炭素数6以上のα−オレフィンとしては、具体的には、1−ヘキサン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0047】
前記エチレン・α−オレフィン共重合体は、例えば、メタロセン化合物を含有する幾何拘束触媒、より詳しくはメタロセン化合物を中心とするシングルサイト触媒(SSC)の一種である幾何拘束触媒(CGC)を用いた溶液重合法により好適に得られる。
【0048】
前記幾何拘束触媒を用いた場合、従来におけるチーグラー触媒等を用いた場合に比べて、コモノマーの量が多くても分子鎖構造が乱れることがなく、均一にコモノマーを多量に導入することができ、また分子量分布を狭い範囲にすることができるので、その結果、溶融粘度のズリ速度の依存性が大きく、メルトテンションが高く、優れた成形性を有する共重合体が得られる点で有利である。
【0049】
また、幾何拘束触媒の中でも、インサイトテクノロジーと称する独特の触媒技術で製造されるエチレン・オクテン共重合体が最も柔軟でかつ粘稠で発泡ガス保持性もよい。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体の市販品としては、例えば、デュポンダウエラストマー社製の「エンゲージ(登録商標)」、エクソンケミカル社製の「EXACT」シリーズ等が好適に挙げられる。
【0050】
[(H)スチレン系熱可塑性エラストマー]
本発明の必須成分である(H)スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等のスチレン系単量体とブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体とをブロック共重合することによって得られた、スチレン系単量体を主体としたスチレン系重合体ブロックと、共役ジエン単量体を主成分とした共役ジエン系重合体ブロックとを合せ持つブロック共重合体を、更に水素添加することによって得られたスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物をベースとするものである。
【0051】
前記スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物としては、例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重合体水素添加物、或いは、スチレン・イソプレンブロック共重合体水素添加物、或いは、それらの混合物である。具体的には、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、或いは、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、或いは、それらの混合物を挙げることができる。これらスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、JIS−K6301によるJIS−A硬度が30〜95、スチレン含有量が10〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、水素添加率が95%以上のブロック共重合体を用いることが好ましい。
【0052】
前記スチレン・共役ジエンブロック共重合体のJIS−K6301によるJIS−A硬度が30未満では、柔軟すぎて射出発泡成形時に表面の平滑性が得られず、またJIS−K6301によるJIS−A硬度が95を越えると射出発泡成形品が硬くなってしまい柔軟な感触が得られない。またスチレン含有量が10未満では十分な発泡性が得られず、スチレン含有量が50%を越えると硬く風合いが悪化する。水素添加率が95%未満では光、熱エネルギーにより劣化してしまい、過酷な使用条件の自動車内装用には使用する事は困難である。
【0053】
スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物であるスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SEBS)、或いは、スチレン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物であるスチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEPS)をベースとして含有するスチレン系熱可塑性エラストマーは、例えば、クラレ社製の「セプトン」シリーズ、三菱化学社製の「ラバロン」、JSR社製の「ダイナロン」シリーズ、旭化成社製の「タフテック」シリーズ、シェル化学社製の「クレイトンGシリーズ」として市場より求めることができる。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーに含有される水素添加物以外の成分としては、炭化水素系ゴム用軟化剤、オレフィン系重合体及び/又はスチレン系重合体、その他の成分がある。
【0054】
本発明の組成物は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)の構成成分である(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン系共重合体ゴム、(C)軟化剤、ならびに熱可塑性エラストマー(II)の構成成分である(D)ポリプロピレン樹脂、(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム、(F)軟化剤、さらには、(G)エチレン・α−オレフィン共重合体、(H)スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する組成物であるが、その他に、さらに、以下の無機充填剤を含有することができる。
【0055】
無機充填剤としては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊維、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイ藻土、雲母粉、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラスビーズ、シラスバルーン等が挙げられる。
【0056】
本発明の組成物において、無機充填剤の配合量はオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)、(D)ポリプロピレン樹脂、(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム、および(F)軟化剤からなる熱可塑性エラストマー(II)、(G)エチレン・α−オレフィン共重合体ならびに(H)スチレン系熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、0〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは0〜200重量部、特に0〜100重量部であるのが好ましい。
【0057】
本発明の組成物には、前記成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、耐電防止剤、着色剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の組成物は、前記熱可塑性エラストマー(II)、(G)エチレン・α−オレフィン共重合体、(H)スチレン系熱可塑性エラストマー、および必要に応じて前記無機充填剤ならびに前記添加剤を、前記特定の割合で配合して、有機過酸化物の非存在下で動的な熱処理を施すことにより製造することが好ましいが、成形に供する際、これらの材料はその1部あるいはすべてをドライブレンドした状態であってもよい。
【0058】
前記動的な熱処理は、前記各成分を融解状態で混練することにより行うことができる。使用する混練装置は、ミキシングロール、インテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサー、ニーダー等)、一軸または二軸押出機などの混練装置を用いて行われるが、非開放型の混練装置中で行われることが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行うことが好ましい。各成分は、それぞれ別々に混練装置に入れてもよいが、一部を混合してから混練装置に入れてもよく、全部を混合してから入れてもよい。無機充填剤は、他の成分と混合してから混練装置に入れるのが好ましい。
【0059】
混練温度は150〜280℃が好ましく、特に170〜240℃が好ましい。混練時間は、1〜20分間、特に1〜5分間が好ましい。また、混練の際に加えられる剪断力は、通常剪断速度で10〜104sec-1、特に、102〜104sec-1の範囲にあるのが好ましい。
【0060】
本発明の組成物のASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレート(MFR)は、5〜100〔g/10分〕であることが好ましく、5〜80〔g/10分〕であることがより好ましい。メルトフローレートが5よりも小さい場合には、流動性が不足して良好な成形品が得られず、100よりも大きい場合には、ガス保持性が不足するため、成形品の外観を損なう。
【0061】
本発明の組成物に含有される前記各成分は、前記一般的な範囲で配合することができるが、前記各成分をすべて好ましい範囲で配合することが最も好ましい。しかし、特定の成分の含有量が好ましい範囲にあり、かつ、他の成分の含有量が一般的な範囲にある場合も好ましい。
【0062】
本発明の組成物に含有される前記各成分としては、前記各物性値が前記一般的な範囲にあるものが使用できるが、前記物性値がすべて好ましい範囲にある成分が最も好ましく使用できる。しかし、特定の物性値が好ましい範囲にあり、かつ、他の物性値が一般的な範囲にあるものも好ましいものとして使用できる。
【0063】
得られる本発明の組成物は、前記構成をとるので、流動性が良好で、しかも発泡ガス保持性も良好であるため、射出発泡成形性に優れており、大型の射出発泡成形品を製造する場合にも使用が可能で、得られる成形品の外観も良好である。また、本発明の組成物は、オレフィン系樹脂を用いているので、軽量でリサイクルが容易である。
【0064】
また、本発明の組成物の製造において用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)が、有機過酸化物により架橋されているので、得られる本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、より耐熱性に優れる。
従って、本発明の組成物は、省エネルギー、省資源タイプの射出発泡成形用エラストマーとして、自動車の内装部品、外装部品、工業機械部品、電気・電子部品、建材等に広く好適に利用することができる。
【0065】
本発明の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物を発泡させるガスの発生源としては何らこだわらない。たとえば熱分解によりガスを発生する有機系化学発泡剤と言われるタイプや直接液体や気体や最近では超臨界液等を射出成形機ノズル付近より注入撹拌する物理発泡剤でも良い。有機系化学発泡剤としてはアゾジカルボンアミド(ADCA)等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等のヒドラジン誘導体、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)等のアゾ化合物、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩、クエン酸塩等が挙げられ、その中でも、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、重炭酸塩等が好ましい。
【0066】
[熱分解型有機系化学発泡剤を使用して発泡させる場合]
有機系化学発泡剤としてはアゾジカルボンアミド(ADCA)等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等のヒドラジン誘導体、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)等のアゾ化合物、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩、クエン酸塩等が挙げられ、その中でも、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、重炭酸塩等が好ましい。発泡剤は、発泡させる基材樹脂の種類に応じ一種または多種混合して使用することができる。発泡ガスとして二酸化炭素を放出するクエン酸系の大塚化学社製「ユニファインP−3」や永和化成社製の重炭酸塩タイプが挙げられる。耐熱性のある熱可塑性エラストマーを混合する場合は発泡ガス圧が高い「セルボン」シリーズが好適である。ガス量が多く必要な場合は窒素ガス放出タイプが好適である。例えば、大塚化学社製の「AZ−H」や永和化成社の「スパンセル」シリーズが好適に用いられる。発泡剤は発泡させる樹脂全体に対し、好ましくは、0.01〜10重量%、より好ましくは、0.2〜5重量%添加する。
【0067】
[物理発泡剤を射出成形機先端部で溶融樹脂に注入させ発泡する場合]
一般的には無臭液化ブタン、炭酸ガス、フロンガス、窒素ガス等液体であったり気体であったりするが、最近ではより樹脂との相溶性の良い超臨界液を使用する事も可能である。一般的には超臨界液も二酸化炭素を使用したほうが樹脂への相溶性が良く微細なセルが得られ、発泡による強度低下も極力少なくて済む。本発明では低密度ポリエチレンに永和化成社製重炭酸塩タイプ「セルボンSCP」を15%濃度で練り込んだ発泡マスターバッチを使用した。
【0068】
[射出発泡成形方法]
発泡ガスがすでに射出成形機シリンダー内で十分撹拌分散された状態の樹脂を完全に閉じた状態の金型内にできるだけ高速で射出充填後、金型内容積を拡大すれば拡大した空間部分が発泡する方法が一般的である。金型が必要分だけ開く方法はコアバック方式とかキャビティームーブ法とよばれ汎用化されている。また金型を閉めたまま金型内の容積を拡大する方法として、射出充填後ピン等がスライドする容積拡大方法もある。本発明ではコアバック方式(キャビティームーブ法)を用いた。
【0069】
[具体的に部品として使用するための硬質基材との積層方法]
発泡層のみでは実際は部品として使用しづらく、発泡層の裏に硬質基材層を積層した積層成形体で使用される。積層発泡方法は、二材射出コアバック成形法、インサートコアバック射出成形法、サンドイッチコアバック成形法、インサート射出圧縮コアバック成形法、インサートショートショット発泡成形法、サンドイッチショートショット成形法等の各種射出発泡成形法を用いることができる。
【0070】
前記射出成形法のうち、二材射出コアバック成形法とは基材(ポリプロピレン樹脂等)を射出成形直後片方の金型に基材をつけたままスライドするなり反転するなりして片方の別の容積の大きな金型に移動し発明品の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物を射出充填後コアバックし発泡させて製造する方法である。インサートコアバック射出成形法とは、予め基材(ポリプロピレン樹脂等)を射出成形し、基材となる成形品を金型内にインサートセット後、該成形品と金型キャビティの空隙に表層材の発明品である射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物を射出後コアバック発泡成形する方法である。コアバック射出成形法とは、一台の射出成形機と一個の金型を用いて、結晶性オレフィン系樹脂を射出成形した後に、金型のキャビティ容積を拡大させ、該成形品と金型のキャビティとの間の空隙に表層材の動的架橋されたオレフィン系エラストマー組成物を射出成形する成形方法、また、金型拡大発泡射出成形法は二層成形の射出が完了した後、発泡ガスによる樹脂・エラストマーの膨張で金型壁面との接触を保ちながら移動型をキャビティが拡大するよう移動させ、移動型を予め設定した基準肉厚位置で停止させて成形する方法である。
【0071】
成形方法は目的に応じてそれぞれ単独でも、複数種類を併用して成形することもできる。インサート射出成形法、二色射出成形法又はコアバック射出成形法において、今回の様にスキン層にオレフィン系熱可塑性エラストマーをベースにした配合を使用する場合には、好ましい基材として結晶性オレフィン系樹脂があげられる。
【0072】
またタルク等フィラー充填して剛性をアップさせたり、EPRやゴム状エチレン・α−オレフィン共重合体やスチレン系エラストマーの添加で衝撃破壊強度をアップさせることが好ましい。また強度ダウンしない範囲で発泡させる事も剛性アップに効果がある。この好ましい基材は、JIS−K7203による曲げ弾性率が8,000kg/cm2以上、好ましくは50,000kg/cm2、曲げ弾性率が前記範囲未満のものでは、例えば、自動車用内装部品に用いる場合に必要とされる剛性、強度等の機械的特性を満たせない場合がある。
【0073】
基材の成形方法は、通常の射出成形法を用いたものでもよく、射出圧縮成形法、ガスインジェクション成形法によるものでも良い。射出成形法にて作成する場合、射出成形条件としては、一般に100〜300℃、好ましくは150〜280℃の成形温度、50〜1,000kg/cm2、好ましくは100〜800kg/cm2の射出圧力で成形されるのが一般的である。
【0074】
[表面塗装]
本発明の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物を使用した成形発泡体の表面はスキンが形成されておりそのままでも十分使用に耐えうる強度を持っているが、艶のコントロール、または防眩の為等の理由で絞面に表面塗装を施してもよい。塗装用塗料溶液は溶剤系、水性系どちらともよく、溶解させる樹脂はウレタン系、アクリル系、シリコン系を問わない。
【0075】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例および比較例で、組成物の製造に用いた化合物を、以下に示す。
(A)ポリプロピレン樹脂
(A−1)プロピレンホモポリマー;MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)15[g/10分]
【0076】
(B)エチレン系共重合体ゴム
(B−1)油展されたエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム;エチレンから導かれる単位とプロピレンから導かれる単位とのモル比(エチレン/プロピレン)78/22、5−エチリデン−2−ノルボルネンに基づくヨウ素価13、ムーニー粘度ML1+4(100℃)140のポリマー100重量部にパラフィン系プロセスオイル(C−1,出光興産社製PW−380[商品名])を40重量部油展
【0077】
(C)軟化剤
(C−1)出光興産社製パラフィン系プロセスオイルPW−380[商品名]
有機過酸化物
1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン
(D)ポリプロピレン樹脂
(D−1)プロピレンホモポリマー;MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)85[g/10分]
(D−2)プロピレン・エチレンブロックコポリマー;プロピレンから導かれる単位とエチレンから導かれる単位とのモル比(プロピレン/エチレン)85/15、MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)90[g/10分]
【0078】
(E)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム
(E−1)プロピレン・ブテン共重合体ゴム;プロピレンから導かれる単位とブテンから導かれる単位とのモル比(プロピレン/ブテン)60/40、MFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)3[g/10分]
(E−2)プロピレン・エチレン共重合体ゴム;プロピレンから導かれる単位とエチレンから導かれる単位とのモル比(プロピレン/エチレン)60/40、MFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)1[g/10分]
【0079】
(F)軟化剤
(F−1)出光興産社製パラフィン系プロセスオイルPW−380[商品名]
(G)エチレン・α−オレフィン共重合体
(G−1)デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ8200
(G−2)デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ8440
(G−3)デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ8407
(H)スチレン系熱可塑性エラストマー
(H−1)クラレ社製 セプトン「2002」
【0080】
(実施例1)
オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)の製造
プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット30重量部と、パラフィン系プロセスオイル(C−1)により油展されたエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)70重量部と、さらに1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.4重量部と、ジビニルベンゼン0.4重量部とを十分に混合し、L/D=40,スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出し、オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)のペレットを得た。このとき、プロピレンホモポリマーとエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムとパラフィン系プロセスオイルの比率(プロピレンホモポリマー対エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム対パラフィン系プロセスオイル)は、30対50対20(重量部)となった。
【0081】
熱可塑性エラストマー( II )の製造
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)のペレット100重量部と、プロピレンホモポリマー(D−1)のペレット15重量部と、プロピレン・ブテン共重合体ゴム(E−1)のペレット15重量部とを十分に混合し、前記押出機を用いて、軟化剤(F−1)を15重量部となるようにサイドフィードして、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー(II)のペレットを得た。
【0082】
熱可塑性エラストマー組成物の製造
得られた熱可塑性エラストマー(II)のペレット100重量部と、(G−1)20重量部と、(G−2)15重量部、(G−3)5重量部、(H−1)25重量部とを十分に混合し、前記押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0083】
熱可塑性エラストマーの評価
得られた射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物100重量部と、発泡剤を重量比で15%含む発泡マスターバッチ7重量部とを十分混合した後、東芝機械社製射出発泡成形機「IS170FB」の改造機を用い、成形用金型の型内に射出充填した後、キャビティームーブ法を用い金型内容積を拡大して発泡成形を行った。射出発泡成形の条件を以下に示す。
【0084】
[射出発泡成形条件]
成形機;東芝機械社製IS170FB(型締力:170t)
シリンダー温度;C−1 170℃、C−2 180℃、C−3 190℃
ノズル温度;200℃
射出時間;1秒
射出圧力;100kgf/cm2
射出速度;40mm/sec
型開タイミング;2秒(充填完了後型開放開始するまでの時間)
型開放スピード;3秒/mm
金型温度;60℃
冷却時間;40秒
可動側金型移動幅;3mm
成形品;直径180mm,深さ30mmの皿状、厚さ6mm
【0085】
[評価基準]
MFR;ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定。発泡剤マスターバッチ含まず。
硬度;JIS−K6301に準拠しJIS−A硬度計で測定。
発泡倍率;成形品の密度を測定し、発泡させない場合の成形品の密度との比から発泡倍率を以下の式(1)により算出した。
発泡倍率(倍)=(発泡させない場合の成形品の密度)/(発泡成形品の密度)・・・式(1)
発泡層の状態;断面を10倍の拡大鏡にて観察。
良好−セルが緻密で部分的な大気泡や巨大な空間が無い状態
不良−セルが均一でなく、特にキャビティームーブ法を用いて発泡させた場合に発生する、発泡しづらい配合を無理に型開放した時に発生しやすい不具合現象として発泡層断面中央部に割れた様な大きな鬆(ス)が発生している。
外観;目視にて判断
良好−充填不良、フローマークやシルバーが目立たなく、平滑である。
不良−前記不良が見受けられる。
評価した結果を表1に示す。
【0086】
(実施例2)
プロピレンホモポリマー(D−1)をプロピレン・エチレンブロックコポリマー(D−2)に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性エラストマー(II)を製造し、得られた熱可塑性エラストマー(II)を用いて組成物を製造して、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表1に示す。
【0087】
(実施例3)
プロピレン・ブテン共重合体ゴム(E−1)をプロピレン・エチレン共重合体ゴム(E−2)に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性エラストマー(II)を製造し、得られた熱可塑性エラストマー(II)を用いて組成物を製造して、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表1に示す。
【0088】
(実施例4)
プロピレンホモポリマー(D−1)をプロピレン・エチレンブロックコポリマー(D−2)に変更した以外は実施例3と同様に熱可塑性エラストマー(II)を製造し、得られた熱可塑性エラストマー(II)を用いて組成物を製造して、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表1に示す。
【0089】
(比較例1)
プロピレンホモポリマー(D−1)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー(II)を製造し、得られた熱可塑性エラストマー(II)を用いて組成物を製造して、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表2に示す。
【0090】
(比較例2)
プロピレン・ブテン共重合体ゴム(E−1)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー(II)を製造し、得られた熱可塑性エラストマー(II)を用いて組成物を製造して、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表2に示す。
【0091】
(比較例3)
パラフィン系プロセスオイル(F−1)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー(II)を製造し、得られた熱可塑性エラストマー(II)を用いて組成物を製造して、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表2に示す。
【0092】
(比較例4)
(G−1)(G−2)(G−3)を使用しなかった以外は実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物を製造し、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表2に示す。
【0093】
(比較例5)
(H−1)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を製造し、実施例1と同様に射出発泡成形性を評価した。結果を表2に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【発明の効果】
本発明の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物は、流動性、発泡性、柔軟性を兼ね備えたものである。
Claims (5)
- (A)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、1〜30〔g/10分〕のポリプロピレン樹脂10〜60重量部、(B)エチレン系共重合体ゴム40〜90重量部、および(C)軟化剤0〜50重量部(成分(A)、(B)および(C)の合計量は100重量部)を含む混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(I)100重量部に対し、
(D)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、80〜120〔g/10分〕のポリプロピレン樹脂1〜20重量部、(E)ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定したメルトフローレートが、0.5〜10〔g/10分〕のプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム1〜20重量部、および(F)軟化剤1〜30重量部を添加して得られる熱可塑性エラストマー(II)100重量部と、
(G)エチレン・α−オレフィン共重合体10〜100重量部と、
(H)スチレン系熱可塑性エラストマー1〜50重量部とを混合して得られる射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。 - ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが、5〜100〔g/10分〕である請求項1に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(I)を製造する際に使用する架橋剤が有機過酸化物である請求項1に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記(G)エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンの炭素数が6以上かつコモノマーとしてのα−オレフィンの含有量が重量比で20%以上50%未満であり、ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定したメルトフローレートが、0.5〜10〔g/10分〕、密度が0.80g/cm3以上0.90g/cm3未満である請求項1に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記(H)スチレン系熱可塑性エラストマーはスチレン含有量が重量比で10〜50%であるスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物をベースとした、JIS−K6301によるJIS−A硬度が30〜95である請求項1に記載の射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物。
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