JP3709340B2 - 放射線測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線測定装置に関し、特に放射線測定装置のエネルギー校正処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線測定装置に用いられる検出器の中には、入射放射線が検出器内で失ったエネルギーに比例する検出パルス信号を出力するものがある。例えばシンチレータ検出器や半導体検出器などはその代表である。この種の検出器を用いた放射線測定装置には、マルチチャネルアナライザを用いて検出パルスの波高分析を行うことにより検出した放射線のエネルギースペクトルを求めたり、検出パルスをその波高に応じた重み付けで計数することにより線量率や線量当量率を求めたりするものがある。
【0003】
しかしながら、この種の装置では、温度変化や経年変化に伴う検出器等の特性の変化により、同じエネルギーの入射放射線に対する検出パルスの波高が変わってくる場合がある。例えば、屋外に設置される環境用監視装置では、気温変化や日射状況の変化などに応じて装置温度が変化するが、この温度変化により検出器に用いられるNaIシンチレータや光電子増倍管の特性が変化し、パルス波高に変化をもたらす。このようなパルス波高の変化は、検出放射線のエネルギー評価のずれを招き、エネルギースペクトルや線量当量率などの算出結果に誤りをもたらすおそれがあった。
【0004】
このため、この種の装置では、従来よりエネルギー校正処理が行われている。従来一般的なエネルギー校正処理では、その装置で校正用線源を測定し、得られたエネルギースペクトル上でのその線源に対応する光電ピークやコンプトン端を検出し、それらピーク等がその線源の正しいエネルギー値(チャネル)に位置するよう、アンプのゲインや検出器への印加電圧を調節していた。しかしながら、この方法では、校正用線源の保持・管理や、校正の都度その線源を装置にセットするために人手や専用の機構が必要になるという問題があった。特に長期間にわたって自動測定を行う環境用エリアモニタなどでは、校正用線源を用いる方式は現実的ではなかった。
【0005】
この問題を解決しようとする装置としては、本出願人による特開平9−304542号公報に開示された装置がある。この装置は、環境中に広く存在する40K自然放射性核種の光電ピークやコンプトン端を基準にエネルギー校正を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自然放射性核種の放射線の検出量は、環境条件の変化に応じて動的に変化するので、エネルギースペクトル上にその核種のピークやコンプトン端が常に顕著に現れるとは限らない。例えばエネルギースペクトル上での光電ピークは、周知の平滑化2次微分法を用いて自動検出することができるが、注目する自然放射性核種の計数が充分でないとその手法による自動検出は不可能になる。例えば環境用監視装置では、雪が積もった場合には、土壌から放射される40Kのγ線が積雪により遮られ、計数が低下して自動ピーク検出が不可能になる。従来、光電ピークやコンプトン端の自動検出ができない場合は、ピーク等に基づくエネルギー校正は不可能であり、装置温度に基づく校正など、精度で劣る他の校正方法を用いて自動エネルギー校正を行っていた。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、従来光電ピーク等の自動検出ができなかったような場合でも、できるだけ光電ピーク等の指標点に基づくエネルギー校正を可能とした放射線測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
また、本発明に係る装置は、放射線を検出し、単位測定期間ごとに検出放射線のエネルギースペクトルを求めるスペクトル測定手段と、単位測定期間ごとのエネルギースペクトルのデータを時系列順に保管するスペクトル保管手段と、前記スペクトル測定手段で求めた今回のエネルギースペクトル上で所定の指標点の有無を判定し、その指標点が検出できればそのエネルギー値を特定する基本判定手段と、前記基本判定手段において今回のエネルギースペクトル上で前記指標点が検出できなかった場合、その所定点が検出されるまで、今回のエネルギースペクトルに対して、前記スペクトル保管手段に保管されたエネルギースペクトルを過去に遡って順次積算し、得られた積算スペクトル上で前記指標点のエネルギー値を特定する拡張判定手段と、前記指標点のエネルギー値に基づいて装置のエネルギー校正を行う校正手段とを備える。
【0011】
この装置では、単位測定期間のエネルギースペクトル上で指標点が検出できない場合、保管している過去のエネルギースペクトルを所定期間分だけ今回のスペクトルに足し込み、得られた積算スペクトルに対して指標点の検出処理を行う。その積算スペクトルでも指標点が検出できない場合は、更に過去に遡って所定期間分のスペクトルを足し込み、指標点検出を繰り返す。そして、指標点が検出できれば、それに基づいてエネルギー校正処理を行う。この構成によれば、指標点を検出するのに必要最小限のスペクトル積算しか行わなくて済むので、できるだけ現在に近い測定結果をベースにして校正処理を行うことができる。
【0012】
そして本発明では、前記拡張判定手段において、所定の遡及上限まで過去に遡ってエネルギースペクトルを積算しても前記指標点が検出できない場合、前記校正手段による前記指標点に基づくエネルギー校正を取りやめる。この態様では、スペクトルの積算の際の過去への遡及の上限を設定することができ、古すぎるデータを用いて校正を行うことを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用される放射線測定装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。この例は、放射線測定装置の一例として、環境用の監視装置を例示したものである。この環境用監視装置の検出器10は、放射線(主としてγ線)の入射に応じて発光するNaIシンチレータ10a、その発光を電気的な検出パルス信号に変換する光電子増倍管10b、及び光電子増倍管10cの出力を増幅するプリアンプ10cを含んでいる。プリアンプ10cから出力される検出パルス信号は、アナログ・ディジタル変換器(ADC)12でそのパルス波高に応じた値のディジタル信号に変換され、マルチ・チャネル・アナライザ・コントローラ(MCAC)14及びディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)28に入力される。
【0015】
DSP28は、あらかじめ実装された演算アルゴリズム又は変換テーブルにより、そのディジタル信号のレベル(検出パルス波高に対応)に応じた重み値を求めて出力する。この重み値は、後段に接続される線量測定装置に供給される。線量測定装置は、この重み値を加算処理することにより、線量率や線量当量率などの諸測定値を計算する。
【0016】
一方、MCAC14は、入力されるディジタル信号をスペクトルメモリ16a又は16bに入力して、それらメモリ16a又は16b上にエネルギースペクトルを作成するための制御を行う。すなわち、スペクトルメモリ16a、16bは、各波高レベルに対応した複数のチャネルを有した同じ構造のメモリである。MCAC14は、各検出パルスに対応するディジタル信号がADC12から入力されるごとに、スペクトルメモリ16a又は16bにおいて、そのディジタル信号の値に対応するチャネルの計数を増加させる。この処理を所定の単位測定期間(以下単に「測定期間」という)にわたって行うことにより、スペクトルメモリ16a又は16bには、検出器10に入射した放射線の波高分布、すなわちエネルギースペクトルが形成される。なお、この構成において、スペクトルメモリを2つ設けているのは、ある測定期間のエネルギースペクトルを一方のスペクトルメモリ16a又は16bに形成している間に、並行して、もう一方のスペクトルメモリ16b又は16aに既に形成されている前回の測定期間のエネルギースペクトルを用いて各種の処理が行えるようにするためである。
【0017】
プロセッサ18は、スペクトルメモリ16a、16bに格納されたエネルギースペクトルをRAMディスク26に格納するための処理や、本装置のエネルギー校正処理を実行する。これらの処理のためのプログラムやデータはROM(リードオンリーメモリ)20に格納されている。図では、プロセッサ18の処理のための各種プログラム、データのうち、エネルギー校正のための校正処理プログラム22と、その校正に用いる基準値24のデータを例示している。基準値24は、原理的にはエネルギー校正の基準に用いる自然放射性核種の発する放射線(γ線)の光電ピークのエネルギー値であり、実際的にはエネルギースペクトル上でのそのエネルギー値に対応するチャネルの番号を用いる。例えば、土壌中などに比較的広く存在する40K(カリウム40)を校正基準に選んだ場合、40Kの発するγ線のエネルギー1.462MeVに対応するチャネルの番号が基準値24としてROM20に記憶される。なお、ROM20の代わりにEEPROMなどの書き換え可能な記録媒体を用いてもよいことはいうまでもない。
【0018】
RAMディスク26は、エネルギースペクトルの保存等に利用される半導体メモリである。RAMディスク26は、例えば、10分の測定期間ごとに形成されるエネルギースペクトルのデータを数ヶ月分にわたって蓄積する容量を備えている。なお、RAMディスク26の代わりに、ハードディスクなどの他の記録媒体を用いることも可能である。
【0019】
プロセッサ18は、1つの測定期間が終わるごとに、その間に形成されたエネルギースペクトルの値をスペクトルメモリ16a又は16bから読み出し、それを時系列順にRAMディスク26に蓄積していく。RAMディスク26に蓄積された各測定期間のエネルギースペクトルは、定期的にあるいは必要に応じて読み出し、分析に供することができる。
【0020】
また、プロセッサ18は、1つの測定期間が終わるごとに、校正処理プログラム22を実行してエネルギー校正処理を行う。例えば測定期間が10分であれば、10分ごとにエネルギー校正が行われる。本実施形態では、エネルギー校正は、プリアンプ10cのゲインを調整することにより行われる。測定期間ごとに行われるこのエネルギー校正処理の処理手順の一例を図2を参照して説明する。
【0021】
1つの測定期間が完了し、その期間での検出放射線のエネルギースペクトルがスペクトルメモリ16a又は16bに形成されると、プロセッサ18は、そのスペクトルメモリ16a又は16bから、作業領域として用いるRAM(図示省略)上にエネルギースペクトルのデータを読み込む(S10)。次に、そのエネルギースペクトルから、40Kの光電ピーク検出のためのROI(Region Of Interest:注目領域)内のスペクトルを切り出し、その部分の計数値(又は計数率)が所定の許容範囲を超えているか否かを判定する(S12)。
【0022】
ここで用いるROIは、40Kのγ線のエネルギー値に対応する正しいチャネル(即ち基準値24)を中心とした所定チャネル幅の領域である。このようにピーク検出の対象範囲(ROI)を限定することで、誤ったピークを40Kの光電ピークとして検出することを防止する。例えば、人工放射性核種である60Coは1.33MeVのγ線を放射するので、60Coが仮に環境中に存在すると、40Kの光電ピークに極めて近いところに60Coのピークが現れるが、後者を40Kのピークと誤認識するおそれがあるが、60Coのピークを含まないようにROIを設定することでそのような誤認識を防止できる。
【0023】
このROI中の計数値(又は計数率)が多すぎる場合(すなわちS12の判定結果がY)、何らかの異常が起こって環境中の放射線が増大している可能性がある。このようなデータから求めたピークはエネルギー校正に用いることはできない。そこで、このような場合は、40Kの光電ピークに基づくエネルギー校正は取りやめて、装置温度に基づく校正処理を行う(S30)。この装置温度に基づく校正処理は従来から公知の技術なので、ここでは概略を簡単に説明するのみにとどめる。すなわち、S30では、プロセッサ18は、検出器10近傍に設けられた温度センサ(図示省略)の検出温度に応じたゲイン指令をプリアンプ10cに送ってそのゲインを調整する。このため、例えば各温度ごとの適切なゲインがROM20に記憶されている。ただし、この記憶情報は、工場出荷時などの特定の時点の特定の環境での検査結果に基づく値であり、現時点の最適値とは少し異なっている可能性が高い。したがって、このような温度に基づく校正処理は、現在の実測データに基づく40Kのピーク基準の校正処理の方が正確さの点で劣っているが、全く校正を行わないよりも温度基準の校正を行った方が良い場合が多いので、ここでは温度基準の校正を行う。
【0024】
S12の判定結果がNの場合、次に40KのROIの計数値(又は計数率)が許容範囲未満であるか否かを判定する(S14)。ROI中の計数値(又は計数率)が少なすぎる場合、そのデータから求められる光電ピークは統計的な信頼性が低いものになるので、ここではROIの計数がピーク判定に充分なだけあるかどうかを検査している。
【0025】
S14の判定の結果がNの場合、ROIの計数値(又は計数率)が、40Kの光電ピークの検出のための許容範囲内にあることになる。この場合、プロセッサ18は、そのROI内のエネルギースペクトルのデータに対し、ピーク検出のための演算処理を行う。この演算処理には、平滑化2次微分法などの公知のアルゴリズムが利用できる。
【0026】
次に、このピーク検出処理で40Kの光電ピークが検出できたか否かを判定し(S18)、検出できた場合には、そのピークに基づくエネルギー校正を実行する(S20)。すなわち、プロセッサ18は、その光電ピークのチャネル(エネルギー値に対応)を求め、そのチャネルが基準値(すなわちそのピークの本来あるべきチャネル)よりも大きければプリアンプ10cのゲインを下げるように指令を出し(これによりパルス波高が小さくなる)、そのチャネルが基準値よりも小さければプリンアンプのゲインを上げるように指令を出す。このとき、求めたピークのチャネルと基準値との差に応じてゲイン調整量を決定する。
【0027】
さて、S14の判定でROIの計数値(又は計数率)が許容範囲未満だった場合、及びS18でピーク検出できなかったと判定された場合、本実施形態では、RAMディスク26に保存してある1つ前の測定期間のエネルギースペクトルを取り出し(S24)、これを今回の測定期間のエネルギースペクトルに対して積算した上で(S28)、S14以下の処理を繰り返す。
【0028】
スペクトルの積算により、より長い期間についてのエネルギースペクトルが得られ、統計的に40Kの光電ピークが顕著になってくる。例えば今回の測定期間で40Kの光電ピークの近傍の計数が偶然多くピーク検出ができなかったなどの場合でも、直前のスペクトルとの加算により、統計的変動の部分が平準化され、40Kの光電ピークが際立ってくる。例えば図3(a)に示す1測定期間(10分)のエネルギースペクトルでは、40Kの光電ピークの計数が少なく、前後の各チャネルとの計数の差が統計的に見て充分ではないので、平滑化2次微分法などの自動ピーク検出手法でその光電ピークを検出することはできない。一方、図3(b)は、今回のエネルギースペクトルに過去50分のスペクトルを積算した合計1時間のエネルギースペクトルを示している。この1時間のエネルギースペクトルでは、40Kの光電ピークが周囲から明確に立ち上がっており、自動ピーク検出手法で検出することができる。
【0029】
ここでは、エネルギースペクトルは、時系列順に新しいものから順に積算していく。そして、積算(S28)の結果得られたエネルギースペクトル(積算スペクトルと呼ぶ)に対してS14やS16、S18の処理を行う。積算してもROIの計数が許容範囲に達しなかったり(S14の結果がY)、あるいは光電ピークの検出ができなかった場合(S18の結果がN)は、更に過去に遡ってエネルギースペクトルを積算する(S28)。図2では、1測定期間分ずつエネルギースペクトルを積算していく例を示しているが、複数測定期間分ずつ積算することも可能である。積算を繰り返していくうちにいずれかの時点の積算スペクトル上で40Kの光電ピークが見つかれば、S20にて光電ピークに基づく自動エネルギー校正処理が行われる。
【0030】
なお、スペクトルの積算は、光電ピークを際立たせるというメリットはあるものの、その反面、積算により過去のデータの影響が強まってしまうというデメリットがある。したがって、あまり遠い過去まで積算してしまうと、仮に光電ピークが得られたとしても、それは現在の装置状況よりもむしろ過去の状況の影響が強いものとなってしまい、現状に基づく装置校正の意義が薄れる可能性がある。そこで、本実施形態では、S22でスペクトルの積算数が所定数に達したかを検査し、光電ピークが見つからない場合でも、あらかじめ設定したところで積算をうち切って温度に基づく校正処理を行うようにする(S30)。これにより、できるだけ現在に近い情報に基づいてエネルギー校正を行うことができる。これにより、例えば積算は今回の測定期間からみて40分以内の過去データに限定するなどという制限を実現することができる。
【0031】
また、RAMディスク26から取り出したエネルギースペクトルの40KのROIの計数値(又は計数率)が許容範囲より大きい場合、そのスペクトルは前述の理由でピーク検出(及びそれに基づくエネルギー校正)に適さないので、その場合にはS28をスキップしてそのスペクトルを積算しないようにする(S26)。
【0032】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明した。以上説明したように、本実施形態によれば、測定により得られたエネルギースペクトルで40Kの光電ピークが自動検出できない場合でも、スペクトルの積算によりそのピークを検出できる可能性を高めることができ、精度の良い実測光電ピークに基づくエネルギー校正処理を実行できる機会を増大させることができる。また、本実施形態では、スペクトルの積算(どこまで過去に遡るか)に上限を設けることにより、古すぎるデータに基づいて自動校正を行ってしまうことを防止できる。
【0033】
なお、以上の実施形態では、実測エネルギースペクトルに基づく校正の際の指標点として40Kの光電ピークを用いたが、光電ピークの代わりにコンプトン端を指標点としてもよいし、40K以外の自然放射性核種を用いてもよい。例えば、検出器にプラスティックシンチレータを用いる場合は、光電ピークよりもコンプトン端を用いる方が好適である。また、どの自然放射性核種を用いるかは、装置の設置場所の環境条件に応じて定めればよい。
【0034】
また、以上の例では、エネルギー校正のためにプリアンプ10cのゲインを調節する例を示したが、もちろんこれ以外にも例えば光電子増倍管10bに印加する高圧電源の電圧を調節してもよい。また、プリアンプ10cとADC12の間にメインアンプを配置する構成の場合、メインアンプのゲインを調節することでエネルギー校正を行うようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、単位測定期間のエネルギースペクトルから光電ピーク等の指標点が見つからなかった場合には、過去のスペクトルを加算するなどしてより長い期間のスペクトル上で指標点を探すようにしたので、指標点が見つかる可能性がより向上する。これにより、実測スペクトルの指標点に基づく精度の高いエネルギー校正を実行できる機会が増大するという効果が得られる。また、本発明では、積算スペクトルから指標点が検出できなければ更に過去に遡ってスペクトルを積算し、指標点が検出できたところで処理をうち切るという方式により、できるだけ現在に近い時点のスペクトルデータに基づいてエネルギー校正が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される放射線測定装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図2】 実施形態におけるエネルギー校正処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】 エネルギースペクトルの積算の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
10 検出器、10a NaIシンチレータ、10b 光電子増倍管、10cプリアンプ、12 ADC(アナログディジタル変換器)、14 MCAC(マルチ・チャネル・アナライザ・コントローラ)、16a,16b スペクトルメモリ、18 プロセッサ、20 ROM、22 校正処理プログラム、24 基準値、26 RAMディスク、28 DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)。
Claims (2)
- 環境中に存在する自然放射性核種からの放射線を検出し、単位測定期間ごとに検出放射線のエネルギースペクトルを求めるスペクトル測定手段と、
単位測定期間ごとのエネルギースペクトルのデータを時系列順に保管するスペクトル保管手段と、
前記スペクトル測定手段で求めた今回のエネルギースペクトル上で所定の指標点の有無を判定し、その指標点が検出できればそのエネルギー値を特定する基本判定手段と、
前記基本判定手段において今回のエネルギースペクトル上で前記指標点が検出できなかった場合、その指標点が検出されるまで、今回のエネルギースペクトルに対して、前記スペクトル保管手段に保管されたエネルギースペクトルを過去に遡って順次積算し、得られた積算スペクトル上で前記指標点のエネルギー値を特定する拡張判定手段と、
前記指標点のエネルギー値に基づいて装置のエネルギー校正を行う校正手段と、
を備え、
前記拡張判定手段において、所定の遡及上限まで過去に遡ってエネルギースペクトルを積算しても前記指標点が検出できない場合、前記校正手段による前記指標点に基づくエネルギー校正を取りやめることを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項1記載の放射線測定装置において、
前記拡張判定手段は、前記スペクトル保管手段に保管されたエネルギースペクトルを過去に遡って順次積算して際、積算のために前記スペクトル保管手段から取り出したエネルギースペクトルにおける、検出対象の指標点に対応する所定の注目範囲の計数値が許容範囲を超える場合、その取り出したエネルギースペクトルについては積算を取りやめることを特徴とする放射線測定装置。
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