JP3711849B2 - マイクロコンピュータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プルアップ抵抗を接続した信号線が接続される入力端子を介して取り込んだ信号の状態に基づいて処理を実行するプロセッサを備えたマイクロコンピュータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両制御用の電子制御装置(ECU)を構成するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)には、車両の状態を表すセンサやスイッチからの状態信号や他のECUからの制御要求等、様々な信号を入力するための入力ポートが多数設けられており、これら入力ポートを介して取り込んだ信号に基づいて各種処理を実行するようにされている。
【0003】
このような処理のために監視対象となる入力ポートは、車両制御の高機能化に従って増加する傾向にあり、これに伴って各入力ポートへの信号線に接続されるプルアップ抵抗がマイコンの消費電力を増大させる原因の一つとなっている。
これに対して、入力ポートから信号を取り込む時にだけ、プルアップ抵抗への通電を行うことにより、プルアップ抵抗による電力消費を削減する方法が知られている。
【0004】
但し、入力ポートに接続された信号線やこの信号線に信号を供給する機器の持つ容量分やインダクタンス分の影響により、プルアップ抵抗への通電が開始された直後の信号線の状態は電気的に不安定なものとなる。このため、入力ポートから信号を取り込む前には、信号線の状態が電気的に安定するまでに要する立上時間以上の間、プルアップ抵抗への通電を連続して行う必要がある。
【0005】
そこで、具体的には、図4(a)に示すように、まず、プルアップ抵抗への通電を開始すると共に、上記立上時間の経過後に割込を発生させるよう設定されたタイマーを起動した後、タイムアウトして割込が発生するまで待機し、タイマー割込が発生するとその割込処理の中で、入力ポートから信号を取り込んだり、プルアップ抵抗への通電を停止させたりしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、割込処理では、本来実行すべき処理(ここでは入力ポートからの信号の取込)以外に、レジスタの退避,復帰や、割込マスクの設定,解除等、割込処理に特有な処理を多数行わなければならず、ソフトウェアの負荷が大きくなってしまうといという問題があった。
【0007】
ところで、近年では、車両のドアを無線により施錠,開錠するもの等があり、ECUは、エンジンの停止時であっても、これらの制御要求や車両状態の変化に対応しなければならない。このため、エンジンの停止時には、図4(b)に示すように、ECUを構成するマイコンを、機能停止しているが起動要請があれば直ちに動作を再開可能なスリープ状態にして待機させておき、定期的にスリープ状態から処理が可能な起床状態にして、プロセッサに入力ポートから信号を取り込んで制御要求や車両状態の変化の有無を監視する監視処理を実行させる、いわゆる待受制御を行わせている。そして、監視処理の結果、制御要求や車両状態の変化が検出されなければ、直ちにスリープ状態に戻り、制御要求や車両状態の変化が検出された場合には、これに対応する処理を実行させるのである。
【0008】
このような待受制御は、上述のようにエンジンの停止中に行われるため、バッテリの過度な消耗を防ぐために可能な限り電力消費を抑える必要がある。このため、特にスリープ状態の時には、スリープ状態から起床状態に遷移させるタイミングを生成するためのタイマーや、前回の起床時に取り込んだ入力ポートの状態等の履歴情報を記憶するためのメモリ等、最低限必要な周辺機器のみに電源供給を行うと共に、高速なメインクロック(例えば16MHz)の生成を停止させ、メインクロックより低速なサブクロック(例えば25〜30KHz)を用いて、上述のタイマー等を駆動することにより、電力消費を抑えることが行われている。
【0009】
一方、スリープ状態から起床状態に起床した時には、高速なメインクロックがマイコンに供給されることにより、マイコンに大きな動作電流が流れ、暗電流(エンジン停止中に流れる電流)を増大させてしまうため、マイコンが起床状態となる期間をできるだけ短くする必要がある。
【0010】
しかし、この起床状態の時に実行される入力ポートの監視処理では、上述したように、プルアップ抵抗への通電を開始した後、タイマー割込が発生するまでの間、即ち信号線の状態が電気的に安定するまでに要する立上時間が経過するまでの間は、何の処理も行われない待ち時間となる。その結果、無駄に暗電流を増大させてしまい、バッテリの消耗を十分に抑えることができないという問題があった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するために、入力ポートから信号を取り込む際のソフトウェアの負荷を軽減することを第1の目的とし、更に、スリープ状態の時に間欠的に入力ポートを監視する待受制御に基づいた電力消費を必要最小限に抑えることを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための発明である請求項1記載のマイクロコンピュータでは、周期起動手段が、起動指令を定期的に生成することにより、当該マイクロコンピュータを、プロセッサが機能停止しているスリープ状態から、プロセッサが処理の実行を可能な起床状態に遷移させる。
【0013】
このようにマイクロコンピュータが起床状態に遷移すると、プロセッサは、入力ポートから取り込んだ信号の状態に基づいて処理を実行し、実行すべき処理がなく機能停止する際には停止指令を出力する。そして、このプロセッサからの停止指令により、マイクロコンピュータは、電力消費の少ないスリープ状態に遷移する。
【0014】
また、周期起動手段にて起動指令に先だって生成され、出力端子を介して外部に供給される通電指令により、入力端子への信号線に接続されたプルアップ抵抗は、起動指令が生成される前には、立上時間以上の通電が行われ、入力端子への信号線の状態が電気的に安定した状態となるようにされている。
【0015】
従って、本発明によれば、起動指令により処理の実行が可能となったプロセッサは、割込処理等を用いることなく、直ちに入力ポートから信号を読み取ることができ、プロセッサが起床状態となる期間を大幅に短縮できる。
その結果、例えば、本発明のマイクロコンピュータを、車両制御用の電子制御装置を構成するために用い、エンジンの停止時に入力ポートを間欠的に監視する待受制御を行わせた場合には、マイクロコンピュータに流れる暗電流を必要最小限に抑えることができ、バッテリが過度に消耗されてしまうことを防止できる。
【0016】
ところで、プルアップ抵抗への通電は、起床したプロセッサが実行する処理の中で、入力ポートから信号を読み込んだ後に停止させるようにしてもよいが、例えば、請求項2記載のように、通電指令が終了するタイミングにて、入力端子からの入力信号をラッチして入力ポートに供給するラッチ手段を設け、通電指令を、プルアップ抵抗への通電が立上時間以上行われ、且つラッチ手段がラッチを行った直後にプロセッサによる入力ポートからの信号の取り込みが実行されるような開始タイミング及び終了タイミングを有するように設定してもよい。
【0017】
このように、本発明では、入力端子からの入力信号をラッチすると同時に、プルアップ抵抗への通電が終了するため、プルアップ抵抗での電力消費を必要最小限に抑えることができる。
しかも、本発明によれば、通電指令により通電が開始されてから、ラッチ手段にてラッチが行われるまでの通電期間が、プルアップ抵抗への通電を開始してから信号線の状態が電気的に安定するまでに要する立上時間以上の長さに設定されているため、常に、安定した状態で入力ポートへの入力信号をラッチすることができ、入力ポートから読み込まれる信号の信頼性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明によれば、入力端子からの入力信号を、プロセッサ以外の手段にてハードウェア的にラッチして入力ポートに供給しており、外部からの信号が必要な時には、直ちに入力ポートから信号を取り込むことができるため、プロセッサに実行させるプログラムの作成が容易なだけでなく、従来装置のように立上時間を確保するために割込処理を用いる必要もないため、ソフトウェアの動作時の負荷も軽減できる。
【0019】
次に、請求項3記載のマイクロコンピュータでは、通電指令生成手段が、入力ポートへの信号線に接続されたプルアップ抵抗を、予め設定された通電期間の間だけ通電するための通電指令を定期的に生成し、動作切替手段が、通電指令生成手段及び周期起動手段のいずれかを有効とするようにされている。
【0020】
なお、ラッチ手段は、通電指令生成手段からの通電指令の終了タイミングでも、入力端子からの入力信号をラッチして入力ポートに供給し、プロセッサは、この入力ポートから取り込んだ信号の状態に基づいて処理を実行する。そして、通電指令生成手段は、通電指令を定期的に生成するため、ラッチ手段にてラッチされる信号、即ち、入力ポートから取り込まれる信号は、定期的に更新されることになる。
【0021】
従って、本発明によれば、スリープ状態の時には周期起動手段、起床状態が継続する時には通電指令生成手段を有効とすることにより、いずれの状態の時にも、定期的に更新される信号を、常に安定した状態で入力ポートから取り込むことができる。
【0022】
なお、通電指令生成手段として、具体的には、例えば、請求項4記載のように、プロセッサからの指令により指定時間が設定されると、この指定時間の経過後に予め設定された期間だけアクティブレベルとなるタイムアウト信号を1回だけ出力するタイマーを用いることができ、この場合、タイムアウト信号を通電指令として用いればよい。
【0023】
また、請求項5記載のように、プロセッサからの指令により予め設定された条件に従ったPWM信号を繰り返し生成するタイマーを用いてもよく、この場合、PWM信号を通電指令として用いればよい。
特に前者(請求項4)の場合、プロセッサが実行する処理の中に、一定周期毎に起動されるものがある場合に、その処理の中でタイマーの指定時間の設定を行うようにすれば、入力ポートから読み込まれる信号が定期的に更新されることになる。また後者(請求項5)の場合には、初期化処理等の中で、条件を1度設定しておけば、以後、設定されたPWM信号の周期毎に、入力ポートから読み込まれる信号が更新されることになる。
【0024】
ところで、入力ポートへの入力信号は、信号線が持つインダクタンス分や容量分とプルアップ抵抗の抵抗分とに基づく時定数の影響により、通電指令が終了しても直ちに電源供給が途絶えてしまうことがない。このため、ラッチ手段は、通常であれば、この通電指令の終了タイミングを用いて、入力端子からの入力信号を安定した状態でラッチできる。しかし、回路構成によって、ラッチ手段への通電指令の終了タイミングの伝達が遅れるおそれがある場合には、請求項6記載のように、出力端子に供給される通電指令を、ラッチ手段に供給される通電指令より遅延させる遅延手段を設けることが望ましい。
【0025】
また、入力端子からの入力信号を、リアルタイムで検出する必要がある場合には、請求項7記載のように、ラッチ手段による信号のラッチを禁止するラッチ禁止手段を設け、入力ポートへの入力信号がラッチ手段を素通りできるようにしておくことが望ましい。
【0026】
ところで、マイクロコンピュータをスリープ状態にする場合、電力消費を抑えるために、高速なメインクロックを停止させ、より低速なサブクロックに切り替えて必要最小限の動作を行わせることが行われている。このため、スリープ状態から起床状態に起床させるときには、メインクロックの発振を開始させ、その発振状態が安定してからプロセッサを動作させる必要があり、プルアップ抵抗への通電を行う場合と同様に、ここでも待ち時間が生じる。
【0027】
そこで、請求項8記載のように、メインクロックを生成するクロック生成手段と、プロセッサからの停止指令に従ってメインクロックの生成を停止させたり、周期起動手段が生成する通電指令に先立って、メインクロックの生成を開始させるクロック制御手段を備えている場合には、起動制御手段は、メインクロックの発振が安定するまでの間に通電指令を終了させることが望ましい。
【0028】
即ち、プルアップ抵抗への通電は、メインクロックが不安定であっても問題なく行うことができるため、この間にプルアップ抵抗への通電を終了させておけば、メインクロックが安定すると、直ちにプロセッサが処理を実行させて入力ポートから信号を取り込むことができ、その結果、待受制御におけるメインクロックの生成期間が必要最小限に抑えられるため、暗電流を更に減少させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が提供されたマイクロコンピュータを組み込んで構成した車載用電子制御装置(ECU)の概略構成図である。
【0032】
図1に示すように、ECU2は、本実施形態のマイクロコンピュータ(マイコン)4を中心に構成されており、車両の状態を表す各種スイッチやセンサからの信号線が接続される複数(ここでは32個)の接続端子T(T0〜T31)、各接続端子Tからの入力信号をマイコン4に導く信号線L(L0〜L31)、各信号線Lをバッテリ電圧Bにてプルアップするためのプルアップ抵抗Rp(Rp0〜Rp31)、マイコン4からの通電指令に従って、プルアップ抵抗Rpへの通電を制御する通電回路6を備えている。
【0033】
このうち通電回路6は、マイコン4からの通電指令がアクティブ(ハイ)レベルの時にオン状態となって、抵抗R1,R2からなる分圧回路への通電を行うトランジスタTR1と、分圧回路によりバイアスされオン状態になるとプルアップ抵抗Rpへの通電を行うトランジスタTR2とからなる。
【0034】
次に、マイコン4は、CPU10,ROM11,RAM12からなる周知の構成に加えて、CPU10からの指令に従って、CPU10が設定する条件に従ったPWM信号を繰り返し出力するPWMモード、又はCPU10が設定する設定時間が経過すると所定のパルス幅を有する信号を出力するアウトプットコンペアモードのいずれかにて動作するタイマー回路14と、後述するサブクロックSCKに従って動作し、各種タイミング信号PS,C1〜C3を生成するタイミング生成回路15と、タイマー回路14からの出力PM、或いはタイミング生成回路15からの出力PSのいずれかを選択してプルアップ抵抗通電信号P(本発明の通電指令に相当)として出力する選択回路16と、選択回路16が出力するプルアップ抵抗通電信号Pを遅延させる遅延回路17と、選択回路16が出力するプルアップ抵抗通電信号P、及びこれを遅延回路17にて遅延させたもののいずれかを選択し、出力端子TOを介して通電回路6に供給する切替スイッチ18とを備えている。
【0035】
また、マイコン4は、各信号線Lが接続された入力端子TI(TI0〜TI31)からの入力信号を、選択回路16が出力するプルアップ抵抗通電信号Pの終了タイミング(立下りエッジ)にてそれぞれラッチするラッチ回路LT(LT0〜LT31)と、各ラッチ回路LTの出力を、CPU10に取り込むためのIOポート13と、CPU10からの指令に従って、各ラッチ回路LTの動作モード(ラッチ/スルー)や、選択回路16や切替スイッチ18での動作を設定するための動作設定レジスタ19とを備えている。
【0036】
なお、通常、ラッチ回路LTは、信号をラッチする動作モード、選択回路16は、タイミング生成回路15からの出力PSを選択し、切替スイッチ18は、選択回路16が出力するプルアップ抵抗通電信号PSを出力端子TOに供給する設定となっているものとする。
【0037】
また、タイミング生成回路15は、図2に示すように、一定周期tcy(本実施形態では75ms)毎に定期的にメインクロック稼動開始信号C1を出力し、時間tw1(本実施形態では1ms)経過後に、周辺リソース通電開始信号C2を出力し、更に時間tw2(本実施形態では、0.3ms)経過後に、動作クロック切替信号C3(本発明の起動信号に相当)を出力するように構成されている。これと共に、周辺リソース通電開始信号C2の開始タイミングと同時、又はこれより少し(100μs程度)遅れてアクティブとなり、動作クロック切替信号C3の開始タイミングで非アクティブとなる通電信号PSを出力するように構成されている。
【0038】
但し、時間tw2は、プルアップ抵抗Rpへの通電を開始後、信号線Lの状態が電気的に安定するのに必要な立上時間以上の長さに設定され、また、時間tw1は、tw1+tw2が、メインクロックMCKの生成を開始後、その発振状態が安定するのに必要な発振安定時間以上となるような長さに設定されている。
【0039】
更に、マイコン4は、メインクロックMCK(本実施形態では16MHz)及びサブクロックSCK(本実施形態では30KHz)からなる2種類の動作クロックを生成すると共に、CPU10からの停止指令SLPに従って、当該マイコン4をスリープ状態に遷移させ、タイミング生成回路15からの出力C1〜C3に従って、当該マイコン4をスリープ状態から起床状態に遷移させるスリープ制御回路20を備えている。
【0040】
このスリープ制御回路20は、停止指令SLPが入力されると、ROM11,IOポート13,タイマー回路14,及び図1中に図示されている以外の周辺回路への電源供給を停止する。これと共に、メインクロックMCKの生成を停止して、当該マイコン4の動作クロックとしてサブクロックSCKを供給することにより、マイコン4を、CPU10が機能停止したスリープ状態に遷移させる。
【0041】
なお、停止指令SLPを出力する前にCPU10は、全てのラッチ回路LTが、プルアップ抵抗通電信号Pの終了タイミングで入力端子TIからの入力信号をラッチする動作モードとなり、選択回路16にて、タイミング生成回路15からの出力PSがプルアップ抵抗通電信号Pとして選択されるように、動作設定レジスタ19を設定する。
【0042】
また、スリープ状態の時に、タイミング生成回路15からメインクロック稼動開始信号C1が入力されると、メインクロックMCKの生成を開始し、その後、周辺リソース通電開始信号C2が入力されると、スリープ状態に遷移する際に、電源供給が停止された各部への電源供給を開始し、更に、動作クロック切替信号C3が入力されると、動作クロックをサブクロックSCKからメインクロックMCKに切り替える。このように動作クロックがメインクロックMCKに切り替わると、CPU10は、ROM11に記憶されたプログラムに従った処理の実行を開始する。
【0043】
但し、これらメインクロックMCKの生成、周辺リソースへの通電、動作クロックの切替は、CPU10からの停止指令SLPにより、すべて停止するようにされている。
ここで、マイコン4が起床状態にある時に、CPU10が実行する処理を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。なお、本処理は、先に説明したように、動作クロックとしてメインクロックMCKが供給されることにより起動される。
【0044】
図3に示すように、本処理が起動すると、まずS110では、プログラムカウンタ,スタックポインタ,割込ベクターの設定等、プログラムの実行に必要な各種設定を行うための初期化処理を実行する。
S120では、IOポート13から信号を取り込み、続くS130では、前回起動された時に取り込まれたデータと比較し、変化があるか否かを判断する。
【0045】
そして、変化がなければ、制御要求や車両状態の変化はないものとして、S140に移行する。
一方、先のS130にて、IOポート13からの取込値に変化があると判定された場合には、制御要求や車両状態の変化があったものとして、S150に移行し、その要求や変化に対応する処理は、処理量が大であるか否かを判断する。具体的には、当該マイコン4の起床周期tcy以上続けて起床状態が継続するか否かを判断し、起床状態の継続期間が起床周期tcyより短ければ、S160に移行して、要求や変化に対応する処理を実行する。
【0046】
続くS165では、対応処理(S160)の実行中に新たなIOポート13の変化が有ったか否かをチェックし、変化がなければ、新たな処理要求は発生していないものとして、S140に移行する。
また先のS150にて、起床状態の継続期間が起床周期tcy以上となると判定されるか、或いは先のS165でのチェックの結果、IOポート13に変化があり、新たな処理要求が発生していると判定された場合には、S170に移行する。
【0047】
S170では、タイマー回路14の設定を行うと共に、選択回路16を、タイマー回路14からの出力PMをプルアップ抵抗通電信号Pとする設定に切り替え、続くS180にて、先の要求や変化に対応する処理を実行する。
続くS190では、対応処理(S180)の実行中に新たなIOポート13の変化があったか否かをチェックし、変化があれば、新たな処理要求が発生しているものとして、S180に戻り、その処理要求に対応する処理を実行する。一方、チェックの結果変化がなければ、新たな処理要求は発生していないものとして、S200に移行し、選択回路16を、タイミング生成回路15からの出力PSを通電指令とする設定に戻した後、S140に移行する。
【0048】
S140では、当該マイコン4をスリープ状態に遷移させるための停止指令SLPを出力して本処理を終了する。
つまり、エンジンの停止時等、継続的に実行する処理がない場合には、通常はスリープ状態にあり、このスリープ状態から間欠的に起床してIOポート13の監視を行う待受制御を行う。そして、制御要求や車両状態の変化がなければ、直ちにスリープ状態に戻って、待受制御が継続される。一方、エンジンの始動等により、継続的に処理が実行される場合には、タイミング生成回路15の出力PSに代えてタイマー回路14からの出力PMが、プルアップ抵抗通電信号Pとして用いられるように切り替えられ、その結果、IOポート13から取り込まれるデータの更新が、タイマー回路14の設定に従った周期で行われることになる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態のマイコン4においては、IOポート13の監視を行うソフトウェアが稼動する前に、プルアップ抵抗Rpへの通電を、信号線Lの状態が電気的に安定するために必要な立上時間以上の間行っているので、ソフトウェアが稼動した時には、直ちにIOポート13から信号を取り込むことができる。
【0050】
従って、本実施形態によれば、従来装置のように、割込処理を行う必要がないため、CPU10が実行するソフトウェアの構成を簡単にできると共に、ソフトウェアの動作時の負荷を大幅に軽減することができる。
また、本実施形態では、割込処理を行わないため、マイコン4が起床状態となる期間が短縮されるだけでなく、ラッチ回路LTが入力端子TIからの入力信号をラッチすると同時にプルアップ抵抗Rpへの通電を終了し、しかも、このプルアップ抵抗Rpへの通電を、メインクロックMCKの発振状態が安定するまでの期間に行っているため、プルアップ抵抗Rpへの通電期間、及び待受制御中におけるメインクロックMCKの生成期間をいずれも必要最小限に抑えることができる。
【0051】
その結果、本実施形態によれば、エンジン停止時にマイコン4を流れる暗電流が大幅に低減されるため、エンジン停止中にバッテリが過度に消耗されてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、動作設定レジスタ19の設定により、ラッチ回路LTによるラッチを禁止して、入力端子TIからの入力信号をそのままIOポート13に供給できるようにされているので、入力端子TIからの入力信号をリアルタイムで検出する必要がある場合に、これに対応することができる。
【0052】
更に、本実施形態では、マイコン4の起床状態が長期間継続する場合には、CPU10が任意に設定を変更可能なタイマー回路14の出力PMを、プルアップ抵抗通電信号Pとして使用しているため、IOポート13から取り込まれる信号の更新周期を任意に設定することができ、様々な処理に対して柔軟に対応することができる。
【0053】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、マイコン4をECU2に組み込んだ場合について説明したが、ECU2に限らず、プルアップ抵抗が接続された信号線にて伝送されてきた信号をIOポート13を介して取り込み、この取り込んだ信号に基づいて各種処理を実行する装置であれば、どのようなものに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のマイクロコンピュータが組み込まれた車載用電子制御装置の概略構成図である。
【図2】 マイクロコンピュータ各部の動作を表すタイミング図である。
【図3】 マイクロコンピュータが起床状態にある時に、CPU10が実行する処理の内容を表すフローチャートである。
【図4】 従来装置の問題点を表す説明図である。
【符号の説明】
2…車載用電子制御装置(ECU)、4…マイクロコンピュータ(マイコン)、6…通電回路、13…IOポート、14…タイマー回路、15…タイミング生成回路、16…選択回路、17…遅延回路、18…切替スイッチ、19…動作設定レジスタ、20…スリープ制御回路、L(L0〜L31)…信号線、LT(LT0〜LT31)…ラッチ回路、Rp(Rp0〜Rp31)…プルアップ抵抗、R1〜R3…抵抗、T(T0〜T31)…接続端子、TI(TI0〜TI31)…入力端子、TO…出力端子、TR1,TR2…トランジスタ
Claims (8)
- プルアップ抵抗を接続した信号線が接続される入力端子と、
該入力端子を介して外部から供給される信号を取り込むための入力ポートと、
該入力ポートから取り込んだ信号の状態に基づいて処理を実行し、実行すべき処理がなく機能停止する際には停止指令を出力するプロセッサと、
を備え、前記プロセッサから停止指令が出力された場合、電力消費の少ないスリープ状態に遷移するマイクロコンピュータにおいて、
前記スリープ状態から、前記プロセッサが処理の実行を可能な起床状態に遷移させるための起動指令を定期的に生成すると共に、該起動指令に先だって、前記入力端子への信号線に接続されたプルアップ抵抗を通電するための通電指令を生成する周期起動手段と、
該周期起動手段が生成する通電指令を外部に供給するための出力端子と、
を設け、前記通電指令は前記起動指令より、前記プルアップ抵抗への通電を開始してから前記信号線の状態が電気的に安定するまでに要する立上時間以上早いタイミングで開始されることを特徴とするマイクロコンピュータ。 - 前記通電指令の終了タイミングで、前記入力端子からの入力信号をラッチして前記入力ポートに供給するラッチ手段を設け、
前記周期起動手段が生成する通電指令は、前記プルアップ抵抗への通電が前記立上時間以上行われ、且つ前記ラッチ手段がラッチを行った後に前記プロセッサが前記入力ポートからの信号の取り込みを実行するように開始タイミング及び終了タイミングが設定されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記起床状態の時に動作し、前記入力端子への信号線に接続されたプルアップ抵抗を、予め設定された通電期間の間だけ通電するための通電指令を定期的に生成する通電指令生成手段と、
該通電指令生成手段及び前記周期起動手段のいずれかを有効とする動作切替手段と、
を設けたことを特徴とする請求項2記載のマイクロコンピュータ。 - 前記通電指令生成手段は、前記プロセッサからの指令により指定時間が設定されると、該指定時間の経過後に予め設定された期間だけアクティブレベルとなるタイムアウト信号を1回だけ出力するタイマーからなり、該タイムアウト信号を前記通電指令として用いることを特徴とする請求項3記載マイクロコンピュータ。
- 前記通電指令生成手段は、前記プロセッサからの指令により予め設定された条件に従ったPWM信号を繰り返し生成するタイマーからなり、該PWM信号を前記通電指令として用いることを特徴とする請求項3記載のマイクロコンピュータ。
- 前記出力端子に供給される通電指令を、前記ラッチ手段に供給される通電指令より遅延させる遅延手段を設けたことを特徴とする請求項2ないし請求項5いずれか記載のマイクロコンピュータ。
- 前記ラッチ手段による信号のラッチを禁止するラッチ禁止手段を設けたことを特徴とする請求項2ないし請求項6いずれか記載のマイクロコンピュータ。
- 前記プロセッサを動作させるためのメインクロックを生成するクロック生成手段と、
前記停止指令に従って前記メインクロックの生成を停止させると共に、前記通電指令に先立って、前記メインクロックの生成を開始させるクロック制御手段と、
を設け、前記周期起動手段は、前記メインクロックの発振が安定するまでの間に、前記通電指令を終了させることを特徴とする請求項1ないし請求項7いずれか記載のマイクロコンピュータ。
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