[go: up one dir, main page]

JP2013245235A - 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体 Download PDF

Info

Publication number
JP2013245235A
JP2013245235A JP2012117551A JP2012117551A JP2013245235A JP 2013245235 A JP2013245235 A JP 2013245235A JP 2012117551 A JP2012117551 A JP 2012117551A JP 2012117551 A JP2012117551 A JP 2012117551A JP 2013245235 A JP2013245235 A JP 2013245235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
olefin
rubber
elastomer composition
thermoplastic elastomer
olefin rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012117551A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013245235A5 (ja
Inventor
Kazuyoshi Kaneko
和義 金子
Kyoko Kobayashi
恭子 小林
Kotaro Ichino
光太郎 市野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2012117551A priority Critical patent/JP2013245235A/ja
Publication of JP2013245235A publication Critical patent/JP2013245235A/ja
Publication of JP2013245235A5 publication Critical patent/JP2013245235A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】低比重で外観にも優れ、さらに比重及び外観と機械特性とのバランスにも優れる
発泡体が製造できるような熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)又はその少
なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン樹脂(B
)と、炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)に由来する各構成単位の含
有量が50mol%以下であるオレフィン系ゴム(Cx)又はその少なくとも一部が架橋
されたオレフィン系ゴム(C)とを含む熱可塑性エラストマー組成物;並びにこの組成物
から得られる成形体並びに発泡体。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体
に関する。
従来、熱可塑性エラストマー組成物を発泡させて得られる発泡体が知られている。たと
ば、特許文献1では、結晶性ポリオレフィンプラスチック及びゴムの混合物からなる熱可
塑性エラストマー組成物を、水を使用して発泡させる方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、特殊な発泡専用押出機を使用しており、極狭い温度範囲内でのみ発泡
が可能であるなどの問題がある。
また、特許文献2では、発泡体を製造するために、[I]エチレン・α−オレフィン共
重合体ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムである、ペルオキ
シド架橋型オレフィン系共重合体ゴム、及び炭素原子数が3〜20のα−オレフィンの単
独重合体又は共重合体である、ペルオキシド分解型オレフィン系プラスチックからなる混
合物を、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる部分的に架橋された熱可
塑性エラストマー組成物が用いられている。具体的には、この[I]熱可塑性エラストマ
ー組成物に、[II]炭素原子数が2〜20のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体で
あり、かつ、特定のメルトフローレートを有するオレフィン系プラスチックと、[III]
発泡剤(C)とを配合し、発泡させている。
また、特許文献3では、比重及び外観と機械特性とのバランスにも優れる発泡体を製造
するために、少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレ
フィン系樹脂(B)と、官能基を有するオレフィン系樹脂(C1)及び金属化合物(E)の
混練処理物とを含む熱可塑性エラストマー組成物であって、該熱可塑性エラストマー組成
物が海島構造を有し、オレフィン系ゴム(A)を含む島相が、官能基を有するオレフィン
系樹脂(C1)及び金属化合物(E)の混練処理物と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B
)とを含む海相に分散していることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物が用いられ
ている。
特開平6-73222号公報 特開平9−143297号公報 特開2011−208052号公報
しかしながら、特許文献2に開示された発泡体は、比重及び外観と機械特性とのバラン
スの面で改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、低比重で外観にも優れ、さらに比重及び外観と機械特性
とのバランスにも優れる発泡体が製造できるような熱可塑性エラストマー組成物を提供す
ることにある。また、本発明の別の目的は、低比重で外観にも優れ、さらに比重及び外観
と機械特性とのバランスにも優れる成形体及び発泡体を提供することにある。
本発明は、エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)と、非架橋
型ポリオレフィン樹脂(B)と、炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)
に由来する各構成単位の含有量が50mol%以下であるオレフィン系ゴム(Cx)とを
含む熱可塑性エラストマー組成物である。
また本発明は、エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)の少な
くとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B
)と、炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)に由来する各構成単位の含
有量が50mol%以下であるオレフィン系ゴム(Cx)、及び、オレフィン系ゴム(C
x)の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(C)から選ばれる少なくとも一つ
と、を含む熱可塑性エラストマー組成物である。
また本発明は、エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)の少な
くとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B
)と、オレフィン系ゴム(Cx)の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(C)
と、を含む請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
さらに上記各組成物は、オレフィン系ゴム(Ax)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂
(B)と、オレフィン系ゴム(Cx)と、架橋剤(D)とを動的に熱処理する工程[I]
により得られる動的熱処理物であることが好ましい。
さらに上記各組成物には、オレフィン系ゴム(Ax)又はオレフィン系ゴム(A)10
0質量部に対して、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)が10〜200質量部、オレフ
ィン系ゴム(Cx)又はオレフィン系ゴム(C)が1〜50質量部の量で含まれているこ
とが好ましい。
さらに上記各組成物においては、オレフィン系ゴム(Ax)又はオレフィン系ゴム(A
)が、50mol%を超えるエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンと非共役ポ
リエンとから得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(Ax)
、及び、50mol%を超えるエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得
られるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(A2)から選ばれる少なくとも一種のオ
レフィン系ゴム又は該オレフィン系ゴムの少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム
であり、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)が、プロピレン単独重合体、プロピレン系
共重合体、及びエチレン系共重合体から選ばれる少なくとも一種の非架橋型オレフィン系
樹脂であり、オレフィン系ゴム(Cx)又はオレフィン系ゴム(C)が、プロピレンと5
0mol%以下のエチレンと非共役ポリエンとから得られるプロピレン・エチレン・非共
役ポリエン共重合体ゴム(C1)、及び、プロピレンと50mol%以下のエチレンとか
ら得られるプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム(C2)から選ばれる少なくとも一
種のオレフィン系ゴム又は該オレフィン系ゴムの少なくとも一部が架橋されたオレフィン
系ゴムであることが好ましい。
さらに上記各組成物においては、オレフィン系ゴム(Cx)の135℃デカリン中で測
定した極限粘度が0.1〜3.0dl/gであることが好ましい。
さらに上記各組成物においては、共重合体ゴム(Ax)、オレフィン系ゴム(Ax)、
共重合体ゴム(C1)及びオレフィン系ゴム(Cx)に含有される非共役ポリエンが、5
−エチリデン−2−ノルボルネン及び5−ビニル−2−ノルボルネンのうちの少なくとも
1種であることが好ましい。
さらに上記各組成物においては、オレフィン系ゴム(C1)又はオレフィン系ゴム(C
x)の、以下の式(1)で表される分岐指数が、2〜20であることが好ましい。
分岐指数=[Log(η0.01)−Log(0.116×η8)1.2367]×10 ・・(1)
[式中、η0.01は190℃における0.01rad/secの粘度(Pa・sec)を示
し、η8は8rad/secの粘度(Pa・sec)を示す。]
さらに上記各組成物は、軟化剤(E)をさらに含み、該軟化剤(E)の含有量がオレフ
ィン系ゴム(Ax)又はオレフィン系ゴム(A)100質量部に対して1〜200質量部
であることが好ましい。
さらに上記各組成物は、フッ素系樹脂(F)をさらに含み、該フッ素系樹脂(F)の含
有量がオレフィン系ゴム(Ax)又はオレフィン系ゴム(A)100質量部に対して0.
05〜20質量部であることが好ましい。
また本発明は、上記各組成物からなる成形体である。
また本発明は、上記各組成物と、発泡剤(G)とを配合してなる発泡用熱可塑性エラス
トマー組成物である。この発泡剤(G)の配合量は、熱可塑性エラストマー組成物100
質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、発泡剤(G)が、無機系もし
くは有機系の熱分解型化学発泡剤又は物理発泡剤であることが好ましい。
また本発明は、上記の発泡用熱可塑性エラストマー組成物から得られる発泡体である。
また本発明は、上記の発泡体からなる自動車部品であり、又は上記の発泡体からなる土
木・建築材、工業部品、電気・電子部品、スポーツ・レジャー用品又は雑貨である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物によれば、組成物中の溶融張力が向上するので、
発泡成形時の破泡やガス抜けが抑制され、良好な押出外観を有する発泡体が得られると共
に、発泡性が向上するので低比重化の点でも有利であり、ゴム弾性も良好となる。その結
果、低比重で外観にも優れ、さらに比重及び外観と機械特性とのバランスにも優れる発泡
体が製造できる。
実施例で用いたダイスの形状を説明するための図である。
<熱可塑性エラストマー組成物>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン含量が50mol%より多いオレフ
ィン系ゴム(Ax)と、非架橋型ポリオレフィン樹脂(B)と、炭素数2〜20のα−オ
レフィン(プロピレンを除く)に由来する各構成単位の含有量が50mol%以下である
オレフィン系ゴム(Cx)とを含む熱可塑性エラストマー組成物である。
さらにこの組成物に架橋剤(D)を加えて、例えば動的に熱処理する工程[I]を行う
と、オレフィン系ゴム(Ax)の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)と
、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、オレフィン系ゴム(Cx)及びオレフィン系
ゴム(Cx)の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(C)から選ばれる少なく
とも一つとを含む本発明の熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
オレフィン系ゴム(Ax)及びオレフィン系ゴム(A)としては、50mol%を超え
るエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとから得られるエチ
レン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、及び、50mol%を超
えるエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られるエチレン・α−オレ
フィン共重合体ゴム(A2)から選ばれる少なくとも一種のオレフィン系ゴム及び該オレ
フィン系ゴムの少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴムが好ましい。
中でも、適度な架橋構造を有する発泡体が得られる点から、エチレン・α−オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴムが好ましく、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重
合体ゴムがより好ましい。ここで非共役ポリエンとしては、例えば、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンが好ましい。そして特に、エチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴムが好ましい。なお、オレフィン系ゴム(
Ax)に関しては後述する製造方法の説明中でさらに詳しく説明する。
なお、一般にオレフィン系ゴムが架橋されていることはゲル含量の測定により確認でき
る。実際には、140℃×24時間でパラキシレンに溶解させ、#350メッシュによる
分別作業でゲル分率を測定すると、架橋度にもよるがオレフィン系ゴム(A)は70〜1
00%の割合で架橋されていることがわかる。
非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)は、プロピレン単独重合体、プロピレン系共重合
体、及びエチレン系共重合体から選ばれる少なくとも一種の非架橋型オレフィン系樹脂が
好ましい。
非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)の配合量は、オレフィン系ゴム(Ax)又はオレ
フィン系ゴム(A)100質量部に対して、好ましくは10〜200質量部、より好まし
くは20〜100質量部である。
オレフィン系ゴム(Cx)及びその少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(C
)は、炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)に由来する各構成単位の含
有量が50mol%以下であるオレフィン系ゴム及びその少なくとも一部が架橋されたオ
レフィン系ゴムである。このオレフィン系ゴム(Cx)及び(C)は、組成物中の海相と
島相のいずれに存在していてもよく、組成物の溶融張力を向上させる機能を有する。
オレフィン系ゴム(Cx)及びオレフィン系ゴム(C)としては、プロピレンと50m
ol%以下のエチレンと非共役ポリエンとから得られるプロピレン・エチレン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム(C1)、及び、プロピレンと50mol%以下のエチレンとから得
られるプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム(C2)から選ばれる少なくとも一種の
オレフィン系ゴム及び該オレフィン系ゴムの少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴ
ムが好ましい。
中でも、プロピレン・エチレン・非共役ポリエン共重合体ゴムがより好ましい。ここで
非共役ポリエンとしては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2
−ノルボルネンが好ましい。なお、オレフィン系ゴム(Cx)に関しては後述する製造方
法の説明中でさらに詳しく説明する。
オレフィン系ゴム(Cx)及び(C)の配合量は、オレフィン系ゴム(Ax)又はオレ
フィン系ゴム(A)100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは
3〜30質量部である。
オレフィン系ゴム(Cx)及び(C)の以下の式(1)で表される分岐指数は、好まし
くは2〜20、より好ましくは3〜15、特に好ましくは4〜10である。
分岐指数=[Log(η0.01)−Log(0.116×η8)1.2367]×10 ・・(1)
[式中、η0.01は190℃における0.01rad/secの粘度(Pa・sec)を示
し、η8は8rad/secの粘度(Pa・sec)を示す。]
分岐指数は、共重合体ゴムが有する長期分岐の量の尺度であり、分岐指数が大きいほど
長鎖分岐の量が多い傾向がある。分岐指数が、前記範囲内では、ゴム組成物の押出し成形
性、プレス成形性、インジェクション成形性等の成形性、及びロール加工性等に優れ、さ
らにゴム組成物から得られる成形体の強度、柔軟性にも優れるため、好ましい。
長鎖分岐構造の量の指標として用いている分岐指数は、非共役ジエンを含まない2元系
共重合体のポリマー構造を基準として、第3成分である非共役ジエンを含んだ3元系共重
合体で生成する分岐度を示している。
分岐指数を求めるために、長鎖分岐構造によってポリマー構造に最も影響を与える低周
波数側の複素粘度(0.01rad/sec)と、ゴム(エチレン・炭素原子数3〜20
のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体)の指標であるムーニー粘度の測定周波数(
8rad/sec)に相当するところの溶融粘度を取り、その比を算出する。
その算出値の比が大きいほど、低周波数と高周波数での溶融粘度の変化が大きいことを
示し、この変化はポリマーの分子構造を現している。溶融粘度の変化が大きいことは、分
子構造としては、主鎖が少なく、分岐が多く存在することであり、外部応力に対して敏感
に反応して挙動が大きく現れる(分岐の影響が大きい)。一方、主鎖が多く、分岐が少な
く存在する場合は、分子鎖が比較的均一であり、分子鎖の絡み合いが強く、外部応力に対
して鈍感であり挙動が小さく現れる(主鎖の影響が大きい)。
従って、長鎖分岐構造を有しているポリマーでは、主鎖に対して分岐が多く存在し、分
岐指数式から算出される値は大きくなり、ポリマー中に分岐が多く導入されたことになる
。但し、ポリマー中に分岐構造が多く導入されると、加工性全般は向上する結果となるが
、主鎖構造の減少でポリマーの強度低下を導く。そのため、長鎖分岐構造が多ければ多い
ほど良いものではなく、加工性と強度をバランスよく持ったポリマーが最適となる。
特定の分岐指数を有するエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリ
エン共重合体すなわち、長鎖分岐構造が制御されたエチレン・炭素原子数3〜20のα−
オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いることによりゴム組成物の加工性と強度のバ
ランスに優れる。
なお、メタロセン触媒(好ましくは特開2011−16907号公報の式(iii)で
表わされる構造を有する触媒)を用いて、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体を製造することにより、上記の分岐指数を有するオレフィン
系ゴムを得ることができる。一般に、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・
非共役ポリエン共重合体を製造する際の重合温度を高くすることにより、分岐指数が高く
なる傾向があり、重合圧力を下げることにより、分岐指数が高くなる傾向がある。
なお、分岐指数は、粘弾性試験機を用いて、周波数を変えて測定することにより求めた
、190℃における0.01rad/secの粘度(Pa・sec)及び190℃おける8
rad/secの粘度(Pa・sec)から算出することができる。
オレフィン系ゴム(A)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)、オレフィン系ゴム(
C)及び混練処理物の量は、熱可塑性エラストマー組成物を製造する際の仕込み量から求
めることができる。たとえば、後述する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を用いる
ときは、組成物中の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)及び(C)の量
は、製造に用いたオレフィン系ゴム(Ax)及び(Cx)、架橋剤(D)及び架橋助剤の
合計仕込み量に対応するとみなすことができる。組成物中の混練処理物の量は、熱可塑性
エラストマー組成物の製造に用いた各成分の合計仕込み量に対応するとみなすことができ
る。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、軟化剤(E)をさらに含んでいてもよく、該
軟化剤(E)が、オレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、
オレフィン系ゴム(C)との合計100質量部に対して1〜200質量部の量で含まれてい
ることが好ましい。軟化剤(E)は、熱可塑性エラストマー組成物を調製する際に加工を
容易にするとともにカーボンブラック等の分散を助ける。軟化剤(E)は、島相及び海相
のいずれに存在していてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、フッ素系樹脂(F)をさらに含んでいてもよ
く、該フッ素系樹脂(F)が、オレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン系樹
脂(B)と、オレフィン系ゴム(C)との合計100質量部に対して0.05〜20質量部
の量で含まれていることが好ましい。フッ素系樹脂(F)は、熱可塑性エラストマー組成
物から発泡体を製造する際に、組成物の溶融張力を大きくするために用いられる。フッ素
系樹脂(F)は、通常海相に存在している。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、オレフィン系ゴム(A)及び(C)以
外のゴムを本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。すなわち本発明の熱可塑
性エラストマー組成物は、上記ゴム(A)を含む場合は、オレフィン系ゴム(A)及び(
C)100質量部に対して、通常0質量部を超え50質量部以下の割合で含まれている。
このゴムは、島相及び海相のいずれに存在していてもよい。
さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、公知の充填剤、耐熱安定剤、老化防
止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、顔料、染料、結晶核
剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤などの添加剤を本発明の目的を損なわない
範囲で含んでいてもよい。すなわち本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記添加剤
を含んでいなくてもよいが、含んでいてもよい。上記充填剤を含む場合は、充填剤は、オ
レフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、オレフィン系ゴム(
C)との合計100質量部に対して、通常0質量部を超え120質量部以下、好ましくは
2〜100質量部の割合で含まれている。上記酸化防止剤を含む場合は、酸化防止剤は、
オレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、オレフィン系ゴム
(C)との合計100質量部に対して、通常0.01〜10の割合で含まれている。上記添
加剤は、島相及び海相のいずれに存在していてもよい。
熱可塑性エラストマー組成物において、オレフィン系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレ
フィン系樹脂(B)と、オレフィン系ゴム(C)と、混練処理物との合計量に対する軟化
剤(E)、フッ素系樹脂(F)及びその他の添加剤の量は、熱可塑性エラストマー組成物
を製造する際の仕込み量から求めることができる。ここで、たとえば、後述する熱可塑性
エラストマー組成物の製造方法を用いるときは、少なくとも一部が架橋されたオレフィン
系ゴム(A)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、オレフィン系ゴム(C)と、
混練処理物との合計量は、熱可塑性エラストマー組成物の製造に用いたオレフィン系ゴム
(Ax)、架橋剤(D)、架橋助剤、オレフィン系樹脂(C1)及び金属化合物(E)の
合計仕込み量に対応するとみなすことができる。また、少なくとも一部が架橋されたオレ
フィン系ゴム(A)に対するゴム(A')の量も、熱可塑性エラストマー組成物を製造す
る際の仕込み量から求めることができる。ここで、たとえば、後述する熱可塑性エラスト
マー組成物の製造方法を用いるときは、少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(
A)の量は、熱可塑性エラストマー組成物の製造に用いたオレフィン系ゴム(Ax)、架
橋剤(D)及び架橋助剤の合計仕込み量に対応するとみなすことができる。
<熱可塑性エラストマー組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、以下に説明する工程[I]を含む
ことが好ましい。いいかえると、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤(D)
の存在下に、エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)と、非架橋
型ポリオレフィン樹脂(B)と、炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)
に由来する各構成単位の含有量が50mol%以下であるオレフィン系ゴム(Cx)とを
動的に熱処理し、海島構造を有する動的熱処理物を製造する工程により得られる。
〔工程[I]〕
工程[I]では、架橋剤(D)の存在下に、オレフィン系ゴム(Ax)と非架橋型ポリ
オレフィン系樹脂(B)とオレフィン系ゴム(Cx)とを動的に熱処理し、オレフィン系
ゴム(Ax)の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)やオレフィン系ゴム
(Cx)の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(C)を含む組成物とする。こ
こでオレフィン系ゴム(A)が島相となり、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)が海相
となる海島構造が形成され、オレフィン系ゴム(C)は海相と島相のいずれに存在してい
てもよく、また一部はオレフィン系ゴム(A)と共架橋していてもよく、海相と島相の界
面の相互作用に寄与する。
なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、必ずしも上記の工程[I]
に限定されるものではない。例えば、オレフィン系ゴム(Ax)と、非架橋型ポリオレフ
ィン系樹脂(B)と、架橋剤(D)とを動的に熱処理する工程[I’]により得られる動
的熱処理物にオレフィン系ゴム(Cx)を配合してもよい。
オレフィン系ゴム(Ax)は、エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム
であり、オレフィン系ゴム(Cx)は、炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを
除く)に由来する各構成単位の含有量が50mol%以下であるオレフィン系ゴムである
オレフィン系ゴム(Ax)のエチレン含量は、50mol%より多く、好ましくは55
mol%以上、より好ましくは60mol%以上である。また、オレフィン系ゴム(Cx
)のエチレン含量は、好ましくは45mol%以下、より好ましくは40mol%以下で
ある。
オレフィン系ゴム(Ax)及び(Cx)は、たとえば有機ペルオキシドと混合し、加熱
下で混練することによって、架橋して流動性が低下するかあるいは流動しなくなるオレフ
ィン系共重合体ゴムであり、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ともいう。な
お、オレフィン系ゴム(Ax)及び(Cx)を有機ペルオキシドと熱反応させた際には、
分解反応と架橋反応とが生じるが、架橋反応が多い結果、動的熱処理物中においてはオレ
フィン系ゴム(Ax)及び(Cx)の見かけの分子量は増大すると考えられる。
オレフィン系ゴム(Ax)及び(Cx)としては、エチレンと炭素原子数3〜20のα
−オレフィンと非共役ポリエンとを重合して得られるエチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(無定形ランダムな弾性共重合体)、エチレンと炭素原子数3〜2
0のα−オレフィンとを重合して得られるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(無定
形ランダムな弾性共重合体)が挙げられる。オレフィン系ゴム(Ax)は、単独で用いて
も二種以上を併用してもよい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム及びエチレン・α−オレフィ
ン共重合体ゴムにおいて、α−オレフィンの炭素原子数は好ましくは3〜20、より好ま
しくは3〜10である。α−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。α−オレフ
ィンは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。これらのうちで、プロピレン、1−
ブテン、1−オクテンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを製造する際の非共役ポリエ
ンとしては、環状あるいは鎖状の非共役ポリエンが用いられる。環状非共役ポリエンとし
ては、たとえば5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル
−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデンなどが挙げられる
。また、鎖状の非共役ポリエンとしては、たとえば1,4−ヘキサジエン、7−メチル−
1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4−エチリデ
ン−1,7−ウンデカジエンなどが挙げられる。非共役ポリエンは、単独で用いても二種
以上を併用してもよい。これらのうちで、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロ
ペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボ
ルネンがより好ましい。
これらのうちで、適度な架橋構造を有する発泡体が得られるため、好ましくはエチレン
・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム、より好ましくはエチレン・プロピレン
・非共役ポリエン共重合体ゴム、さらに好ましくはエチレン・プロピレン・エチリデンノ
ルボルネン共重合体が用いられる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムにおいて、非共役ポリエンの
共重合量は、ヨウ素価表示で好ましくは3〜50、より好ましくは5〜45、特に好まし
くは8〜40である。有効網目鎖濃度νの値を最適化し圧縮永久歪を改善するためには、
ヨウ素価10よりも高い値であることが望ましい。
オレフィン系ゴム(Ax)において、135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で
測定した極限粘度[η]は、通常0.8〜6.0dl/g、好ましくは1.0〜5.0dl/g
、より好ましくは1.1〜4.0dl/gである。また、オレフィン系ゴム(Cx)におい
て、その極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜3.0dl/g、より好ましくは0.5〜2.
0dl/gである。
上記のような特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム及びエチレン・α−
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムからなるオレフィン系ゴム(Ax)は、「ポリ
マー製造プロセス((株)工業調査会発行)」、309〜330頁などに記載されている従来公
知の方法により調製できる。
非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)は、たとえば有機ペルオキシドと混合し、加熱下
で混練することによって、分解して流動性が上昇するオレフィン系樹脂であり、有機ペル
オキシド非架橋型オレフィン系重合体ともいう。なお、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(
B)を有機ペルオキシドと熱反応させた際には、分解反応と架橋反応とが生じるが、分解
反応が多い結果、動的熱処理物中においては非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)の見か
けの分子量は減少すると考えられる。
非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン系
共重合体、エチレン系共重合体が挙げられる。非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)は、
単独で用いても二種以上を併用してもよい。これらのうちで、プロピレン単独重合体及び
プロピレン系共重合体が好適に用いられる。
プロピレン系共重合体は、プロピレン由来の構成単位を50〜99質量%、エチレン及
び炭素原子数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を50〜1質量%含有することが
好ましい。この共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよ
い。
プロピレン系共重合体に用いられるα−オレフィンの炭素原子数は好ましくは4〜20
、より好ましくは4〜10である。α−オレフィンとしては、具体的には1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。α−オレフィ
ンは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。これらのうちで、プロピレンと共重合
させるモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、1−オクテンが好ましい。
エチレン系共重合体は、エチレン由来の構成単位を50質量%を超え99質量%以下、
炭素原子数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位を50質量%未満1質量%以上含有
することが好ましい。この共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体で
あってもよい。
エチレン系共重合体に用いられるα−オレフィンの炭素原子数は好ましくは3〜20、
より好ましくは3〜10である。α−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。α
−オレフィンは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。これらのうちで、プロピレ
ン、1−ブテン、1−オクテンが好ましい。
非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)のメルトフローレート(ASTM D−1238
−65T,230℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.05〜80g/10分、より
好ましくは0.1〜20g/10分の範囲にあることが望ましい。
上記のようなプロピレン単独重合体、プロピレン系共重合体及びエチレン系共重合体は
、従来公知の方法により調製される。
工程[I]で用いられる非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)の量については、後述す
る工程[II]で合わせて説明する。
架橋剤(D)としては、具体的には有機ペルオキシドが用いられる。有機ペルオキシド
としては、たとえばジクミル有機ペルオキシド、ジ−tert−ブチル有機ペルオキシド
、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(te
rt−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペル
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert
−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイル有機ペルオキシド、p−クロロベンゾイル
ペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイル有機ペルオキシド、tert−ブチルペルオ
キシベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイ
ソプロピルカーボネート、ジアセチル有機ペルオキシド、ラウロイル有機ペルオキシド、
tert−ブチルクミル有機ペルオキシドなどが挙げられる。有機ペルオキシドは、単独
で用いても二種以上を併用してもよい。
これらのうちでは、臭気性、スコーチ安定性の点で、臭気性、スコーチ安定性の点で、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,1,3−ビス(ter
t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−
ブチルペルオキシ)バレレートがより好適に用いられ、1,3−ビス(tert−ブチル
ペルオキシイソプロピル)ベンゼンがさらに好適に用いられる。
本発明においては、有機ペルオキシドは、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成
物においてオレフィン系ゴム(A)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)及び上記混練
処理物が上述した量で含まれることとなるように用いればよい。たとえば、有機ペルオキ
シドは、オレフィン系ゴム(Ax)100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質
量部の割合で用いられる。
本発明においては、上記有機ペルオキシドによる架橋処理に際し、架橋助剤として、硫
黄、p−キノンジオキシム、p,p'−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−
4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプ
ロパン−N,N'−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋助剤、あるいはジ
ビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリ
レートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマ
ーを配合することができる。架橋助剤は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に
、本発明においては、ジビニルベンゼンが好適に用いられる。ジビニルベンゼンは、取扱
い易く、オレフィン系ゴム(Ax)及び非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)との相溶性
が良好であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を有し、有機ペルオキシドの分
散剤として働く。このため、均質な架橋効果が得られ、流動性と物性とのバランスのとれ
た動的熱処理物が得られる。
上記架橋助剤は、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物においてオレフィン系
ゴム(A)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)及び上記混練処理物が上述した量で含
まれることとなるように用いればよい。たとえば、上記架橋助剤は、オレフィン系ゴム(
Ax)100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部の割合で用いられる。架
橋助剤の配合割合が上記範囲にあると、最終的に圧縮永久歪が小さく、成形性の良好な発
泡体が得られる。
工程[I]では、架橋剤(D)、必要に応じて架橋助剤の存在下に、オレフィン系ゴム
(Ax)と非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)とを動的に熱処理する。
上記の動的な熱処理とは、上記の成分を融解状態で混練することをいう。動的な熱処理
は、解放型のミキシングロール、非解放型のバンバリーミキサー、ニーダー、一軸又は二
軸押出機、連続ミキサーなどの混練装置を用いて行なわれるが、非開放型の混練装置中で
行なうことが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下
で行なうことが好ましい。
また、混練は、使用する有機ペルオキシドの半減期が1分未満となる温度で行なうのが
望ましい。混練温度は通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃であり、混練
時間は通常1〜20分間、好ましくは1〜5分間である。
上記の動的な熱処理は、軟化剤(E)をさらに配合して行ってもよい。軟化剤(E)は
、一般に、材料を柔らかくする添加剤として使用することができ、事前にオレフィン系共
重合体ゴムとブレンドすることで、柔軟化の効果が増す。また、押出機内で材料にかかる
せん断を低減することができ、混練を容易にするとともに、他の添加剤などの分散状態を
助けることもある。一方で、オレフィン系共重合体ゴムをロール加工する際にゴムの分子
間力を弱め、加工を容易にするとともにカーボンブラック等の分散を助ける。
軟化剤(E)としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油
アスファルト、ワセリン等の鉱物油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコ
ールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール
油、密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩、
ナフテン酸又はその金属石鹸、パイン油、ロジン又はその誘導体、テルペン樹脂、石油樹
脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチ
ルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジ
イソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワッ
クス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコ
ール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。軟化剤(E)は、単独で用いても二種以
上を併用してもよい。これらのうちで、石油系軟化剤及び炭化水素系合成潤滑油が好まし
い。
また、軟化剤(E)は、予め油展されたオレフィン系ゴム(Ax)及び(Cx)に含ま
れていてもよい。
工程[I]で用いられる軟化剤(E)の量については、後述する工程[II]で合わせ
て説明する。
上記の動的な熱処理は、オレフィン系共重合体ゴム(A)以外のゴムを本発明の目的を
損なわない範囲でさらに配合して行ってもよい。このようなゴムとしては、たとえばスチ
レン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)等のジエ
ン系ゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。また、このゴムとして、ポリイソブチレン、
ブチルゴム、プロピレン含量が70モル%以上のプロピレン・エチレン共重合体ゴム、プ
ロピレン・1−ブテン共重合体ゴムなどを用いてもよい。このゴムは、単独で用いても二
種以上を併用してもよい。これらのうちでは、プロピレン・エチレン共重合体ゴム、ポリ
イソブチレン、ブチルゴム、シリコンゴムが性能及び取扱い上好ましい。組成物の流動性
を改善する観点から、これらはムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が60以下である
ことが好ましい。このゴムは、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物において上
述した量で含まれることとなるように用いることが好ましい。たとえば、オレフィン系共
重合体ゴム(Ax)100質量部に対して、0質量部を超え50質量部以下の量で配合す
ることが好ましい。
さらに、上記の動的な熱処理は、公知の充填剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤
、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、顔料、染料、結晶核剤、難燃剤、ブロ
ッキング防止剤、酸化防止剤などの添加剤を本発明の目的を損なわない範囲でさらに配合
して行ってもよい。
上記充填剤としては、通常ゴムに使用される充填剤が好適であり、具体的には、カーボ
ンブラック、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、け
いそう土、雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラファ
イト、アルミナなどが挙げられる。充填剤は、単独で用いても二種以上を併用してもよい
。これらのうちで、カーボンブラックは、熱可塑性エラストマー組成物から黒色の発泡体
を製造したい場合に好適に用いられる。
工程[I]で用いられる充填剤の量については、後述する工程[II]で合わせて説明
する。
また、上記耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、酸化防止剤としては、フェノール系
、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系安定剤などが挙げ
られる。
工程[I]で用いられる酸化防止剤の量については、後述する工程[II]で合わせて
説明する。
工程[I]の動的な熱処理により、オレフィン系ゴム(Ax)は少なくとも一部が架橋
されたオレフィン系ゴム(A)となる。そして、少なくとも一部が架橋されたオレフィン
系ゴム(A)と非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)とを含む海島構造を有する動的熱処
理物が製造される。なお、少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(A)とは、動
的な熱処理により、オレフィン系ゴムの分子の少なくとも一部が他のオレフィン系ゴムの
分子と架橋したり、オレフィン系ゴムの分子内で架橋したりすることを意味する。オレフ
ィン系ゴムの分子の中には架橋していない分子が存在していてもよい。
オレフィン系ゴム(A)において少なくとも一部が架橋されていることは、以下のよう
なゲル含量の測定により確認できる。
[ゲル含量の測定]熱可塑性エラストマー組成物の試料を約100mg秤量し、これを0
.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片を密閉容器中に
て30mlのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬する。
次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温で72時間以上、恒量になるまで乾燥する。
この乾燥残渣の重量から、ポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラ
ー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
一方、試料の重量から、ポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化
剤)の重量、及びポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填
剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された初期重量(X)」とする。ゲル含量(シ
クロヘキサン不溶解分)は、次の式で求められる。
ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)/補正された初期重量(X)]×
100
本発明において、オレフィン系ゴム(A)の少なくとも一部が架橋されていると、架橋
度にもよるが、上記のようにして求めたゲル含量は、通常70〜100%になる。このよ
うにオレフィン系ゴム(A)は70〜100%の割合で架橋されていると考えられる。
動的熱処理物は、島相及び海相とからなる海島構造を有し、オレフィン系ゴム(A)を
含む島相が、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)を含む海相に分散している。具体的に
はオレフィン系ゴム(A)のうち、架橋され架橋粒子となった部分が主に島相に存在し、
非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)が主に海相に分散していると考えられる。なお、海
島構造は、動的熱処理物から得られるペレットの切片をルテニウムなどの重金属で染色処
理し、透過型電子顕微鏡などの電子顕微鏡により観察できる。
なお、工程[I]で得られた動的熱処理物は、混練装置から取り出され、ペレットなど
の成形体としておいてもよい。
〔工程[II]〕
工程[II]は必要に応じて行われる工程であり、工程[I]で得られた海島構造を有
する動的熱処理物と、必要に応じて追加の成分とを同様に混練する。なお、この混練によ
っても、オレフィン系ゴム(Cx)すべてが架橋されたオレフィン系ゴム(C)となって
いない場合もあり、上記混練処理物には、架橋されたオレフィン系ゴム(C)とともに、
オレフィン系ゴム(Cx)がそのままの状態で含まれている場合もあると考えられる。
追加の非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)としては、工程[I]と同様のものが用い
られ、好ましい範囲も同じである。工程[I]で配合された非架橋型ポリオレフィン系樹
脂(B)の中には、動的な熱処理により分解した分子も含まれている場合もある。上記の
ように分解した分子も含まれていると、通常組成物の溶融張力は低下するが、工程[II
]においても非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)を配合すると、組成物の溶融張力を好
ましい範囲に調整することができる。
非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)は、上述のように工程[I]のみで用いても、工
程[I]及び[II]の両方で用いてもよい。いずれの場合も、非架橋型ポリオレフィン
系樹脂(B)の配合量は、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物において上述し
た量で含まれることとなるように用いればよい。たとえば、非架橋型ポリオレフィン系樹
脂(B)は、工程[I]のみで用いるときは、工程[I]で用いたオレフィン系ゴム(A
x)及び(Cx)100質量部に対して、1〜100質量部の量で配合されることが好ま
しい。あるいは、工程[I]及び[II]の両方で用いるときは、工程[I]で用いたオ
レフィン系ゴム(Ax)及び(Cx)100質量部に対して、工程[I]及び[II]で
の合計量が1〜100質量部となるように配合されることが好ましい。
工程[II]では、工程[I]で得られた動的熱処理物と、必要に応じて非架橋型ポリ
オレフィン系樹脂(B)とを混練、好ましくは溶融混練する。
混練は、解放型のミキシングロール、非解放型のバンバリーミキサー、ニーダー、一軸
又は二軸押出機、連続ミキサーなどの混練装置を用いて行なわれるが、非開放型の混練装
置中で行なうことが好ましい。
また、二軸押出機を使用する場合は、混練温度は通常50〜300℃であり、混練時間
は通常1〜20分間である。
上記の混練処理は、軟化剤(E)をさらに配合して行ってもよい。軟化剤(E)は、ゴ
ムをロール加工する際にゴムの分子間力を弱め、加工を容易にするとともにカーボンブラ
ック等の分散を助ける。軟化剤(E)としては、工程[I]と同様のものが用いられ、好
ましい範囲も同じである。
軟化剤(E)は、上述のように工程[I]又は[II]のみで用いても、工程[I]及
び[II]の両方で用いてもよい。いずれの場合も、軟化剤(E)の配合量は、最終的に
得られる熱可塑性エラストマー組成物において上述した量で含まれることとなるように用
いればよい。たとえば、軟化剤(E)は、工程[I]又は[II]のみで用いるときは、
工程[I]及び[II]で用いるオレフィン系ゴム(Ax)、非架橋型ポリオレフィン系
樹脂(B)及びオレフィン系ゴム(Cx)の合計100質量部に対して、工程[I]又は
[II]での量が1〜200質量部の量となるように配合されることが好ましい。あるい
は、工程[I]及び[II]の両方で用いるときは、工程[I]及び[II]で用いるオ
レフィン系ゴム(Ax)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)及びオレフィン系ゴム(
Cx)の合計100質量部に対して、工程[I]及び[II]での合計量が1〜200質
量部となるように配合されることが好ましい。
上記の混練処理は、フッ素系樹脂(F)をさらに配合して行ってもよい。フッ素系樹脂
(F)を用いると、熱可塑性エラストマー組成物から発泡体を製造する際に、組成物の溶
融張力を大きくし、発泡セルの破泡を抑えることができる。フッ素系樹脂(F)としては
、ポリテトラフルオロエチレンが好適に用いられる。
フッ素系樹脂(F)の配合量は、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物におい
て上述した量で含まれることとなるように用いればよい。たとえば、フッ素系樹脂(F)
は、工程[I]及び[II]で用いるオレフィン系ゴム(Ax)、非架橋型ポリオレフィ
ン系樹脂(B)及びオレフィン系ゴム(Cx)の合計100質量部に対して、0質量部を
超え20質量部以下となるように配合されることが好ましい。
さらに、上記の混練処理は、公知の充填剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯
電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、顔料、染料、結晶核剤、難燃剤、ブロッキ
ング防止剤、酸化防止剤などの添加剤を本発明の目的を損なわない範囲でさらに配合して
行ってもよい。上記添加剤としては、工程[I]と同様のものが用いられ、好ましい範囲
も同じである。充填剤としてのカーボンブラックは、工程[I]よりも工程[II]で用
いることが好ましい。
充填剤は、上述のように工程[I]又は[II]のみで用いても、工程[I]及び[II]
の両方で用いてもよい。いずれの場合も、充填剤の配合量は、最終的に得られる熱可塑性
エラストマー組成物において上述した量で含まれることとなるように用いればよい。たと
えば、充填剤は、工程[I]又は[II]のみで用いるときは、工程[I]及び[II]で
用いるオレフィン系ゴム(Ax)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)及びオレフィン
系ゴム(Cx)の合計100質量部に対して、工程[I]又は[II]での量が0質量部
を超え120質量部以下となるように配合されることが好ましい。あるいは、工程[I]
及び[II]の両方で用いるときは、工程[I]及び[II]で用いるオレフィン系ゴム(A
x)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)及び及びオレフィン系ゴム(Cx)の合計1
00質量部に対して、工程[I]及び[II]での合計量が0質量部を超え120質量部
以下となるように配合されることが好ましい。
酸化防止剤は、上述のように工程[I]又は[II]のみで用いても、工程[I]及び
[II]の両方で用いてもよい。いずれの場合も、酸化防止剤の配合量は、最終的に得ら
れる熱可塑性エラストマー組成物において上述した量で含まれることとなるように用いれ
ばよい。たとえば、酸化防止剤は、工程[I]又は[II]のみで用いるときは、工程[
I]及び[II]で用いるオレフィン系ゴム(Ax)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(
B)及びオレフィン系ゴム(Cx)の合計100質量部に対して、工程[I]又は[II
]での量が0.01〜10質量部となるように配合されることが好ましい。あるいは、工
程[I]及び[II]の両方で用いるときは、工程[I]及び[II]で用いるオレフィ
ン系ゴム(Ax)、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)及びオレフィン系ゴム(Cx)
の合計100質量部に対して、工程[I]及び[II]での合計量が0.01〜10質量
部となるように配合されることが好ましい。
なお、混練により、オレフィン系ゴムの分子全てが架橋されない場合もあると考えられ
る。いいかえると、上記混練により、オレフィン系ゴム(Cx)のすべてが架橋されたオ
レフィン系ゴム(C)となっていない場合もあり、上記混練処理物には、架橋されたオレ
フィン系ゴム(C)とともに、オレフィン系ゴム(Cx)がそのままの状態で含まれている
場合もあると考えられる。
また、熱可塑性エラストマー組成物は、島相及び海相とからなる海島構造を有し、オレ
フィン系ゴム(A)及び(C)を含む島相が、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)を含
む海相に分散していると考えられる。
このような工程[I]及び[II]により、上述したような熱可塑性エラストマー組成
物が得られる。
なお、海島構造は、熱可塑性エラストマー組成物から得られるペレットの切片をルテニ
ウムなどの重金属で染色処理し、透過型電子顕微鏡などの電子顕微鏡により観察できる。
オレフィン系ゴム(A)が主に島相に存在し、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)が主
に海相に分散していると考えられる。
また、オレフィン系ゴム(A)は少なくとも一部が架橋されており、このように架橋さ
れていることは、工程[I]で述べたようにゲル含量の測定により確認できる。架橋され
たオレフィン系ゴム(C)の存在は、溶融張力が上がることから間接的に確認できる。
上述のように、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)は、工程[I]の他、必要に応じ
て工程[II]で配合される。この非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)の分子は、工程
[I]及び[II]の混練によって分解することがある。したがって、最終的に得られた
熱可塑性エラストマー組成物においては、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)として混
練により分解した分子も混在し得る。
ところで、上記のように分解した分子も含まれていると、通常組成物の溶融張力は低下
するが、本発明の熱可塑性エラストマー組成物では、架橋されたオレフィン系樹脂(C)
が存在するため、組成物の溶融張力が大きくなり、また、島相と海相との界面強度も大き
くると考えられる。このため、熱可塑性エラストマー組成物から発泡剤を用いて発泡体を
製造する際に、発泡セルの破泡が抑えられる。すなわち、微細な発泡セルが均一に分散さ
れるため、発泡体の軽量化が実現でき、得られた発泡体は外観にも優れる。また、この発
泡体は比重及び外観と機械特性とのバランスにも優れる。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物では、該組成物を発泡させてから発泡体と
なるまでの結晶化時間が短くなっている。これにより、組成物中での微細な発泡セルが均
一に分散された状態が発泡体においても維持できる。さらに、機械特性にも優れる。
熱可塑性エラストマー組成物は、混練装置から取り出され、ペレットなどの成形体とし
ておいてもよい。このように、本発明に係る成形体は、上記熱可塑性エラストマー組成物
からなる。
このようにして製造される熱可塑性エラストマー組成物は、溶融張力が高く、結晶化速
度が速いという利点を有する。
<発泡用熱可塑性エラストマー組成物及び発泡体>
本発明の発泡用熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性エラストマー組成物
と発泡剤(G)とを配合してなる。この発泡用熱可塑性エラストマー組成物から発泡体を
得ることができる。
発泡剤(G)としては、たとえば無機系もしくは有機系の熱分解型化学発泡剤、物理発
泡剤が挙げられる。
無機系の熱分解型化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水
素アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機炭酸塩、亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩が
挙げられる。無機系の熱分解型化学発泡剤は、単独で用いても、二種以上を併用してもよ
い。
有機系の熱分解型化学発泡剤としては、N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフ
タルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジ
カルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジア
ミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレ−ト等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒド
ラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエ
ンスルホニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。有機系の熱分解型化学発泡剤は
、単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
物理発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、又は二酸化炭素と窒素との混合物を主成分と
する不活性ガスが挙げられる。物理発泡剤は、単独で用いても、二種以上を併用してもよ
い。二酸化炭素や窒素を使用する場合は、迅速で均一な混合及び気泡の微細化の面から、
超臨界状態で熱可塑性エラストマー組成物中に混合することが好ましい。
発泡剤(G)は、熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対して0.1〜30質量
部の量で配合することが好ましい。
また、発泡用熱可塑性エラストマー組成物には、さらに発泡形成核剤、湿潤剤などを配
合してもよい。
発泡形成核剤としては、亜鉛、カルシウム、鉛、鉄、バリウム等の金属化合物、ステア
リン酸等の高級脂肪酸、及びその金属塩、タルク、硫酸バリウム、シリカ、ゼオライト、
窒化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒無機粒子、四フッ化エチレン
系樹脂微粉末、シリコーンゴム粉末;クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ
酸、酒石酸、乳酸、シクロヘキサン1、2ジカルボン酸、ショウノウ酸、エチレンジアミ
ン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ酸等の多価カルボン酸と、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水素カリウム等の無機炭酸化合物の
混合物や、これらの反応により生じる中間体、例えばクエン酸二水素ナトリウム、シュウ
酸カリウム等のポリカルボン酸の塩;N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタル
アミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカル
ボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノ
ベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレ−ト等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジ
ド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンス
ルホニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。これらの中では、ステアリン酸カル
シウム、四フッ化エチレン系樹脂微粉末が特に好ましい。
発泡形成核剤及び湿潤剤の添加量は、それぞれ熱可塑性エラストマー組成物100質量
部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.02〜5質量部であることが
より好ましい。
熱分解型化学発泡剤を使用して発泡体を調製するに際しては、たとえばペレット状の熱
可塑性エラストマー組成物に、粉末又は樹脂をバインダーとしペレット状にした熱分解型
化学発泡剤と、必要に応じ発泡形成核剤や湿潤剤とを一旦タンブラー型ブラベンダー、V
型ブラベンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混合するか、必要であれば
開放型のミキシングロールや非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミ
キサー等で、発泡剤の分解温度以下で混練し、発泡用熱可塑性エラストマー組成物とする
次いで、得られた発泡用熱可塑性エラストマー組成物を押出機に供給し、バレル内で組
成物の融点と発泡剤の分解温度以上に加熱し、加圧しながら組成物中に発泡剤分解生成ガ
スを均一に分散させる。
次いで、発泡剤分解生成ガスが均一に分散され溶融した発泡用熱可塑性エラストマー組
成物を、最適発泡温度に設定した押出機先端部に取り付けられたダイへと移送し、ダイか
ら大気中又は水中に押出し急激に圧力を低下させて発泡させ、後続の冷却装置で冷却固化
し、目的の発泡体を製造する。なお、押出時の発泡用熱可塑性エラストマー組成物の温度
は120〜280℃の範囲が好ましい。
一方、二酸化炭素や窒素を使用して発泡体を調製するに際しては、オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物と、必要に応じて発泡形成核剤や湿潤剤とを一旦タンブラー型ブラ
ベンダー、V型ブラベンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混練した後、
樹脂可塑化シリンダー内で、130〜300℃で溶融し、熱可塑性エラストマー組成物と
二酸化炭素や窒素とが相溶状態にある溶融した発泡用熱可塑性エラストマー組成物を形成
する。なお、相容性と発泡セルの均一性の観点から、二酸化炭素や窒素は超臨界状態で、
樹脂可塑化シリンダー内で熱可塑性エラストマー組成物に溶解することが好ましい。
次いで、溶融した発泡用熱可塑性エラストマー組成物を、最適発泡温度に設定した押出
機先端部に取り付けられたダイへと移送し、ダイから大気中に押出し急激に圧力を低下さ
せて、二酸化炭素や窒素をガス化し発泡させ、後続の冷却装置で冷却固化し、目的の発泡
体を得る。なお、押出時の熱可塑性エラストマー組成物の温度は120〜280℃の範囲
が好ましい。
上記のようにして得られた発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物から発泡体
を調製する方法としては、上述した押出成形の他、従来発泡成形品を得るために用いられ
ているプレス成形、射出成形、カレンダー成形等の成形方法を採用してもよい。
このように、本発明の成形体、具体的には発泡体は、上述した発泡用熱可塑性エラスト
マー組成物から得られる。本発明の発泡体は、上述した発泡用熱可塑性エラストマー組成
物から得られるため、軽量化が達成でき、外観にも優れる。さらに比重及び外観と機械特
性とのバランスにも優れる。いいかえると、従来の発泡用熱可塑性エラストマー組成物か
ら得られる発泡体に比較して、機械特性は維持されたまま軽量化が達成でき、外観にも優
れている。
<用途>
本発明の発泡体の用途としては、自動車内装表皮材、ウェザーストリップスポンジ、ボ
ディパネル、ステアリングホイール、サイドシールド等の自動車部品;地盤改良用シート
、上水板、騒音防止壁等の土木・建材;工業部品;靴底、サンダル等の履物;電線被覆、
コネクター、キャッププラグ等の電気・電子部品;ゴルフクラブグリップ、野球バットグ
リップ、水泳用フィン、水中眼鏡等のスポーツ・レジャー用品;ガスケット、防水布、ガ
ーデンホース、ベルト、水切りシート、化粧用パフ等の雑貨などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の記載において配合量の「部」は「質量部」を意味する。なお、実施例にお
ける発泡体の成形及び基礎物性の評価は、以下の方法により行った。
(試験方法)
(1)押出発泡成形装置
・押出機:65mmφ単軸押出機[(株)長田製作所 OSE−65]
シリンダー最高温度:150〜190℃
ダイ温度:170〜190℃
回転数:25rpm
引き取り機速度:7.1m/分
水槽ベルト引取り速度:6.4m/分
・ダイ:丸一
ダイは図1に示すような形状、すなわちダイは丸の下に一があるような形状の長尺物押
出し用のダイスである。図1に示すスリットから押し出すため、中空の長尺物が得られた
。本明細書において、このようにして得られた丸一形状の発泡成形体を丸一発泡体ともい
う。
・二酸化炭素・窒素供給装置:AKICO社製
二酸化炭素ガスを利用した発泡で使用した。
(2)基本物性
基本物性評価のため、プレス成形装置を使用して、厚み2mmのシートを作成した。
・プレス成形装置:100トン電熱自動プレス
加熱:温度190℃、予熱時間6分、加熱時間4分
冷却:温度23℃、冷却時間5分。
〔メルトフローレートMFRの測定〕
メルトフローレート(MFR)は、ASTM−D−1238−65Tの方法で、230
℃、2.16kg、5kg荷重あるいは10kg荷重で測定した。
〔結晶化時間の測定〕
結晶化時間は、DSC装置(DSC7;PERKIN ELMER社製)を用いて測定
した。
昇温速度:320℃/分(常温から200℃)
ホールド:200℃で5分間
降温速度:320℃/分(200℃から120℃)
測定温度:120℃。
〔溶融張力の測定〕
溶融張力は、CAPIROGRAPH(TOYOSEIKI社製)を用いて測定した。
条件:L=8.00mm、D=2.095mm、L/D=3.82
温度:180℃
引き取り速度:500mm/分。
〔破断点強度・破断点伸びの測定〕
破断点強度、破断点伸びは、プレス成形したシートより、JIS K6251に記載の
ダンベル状3号形試験片(平行部分が規定寸法に達すれば可とする)を5個打ち抜き、J
IS K6251に記載の方法によって測定した。
〔圧縮永久歪みの測定〕
圧縮永久歪みは、プレス成形したシートより適当な大きさに打ち抜いたサンプルを3枚
重ねて、JIS K6262に記載の方法によって測定した。
〔硬度の測定〕
硬度は、プレス成形したシートより適当な大きさに打ち抜いたサンプルを3枚重ねて、
JIS K6253に記載の方法によって測定した。
〔発泡体比重の測定〕
発泡体比重は、押出発泡成形で得られた丸一発泡体を適当な大きさに切断して実施した。
具体的には、JIS K6268 A法、又は種々のメーカーから発売されている自動比重
計、例えばミラージュ貿易社製電子比重計MS-200Sで求めることが出来る。当実施
例ではミラージュ貿易社製電子比重計MS-200Sを使用し求めた。
〔発泡体吸水率の測定〕
発泡体給水率は、押出発泡成形で得られた丸一発泡体を適当な大きさに切断し、精密天
秤でサンプル重量を測定した。次いで、真空ポンプの装備された水槽にサンプルを浸漬し
、−635mmHgまで減圧し、3分間放置した。引き続き、圧力を0にもどし、水分を
吸収したサンプルの重量を測定し、重量変化より吸水率を測定した。
吸水率=(試験後サンプル重量−試験前重量)/試験前重量×100「%」
〔発泡体圧縮応力の測定〕
発泡体圧縮応力は、押出発泡成形で得られた丸一発泡体を適当な大きさに切断して、圧
縮量25%として、30秒間保持し、その時にかかる単位面積当たりの応力を算出した。
温度条件としては、23℃、−30で実施した。
〔発泡体破断点強度・破断点伸びの測定〕
発泡体破断点強度、破断点伸びは、押出発泡成形で得られた丸一発泡体の押出方向に沿
って、JIS K6251に記載のダンベル状3号形試験片(平行部分が規定寸法に達す
れば可とする)を5個打ち抜き、JIS K6251に記載の方法によって測定した。
〔発泡体圧縮永久歪みの測定〕
発泡体圧縮永久歪みは、押出発泡成形で得られた丸一発泡体を適当な大きさに切断して
、丸部分の頭部より圧縮量25%あるいは50%で、温度70℃、時間22hrかけて、
JIS K6262に記載の方法によって測定した。
〔発泡体の外観〕
発泡体の外観は、押出成形した丸一発泡体の外観を確認し、以下のレベルで判定を出し
た。
・「レベル5」:成形品表面が平滑である。
・「レベル4」:成形品表面がほぼ平滑である。
・「レベル3」:成形品表面に少し凹凸がある。
・「レベル2」:成形品表面に凹凸が多数ある。
・「レベル1」:形状が不安定である。
〔発泡体のセル状態〕
発泡体のセル状態は、押出成形した丸一発泡体のセル状態を確認し、以下のレベルで判
定を出した。
・「レベル4」:セルが微細で均一であり、分布が狭い。
・「レベル3」:セルがほぼ均一で、分布が狭い。
・「レベル2」:セルの形状が不均一で、分布がある。
・「レベル1」:セルの形状が不均一で、破泡が多数ある。
〔分岐指数〕
分岐指数は、共重合体の粘弾性の周波数依存性を測定し、以下の式に当てはめることに
より算出することができる。
分岐指数=[Log(η0.01)−Log(0.116×η8)1.2367]×10
・・・(II)
((II)式において、η0.01は、190℃における0.01rad/secの粘度(
Pa・sec)を表し、η8は、190℃おける8rad/secの粘度(Pa・sec
)を示す。)
η0.01及びη8は、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式RDS−2)を用い
て測定した。具体的には、試料として、共重合体を190℃でプレスした2mm厚のシー
トから、直径25mm×2mm厚の円盤状に成形したものを使用し、以下の条件で測定を
行った。なお、データ処理ソフトとしてRSI Orchestrator(レオメトリ
ック社製)を用いた。
Geometry:パラレルプレート、
測定温度:190℃、
周波数:0.01〜100rad/sec、
歪率:1.0%。
このような条件により、温度190℃における粘度の周波数依存性を測定し、0.01
及び8rad/secのときのη*(粘度)を、各々η0.01及びη8とした。
(PET−1の重合例)
容積300リットルの連続重合器の一つの供給口に、脱水精製したn−ヘキサンを 4
2リットル/hrの割合で供給し、他の供給口よりビス(4−クロロフェニル)メチレン
(シクロペンタジエニル)(1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロ−1,1
,4,4,7,7,10,10−オクタメチルジベンゾ(b,h)フルオレン−12−イ
ル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液(0.24ミリモル/リットル)を0.21
リットル/hrの割合、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(10mmol/リ
ットル)を1.0リットル/hr、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレートのヘキサンスラリー(0.1ミリモル/リットル)を2.0リット
ル/hr、ビニルノルボルネンを800グラム/hrの割合で連続的に供給した(合計ヘ
キサン45リットル/hr)。同時に重合器の別の供給口に、エチレン1.2kg/hr
、プロピレンを13kg/hr、水素を1.0NL/hの割合で連続供給し、重合温度9
5℃、全圧1.6MPaG、滞留時間1.3時間の条件下で連続溶液重合を行った。
重合器で生成したエチレン−プロピレンージエン共重合体のヘキサン溶液は、重合器側
壁部に設けられた排出口を介して流量67リットル/hrの割合で連続的に排出させ、ジ
ャケット部が8kg/cm2スチームで加熱された連結パイプに導かれた。スチームジャ
ケット付き連結パイプ内で約170℃に加温されたエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体のヘキサン溶液は、重合槽内溶液量約100リットルを維持するように、連結パイプ終
端部に設けられた液レベル制御バルブの開度の調節によって、10kg/cm2スチーム
で加熱された二重配管内管を通して連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、液レベル
制御バルブの直後には、触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設され、1
.0vol%ヘキサン希釈溶液として12リットル/hrの速度で注入されて該ヘキサン
溶液に合流させた。フラッシュ槽内への移送においては、フラッシュ槽内の圧力が0.0
5MPaG、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が180℃を維持するように溶液温度と圧力
調整バルブ開度設定が行われた。その結果、エチレン−プロピレンージエン共重合体が8
.0kg/hrの生産スピードで得られた。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の重
合Mileageは159kg/mmol−Zr、得られたエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体の[η]は1.36dl/g、エチレン/プロピレンの組成比は17.0/8
3.0mol%、ヨウ素価は7.6g/100gであった。
(PET−2〜PET−5の重合例)
上記重合例と同様にして、但し成分組成比や重合条件を変更し表1に示すような組成と
分岐指数の共重合体を得た。
[実施例1−1]
<混練1熱可塑性エラストマー組成物1−1の調製(表1及び2参照)>
油展EPT(4100E;エチレン57.0mol%、非共役ポリエン:5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、ヨウ素価20.0(g/100g)、油展48部)51.3部;メ
ルトフローレート(ASTM−D−1238−65T,230℃、2.16kg荷重)が2
.0g/10分であるポリプロピレン(F704NP;プライムポリマー社製)10.3部
;表1に示すPET−1(プロピレン83.0mol%、非共役ポリエン:5−ビニル−2
−ノルボルネン、ヨウ素価7.6(g/100g))を3.4部;油展EPT(3072E
PM;エチレン64.0mol%、非共役ポリエン:5−エチリデン−2−ノルボルネン
、ヨウ素価11.5(g/100g)、油展40部)7.9部;ブチルゴム(IIR065
;エクソン化学社製)2.7部;ポリプロピレン(プライムポリプロE111G;プライ
ムポリマー社製)1.2部;シリコンオイル(BY27−002;東レ・ダウコーニング
・シリコーン社製)2.0部及びパラフィン系オイル(PW−100;出光興産製ダイナ
スプロセスオイル)21.2部;からなる混合物(合計100部)に対して、架橋剤1,3
−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(パーヘキサ25B)1.
04部と架橋助剤ジビニルベンゼン(DVB−810)0.42部とパラフィン系オイル
(PW−100)0.62質量との混合溶液2.08部;及び酸化防止剤テトラキス[メチ
レン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン(Irganox1010)0.1部を、75Lヘンシェルミキサー(FM7
5−J;三井鉱山社製)で混合して、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
次いで、この熱可塑性エラストマー組成物とパラフィン系オイル(PW−100)21
部とを、2軸混合押出機((株)神戸製鋼所製 HyperKTX−46)を用いて、シ
リンダー温度120〜200℃、ダイス温度200℃、回転数400rpm、押出量60
kg/hrの処理速度で溶融混練、すなわち動的な熱架橋処理を行い、動的熱処理物1(
PP中に架橋EPTの分散粒子が均一に分散している部分的に架橋された熱可塑性エラス
トマー組成物1−1)を得た。
<混練2−1>熱可塑性エラストマー組成物2−1の調製(表3参照)
次いで、得られた動的熱処理物1(部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物)
93.6部に、メルトフローレートが0.5g/10分のポリプロピレン(プロピレン系共
重合体、B241;プライムポリマー社製)0.7部、メルトフローレートが3.0g/1
0分のポリプロピレン(プロピレン系共重合体、VP103W;プライムポリマー社製)
2.4部、カーボンブラックマスターバッチ(PE4993;CABOT社製)3.3部と
を配合し、さらにフッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、フルオン G355;旭
硝子社製)1.15部と、さらにパラフィン系オイル(PW−100)23.6部と、酸化
防止剤テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン(Irganox1010)0.15部を加えて、混
練1の軸押出機を使用し、混練1と同条件で溶融混練して、熱可塑性エラストマー組成物
2−1を得た。この物性を評価した結果を表4に示す。
[実施例1−2〜1−6、比較例1−1〜1−2]
表1〜3に示す組成に変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして熱可塑性エラス
トマー組成物を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例2−1]
混練2−1で得られた熱可塑性エラストマー組成物100部当たり、発泡剤(重曹系E
E385;永和化成社製)3.5部、及び発泡核剤としてステアリン酸カルシウム(三共
有機合成社製)0.1部をドライブレンドし、押出発泡成形装置((株)長田製作所)を
使用し、シリンダー温度150〜220℃、ダイス温度170℃、回転数25rpm、樹
脂圧力12.5MPa、引き取り速度7.1m/分、Air流量0.8L/分で丸一形状に
押出成形を行い、丸一形状の発泡成形体を得た。
ここで得られた発泡成形体を用いて、各種物性を評価した。結果を表5に示す。
[実施例2−2〜1−6、比較例2−1〜2−2]
表1〜3に示す組成に変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして発泡成形体を得
た。評価結果を表3に示す。
以下の各表中の各成分の配合量は質量部で表す。
なお、各表中、「EPT」は、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボル
ネン共重合体ゴム、「PP」は、ポリプロピレン、「PET」は、プロピレン・エチレン
・ジエン共重合体を示す。
Figure 2013245235
Figure 2013245235
Figure 2013245235
Figure 2013245235
Figure 2013245235

Claims (18)

  1. エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)と、
    非架橋型ポリオレフィン樹脂(B)と、
    炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)に由来する各構成単位の含有量
    が50mol%以下であるオレフィン系ゴム(Cx)と
    を含む熱可塑性エラストマー組成物。
  2. エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)の少なくとも一部が架
    橋されたオレフィン系ゴム(A)と、
    非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、
    炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)に由来する各構成単位の含有量
    が50mol%以下であるオレフィン系ゴム(Cx)、及び、オレフィン系ゴム(Cx)
    の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(C)から選ばれる少なくとも一つと、
    を含む熱可塑性エラストマー組成物。
  3. エチレン含量が50mol%より多いオレフィン系ゴム(Ax)の少なくとも一部が架
    橋されたオレフィン系ゴム(A)と、
    非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、
    オレフィン系ゴム(Cx)の少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴム(C)と、
    を含む請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. オレフィン系ゴム(Ax)と、非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)と、オレフィン系
    ゴム(Cx)と、架橋剤(D)とを動的に熱処理する工程[I]により得られる動的熱処
    理物である請求項2又は3記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. オレフィン系ゴム(Ax)又はオレフィン系ゴム(A)100質量部に対して、非架橋
    型ポリオレフィン系樹脂(B)が10〜200質量部、オレフィン系ゴム(Cx)又はオ
    レフィン系ゴム(C)が1〜50質量部の量で含まれている請求項1〜4の何れか一項記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. オレフィン系ゴム(Ax)又はオレフィン系ゴム(A)が、50mol%を超えるエチ
    レンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとから得られるエチレン・
    α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、及び、50mol%を超えるエ
    チレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られるエチレン・α−オレフィン
    共重合体ゴム(A2)から選ばれる少なくとも一種のオレフィン系ゴム又は該オレフィン
    系ゴムの少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴムであり、
    非架橋型ポリオレフィン系樹脂(B)が、プロピレン単独重合体、プロピレン系共重合
    体、及びエチレン系共重合体から選ばれる少なくとも一種の非架橋型オレフィン系樹脂で
    あり、
    オレフィン系ゴム(Cx)又はオレフィン系ゴム(C)が、プロピレンと50mol%
    以下のエチレンと非共役ポリエンとから得られるプロピレン・エチレン・非共役ポリエン
    共重合体ゴム(C1)、及び、プロピレンと50mol%以下のエチレンとから得られる
    プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム(C2)から選ばれる少なくとも一種のオレフ
    ィン系ゴム又は該オレフィン系ゴムの少なくとも一部が架橋されたオレフィン系ゴムであ
    る請求項1〜5の何れか一項記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. オレフィン系ゴム(Cx)の135℃デカリン中で測定した極限粘度が0.1〜3.0d
    l/gである請求項1〜6の何れか一項記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 共重合体ゴム(A1)及び(C1)に含有される非共役ポリエンが、5−エチリデン−
    2−ノルボルネン及び5−ビニル−2−ノルボルネンのうちの少なくとも1種である請求
    項6又は7記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  9. オレフィン系ゴム(C1)又はオレフィン系ゴム(Cx)の、以下の式(1)で表され
    る分岐指数が、2〜20である請求項1〜8の何れか一項記載の熱可塑性エラストマー組
    成物。
    分岐指数=[Log(η0.01)−Log(0.116×η8)1.2367]×10 ・・(1)
    [式中、η0.01は190℃における0.01rad/secの粘度(Pa・sec)を示
    し、η8は8rad/secの粘度(Pa・sec)を示す。]
  10. 軟化剤(E)をさらに含み、該軟化剤(E)の含有量がオレフィン系ゴム(Ax)又は
    オレフィン系ゴム(A)100質量部に対して1〜200質量部である請求項1〜9の何
    れか一項記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  11. フッ素系樹脂(F)をさらに含み、該フッ素系樹脂(F)の含有量がオレフィン系ゴム
    (Ax)又はオレフィン系ゴム(A)100質量部に対して0.05〜20質量部である
    請求項1〜10の何れか一項記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  12. 請求項1〜11の何れか一項記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体。
  13. 請求項1〜11の何れか一項記載の熱可塑性エラストマー組成物と、発泡剤(G)とを
    配合してなる発泡用熱可塑性エラストマー組成物。
  14. 発泡剤(G)の配合量が、熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対して0.1〜
    30質量部である請求項13記載の発泡用熱可塑性エラストマー組成物。
  15. 発泡剤(G)が、無機系もしくは有機系の熱分解型化学発泡剤又は物理発泡剤である請
    求項13又は14記載の発泡用熱可塑性エラストマー組成物。
  16. 請求項13〜15の何れか一項記載の発泡用熱可塑性エラストマー組成物から得られる
    発泡体。
  17. 請求項16記載の発泡体からなる、自動車部品。
  18. 請求項16記載の発泡体からなる、土木・建築材、工業部品、電気・電子部品、スポー
    ツ・レジャー用品又は雑貨。
JP2012117551A 2012-05-23 2012-05-23 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体 Pending JP2013245235A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012117551A JP2013245235A (ja) 2012-05-23 2012-05-23 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012117551A JP2013245235A (ja) 2012-05-23 2012-05-23 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013245235A true JP2013245235A (ja) 2013-12-09
JP2013245235A5 JP2013245235A5 (ja) 2014-10-16

Family

ID=49845285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012117551A Pending JP2013245235A (ja) 2012-05-23 2012-05-23 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013245235A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016039310A1 (ja) * 2014-09-08 2016-03-17 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物及びその成形体
JP2017514976A (ja) * 2014-05-02 2017-06-08 フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツドFina Technology, Incorporated ポリマーフォーム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261102A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Mitsui Chemicals Inc オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体
JP2007269829A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Mitsui Chemicals Inc 発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体
JP2007269942A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Mitsui Chemicals Inc オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体および発泡積層体
JP2007269943A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Mitsui Chemicals Inc 発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体
JP2008231210A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性エラストマー組成物およびその用途
JP2010024357A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Mitsui Chemicals Inc 発泡用熱可塑性エラストマー組成物、その発泡成形体、その複合成形体および自動車用インストゥルメントパネル
JP2013209538A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261102A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Mitsui Chemicals Inc オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体
JP2007269829A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Mitsui Chemicals Inc 発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体
JP2007269942A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Mitsui Chemicals Inc オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体および発泡積層体
JP2007269943A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Mitsui Chemicals Inc 発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体
JP2008231210A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性エラストマー組成物およびその用途
JP2010024357A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Mitsui Chemicals Inc 発泡用熱可塑性エラストマー組成物、その発泡成形体、その複合成形体および自動車用インストゥルメントパネル
JP2013209538A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017514976A (ja) * 2014-05-02 2017-06-08 フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツドFina Technology, Incorporated ポリマーフォーム
WO2016039310A1 (ja) * 2014-09-08 2016-03-17 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物及びその成形体
JPWO2016039310A1 (ja) * 2014-09-08 2017-06-22 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物及びその成形体
EP3192831A4 (en) * 2014-09-08 2018-05-16 Mitsui Chemicals, Inc. Thermoplastic elastomer composition and molded article of same
KR20180122045A (ko) * 2014-09-08 2018-11-09 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 열가소성 엘라스토머 조성물 및 그의 성형체
KR102001799B1 (ko) 2014-09-08 2019-07-18 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 열가소성 엘라스토머 조성물 및 그의 성형체

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5786403A (en) Foamable olefin thermoplastic elastomer compositions and foamed products thereof
KR100437328B1 (ko) 올레핀계열가소성엘라스토머발포체및그제조방법
CN106661286B (zh) 热塑性弹性体组合物及其成型体
JP3711183B2 (ja) 発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその発泡体
JP5972200B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、それを用いた成形体、および用途
JP4728735B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体
KR20040030092A (ko) 올레핀계 열가소성 엘라스토머 발포체 및 상기 발포체용올레핀계 열가소성 엘라스토머 조성물
JP2010241933A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2013067818A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP5221000B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体および発泡積層体
JP2013245235A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体
JP2013209538A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物から得られる成形体並びに発泡体
JP2018162386A (ja) 架橋発泡用エチレン・α−オレフィン共重合体、架橋発泡用樹脂組成物、及びそれを用いた架橋発泡体
JP2007261102A (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体
JP5361779B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物および該組成物から得られる発泡体
JP4938330B2 (ja) 発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体
JP5221001B2 (ja) 発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体
JP5361761B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその用途
JPH02255738A (ja) 部分架橋熱可塑性エラストマー発泡体およびその製造方法
JP5497478B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその用途
JP2010241934A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2024032009A (ja) 共重合体組成物および架橋成形体
JP2024028690A (ja) 共重合体組成物
JP2024032013A (ja) 架橋成形体の製造方法、架橋装置及び架橋方法
JP2013067819A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140903

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151027